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2009年9月

2009/09/30

映画「パリ・オペラ座のすべて」のカレンダーbyチャコットと映画公式ブログ

新しいDANZAをもらいに渋谷のチャコットに立ち寄った時に、映画「パリ・オペラ座のすべて」の写真を使用した2010年のカレンダーが売っていたので、1050円と手ごろだし、自分への誕生日プレゼントだと思ってつい買って帰ってしまいました(来年のカレンダーはABTのと、シュツットガルト2種類も持っていて、狭い家の中に飾る場所がありませんが)。

http://www.chacott-jp.com/j/topics/2010calendar/index.html

1月 「くるみ割り人形 Casse- Noisette」舞台写真 レティシア・プジョルとニコラ・ル=リッシュ
2月 「メディアの夢 Le Songe de Medee」リハーサル写真 デルフィーヌ・ムッサン
3月 「パキータ Paquita」リハーサル写真、エミリー・コゼット、サラ・コラ・ダヤノヴァの背中(ダンソマニ日本版による)、コール・ド・バレエ
4月 デフィレ
5月 「メディアの夢 Le Songe de Medee」舞台写真 デルフィーヌ・ムッサン、ヤン・ブリダール
6月 「ジェニュス Genus」リハーサル写真 アニエス・ルテステュ、マチュー・ガニオ
7月 「パキータ Paquita」舞台写真 ドロテ・ジルベール&マニュエル・ルグリ、子役に囲まれるドロテ・ジルベール
8月 「パキータ Paquita」舞台写真 ドロテ・ジルベール&マニュエル・ルグリ(ドロテの手にキスをするルグリ)
9月 「ジェニュス Genus」舞台写真 マリ=アニエス・ジロ、バンジャマン・ペッシュ
10月 「ベルナルダの家 La Maison de Bernarda」舞台写真 レティシア・プジョル、オーレリア・ベレ、アメリー・ラムルー
11月 「ジェニュス Genus」リハーサル写真 マリ=アニエス・ジロ、バンジャマン・ペッシュ/「パキータ」リハーサル写真 アニエス・ルテステュ、エルヴェ・モロー/「くるみ割り人形 Casse- Noisette」リハーサル写真 ミテキ・クドーを先頭にしたコール・ド・バレエ/「パキータ Paquita」リハーサル写真 ローラン・イレール
12月 「くるみ割り人形Casse- Noisette」舞台写真 イザベル・シアラヴォラ(雪の精)
1月 ガルニエの衣装工房/ブリジット・ルフェーブルとロール・ミュレ

写真はさまざまなカメラマンによって撮影されていますが、違和感はありません。華やかな舞台写真と、地道なリハーサルに明け暮れる様子とではずいぶん違っていることがわかります。リハーサルの写真は、動いている最中に撮影された写真のはずなのに、なぜか時が止まっているように見えます。350年の長きにわたって、このようにリハーサルと舞台が繰り返されてきたのだろうか、とふと思いました。

ところで、映画「パリ・オペラ座のすべて」の公式サイトには、ブログができていました。そこで映画の宣伝マン2人がバレエにチャレンジ、ということでチャコット本店にある渋谷スタジオでレッスンを受ける男子二人をレポートしていて、かなり面白いです。彼らの特訓の成果を、ぜひとも見たいものです!
http://blog.excite.co.jp/parisopera

今日はフィガロ・ジャポンの連載をまとめた「パリ・オペラ座バレエ物語」と、「バレエ・リュス その魅力のすべて」を買ってきたのですが、まだ読み終わっていないので、ご紹介は改めて。

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あと雑誌情報ですが、

発売中の「エル・ジャポン」11月号にはマチュー・ガニオのインタビューが載っていました。

10月2日発売の「シアターガイド」には、マニュエル・ルグリのインタビュー[名エトワール、踊りと人生を語る]が掲載されているそうです。
http://www.theaterguide.co.jp/newbook/backnumber/2009/11/index.html#c06

2009/09/29

DANZA 24号/DANCE MAGAZINE 11月号

ここしばらく、ひどい頭痛が続いていてちょっと更新が疎かになってしまっています。今日もさっくりと簡単に、といきたいところでしたがそうは行きませんでした(笑)

DANZA24号、カバーストーリーは新国立劇場の山本隆之さん。インタビューはアリーナ・コジョカル(ロイヤル・バレエ)、アシュレイ・ボーダー(NYCB)、そしてなんとローラン・イレール(POBメートル・ド・バレエ)です。

ほぼすっぴん状態で写っているアリーナ・コジョカルがとっても可愛らしいです。彼女を表紙にすればよかったのに、とちょっと思ってしまいました。「コッペリア」はロイヤル・バレエでは踊ったことのない演目だったんですね。そして意外なことに、古典ばかりでなく、マッツ・エックやフォーサイス、そして先日タマラ・ロホとプロジェクト公演を行って話題を呼んだキム・ブランドストラップといったコンテンポラリーの振付家の作品も好きなのだそうです。世界バレエフェスティバルが終わった後は、新しい振付家を探しに行くというから、芸術家肌なのですね。ヨハン・コボーに対する愛情溢れるコメントも微笑ましいです。

アシュレイ・ボーダーのインタビュー内容は、Bunkamuraのホームページの動画で話していることとほぼ同じでした。写真で見ると、アシュレイは大きな瞳がキラキラしていて魅力的ですね。

ちょうど日本公演のオフィシャルにも、キャスティングが掲載されましたね。
http://www.nycb2009.jp/special/090928.html

ローラン・イレールの写真が、とってもセクシーで素敵です。バレエフェスのガラ公演で見た時には、ちょっと年齢を感じさせてしまっていましたが、この誌面の写真では白いシャツを少しはだけ気味にしてポーズをとる姿が、俳優かモデルのようです。プレルジョカージュの「ロミオとジュリエット」は通しては踊ったことがないそうですが、それであの感情表現が出来るところが凄いです。「カサノバ」「メディアの夢」「ル・パルク」などプレルジョカージュとの仕事の話がとても興味深かったです。映画「パリ・オペラ座のすべて」でエミリー・コゼットにメディアが子供を殺すシーンについて教えている印象的なシーンの話も読めます。

特集は新国立劇場の「ドン・キホーテ」で、今回主役を踊る4組のダンサーのコメントと、それぞれのパートナーへのメッセージが載っていました。なかなか良い企画です。もう一つの特集はマリインスキー・バレエで、目を惹いたのはロパートキナとダニーラ・コルスンツェフの「シェヘラザード」の写真。この組み合わせが見られると思うとドキドキします。

公演レビューも、ダンスマガジンには載っていない公演も紹介されているのが良いですね。世界バレエフェスティバルの写真もたくさん載っています。

「よくばり公演ガイド」はレオニード・マシーンの「三角帽子」。珍しい作品の紹介ですね。バレエ・リュス100周年にちなみ、12月にはパリ・オペラ座で上演されるからかしら。この作品が収められたパリ・オペラ座バレエの「ピカソとダンス」DVDは廉価盤が出ました。ジョゼ・マルティネスが踊っている印象が強いのですが、DVD映像のカデル・ベラルビもカッコいいです。

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これらの記事は全部Webで読めるので、雑誌を入手できない方はぜひこちらで!
http://www.mde.co.jp/danza/

******
ダンスマガジンはこの号からリニューアルされました。最近、発売日にならないと家に届かないし、この号は発売日が土曜日だったということもあり、家よりも書店や「ラ・バヤデール」の会場の方が先に見られたんですよね。以前は前日には届いていたのに。

表紙の紙質がつるつるしたものに変わり、レイアウトも写真を大きく載せて読みやすくなったのですが、文字がすごく減った感じがします。海外公演を紹介するArt Expressが一公演(マリインスキーの「シュラレー」復刻)しか載っていなかったのがちょっと残念。

でも、この号は世界バレエフェスティバル特集ですから、評論などよりも舞台写真が見たいですものね!「パリの炎」のダニール・シムキンの写真が、身体が柔らかくきれいな曲線を描いて跳躍している一瞬を切り取っていて、ものすごく美しいです。もちろん、真っ赤な表紙に白い衣装が映えるダニールのバジルも魅力的なのですが。ティアゴ・ボァディンの「アルミードの館」の写真も素敵。この雑誌は、瀬戸秀美さんの美しい写真を見て楽しむものだと割り切った方がいいのかもしれません。インタビューは、いつものおなじみのメンバーで、あまり新味がありませんでした。

オーレリー・デュポンとニコラ・ル・リッシュが来年のパリ・オペラ座の来日公演に参加しないのは、やはりプレルジョカージュ振付の「シッダールタ」のファーストキャストとなっているからなのですね。残念。

三浦雅士とタマラ・ロホの対談はとても興味深く、彼女の深みのある演技の秘訣が少しわかった気がします。トップバレリーナとして活躍しながらも、大学とスペインの大学院まで卒業していたのですね。そして来年にはナショナル・バレエ・オブ・カナダで芸術監督カレン・ケインの補佐をする研修を受けるということです。とても率直な物言いが歯切れ良く、知的で意志の強い女性だというのがよくわかりました。

フィギュアスケートのステファン・ランビエールと小林十市さんが対談するということは、以前十市さんのブログに書かれていましたが、ダンスマガジンに載るとは!でも、対談の続きは「ワールドフィギュアスケート」誌をご覧ください、とお預けをくらっちゃいました。

モノクロのパフォーミング・アーツ・レポートで、イレク・ムハメドフが「オネーギン」に出演したヴァレンティーノ・ダンスセンターの公演が紹介されていたのが嬉しかったです。観に行きたかったけど、行けなかったもので。本当にこれがムハメドフの日本での最後の舞台だとしたら、観に行けば良かったです。

世界バレエフェスティバルなど、今年の夏のバレエを振り返るには必見の一冊ではありますよね。

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あと、どうやら今週号のAERAで世界バレエフェスティバルと上野水香さんが取り上げられているようです。
http://www.aera-net.jp/latest/
「東京が育んだ日本発のプリマ 世界一のバレエ都市」

2009/09/27

9/26 東京バレエ団 マカロワ版「ラ・バヤデール」 The Tokyo Ballet La Bayadere

東京バレエ団創立45周年記念公演VII
東京バレエ団初演
マカロワ版「ラ・バヤデール」(全3幕)

http://www.nbs.or.jp/stages/0909_labayadere/index.html

少し前にロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」のDVDを見直してみて、改めて「ラ・バヤデール」って面白い作品だわ、果たして東京バレエ団ではどのように演じてくれるのかしらと楽しみにしていた。キャストは東京バレエ団では一番のお気に入りの木村さんと、吉岡さん。

全体的にはとても良い上演だったと思う。ミラノ・スカラ座の衣装と舞台装置に重厚さがあってとても美しく、舞台の格をぐっと引き上げていた。東洋を舞台にしている作品だから、日本人キャストでも違和感がないし、スカラ座の衣装に着られているということも感じさせなくて堂々とした公演だった。影の王国の揃いっぷりと吉岡さんの好演が、今日の舞台では特に良かったと思う。綺麗に揃った群舞、繊細なニキヤと、日本のバレエ団ならではの美点が発揮されていた。

吉岡さんは、儚げで繊細なニキヤを好演していた。華奢な彼女は、神に仕える舞姫という神聖で気高い役柄も、精霊も良く似合う。アラベスクのラインが長く美しく、触れたらばらばらに壊れてしまいそうなくらい細い。細すぎて、お腹を出したニキヤの衣装だとあばら骨が浮き出て痛々しい。影の王国での浮遊感がとても素敵で、この世の者ではない存在感があってニキヤらしいニキヤだったと思う。ヴェールを持っての難しいパ・ド・ドゥでもきれいに回転していた。ポワントがちょっと弱いみたいで、回転の途中で早めにアテールになってしまうところはあったけれど、うまく処理していて全体的に破綻なく踊っていた。何より、ニキヤ役をきちんと自分のものにしていて演じられていたことに好感が持てた。ガムザッティとの対決シーンで追い詰められて、手負いの虎のようにナイフを持って歯向かっていく演技には説得力があった。一見弱弱しく見えても、芯の強さと誇り高さがあるのがニキヤというキャラクターなのだ。マカロワ版は花篭のヴァリエーションがないのが一番残念な点。ニキヤの前半最大の見せ場で、彼女の悲劇の象徴とも言えるような踊りなのに。

木村さん、キャラクター的には勇ましいながらもへたれなソロルはとても合っていたし、演技は良かったと思うのだけど、踊りについては不調でファンとしてはちょっとつらかった。まず、1幕の最初のパ・ド・ドゥでリフトを失敗。つま先は綺麗だし、苦悩する姿は素敵なんだけど、膝がいつものように綺麗に伸びていなかったし、特に2幕の婚約式のヴァリエーションがいただけなかった。影の王国でのヴァリエーションはちょっと盛り返したけど着地が5番に入らない。踊りの面では精彩を欠いていて、いつもの木村さんだったらこう踊るに違いない!と思っていたところがそうならなかった。ぜひ木村さんにはまたこの役を踊ってリベンジして欲しいと思う。その時にはまた必ず観に行くから。
木村さんのソロルは真面目でいい人で、だからこそこの悲劇になったんだなって最後の結婚式のシーンでしみじみと思った。一瞬ガムザッティにグラリとしてしまったけど、途中からそのことをひどく後悔していて、結婚することを心底嫌がっている感じが出ていた。

ソロルという役はとても体力的にハード。木村さんですらきつそうに見えたところがあるくらいだし、高岸さんはそろそろ年齢的に厳しくなりつつあるので、主役を張れる若い男性ダンサーの養成を行う必要があると再認識。

ガムザッティ役の田中さんは、テクニックに関しては危なげなく、婚約式でのイタリアン・フェッテからグランフェッテでフィニッシュする時の回転がとても良かった。最初に婚約者としてソロルに紹介されたときには華やかさや気品があったのだけど、ニキヤとの対決シーンでは完全にニキヤに押されていたような。田中さんのガムザッティもきちんと育てられたいい人なんだろうなと感じてしまった。ガムザッティはもっと高慢で自信満々、意地悪そうなところを出した方が、説得力も出てくると思う。目を覚ましたソロルに、結婚式の準備をしなさいとにじり寄るところはすごく迫力があって怖かったが。この「ラ・バヤデール」はこれからも上演されると思われるから、経験を重ねていけばガムザッティらしい華と強さも出てくるはず。田中さんは技術はしっかりしているのだから。

後藤晴雄さんの大僧正が、なかなかの濃い熱演で良かった。この役はやっぱりこれくらいくどく演じてくれないと盛り上がらない。スキンヘッドが似合っていたし、ニキヤに対する横恋慕ぶりもしつこいくらいで良かった。高岸さんは、ラジャのゴージャスな衣装と髭が似合いすぎで胡散臭くて笑ってしまうほど。顔立ちが濃いから、インド人っぽく見えるのが素敵。高岸ラジャの娘だったら、ガムザッティももっと癖のあるキャラクターになっていいはずなのに、おかしいなあ(笑)

松下さんのブロンズ・アイドル(今まで観たブロンズアイドルの中でも、塗りがすごくて金ピカ、皮膚呼吸できるのかと心配になるくらい)は、シャープに跳ぶし、回転も速くて正確でとても良かったのだけど、良かっただけに、時々つま先が緩んだりするのがすごくもったいない。仏像っぷりも良いし、動きは本当に良いから、後もう少し詰めの甘いところを直せば、完璧なのだけど。その点、高橋竜太さんのマクダヴェーヤは素晴らしかった。身体能力を生かした高い跳躍の中でも、しっかりと古典らしい美しさがあった。

影の王国のコール・ドは、スロープを下っていくところから、24人が6人×4列で整列してデヴロッぺ、それからアラベスクするところまでがとても綺麗に揃っていた。3階席正面から観ていたので、ここはたっぷり楽しむことができた。ぐらつく人もあまりいなくて、素晴らしい出来だったと思う。ただ、ヴァリエーションの3人が出てきてからはちょっと乱れているところがあった。ヴァリエーションについては、乾さんが断然良くて、他の二人はちょっと微妙な出来。群舞といえば、パ・ダクシオンは音に余りあっていなくてあまり良くなかった。

初演ということで、影の王国スロープ以外の群舞、そして男性ダンサーに課題を残している面はあるけれども、満足度の高い公演だった。ゲストなしということもあり、上層階には空席が目立っていたのが残念だった。バレエ団のカラーには合っている作品だと思うので、遠くない将来に再演を行い、できれば上演回数も増やして1キャスト2回ずつくらい踊れるようになると良いと思うのだけど。それから、バレエ作品、特に古典では衣装や舞台装置がとても重要であるということを再認識させられた。今回の衣装は本当に美しく、また適度に使い込まれた感じが重みを与えていて良かった。経済情勢が厳しい中、難しいとは思うけど他の古典作品の衣装や舞台装置もぜひリニューアルして欲しい。


振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):吉岡美佳
ソロル(戦士):木村和夫
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄

ラジャ(国王):高岸直樹
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像: 松下裕次


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):西村真由美、乾友子

パ・ダクシオン:
佐伯知香、森志織、福田ゆかり、村上美香
吉川留衣、矢島まい、川島麻実子、小川ふみ
平野玲、横内国広


【第2幕】
影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):奈良春夏
影の王国(ヴァリエーション3):乾友子


指揮: ベンジャミン・ポープ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2009/09/26

シュツットガルト・バレエの「ジゼル」と北京・蘇州「じゃじゃ馬ならし」のキャスト Stuttgart Ballet Giselle and Taming of the Shrew

シュツットガルト・バレエの2009/2010シーズンは明日(9月26日)に始まりますが、オープニングの「ジゼル」のキャストが出たのは今週になってからでした。そして、さっきサイトを見てみたら、北京と蘇州公演のキャストも出ていました。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

「ジゼル」Giselle
9/26、29
Giselle Maria Eichwald
Herzog Albrecht Friedemann Vogel
Wilfried Sébastien Galtier
Hilarion Jiri Jelinek
Myrtha Anna Osadcenko
Erste Wili Magdalena Dziegielewska
Zweite Wili Oihane Herrero
Bauern Pas de Deux Laura O Malley, Alexander Jones

9/28、10/2
Giselle Alicia Amatriain
Herzog Albrecht Jason Reilly
Wilfried Sébastien Galtier
Hilarion Damiano Pettenella
Myrtha Myriam Simon
Erste Wili Magdalena Dziegielewska
Zweite Wili Oihane Herrero
Bauernd Pas de Deux Angelina Zuccarini, William Moore

追記:サイトのトップに、マリア・アイシュヴァルトとフリーデマン・フォーゲルの素敵な「ジゼル」の舞台写真が載っています。
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/ballett/


中国公演「じゃじゃ馬ならし」
Der Widerspenstigen Zähmung

10/9(北京)、10/17(蘇州)
Katharina Sue Jin Kang
Bianca Elizabeth Mason
Petrucchio Filip Barankiewicz
Gremio Alexander Zaitsev
Lucentio Marijn Rademaker
Hortensio Dimitri Magitov

10/10(北京)、10/16(蘇州)
Katharina Maria Eichwald
Bianca Anna Osadcenko
Petrucchio Jason Reilly
Gremio Tomas Danhel
Lucentio Nikolay Godunov
Hortensio Laurent Guilbaud

10/11(北京)

Katharina Alicia Amatriain
Bianca Laura O Malley
Petrucchio Jiri Jelinek
Gremio Arman Zazyan
Lucentio William Moore
Hortensio Damiano Pettenella

「じゃじゃ馬ならし」は、フィリップ・バランキエヴィット、ジェイソン・レイリー、イリ・イェリネクと日替わりのペトルッチオで豪華なキャストですね。一応この北京公演を観に行く予定です。


中国と言えば、サンフランシスコ・バレエのブログで上海公演の様子がどんどんアップされています。
http://www.sfballetblog.org/
10月1日の国慶節の模様もアップされるのでしょうか?ちょっと楽しみです。

バレエ雑誌「Pointe」のブログにも、上海の様子がちょっとアップされています。
http://pointemagazine.com/blog/458

ナタリア・マカロワ版「ラ・バヤデール」(ロイヤルバレエ) Royal Ballet La Bayadere DVD (1991)

いよいよ今日から東京バレエ団のナタリア・マカロワ版「ラ・バヤデール」が開幕しました。私が観に行くのは明日
なのですが、「ラ・バヤデール制作日記」では、ゲネプロの様子などが次々とアップされています。特に、僧侶たちのヘアメイクの裏側は初めて知って、とっても面白かったです。

予習として連休最終日にロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」のDVDを観ました。ずいぶん前に観てから久しぶりに観直してみると、出演者の豪華さに眩暈がするほどです。

ロイヤル・バレエ The Royal Ballet
「ラ・バヤデール」La Bayadere

振付:ナタリア・マカロワ Natalia Makarova
編曲/指揮:ジョン・ランチベリー John Lanchbery
衣装:ヨランダ・ソナベント Yolanda Sonnabend
収録:1991年 コヴェント・ガーデン ロイヤル・オペラハウス  123分

ニキヤ:アルティナイ・アスィルムラートワ Altynai Asylmuratova
ソロル:イレク・ムハメドフ Irek Mukhamedov
ガムザッティ:ダーシー・バッセル Darcey Bussell
大僧正:アンソニー・ダウエル Anthony Dowell
ラジャ:デヴィッド・ドリュー David Drew
黄金の仏像:熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
苦行僧:ピータ・アベグレン Peter Abegglen
影の王国ソリスト:ニコラ・ロバーツ Nicola Roberts / フィオナ・ブロックウェイ Fiona Brockway / ヴィヴィアナ・デュランテ Viviana Durante

以前この映像を観た時に、アンソニー・ダウエルの大僧正の濃い演技があまりにも強烈で、この作品の主役は大僧正なのかと思ってしまうほどだったけど、今回観てもその印象は変わらず。威厳あふれる中に、情欲で燃えたぎる一人の男の性を熱演していて、思わず彼に感情移入してしまいそうになるほど。ニキヤとソロルの逢瀬を覗き見てうろたえ、嫉妬にメラメラと身を震わせる姿も色っぽい。ニキヤのヴェールをこっそりといとおしそうに隠し持っているところなんかも、相当粘着質な感じ。毒蛇に噛まれたニキヤに解毒剤を渡すも、彼女がガムザッティの手を取って歩き去るソロルの姿を見て絶望して解毒剤の小瓶を落とす時の、大僧正の哀しみと驚きの混じった表情も、胸を打たれた。彼のように一人の人間として舞台の上に存在している役者がいると、作品がぐっと重厚でドラマティックになる。

美しいプロポーションと愛らしい顔立ちのアスィルムラートワは、神に仕える巫女というよりは一人の恋する女性として演じられている。とても情感豊かに、歌い上げるように踊っていて、一つ一つの感情のゆれが立体的に伝わってきた。ソロル役のムハメドフは、キャリアの後半とはいえ、勇壮な戦士ソロルがとてもよく似合っていて、説得力がある。影の王国でのヴァリエーションにはキレがあって、男らしさ炸裂。このときまだとても若かったダーシー・バッセルは、若さゆえの傲慢で我儘なお姫様という役柄がとっても似合っていて、ソロルに恋する可愛らしいところもあったりしてとても魅力的。鼻の先がちょっとツンと上がっているのがすごく可愛いのだ。改めて彼女の長くて細いプロポーションの素晴らしさにうっとり。やっぱりガムザッティ役のバレリーナは、これくらいの華がないと、盛り上がらない。

熊川哲也のブロンズ・アイドルも若さ炸裂で、背が高くないからすごく高く跳んでいるって感じではないけど回転が凄くて、軽やかで敏捷。姿かたちもいかにも仏像っぽくて良い。あれだけの金粉塗りたくりだと、皮膚呼吸が大変そうだけど!

