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2009年8月

2009/08/30

マリア・コチェトコワ、越智インターナショナルバレエに出演予定/岸辺バレエスタジオ発表会

世界バレエフェスティバルでダニール・シムキンと共に旋風を巻き起こしたマリア・コチェトコワは、早くも次の日本の舞台が決まっているようです。twitterと本人のFacebookからの情報です(チラシが出回っているとのこと)

越智インターナショナルバレエ「ドン・キホーテ」全幕
10月10日(土) 18:00開演・11日(日) 14:00開演
会場:愛知県芸術劇場大ホール(名古屋市東区東桜一丁目13番2号)
芸術監督:越智 實
指揮:ボリス・スパソフ
出演:越智久美子/ワディム・ソロマハ/越智友則/他
演奏:セントラル愛知交響楽団
入場料:S席¥10,000  A席¥8,000  B席¥6,000  C席¥4,000
お問合せ:越智インターナショナルバレエ TEL052-481-4488

http://www.ochiballet.com/information.html#09quixote
(出演者情報の明記はなし)

公演は二日あるのですが、どちらの回に出演かは不明です。越智久美子さんとワディム・ソロマハ、越智友則さんとマリア・コチェトコワのようです。
興味のある方は、バレエ団に問い合わせをお願いいたします。

今度はぜひ、またマリアちゃんを東京で見たいですよね!

追記:マリア・コチェトコワとダニール・シムキンは雑誌クララの対談記事に登場するとのこと。現在発売されている号はレニングラード国立バレエのミハイル・シヴァコフとエレーナ・コシェレワの対談が掲載されているので、同じような形式での登場かもしれません。

*****

今日は岸辺バレエアカデミーの発表会に行ってきました(選挙は昨日期日前投票してきました)。第一部、二部は作品集で、それに加えて「ジゼル」の全幕。『ジゼル』のキャストは、ジゼルにキミホ・ハルバートさん、アルブレヒトに谷桃子バレエ団の齋藤拓さん、ヒラリオンに新国立劇場の井口裕之さん、ミルタにやはり新国立劇場の岡崎弓佳さんでした。キミホさんのジゼル、非常に繊細で素晴らしかったです。(「スーパーバレエ・レッスン」で吉田都さんが指導していた「ジゼル」の1幕の役作りが、しっかりできていて恋する気持ちがきちんと伝わってきました)。特に幽玄で儚い中にもジゼルの芯の強さが感じられる2幕が白眉でした。アルブレヒトの齋藤さんも、とても端正で素敵な貴公子でした。彼はトゥール・ザン・レールが毎回きちんと5番に入り、踊りが本当に綺麗ですね。ラストは、明るい光が差し込んでいて、希望を感じさせるものでした。井口さんのヒラリオン、ヒラリオンにしてはちょっとスマートな感じでしたが、熱演で良かったです。そういえば最近新国立劇場では「ジゼル」を上演していませんが、なぜでしょうか。新国立の美しいコール・ドが生かせる作品なのに。

二部の作品集、岸辺光代さんの振付作品の数々は明るく楽しめました。またキミホさんの振付作品Garden of Visionsは、舞台美術が非常に美しくて、衣装もセンス良く、彼女の高い美意識が感じられました。パ・ド・ドゥ集では、「黒鳥のパ・ド・ドゥ」が新国立劇場のマイレン・トレウバエフと望月理沙さん。望月さんは、「学校へ行こう」に出演した、ローザンヌコンクールに出場して準決勝まで残った彼女です。今はチェコ国立モラヴィアン劇場に所属しているとのことですが、堂々とした黒鳥でした。腕の使い方もとてもきれいで、とても良かったとおもいます。マイレンは端正でロマンティックな王子様で、来年の彼の「白鳥の湖」の主演が楽しみです。

2009/08/29

NHK「スーパーバレエレッスン/ロイヤル・バレエの精華 吉田都」 (1)

「“ジゼル”第1幕からバリエーション」
【講師】吉田都
【生徒】茂田絵美子
【出演】ピーター・ライト
【ピアノ】蛭崎あゆみ

第一回ということで、ロイヤル・バレエの紹介から始まった。吉田都さんを見出した、当時サドラーズ・ウェルズ・ロイヤルバレエ(現バーミンガム・ロイヤル)の芸術監督だったピーター・ライトのインタビューがあった。都さんは最初から教師が直す必要がないほど完成されていたので、教師もあまり彼女に声をかけなかったのだけど、彼女としては何も言われないことで帰って不安がっていたとのこと。

そしてロイヤル・オペラハウスの建物の中から、吉田都さんがバレエ団の紹介を。赤いヴェルヴェットの内装やクラシックな階段が重厚で歴史を感じさせる。

今回生徒役で出演するダンサーたちの紹介があった。牧阿佐美バレエ団所属と紹介されていたのは伊藤友季子さんだけだったけど、それ以外のダンサーも実は全員牧のダンサー。(うーん微妙)

「ジゼル」の1幕のジゼルのヴァリエーションを都さんが指導する。指導される生徒さんが、まず踊って見せるのだけど、テクニックはあるし今風でプロポーションもきれいなのだけど、ただ踊っているという感じ。コンクールか発表会を見るようだった。都さんが、後で「演劇で言えば棒読みという感じ」と言っていたけど、まさにそんな感じ。

ということで、技術的なことよりも、ジゼルとしてどう演技するかということに都さんの指導の重点があり、それはとても面白かった。ヴァリエーションの最初に、「まずふーっと深呼吸して」ということを都さんは言う。舞台に踏み出す前にも深呼吸して。そういえば、確かにジゼルのあのヴァリエーションってそういうタイミングだったわ、と再認識する。ジゼルは心臓が悪くて、踊っちゃいけないって言われているのに今日はやっと踊っていいってお母さんから許しを得られたの、それも好きな男性の前で。だからすごく嬉しくてドキドキしているのよ、と強調していた。上半身を大きく使って喜びを表現し、アラベスクするときには、上に伸び上がって。アルブレヒトがこの位置で見ていることを意識して!と。

それから、目線の使い方がとても大事だと都さんは生徒さんに指導した。生徒さんは、緊張しているのか、相当硬い雰囲気で、目もどうしても伏目がちになってしまって暗い印象がある。「視線を手の方向に向けてね」と。アティチュード・ドゥヴァンでポアントでホップする時には、膝をしっかり上げて、きれいなクロスに見えるようにすること。ピケターンのマネージュでは舞台を大きく使って動くこと。アティチュードターンのように難しいテクニックの時も、素にならないでジゼルの喜びを見せること。呼吸をしながら、緩急をつけて音楽に合わせていくこと。

でも、都さんの指導があって、技術的なところなどは良くなったと思ったけど、生徒さん、相変わらずの貼りついたような笑顔と、一つ一つのポーズは綺麗でもそれが切れ切れになっているというか、一つの踊りの流れになっていなくて硬く感じられてしまっていた。コンクール向けのテクニックだけを学んでいると、こうなってしまうんだな、と思った。

ロイヤルのスタジオでの、都さんの模範演技。ピアノの演奏のテンポがちょっと速い。都さん、テクニック的には、全盛時よりは少し落ちてしまっているかな、と思うところもあったけれども、思わず引き込まれてしまう、喜びと幸せ感に満ちたジゼル。生徒とまったく同じヴァリエーションを踊っているとは思えないほど。ジゼルが、はにかみながらも踊る喜びを全身で表現しているのが画面から伝わってくる。アティチュードターンが非常に美しく正確だし、上半身が柔らかく雄弁だ。緩急のつけ方、よどみない動き、短いヴァリエーションひとつなのにとてもドラマティックで、稽古着を着用してピアノだけの演奏なのに、ジゼルの恋する気持ちが伝わってきて思わずニコニコしてしまう。ジゼルの世界へと行かれたような気持ちになった。素晴らしい~。

日本語でレッスンが行われていること、生徒役が、パリ・オペラ座編と違って舞台経験が少なそうな感じということで、より身近な感じになった「スーパーバレエレッスン」。はからずも、日本のバレエ教育の問題点も明らかになったように思えた。でも、これから、「ロミオとジュリエット」「くるみ割り人形」などの演目をどうやって都さんが教えていくのか、とても楽しみだし、バレエを観る時の参考にもなりそうだ。

Oggiに上野水香さん&康村和恵さん/日経MJに西島千博さん

友達に教えていただいたのですが、ファッション誌「Oggi」の特集「女ですもの、美脚が命」の、美脚の有名人がその脚を維持する秘訣を語るページで、杉本彩さんや神田うのさん、西川史子さんらと並んで、上野水香さんが登場していました。ミニのニットのワンピースの水香さん、確かにとても長くて細く、きれいな脚の持ち主ですよね。ローザンヌに出場した頃から、中山式快癒器をずっと愛用されているそうです。

そして、雑誌の後ろの方では、「シリーズ 仕事を楽しむ、自分を楽しむ」の「プリンシパルとして燃え尽きるその瞬間まで」と題して、K-Ballet Companyの康村和恵さんが4ページにわたって登場していました。康村さんは、出産のために休団し、息子さんがクリスマスに生まれた後、わずか2か月で復帰して「放蕩息子」に出演されたのですね。

康村さんは、ローザンヌ・コンクールでスカラシップを得てハンブルク・バレエ学校に留学。ドレスデン・バレエに入団し、代役で「ジゼル」に主演したことがきっかけでファースト・ソリスト(プシンリパル)に昇進。そして25歳で帰国してK-Balletに所属。お子さんが生まれたことで、今までバレエ一筋だった人生から、いろいろなことに目が向けられるようになったとのこと。それにしても、康村さんの華奢なこと!小さな顔に細く長い手脚と、バレリーナとしては理想的な体型ですよね。康村さんは、K-Balletの「ロミオとジュリエット」のジュリエット役で11月3日、6日そして7日に熊川哲也さんと共演します。
http://www.k-ballet.co.jp/schedule/2009-romeo.html

