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2009/10/16

10/15 新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」

大好きなマイレン・トレウバエフが新国立劇場で初めて「ドン・キホーテ」のバジルを踊るということで待ちに待った公演。そして、本当にマイレンは素晴らしかった!仕事を半休して観に行った甲斐がありました。観ている間、本当に幸せで幸せで、いつまでも終わらないで欲しいと思ったほどでした。

今までマイレンを観てきて、ワガノワ仕込みの踊りの美しさ、正確さはいうまでもないけど、演技の濃さがとても魅力的に感じていたので、きっとバジル役は良いだろうな~って思っていました。でも、その予想を軽く超える、目がまったく離せない名演を魅せてくれて、本当に彼ってすごいなあ、と惚れ惚れ。とにかく演技が細かくて、しかもでしゃばり過ぎることはなく、受けの演技が上手い。明るくてひょうきんで頼れる兄貴、その役作りにもちょっとひねりがあるのが面白いのです。少し斜に構えているところが、すごく大人っぽく色っぽいのです。表情もとっても豊かでくるくると変わり、台詞が聞こえてきそうでした。ちょっとだけ、フリオ・ボッカのバジルを思い出しました。狂言自殺のシーンの演技もすごく面白くて、うまく観客に視線を送り、観客とコミュニケーションを取ることで、臨場感を盛り立てています。

踊りの方も絶好調で、キレキレでした。軸のしっかりとしたピルエットは減速しながらぴたりと止まり、伸びたつま先は本当に美しい。派手なテクニシャンで鳴らしているわけではないのだけど、マネージュでも両脚がきれいに伸びて、空中に浮いているようでした。3幕のヴァリエーションでも、パッと開く空中開脚ジャンプのスピード感と気持ち良い脚の開き方、グランテカール、ソ・ド・バスク、どの技も見事に決まっていて、いつも以上に冴えわたっていました。上半身の美しさも特筆モノです。本当に、マイレンというダンサーを好きで良かったって思いました。

主役デビューの寺田さんは、かなり緊張していた様子で、特に1幕ではいっぱいいっぱいになっている感じでした。でも、少しずつ調子が出てきたみたいで。寺田さんはとても愛らしい、おっとりとした雰囲気があり、腕の運び方や指先もきれい。キトリのチャキチャキした気風のよさはなかったのですが、それは今後に期待するとして。1幕でリフトされるところが重そうだったり、カスタネットのソロもとても慎重に踊っていたようでした。コーダのピケが大変そうで顔がうまくつけられなくなってがんばれ、と思いましたが、以降はどんどん良くなりました。2幕のドルシネアは、彼女のおっとりとしてお姫様っぽい感じが役に合っていました。3幕では、バランス技も見せてくれたし、ヴァリエーションでは扇子なしヴァージョンだったのに、グランフェッテでは扇子を開閉させながらダブルも入れて、落ちそうになりながらも持ちこたえて回りきってブラボーでした。初めての主役の寺田さんをサポートし、時には先生モードになって視線を送って励ましているマイレンの包容力が素敵でますます惚れました。優しくカッコいいお兄さんって感じでした。

キトリの友達二人はとても可愛くて良かったです。寺島まゆみさんの踊りが柔らかくてとてもきれいだし、小野さんもすごくキュート。この二人もぜひキトリ役で観たいところ。ギターの踊りはいつも退屈だと思いますが、こういう大人っぽい踊りは湯川さんのお手の物で、とてもドラマティックで素敵でした。さいとうさんのキューピッド、愛らしかったです。堀口さんの森の女王は、彼女の美しさ、プロポーションの良さが引き立っていました。それから、新国立に入団したばかりの長田さんの第二ヴァリエーション、良かったです。彼女の踊りは人の目をひきつけるというか、魅せ方を心得ている感じがしました。吉本さんのサンチョ・パンサ、もったいない使い方ではありますが、彼の高い身体能力やキャラクターが生きていて、存在感がありました。長瀬さん(東京バレエ団の長瀬さんのお父さんですね)のドン・キホーテは気品があって人生の機微と哀愁を感じさせて、すごく良かったです。

というわけで、一部脇キャストに不満はありましたが、全体的にはすごく良い公演でした。初主役の寺田さんを盛り立てようという団員の気概が感じられ、温かみのある舞台でした。それにしても、本当にマイレンは素晴らしい!彼のバジル、近いうちにまた観たいです。とりあえず、明日、あさってとエスパーダ2連発を楽しみにします。

キトリ: 寺田亜沙子
バジル: マイレン・トレウバエフ
ドン・キホーテ: 長瀬信夫
サンチョ・パンサ: 吉本泰久
ガマーシュ: 澤田展生
街の踊り子: 厚木三杏
エスパーダ: 貝川鐵夫
キトリの友達(ジュアニッタ): 寺島まゆみ
キトリの友達(ピッキリア): 小野絢子
メルセデス: 西川貴子
ギターの踊り: 湯川麻美子
ジプシーの頭目:小口邦明
二人のジプシー: グリゴリー・バリノフ 古川和則 
森の女王: 堀口純
キューピッド: さいとう美帆
ボレロ: 楠元郁子、貝川鐵夫
第1ヴァリエーション: 丸尾孝子
第2ヴァリエーション: 長田佳世

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バレエ公演感想2009」カテゴリの記事

コメント

ほんとマイレン素敵でいうことなしでした。
暖かいよい公演で、新国らしい上品な舞台なので、楽しかったです。
会場で、寺田さんそっくりのご婦人をお見かけしましたが、きっとお母様ですかね。知らないけど、思わず、初役おめでとうございますといいそうになってしまいました。

ハードな旅程から帰国後、連続の鑑賞お疲れさまです。
ウチは15日だけでしたが、初役のふたりを観られてとてもよかったです。
嫁はすっかりマイレンファンになって、彼のエスパーダが観られないのが
たいへん残念そうです。
DVDも楽しみにしています!!

buminekoさん、こんばんは。

ホント、初主役の寺田さんを盛り立てようとしているのがよくわかって温かみのある公演でしたね~。お母様がいらっしゃっていたのですか!マイレンの小さなジュニアがママと観に来ていて、パパそっくりでしたがもう超~可愛かったですよ。きっと誇らしかったでしょうね。

Fさん、こんばんは。

ご夫妻に会場でお会いできて嬉しかったです~やはり奥様はマイレンにやられましたか!?アンケートに書いて、マイレンの主演をもっともっと増やしてもらいましょう。大湊由美ちゃんも、白鳥での役は期待できますね!

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