コール・ドが全然揃っていないのは、ロイヤルだから仕方ない。影の王国でのカメラワークも、全体を映していないところがあってちょっとだけストレスを感じた。第3ヴァリエーションがヴィヴィアナ・デュランテということからも、この映像でのキャストの豪華さが伺えるというもの。パ・ダクシオンも、ニコラ・トラナ、デボラ・ブル、クリストファー・サウンダーズ、マイケル・ナンとかなり強力なメンバーだし。今のロイヤルでは、主演3人を始め、これだけのスターを揃えられる舞台は難しいのかなとちょっと寂しく思う。

マカロワ版は、ロシア系の「バヤデルカ」と違って太鼓の踊りや壷の踊りがないのが物足りない。最後に結婚式のシーンがあるのは、ドラマティックさと加わりわかりやすいけど、ニキヤの幽霊が出てくるのがちょっと怖く、かつチープな印象が出てきちゃう。ただ、ラストシーンの、白いヴェールを持ったニキヤが天へと上っていくところはとても美しい。

キラ星のような主演3人の輝きとダウエル様の濃厚な演技による愛憎渦巻く世界をじっくりと堪能できる名盤。東京バレエ団の「ラ・バヤデール」を観た後はこちらをぜひ。

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マカロワ版「ラ・バヤデール」は、スヴェトラーナ・ザハロワとロベルト・ボッレ主演のミラノ・スカラ座のDVDもあります。今回の東京バレエ団の公演は、スカラ座の衣装を借りているとのことなので、同じ衣装で観られます。こちらも、究極の美男美女による美しい踊りをじっくりと味わえます。収録年代が新しいので、映像がとても綺麗。感想はこちら。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2006/12/post_865c.html

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2009/09/25

9/24 ダンストリエンナーレ トーキョー 2009 ヤスミン・ゴデールYasmeen Godder「Singular Sensation」

オハッド・ナハリンのバットシェバ舞踊団、インパル・ピント・カンパニーとイスラエルのダンスはユニークな作品が多いので、乗越たかおさんの著書に紹介されていたヤスミン・ゴデールも観てみようと、あまり予備知識なしで行った。
http://www.yasmeengodder.com/

ダンストリエンナーレ トーキョーの一環として行われたこの上演は、青山円形劇場にて全席自由というので、ちょっと早めに行ったら席があまり埋まっていなかったけど、上演時間にはいつのまにか超満員に。

強烈で鮮烈な舞台だった!途中から、これはものすごい作品だなあって、アドレナリンが分泌しまくりながら見入ってしまった。

真っ白な、左右がちょっとまくれあがった床とグレーの壁だけの舞台。Tシャツを着た背の高い、あごひげのある男性が登場したかと思うと、突然ガクっと背中を反らせる。観客に流し目を送りながら舌をエロティックに突き出してみせる。そして床の上にごろごろと転がったり、ちょっと痙攣したような動きを見せたり。次に、紫色のベロアのミニドレスをまとった美女が登場。二人はお互いの存在に気がついているのか、気がついていないのか、それぞれいろいろな動きを見せている。銀色のキラキラしたトップスとミニスカートを着た、長身でほっそりとしていてスーパーモデルのように綺麗な金髪の女性ダンサーが登場。長く真っ赤な付け爪を片手の指につけていて、その付け爪をむしゃむしゃと食べちゃったり、激しい動きを見せたり、長い脚の間から顔を覗かせたり。

それから赤いショートヘアで色の白い、ジェーン・バーキンとティルダ・スウィントンを足して2で割ったようなカッコいい美女も。この作品に登場する3人の女性ダンサーはみんな超美女ぞろい。最後に登場するのは、若そうな男性。5人のダンサーたちは、バラバラに動いたかと思ったら、お互いを持ち上げてみたり、よじ登ったりぶつかったり。孤独な魂たちが、恐る恐るそばにいる人間と触れ合おうとしているようだ。

Tシャツの男性の動きはすごくシャープで、まるで銃を構えて戦場で戦っているかのように見えてくる。無機質な音楽が銃声のように聞こえて、不穏な感じ。

そのうち、床が真っ白なことには意味があることがわかる。真っ白な床を見るだけで、観客はとても緊張感を強いられて舞台の上で起きていることに集中してするし、ひりひりするような感情が伝わってくる。若い男性の顔に、蛍光グリーンのペンキがかけられたり、金髪美女が腰にペンキのチューブみたいなのをいくつもぶら下げ、鋏でそれを破裂させて、さまざまなグリーンのペンキが撒き散らされたり。彼女の鋏の使い方がとってもエロくて。その上、彼女の胸にはオレンジが仕込まれていて、それにも鋏を刺すのだけど、一瞬胸を刺したのではないかとびびってしまう。いろんな色鮮やかな液体がぐしゃっと白い床の上に飛び散る。さらにパスタの乾麺まで登場!踊りの小道具としてパスタを使った人なんて、今までいただろうか?

若い男性は、ショートヘアの女性が穿いていたストッキングを頭にかぶせられ、耳にはパスタが刺さり、顔にサランラップをぐるぐる巻きにされ、目にはピカピカ光る赤いゴーグルをつけられ、袖の先にはオレンジがあって一瞬、手を切断されたかのように見える。そして残りの4人に、赤いゼリーの上に突っ込まされ、あんなこと、こんなことをされていて、考えてみればすごく残酷な光景なのだけど、どこかユーモラスだし、この男性も嫌がっているようには見えない。そのうち女性の一人と腰を密着させて、一緒に腰を振って性行為を連想させるような動きまで見せちゃう。

ここまでは、ダンスと言うよりは、ピナ・バウシュ作品に見られるようなタンツシアター的な舞台だった。動きそのものには共通点はほとんどないけど、「カフェ・ミュラー」を観た時の印象と少し重なる。「カフェ・ミュラー」も、この作品も、どこか壊れた人たちの孤独感、他者と触れ合いたいけど触れ合うのが怖い、という感情を伝えているものだからか。

やがてクライマックスで、、激しくなる音楽に合わせて、ダンサーたちが奔放に跳躍したり回転したりと、即興のように踊り始める。彼らが身体能力に優れている素晴らしいダンサーたちであることが、ここで改めて印象付けられる。激しさを増していく踊りは、荒々しく、本能を剥き出しにして、トランス状態になっているのが伝わってくる。だけど、その露悪的なまでの踊りに嫌悪感は感じず、自分の分身が舞台の上で踊り狂っている感覚。痛々しいのだけど、生きていくうえでのさまざまな苦悩から解放されたような、カタルシスが身を貫いていく様子をつぶさに見た。

青山円形劇場は小さな劇場なので、すごく近いところで臨場感たっぷりに観ることができて、まさにダンスを体験させられた。最前列に座っていたら、きっとペンキやらゼリーやら汗やらをたっぷり浴びたことだろう!イスラエル・ダンス界からは、今後も目が離せない。

Yasmeen Godder - Singular Sensation

こんなすごいステージを、わずか3500円で観られたとは!恐るべしヤスミン・ゴデール。その割りに観客の反応がいまいち戸惑っているというかクールだったのが残念。しかも、なぜか私の周囲の観客数人は舞台が目の前で行われているのに熱心にメモを取っているのが視界に飛び込んできてしまい、それがとても興ざめだった。学生なのか評論家なのか知らないけど、こんなにも凄かった舞台に集中しないでペンを走らせるなんて、なんてもったいないことをしているのだろう。

今ちょうど、乗越たかおさんの「どうせダンスなんか観ないんだろ!?―激録コンテンポラリー・ダンス」を読んでいる途中なのだけど、ヤスミン・ゴデールのこの作品についてもたっぷり触れられている。本の感想はまた改めて書くけど、コンテンポラリー・ダンスに興味がないバレエや演劇好きの人にもぜひ読んで欲しいって思う、超~面白い一冊。私もコンテンポラリーは全然詳しくないけど、この本を読んで、ヤスミン・ゴデールを観に行くことになって、感謝。乗越さんの熱い魂に煽動されて、新しい世界への扉を開くことができたのだと思う。やっぱり舞台は、生で観て体験するに限るって乗越さんは力説されているけれども、本当にその通りだと思う。

どうせダンスなんか観ないんだろ!?―激録コンテンポラリー・ダンスどうせダンスなんか観ないんだろ!?―激録コンテンポラリー・ダンス

エヌティティ出版 2009-08-27
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2009/09/24

FIGARO JAPONサイトにパリ・オペラ座ペッシュのインタビュー/エトワール・ガラにシアラヴォラ出演

FIGARO JAPONサイトの「大村真理子の今週のPARIS」では、
「パリで、オペラ座の映画と、 オペラ座のバレエを観る。」と題して、オペラ座エトワール バンジャマン・ペッシュのインタビューを掲載しています。

http://news.madamefigaro.jp/culture/post-243.html

映画「パリ・オペラ座のすべて」の撮影について、映画の中でも登場する、ウェイン・マクレガー振付「ジェニュス」について語っていて、とても面白い記事です。「ジェニュス」ではマリ=アニエス・ジロと踊っているペッシュですが、彼女が長身のため一緒に組むのは今回が初めてだったようですね。

「ジェニュス」の美しい舞台写真もたくさん載っています。

また、来年東京で開催される「エトワール・ガラ」には、すでに発表されているメンバーに加えてイザベル・シアラヴォラも参加するそうです。

なお、映画の職員食堂のシーンでは、ランチの付け合わせにクスクスをオーダーしている声が聞こえますが、これはバンジャマンの声だそうです。

NYCB日本公演のキャスト

NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ)東京公演のキャストが決定したようです。

日本のオフシャルサイトのほうにはまだ掲載されていません。(当日または直前の発表となると記載されています)
http://www.nycb2009.jp/

それどころか、出演することが発表されているのは、近々引退するダーシー・キスラーだけなのですよね。

NEW YORK CITY BALLET

PRINCIPAL CASTING FOR BUNKAMURA HALL,
TOKYO, OCTOBER 8 - 12, 2009

THURSDAY EVENING, OCTOBER 8, 7:00 PM
(Conductor: Karoui)

SERENADE:
Taylor, Bouder, Mearns, *R. Fairchild, la Cour

AGON:
Whelan, Marcovici, Suozzi, Krohn, Laracey, Reichlen, Ramasar,
Danchig-Waring

pause

TSCHAIKOVSKY PAS DE DEUX:
M. Fairchild, De Luz

WEST SIDE STORY SUITE:
R. Fairchild, Ramasar, Veyette, Arthurs, Ringer, Smith

FRIDAY EVENING, OCTOBER 9, 7:00 PM
(Conductor: Karoui)

CONCERTO DSCH:
Whelan, *Danchig-Waring, Scheller, Garcia, De Luz [Chelton]

BARBER VIOLIN CONCERTO:
Mearns, *J. Angle, M. Fairchild, la Cour [Nikkanen]

pause

TARANTELLA:
T. Peck, Ulbricht [McDill]

TSCHAIKOVSKY PIANO CONCERTO NO. 2:
Bouder, J. Stafford, Reichlen, Suozzi, Tworzyanski, Laracey, Arthurs [Grant]


SATURDAY MATINEE, OCTOBER 10, 1:00 PM
(Conductor: Otranto)

WALPURGISNACHT BALLET:
Kowroski, Askegard, Scheller, *King, Dronova

pause

AFTER THE RAIN (Pas de Deux):
Whelan, Marcovici [Nikkanen, Moverman]

DANCES AT A GATHERING:
Borree, Ringer, M. Fairchild, Mearns, Morgan, De Luz, J. Angle, Marcovici, Carmena, J. Stafford [Walters]

SYMPHONY IN THREE MOVEMENTS
: A. Stafford, Hyltin, LeCrone, Ramasar, Hendrickson, Danchig-Waring

SATURDAY EVENING, OCTOBER 10, 6:00 PM
(Conductor: Karoui)

SERENADE:
Kistler, *Hyltin, Gilliland, Askegard, *Danchig-Waring

AGON:
Kowroski, Marcovici, Suozzi, Krohn, Laracey, Reichlen, Ramasar, Danchig-Waring

pause

TSCHAIKOVSKY PAS DE DEUX:
A. Stafford, J. Angle

WEST SIDE STORY SUITE:
Millepied, J. Peck, Veyette, Arthurs, Pazcoguin, Smith


SUNDAY MATINEE, OCTOBER 11, 1:00 PM
(Conductors: Karoui)

CONCERTO DSCH:
Whelan, Danchig-Waring, Scheller, Garcia, De Luz [Chelton]

BARBER VIOLIN CONCERTO:
Mearns, J. Angle, M. Fairchild, la Cour [Nikkanen]

pause

TARANTELLA:
T. Peck, Ulbricht [McDill]

TSCHAIKOVSKY PIANO CONCERTO NO. 2:
Bouder, J. Stafford, Reichlen, Suozzi,
Tworzyanski, Laracey, Arthurs [Grant]

SUNDAY EVENING, OCTOBER 11, 6:00 PM
(Conductor: Otranto)

WALPURGISNACHT BALLET:
Kowroski, Askegard, Scheller, King, Dronova

pause

AFTER THE RAIN (Pas de Deux):
Whelan, Marcovici [Nikkanen, Moverman]

DANCES AT A GATHERING:
Borree, Ringer, M. Fairchild, Mearns, Morgan,
Millepied, J. Angle, Marcovici, Carmena, J. Stafford [Walters]

SYMPHONY IN THREE MOVEMENTS:
A. Stafford, Hyltin, LeCrone, Ramasar,
Hendrickson, Danchig-Waring


MONDAY MATINEE, OCTOBER 12, 1:00 PM
(Conductor: Karoui)

SERENADE:
Taylor, Bouder, Mearns, R. Fairchild, la Cour

AGON:
Whelan, Marcovici, Suozzi, Krohn, Laracey, Reichlen, Ramasar,
Danchig-Waring

pause

TSCHAIKOVSKY PAS DE DEUX:
*T. Peck, Garcia

WEST SIDE STORY SUITE:
R. Fairchild, Ramasar, Veyette, Arthurs, Ringer, Smith


* First Time in Role
PROGRAM AND CASTING SUBJECT TO CHANGE (9/23/09)
[ }内の名前はヴァイオリンおよびピアノのソリスト。前回の来日でも来ていたコンサート・マスターのKurt Nikkanenが超イケメンなのですよね。

NYCBは前回の公演がとても楽しかったし、ゴールデンバレエコースターに出演したアシュレー・ボーダーも素晴らしく、チケットは取っていたのですが観にいけなくなって友達にチケットを引き取っていただきました。(で、考えてみれば初日を観に行くことは可能だということに気がつき、ついチケットを取ってしまいました(苦笑))

でも、プログラムはとても良いし、良い公演になると思います。本家バランシンやロビンスはもとより、ウィールダンやラトマンスキーの傑作が上演されるので、貴重な機会です。

メンバーも、アシュレー・ボーダーはじめ、ホアキン・デ・ルース、ウェンディ・ウェーラン、セバスチャン・マルコヴィッチ、マリア・コウロスキー、ゴンサロ・ガルシア、ベンジャミン・ミルピエなど主要なダンサーはほぼ全員参加ですね。

追記:本家のオフィシャルサイトに来日公演のキャストが載りました。
http://www.nycballet.com/casting/casting.html

2009/09/23

毎日新聞「ひと」欄に竹島由美子さん/東京バレエ団「ラ・バヤデール」制作日記にマカロワ登場

9月22日の毎日新聞の「ひと」欄に、竹島由美子さんのインタビューが載っていました。(紙面のほうには、カラーの写真も載っています)

http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20090922k0000m070101000c.html

最初に入団した韓国のバレエ団が、経営難で解散してしまい、「一日イモ一個でしのいだこともあった」という逆境を経て、オランダ国立バレエ団で7年間コール・ドを経験。96年にキエフ国際バレエコンクールで金賞を受賞し、2000年にはプリンシパルに。2006年にドレスデン・ゼンパーオーパー・バレエに移籍。39歳の今も、最前線で素晴らしい踊りを見せてくれていますよね。ただ最近、彼女のために作品を振付けてきたデヴィッド・ドーソンがドレスデンの常任振付家を辞任したことが気になります。

竹島さんといえば、レオタードブランドYUMIKOでも有名。2003年に設立したYUMIKOは、年間1万着を受注しているそうで、世界中のダンサーが愛用しています。先日のテレビ番組「世界を変える100人の日本人」でも紹介されていましたが、マドンナが舞台衣装として愛用しているほどです。また、NHKの「マニュエル・ルグリ エトワール最後の60日」でも、ルグリがYUMIKOのTシャツを着ている映像がありました。

竹島さんの実家は96年続く呉服店で、「布好きは血筋」とのことです。私も1枚だけですがレオタードと巻きスカートを持っていて、着心地はまさに「素肌のような着心地」で、一度着たらやめられないというか、もう1枚欲しくなります。

*******

東京バレエ団のバレリーナたちもYUMIKOを愛用しています。東京バレエ団ブログの「稽古場より 8月第4週(09/02)」でも、新しく届いたYUMIKOのレオタードを着た7人の女性ダンサーたちが写っています。

というわけで、話をつなげると、金曜日よりいよいよ、東京バレエ団の「ラ・バヤデール」が始まりますね。

「ラ・バヤデール」制作日記
http://www.nbs.or.jp/blog/0909_labayadere/

ナタリア・マカロワを指導に迎えてのリハーサルの様子や、マカロワのインタビュー、ミラノ・スカラ座より到着した舞台装置や衣装など、日々貴重な情報を伝えてくれるこのブログは素晴らしいですね。否が応でも期待が高まります。マカロワは今でも若々しいというのがよくわかりますし、それからラジャの衣装を着た木村さんのカッコいいこと!私は吉岡美佳さん、木村さん主演の日だけ観に行くので、木村さんのラジャが観られなくて残念です。