日本では、子供を育てながらプロのバレリーナとして舞台に立ち続けている例はそれほど多くはないわけですが、ミテキ・クドーさんの本「パリ・オペラ座のバレリーナ」では、パリ・オペラ座のバレリーナの3分の1くらいは子育てをしていると書いてありました。東京バレエ団の小出嶺子さんが最近出産されたとのことなので、彼女の復帰も待ち遠しいですよね。

http://oggi.tv/info/index.html

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*****

会社で購読している「日経MJ(日経流通新聞」の8月28日の最終メンでは、「バレエで踊るラジオ体操」と題して、西島千博さんの「バレエ・ストレッチ」が紹介されていました。4月に発売されたこのDVD、4ヶ月あまりで1万枚も売れたそうです。当初はこんなに売れるとは思わず、初版は250枚だったとのこと。ピアノとヴァイオリンが優雅に奏でるメロディは、よく聴くとおなじみのラジオ体操の曲で、CDとDVDがセットになっています。ラジオ体操をバレエ風にアレンジしたストレッチなのだそうです。ラジオ体操の振りはみんな覚えているため、このストレッチは振付を覚える必要もなく簡単なのが好評の理由だそうで、中高年の方からの問い合わせも多いとか。紙面では、西島千博さんによる美しいお手本の写真も載っています。

西島さんによると、「元々、身体がしなやかになる動作が多く盛り込まれていて、運動量としても毎日続けるのに最適」だそうでダイエット効果もあるとのこと。真剣にやると、翌日筋肉痛になるほどの運動にもなるそうです。実際にバレエ教室に通っている人も、このDVDのストレッチを楽しんでいるというコメントもありました。この記事を読んで、ちょっと興味がわいてきました。最近私は週1回のバレエレッスンだけで、運動不足気味なもので。

それにしても、DVDが1万枚も売れるなんて凄いですね。これでバレエファンになる人が増えたら、確かにとても良いことだと思います。

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2009/08/28

DANCE MAGAZINE 2009年 10月号/Hanako 2009年9月10日号

定期購読しているダンスマガジン、最近は発売当日に到着するんですよね。前日にはチャコットに納品されているというのに。

DANCE MAGAZINE 2009年 10月号
<速報第1弾> 世界バレエフェスティバル全幕特別プロ
ダニール・シムキン「ドン・キホーテ」
<海外速報> アナニアシヴィリ ABT最後のステージ
<速報> ファルフ・ルジマートフ
<特別企画> バレエ・リュス100年
<ダンスマガジン・インタビュー> 名倉加代子
マイケル・ジャクソン、ダンスの秘密
<インタビュー> SHOKO/オブラスツォーワ/クーパー/コレーラ

詳細な目次はFAIRYのサイトで
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4910059931094.html

この号は充実していました。巻頭は、まさに速報という感じで、先日の世界バレエフェスティバルの全幕プロの「ドン・キホーテ」が掲載。この公演で大旋風を巻き起こしたダニール・シムキンの柔らかいランベルセがとてもきれいです。目次のページにも、ダニールとマリア・コチェトコワの3幕の写真があって、この写真もとっても素敵ですね。ダニールは背が低めでも、華奢で顔も小さいから、バランスはとてもよく見えますよね。そしてその超小顔のダニールに負けないくらい、マリアも顔が小さいので、本当によく釣り合いが取れています。なんて可愛らしいペアなのでしょう!

7月のルジマトフの公演紹介では、彼の官能的なシェヘラザードの奴隷や、「阿修羅」の写真が載っていて、相変わらず舞台姿が美しい人だなって思います。インタビューが載っていて、気になる発言が。ミハイロフスキー劇場との契約が2年だそうで、もしかしたら監督業はこれで終わりにするかもしれないとのこと。まだまだ踊ることへの意欲が衰えないのは、ファンにとっては嬉しいことですよね。そろそろ自分のダンスに戻って行きたいと。岩田守弘さんと、1幕ものの新作を作るという話は、楽しみです。(私は「阿修羅」も結構好きなのです)

ニーナ・アナニアシヴィリのABTフェアウェル公演の記事は、カーテンコールの写真の写りがあまり綺麗じゃなかったのが残念。ニーナは来年日本にも来るというのもあるのかもしれないけど、ABTのMETシーズンの記事がこれだけというのは、非常に物足りないです。

ニーナのさよなら公演のパートナーを務めた、アンヘル・コレーラのインタビューも載っていました。故国スペインに古典のカンパニーを作り上げるまでの苦労話と熱い思いが伝わってきます。「次に日本に来る時は、きっとぼくのバレエ団と一緒だね」と言ってくれていますが、コレーラ・バレエの来日は待ち遠しいです。今後も、ニーナ率いるグルジア国立バレエと、コレーラ・バレエで交流をしていきたいということなので、それも楽しみですね。

バレエ・リュス100年の特集をやってくれたのには、一安心。ハンブルク・バレエのニジンスキー・ガラのレポートもあります。でも、世界バレエフェスティバルのガラで大評判だった「アルミードの館」のティアゴ・ボァディンの写真がちょっと不鮮明なのが残念です。使われている写真が、東京バレエ団の一昨年のディアギレフ・プロの写真ばかりというのもね。バレエ・リュス100周年の今年、なぜ東京バレエ団はせっかくレパートリーにあるフォーキン作品を上演しないのでしょうか。ミュンヘン・バレエの、ルシア・ラカッラとルーカス・スラヴィツキーの「シェヘラザード」の写真はとても妖艶で良いですね。あと、何気にダニール・シムキンがタイトルロールを踊ったABTの「放蕩息子」の写真もあります。

「ゴールデン・バレエ・コー・スター」は写真をたくさん使って紹介してくれました。オクサーナ・クチュルクとロマン・ミハリョフの写真だけないのはなぜ?

この「ゴールデン・バレエ・コー・スター」で、そのスーパーテクニックで客席を沸かせたアディアリス・アルメイダとジョセフ・ガッティのペアのインタビューが、コレーラ・バレエの記事と共に載っていました。面白かったのが、ジョセフ・ガッティのリラックス法で、公演が終わった後、会場の前でマイケル・ジャクソンの物真似をするんだそうです。道行く人々に大うけしているそうで、「今度東京でもぜひやってみたいな」ということなので、やってもらおうではありませんか!

というわけで、つながり良く、ジャズダンス界の振付第一人者である名倉加代子さんと、三浦編集長の対談のテーマは、「マイケル・アズ・ア・ダンサー」、亡きマイケル・ジャクソンです。マイケルの魅力は、いつまでたっても年をとらなかった永遠の少年の部分と、両性具有性ということは、大いに納得できる話でした。彼がつま先で踊る姿は、ポアントを履いているバレリーナのようだということも。それから、「スリラー」のPVに出てくるゾンビたちは、「ジゼル」のウィリたちだというはなしも、そうか!とちょっと目から鱗が落ちる思いでした。この対談、すごく面白いです。

やはり「ゴールデン・バレエ・コー・スター」に出演したエフゲーニャ・オブラスツォーワのインタビューは、「マリインスキー・バレエのスターたち1」と副題がついていました。これから毎号マリインスキーのダンサーのインタビューが載るのでしょうか。マラーホフ&フレンズで、初めてコンテンポラリーの作品「パーティング」をウラジーミル・シクリャーロフと踊ったとのことですが、これが、マリインスキー来日公演の「オールスター・ガラ」で二人が踊る「別離」という演目のことのようですね。

シクリャーロフと、アンドレイ・ピーサレフが金賞を受賞したモスクワ国際コンクールのレポートが面白いです。すでに一流の若手ダンサーとして認識されている二人が、決勝の前にそれぞれ大きなミスをしたものの、決勝では素晴らしい踊りを見せてくれたというのがドラマティックですね。

他にもアダム・クーパーのインタビューなど色々載って充実の号でした。「兵士の物語」公演で読者との交流イベントが企画されているようです。

DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2009年 10月号 [雑誌]DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2009年 10月号 [雑誌]

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Hanakoの今週号は、横浜特集なのですが、これから注目の公演に出演するダンサーたちということで、"最高峰のバレエ団が続々来日。プリンシパルが、その魅力を語ります。"と題し、見開きで3人のインタビューが載っていました。マリインスキー・バレエのレオニード・サラファーノフ、NYCBのアシュレー・ボーダー、そして映画「パリ・オペラ座のすべて」が公開されるということで、マチュー・ガニオです。マチューの笑顔があまりにも可愛いので、思わず買ってしまいました。

横浜は神奈川県民ホールでの公演などでけっこう行くのに、意外とお店を知らないのです。この雑誌の横浜特集は、アフターバレエの参考にもなりそうです。

Hanako (ハナコ) 2009年 9/10号 [雑誌]Hanako (ハナコ) 2009年 9/10号 [雑誌]

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2009/08/27

岩城京子さんのウェブマガジン/世界バレエフェスティバルに出演したダンサーのオフィシャルサイトまとめ

NBSのオフィシャルブログ(ロイヤル・バレエ、シュツットガルト・バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエなど)や公演プログラム、AERA、日経トレンディ、SWAN MAGAZINEなどに執筆されている演劇・舞踊ジャーナリストの岩城京子さんが、個人でウェブマガジンを立ち上げられたとのことで、お知らせをいただきました。

ダンスのみならず、旅やアートについてのクオリティの高い文章が載っていて、読み応えがあります。

http://www.kyokoiwaki.com/ARTicle

最新の記事では、アヴィニョン演劇祭のレビューがたくさん載っていて、とても面白く読ませていただきました。まだ日本には知られていないカルチャーをこうやってきちんと紹介していただけると、世界が広がるようで、嬉しいですよね。

