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2009/09/12

「バレエ名作ガイド」/マライン・ラドメーカー「ペール・ギュント」の映像

観ておきたいバレエの名作16作品のストーリーとみどころを、美しい舞台写真満載でまとめた一冊。

<作品解説>
白鳥の湖/眠れる森の美女/くるみ割り人形/ドン・キホーテ/ジゼル/ラ・バヤデール/ラ・シルフィード/ロミオとジュリエット/マノン/椿姫/オネーギン/シンデレラ/海賊/ライモンダ/ラ・フィユ・マル・ガルデ/コッペリア

<バレリーナが語る核心>
イリーナ・ドヴォロヴェンコ  「白鳥の湖」
エリザベット・プラテル  「眠れる森の美女」
ユリア・マハリナ  「くるみ割り人形」
タマラ・ロホ  「ドン・キホーテ」
ジュリー・ケント  「ジゼル」
ニーナ・アナニアシヴィリ  「ラ・バヤデール」
オーレリ・デュポン  「ラ・シルフィード」
アレッサンドラ・フェリ  「ロミオとジュリエット」
ヴィヴィアナ・デュランテ 「マノン」
ジョエル・ブーローニュ  「椿姫」

バレエのストーリーをまとめた本というのは、かなりたくさん出ているし、そんなにたくさん持っていても仕方ないし、と思ってスルーしていたのです。三浦雅士氏の評論にも、首をかしげることが多かったし。が、たまたま本屋さんにあったのでパラパラとめくっていたら、「オネーギン」のところで、マリインのレンスキーの写真が載っていたので、レジに直行(笑)モノクロで小さい写真なんですが、本当に美しいレンスキーで。今年また彼のレンスキーが観られたらいいんだけど。

それはさておき、瀬戸さんの写真はやっぱり素晴らしいですね。表紙のルグリとオーレリー・デュポンの「椿姫」を始め、どの写真も照明の捉え方が美しくて、見事なポーズのところを切り取っています。「ジゼル」の佐久間奈緒さんとロバート・テューズリーの写真がドラマチックで素敵。「シンデレラ」では、マイヨー版の写真が一枚。ベルニス・コピエテルスの仙女が美しい~。「ライモンダ」のイリーナ・ドヴォロヴェンコもすっごく綺麗だし。「オネーギン」はイリ・イェリネク、アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー、スージン・カンも素敵です。

作品紹介の順番がすごく良くできていて、まずはチャイコフスキー3大バレエ、次に人気のある「ドン・キホーテ」、そして白い場面のあるバレエが3本(「ジゼル」「ラ・バヤデール」「ラ・シルフィード」)。三浦氏の解説にもあるように、バレエ・ブランは地上界と冥界の二つの世界があって、冥界へと降りていくところを描いていることがよくわかります。作品の成り立ちなど歴史的な背景に触れているので、予備知識として仕入れられるので、より楽しく舞台が観られることでしょう。「ジゼル」のアルブレヒト役のダンサーによる解釈の違いも、基本的なことではありますが、作品の理解の助けになります。

それから、「ロミオとジュリエット」「マノン」「椿姫」「オネーギン」と物語バレエの系譜。バレエにとって1960年代こそが重要であったという視点は興味深いですよね。「椿姫」あたりは、三浦節が炸裂しているところで、好き嫌いが分かれる部分もあるかと思いますが、一つの見方を提示しているということでは面白いです。それに、文章がとても読みやすくやさしく書かれているので、実際の舞台を観た時の視点が多角的にできるのでよいのではないかと思います。

最後は、クラシックバレエの代表的な作品と、英国的なコメディ作品でまとめています。物語の説明は、主に多く上演されている版に基づいていますが、前述のマイヨーの「シンデレラ」やプティの「コッペリア」など現代的な版にも触れられています。

作品ごとに、バレリーナがそれぞれの作品について語っているインタビューを掲載しているという趣向が面白いです。過去にダンスマガジンに掲載されたインタビューから抜粋されたものが多いとは思いますが、プラテルのように過去のスターの談話があるのも良いですよね。

この本はバレエの物語を中心に解説している本で、踊りというより演技や演出に重点が置かれているのですが、舞踊表現ということに重点を置いた本としては、長野由紀さんの「バレエの見方」が良いと思います。併せて読むと、より理解が深まるのではないかと思います。

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マライン・ラドメイカー主演のチューリヒ・バレエ「ペール・ギュント」のDVDは発売が1ヶ月ほど遅れてしまうようなのですが、製作会社EuropeimagesのYouTubeチャンネルに、映像が少し載っていましたのでご紹介します。この会社は、パリ・オペラ座の「オルフェオとエウリディーチェ」(ピナ・バウシュ振付、今度NHKで放映される)も製作しているんですね。

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コメント

いつもながら詳しいご紹介ありがとうございます。おもわずポチってしまいました(笑)。三浦センセではなく長野さんの本のほうですが…

マリインの踊り、鮮やかですね~。「ペール・ギュント」って読んだことないのですが、あらすじからするとプレイボーイでひどい奴みたいですね(笑)。ノルウェーのオネーギンみたいな人?グリークの音楽を使っているみたいだし興味深いです。

amicaさん、こんばんは。

ちなみに「バレエ名作ガイド」は「マノン」の写真はロベルトもありますよ。ただ、一番大きな写真がダーシー・バッセルの写真で、キャプションはロベルトって書いてあるんですが、ロベルトじゃないような気がするんですよね。ロベルトにしては鼻の穴が大きすぎ髪型も違う感じが・・。

私も「ペール・ギュント」は読んだことがないんです。イプセンは「人形の家」のみ。あらすじを調べてもなんだか訳わからない話ですよね。マリインに「これであなたもブレイクするわね」って言ったら、「そうかなあ、ぼくはそう思わないけど」って返事が来ました(苦笑)エッセンでダイジェスト映像は見たのですが、ホント、マリインの踊りは素敵でしたよ。彼はつま先が綺麗で軽やかですよね。

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