本当に東京バレエ団は、こうした情報提供やファン向けの催しが充実していて、ファンのことをよく考えてくれていると思います。

Mao's Last Dancer/ サンフランシスコ・バレエの中国ツアー

オーストラリア・バレエのFacebookにお知らせがありましたが、映画「Mao's Last Dancer」のオーストラリア公開を前にして、原作者のリー・ツンシンと、主演のツァオ・チー(バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル)のインタビュー番組が放映されました。
映像はこちらで見ることができます。
http://au.video.yahoo.com/watch/6027279/15661562

ツァオ・チーは今回が初めての映画出演となったわけですが、オーディションを受けてこの役をつかんだそうです。しかしながら、オーディションを受ける前から、この役を手に入れられると確信していたとのこと。主人公リー・ツンシンの心理状態が手に取るようにわかり共感したからだそうです。そして、偶然にも、ツァオ・チーは北京舞踊学院でのリー・ツンシンの教師の息子だったのです。

この記事では、トロント国際映画祭で「Mao's Last Dancer」がプレミア上映された時のツァオ・チーとアマンダ・シュルの写真が掲載されています。
http://news.ninemsn.com.au/entertainment/865985/maos-last-dancer-cast-back-down-underトロント映画祭では、この作品は観客賞の有力な候補として挙げられ、観客は長いスタンディングオベーションをするなど、絶賛の嵐に包まれたようです。

追記:オーストラリア・バレエのブログの中でも、この映画の製作段階についての興味深い話が載っています。少年時代のツンシンを演じたのは、オーストラリア・バレエの団員Chengwu Guo、ツンシンの2番目で現在の妻メアリーを演じたのは、元オーストラリア・バレエ、現在は香港バレエのCamilla Vergotis。また、オーストラリア・バレエのプリンシパル、マデリン・イーストーとスティーヴン・ヒースコートも出演しています。

「白鳥の湖」の振付で著名なグレアム・マーフィは、この作品のためにもいくつかの振付を行ったとのことです。

http://www.behindballet.com/actor-slash-dancer-casting-a-hybrid-star/

*******

一方、無事中国ツアーへと出発したサンフランシスコ・バレエ。同バレエ団のブログにて、一行は金曜日の夕方に上海に到着し、ダンサーたちは上海舞踊学院(ヤンヤン・タンはそこの卒業生)にて早速クラスレッスン。その夜は米国領事館でパーティが開かれたことを報告しています。また、ダンサーたちが街に繰り出して中華料理を楽しんでいる様子なども!日曜日からリハーサルが始まり、火曜日はいよいよ上海公演です。

http://www.sfballetblog.org/

ヤンヤン・タンをインタビューした記事が、San Fransisco Cronicleに掲載されていましたが、とても興味深いものでした。彼女がバレエ学校に入ることを許されたのは、両親がコインを投げて決められたことだというのはローレックスの広告にも載っていたエピソードですね。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2009/09/20/MNIA19JV59.DTL

中国で足のマッサージをしてもらっても、彼女は決して足の爪には手を触れさせないそうです。爪をどのような形に整えるかは、ダンサーにとって重要な意味があるからです。

サンフランシスコ・バレエを代表するスターとなった今も、彼女はすべてのステップに100%の集中を行います。彼女は舞台が始まる前にはとてもナーヴァスになるそうで、気分転換のために友達に会って食事をしたり映画を観たりするものの、彼女のファンなど他人とちょっとしゃべるのは苦手なのだそうです。

ツアーやガラなどで海外に出演する時、彼女は必ず服やバッグを購入して、旅の思い出として身に着けているそうです。日本、中国、ロンドン、アイスランドなどなど。公式の行事では華やかに着飾っている彼女ですが、リハーサルの行き帰りはジーンズに夏向きのトップス姿なので、ファンに対して申し訳なく思っているそうです。

6年前に両親はサンフランシスコに移ってきて、彼女と同居しているそうです。西洋の食事は1日に1回が限度という彼女のために、母親が中華料理を用意するそうです。

身長が160センチと小柄な彼女にとって十分な栄養を取ることは大事なことです。両脚に疲労骨折があり、股関節唇断裂、さらに親指にも大きな怪我があり、完治するのには長い時間がかかるとのこと。

現在34歳のヤンヤン・タンは、できるだけ長く踊るために、多くのことに気をつけているそうです。スキーやスカイダイビングは危険すぎるので避けなければならないし、忙しすぎてボーイフレンドと付き合う暇もないとのこと。

「私は世界中を飛び回っているし、一箇所にとどまっているのは難しいの」と彼女はいたずらっぽく笑ったとのことです。


マリア・コチェトコワも上海に到着したとブログで報告していますね!
http://www.mariakochetkova.com/2009/09/im-high-in-shanghai_22.html

2009/09/22

新国立劇場ジ・アトレ10月号/「アンナ・カレーニナ」とニューイヤーガラ

連休を利用して2泊3日で京都に旅行に行っていました。PCは持っていったのですが、更新まではする余裕がなくて。シルバーウィークの京都は、お天気は良かったのですがとっても暑くて、まだ紅葉には早いのにものすごい人出で、東京より人が多いんじゃないかと思ったほどでした。でも、3日間で14もの神社仏閣をめぐって、楽しかったです。

さて、帰宅したら、新国立劇場から、「ジ・アトレ」10月号と、ようやくポイントアッププレゼントの写真(もちろん、マイレン・トレウバエフの写真で、シンデレラの写真が中心でした)が届いていました。

今回は珍しく特集はバレエで、しかも日本のバレエ団による初の上演となるボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニナ」。ボリス・エイフマンのインタビューもあって、ますます期待が高まります。「私の作品は、人を破滅の淵、奥底へと引きずり込む暗い情欲をテーマにしたバレエです」ということで、男女間の激しい感情を描くことを極力避けている牧芸術監督の好みとは全然違っているのが、興味深いですよね。このエイフマンのインタビューはとても読み応えがあります。

先日、韓国国立バレエ団で、エイフマンの「チャイコフスキー」がマラーホフ主演で上演されたばかりということもあるし、この新国立劇場での「アンナ・カレーニナ」の上演がきっかけで、エイフマンの作品がもっと日本で上演されるようになると良いと思うのですが。エイフマン・バレエも長いこと日本には来ていないし、それにマラーホフのキャリア後半における当たり役である「チャイコフスキー」も日本で観たいですし。そのためにも、この「アンナ・カレーニナ」公演、チケットが売れて、内容的にも成功して欲しいです。

演劇性を重視したエイフマンの作品を、新国立劇場のダンサーがどこまで迫れるか不安はあるのですが、必見の上演と言えます。ところで、来年3月に上演されるこの作品の会員郵送申し込みが早くも同封されていたのですが、キャストがまったく決まっていない段階で、チケットを申し込めと言われても困ってしまいますよね。

それから、この「ジ・アトレ」を読んでいると、何気にあれ?って思うようなことがいくつか掲載されていました。


巻末の情報ページによると、来年1月5日、6日に「ニューイヤーオペラパレスガラ」が行われるそうです。地味に見落としそうなところに書いてあるのですよね。

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000293_2_ballet.html

上演演目の一つ目が「グラン・パ・ド・フィアンセ」(振付:ジャック・カーター)とありますが、どんな作品なのかさっぱり見当がつきません。ジ・アトレだけでなく、せっかくホームページもあるのに、どうして重要なお知らせをこういう目立たない形で掲載するんでしょう。ガラで上演するなら、みんなにおなじみの演目の方がいいと思うんですが。

出演が、さいとう美帆、本島美和、小野絢子、長田佳世、寺田亜沙子、伊東真央 となっています。

ここに、(劇場がプッシュしている女性ダンサーたちの名前に混じって)長田佳世さんの名前が出ています。元K-Balletの彼女が新国立に入団したらしいという話は聞いていたのですが、まだ公式の入団発表がないのに、こうやってキャストに掲載されているんですよね。来シーズンのソリストのラインアップが未だ公表されていないこと自体が、とても変です。長田さんはテクニックがあってとても良いダンサー、K-Balletを退団されたことを残念に思っていたので、新国立に入団したことはとても嬉しいのですが。

もうオペラの新シーズンは開幕しているし、10月にはバレエも「ドン・キホーテ」で始まるのに、未だに来シーズンのダンサーの顔ぶれが出ていないというのは、新国立劇場がダンサーのファンをないがしろにしていると思われても仕方ないと思います。

もう一つは、「こうもり」より「グラン・カフェ」で、2008年と同じ演目。5日のベラ役が堀口純さんです。6日は湯川麻美子さん、新国立劇場のボリショイ公演「椿姫」でマルグリットに抜擢された堀口さん、「こうもり」も初役でニューイヤーガラに登場と言うことで期待の大きさが伺えます。ダンスマガジンの記事で、来シーズンよりソリストだと書いてありましたが、その公式アナウンスもまだ行われていないんですよね。「こうもり」のベラ役は真忠久美子さんの当たり役だったけど、彼女は来シーズンは新国立劇場に出てくれるのでしょうか?

もう一つは、10月4日(日)にバレエ研修所の第5期生、6期生の合同発表会が開催されるということ。そんなものが予定されていたって知りませんでした。この発表会、今回から予科生も出演すると言うことで、ここで初めて予科生の名前が公表されたのではないかしら。5期生、6期生は男女各3人なので、男性を強化していく方針のようですね。一般発売日:2009.9/24(木)ということなので、本当に直前の売り出しなんですね・・。

2009/09/19

シュツットガルト・バレエのミックスプロのキャスト/新国立劇場バレエ「椿姫」inボリショイ

9月26日の「ジゼル」でシーズンが始まるというのに、一向にキャストが発表されないシュツットガルト・バレエ。ようやく、トップページにマリア・アイシュヴァルトとフリーデマン・フォーゲルのリハーサルの写真と演目の紹介が載りましたが、キャストはまだです。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/start.htm

一方、9月30日と10月3日のミックスプロの方はキャストが発表されていました。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

クランコのBrouillards(霧)、Jeu de cartes(カルタ遊び)、それから「レ・ブルジョワ」「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」「Legende」などが上演されます。キャストを転記するととっても長くなるので、詳しくはサイトの方をご覧ください。「レ・ブルジョワ」はもちろんフィリップ・バランキエヴィッチ、「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」はアリシア・アマトリアンとマリイン・ラドメーカー、「カルタ遊び」のジョーカーはアレクサンドル・ザイツェフです。その他の演目のキャストを見ても、プリンシパルはジェイソン・レイリー、スージン・カン、イリ・イェリネクなどほとんど全員が出演していて、とても豪華な感じですね。小劇場での上演なので、一番高い席でも36ユーロと激安なので、すごくお得感があります。

カンパニーのメンバーリストもやっと更新されて、エヴァン・マッキーくんがやっとプリンシパルのところに名前を入れてもらえていました。
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/compagnie/

*****
新国立劇場バレエ団の「椿姫」が9月18日~20日にボリショイ劇場で上演されますが、
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000248_ballet.html

TBSのニュースでリハーサルやインタビューの映像が少し流れたようで、TBSのサイトで観ることができていたのですが、今はもう消えてしまいました。ザハロワと堀口純さんのインタビューも。最初にちょっとマイレンが出ていて嬉しかったです。(YouTubeに映像はアップされていました)

ボリショイの岩田守弘さんのブログに、新国立劇場のメンバーとの交流が書いてあって、とても面白いです。マイレンのファンとしては、岩田さんがマイレンと合気道の話で盛り上がったというエピソードを読んで、心温まりました。

http://ibashika.exblog.jp/12353330/

2009/09/18

アマレーナ11月号ロベルト・ボッレ撮影の舞台裏/FIGARO JAPONのオペラ座特集/「パリ・オペラ座物語」発売

扶桑社から出ているイタリアを中心とした女性誌「amarena」の編集部ブログで、10月7日発売の11月号のバレエ特集に掲載されるロベルト・ボッレのインタビュー&撮影の舞台裏の様子が載っていました。
http://amarena.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-841b.html

スタジオに入ってからメイクをしてポーズをとり、写真を確認するまでのロベルトの様子の写真が載っていて、雑誌の発売が楽しみです。
インタビューの内容は、ジョン・ノイマイヤーが彼のために作る新作バレエ『オルフェウス』について、そしてアメリカでの最近の活躍についてなどだそうです。ロベルト、日本にも来て欲しいですよね。2011年予定のABT来日公演では来てくれるかしら。

実はお友達がこのインタビューをしておりまして、他にポリーナ・セミオノワとパロマ・へレーラのインタビューが載る予定だそうです。

*******

FIGARO JAPONのNo396、10月5日号には、映画「パリ・オペラ座のすべて」の紹介記事と、フレデリック・ワイズマン監督、そして世界バレエフェスティバルで来日していたマチュー・ガニオ、ローラン・イレール、アニエス・ルテステュ、ジョゼ・マルティネスのインタビューが載っています。

「パリ・オペラ座のすべて」の最初の方で、ウェイン・マクレガー振付の「ジェヌス」リハーサルシーンがあります。マチュー・ガニオとマチアス・エイマンの男性二人によるパ・ド・ドゥの振付指導シーンが印象的なのですが、実際の作品にはこのシーンが現れなかったそうなので、とても貴重ですね。また、この映画でゲネプロ映像が流れる作品6つの紹介があるのが親切です。「くるみ割り人形」や「パキータ」はともかく、他のコンテンポラリー作品はなかなか目にする機会ないので、予習できると観る楽しみも増えるというものです。

あと、ジョゼ・マルティネスがローザンヌ・コンクールに入賞した時には、ABTに入団しようと思っていたというエピソードが面白いです。オペラ座のエレガンスと多様性を象徴するようなジョゼがABTにいたらどうなっていたのでしょうか?また、「シンデレラ」の継母役を踊る時には、一ヶ月くらい女性ダンサーとポアントでクラスレッスンを受けるそうです。来年の来日公演で、ジョゼの継母役が見られると良いですよね。

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このFIGARO JAPONで連載されていた「パリ・オペラ座物語」が書籍化されます。それも、連載内容だけでなく、第二部ではマチュー・ガニオのインタビューがフィーチャーされるそうです。

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ユニバーサル・バレエの「オネーギン」動画/シュツットガルト・バレエの中国公演関係

韓国のReinaさんに教えていただきましたが、現在ソウルのLGアートセンターで上演中のユニバーサル・バレエ「オネーギン」。元シュツットガルト・バレエのイヴァン・ジル・オルテガがゲスト出演した舞台の映像が、ユニバーサル・バレエのコミュニティでほんのちょっとですが観ることができます。

http://cafe.naver.com/ubcballet.cafe?iframe_url=/ArticleRead.nhn%3Farticleid=312

こちらは舞台写真。イヴァン・ジル・オルテガ、雰囲気ありますね~。

http://www.ubcballet.com/collection/photo_view.asp?p=1&l=1&cd=105

こちらでは、シュツットガルト・バレエの「オネーギン」の映像が少し。フィリップ・バランキエヴィッチと、映像が小さいのでちょっと自信がないのですがマリア・アイシュヴァルトだと思います。

http://www.ubcballet.com/repertory/perform_view00.asp

同じ映像がLGアーツセンターのサイトでも見られます。
http://www.lgart.com/EngHome/booking/bookdetail.aspx?seq=1697

それからリハーサルの映像もあります。指導はクランコ財団のジェーン・ボーン女史。

http://cafe.naver.com/ubcballet.cafe?iframe_url=/ArticleRead.nhn%3Farticleid=306

9月11日から20日までと、かなり長期の「オネーギン」の公演ができるのは羨ましい限りです。

********
ついでに、こちらは中国のサイトで、シュツットガルト・バレエの中国公演の紹介です。なぜか女性プリンシパルだけがプロフィールの紹介をされていますが。

http://blog.sina.com.cn/s/blog_4dbd11b70100evhw.html

アリシア・アマトリアンとフリーデマン・フォーゲルの「ロミオとジュリエット」、スージン・カンとマリイン・ラドメイカーの「椿姫」、マリア・アイシュヴァルトとミハイル・カニスキンの「ジゼル」、エリザベス・メイソンとジェイソン・レイリーが出演した番組などの映像が見られます。

自動翻訳をかけてみると、ジェイソン・レイリーとエレーナ・テンチコワ以外のプリンシパルは中国に来ると書いてあるのですが。エレーナは残念ながら引退してしまったわけですが、ジェイソンも来ないのかしら・・・。

2009/09/17

サンフランシスコ・バレエの中国公演 San Fransisco Ballet in China

9月22日から10月3日まで、サンフランシスコ・バレエは初めての中国公演を行います。

10月1日が中国の国慶節(建国記念日)で、今年は60周年ということで大規模な祝賀行事が予定されている上、大型連休となっているようです。さらに、このツアーは中国と米国の国交開始30周年記念行事の一環とのこと。上海の上海大劇院と北京の国家大劇院で公演は行われ、10月1日は北京でミックスプロが上演されます。記事によると、蘇州でも公演は予定されていたものの、国慶節の行事で劇場が押さえられていたので、キャンセルになってしまったとのこと。

サンフランシスコ・クロニクルに掲載された、ツアーの準備の話がとても興味深かったです。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2009/09/15/DD4S19MVS3.DTL

今シーズンから、元ロイヤル・バレエのブルース・サンソムがサンフランシスコ・バレエの副芸術監督になったそうですね。そしてミックス・プロのほかに上演されるのは、芸術監督ヘルジ・トマソン振付の「白鳥の湖」なのですが、今年新しく振付けられた作品ではなく、1988年版が上演されることになったので、リハーサルが大変だったようです。7月には、衣装や舞台装置が中国に送られました。

木曜日にサンフランシスコを出発するダンサーたちが、荷物の中に何を入れているかと言うと「チップスとサルサソース、それにClif bars(オーガニックのエナジー・バー:カロリーメイトみたいなもの)」だそうです。初めての街に出かけるとき、一番困るのが食べ物で、食事できるところがどこにあるかわからないので、これらのモノは必需品だそうで。それは中国に限った話ではなく、シカゴのように米国内でも、適切なレストランが見つけられなくて困ったことがあったようで。

また、時差ぼけを防止するために、フライトに慣れているダンサーは、ノイズキャンセル機能つきのヘッドホン、むくみ防止のストッキングなどを用意していくそうです。そして到着した朝にはいきなりクラスレッスンを行うとか。

プリンシパルのパスカル・モラは9月始めに公演のために日本に来ていたそうで、飛行機を降りたらすぐに動くことが大切と語っています。血の流れを良くして、汗を少しかけば疲れが取れるとのことです。

記事には、バレエ団のスケジュールも記載されています。

9月17日木曜日に上海に向けて出発し、金曜日に到着。土曜日はアメリカ領事館でレセプション。22日火曜日に上海でミックス・プロ(ヘルジ・トマソン、バランシン、エドワード・リャン、クリストファー・ウィールダンらの作品)、23日から25日までは「白鳥の湖」公演。
29日に北京に移動してレセプション、1日にミックス・プロ、2日、3日が「白鳥の湖」、そして4日と5日は北京観光をして、5日にアメリカ大使館でレセプション、6日にサンフランシスコに戻るそうです。

サンフランシスコ・バレエの看板プリンシパル、ヤンヤン・タンにとっては、サンフランシスコ・バレエと共に中国に来るのは初めてという凱旋公演となります。

http://www.asianweek.com/2009/09/04/yuan-yuan-tan-returns-to-china-with-sf-ballet/
なお、この記事によれば、ヤンヤン・タンは来年3月にサンフランシスコ・バレエで初演されるジョン・ノイマイヤー振付の「人魚姫」を踊るそうです。

今回のツアーは97人のダンサーが参加し、もちろん、世界バレエフェスティバルで人気となったマリア・コチェトコワも出演する予定です。

 ***

余談ですが、今日の毎日新聞の夕刊に、三浦雅士氏による世界バレエフェスティバルの舞台評が載っていました。もっとも強い印象を残したのは、シュツットガルト・バレエのマリア・アイシュヴァルトとフィリップ・バランキエビッチによる「オネーギン」と「じゃじゃ馬ならし」だったとのことで、写真も「オネーギン」です。彼の好みを考えればそれは順当なところでしょう。

ところで、目を疑ったのは、この評の最後。「ガラの最後を飾ったのは上野水香とマッカテリの『ドン・キホーテ』。世界のスーパースターに引けをとることなく踊りきった」って書いてあったこと。うーん、あまりにも手前味噌な話で、三浦氏、批評家の看板を下ろした方がいいんじゃないでしょうか。ポリーナ・セミオノワとフリーデマン・フォーゲルが初々しいとか、ザハロワは往年のギエムを髣髴させるとか書いていますが、そういう見方をしている人はあまりいないと思います…。感想は人それぞれとは思いますし、ブログなどでは何を書いてもいいと思うんですけど、一応全国紙に載った有名な批評家による評がこれか、と思ってしまいました。