5月に取材されたNYCBの記事や、アクラム・カーンの単独記事なども、今後掲載される予定だそうで、楽しみですね。

また、ブログの方も、取材のこぼれ話などが載っていたりして、とても面白いです。
http://kyokoiwaki.com/blog.html

岩城京子さんのNYCBのリハーサルレポート記事は、現在発売中のSWAN MAGAZINE2009年夏号にも掲載されています。

最近は雑誌の休廃刊が相次いでおり、特に私が若いころや映画業界にいた時にお世話になったサブカルチャー系の雑誌はほぼ全滅という状態です。欧米では、新聞の休刊や大幅なリストラの話もよく報道されています。

ブログなど個人発のメディアが広がってきて、お金を払って情報を買うということがすっかり減ってしまいました。今は新聞を購読している人も減っています。プロフェッショナルな文章を発表する場がどんどん減ってしまっているのは憂うべき事態ですよね。クオリティの高い文章を書く人に対価を還元する仕組みを考えていかなくてはならない、と本業でも常に考えてはいるのですが、難しい問題です。

同じことは音楽や映像にも言えることで、音楽のネット配信が広がったことでCDが売れなくなり、音楽業界などはすでに危機に瀕していますよね。不況で広告モデルも崩壊した今、何とかしないと色々な文化が滅びてしまうと思うこの頃です。

*******

Webサイトの紹介ということで、ついでに、世界バレエフェスティバルに出演したダンサーのオフィシャルサイトをざっと紹介しますね。他にもサイトを持っている方はいるかもしれませんが。

マニュエル・ルグリ
http://www.manuel-legris.com/
スケジュールをこまめにアップデートしています。

スヴェトラーナ・ザハロワ (ボリショイバレエ)
http://www.svetlana-zakharova.com/

ディアナ ヴィシニョーワ (マリインスキー・バレエ)
http://www.vishneva.ru/
ひとつひとつのコメントに丁寧に返信しています。

ナタリア・オシポワ(ボリショイバレエ)
http://www.natalia-osipova.com/

マリアネラ・ヌニェス(ロイヤル・バレエ)
http://www.marianelanunez.com/eng/index.html
来シーズンのロイヤルの出演予定も載っています。

マリア・コチェトコワ(サンフランシスコ・バレエ)
http://www.mariakochetkova.com/
ブログやTwitterを使いこなしています。

ジョゼ・マルティネス(パリ・オペラ座)
http://www.josecarlosmartinez.com/
フランス語とスペイン語があるのが、らしいです。カッコいいサイトなのですが、とても重いです。

ダニール・シムキン(ABT)
http://www.daniilsimkin.com/1
YouTubeやTwitterを早くから使いこなしていました。

アリーナ・コジョカル(ロイヤル・バレエ)
http://www.alinacojocaru.com/
ヨハン・コボーからのプレゼントだそうです。来年3月までのスケジュールが掲載。

ヨハン・コボー(ロイヤル・バレエ)
http://www.kobborg.co.uk/
かなり凝ったつくりです。

シルヴィ・ギエム
http://www.sylvieguillem.com/
トップはピナ・バウシュへの追悼文になっています。

タマラ・ロホ (ロイヤル・バレエ)
http://www.tamara-rojo.com/ballerina.htm
ゲスト出演予定も掲載されています。今はロイヤル・バレエ・スクールでも教えているのですね。

ウラジーミル・マラーホフ (ベルリン国立バレエ)
http://www.malakhov.com/
Javaスクリプトが重くてなかなか上手く開けません。

ホセ・カレーニョ(ABT)
http://jcarreno.com/index.html
最近更新がないようですが、日本語もあります!

Facebookでのファンページで活動されている方も多いようですね。

2009/08/26

マリインスキー・バレエ2009年12月来日公演のキャスト詳細 Mariinsky Ballet Japan Tour Cast

ジャパンアーツのサイトに、マリインスキー・バレエ来日公演のキャスト詳細詳細が出ました。

http://www.japanarts.co.jp/html/2009/ballet/mariinsky/abstracts.htm

「白鳥の湖」 Swan Lake

11月22日(日)18:00 神奈川県民ホール
<オデット・オディール> アリーナ・ソーモワ
<ジークフリート王子> ウラジーミル・シクリャローフ
<ロットバルト> コンスタンチン・ズヴェーレフ
<王子の友人たち> イリーナ・ゴールプ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/アントン・コールサコフ

11月23日(月・祝)14:00 神奈川県民ホール
<オデット・オディール> エカテリーナ・コンダウーロワ
<ジークフリート王子> ダニーラ・コルスンツェフ
<ロットバルト> イワン・シートニコフ
<王子の友人たち> ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/ マキシム・ジュージン

11月27日(金)18:30 東京文化会館
<オデット・オディール> ウリヤーナ・ロパートキナ
<ジークフリート王子> ダニーラ・コルスンツェフ
<ロットバルト> コンスタンチン・ズヴェーレフ
<王子の友人たち> ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/アントン・コールサコフ

11月29日(日)15:00 東京文化会館
<オデット・オディール> ヴィクトリア・テリョーシキナ
<ジークフリート王子> レオニード・サラファーノフ
<ロットバルト> コンスタンチン・ズヴェーレフ
<王子の友人たち> イリーナ・ゴールプ/マリーヤ・シリンキナ/アントン・コールサコフ

11月30日(月)18:30 東京文化会館
<オデット・オディール> ディアナ・ヴィシニョーワ
<ジークフリート王子> イーゴリ・コールプ
<ロットバルト> イワン・シートニコフ
<王子の友人たち> ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/マキシム・ジュージン

12月1日(火)18:30 東京文化会館
<オデット・オディール> ウリヤーナ・ロパートキナ
<ジークフリート王子> エフゲニー・イワンチェンコ
<ロットバルト> コンスタンチン・ズヴェーレフ
<王子の友人たち> イリーナ・ゴールプ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/アレクセイ・チモフェーエフ

「眠れる森の美女」Sleeping Beauty

12月3日(木)18:30 東京文化会館
<オーロラ> ディアナ・ヴィシニョーワ
<デジレ王子> イーゴリ・コールプ
<リラの精> エカテリーナ・コンダウーロワ
<カラボス> イスロム・バイムラードフ
<フロリナ王女> エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
<青い鳥> アントン・コールサコフ

12月4日(金)18:30 東京文化会館
<オーロラ> アリーナ・ソーモワ
<デジレ王子> レオニード・サラファーノフ
<リラの精> アナスタシア・コレゴワ
<カラボス> イスロム・バイムラードフ
<フロリナ王女> マリーヤ・シリンキナ
<青い鳥> マキシム・ジュージン

12月5日(土)13:00 東京文化会館
<オーロラ> ヴィクトリア・テリョーシキナ
<デジレ王子> ウラジーミル・シクリャローフ
<リラの精> ダリア・ヴァスネツォーワ
<カラボス> アントン・ピーモノフ
<フロリナ王女> ダリア・ヴァスネツォーワ
<青い鳥> アレクセイ・チモフェーエフ

「イワンと仔馬」 The Little Humpbacked Horse

12月8日(火)19:00 東京文化会館
<姫君> アリーナ・ソーモワ
<イワン(皇子)> レオニード・サラファーノフ
<仔馬> グリゴリー・ポポフ
<雌馬> エカテリーナ・コンダウーロワ
<寝殿侍従官> イスロム・バイムラードフ
※ゲルギエフ指揮

12月9日(水)19:00 東京文化会館
<姫君> ヴィクトリア・テリョーシキナ
<イワン(皇子)> ミハイル・ロブーヒン
<仔馬> イリヤ・ペトロフ
<雌馬> エカテリーナ・コンダウーロワ
<寝殿侍従官> イスロム・バイムラードフ

オールスター・ガラ All Star Gala

12月10日(木)19:00 東京文化会館

【第1部】「シェエラザード」
 ゾベイダ:ウリヤーナ・ロパートキナ
  金の奴隷:ダニーラ・コルスンツェフ

【第2部】パ・ド・ドゥ集
「タリスマン」 パ・ド・ドゥ
 エカテリーナ・オスモールキナ/ミハイル・ロブーヒン

「ロミオとジュリエット」バルコニーの場面
 エヴゲーニャ・オブラスツォーワ/アントン・コールサコフ

「タランテラ」
 ヴィクトリア・テリョーシキナ/レオニード・サラファーノフ

「瀕死の白鳥」
 ウリヤーナ・ロパートキナ

「シンデレラ」パ・ド・ドゥ
 ディアナ・ヴィシニョーワ/イーゴリ・コールプ

【第3部】 「海賊」組曲
 メドーラ:アリーナ・ソーモワ
  コンラッド:エフゲニー・イワンチェンコ
  アリ:ウラジーミル・シクリャローフ
  ギュリナーラ:アナスタシア・コレゴワ

12月11日(金)19:00 東京文化会館

【第1部】「シェエラザード」
 ゾベイダ:ディアナ・ヴィシニョーワ
  金の奴隷:イーゴリ・コールプ

【第2部】パ・ド・ドゥ集
「タリスマン」 パ・ド・ドゥ
 エカテリーナ・オスモールキナ/ミハイル・ロブーヒン

「ロミオとジュリエット」バルコニーの場面
 イリーナ・ゴールプ/アントン・コールサコフ

「別れ」
 エヴゲーニャ・オブラスツォーワ/ウラジーミル・シクリャローフ

「瀕死の白鳥」
 アリーナ・ソーモワ

「 ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」

 ウリヤーナ・ロパートキナ/イーゴリ・コールプ

【第3部】 「海賊」組曲
 メドーラ:ヴィクトリア・テリョーシキナ
  コンラッド:ダニーラ・コルスンツェフ
  アリ:レオニード・サラファーノフ
  ギュリナーラ:アナスタシア・コレゴワ