2009/09/16

クラシカ・ジャパンの今後のバレエ放映予定

昨日のクラシカ・ジャパン主催の「パリ・オペラ座のすべて」の試写会で、これからのバレエ放映予定の速報チラシが配られました。私はクラシカの加入暦は半年くらいなので、自信を持っては言い切れないのですが、初放映と思われる映像がありますので、ご紹介します。

11月 アラン・プラテル・バレエ団「聖母マリアの祈り」Vsprs Show and Tell
12月 アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター「アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターの夕べ」「アルヴィン・エイリーに捧ぐ」

「アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターの夕べ」 An Evening with the Alvin Ailey American Dance Theater(「ディヴァイニング」「レベレーションズ」収録) は以前新書館からVHSが出ていましたが(持っています)、アメリカ盤DVDは廃盤で、アマゾンのマーケットプレイスではとんでもない値段がついています。
「アルヴィン・エイリーに捧ぐ」Tribute to Alvin Aileyは輸入盤で入手可能です。

また、今後の予定として、
Three Ballets by Roland Petit パリ・オペラ座バレエ
「カルメン」「若者と死」「アルルの女」が放映されます。
「カルメン」と「若者と死」はDVDと同じものだと思いますが、「アルルの女」(エレオノラ・アッバニャートとジェレミー・ベランガール)は出ていませんね。以前にクラシカで放映されたことはあると思いますが。

それから、勅使川原三郎振付パリ・オペラ座バレエ「エアAir」も放映されます。

今月の放映では、パリ・オペラ座の特集放映があります。

パリ・オペラ座バレエ『嵐が丘』 
ニコラ・ル・リッシュ、マリ=アニエス・ジロ 振付:カデル・ベラルビ(クラシカ・ジャパンでは初放映)
初回放送:9月27日(日)13:40

先行放送!映画『パリ・オペラ座のすべて』特別映像 (約15分)
初回放送:9月27日(日)15:30

映画『エトワール』
初回放送:9月27日(日)12:00

実はこの「エトワール」のDVDって国内盤は廃盤になっているんですね…。

というわけで、クラシカ・ジャパンは、バレエの放送も頑張っています。最近はシアターテレビジョンがとんでもない方向になってしまいました。国内演劇番組は全部終了して演劇界からは総スカン、バレエも減って政治色が強くなってしまったので、バレエをテレビで観るなら、NHKももちろん素晴らしいのですが、クラシカもお勧めですよ、という話でした。

そして、パリ・オペラ座といえば、今週金曜日、NHK教育テレビ「芸術劇場」の「エトワール 最後の60日 密着マニュエル・ルグリのバレエ人生」をお忘れなく!
9月18日(金)22:30~ 

http://www.nhk.or.jp/art/current/music.html#music0918

2009/09/15

『パリ・オペラ座のすべて』Le Ballet de l'Opera de Paris

フレデリック・ワイズマン監督がパリ・オペラ座を撮ったドキュメンタリー映画『パリ・オペラ座のすべて』、クラシカ・ジャパンの試写会で観て来ました。2時間40分という長尺でしたが、飽きることなく、とても面白く観ることができました。

http://www.paris-opera.jp/

ワイズマン監督がABTを描いた『BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界』と同じ手法で、ダンサーや振付家、スタッフのインタビューもなければ、ナレーションも一切なし。2007年の終わりの84日間にオペラ座で起きたことを切り取っています。撮影の間にストがあって公演が中止になったり、ベジャールが亡くなったりといった事件も起きますが、そのことについても淡々とした日常の一部としてだけ扱われています。

テロップも作品名と、主演ダンサー、それに芸術監督のルフェーブルくらいしかないので、オペラ座を良く知っている人でないと、誰が誰だかわからなくなってしまうかもしれません。私自身も、この人誰だっけ?と思うことが何回かありました。しかも、いきなり序盤の「メディアの夢」のリハーサルで、ステファン・ビュヨンなのにヤン・ブリダールってテロップが出ているし(公開までには直してくださいね)

振付家の名前もあまり出てこないので、ルフェーブルと新作について話し合っている若い振付家がエマニュエル・ガットだとはわからないだろうし。何より、「ベルナルダの家」に出演しているダンサーのテロップがないので、マニュエル・ルグリが映っていることにも気がつかない人がいるかもしれません。

逆に言えば、この作品は誰が主人公ということではなく(敢えて言えばやはり芸術監督ブリジット・ルフェーブルなのだろうけど)、パリ・オペラ座というバレエ団そのものが主役ということなのだと思います。ダンサーのテロップにもエトワールという肩書きはつかないし、ダンサーだけでなく、教師たち(ローラン・イレールがさまざまな作品の指導で登場するのは嬉しい限り)、レッスンピアニスト、衣装やメイクアップなどのスタッフ、さらには食堂の料理人や掃除人まで登場して、オペラ座がダンサーだけで成り立っているわけではないことを示しています。ガルニエの地下の下水のシーンから始まり、ラスト近くも水を湛えた下水(小魚が泳いでいる)ところを映していますが、脈々と300年以上続いてきたこの劇場を象徴させていると思いました。

ルフェーブルの劇中での話によれば、オペラ座は3年単位で上演計画を立てているとのこと。前述のエマニュエル・ガットの新作が上演されたのは、今年(2009年)4月末でした。そして、彼に対して、「ダンサーは15人用意できるわ、必要だったらエトワールも」「エトワールはスーパーカーだから、彼らに10キロで走れなんて言えないわ、オペラ座は階級社会なんだから」ってルフェーブルは言い放ちます。それなのに、この映画はエトワールをたくさん映すということは一切ないのだから面白い。それどころか、レティシア・プジョルやアニエス・ルテステュのような一流エトワールが、ラコットら教師に容赦なくダメ出しをされているところも映し出されています。「脚を低くしてなんて聞いたこともないわ!」とアニエスはぷんぷん怒っているし。

演出がないことによって、オペラ座の知られざる面が赤裸々に明らかにされていきます。「パキータ」のドレスリハーサルでパ・ド・トロワを踊ったマチルド・フルステーに対し、教師がダンサーに聞こえないように彼女に対する辛口の批判をしている声を拾っているのが可笑しいです。ああだこうだと難癖をつけながらも、最後に彼女が3回転のピルエットをしたところで「3回転したから、まあいっか」なんて言っているし。しかもその後に踊ったマチアスには、もう手放しの絶賛で「トレビア~ン!」と手のひらを返しているからますます笑えます。

イレールら教師やスタッフたちを呼びつけて、コンテンポラリーのクラスに参加するダンサーが少ないとルフェーブルが愚痴っているところを映したり、「パキータ」のパ・ド・トロワに抜擢されたバレリーナが、長く踊り続けたいのでこういう大変な役は踊りたくない、と直訴していたり。その「パキータ」のグラン・パのリハーサル途中でアントレのバレリーナのチュチュがほどけてしまったり、オペラ座の意外な側面が見えるのも興味深いです。NYCBとの合同公演でアメリカ人のパトロンが来るという時、大口のスポンサーにリーマン・ブラザーズの名前が出てきて、2年前には、こんなことになろうとは誰も思わなかったんだろうな、ってしみじみ思いました。

リハーサルや本番の映像もたっぷり収められて、作品が完成していく過程をこの映画で観られるのは、バレエファンにとっては至福の時間です。特に日本で観る機会の少ないコンテンポラリー作品が、一部にせよいろいろと観られるのはとても貴重。今のオペラ座は、(ルフェーブルが、「うちは古典をベースにしているカンパニーで、上演しないわけには行かないの」、と教師たちに力説しているのとは裏腹に)コンテンポラリー中心であり、ダンサーたちもコンテンポラリーを踊っている時の方が生き生きとしています。エックの「ベルナルダの家」とウェイン・マクレガーの「ジェヌス」観たいです。オペラ座も来日公演でミックスプロを上演すればいいのに、それが今のオペラ座の姿なのだからって思います。

バレエが好きな人なら、きっとわくわくしながら観ることができる160分、もう一度劇場で観るのが楽しみです。

フレデリック・ワイズマンのインタビューが面白かったので、ご紹介しておきます。
http://www.cinematoday.jp/page/N0019655

登場する作品の感想を一つ一つ挙げていくと、大長文になってしまうので、作品名と主な出演者だけあげておきます。
ルグリはじめ出演者たちが舞台上でものすごい叫び声をあげる「ベルナルダの家」がめっちゃ面白かったです。こういうオペラ座が観たいんですよね。クラシック・バレエを一切学んだことがないマクレガーが振付けた「ジェヌス」はとてもカッコいいし。それから、若さに溢れてまさに伸び盛りのマチアス・エイマンの姿をこうやって残してくれたことも、素晴らしいと思いました。

舞台映像(ゲネプロも一部あり、一部自信なし)
ウェイン・マクレガー振付「ジェヌス」
ジェレミー・ベランガール、ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン、ミリアム・ウルド=ブラム

サシャ・ヴァルツ振付「ロミオとジュリエット」
オーレリー・デュポン、エルヴェ・モロー

アンジェラン・プレルジョカージュ振付「メディアの夢」
アリス・ルナヴァン、ウィルフリード・ロモリ

ピエール・ラコット振付「パキータ」
マニュエル・ルグリ、ドロテ・ジルベール

ルドルフ・ヌレエフ振付「くるみ割り人形」
ニコラ・ル=リッシュ、レティシア・プジョル

「メディアの夢」
デルフィーヌ・ムッサン

マッツ・エック振付「ベルナルダの家」
マニュエル・ルグリ、マリ=アニエス・ジロ、レティシア・プジョル

「ジェヌス」
マチュー・ガニオ、アニエス・ルテステュ、マリ=アニエス・ジロ

リハーサル映像
「くるみ割り人形」群舞
ローラン・イレール(指導)

「メディアの夢」
アリス・ルナヴァン、ステファン・ビュヨン、エミリー・コゼット、アンジェラン・プレルジョカージュ

「パキータ」群舞
ローラン・イレール(指導)

「ジェヌス」
マチアス・エイマン、マチュー・ガニオ
マリ=アニエス・ジロ、バンジャマン・ペッシュ、ウェイン・マクレガー

「くるみ割り人形」
ジョゼ・マルティネス、レティシア・プジョル

「パキータ」
アニエス・ルテステュ、エルヴェ・モロー、ピエール・ラコット

「くるみ割り人形」
レティシア・プジョル、ニコラ・ル=リッシュ

「メディアの夢」
エミリー・コゼット、ローラン・イレール(指導)

「パキータ」
マチルド・フルステー、マチアス・エイマン

ピナ・バウシュ振付「オルフェオとエウリディーチェ」
ヤン・ブリダール

指導者の中には、ノエラ・ポントワやギレーヌ・テスマーもいました。
そして最後の方で、辞退したバレリーナに代わり「パキータ」のパ・ド・トロワを射止めた若く野心に燃えたバレリーナは誰なのでしょうか?オペラ座に詳しい方、教えていただけると嬉しいです。

2009/09/14

『鴻池朋子展~インタートラベラー 神話と遊ぶ人』

友達数人が観に行ってすごく面白かったと言い、ちょうど新国立劇場で「兵士の物語」を観に行ったので、ついでに立ち寄ってみた。

東京オペラシティ アートギャラリー 『鴻池朋子展~インタートラベラー 神話と遊ぶ人』
KONOIKE Tomoko: Inter-Traveller
http://www.operacity.jp/ag/exh108

切符を買うところで、動物の毛にアレルギーがないかどうか確認されたのでちょっとだけびびる。こんな彫刻がお出迎え(これだけ撮影OKで、一緒に並んで記念撮影もできる)

P1040351s

「地球の中心への旅」をコンセプトとし、人間の心を地球というひとつの惑星にたとえてその中へと探検していくという展覧会。入り口には、旅へようこそとばかりに、目がついた山の絵が描いてある大きく開いた襖《隠れマウンテン ─ 襖絵》が、門のようにお出迎え。

とぐろを巻くように展示してあるのは絵本『みみお』の原画。この「みみお」は、鉛筆で描かれた白いふわふわとした生き物で、顔がない。そのみみおが、誕生して消えていくまでを描いた、寂寥感あふれる絵には惹きつけられた。頭から耳のように両腕が垂れ下がっている1・5頭身のみみお、顔がないのにすごく可愛い。『mimio-Last day of the winter』『mimio odyssey』の2つの手描きアニメ作品が上演されていて、後者は本を模したスクリーンに投影されている。両方とも哀しく怖く美しい作品なのだけど、特に前者『mimio-Last day of the winter』は、オペラのアリア「ベルリーニ/歌劇「夢遊病の女」第1幕アリアより]音楽に合わせて、みみおがくるくる回転したり、森の中を駆けていったり、目のない顔から涙を一粒流したり。鉛筆による線の濃淡が、独特の視覚的な効果を与えていて、それが柔らかかったり、疾走感を伝えていたり、繊細さを加えていたり。雪のふんわりとした感じ、澄み渡る空気。この『mimio-Last day of the winter』を見るためだけにも、もう一回来たいと思ったほど。(ミュージアム・ショップでみみおのぬいぐるみが売っていたんだけど、さすがに12600円は高くて買えず、ポストカードとピンバッチで我慢)

Mimio_main

部屋から部屋を移動するのに、低い入り口を潜り抜けて行ったり、巨大な作品に圧倒されたり、天井から吊るされた狼の毛皮にぎょっとしたりと、五感を刺激する展示で、「体験型アート」と言えるもの。本の上に立体的に鉛筆画で地球に起きてきた物事が浮かび上がってくる《焚書 World of Wonder》なども、ボディブローのようなインパクトがある。人生とは何だろう、私たちはどこから現れ、どこへ消えていくのだろう、心の中に浮かび上がるさまざまな考えや感情ってなんだろう、それらの疑問に対する一つの答えを視覚化したのが、彼女の作品なのだ。

鴻池朋子の作品に繰り返し登場するモチーフ-スニーカーと靴下を履いた子供の脚、犬や狼、子供の顔、内臓、くるくると回転する手裏剣のようなナイフ、立体的な本がとても印象的で、深層意識にじわじわと働きかけてくる。中でもまず強烈なのが、幅が6mを超える巨大な絵画4点からなる「物語シリーズ」の全4章。部屋の四つの壁に一枚ずつ展示してあって、真ん中には百合の生花が活けてある。上手く言葉では表現できないけど、すごい迫力で圧倒される。理解できないんだけど、不思議な快感と興奮がある。ところどころ脚が人間の脚になっている狼と髑髏の襖絵「シラ ― 野の者谷の者」の16面の襖が作り上げる空間も、不気味ながらクラクラとさせられて快感がある。

圧巻なのが、地球の中心に配置された《Earth Baby》「赤ん坊」というインスタレーションで、ガラスのモザイクで飾られ、光が乱反射する赤ん坊の巨大な頭部が回転するというもの。夢に出てきそうなキモ怖さがあって、おもわずよろけてしまいそうになった。しかも、その後の「後の部屋」で暗闇の中に狼の毛皮がぶら下がっているのだから、ほとんど見世物小屋のようなものだ。

アートって、本で見るより、実際に体験するほうが何十倍も鮮烈なものなのだなあ、と今更ながらしみじみと感じた。

※追記
「mimio last day of winter冬の最後の日」はクリエイティブコモンズで公開されているので、ダウンロードして観ることができます!
http://commonsphere.jp/feature/content/kounoike/mimio.php

「みみお」の本が買えることがわかり、早速ポチッとしてしまった。届くのが楽しみ!

みみおみみお
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2009/09/13

9/12 マチネ 「兵士の物語」The Soldier's Taleウィル・タケット振付

演出・振付:ウィル・タケット
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
美術:レズ・ブラザーストーン

兵士:アダム・クーパー
ストーリーテラー:ウィル・ケンプ
悪魔:マシュー・ハート
兵士の婚約者/王女 ゼナイダ・ヤノウスフスキー
http://www.heishi.jp/

Image0451

私、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」の音楽があまり好きではなく、NDTでナチョ・ドゥアト主演で振付けられた作品もDVDで観たけどやはり苦手で、さらにバレエフェスのためお金もなくてどうしようかな、と思っていたのです。が、ダンスマガジンで千円引きの企画があったので、チケットを取りました。結果的には、観に行ってよかったと思います。とても面白かったし、こういうダンスとも演劇ともいえるダークで諧謔風味あふれる奇妙な舞台を、しかもオリジナルキャストで日本で観られるのってすごく貴重な機会。

開演前からストーリーテラー(狂言回し)役のウィル・ケンプが舞台を歩き回っていると聞いたので、ちょっと早めに着席。確かに、いつのまにかシルクハットをかぶったウィル・ケンプが舞台の上を歩き回っている。チケットを買ったのが遅くて、さすがに劇場のほぼ最後列。最後列ということを考えれば見やすいのだけど、表情はちょっと見えない。舞台美術は、マシュー・ボーン作品でも知られるレズ・ブラザーストーンで相変わらずセンスが抜群。悪魔を描いた垂れ幕がかかり、アンティークな芝居小屋のようなキッチュな空間、両端にも客が何人か着席。舞台の中央前方にはぽっかりとオーケストラピットが開いている。舞台両側には字幕。

そして舞台の始まり。ウィル・ケンプが、一人一人、「私の劇場へようこそ!」と言いながら、スポットライトが当たった登場人物を紹介していく。オーケストラピットの中の楽団や、舞台上の客にも挨拶。「バレエの世界から招きました」と紹介されたゼナイダ・ヤノウスキーは、化粧鏡の前でタバコをくわえお酒をラッパ飲みしているし!そしてウィルが、ストーリーを語り始める。彼の英語は滑舌よく、とっても聞き取りやすい。軽やかな身のこなしで、上手く狂言回し役を果たしている。出演者はみんな、派手なメイクをしているのだけど、私の距離からだと、オペラグラスを使っても照明の加減のためか、それほどすごく顔を作っているって感じじゃなくて違和感はなし。久しぶりに見るアダム・クーパーは長身でプロポーション良く、ぼろぼろの服を着ていてもカッコよかった。

2週間の休暇をもらった兵士が、故郷に帰ろうとしたところ、老人の姿をした悪魔に出会い、大事にしていた粗末なヴァイオリンと、本を交換してしまう。この本には未来のことが書いてあるのだという。「本をもらっても、読めないと思うし」と言って、わざと逆さまに本を持つ兵士が可笑しい。そして悪魔の家に招かれて、3日間だけだと思っていたら実際には3年で、その間に婚約者は結婚して子供までいるし、故郷には自分を知るものは誰もいない。兵士は本に書いてあることを実践して大金持ちになり、ついでに病気だった王女の病気を治して彼女と結婚したものの、心は満たされない。悪魔とギャンブルをしてわざと負け、もうけた金を返して彼の呪縛を解く。しかし・・・。

演技者として一番おいしいのは、やはり演技派として知られるマシュー・ハート。ひとくちに悪魔といっても、老人、老婆、見るからに怪しい詐欺師のおじさん、そして半獣半人のようなザ・デビルなお姿(ちょっとムチムチだったけど)まで、姿を変え、手を変え品を変えて兵士の心の中に侵食していく姿を怪演。きっと演じていてもめっちゃ楽しいだろうな、と思った。小柄で童顔、どちらかといえば愛嬌のある彼が、どんどん怪しさを増して悪魔の正体を表わしていく様子には、ゾクゾクさせられた。ハマりすぎていて怖いほど!

アダム演じる兵士は、ヒーローではなく、悪魔に簡単につけ込まれてしまう弱くて平凡な男。アダムがスターオーラを封印して、マシューやウィルらの濃い演技をうまく際立たせていた。彼が大事にしていた小さくてみすぼらしいヴァイオリンこそは、彼の魂の象徴であり、そのヴァイオリンを渡してしまうということは魂を悪魔に売り渡してしまったんだなっていうことが良くわかった。意外と踊るシーンもあって、思ったより踊れていた。舞台がごちゃごちゃと装置があるためとても狭いので、若干踊りにくそうだったけど、やっぱり彼のように手脚が長いと踊りが映える。その上、台詞まわしもとても達者で声も良く通る。

ゼナイダ・ヤノウスキーは、この出演者の中で唯一の現役クラシックダンサーで、長身ということもありアラベスクのラインがとっても綺麗。背中も柔らかい。王女役の時にはポアントを着用。この王女役というのがまた面白くて、一言で言えば壊れている。最初は病気で口が聞けないという設定なのだけど、ワガママだったり変な表情をしてみたり、くるくる変わる表情を見ているだけでも飽きない。シンデレラの灰かぶり姫のような粗末な服での、純真で素朴そうな婚約者役と見事に演じ分けていた。

というわけで、4人の出演者がとても生き生きと演じてくれていて面白かったのだけど、台詞が非常に多いので、字幕に気をとられていると肝心の舞台を見逃す危険性がある。踊りのシーンもないわけではなく、兵士と婚約者のパ・ド・ドゥはとても美しく切ないし、兵士と王女の踊りはファニーで楽しいんだけど、踊りよりも演技のシーンの方が見ていて楽しいのだよね。

個人的には面白かったし、英国的なバッド・テイストのブラック・コメディ的趣味が全開で楽しかったし、ストラヴィンスキーの奇妙な音楽もそれほど気にならなかったけど、1回見て内容が頭に入ったのでもう一回ちゃんと観たいなって思った。できればもう少し前で表情が見える席で。

上演時間は1時間15分とかなり短く、休憩なし。というわけで、お手洗いなどは先に行って置いた方がいいかも。

チャコットのダンスキューブには、ゲネプロのレポートもあるので、よろしかったらご覧ください。
http://www.chacott-jp.com/magazine/interview-report/genepro/post-10.html

追記:9月13日マチネの公演にはテレビカメラが入っていて、友達が聞いてくれた話しによると、WOWOWで収録し放送する予定だそうです。

ABTの2010年METシーズンにノイマイヤーの「椿姫」!Lady of the Camellias in ABT 2010 MET Season

ちょっとびっくりのニュースが飛び込んできました。

New York Timesの批評家アレイスター・マコーリー氏の記事に、ABTの来年のMETシーズンの演目がちらりと出ていたのです。

Stars of Footwork, Performing and Creating
http://www.nytimes.com/2009/09/13/arts/dance/13maca.htm

アシュトンの「The Dream」(真夏の夜の夢), 「Birthday Offering」(誕生日の贈り物)の2本立て、 アシュトンのミックスプロ「 "Awakening" PdD from Sleeping Beauty」(アシュトン版「眠れる森の美女」から目覚めのパ・ド・ドゥ) 「"Thais" Meditation」(タイスの瞑想曲)

ノイマイヤーの「Lady of the Camellias」(椿姫)!(もちろん、今回がABTでの初演です)

それから、バランシン、チューダー、マクミラン、ジェローム・ロビンスの作品を上演するとのこと(作品名は不明)。さらに、ラトマンスキーの「ドニピェルの岸辺で」”On the Dnieper,” も再演されるそうです。

あとは、「ドン・キホーテ」「ラ・バヤデール」、評判のよろしくないマッケンジー版の「眠れる森の美女」「白鳥の湖」が上演されるそうです。シーズンは2010年5月17日より7月10日まで。

いや~ABTで「椿姫」とはびっくりです。おそらくですが、ロベルト・ボッレがファーストキャストで出演するのでしょうね。本当はフェリが現役の時に上演すればよかったのに、と思うのですが。

来シーズンは多分METシーズンには行けないだろう、と思っていたのですが、「椿姫」と聞いて動揺しています。マルセロがアルマンを踊るのだったら、もう飛んでいくことでしょう!

2009/09/12

「バレエ名作ガイド」/マライン・ラドメーカー「ペール・ギュント」の映像

観ておきたいバレエの名作16作品のストーリーとみどころを、美しい舞台写真満載でまとめた一冊。

<作品解説>
白鳥の湖/眠れる森の美女/くるみ割り人形/ドン・キホーテ/ジゼル/ラ・バヤデール/ラ・シルフィード/ロミオとジュリエット/マノン/椿姫/オネーギン/シンデレラ/海賊/ライモンダ/ラ・フィユ・マル・ガルデ/コッペリア

<バレリーナが語る核心>
イリーナ・ドヴォロヴェンコ  「白鳥の湖」
エリザベット・プラテル  「眠れる森の美女」
ユリア・マハリナ  「くるみ割り人形」
タマラ・ロホ  「ドン・キホーテ」
ジュリー・ケント  「ジゼル」
ニーナ・アナニアシヴィリ  「ラ・バヤデール」
オーレリ・デュポン  「ラ・シルフィード」
アレッサンドラ・フェリ  「ロミオとジュリエット」
ヴィヴィアナ・デュランテ 「マノン」
ジョエル・ブーローニュ  「椿姫」

バレエのストーリーをまとめた本というのは、かなりたくさん出ているし、そんなにたくさん持っていても仕方ないし、と思ってスルーしていたのです。三浦雅士氏の評論にも、首をかしげることが多かったし。が、たまたま本屋さんにあったのでパラパラとめくっていたら、「オネーギン」のところで、マリインのレンスキーの写真が載っていたので、レジに直行(笑)モノクロで小さい写真なんですが、本当に美しいレンスキーで。今年また彼のレンスキーが観られたらいいんだけど。

それはさておき、瀬戸さんの写真はやっぱり素晴らしいですね。表紙のルグリとオーレリー・デュポンの「椿姫」を始め、どの写真も照明の捉え方が美しくて、見事なポーズのところを切り取っています。「ジゼル」の佐久間奈緒さんとロバート・テューズリーの写真がドラマチックで素敵。「シンデレラ」では、マイヨー版の写真が一枚。ベルニス・コピエテルスの仙女が美しい~。「ライモンダ」のイリーナ・ドヴォロヴェンコもすっごく綺麗だし。「オネーギン」はイリ・イェリネク、アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー、スージン・カンも素敵です。

作品紹介の順番がすごく良くできていて、まずはチャイコフスキー3大バレエ、次に人気のある「ドン・キホーテ」、そして白い場面のあるバレエが3本(「ジゼル」「ラ・バヤデール」「ラ・シルフィード」)。三浦氏の解説にもあるように、バレエ・ブランは地上界と冥界の二つの世界があって、冥界へと降りていくところを描いていることがよくわかります。作品の成り立ちなど歴史的な背景に触れているので、予備知識として仕入れられるので、より楽しく舞台が観られることでしょう。「ジゼル」のアルブレヒト役のダンサーによる解釈の違いも、基本的なことではありますが、作品の理解の助けになります。

それから、「ロミオとジュリエット」「マノン」「椿姫」「オネーギン」と物語バレエの系譜。バレエにとって1960年代こそが重要であったという視点は興味深いですよね。「椿姫」あたりは、三浦節が炸裂しているところで、好き嫌いが分かれる部分もあるかと思いますが、一つの見方を提示しているということでは面白いです。それに、文章がとても読みやすくやさしく書かれているので、実際の舞台を観た時の視点が多角的にできるのでよいのではないかと思います。

最後は、クラシックバレエの代表的な作品と、英国的なコメディ作品でまとめています。物語の説明は、主に多く上演されている版に基づいていますが、前述のマイヨーの「シンデレラ」やプティの「コッペリア」など現代的な版にも触れられています。

作品ごとに、バレリーナがそれぞれの作品について語っているインタビューを掲載しているという趣向が面白いです。過去にダンスマガジンに掲載されたインタビューから抜粋されたものが多いとは思いますが、プラテルのように過去のスターの談話があるのも良いですよね。

この本はバレエの物語を中心に解説している本で、踊りというより演技や演出に重点が置かれているのですが、舞踊表現ということに重点を置いた本としては、長野由紀さんの「バレエの見方」が良いと思います。併せて読むと、より理解が深まるのではないかと思います。

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マライン・ラドメイカー主演のチューリヒ・バレエ「ペール・ギュント」のDVDは発売が1ヶ月ほど遅れてしまうようなのですが、製作会社EuropeimagesのYouTubeチャンネルに、映像が少し載っていましたのでご紹介します。この会社は、パリ・オペラ座の「オルフェオとエウリディーチェ」(ピナ・バウシュ振付、今度NHKで放映される)も製作しているんですね。

Peer Gynt Heinz Spoerli
http://www.youtube.com/watch?v=O_Ed_7266nc

Grieg: Peer Gynt (Ballet by Heinz Spoerti) Zurich Ballet [DVD]Grieg: Peer Gynt (Ballet by Heinz Spoerti) Zurich Ballet [DVD]

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2009/09/11

ロイヤル・バレエなどのバレエ舞台映像を映画館でデジタル上映

ソニーからこんなプレスリリースが出ていました。

映画館で楽しむ世界のオペラとバレエ 「WORLD CLASSICS @ CINEMA」 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200909/09-105/

~デジタルライブコンテンツ製作・配給サービス “Livespire(ライブスパイア)”にて、
2009年12月から、計8作品を映画館へ配給~

「World Classics @ CINEMA
 ~映画館で楽しむオペラとバレエの世界紀行~」 シリーズ 配給予定作品

日本では初の試みとなる"バレエ"の舞台映像をデジタルシネマ上映します。

オペラ(5作品)

◆英国 「グラインドボーン音楽祭」の2作品(『チェネレントラ』、『愛の妙薬』)
◆英国 「ロイヤル・オペラ・ハウス」の2作品(『ドン・ジョヴァンニ』 他1作品)
◆イタリア・ミラノ 「スカラ座」の1作品(『椿姫』)

バレエ(3作品)

◆ロシア 「マリインスキー・バレエ」の1作品(『白鳥の湖』)
◆英国 「ロイヤル・バレエ」の2作品(『くるみ割り人形』『オンディーヌ』)

ということで、METオペラのライブ・インHDが日本でも定着し、そして最近は欧米の映画館でバレエを上映するということは行われていましたが、日本でもようやくバレエ公演映像が映画館で観られるようになったのですね。

今回上演されるバレエ作品は、

チャイコフスキー 『白鳥の湖』 マリインスキー・バレエ(2006年上演) 
これは写真から判断すると、DVD化されているロパートキナとコルスンツェフの「白鳥」のようです。

ヘンツェ 『オンディーヌ』 (2009年上演)ロイヤル・バレエ
リリースにもあるとおり、吉田都さんが主演した舞台ですね。今度NHKハイビジョンで上演されます。

チャイコフスキー 『くるみ割り人形』 (2008年上演) ロイヤル・バレエ
これは誰が出演した「くるみ」なのか、とっても気になります!ballet.coでも、「くるみ」がヌニェス&ソアレスの「白鳥」、ロホ&アコスタの「ラ・バヤデール」、「オンディーヌ」とともに、イギリスで映画館で上映されるようだということが書かれていますが、キャストは不明のようです。また、「くるみ」に関しては、DVD化されるかどうかも未定とのこと。

<上映日時・場所について(予定)>
-上映日時:2009年12月より、順次公開予定(2010年春~夏まで)
-上映場所:「新宿バルト9」ほか全国映画館にて
-鑑賞料金:当日一般3,500円(予定)

最新情報及び詳細は、10月に開設される、“Livespire”「World Classics @ CINEMA」のホームページにてお伝えいたします。下記のLivespire公式ホームページをご覧ください http://www.livespire.jp


そういえば昨日、Opus Arteに注文したマリアネラ・ヌニェスとティアゴ・ソアレスの「白鳥の湖」(ロイヤル・バレエ)が届きました。注文してから届くのがめっちゃ早かったです。週末に見るのが楽しみです。(まだAmazon.co.jpには出ていないんですよね)

一方、Amazon.ukからは、チューリッヒ・バレエの「ペール・ギュント」(マリイン・ラドメーカー主演)の発売が延期になったというメールが来ました。10月10日過ぎに届くようです。

2009/09/10

シュツットガルト・バレエの北京公演サイト/ハンブルク・バレエの北京公演 Stuttgart Ballet and Hamburg Ballet in Beijing

10月9日~13日に、シュツットガルト・バレエの北京公演が行われますが、会場である北京の国家大劇院のサイトに、公演の特設サイトができていました。

http://www.chncpa.org/n457779/StuttgartBallet2009/index.htm

英語で、バレエ団、ジョン・クランコ、芸術監督のリード・アンダーソンのプロフィールが書いてあり、またプリンシパル・ダンサーの名前と顔写真も載っています。プリンシパルがジェイソン・レイリー以外全員載っているのですが、全員が来るわけではないようです。

「じゃじゃ馬ならし」のタイトルをクリックすると、スージン・カンが踊る動画も少し見ることができます。ものすごく重いですが。
http://www.chncpa.org/n457779/StuttgartBallet2009/02wuju.htm

13日のミックス・ビルの方は、動画は「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」で、ロバート・テューズリーとアリシア・アマトリアンの映像です。
http://www.chncpa.org/n457779/StuttgartBallet2009/03kuanghuan.htm

ミックス・ビルは、「カルタ遊び」「Brouillards」「Aus Holbergs Zeit」「レジェンド」などクランコの作品4本に加え、「レ・ブルジョワ」、シュプックの「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」、プリンシパルのブリジット・ブライナーが振付けた「Sirs」が上演とかなり盛りだくさんなんですね。


ところで、劇場のサイトにはまだ載っていないのですが、来年2月には、ハンブルク・バレエも北京で公演を行う予定です。
http://www.hamburgballett.de/e/gastspiel.htm
Beijing
CHNCPA – China National Center for Performing Arts
February 3, 4, 5 and 6, 2010 | Lady of the Camellias
February 8 and 9, 2010 | Nijinsky

「ニジンスキー」と「椿姫」だなんて、なんて美味しい演目なんでしょう!きっと日本からも観に行く人がたくさんいるのではないかと思われます。

10月のサンフランシスコ・バレエとシュツットガルト・バレエ、11月のABT、そしてハンブルク・バレエと北京は引越し公演がたくさん行われるんですね。日本は今年はもう来日公演はNYCBとマリインスキー(あと恒例のレニングラード国立バレエ)くらいで、年が明けても3月のオペラ座まで大物はないので、北京がけっこう羨ましいです。

2009/09/09

クララ10月号/マラーホフ主演韓国国立バレエ団「チャイコフスキー」のチラシ

大好きなマイレンが寺田亜沙子さんと巻頭で対談していると聞いて、「クララ」10月号を買いに、発売日より前に売っているチャコットに昼休みひとっ走りしてきました。10月の新国立劇場の「ドン・キホーテ」のプロモーションですね。

いや~マイレンが鼻血が出そうなくらい素敵です。すごい細眉メイクのエスパーダがどかーんと載っていて、でもラインは本当に美しい~。反対側に載っているのが、寺田さんの清楚そのものの「セレナーデ」なので、ますます濃く見えます。マイレンは写真で見ても、舞台で観ても、いつでもルルベがとても高くてきれいなんですよね。

ページをめくると、マイレンと寺田さんの子供時代の写真が載っていますが、マイレンの子供時代って本当に可愛いです♪赤ちゃんの頃から顔がくっきりと濃かったし、4歳ですでにキメポーズをつけて写っています。

対談の内容もすごく面白いです。マイレン、しっかり寺田さんのことを「サポートに頼りすぎずしっかりと自分の脚で立っている」とうまく褒めていて、気配りが感じられています。また、読者層のバレエを習っている子達に向けて、「ピルエットの時にはパッセを高くキープしてください、膝やつま先を伸ばすのも忘れないで。みんな知っていることだけど、ちゃんとやっている人は少ないから」というアドバイス。そう、マイレンはいつも膝やつま先がきれいに伸びているのですよね。寺田さんが、「マノン」や「ロミオとジュリエット」のようなドラマティックな作品を踊るマイレンが観たい、っておっしゃっているのですが、もちろん私も観たいです!

この二人の「ドン・キホーテ」が楽しみですね!マイレンは、エスパーダも踊るらしいので、こちらも楽しみです。

この号の「クララ」は、舞台ネタはあとは牧阿佐美バレエ団の「ジゼル」くらいで、あとはシニヨンの作り方や、リンバリング、ピラティスのやり方について書いてあったりと、踊りの実践中心。でもシニヨンは私もいつもうまく作れないので、参考になります。

ちょうどおロシア人日記さんに、マイレンへのアンケートが載っていたので、ご紹介しますね。
http://blog.auone.jp/silkyearsmallout/?p=0&disp=entd_p&EP=35002955

なお、来月発売の「クララ」の巻頭対談は、皆様お待ちかねのマリア・コチェトコワとダニール・シムキンの対談です。

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ところで、チャコットには、明日から上演される韓国国立バレエ「チャイコフスキー」(ボリス・エイフマン振付)の日本語のチラシが置いてありました。しかも、きれいに印刷されていて、もちろんマラーホフ出演についても書いてありました。日本のファン向けにつくったのでしょうね。きっと問い合わせも多かったのでしょう。チャコットが後援しているようです。

ぜひ、今度は日本でマラーホフ主演による「チャイコフスキー」を上演して欲しいです。

P1040349s




P1040350s










韓国のReinaさんのブログWunderkammerには、ゲネプロでのマラーホフの美しい写真が掲載されています。Reinaさん自身による撮影です。

http://reina.egloos.com/4230732

ミハイル・バリシニコフとアナ・ラグーナの「Three Solos and a Duet」映像

先日ご紹介した、ミハイル・バリシニコフがマッツ・エックらの作品を踊る「Three Solos and a Duet」のサンタモニカ公演の劇評と映像がロサンゼルス・タイムズに載っていたのでご紹介します。

http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2009/09/dance-review-baryshnikov-at-the-broad-stage.html

上記映像は、マッツ・エック振付の「Duet」という作品。映像はクリックするとフルスクリーンで見ることができます。60歳を過ぎてもさすがにミーシャの動きはきれいですよね。テーブルを使った振付も面白いです。なんともいえない味わいがあって、年齢を美しく重ねた二人の傑出したアーティストの姿がありますよね。

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今週末、9月12日には、アメリカのインディアナポリスにて「An Evening With The Stars」というガラがあります。

http://www.indianapoliscityballet.org/event-evening-with-the-stars.php

出演者は以下の予定です。

Alicia Amatriain – Principal, Stuttgart Ballet
Joaquin De Luz– Principal, New York City Ballet
David Hallberg– Principal, American Ballet Theatre
Julie Kent – Principal Dancer, American Ballet Theatre
Sarah Lane – Soloist, American Ballet Theatre
Anastasia Matvienko – Principal Dancer, Kirov Ballet
Denis Matvienko – Principal Dancer, Kirov Ballet
Tiler Peck – Soloist, New York City Ballet
Miguel Quinones – Parsons Dance Company
Jason Reilly – Principal Dancer, Stuttgart Ballet
Gennadi Saveliev – Soloist, American Ballet Theatre

豪華ですね~。ジュリー・ケントは、今回が第二子出産後の最初の舞台のはずです。アナスタシア・マトヴィエンコはマリインスキーのプリンシパルではないと思いますが。

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アメリカ発の話題としてはもう一つ。9月19日に、ボストン・バレエのオープニングガラ「Night With Stars」があるのですが、アリーナ・コジョカルとヨハン・コボーがゲスト出演し、「コッペリア」のパ・ド・ドゥを踊る予定になっています。世界バレエフェスティバルのAプロで踊ったのと同じ部分でしょうか?
ラトマンスキーの「イワンと仔馬」が踊られたり、バランシンの「ダイヤモンド」、ニジンスキー版「牧神の午後」やキリアンの「小さな死」などバラエティに富んだプログラムです。また、先シーズンからプリンシパルに昇格した倉永美沙さんが、「眠れる森の美女」のローズ・アダージオを踊ります。

2009/09/08

ハンブルク・バレエ、2009年7月バレット・ターゲの紹介記事 Ballett Tage of the Hamburg Ballet

今年7月に開催された恒例のハンブルク・バレエのバレット・ターゲ(バレエ週間)のレビュー&写真がBallet.coに掲載されていました。

http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_09/sep09/bm-john-neumeier-hamburg-ballet.htm

公演の美しい写真のほかにも、バレエ学校や、2012年にオープンする予定のフィルハーモニック・ホールの予想図、ノイマイヤーのコレクションをベースにした「ニジンスキー展」で展示されたニジンスキーによる絵画作品なども掲載されています。

まずは7月10日のプログラム、先日世界バレエフェスティバルでも上演された「Verklungene Feste いにしえの祭り」、「Josephs Legend ヨゼフの伝説」(公演3時間前にヨゼフ役のティアゴ・ボァディンが降板して、アレクサンドル・リアブコが急遽代役を演じました)の2作品。

7月11日の「バレエ・リュスへのオマージュ」と題しての公演は、「放蕩息子」(セイレーンをエレーヌ・ブシェ、放蕩息子を新星アレクサンダー・トラッシュが踊りました)、ニジンスキー版の「春の祭典」(選ばれし乙女役は、シルヴィア・アッツオーニ)、そして、やはりバレエフェスで「シャムの踊り」が踊られたノイマイヤーの新作「アルミードの館」の3作品。
「アルミードの館」は、ノイマイヤーの「ニジンスキー」の後日談であり、精神病院に収容されたニジンスキーの回想で始まります。ニジンスキー役は、オットー・ブベニチェク。そしてこの作品の中にも、セルゲイ・ディアギレフを思わせる人物が登場します。舞台美術の一部は、アレクサンドル・ブノワがデザインしたオリジナルを使用しているとのことです。
この評者は、ノイマイヤーは物語に映画的、もしくは夢のようなものを与えようとしていると感じたようです。ゆっくりと変化していく場面、背景でのゆっくりと歩く人物などによる奇妙なかき乱し方。そして夢のごとく、目が醒めた時、それがいったいどのような意味だったのだろうかと不思議に思うような作品であると。