「白鳥の湖」は、名ロットバルトのイリヤ・クズネツォフが来日しないのが残念ですね。コンスタンチン・ズヴェーレフは、DVD「グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち」に出ている、若手で長身・ハンサムなダンサーなのですが(エスパーダなどを踊っている)、マリインスキーのロットバルトは特殊メイクみたいなメイクで顔がわからないのが残念です。
神奈川県民ホール初日のパ・ド・トロワが、イリーナ・ゴールプ/エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/アントン・コールサコフ という豪華キャスト!アントン・コルサコフが来てくれるのは嬉しいです。オブラスツォーワがパ・ド・トロワとはちょっともったいないキャストですよね。

「眠れる森の美女」は名キャラクテールのイスロム・バイムラードフがカラボス。 初日のヴィシニョーワ&コルプのキャストが、リラの精にコンダウローワ、フロリナにオブラスツォーワ、青い鳥にアントン・コルサコフと超・豪華です。

「オールスター・ガラ」は、2日目が色々な意味で凄いです。待望の?ロパートキナ&コールプによる「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」は楽しみですね。ロパートキナのコミカル演技が観たい!そしてちゃんと牛さんは連れてきてくれるのかしら?
一方、ソーモワの「瀕死の白鳥」は、どんな感じになるのか想像もつきません。

「オールスター・ガラ」1日目も楽しみな演目が続きます。ジェーニャとアントンの超ラブリーカップルによる「ロミオとジュリエット」、ヴィシニョーワとコールプの「シンデレラ」、そしてテリョーシキナとサラファーノフの「タランテラ」は見ごたえがありそうですね。

キャスト変更があるのは当たり前のマリインスキーなので、無事この通りに行くかはわかりませんが、とにかくアントンが来てくれそうなのは嬉しい限り♪

私は、今のところ、白鳥はコンダウローワ、ロパートキナの初日、テリョーシキナ、ヴィシニョーワ、眠りはヴィシニョーワ、イワンと仔馬はテリョーシキナ、ガラは両日と、ソーモワ外しシフトで取っています。ただ、白鳥は手放す日が出てくるかもしれません。


なお、ジャパンアーツ夢倶楽部会員宛に、チケットプレゼントのお知らせが送られてきましたが、マリインスキー・バレエの対象公演は、11月22日の「白鳥の湖」、12月4日の「眠れる森の美女」、12月9日の「イワンと仔馬」の3公演だったので、この3つがチケット売り上げが若干苦戦しているのかもしれません。

「スーパーバレエレッスン/ロイヤルバレエの精華 吉田都」 テキスト Super Ballet Lesson Miyako Yoshida

吉田都さんが講師を務める番組「NHKスーパーバレエレッスン」のテキストが今日発売だったので、昼休みに買ってきました。

NHKスーパーバレーレッスン/ロイヤル・バレエの精華吉田都 (NHKシリーズ)NHKスーパーバレーレッスン/ロイヤル・バレエの精華吉田都 (NHKシリーズ)
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NHKの番組表にもやっと載っています。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2009-08-28&ch=31&eid=31310

テキストにも再放送の日時が載っていないんですが、再放送はないのかしら?平日昼間の放送なので、録画を失敗したらアウトですね…。

テキストの方は、舞台芸術の街であるロンドンの話から始まり、ロイヤル・バレエの今までの歴史、ロイヤル・バレエ・スクールとニネット・ド・ヴァロワについて、という読み物があります。そして吉田都さんのインタビュー「バレエとは日々のレッスン、継続のたまものです」。

さらに、都さんのパートナーを務めているフェデリコ・ボネッリ(ロイヤル・バレエ)とロバート・テューズリー、そして彼女を見出したピーター・ライトのインタビューもあって、それぞれとても興味深い話が載っています。

放送内容は、以下の予定です。

ジゼル Giselle
・第1幕からバリエーション

ラ・フィーユ・マル・ガルデ La Fille Mal Gardee
・第1幕からバリエーション
・第2幕からマイム

シンデレラ Cinderella
・第1幕からバリエーション

眠りの森の美女 Sleeping Beauty
・第3幕からバリエーション

ドン・キホーテ Don Quixote
・第3幕からバリエーション

コッペリア Coppelia
・第1幕からバリエーション

くるみ割り人形 The Nutcracker
・第2幕パ・ド・ドゥからアダージョ

ロメオとジュリエット Romeo and Juliet
・第1幕ジュリエットの部屋
・第1幕バルコニーのパ・ド・ドゥ

写真を見ると、都さんがパ・ド・ドゥのお手本を踊るのは、「ロメオとジュリエット」のバルコニーシーン(パートナーはロバート・テューズリー)で、後はソロのようです。このシーンだけ、3回に分けて放送されるので、とても楽しみですね。

生徒役は、牧阿佐美バレエ団の茂田絵美子、伊藤友季子、坂本春香、日高有梨、今勇也、高鴿のみなさんです。

表紙は、「バレエの情景」からの写真で、巻頭7ページにわたり、カラーで都さんの美しい舞台写真(「ジゼル」「オンディーヌ」「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ロメオとジュリエット」「コッペリア」「シンデレラ」が載っています。都さんのインタビューページには、ロバート・ハインデルが都さんを描いた作品「White Dress, Yellow Stage」も。

また、レッスン中の様子の写真のほか、ロイヤル・バレエのさまざまなダンサーによる舞台写真も挿入されているのが嬉しい限りです。

第一回の放送は、

NHK教育/デジタル教育1
放送日 :2009年 8月28日(金)
放送時間 :午後0:00~午後0:25(25分)

お見逃しなく!

また、明日(というかもう今日ですが)、
NHK教育の「きょうの料理」で、『世界的バレリーナ・吉田都さんの思い出の味を再現!』が放送されます。
8月26日(水)11:00~11:25、再放送が21:00~21:25です。

2009/08/25

2010年3月ニーナ・アナニアシヴィリとグルジア国立バレエの来日概要 Nina Ananiashivilli & State Ballet of Georgia in Japan

すでに皆様ご存知かと思いますが、ジャパンアーツのバレエ・舞踊ブログに、
http://ja-ballet.seesaa.net/

ニーナ・アナニアシヴィリとグルジア国立バレエの公演概要が載りました。

ジゼル
Giselle

3月3日(水)19:00 東京文化会館
3月10日(水)19:00 ゆうぽうとホール

ジゼル:ニーナ・アナニアシヴィリ
アルブレヒト:アンドレイ・ウヴァーロフ

ロミオとジュリエット
Romeo and Juliet

3月5日(金)18:30 東京文化会館
3月12日(金)18:30 ゆうぽうとホール
3月14日(日)15:00 ゆうぽうとホール

ジュリエット:ニーナ・アナニアシヴィリ
ロミオ:アンドレイ・ウヴァーロフ
マキューシオ:岩田守弘
ティボルト:イラクリ・バフターゼ


指揮:ザーザ・カルマヘリーゼ / 演奏:東京ニューシティ管弦楽団

【チケット料金 (消費税込み)】 (E席は東京文化会館公演のみ)
S¥19,000 A¥16,000 B¥13,000 C¥10,000 D¥7,000 E¥4,000
ジャパン・アーツ夢倶楽部会員
S¥18,000 A¥15,000 B¥12,000 C¥9,000 D¥6,300 E¥3,600

【発売日程】
10月4日(日) 10:00a.m. 前売開始
ジャパン・アーツ夢倶楽部会員:WEB 9月25日(金) ・TEL 9月27日(日)
ジャパン・アーツぴあネット会員:9月28日(月)
【お申込み】 
ジャパン・アーツぴあ03-5237-7711

【2010年 アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ 日本公演スケジュール (東京公演以外)】

(◆ロミオとジュリエット ◆ジゼル)
◆ 2/24 (水) 愛知県芸術劇場 <問合> 中京テレビ事業 (052)957-3333
◆ 2/26 (金) アクトシティ浜松大ホール <問合> 浜松市文化振興財団 (053)451-1114
◆ 2/28 (日) びわ湖ホール <問合> しがぎん経済文化センター (ター (077)526-0005
◆ 3/07 (日) 兵庫県立芸術文化センター <問合> ytvバレエ公演事務局 06-6375-7410

【割引チケット】
≪特別割引チケット (ジャパン・アーツぴあの電話のみで受付)≫
◎学生席:残券がある場合に限り、12/21(月)10:00より受付いたします。

詳しくはリンク先をご覧下さいね。

ニーナのジゼルもジュリエットも、今回最後の機会になるかもしれませんので、必見ですね!

ABTが11月に北京公演 ABT Beijing Tour November 2009

ABTのオフィシャルサイトに発表されていましたが、今年の11月12日から15日まで、北京の国家大劇院で公演を行うそうです。

http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=279

ABTは2000年に上海と香港で公演したことがありましたが、北京は初めて。

上演されるのは、「ドン・キホーテ」が4回と、ラトマンスキーの新作や「アザー・ダンシズ」などの現代作品のミックスプロが2回。

北京では、10月にサンフランシスコ・バレエとシュツットガルト・バレエの公演があります。シュツットガルト・バレエは同じ国家大劇院での公演。

ちょっと北京に住んでいる人が羨ましくなりますよね。

New York Timesにも、北京公演の記事が載っていました。
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2009/08/24/american-ballet-theater-announces-beijing-tour/

「エトワール 最後の60日 密着マニュエル・ルグリのバレエ人生」

待ちに待ったドキュメンタリー「エトワール最後の60日 密着マニュエル・ルグリのバレエ人生」

http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20090821-10-24683

マニュエル・ルグリが定年によりオペラ座のエトワールを引退した、と聞いてもなかなか現実感がなかった。アデュー公演を観に行った友達の話、ネットの記事や動画、それに雑誌や先日出た本「パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ」を見て読んで、引退したという事実が突きつけられても、それが現実のものとはなかなか考えられなかった。世界バレエフェスティバルでも、今まで通りの素晴らしい踊りと表現を見せてくれていたし。でも、この番組を見て、やっと、彼がオペラ座のエトワールを引退し、それととともにダンサーとしての新しい世界の扉を開いたのだと思った。

華やかなデフィレで番組の幕は開ける。

いつも通りにガルニエに出勤するルグリ。バーレッスンには、マチアス・エイマン、バンジャマン・ペッシュ、アリス・ルナヴァンらの姿が。一生懸命腕立て伏せをするルグリ。

「ル・パルク」の舞台で、エトワールとしてのルグリと最後の共演をしたオーレリー・デュポン。「ル・パルク」の「解放」のパ・ド・ドゥを見せてくれたのが嬉しかった。カーテンコールで涙ぐむオーレリー。見事なパートナーシップで知られた二人が、彼のアデュー公演で組めなかったのは、身長の差が問題だったのだろうか?