そして7月12日は、第35回ニジンスキー・ガラ Nijinsky Gala XXXV。
チケット入手が非常に困難なことで知られている特別な公演です。5,6時間以上にわたる公演とは、まるで世界バレエフェスのガラ公演のようですね。

16もの作品が踊られたこのガラ。まずは、「ぺトルーシュカ」のシルヴィア・アッツオーニとロイド・リギンスが素晴らしかったようです。ロイヤル・バレエからはジョナサン・コープとリアン・ベンジャミンが「火の鳥」で客演。引退しているコープは、2年ぶりの舞台だったとのことですが、とてもそのようには見えず、マジカルなパフォーマンスだったとのこと。「アルミードの館」は、ティアゴ・ボァディンの代わりにヨハン・ステグリが「シャムの踊り」(バレエフェスで踊られたあの作品ですね)を踊り、オペラ座からマチアス・エイマンが「薔薇の精」を踊って、高い跳躍で観客を魅了しました。少女役は、レティシア・プジョル。ミュンヘン・バレエからは8人のダンサーがゲスト出演し、ニジンスキー振付の「牧神の午後」を踊りました。牧神はティグラン・ミカエリャン、ニンフはダリア・スホルコワ。

第2部は、ピカソが奇抜な衣装と舞台装置をデザインしたので有名な「パラード」。レオニード・マシーン振付、エリック・サティの音楽によるもので、Donlan Dance Companyという10人だけのカンパニーが上演しました。Aoi Nakamuraという日本人の女性ダンサーも出演していたとのことです。ニジンスカ振付による「青列車」は、アレクサンダー・トラッシュ(最近のノイマイヤーのお気に入りダンサーなのだそうです)が踊りました。「アポロ」は、オペラ座からの客演で5人のダンサーが踊りましたが、エルヴェ・モローの降板に伴い代役として出演したのがフロリアン・マニュネで、さすがに彼にアポロ役は荷が重かったようです。

第3部は、主にノイマイヤーの作品で構成されていました。ノイマイヤー作品以外では、まずは「ジゼル」。やはりエルヴェ・モローの代役として出演したステファン・ビュヨンと、イザベル・シアラヴォラが作り上げた世界は素晴らしかったようで、全幕が楽しみとの評者のコメント(というわけで、この組み合わせで日本でも見られると良いのですが)。また、ウラジーミル・マラーホフとシルヴィア・アッツオーニのジェローム・ロビンス振付による「牧神の午後」、マラーホフはドラマティックで息を呑むほど素晴らしく、そしてシルヴィアは魅力的で、ドラマティックなインテリジェンスを感じさせ、評者によると今まで観たロビンス版の「牧神」でもっとも良かったそうです。シルヴィアはこの作品を踊るのが初めてで、マラーホフとは2日ほどリハーサルをしただけ、しかも「春の祭典」など他の作品と並行していたそうですから、彼女の凄さがわかるというものですね。

ヴェニスに死す」は、アレクサンドル・リアブコとイヴァン・ウルバンが踊り、とても感動的だったそうです。ノイマイヤー版の「ペトルーシュカ」はカロリーナ・アギュエロとヨハン・ステグリに加え、ハンブルク・バレエ学校の生徒たちも出演して楽しくチャーミングな舞台だったとのこと。

5時間5分の長きにわたったガラは、15分間のカーテンコールの後に幕を下ろしました。

この公演についての番組が、ハンブルク・バレエのFacebookで紹介されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=L7eN-qm-g18

ドイツ語の番組ですが、リハーサルの様子や、「春の祭典」、さらにはティアゴ・ボァディンが踊る「アルミードの館」のシャムの踊りの映像を少し見ることができます。ティアゴ、妖しくて素敵ですね~。ノイマイヤー、ティアゴやシルヴィア・アッツオーニのインタビューもあります。

ブロガー名刺を作ってみようかと/お台場のガンダム

おかげさまで、このブログも毎日ほぼ2000人くらいの方に来ていただけている状態です。素人が好き勝手なことを書き散らしているだけで、いつも乱文&時々罵詈雑言もありで申し訳ない限りなのですが、皆様からのコメントがとても励みになっています。ここを通して世界中の方々と仲良くさせていただいたりしていて。

ここで知り合った方々とお会いする機会も増えてきましたので、ブロガー名刺というのを作ってみようかと思います。

よく読んでいる「No Mobile, No Life」さんという超有名なブログで教えていただきましたが(実は私は結構techyなのです)、ブロガー名刺では定番中の定番、前川企画印刷さんだと、デザインまでしてくれて、100枚を1000円で作ってくれるそうです。私も今まで個人名刺は何回か作りましたが、こんなに安いのは聞いたことがないですよね。

もし読者の方にお会いする機会があれば、この名刺をお渡しできるかも?

P1040280s

あまり関係ないですが、この間お台場に、実物大ガンダムを観に行ってきました。最後の週末だったので、すごい人出でした。デカかった、そして暑かった!ちゃんと脚の間もくぐってきましたよ。実はファースト・ガンダムには中学生の頃夢中になったんですよね~。

船の科学館の展望台からだと、すごく良く見えました。(今はもうないのですよね・・)

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2009/09/07

[パリ・オペラ座]公演日程・来日予定メンバー決定 Paris Opera Ballet in Japan March 2010

本国での「ジゼル」のキャスト予想をしていたら、日程と出演予定メンバーがNBSから発表されていました。

パリ・オペラ座バレエ団ブログ
http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/2009/09/post.html


パリ・オペラ座バレエ団2010年日本公演

「シンデレラ」全3幕

■公演日:3月12日(金)、13日(土)昼、13日(土)夜、14日(日)、15日(月)
■会場:東京文化会館

[ジゼル」全2幕

■公演日:3月18日(木)、19日(金)、20日(土)昼、20日(土)夜、21日(日・祝)
■会場:東京文化会館

■11月初旬発売開始予定


◇予定される来日メンバー

アニエス・ルテステュ(エトワール) Agnès Letestu
マリ=アニエス・ジロー(エトワール)Marie-Agnès Gillot
クレールマリ・オスタ(エトワール) Clairemarie Osta
デルフィーヌ・ムッサン(エトワール)Delphine Moussin
エミリー・コゼット(エトワール)Emilie Cozette
ドロテ・ジルベール(エトワール)Dorothée Gilbert
イザベル・シアラヴォラ(エトワール)Isabelle Ciaravola

ジョゼ・マルティネス(エトワール)José Martinez
マチュー・ガニオ(エトワール)Mathieu Ganio
バンジャマン・ペッシュ(エトワール)Benjamin Pech
マチアス・エイマン(エトワール) Mathias Heymann
カール・パケット(プルミエ・ダンスール) Karl Paquette
ステファン・ビュヨン(プルミエ・ダンスール)Stéphane Bullion

このキャストを目にした方のほとんどがはてな、と思われていると思うのですが、なぜニコラ・ル=リッシュとオーレリー・デュポンの名前がないんでしょう。この間のバレエフェスに来ていたし、今月からの本国での「ジゼル」でもファーストキャストなのに。3月にオペラ座で初演されるプレルジョカージュ振付の「シッダールタ」のキャストにこの二人は入っているのかしら?

それから、ニコラと映像で共演しているレティシア・プジョルも名前がないんですよね。彼女もシッダールタ要員かしら。それから、忘れてはいけないエルヴェ・モローも名前がないのが寂しいです。(ベランガールもいないけど、いないからといって寂しくはないので)

ということで、勝手に「ジゼル」のキャスト予想をすると、

ルテステュ&マルティネス(確実)
マチアス&ドロテ(確実)
の2組は堅い感じで。

マチュー(orバンジャマン)&オスタ?(なんでニコラが来ないのにオスタが…)
ステファンorカール&シアラヴォラ

ミルタはマリ=アニエスとエミリー・コゼットかな。

「シンデレラ」は、

ルテステュ&マルティネス(確実)
ムッサン&カール(ほぼ確実)
シアラヴォラ&マチュー
エミリー&ステファン

継母はジョゼとステファン・ファヴォラン
義理の姉はステファニー・ロンベールともう一人は誰かしら。

このキャストだと、ルテステュ&マルティネス、マチュー出演日以外は売れ残りそうです。前回の来日公演がS席25000円もしましたが、「ライモンダ」のような大作ならともかく、「ジゼル」や「サンドリヨン」のような作品で、ルテステュ&マルティネス以外は大スターもいなくて(マチューは人気があるし、出演すれば絶対売れると思うし観たいけど、怪我の状態が不安)、この不況で果たして25000円も出す人がどれほどいるかしら。
個人的には、ステファンとカールの名前があったのは嬉しいです。

(ということで、チケット代、もう少し可愛いお値段でお願いしたいです)

ルグリ&ギエム 15年ぶりの共演が実現!Sylvie Guillem & Manuel Legris to perform in Japan

NBSのサイトにお知らせが載っていました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/15.html

来年2月下旬、<マニュエル・ルグリの新しい世界>を上演することが決定いたしました。 この公演では、マニュエル・ルグリとシルヴィ・ギエムが共演が実現!バレエ界をリードし続けてきた二人が共演するのは、実に15年ぶりのこととなります。 発売日は10月下旬を予定しておりますが、プログラム、公演日程等の詳細は決定次第、このホームページでお知らせいたします!

この競演の話、世界バレエフェスティバルのときにお友達から教えていただいていたのですよね。本当に実現するとは!

マラーホフが韓国で踊るエイフマンの「チャイコフスキー」Malakhov in Eifman's Tchaikovsky

ボリス・エイフマン振付の「チャイコフスキー」をマラーホフが韓国で踊ることはこのブログでもお知らせしてきましたが、韓国のKorea Timesにマラーホフの写真入りで、エイフマンのインタビューが掲載されていました。先週、韓国でマラーホフとエイフマンの記者会見があったようです。

Life of Tchaikovsky to Unfold in Ballet
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2009/09/135_51341.html

「1993年に「チャイコフスキー」を発表した時、この作品に対する抗議が多く寄せられ、反対運動が起こりました。この有名な作曲家の秘められた生涯をロシアで描くのは初めてのことでした。彼はとても尊敬されていたので、彼の真実を晒すのは禁じられていたのです。でも、私は、彼がなぜあのような悲劇的な作品ばかりを作ったのか、とても興味を惹かれていました。これは伝記的な物語ではありません。むしろチャイコフスキーの心と魂について焦点を当てたものです」とエイフマンは、この作品について語りました。

マラーホフは「韓国に来るのは今回が初めてです。まだ若い時に、スージン・カンとバランシンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」と青い鳥のパ・ド・ドゥを踊りました」「エイフマンの作品を踊る時には、正確な瞬間が自然にやってきます。音楽に基づいた感情を持って、踊りを受け入れるようになり、そしてクオリティが高い作品となるのです」と語りました。

「チャイコフスキー」は、若く混乱している作曲家が、夢と現実の中で、感情が崩壊していくことを乗り越えていく様子を描いています。彼は、音楽の旅の中でさまざまな友人や恋人(それは彼の分身も含みます)に出会い、そして彼らとの関係やキャリアの中で良い時や悪い時を経て、自分の運命を受け入れて死んでいきます。

「多くのダンサーは強くて筋肉質の肉体を持っていますが、それは私が求めていたものではありません。私にとってチャイコフスキーは壊れた魂のようであって、マラーホフなら、これらの感情を表現することができます。テクニックにのみ集中するのではなく、キャラクター、そしてこの作品特有の音楽を理解することが必要です」

この作品に使用されている音楽は、チャイコフスキーの交響曲5番、弦楽セレナーデ、そして交響曲6番「悲愴」です。

韓国国立バレエの「チャイコフスキー」はSeoul Arts Centerにて、9月10日から13日まで上演されます。

2009/09/06

『薔薇族』編集長 伊藤文学

日経ビジネスオンラインに書かれていた書評「ノンケな『「薔薇族」編集長』がゲイ雑誌を創った理由」を読んで、興味を持った一冊。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090706/199450/

「薔薇族」という同性愛者向けの雑誌がかつて存在していたことは知っていたものの、手に取ったこともなければ、読んだこともなかった。だが、この本を読むと、一度は読んでみるべき雑誌だったのだろうと思わされる。実はゲイの友達も多いので、この分野には関心が強かったのだ。で、読んでみて、いかに自分が彼らについて理解していなかったというのがわかってしまった。

1971年に「薔薇族」を創刊した伊藤文学氏は、ノンケ(ヘテロセクシャル)の男性で、父親が細々と営んでいた出版社を生き残らせるためにさまざまな本を出版する。「ひとりぼっちの性生活」という真面目なオナニーの本がヒットし、その本に質問や悩み事を受け付けると奥付に書いたところ、数々の反響の中で、男性を想ってオナニーをしているという手紙があった。それを読んで、伊藤氏は、同性愛者という人々がこの世に存在し、彼らも自分と同じような悩みを抱えていることに気がつく。オナニーが罪深いものであると思って悩んでいた若き日の自分と、相談者を重ね合わせたのだ。そこで、彼は、同性愛者向けの雑誌を出せば彼らの気持ちもすっきりするのではないかと思いつく。

同性愛者の協力者を得て、さらに紆余曲折を経て創刊した「薔薇族」の反響は大きく、初版1万部を売り切るほどだった。最初はグラビアのモデルになってくれる男性を探すのも難しく、女性を撮影しているカメラマンを使ったりして苦労したとのこと。
自分は精神異常なのではないかと悩んでいたが、「薔薇族」を読んで、世の中には同性愛者がたくさんあることを知って安心した、という手紙も来た。

創刊号には「きみとぼくとの友愛のマガジン」と表紙に書いてあるように、読者との交流に大きな意味を持たせた雑誌ということでも画期的だった。発売されてからは次の号を待ちわびる読者からの電話が毎日のようにかかってきたし、読者を編集部に読んでのパーティ、高校生の座談会、電話相談室、愛読者旅行などさまざまな企画が行われた。文通欄には多くの掲載希望者からの手紙が舞い込んだ。一時期は「祭」という店を新宿に開き、多くの読者でごった返した。とにかく伊藤氏は、読者との交流をこの上なく大事にしていたというのが、伝わってくる。

本の中では、多くの読者からの手紙が紹介されており、愛のかたち、結婚のかたち、そして悩みも本当にさまざまであることがわかる。少年愛、百合族、中年専門の人など。読者の職業で最も多いのは教師だったそうだ。「薔薇族」を書店で万引きしたところ、見つかってしまい飛び降り自殺した高校生の痛ましい話などもある。また、薔薇族の青年にあこがれる女性たちも登場する。(今で言う腐女子に近いものだろうか)

また、多くの才能が「薔薇族」の中でひっそりと才能を咲かせた。男性の写真を撮っては売り生計を立てていた、誰も本名を知らない「オッチャン」、表紙を飾った絵を描いたアーティストたち、小説家たち。メーンストリームの世界では有名にならずとも、この本で紹介されている彼らの作品(特に、いわゆる「男絵」というカテゴリのイラスト)はどれも美しい。何回も警察に呼び出されては発禁処分を受けながらも、腹をくくった伊藤氏は屈することはなかった。

『薔薇族』を取り巻く世界も、時代の流れを必然的に受けてきた。オウム真理教信者で逮捕された青年が売り専をしていて、彼に恋をした男性の投稿があった。日航機墜落事故に恋人が乗っていたという男性からの痛ましい手紙。そして、この雑誌が創刊されてからのもっとも大きなトピックスは、AIDSの上陸だった。「薔薇族」は、この病気についていち早く医師らのインタビューを掲載したり、読者に検査を受けてもらう企画を立てたり。後に伝説的な名作とされるホモビデオの製作もした。

80年代になると、伝言ダイヤルなどの新しいサービスが始まったり、93年ごろにはゲイビジネスが花盛りとなった。この本「『薔薇族』編集長」は2001年に単行本として発行されたのだが、インターネットなどで手軽に同じ嗜好の人たちに出会えるようになる時代となり「薔薇族」は2004年には休刊する。復刊を遂げたものの、再び休刊し、現在は伊藤文学氏が個人で発行をしている。(伊藤文学氏は、現在はブログを開設してこまめに更新を続けており、「ご感想・ご相談はこちらへ」とメールでの相談を受け付けているなど、今でも積極的に交流を行っている)http://bungaku.cocolog-nifty.com/

同性愛者ではないにもかかわらず、彼らの気持ちに寄り添い、全力で雑誌を支え続けた伊藤文学の記録、読み終わった後にはなんともいえない感動がある。と同時に、日本における同性愛カルチャーの記録にもなっている本である。「自分は一人ではない」という思いを共有させ、勇気付けてきたということはすごいことだと思う。

松岡正剛の千夜千冊での紹介も(当時の誌面やグラビア、イラストなどの紹介もあり)ぜひご覧いただければ。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1208.html

『薔薇族』編集長 (幻冬舎アウトロー文庫)『薔薇族』編集長 (幻冬舎アウトロー文庫)

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映画「パリ・オペラ座のすべて」初日が10月10日に決定

Bunkamuraル・シネマの「ニュース&トピックス」のページに、映画「パリ・オペラ座のすべて」初日が10月10日に決定したとお知らせが掲載されていました。

http://www.bunkamura.co.jp/cinema/news/index.html

上映時間も決定しています。
連日…10:10/13:20/16:30/19:40

仕事帰りにも行きやすい時間帯ですね。

私はクラシカ・ジャパンの試写会が当たったので、一足早く観に行く予定ですが、前売り券も買っているので、映画館にももちろん行きます!

オフィシャルサイト
http://www.paris-opera.jp/

9/5 東京ニューシティ管弦楽団 第64回定期演奏会 指揮:アンドレイ・アニハーノフ

アンドレイ・アニハーノフ客演指揮者就任記念演奏会
「怒濤のロシア音楽」
指揮:アンドレイ・アニハーノフ
コンサートマスター:浜野孝史

<第1部>
リムスキー・コルサコフ 「スペイン奇想曲 op.34」

バレエ組曲「白鳥の湖」op.20より(アニハーノフ編纂)
 1.情景(第2幕 No.10) <2幕冒頭>
 2.パ・ダクシオン(オデットと王子)(第2幕 No.13)<オデットと王子のグラン・アダージオ>
 3.情景:賓客の入場とワルツ(第3幕 No.17)<ファンファーレと招待客、花嫁候補によるワルツ>
 4.情景(第3幕 No.18)<オディールのヴァリエーション(グリゴローヴィチ版やブルメイステル版で使用される曲)>
 5.パ・ド・ドゥ(第3幕 No.19a)<チャイコフスキー・パ・ド・ドゥのアダージオの曲>
 6.情景(第3幕 No.24)<王子がオディールに愛を誓わされる>
 7.間奏曲(第4幕 No.25)<4幕の冒頭の曲>
 8.情景(第4幕 No.28)
 9.最後の情景(第4幕 No.29)

<第2部>
ラフマニノフ 「交響曲第2番 ホ短調 op.27」

アンコール
チャイコフスキー「くるみ割り人形」より金平糖のPDDのアダージオ

ここ数日仕事が忙しくて残業続きの上、体調が優れず、さらに蕁麻疹が悪化して手の甲がとても気持ち悪い状態になっていたりします。大抵土曜日の午前中は死んでいるのですが、ぎりぎりに家を出たところ、普段滅多に行かない池袋で土地勘がなく、(中央線より北は生活圏から外れているので)、しかも一度しか行ったことがない東京芸術劇場の大ホールだったため、間違って中劇場に行ってしまったりして。大ホールのエスカレーターって、5階に相当する高さで、しかも3階席だったので、そこまで行くのに大変だったこと!というわけで、残念ながらぎりぎり開演に間に合わず、1曲目のリムスキー=コルサコフはモニターの前で聴く羽目に・・・

でも、「白鳥の湖」から聴けて本当に良かったです。コンサートマスターのグラン・アダージョでのソロ、ハープによるカデンツァの弦の響きも美しくてうっとりしました。バレエの伴奏ではなくて演奏会なので、バレエを観ている時とテンポが違う(ちょっと速め)のですが、アニハーノフさん、そしてオーケストラの気合が伝わってきました。ニューシティ管弦楽団の演奏もすごく良かったです。

バレエの演奏では、大抵3幕のファンファーレでトランペットが外すことが多くてずっこけるのですが、演奏会だから当然のようにそこも正しく演奏されていて。いやはや、バレエではあそこでトランペットがこけることがなかった方が珍しいですからね。

3幕は、パ・ド・ドゥの曲がブルメイステル版の曲順になっていて、オディールのヴァリエーションはグリゴローヴィチ版での曲だったし(オーボエの旋律が妖しげな短調のこの曲、大好き)、その後にチャイコフスキー・パ・ド・ドゥのアダージオを使っていて、思わずミラノ・スカラ座のチャイコフスキー・ガラやモスクワ音楽劇場の「白鳥の湖」の舞台が思い出されてきました。

4幕の演奏が、も~素晴らしかったです。「聴け、怒涛のロシア音楽」というキャッチコピーほど、ここまでは爆音ではなかったのですが、4幕の「情景」から「最後の情景」までは本当にドラマティックで、ティンパニも炸裂していて、盛り上がりました。最後の情景のところは、私はマシュー・ボーンの「白鳥の湖」と、ノイマイヤーの「幻想 白鳥の湖のように」をいつも思い出すのですよね。この二つの演出は、4幕の「最後の情景」の凄絶なまでの盛り上がり方を、もの凄くうまく使っている演出だと思うのです。そこを指揮する時のアニハーノフの身体の動きも、3階席のバルコニーだったのでとてもよく見えて、全身を使って飛び跳ねるように指揮しているのがわかりました。

今まで数限りなく「白鳥の湖」の舞台を観てきているわけですが、こうやって、アニハーノフさんの入魂の指揮と、高いクオリティと、オーケストラピットではなく舞台の上で演奏しているゆえにクリアな音質による演奏を聴くと、さまざまな舞台の記憶が脳裏に浮かんできます。とともに、バレエ公演でこのレベルの演奏を聴けたらどんなにいいことだろうと思いました。アニハーノフさんがレニングラード国立バレエの指揮で来ていた頃は、この音が聴けたんですよね。全曲でないのは残念ですが、それでもアニハーノフによる選曲のセンスが、聴き所をばっちり押さえていて素晴らしかったです。一昨年のNHK音楽祭でのゲルギエフによる「白鳥の湖」抜粋とはかなり選曲が違っていました。(ゲルギエフは、チャルダッシュを選んでいましたね)

アニハーノフ指揮、東京ニューシティ管弦楽団で今度牧阿佐美バレエ団の「白鳥の湖」の演奏をするんですよね。この音で観られるのは良いのですが、牧というのがちょっと・・・。「スーパーバレエレッスン」を観ていると、牧のダンサーの悪いところが目に付いてしまって、とても公演を観ようとは思えないんですよね。


ラフマニノフの交響曲二番を聴くのは初めて。曲調は変われども4つの楽章を通じて、主題が根底に流れているところがいいなあ、と思って聴き入りました。第3楽章のアダージオだけ、指揮棒を置いて指揮をしていたんですね、マエストロ。柔らかくてきれいな手の動きを見てしまいました。音の方も、それに見合った柔らかくゆっくりとして美しい旋律で。第4楽章のフィナーレは晴れやかで華麗で、アニハーノフさんは、舞台から落ちちゃうんじゃないかと思うくらい飛び跳ねていて、カッコよかったです。オーケストラのメンバーも、釣られたようにノリノリで、身を乗り出さんばかりに気合入りまくりで演奏しているのが見えました。

カーテンコールの時、上手で譜面台が運び込まれ、さらにハープがもう一台運ばれてくるにつけ、アンコールに期待しました。すると、2台のハープから、真珠の珠のようなつややかな旋律、そしてチェロの暖かく少し哀しくて美しいメロディが流れてきます。そう、「くるみ割り人形」の金平糖の精のアダージオです!なぜかこの曲を聴くと、いつも涙が出そうになります。そして、金平糖の精といえば、吉田都さんの金平糖が目に浮かぶのです。実は都さんの金平糖の精は、ロイヤルとバーミンガム・ロイヤルの映像でしか観たことがないのに。

やっぱり生の演奏に触れることは、他では換えがたい経験だと思いました。アニハーノフさん、牧以外のバレエ団での指揮をぜひお願いしたいです。

パリ・オペラ座「ジゼル」のプレキャスト Paris Opera Ballet Giselle pre-cast

ダンソマニさんに、9月24日から始まるパリ・オペラ座「ジゼル」のプレキャストがアップされていました。来年のオペラ座の来日公演が「ジゼル」が予定されているので、来日キャストの参考になるのではないかと思います。

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=4260&sid=317f7c1daab165881c97eed3afa4ba7a

全部アップすると長くなるので、それぞれのキャストの初演の日だけ載せています。残りは上記リンクで確認してくださいね。

9月24日 (9月27日、29日も同じキャスト)

Giselle : Dupont  ジゼル: オーレリー・デュポン
Albrecht : Le Riche  アルブレヒト:ニコラ・ル=リッシュ
Bathilde : B. Martel  バチルド: ベアトリス・マルテル
Hilarion : Paquette  ヒラリオン: カール・パケット
Wilfried : Guerri  ウィルフリード: ジャン=クリストフ・ゲリ
Duc de Courlande : Bezard  クーランド候:オドリック・ベザール
La Mère : Peltzer  ジゼルの母: クリスティーヌ・ペルツェ
Pas de 2 des Paysans : Ould-Braham + Thibault  ペザントのパドドゥ: ミリアム・ウルド=ブラーム+エマニュエル・ティボー
Myrtha : Gillot  ミルタ: マリ=アニエス・ジロ
2 Wilis : Froustey + Pagliero  ドゥ・ウィリ:マチルド・フルステ+リュドミラ・パリエロ

9月25日

Giselle : Moussin  デルフィーヌ・ムッサン
Albrecht : Paquette  カール・パケット
Bathilde : Lamoureux  アメリー・ラムルー
Hilarion : Paul  ニコラ・ポール
Wilfried : Bertaud  セバスチャン・ベルトー
Duc de Courlande : Renaud  アレクシス・ルノー
La Mère : Peltzer  クリスティーヌ・ペルツェ
Pas de 2 des Paysans : Froustey + Gaillard  マチルド・フルステ+グレゴリー・ガイヤール
Myrtha : Gillot   マリ=アニエス・ジロ
2 Wilis : Giezendanner + Granier  シャルリーヌ・ジザンダネ+クリステル・グラニエ

9月28日
Giselle : Ciaravola イザベル・シアラヴォラ
Albrecht : Bullion ステファン・ビュリヨン
Hilarion : Paul ニコラ・ポール
Pas de 2 des Paysans : Pagliero + Bouché リュドミラ・パリエロ+ブルノ・ブーシェ
Myrtha : Hecquet ローラ・エケ
2 Wilis : Giezendanner + Granier  シャルリーヌ・ジザンダネ+クリステル・グラニエ

10月1日
Giselle : Letestu アニエス・ルテステュ
Albrecht : Martinez ジョゼ・マルティネス
Hilarion : Paul ニコラ・ポール
Pas de 2 des Paysans : Froustey + Gaillard マチルド・フルステ+グレゴリー・ガイヤール
Myrtha : Hecquet ローラ・エケ
2 Wilis : Renavand + B. Martel (?) アリス・ルナヴァン+ベアトリス・マルテル (?がついているのは、マルテルがバチルド役にもキャスティングされているから)
 
10月8日
Giselle : Gilbert ドロテ・ジルベール
Albrecht : Heymann マチアス・エイマン
Hilarion : Bridard ヤン・ブリダール
Pas de 2 des Paysans : Hurel + Carbone メラニー・ユレル+アレッシオ・カルボーネ
Myrtha : Moussin デルフィーヌ・ムッサン
2 Wilis : Giezendanner + Granier シャルリーヌ・ジザンダネ+クリステル・グラニエ

10月9日
Giselle : Pujol レティシア・プジョル
Albrecht : Pech バンジャマン・ペッシュ
Hilarion : Hoff エマニュエル・オフ
Pas de 2 des Paysans : Hurel + Carbone  メラニー・ユレル+アレッシオ・カルボーネ
Myrtha : Cozette エミリー・コゼット
2 Wilis : Renavand + B. Martel アリス・ルナヴァン+ベアトリス・マルテル

10月10日
Giselle : Osta クレールマリ・オスタ
Albrecht : Ganio マチュー・ガニオ
Hilarion : Bridard ヤン・ブリダール
Pas de 2 des Paysans : Hurel + Carbone  メラニー・ユレル+アレッシオ・カルボーネ
Myrtha : Cozette エミリー・コゼット
2 Wilis : Renavand + B. Martel (?) アリス・ルナヴァン+ベアトリス・マルテル


URLがすごく長いのですが、オペラ座のオフィシャルで「ジゼル」の映像を見ることができます。
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/Saison_2009_2010/decouvrir/index.php?lang=fr&CNSACTION=SELECT_CONTENT&content_id=giselle&content_type=video&event_id=424&selected_season=354663924

この映像に出演しているのがオーレリー・デュポンとニコラ・ル=リッシュということからも、この二人がファーストキャストというわけですね。

オーレリーとニコラ、アニエスとジョゼ組が3回ずつ、レティシア・プジョルとバンジャマン・ペッシュ、ドロテ・ジルベールとマチアス・エイマン、クレールマリ・オスタとマチュー・ガニオが各2回、そしてデルフィーヌ・ムッサンとカール・パケット、イザベル・シアラヴォラとステファン・ビュリヨンは1回という感じです。6通りもキャストがあるんですね。

エトワールで主役二人の役に出演しないのが、ミルタが持ち役のマリ=アニエス・ジロとエミリー・コゼット。男性では、怪我のエルヴェ・モロー、そしてジェレミー・ベランガールが出ないんですね。カールはアルブレヒトとヒラリオンの掛け持ちで、そんな掛け持ちってありなのかなあ、なんて気の毒に思ってしまいます。ヒラリオン役を当たり役にしていたロモリさんが引退してしまいましたからね。

来日公演は、「ジゼル」は多分5回くらい上演すると思うので、キャストは多分3組でしょうね。3回出演するオーレリーとニコラ、アニエスとジョゼは堅いでしょうね。もう1回は、日本での知名度や将来性を考えてのドロテとマチアスか、それともマチューかしら(でも、相手がオスタじゃね・・・)

2009/09/05

NHKハイビジョン 10月はバレエ特集:パリ・オペラ座「オルフェオとエウリディーチェ」、ロイヤル・バレエ「オンディーヌ」他

「ちょこっと劇場へ行ってきます」のmiyaさんのエントリで教えていただきましたが、10月のNHKハイビジョンウィークエンドシアターは、超・豪華なバレエ特集です。今年の3月末~4月同様、テレビ初登場、市販映像も未発売の作品が放映されます。

http://www.nhk.or.jp/bsclassic/hvwth/hvwth-2009-10.html

中でも、ピナ・バウシュ振付のパリ・オペラ座「オルフェウスとエウリディーチェ」吉田都さん主演のロイヤル・バレエ「オンディーヌ」、シルヴィ・ギエムのドキュメンタリー、そして東京バレエ団のベジャール・ガラは「芸術劇場」で放映された時には放映されなかった「ギリシャの踊り」が入っており、見逃せないものとなっています。


2009年 10月3日(土) 23:00~翌03:00
 ピナ・バウシュの「オルフェウス」

   歌劇「オルフェウス」 から    ( グルック )
  出演
    マリー・アニエス・ジロー
    ヤン・ブリダール
  振付 : ピナ・バウシュ
  指揮 : トーマス・ヘンゲルブロック
収録: 2008年7月, エピダウロス (ギリシャ)

 ピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」
  出演
   ピナ・バウシュ
   ドミニク・メルシー
   ヴッパタール舞踊団 ほか     
   演出・振付 : ピナ・バウシュ
   美術・衣装 : ロルフ・ボルツィク
   音楽 : ヘンリー・パーセル
収録: 2006年4月14日, 国立劇場

2009年 10月10日(土)23:00~翌03:00
 ボリショイ・バレエ団公演
  バレエ「スパルタクス」全3幕

        ( ハチャトゥリヤン )
  スパルタクス : カルロス・アコスタ
  フリギア (スパルタクスの妻) : ニーナ・カプツォーワ
  クラッスス (ローマ軍の司令官)
               : アレクサンドル・ヴォルチコフ
  エギナ (クラッススの愛人) : マリア・アラシュ
収録: 2008年1月, パリ・オペラ座 ガルニエ宮

2009年 10月17日(土)23:00 ~翌03:00
 英国ロイヤル・バレエ公演
  「水の精」
( ヘンツェ )
  オンディーヌ : 吉田 都
  パレモン王子 : エドワード・ワトソン
  振付 : フレデリック・アシュトン
収録: 2009年6月3日/6日, ロイヤル・オペラ・ハウス

 ベルリン国立歌劇場バレエ団 公演
  「カラヴァッジオ」

  出演
   ウラジーミル・マラーホフ
   ポリーナ・セミオノワ
   中村 祥子
   ドミトリー・セミオノフ
   エリッサ・カリッリョ・カブレラ
   ミハイル・カニスキン
   ベアトリス・クノップ
  振付 : マウロ・ヴィゴンゼッティ
  音楽 : クラウディオ・モンテヴェルディ
収録: 2008年, ドイツ

2009年10月24日(土)23:00 ~翌03:00
 シルヴィ・ギエム
  ~ ザ・ドキュメンタリー ~

 出 演
  シルヴィ・ギエム
  ロベール・ルパージュ
  ラッセル・マリファント
  アクラム・カーン
【監督】 Francois Ha Van
制作:A Droite de la Lune (フランス, 2009年)

 東京バレエ団 公演
  「ベジャール・ガラ」
  〈全曲版〉
    ギリシャの踊り   ( ミキス・テオドラキス )
     後藤 晴雄
     井脇 幸江
     木村 和夫  ほか

    中国の不思議な役人   ( ベラ・バルトーク )
     首藤 康之
     宮本 祐宜
     平野  玲   ほか

    ボレロ   ( モーリス・ラヴェル )
     シルヴィ・ギエム  ほか
     東京バレエ団

 振 付 : モーリス・ベジャール
収録: 2009年2月9日, 五反田ゆうぽうとホール

でもハイビジョンが観られない方にとっては、残念ですよね。うちも、いい加減Blu-Rayにしたいのですが、家人の抵抗に遭ってなかなか導入できません。

NHK スーパーバレエレッスン 吉田都(2)「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」

第2回放送 2009年9月4日(金)
<ラ・フィーユ・マル・ガルデ>(アシュトン)-I 第1幕からバリエーション
生徒: 坂本春香

「スーパーバレエレッスン」の第2回は、「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」の1幕のリーズのヴァリエーション。このヴァリエーションはアシュトンらしい複雑なパでできていて、上半身をひねったり回転がたくさんあったり、本当に難しそうです。足が強くないと、上半身の動きに釣られてしまって不安定になるし、細かい動きが多いので油断するとすぐ音に遅れてしまいます。都さんのアドバイスはとても丁寧で、観ている側としても、こういうところに気をつけて踊らなくてはならないのね、と非常に勉強になるし面白いです。

今回の生徒役の坂本春香さんは、とても呑み込みが早くて、都さんに直すべき点を指摘されるとすぐに反応して直してきていました。でも一つ直したら、また別のところを直さなくてはいけなくなったりして。舞台や映像でこの作品を観ていると、とても軽妙で、一見そんなに難しそうに見えないんだけど、こうやってレッスンをしているところを見ると、実際にはめちゃめちゃ大変だというのがわかります。坂本さんは細くて手脚も長くとてもプロポーションが綺麗だし、回転などのテクニックも非常にしっかりしているんだけど、若干背中などが硬いのかも知れません。このレッスンの中で、指導を受けてみるみる良くなっていっているのは目に見えてよくわかりました。番組の最後で、「普段このような指導を受けることがないので、とても勉強になりました」と語られていましたが、都さんによるメソッドがこうやって若い人に受け継がれていくのは、素晴らしいことですよね。

印象的だったのは、一つは上半身を左右にひねりながら客席の方に目線を送る時の上半身の使い方と、ストゥニュー。ストゥニューのときに5番の入り方が甘いと指摘されていたこと。自分自身もアレグロの稽古で、先生にストニューはちゃんと真ん中に集めてから回ることって注意されるので、ちょっと身につまされる思いです。(レベルはもちろん全然違いますが)

今回は都さんの模範演技がなかったのがちょっと残念だったのですが、放送時間を目一杯使って都さんはみっちりと指導し、身体を使ってお手本を見せながら細かく指導していきました。お手本のために都さんが動いて見せるところが、とてもきっちりと正確でメリハリが利いているし、上半身の動きも繊細でとても美しいのですよね。次回も「ラ・フィユ・マル・ガルデ」(2幕のマイムのところ)とのことなので、その時には模範演技を踊ってくれると嬉しいのですが。

この作品、都さんにとってはとても思い出深い作品だそうで、ロイヤル・バレエ・スクールに留学して初めて観て「こんなに楽しいバレエがあるなんて!」と思い、留学生活になかなかなじめずに悩んでいた時にこの舞台を観て、とにかく面白くて楽しくて、涙が出てしまうほどだったと語られていました。リーズを踊ったのがレスリー・コリアで、本当に素晴らしくて、都さんは何回もこの作品を観に通ったそうです。その思い出を語るときの都さんは、目をキラキラさせていて、本当にこの作品が大好きなんだという思いが伝わってきて、じーんとしました。

来年のロイヤル・バレエの来日公演で、「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」の公演も予定されていますが、都さんがリーズを踊ってくれたらとても嬉しいのですが。

****

テレビ放映といえば、お友達に教えてもらったのですが、来週こんな番組があります。

世界ふれあい街歩き
9/11(金) 22:45~23:30
NHK総合

人口約160万、ドイツ最大の港町ハンブルクは、北海に注ぐアルスター川の交易で昔から栄えてきた。別名「橋の街」と言われるほど橋が多く、その数は2500! アムステルダムやベネチアも及ばぬヨーロッパ随一の多さである。第二次世界大戦で空襲にあったが、今ではかつての石造りの町並みが復活。船乗りのための教会や老舗(しにせ)のコーヒー店、若者の集まる地区など、水路と人々を巡る街歩きが楽しめる。

ハンブルク・バレエのふるさとを取り上げるのですから、必見ですよね。(2007年の夏にハンブルクに行って「ニジンスキー」他を観たし)


ところで、ほぼ同じ時間のNHK教育テレビでは、

芸術劇場
http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama0911
9/11(金) 22時30分~25時00分
情報コーナー「現代劇版「桜姫」の魅力に迫る」
劇場中継「桜姫~清玄阿闍梨改始於南米版」

<原作> 四世 鶴屋南北 「桜姫東文章」
<脚本> 長塚圭史
<演出> 串田和美
<出演> 白井晃、笹野高史、大竹しのぶ、古田新太、秋山菜津子、中村勘三郎 、ほか <収録> 2009年6月23日  Bunkamuraシアターコクーン

この間観た舞台なので、こちらも見逃せないのですよね・・。

2009/09/04

映画「パリ・オペラ座のすべて」のスライドショー "LA DANSE –le ballet de l'Opéra de Paris"

映画「パリ・オペラ座のすべて」のスライドショーが、Bunkamuraのサイトにアップされていました。

Affiche


http://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/opera/slideshow.html

2007年の終わりの方に撮影されたとあって、「くるみ割り人形」「パキータ」の舞台写真があり、この2公演は観に行ったのでなんだかちょっと嬉しいです。他に、ウェイン・マクレガー振付の「Genus」の舞台写真や、マリ=アニエス・ジロがリハーサルする写真などもありますね。

オフィシャルサイトも、気がつけばけっこうアップデートされていて、エトワール全員(最近昇進したマチアス・エイマンとイザベル・シアラヴォラ以外、撮影当時はまだ現役だったロモリとベラルビも含む)のプロフィールまで載っていました。まだこれから「バレエ入門」やトリビアなどが追加されるようです。

http://www.paris-opera.jp/

さらに、上映劇場も増えていて、首都圏では109シネマズ川崎でも上映するんですね。川崎の方が家から近いし上映環境もいいから川崎で観たいなあ。

前売り券はイープラスでも扱っていて、イープラスで買うと以下のプレゼントが抽選で当たるそうです。
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010158P002032475P0050001

[キャンペーン情報] e+で前売券を購入された方に抽選で賞品が当たる!
 --------------------------------------------------
 ★マチュー・ガニオ サイン入りプレス    2名様
 ★チャコットカレンダー2010年版
  映画「パリ・オペラ座のすべて」より   10名様
 --------------------------------------------------

チャコットでこの映画のカレンダーを出す予定になっているのかしら?