「昔から二人で踊るのが好きでした」と語るルグリ。

「スーパーバレエレッスン」にも生徒として出ていたエレオノール・ゲリノーとファビアン・レヴィヨン。若手ダンサー公演に出演する彼らのために、自作「ドニセッティ・パ・ド・ドゥ」を指導するルグリ。お手本の跳躍がはっとするほど鮮やかで、とても40代半ばの人とは思えない。けっこう指導は厳しくて、若手二人はへとへとになっている。

「オネーギン」のドレスリハーサルで「鏡のパ・ド・ドゥ」。演奏はピアノのみ。ルグリのような名手でも、なかなか上手くいかなくて苦労している様子。

一方で、ルグリはガルニエの中の学食のようなカフェで、そしてリハーサル室で、パトリック・ド・バナと「A Picture Of…」の改定作業に取り掛かっている。ルグリの完璧な判断能力の部分でなく、彼の感情をかきまわすような作品にしたいというパトリック。最後にバイバイ、と小さく手を振る印象的なところが、彼の今までの世界との別れと新しい世界への誕生を象徴しているようで、切ない。

そしていよいよアデューの日が。いつも通りに、朝11時に出勤するルグリ。まずはデフィレのリハーサル。このデフィレの部分、もう少し映してくれるかなと期待していたのだけどほんのちょっとだった。だけど、デフィレのところでルグリは思わず涙ぐむ。このシーンにはこちらも思わずほろっときた。リハーサルが終わった後、バレエ学校の小さな生徒たち、そして校長のエリザベット・プラテルが彼のところに寄って来る。憧れのスターを前に、キラキラと瞳を輝かせた子供たちからプレゼントされたのは、ルグリの学校時代の写真、そして成績表を貼ったアルバム。思わず、すぐにそのプレゼントを持って楽屋に引っ込んでしまうルグリ。

本番の準備のためにメイクをするルグリは、カメラに向かって独白を始める。彼は自分ではまったく気がついていなかったけれども、実は学校時代の成績は極めて悪かったそうだ。彼はただバレエが好きで、バレエに打ち込んで、その結果今の彼がいる…。言うのは簡単だけど、厳しい競争世界の中でひたむきに努力しても、彼ほどの高みに達することができる人は滅多にいないということにも、気がつかされる。

そしていよいよ「オネーギン」。クランコ財団の制約が厳しくて、さまざまなシーンから少しずつだけの抜粋。最後の「手紙のパ・ド・ドゥ」。タチアナが彼の手紙を破り、ここから出て行きなさいと命じられ、激しく嘆きながら部屋を出て行き、舞台袖へと駆けていくまでのルグリをカメラは追う。このわずかな抜粋だけでは、どのような舞台だったかをうかがい知ることはできない。が、クレールマリ・オスタのタチアナは、独特の険があり、夫にも愛されていない不幸な女のようで、冷淡な感じもして、オネーギンのアデューの相手としては非常に物足りないように思えた。だから、最後のタチアナの表情ではなく、舞台袖へと走っていくルグリの姿を映したのは大正解だと言える。

カーテンコールでは、ルグリの最高のパートナーの一人であったモニク・ルディエールとルグリのツーショットをカメラが捉えていたのが感動的だった。そして現役のエトワールたち、ローラン・イレールなど過去のエトワールたちも舞台に上がってきて彼とハグする。バルコン席には、シルヴィ・ギエムの姿もあった。「この日を持ってエトワールの称号を返上した」というナレーションで、ああ、彼はもう元エトワールになってしまったのだと実感する。

最後には、オペラ座を後にしながらも、今までの彼とは変わらないルグリが、リラックスした雰囲気で歩いている。エトワール引退をしても、まだまだルグリのバレエ人生は続いていくんだな、と思った。

勢いで、DVDを持っているのに、引き続き放送された「ドン・キホーテ」を最後まで観てしまった!

「眠れる森の美女」や「ロミオとジュリエット」の市販映像の抜粋の時間が多かったのがちょっともったいなかった。が、短い放送時間、権利上の制約があった中で、ルグリのエトワールとしての最後の日々を見事に凝縮していて、非常に良くできた番組だったと思う。見逃した方は、地上波NHK教育テレ「芸術劇場」での放送をぜひ!

NHK教育テレビ「芸術劇場」
9月18日 22時30分~
エトワール最後の60日 ~マニュエル・ルグリ~
バレエ「ドン・キホーテ」(ハイライト)

http://www.nhk.or.jp/art/

【楽曲情報】

バレエ「ル・パルク」から 
 振付:アンジェラン・プレルジョカージュ
マニュエル・ルグリ、オーレリ・デュポン、

バレエ「眠りの森の美女」第3幕からデジレ王子のバリエーション 
 振付:マリウス・プティパ ルドルフ・ヌレーエフ
マニュエル・ルグリ

「バレエ「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」から  
振付:マニュエル・ルグリ」
エレオノール・ゲリノー、ファビアン・レヴィヨン

「バレエ「ロミオとジュリエット」から  
振付:ルドルフ・ヌレーエフ
マニュエル・ルグリ、モニク・ルディエール、

「バレエ「眠りの森の美女」第3幕パ・ド・ドゥから 
振付:マリウス・プティパ ルドルフ・ヌレーエフ
マニュエル・ルグリ、オーレリ・デュポン、

「デ・フィレ」マニュエル・ルグリ、パリ・オペラ座バレエ団団員、

「バレエ「オネーギン」から 
 振付:ジョン・クランコ
マニュエル・ルグリ、クレール・マリ・オスタ、

「舞曲」国立リヨン管弦楽団、エマニュエル・クリヴィヌ(C)

「王宮のコンセール第3番:イ長調」
バルトルド・クイケン(TRANSVERSE FL)、
フランス・ブリュッヘン(TRANSVERSE FL)、
ユルク・シェフトライン(OB)、

「フランチェスカ・ダ・リミニ作品32:幻想曲」
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、
ワレリー・ゲルギエフ(C)、

「マ・メール・ロワ」
マリカ,イナ、モニク・アース(PF)、

「エクスタシー」ケルン・サロン・オーケストラ、

「Dancing in Retrograde」


この番組の見所をプロデューサーが紹介した番組「BS スタイル -密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生-」

http://www.youtube.com/watch?v=_vRwQWKqTLQ

2009/08/24

韓国ユニバーサルバレエの「オネーギン」 Onegin by Korea's Universal Ballet

来月(9月10日~13日)、韓国国立バレエはウラジーミル・マラーホフをゲストに迎えて、ボリス・エイフマンの「チャイコフスキー」を上演します。一方、もうひとつの韓国を代表するバレエ団であるユニバーサルバレエは、ジョン・クランコの「オネーギン」を、9月11日から20日まで、LGアーツセンターで上演するのですね。

紹介記事
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2009/08/135_50560.html

この記事によると、アジアのバレエ団で「オネーギン」を上演することを許可されたのは、中国国立バレエと、このユニバーサル・バレエだけとのことです。(中国国立バレエも、年内にフリーデマン・フォーゲルをゲストに迎えて「オネーギン」を上演します)

ユニバーサル・バレエの芸術監督ジュリア・ムーンは、17年前にクランコ財団に「オネーギン」の上演許可を求めましたが、その当時は却下されました。ユニバーサル・バレエは近年、ヨーロッパや北米ツアーを行い、欧米でも知名度が上がるとともに実力も評価され、ようやく上演許可を取り付けたとのことです。

昨年、シュツットガルト・バレエの芸術監督リード・アンダーソンが韓国を訪れ、キャスティングを行いました。ユニバーサル・バレエのダンサー男性2名、女性3名が主演として選ばれたほか、シュツットガルト・バレエの元プリンシパル、イヴァン・ジル・オルテガがゲストとしてオネーギン役を踊ります。イヴァン・ジル・オルテガのパートナーとしてタチアナを踊るのは、以前ABTに在籍していたイエナ・カンです。

クランコ財団から派遣されて振付指導を行ったジェーン・ボーンは、このように述べています。「クランコの作品は、他のバレエ団やダンサーと比較するようなものではなく、作品そのものに集中すべきものなのです」「『オネーギン』は、最初に振付を覚えてそれからドラマや演技を学ぶという作品ではありません。振付そのものがドラマなのです」 そしてジュリア・ムーンは「『オネーギン』は、踊りと演技がひとつになった作品なのです」と付け加えました。

なお、LGアーツセンターのサイトからは、ほんの少しですが「オネーギン」の映像を見ることができます。オネーギンがフィリップ・バランキエヴィチ、タチアナがマリア・アイシュヴァルト、レンスキーがアレクサンダー・ザイツェフですね。「鏡のパ・ド・ドゥ」もちょっとだけ見られます。
http://www.lgart.com/EngHome/booking/bookdetail.aspx?seq=1697


先日放送されたマニュエル・ルグリのドキュメンタリーも見ましたが(後で感想を書くと思います、多分)、やはりクランコ財団は厳しくて、実際の公演映像が使われたのはほんの少しでしたね。

****
韓国国立バレエの「チャイコススキー」とユニバーサル・バレエの「オネーギン」を紹介している英語の記事もあります。この記事には、マラーホフの客演についても書いてあります。
http://www.koreaherald.co.kr/NEWKHSITE/data/html_dir/2009/08/24/200908240011.asp

2009/08/23

ジェイソン・レイリーのシュツットガルト残留とナショナル・バレエ・オブ・カナダ

シュツットガルト・バレエのジェイソン・レイリーが、今年1月に発表されたナショナル・バレエ・オブ・カナダへの移籍を撤回したと報道されました。この件につき、カナダの新聞に彼とナショナル・バレエ・オブ・カナダの芸術監督カレン・ケインのインタビューが載っていました。(ジェイソンのリハーサル中の写真入りです)

http://www.thestar.com/entertainment/article/682325

シュツットガルト・バレエを退団する日が近づくにつれて、辛い気持ちが募ったと彼は語っています。ここで12年間を過ごしてきて、カンパニーは家族のようになっていたとのことです。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの芸術監督、カレン・ケインは彼の決断を尊重し、受け入れました。「彼はこの件についてとても悩んでいたということを感じていました。彼は謝罪したし、このカンパニーにはたくさんの優れた男性ダンサーがいるので、何とか穴は埋められます」とのことです。

ジェイソンは現在、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのオタワでの「眠れる森の美女」のリハーサルのため、トロントに滞在中です。移籍は撤回されましたが、来月のこの作品の公演にはゲストという形で出演し、11月のトロントでの「眠れる森の美女」の公演にも出演します。

カレン・ケインは、「彼が将来またここにゲスト出演するという可能性はあるわ。ジェイソンとは長い関係を保つことができることを期待しています」と語りました。彼はクランコ版の「ロミオとジュリエット」でナショナル・バレエ・オブ・カナダにゲスト出演した時には、絶賛を浴びました。彼は舞台上で強い存在感があり、生き生きとした若さと生の歓びを表現して、とても観客をわくわくさせたとのことです。

ジェイソンもまた、同カンパニーに客演する機会が今後もあることを期待しているとのことです。

一方、ケインは、カンパニーの男性ダンサーについては自信を持っているそうです。「私たちのカンパニーには、素晴らしい男性ダンサーが揃っています。みんな健康でいてくれる限りは」
ナショナル・バレエ・オブ・カナダは、不況による赤字に苦しんでおり、カンパニーはそれを解消すべく、来シーズンは今まで以上に頑張るとのことです。

2009/08/22

マライン・ラドメーカー「Peer Gynt」DVDがAmazon.ukでも/「幻想 白鳥の湖のように」再発売/ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」タマラ・ロホ

Facebookで知ったのですが、マライン・ラドメーカー主演のチューリッヒ・バレエ「Peer Gynt」のDVDは、Amazon.frだけでなくAmazon.ukからも予約ができます。日本への送料を見ると、Amazon.ukの方が安いようですね。9月21日発売予定です。リージョン2のPALフォーマットのようです。これは本当に楽しみです♪ジャケットも麗しいですね。

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NTSC盤も出るようです(リージョン1)。
http://www.arkivmusic.com/classical/album.jsp?album_id=259862&album_group=1

マリインは、9月19日、20日にドイツ・ドルトムントで行われるガラinternationale ballettgala xに出演するとのことです。
http://www.theaterdo.de/event.php?evt_id=884&sid=9dd6b039319862cacb7e50ab3aae039d

出演は他にアリーナ・コジョカルとヨハン・コボー、スティーヴン・マックレーとロベルタ・マルケス、ルシア・ラカッラとシリル・ピエール、中村祥子さんの予定だそうです。演目は不明。

*******

Amazon.ukを見ていたら、ハンブルク・バレエの「幻想 白鳥の湖のように」(ノイマイヤー振付)が再発売されていたんですね。以前の盤はAmazon.deと Amazon.frでしか買えなかったので、送料が安くてポンド安の今、PALを観られる方だったら良いのではないでしょうか。(ジャケットでは、リージョン0って明記されていますね)

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もうひとつ、日本でもセンセーションを引き起こした、「アクロバティック 白鳥の湖」もとっくにDVD化されていたんですね。以前WOWOWで放映されたものと同じかどうかは不明です。これもリージョン2のPALのようです。

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肝心なものを紹介し忘れていました。ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」(タマラ・ロホとカルロス・アコスタ主演)です。

これは日本のアマゾンで予約できます。BBCで放映されたのを観たのですが、タマラのジュリエットがとても素晴らしかったし、アコスタのロミオも、デ・グリューよりはずっとキャラクターに合っていて素敵でした。放映された時には、リハーサル映像もあり、ジョナサン・コープがナビゲーターとして解説をしていたのですが、DVDの方にはそれは入っているのかしら?おそらく来年のロイヤルの来日公演の「ロミオとジュリエット」ではタマラはジュリエットを踊るでしょうね!ティボルトがティアゴ・ソアレス、ベンヴォーリオが佐々木陽平さん、マンドリン・ダンスがスティーヴン・マックレーと出演者も豪華です。

HMVによると、リージョンALLとのことです。(HMVではすでに発売中です)

ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」(HMV)
icon

Juliet - Tamara Rojo
Romeo - Carlos Acosta
Mercutio - José Martín
Tybalt - Thiago Soares
Benvolio - Yohei Sasaki
Paris - David Pickering
Lord Capulet - Christopher Saunders
Lady Capulet - Elizabeth McGorian
Escalus - Gary Avis
Rosaline - Christina Arestis
Nurse - Sandra Conley
Friar Laurence - Alastair Marriott
Lord Montague - Alastair Marriott
Lady Montague - Francesca Filpi
Harlots - Laura Morera, Isabel McMeekan, Sian Murphy
Mandolin Dance - Steven McRae

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バーミンガム・ロイヤル・バレエのツァオ・チー主演「Mao's Last Dancer」と新国立劇場「カルミナ・ブラーナDavid Bintley´s Carmina Burana」キャスト

以前にもご紹介しましたが、ベストセラー小説を映画化した「Mao's Last Dancer」の予告編がアップされました。プリンシパルのツァオ・チーが主演したこの作品、バーミンガム・ロイヤル・バレエのオフィシャルサイトでも紹介されていました。

http://www.brb.org.uk/MLD-Trailer.html

予告編自体はYouTubeにあります。

ヒューストン・バレエの元プリンシパルで、中国から亡命後にはオーストラリア・バレエに移籍したLi Cunxin(李存信)の自伝を元にしたこの映画。ワールドプレミアは9月10日のトロント映画祭で、公開はオーストラリアが10月1日というのは決まっていますが、英国や全米、そして日本公開はまだ決まっていないようです。

オフィシャルサイトもできていました。
http://www.maoslastdancermovie.com/

予告編を見ると、「ドン・キホーテ」やグレアム・マーフィ版の「白鳥の湖」のシーンが登場しているなど、バレエシーンもかなりあるような雰囲気です。カイル・マクナクランや、「センターステージ」のヒロインだったアマンダ・シュルも出演しています。カイル・マクナクランがすっかり老けていてちょっとショックです。

原作は、徳間書店から邦訳が出る予定です。「毛沢東のバレエダンサー 」というタイトルで、8月27日発売です。面白そうなので、ぜひ読んでみたいと思います。邦訳が出るということは、日本公開も期待できるかもしれませんね。

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****
バーミンガム・ロイヤル・バレエつながりで、デヴィッド・ビントレー振付の新国立劇場「カルミナ・ブラーナ」のキャストが会報誌「ジ・アトレ」とオフィシャルサイトに載っていました。

David Bintley´s Carmina Burana

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000205_2_ballet.html#cast

【フォルトゥナ】
ゲストダンサー(5月1・3日)
湯川麻美子(5月2(マチネ)・4日)
小野絢子(5月2(ソワレ)・5日)

【神学生1】
グリゴリー・バリノフ(5月1・3日)
吉本泰久(5月2(マチネ)・4日)
福岡雄大(5月2(ソワレ)・5日)

【神学生2】
八幡顕光(5月1・3日)
福田圭吾(5月2(マチネ)・4日)
古川和則(5月2(ソワレ)・5日)

【神学生3】
ゲスト(5月1・3日)
芳賀 望(5月2(マチネ)・4日)
山本隆之(5月2(ソワレ)・5日)

【恋する女】
さいとう美帆(5月1・3日)
高橋有里(5月2(マチネ)・4日)
伊東真央(5月2(ソワレ)・5日)

【ローストスワン】
本島美和(5月1・3日)
寺島まゆみ(5月2(マチネ)・4日)
川村真樹(5月2(ソワレ)・5日)

ゲストはまだ誰が来るのか未定なんですね。前回上演した時にゲスト出演したイアン・マッケイとシルヴィア・ヒメネスはバーミンガム・ロイヤルを退団しているし。(現在コレーラ・バレエに所属しているマッケイは、BRBの「シラノ」にゲスト出演するそうです)
長身で威圧的な印象の運命の女神、フォルトゥナに小野絢子さんが出るのはとても以外ですが、どんな風に踊ってくれるのかが楽しみです。神学生2に古川和則さんが抜擢されていますが、新国立劇場に移籍して以来、一番大きい役なのではないでしょうか?これも楽しみですね。

2009/08/21

8/19 小林紀子バレエシアター「レ・ランデヴーLes Rendezvous The Invitation エリート・シンコペーションズElite Syncopations」

小林紀子バレエ・シアター第94回公演
 (ケネス・マクミラン生誕80周年記念)
 レ・ランデヴー/The Invitation/エリート・シンコペーションズ
2009年8月19日(水)19時開演
ゆうぽうとホール
ステイジド・バイ ジュリー・リンコン

マクミランやアシュトン作品など個性的な英国作品を上演することが多い小林紀子バレエシアター。今回の公演は、マクミラン生誕80周年も記念しており、3作品とも再演ではあるけど他のカンパニーでは滅多に観られない貴重な上演だった。

全出演者など、詳細なデータは「大和雅美さんを応援しよう!」masamiFCブログで紹介されているので、ぜひそちらもご覧いただければ。(それぞれの作品の背景なども解説してくれていて、その素晴らしいリサーチ能力には舌を巻いてしまいます)
http://blog.livedoor.jp/masamifc/archives/947192.html