あと、クラシカ・ジャパンで以下の番組が放映されます。
http://www.classica-jp.com/ballet/index.html

先行放送!映画『パリ・オペラ座のすべて』特別映像

初回放送:9月27日(日)15:30

10月Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次ロードショーされる「パリ・オペラ座のすべて」。 巨匠ワイズマン監督が11週間に及ぶ密着撮影を敢行。豪華かつ驚きに満ちた 160分のドキュメンタリーの公開に先立ち、その一部を一足早くお見せします!

■字幕/約15分

製作会社Sophie Dulac Distribution のサイトで、写真やプレス資料(フランス語)をダウンロードすることができます。(TÉLÉCHARGEMENTSと書いてあるところから)

http://www.sddistribution.fr/fiche.php?id=31

FILM-ANNONCE と書いてあるリンクからは、オリジナル版の予告編も観られます。

『パリ・オペラ座のすべて』
"LA DANSE –le ballet de l'Opéra de Paris"
監督:フレデリック・ワイズマン
出演:パリ・オペラ座エトワールほかダンサーたち、ブリジット・ルフェーブル、パリ・オペラ座職員
2009年/フランス=アメリカ/160分
提供:ショウゲート、デイライト/配給:ショウゲート
10月 Bunkamuraル・シネマ、109シネマズ川崎ほか全国順次ロードショー

2009/09/03

サシャ・ラデツキー、ABTに復帰 SASCHA RADETSKY TO RETURN TO ABT

ABTを離れオランダ国立バレエに移籍していたサシャ・ラデツキーがABTに復帰するという発表がありました。

SOLOIST SASCHA RADETSKY TO RETURN TO AMERICAN BALLET THEATRE
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=280

Sascha Radetsky will return to American Ballet Theatre as a Soloist on January 1, 2010, it was announced today by Artistic Director Kevin McKenzie.

In September 2008, Radetsky joined Dutch National Ballet as a principal dancer, where his repertoire included Albrecht in Giselle and Masetto in Don Giovanni.

奥様であるステラ・アブレラをABTに残しての移籍だったので、今回戻って来たのかもしれません。うれしいことです。

サシャ・ラデツキーは映画「センターステージ」への出演でもおなじみですよね。「センターステージ」のヒロイン、アマンダ・シュルはサンフランシスコ・バレエを退団し、映画「Mao's Last Dancer」に主人公の妻役で出演しています。

ミハイル・バリシニコフとマッツ・エックの公演「Three Solos and a Duet」Mikhail Baryshnikov

ミハイル・バリシニコフは61歳となった今も、踊ろうという意欲が旺盛のようです。今週の金曜日と土曜日(9月4日、5日)にサンタモニカのSanta Monica College Performing Arts Center にて、「Three Solos and a Duet」と題した舞台に出演します。共演は、マッツ・エックのミューズとして有名なアナ・ラグーナ。マッツ・エック、アレクセイ・ラトマンスキー、そしてベンジャミン・ミルピエの作品を二人は踊ります。

この公演はサンタモニカで始まった後、ハワイ、シカゴ、ポートランド、ナポリそしてリヨンで上演されます。

http://www.thebroadstage.com/index.php/202

この公演については、ロサンゼルス・タイムズにミーシャャやアナ・ラグーナ、マッツ・エックのインタビュー記事が載っていました。

To Mikhail Baryshnikov, time is a great teacher
http://www.latimes.com/entertainment/news/arts/la-ca-baryshnikov30-2009aug30,0,4919996.story

この劇場の芸術監督も「若くはない二人のダンサーがこのような、セクシーでロマンティックで緊張感があり型破りなプログラムを踊ることに心動かされ、興奮しています。とても深く、オリジナリティのあるものが舞台に現れるはずです」と語っています。

これらの作品は、ミーシャによれば「ヨーロッパ的」であり、そしてとても個人的なものであるそうです。肉体を使ったものというよりは演劇的なものです。「みんな、ぼくが60代前半であることを知っているからね。マーサ・グラハムは、ダンサーの肉体は嘘をつかないと言ったけど、全ての意味でその言葉に同意すると共に、特にそれが年をとった人のものだったらますます嘘がつけないと付け足すよ。テクニックでごまかすことはできないし、自分自身が何者であるかもわかっているからね」

現在51歳のアナ・ラグーナ、そして64歳のマッツ・エックは何年も親しくミーシャと交際してきていて、いつか共作をすることを楽しみにしていました。エックはこう語ります。「年を取ったダンサーは、怪我や年齢、長年の肉体の酷使によって衰えるものだ。でも、彼らは長年踊ってきて生きていたことにより、より豊かな内面を持っている。以前ほど回転したり跳躍したりできなくなったとしても、ダイナミックな感情を保つことはできるよ。ダンスは水泳や自転車に似ている。一度覚えてしまえば、忘れることはないんだ」 しかし、アナとデュエットすることになった当初、ミーシャは少し心配でした。「マッツの作品は肉体を酷使するものだし、テクニック的にもとても高度なものなので、ぼくの今の年齢で大丈夫なんだろうか」と。「でも、マッツのような振付家と仕事をするのは、ダンサーとしても一世一代のチャンスだし」

32歳のミルピエは、まだバレエ学校にいるときに初めてバリシニコフに会った時のことを思い出していました。「バレエダンサーを目指す全ての男の子にとって、彼はインスピレーションのみなもどだった。彼は、驚異的なテクニックだけでなく、頭が良く自制心がありました。彼には素晴らしい肉体と容姿、全てを同時に備えていました」ミルピエは、今回のツアーのために「Years Later」という16分間のソロを振付けました。ミーシャが、若い時の自分の映像と共に踊るという趣向の作品で、シンプルだけどユーモアに富んだ作品です。「これは単純にダンスについての作品で、ミーシャの素晴らしい資質のひとつは、彼はとても自然でシンプルに踊るということなのです。彼は、この作品を通して、彼の年齢の人間が見せられるもの、つまり成熟を見せています」

61歳にしてプロのダンサーとして踊るのはもちろん大変なことです。「毎日、公演がなくても少なくとも2時間はスタジオで過ごしているよ。リハーサルに入ると、それが5,6時間にもなる。それはすでに習慣になっているんだ。ぼくはジムにも行かないし、ヨガもやらないし、個人的なトレーニングもしない。バレエのクラスレッスンを受けるんだ。バーレッスンをして、今踊っている作品のリハーサルを行うんだ。一人のときも、音楽に合わせたり、音楽なしでもリハーサルをやるんだよ」

バリシニコフは、その長いキャリアの中で何回も手術をしていて、特に右膝は何度も痛めていますが、それらの経験を通して多くを学んだと語っています。「自分の身体にとって何が早道なのかはわかっているし、ウォームアップにどれくらい時間がかかるか、その作品を踊るのに何をすべきかはよくわかっているんだ。今までかなり怪我をしてきたけど、怪我をすればするほど、賢くなるんだよ」

彼が現在行っているツアーの収益は、2005年に設立されたバリシニコフ・アーツ・センターの基金に当てられています。このアーツセンターは、彼の人生の中でももっとも真剣に取り組んでいるものです。彼自身が提供した100万ドルを基金の一部とし、ダンスパフォーマンス、映画、室内楽の公演、セミナーなどを行っています。このバリシニコフ・アーツ・センターによって改修されたジェローム・ロビンス・シアターが、来年はじめに再オープンし、高い評価を得ているWooster Groupがレジデント・カンパニーとなります。

一方で、ミーシャはもっと舞台に立ちたいと考えており、まだ具体的な話にはなっていないものの、来年もマッツ・エック、アナ・ラグーナ、そしてエックの66歳になる兄、ダンサーであり俳優であるニコラス・エックと新しいダンス作品を上演する予定とのことです。

40歳になった時も、50歳になった時も、そして今61歳になっても、ミハイル・バリシニコフは引退について話すことは拒否しています。彼は自分自身に満足しいている限りは踊り続けたいと暗喩しながらも、こんなにも長いことダンサーとして活躍していることについて、「自分でもびっくりしているよ!」と驚きを隠せない様子です。

******
バリシニコフ・アーツ・センターのサイトのトップにある、この公演の画像を観ると、ミーシャも、アナ・ラグーナも本当に美しく老いているな、と心を打たれます。

http://www.bacnyc.org/index.php/events/performances/FATOUR0909

ミラノで上演された時のプロモーション動画がありました。

2009/09/01

「毛沢東のバレエダンサー」Mao's Last Dancer リー・ツンシン

中国から米国へ亡命を果たした実在のバレエダンサー、リー・ツンシンのベストセラーとなった自伝「Mao's Last Dancer」。邦訳「毛沢東のバレエダンサー」が出たというので早速入手して読んでみた。バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、ツィ・ツァオ(ツァオ・チー)が主演して映画化されたという例の作品だ。

非常に読みやすい文体で、内容も面白いのであっというまに読み終えてしまった。ただし、原書と邦訳の両方を読んだ方の話によると、省略されてしまっているところもあるとのことで、後で原書も読んでみようと思う。

1961年に中国・山東省の貧しい村で、男ばかり7人兄弟の6番目として生まれたツンシン。毎日の食べ物にも困り、干した芋しか食べるものがなかったほど貧しい中にあっても、両親や兄弟の愛情に恵まれ、ツンシンは腕白な子供に育つ。働きづめだった両親は文字も読めなかったが、さまざまな物語を語って聞かせてくれて、それが豊かな心をはぐくんだ。わずかな食べ物を分け合ったり譲り合ったり、貧しくても誇りだけは持つようにと子供たちは育てられた。文化大革命で村長だった人が処刑されるところまで見てしまうという時代、毛沢東を尊敬するようにと学校では教えられる。

11歳の時、学校に北京のバレエ学校から先生がやってきた。何回ものテストを経て、ツンシンは毛沢東夫人の江青が校長を務める北京舞踊学院へ入学することになる。バレエとは何かも知らなかった農家の少年が、500万人に一人という難関を突破した。彼は家族の元を離れ、毎朝5時半に起き、ホームシックに耐えて厳しい訓練を受けることになる。最初のうちは劣等生だったツンシンだが、優れた教師との出会いにより、ぐんぐん才能を伸ばしていく。そして、卒業を目前に控えた時、彼はアメリカへの初めての研修生のひとりとして選ばれ、ヒューストン・バレエのサマースクールに参加することになる。敵として教えられてきたアメリカで自由の素晴らしさに触れた彼は・・・。

***
この本が何よりも人の心を打つのは、飢え死にする人が出るほどの貧しい生活の中にあっても、両親の限りない愛情に包まれて育っていった少年の日々が生き生きと描かれているから。両親や周囲の年長者が彼に伝えていく教訓話の数々も、ユーモアがあってとても面白い。何百万人のうちの一人に選ばれ、貧しい暮らしから脱出するという幸運に恵まれたツンシン少年が、両親や兄弟、教師らの愛情への感謝をずっと忘れることなく、彼らのためにも頑張ろうという気持ちでバレエに打ち込んでいく。打ち込むうちに、バレエそのものの魅力の虜になっていくというところがいい。アメリカで自由な生活に触れ、今まで信じ込まされていた共産主義体制の嘘に気がついた彼は、自由にバレエを踊るために亡命を決意する。彼は、亡命することで家族や教師が迫害されるのではないかと悩み、もう二度と彼らと会えなくなってしまうのではないかと恐れる。だがバレエダンサーとして自由に羽ばたくことが家族への恩返しになることだと思って、彼はつらい決断をする。亡命をしたツンシンは、ヒューストン・バレエのプリンシパルとなり、世界的なスターダンサーとなった。

そう、この本はいわば中国版の「リトル・ダンサー」なんだな、って思った。ビリー・エリオット少年は彼自身がバレエを選んだけど、ツンシン少年はバレエに選ばれた存在だった。でも、貧しい家庭に育ちながらも、家族に支えられ、その家族から旅立っていってダンサーという夢を実現するということでは、共通したものがある。映画ではどのように描かれているのか、まだ観ていないのでわからない。だけど、この本では少年時代の話が4分の3を占めていて、家族やバレエ学校での日々があったからこそ、彼の成功があったのだということが実感できる。

実話に基づく話なので、当時ヒューストン・バレエの芸術監督であったベン・スティーヴンソン(「エスメラルダ」などの振付で有名)が重要な役割をもって登場する。また当時副大統領だったジョージ・ブッシュ(父)の妻バーバラ・ブッシュがヒューストン・バレエの理事を務めていて彼の亡命に一役買ったりなど、意外なことを知ることができたのも面白かった。研修期間中にABTの稽古場に行き、中国で「くるみ割り人形」の映像を観てあこがれていたミハイル・バリシニコフやゲルシー・カークランド本人に会った時の彼の感動!最終学年まで、バレエ映像すら滅多に観ることはできなかったのだ。でも、バレエは国境を越える普遍的なものであるというのが、彼の成功を通して実感される。

バレエにそれほど興味がない人でも、感動とスリルと笑い、そして涙があるこの物語を楽しめると思う。ベストセラーとなり、20数カ国で出版されたというのも納得。映画もぜひ日本公開して欲しいと思う。予告編を見る限りでは、とても面白そうだし。彼を演じたツィ・ツァオは、リー・ツンシンと同じ北京舞踊学院出身で、彼の恩師の息子であるという。

映画のオフィシャルサイトはこちら
http://www.maoslastdancermovie.com/

関連エントリ
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2009/08/maos-last-dance.html

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ベルリン国立バレエ「カラヴァッジオ」(ビゴンゼッティ振付)DVD Caravaggio by Mauro Bigonzetti

『カラヴァッジオ』~マウロ・ビゴンゼッティによる2幕のバレエ
音楽:ブルーノ・モレッティ Bruno Moretti (原曲:モンテヴェルディ Claudio Monteverdi)
出演:
 ウラジミール・マラーホフ Vladimir Malakhov
 ポリーナ・セミオノワ Polina Semionova
 ベアトリス・クノップ Beatrice Knop
 ミハイル・カニスキン Mikhail Kaniskin
 ドミトリー・セミオノフ Dmitry Semionov
 エリサ・カリッロ・カブレラ Elisa Carrillo Cabrera
 中村祥子 Shoko Nakamura
 ミヒャエル・バンジャフ Michael Banzhaf
 レオナルド・ヤコヴィナ Leonard Jakovina
 ベルリン国立歌劇場バレエ団 Staatsballett Berlin
演奏:ポール・コネリー Paul Connelly(指揮)ベルリン国立歌劇場管弦楽団 Staatskapelle Berlin
コレオグラフィ:マウロ・ビゴンゼッティ Mauro Bigonzetti
照明・装置:カルロ・チェッリ
衣装:クリストファー・ミラー、ロイス・スワンデル

収録時期:2008年
収録場所:ベルリン国立歌劇場 Staatsoper Unter den Linden
特典映像:メイキング(29分、字幕:英語・独語・仏語・西語・伊語・ルーマニア語)
収録時間:119分(本編90分、特典29分)
画面:カラー、16:9
音声:PCMステレオ、ドルビー・デジタル5.1サラウンド、DTS5.1サラウンド
NTSC Region All

デレク・ジャーマン監督の映画「カラヴァッジオ」(1986年作品、若き日のショーン・ビーンが出演)がとても好きだったので、この波乱万丈の人生を送った16世紀の画家カラヴァッジオをマラーホフが演じ、ビゴンゼッティが振付けると聞いてわくわくしていた。

DVDを見て、最初に思ったのは、クローズアップが多すぎということ。最近のバレエのDVDには、その傾向が強くて非常に困る。顔や足先といったパーツを切り取るように映しているので、全体がどうなっているのがわかりにくい。そして、この作品に明確なストーリーがないこともあって、最初は「美しいけど、難解」というイメージを持ってしまった。

ところが、この作品は観ているうちに中毒になって、気がつけば何回も何回も繰り返して観るようになってしまった。振付の独創性や面白さ、ダンサーの美しい肉体を浮かび上がらせ、陰影がくっきりとした照明の美しさもあるのだけど、何よりもカラヴァッジオとほぼ同時代に生きた作曲家モンテヴェルディの音楽(「ポッペーアの戴冠」「オルフェオ」やマドリガーレ集より)をベースにオーケストレーションされた音楽が耳に残り、素晴らしいのだ。

作品は第一部と第二部に分かれており、第一部は、カラヴァッジオと、彼を取り巻くルネッサンス期からバロック期の過渡期の世界を描いている。ビゴンゼッティは、その世界を「光、闇、聖、生、技術、信頼、そして好奇心」と語っている。彼のミューズ的な存在であり、「光」を象徴するポリーナ・セミオノワ、暗い欲望そして「死」を象徴するベアトリス・クノップ。この二人の存在が、彼の人生を支配する。ルネッサンス時代のローマを思わせる色彩豊かな衣装に包んだ若いカップルたちが、生き生きとした様子で画面を横切る。ルネッサンスの自由さと活気が満ちている。それに対して、肌色の腰布一枚のカラヴァッジオは、聖セバスチャンのような受難の姿をしていて、身を刻まれるような創造の苦しみに苛まれている。他のソリストたちも肌色をベースとしたドレープが巻きついた衣装をまとっている。中村祥子さんとミハイル・カニスキン、エリサ・カリッロ・カブレラとドミトリー・セミオノフ&カニスキンといった組み合わせの踊り。十字架のように両腕を広げたマラーホフと、背中を深く反らせたポリーナの姿が絵画の中に収斂していく。

第二部は、カラヴァッジオの内面によりフォーカスした、親密で妖しい世界が展開する。カラヴァッジオの生は性と暴力で彩られていく。美青年レオナルド・ヤコヴィナとのセクシャルなパ・ド・ドゥ。クノップによって踏みつけられるマラーホフ。ヤコヴィナと重なったマラーホフの身体の上に、深紅の血飛沫が降り注ぐ。そして差し出された盆の中にカラヴァッジオが手を突っ込むと、その手は赤く染まり、禍々しい血の刻印を取り巻く人々に刻み付けていく。後半生には殺人にも手を染めたカラヴァッジオを象徴させるように。

光と影を巧みに駆使したカラヴァッジオの作風をダンスで表現したともいえるこの作品。あるときは厳かに、あるときは神々しく、そしてあるときには生々しく。ダンサーの肉体をくっきりと陰影によって浮かび上がらせ、滅び行く運命にあるからこそ美しい、肉体の瞬間の美を切り取った賛歌となっている。創造の苦痛と喜びを喘ぐように体現し憑依した演技は、マラーホフならではのもので、彼以外の人がこの役を演じるのを考えるのは難しい。

ビゴンゼッティの振付はとても独創的だ。ソロ、パ・ド・ドゥ、パ・ド・トロワ、さらに複数のダンサーを複雑に絡ませた踊り、群舞と組み立て方が面白いし、クラシックの技術をベースにしながらもそれにとらわれていない。とても美的に完成された作品なのだけど、美しさにこだわるあまり、暴力性や残酷さはあまり前面に出ていない。

カラヴァッジオの絵画を思わせる作品に、アンジェラン・プレルジョカージュの「MC14/22 "Ceci est mon corps"~これが私の体」がある。ビゴンゼッティとの違いは、暴力性の度合いである。プレルジョカージュの作品は圧倒的で暗黒的な暴力性と理不尽さから浮かび上がってくる崇高さがあった。「カラヴァッジオ」は、振付の古典的な典雅さ、唯美的な面ではずっと高度だと思うのだけど、きれいにまとまりすぎているところがあるのかもしれない。

それでも、この作品の光の扱い方の巧みさ、耳に残る音楽、美しい肉体の饗宴とビゴンゼッティの独創性には快い刺激があり、何回も繰り返し見直したくなる魅力がある。ポリーナ・セミオノワ、中村祥子、ベアトリス・クノップ、エリサ・カカリッロ・カブレラと女性ダンサーたちはいずれも非常にパワフルで美しい。彼女たちは、古典よりもこういう現代作品の方がずっと魅力を発揮できるのではないかと感じさせた。

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特典映像は、ビゴンゼッティはじめ、音楽、照明、衣装のスタッフと、マラーホフ、ポリーナ・セミオノワ、ベアトリス・クノップ、レオナルド・ヤコヴィナのインタビュー、そしてリハーサルシーンのドキュメンタリーが約30分。輸入版でも、日本語字幕を選ぶことができる。ビゴンゼッティは、振付を行うときにも自分でかなり動いて見せるのだけど、現在48歳の彼がえらくカッコいい。ナチョ・ドゥアトをちょっと華奢にした感じ。
また、ベルリン国立バレエのソリストであるマリア・ヘレナ・バックリーMaria-Helena Buckley が撮影した、想像力を掻き立てる舞台写真とリハーサル写真(各5分)も特典映像としてついている。(ジャケットの写真も彼女の手によるもの)

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できれば、デレク・ジャーマンの映画「カラヴァッジオ」も併せて観るとさらに面白いと思うのだけど、残念ながらこちらの国内盤は廃盤。PALフォーマットの英国盤は、Amazon.co.ukで入手可能(私もUK盤を持っている)

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