マクミランの「The Invitation」は前回の上演でも観ていたのだけど、人間の暗黒面を赤裸々に描いた衝撃的な作品で、島添亮子さんの痛ましいほどの大熱演もずしりと心に残った。しかも今回は、少女をレイプしてしまう夫役を、ロバート・テューズリーが演じるというから見逃せないと思っていたのだ。

レ・ランデヴー Les Rendezvous

振付 フレデリック・アシュトンFrederick Ashton
作曲 ダニエル・オーベール
美術 ウイリアム・チャペル

プリンシパル・ガール:小野絢子
プリンシパル・ボーイ:中村誠
パ・ド・カトル  難波美保/宮澤芽実/志村美江子
          秦 信世/瀬戸桃子(交替出演)
パ・ド・トロワ 真野琴絵 佐々木淳史 八幡顕光
パ・ド・シス:中尾充宏/佐藤禎徳/澤田展生
       冨川直樹/土方一生/アンダーシュ・ハンマル

お屋敷の白い門の前の広場に、6組の男女が集まって踊る。どうやら屋敷ではパーティがこれから催されるようだ。6人の女性ダンサーは、白にピンクの縁取りがしてある可愛いふわっとしたドレスを着ている。そこへ、7組目の男女が登場して、友人たちの間を縫って軽やかに踊る。小野絢子さんの可憐さと美しい動き、音楽性の豊かさに目を奪われた。天性の舞踊センスを持っているように思える。中村誠さんも、しなやかな動きで際立っている。アシュトン特有の細かくて複雑なステップも、軽々と踊ってくれる。それから白いドレスの4人によるパ・ド・カトルがあったり、小柄だけどテクニックに優れた3人によるパ・ド・トロワがあり、華麗なプリンシパルのソロが挿入されたり。パーティの浮き浮きした気持ちを感じさせる作品で、最後には、6組プラス主役1組のカップルがそれぞれ去っていく。舞台にはパ・ド・カトルの4人の女性たちが残されるけど、彼女たちは「お楽しみはこれからよ」と楽しげな様子で幕が下りるので、楽しい余韻が残る。

The Invitation

振付 ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan
作曲 マティアス・セイバー
美術 ニコラス・ジョージアディス

少女 :島添亮子
少年 :後藤和雄
母 :大森結城
姉妹 :小野絢子・萱嶋みゆき
家庭教師 :楠元郁子
妻 :大和雅美
夫 :ロバート・テューズリー
雌鳥を争う2羽の雄鳥:高畑きずな 冨川祐樹/冨川直樹

前回の上演では、問題のシーンと島添さんの演技があまりに衝撃的で、それ以外の細部をあまり覚えていなかったのだけど、今回のキャストは、夫役のロバート・テューズリー以外は前回とほぼ同じ。このバレエ団の人たちは、演技が達者だなと改めて感じた。

お互いを意識し始めた少年と少女。周囲の子供たちもお年頃で、うわさのカップルになり始めた彼らをからかったり、ヌードの彫刻に関心を示したりと、性に目覚め始めるころ。だが周囲の大人たちは厳格で抑圧的だ。そこへ、一組の倦怠期の夫婦が現れる。宴の夜、「妻」は少年を誘惑し、一方、少女はいつしか男性を惹きつけるような魅力を放ち始める。無意識に「夫」を挑発したところ、夫は少女の魅力についに抗いきれなくなり、事件が起きる。

島添さんの演技は凄惨、壮絶と言えるほど凄かった。無邪気な少女が、少しずつ異性を意識し始めるとともに、自分の女としての魅力にも気がつき始める。同年代の男の子に物足りなさを感じてきて、ちょっと背伸びしてみたい年頃。知らず知らずに大人の男性を挑発してしまい、自分の身に危険が迫ったところで怯えても、もう遅い。彼女が「夫」にレイプされるところは、あまりの生々しい演技に直視するのも辛く、胸が痛くなる。さっきまではあんなに幼くて、そして魅惑的だった少女が、行為の後では、ぼろきれのように横たわり、心身ともに深く傷を負った様子を見せている。自分の行ったことの罪深さに気がつき、「夫」が許しを請いても、彼女は怯えるばかり。そして少年が、再び彼女の元に駆け寄っても、彼女はもう全ての男性に恐怖を感じるようになって、彼を拒絶してしまう。演じる側としても、とても辛い役だと思う。

「夫」役のロバート・テューズリーは、英国紳士的なスーツに身を包み、口ひげも良く似合って、少女から見ても素敵な大人の男性に見えたというのが良くわかる。この役は、自身が踊る場面は少ないのがちょっともったいないのだけど、テューズリーの演技者としての成熟と、マクミラン作品ならではの複雑で時にアクロバティックなリフトをこなすサポート技術はたっぷり見ることができる。

以前パトリック・アルモンがこの役を踊ったのを見たときには、悪いおじさんという感じだったのに、ロバートが演じる「夫」は、そんな感じは全然受けない。善良な紳士なのに、自分の中の弱さや煩悩に負けて、つい少女の挑発に反応し、取り返しのつかないことをしてしまった弱い人間に見えた。大きな間違いを犯したことに気がついた彼は、少女に取りすがって謝罪しようとする。そのなりふりかまわぬ哀れな姿は、あの超2枚目紳士の「夫」とはもはや別の姿だった。

この作品については、賛否両論が出てくるだろう。レイプシーンの描写はかなり露骨な上、思春期の少女を力づくで犯してしまう中年の男性を描いている。しかも、「夫」役は悪い人間ではなく、少女が無意識に発していた色香にのぼせ上がって間違いを犯してしまったという解釈ができるからだ。いわく、誘惑した少女が悪いと。

でも、マクミランは、そんな単純な見方をさせようとしているのではないと思う。善良な人間でも、ふと誘惑に負けてしまって恐ろしいことをしてしまうことがあるということ。一番の犠牲者は、恋をしていた少年を汚らわしい存在のように強く拒絶し、生涯癒えないだろう傷を抱えることになった少女であるということが、ここでは描かれている。女性が犯罪の被害に遭うと、それは挑発的な服装をしていたのが悪いとか、相手に気を持たせたのが悪いと被害者なのに糾弾されるというのは今の時代にも良くあることだ。だが、マクミランは、この作品の痛ましいラストの描写で、性的被害をそのように女性側の責に帰することを強く批判しているように思える。

他の出演者で素晴らしかったのは、「妻」役の大和雅美さん。新国立劇場では群舞のリーダーを務めたり、着実な技術で存在感があるし、舞台上で見かけるとホッとさせてくれるダンサー。だが、ここではエキセントリックな役を、ものすごい演技力で演じたのに驚いた。新国立では、演技力を要求するような作品は少なくてもったいない。彼女が演じる妻は、夫の愛を求めているのに得られず、満たされない想いから、ドロドロした情念がふつふつと沸いてきてしまい、いつしか少年を誘惑してしまう。深いスリットのスカートから脚を高々と上げたり、脚を夫に絡ませたり、少年に全身を使って迫る様子は実に雄弁で、彼女の孤独、寂しさ、夫に対する愛憎、そして欲望を身体で表現していた。女の業の怖さと哀れさが強く伝わってきて、作品に深みを与えていた。

後藤さんの少年も、良い演技を見せていた。長身でスマートな彼が、ちゃんと年若く初心な少年に見えていたし、とても純粋なのに、「妻」の誘惑に抗いきれずについ彼女の胸に頭を埋めてしまうまでの心の動きも伝わってきた。後藤さんはちょっと色気があるダンサーなので、そういう演技がとても説得力があるのだ。そして、男性というのは大人でも子供でも、いつでも女性より鈍感なんだなって思わせてくれたラスト。「ザ・レイクス・プログレス」のロープに取り憑かれた男といい、この作品の「少年」といい、後藤さんは演技力を必要とする役をどんどんものにしていって、これからも見逃せないダンサーだと思った。

冨川祐樹さんと直樹さんの兄弟、そして高畑きずなさんの3人によって踊られた華麗な「雌鳥を争う2羽の雄鳥」の踊りもダイナミックで、作品の良いアクセントになっていた。

主要な登場人物が皆不幸になるという、大変後味の悪い作品ではあるけれども、脇役にいたるまでしっかりとした役作りを行っていて、見ごたえたっぷりの上演だった。マクミラン作品の上演は、日本ではいまやこのバレエ団しか行っていないけれども、レパートリーとして大切にして欲しいと思った。


エリート・シンコペーションズ Elite Syncopations

振付 ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan
作曲 スコット・ジョブリン
衣装 イアン・スパーリング

Bethena - a Concert Waltz 高橋怜子 冨川祐樹
The Cascades 高畑きずな/萱嶋みゆき/楠元郁子
Hot House Rag 中尾充宏/中村誠/冨川直樹/佐々木淳史
Friday Night 冨川直樹
Calliope Rag 高畑きずな
The Golden Hours 萱嶋みゆき/中尾充宏
The Alaskan Rag 楠元郁子 佐々木淳史

大森結城
難波美保
宮澤芽実
八幡顕光

同じマクミラン作品でも、打って変わって明るく楽しい作品。舞台の奥に設置されたラグタイム楽団の演奏に乗って繰り広げられる一夜の宴。この日はちょっと乗りが悪かったようで、踊りが丁寧なんだけど音楽とちょっとちぐはぐなところが見受けられた。でも、この作品の中心カップルである高橋怜子さんと冨川祐樹さんは、すごく良かった。この作品の衣装って、カラフルな全身タイツ系で、日本人が着るときつそうな感じなのだけど(何しろ、スタイル抜群で長身のダーシー・バッセルの印象が強い)、小柄ながらもプロポーションのいい高橋さんは見事に着こなしていた。冨川さんも、独特の目線の強さとちょい悪オーラがこの役柄に似合っていて、求心力があった。

中村誠さんの衣装が、ちょっと見上半身は裸にサスペンダー?って思えるもので、妖しい彼の雰囲気に合っていた。この作品でもしなやかなこと!いつもながら張り切っている中尾さんも頼もしい。あとは全体的にもっとスイングした感じが出ればなあ。初演の時の方がなんかノリノリだった気が。でも、超後味が悪く重い作品の後に、こういう楽しげな作品が上演されるのは良い。また見たいなあ。

2009/08/20

8/16 インターナショナルダンスカンパニー 夏休み親子芸術劇場「ジゼル」他

エヴァ・エフドキモワ追悼公演
インターナショナルダンスカンパニー 「夏休み親子芸術劇場」
めぐろパーシモンホール
特別講師:ドミニク・カルフーニ

「ナポリ」よりパ・ド・シス
長澤美絵(ドネツク劇場) ヤロスラフ・サレンコ(NBAバレエ団) 中村優 中村憲哉
祢津聡身 村谷侑香 佐川えりか 上田舞香 藤原加奈子 
                     
「眠れる森の美女」第3幕よりアダージオ
須原千恵 ニコライ・ヴィユウジャーニン(K-Ballet Company)

「チャイコフスキー パドドゥ」
阿部麻依子 シェイ・ジョンソン(メトロポリタン・クラシカル・バレエ) 

「エスメラルダ」 
中村優 アレクサンドル・ブーベル(元K-Ballet Company)       

「海賊」 玉井るい(ウィーン国立バレエ) ドゥ・ハイ(元K-Ballet Company)                     

「ジゼル」全2幕                            
ジゼル 菅野茉里奈(ベルリン国立バレエ)                         
アルブレヒト ライナー・クレンシュテッター(ベルリン国立バレエソリスト)            
ヒラリオン:ニコライ・ヴィユウジャーニン(K-Ballet)               
ペザント・パドドウ 長澤美絵(ドネツク劇場) ヤロスラフ・サレンコ(NBAバレエ団)         
ベルタ タチアナ・コズロワ     
ウィルフリード:アレクサンドル・ブーベル                  
クーランド候 マクシム・グージェレフ                
ミルタ 柴田有紀(元新国立劇場、K-Ballet Company)                            
ドウ・ウィリ 桜堂詩乃 山本佳奈                  
                           
ウイリ達
玉井るい 安部麻依子 長澤美絵 須原千恵 小倉彩加 中村優 他

http://www.internationaldance.com/kouen.html

日曜日に、都立大学のめぐろパーシモンまで、上記公演を観に行ってきました。「ジゼル」全幕だけでなく、その前にパ・ド・ドゥ集があったのでけっこう長時間で疲れました。しかし、ご覧の通り出演者はなかなか豪華で、見ごたえはたっぷりありました。「ジゼル」の指導はドミニク・カルフーニが行ったとのことです。

公演の前に、このスクールでも特別講師を行っていたエヴァ・エフドキモワの生前、指導する様子の映像が流れました。2006年の映像ということですが、とても美しく元気そうで、2年後には亡くなられてしまうなんて想像もつかないほどです。人間の生とは儚いものですね。


最初のパ・ド・ドゥ集もなかなか見ごたえがあった。「エスメラルダ」の中村優さんが、テクニックが強くて良かったと思う。「ナポリ」は妹ヤーナに負けじと?ヤロスラフ・サレンコが頑張っていた。やっぱりアレクサンドル・ブーベルもめちゃめちゃ上手い。彼ははいつもきれいな5番に降りられる人たち。ただ、めぐろパーシモンの床が硬いらしく、誰がということではなく全体的に足音が大きかったのが残念。

「ジゼル」は、ベルリン国立バレエから、2004年の「マラーホフの贈り物」にも出演したライナー・クレンシュテッターがゲスト。ほっそりと華奢で繊細な雰囲気が貴公子的だし、脚のラインも綺麗で素敵なダンサー。マラーホフのお気に入りだっただけに、彼のアルブレヒトは演技も踊りの雰囲気もマラーホフに実に良く似ている。1幕では純粋にジゼルに恋をしていて、ジゼルが死んだ時には我を忘れて慟哭していた。とても背中が柔らかく、ジゼルの墓に百合の花を捧げて横たわる姿がとても耽美的だった。ミルタに踊らされるところのソロは、ブリゼの連続で踊っていて、とても美しかった。最後まで熱烈にジゼルを愛していたアルブレヒトで、ジゼルが消えた後は、百合を撒き散らし、麗しく横たわって、まるでその地面がジゼル自身であるかのように、地面を抱きしめていた。すごく素敵なアルブレヒトなのだけど、そこかしこにマラーホフの幻影を観るようで、マラーホフはこれから「ジゼル」の全幕を踊ることはあるのだろうかと考え込んでしまった。彼の薫陶を受けた若いダンサーが、繊細でちょっとナルシスティックで、純愛に身を捧げたアルブレヒトを伝えてくれていることは嬉しいのだけど。

ジゼル役の菅野茉里奈さんは、プロポーションに恵まれて、華やかな容姿の持ち主。テクニックもしっかりしている。ただ、その華やかさがちょっと仇となって、1幕ではあまり村娘に見えない。ジゼルの1幕って、本当に演じるのが難しい役なんだとしみじみ思った。全幕でジゼルは初めてだと思うので、これからに期待したい。
2幕の方は、非常に健闘していたと思う。身体のラインが美しく、技術的には文句のつけようがないし、ウィリとなったジゼルの霊的な浮遊感と、強い想いは十分伝わってきていた。朝を告げる鐘が鳴り、アルブレヒトが救われたことがわかった時の安堵の表情に、強さと哀しみが同居していて感動を呼んでくれたと思う。このあたりは、カルフーニの指導の賜物かしら。菅野さんは、ベルリン国立バレエの最新DVD「カラヴァッジオ」でも、Seven Couplesの一人として出演しているし、これから先がとても楽しみ。

ミルタの柴田有紀さんは、とても威厳があって、ただ怖いだけのミルタではなく、哀しみも秘めた存在としてのふくらみがあって素晴らしかった。ヒラリオン役のニコライ・ヴィユウジャーニンも、粗野な中に純情さが見えていて、はまっていたと思う。(K-Balletでヒラリオンを踊っていたと思っていたけどまだだったのね。新作「ロミオとジュリエット」では、ティボルト役を踊る予定)

1幕はやはりペザント・パ・ド・ドゥのサレンコと長澤美絵さんがとてもよかった。サレンコのテクニックが素晴らしいのは言うまでもない。長澤さんは、上半身の動きがとにかく美しくてふんわりとしていて、ワガノワスタイルを体現。小柄なのに踊りは大きいし、何よりめちゃめちゃ可愛い。彼女は2幕でもウィリの一人となっていたけど、身体の引き上げ方からポール・ド・ブラ、アラベスクまで一人別格といっていいほど美しかった。群舞の一人なのに、美しさで際立っている感じだった。彼女もまだとても若いし、すごく期待が持てるバレリーナだ。

特に2幕は立派な上演だったと思う。ジゼルを当たり役にしていたエヴァ・エフドキモワの映像を発掘して再見しなくては。

2009/08/19

吉田都さんのスーパーバレエレッスン Miyako Yoshida in Super Ballet Lesson

うちはマイナーな毎日新聞を購読しているのですが、8月15日の「くらしナビ」のページに、吉田都さんが指導する「スーパーバレエレッスン」についての記事が載っていました。(紙面のほうは、写真入り)

http://mainichi.jp/life/food/news/20090815ddm013070129000c.html

都さんが牧阿佐美バレエ団の茂田絵美子さんを指導している様子が紹介されています。

 「日本人は目を伏せがちですが、それではキトリに見えません。役の性格を表現するのに、目線や肩・ひじの角度など、微妙な加減が重要になります」と吉田さん。同じステップを2度踏む場面では、リズムを均等に刻んだ茂田さんに、強弱をつけるよう指示が出た。なるほど、わずかなアクセントで、弾むような気性が伝わる。

なるほど、この間の世界バレエフェスティバルで、何人ものバレリーナがキトリを踊りましたが、みんなこの部分を意識して踊っていたんだと実感します。ちょっとしたことで、キャラクターを表現できるのですね。

番組のプロデューサーは、「吉田さんの指導で魔法のように変ぼうしていく生徒さんの踊りに注目してほしい」と語っています。ロンドンで収録された、吉田さんの模範演技もあるとのことで、楽しみですね!

「スーパーバレエレッスン~ロイヤル・バレエ 吉田都に学ぶ名作~」は8月28日から毎週金曜正午、NHK教育テレビで放送予定。全14回。

テキストは8月25日に発売予定のようです。

NHKスーパーバレーレッスン/ロイヤル・バレエの精華吉田都 (NHKシリーズ)NHKスーパーバレーレッスン/ロイヤル・バレエの精華吉田都 (NHKシリーズ)
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また、都さんは、ミキモトの文化講座「ミキモトアカデミー」で、「バレリーナとして、世界のトップであり続けること」をテーマに異文化で表現することの難しさや健康管理などについて講演するとのことです。10月19日午後2時~3時30分。定員は60人で、受講料は5250円。
問い合わせは事務局のフリーダイヤル(0120・461176)で午前10時~午後6時(土日休日を除く)

http://mainichi.jp/enta/photo/news/20090810mog00m200035000c.html

2009/08/18

International Ballet Star Gala in Taipei とパロマ・ヘレーラのガラ、アシュレイ・ボーダー

今週末、8月22日に台北でInternational Ballet Star Gala in Taipeiというガラが開催されます。

http://www.balletstargala.com/en_2009.performance.html

出演者と演目は、

1. パリの炎  アシュレイ・ボーダー/ダニール・シムキン
2. ジゼル  竹島由美子/ラファエル・クムス=マルケット
3. 白鳥の湖 第2幕よりアダージョ  ダリア・クリメントワ(ENB) /フリーデマン・フォーゲル
4. カジミールの色  エリサ・カミロ=カバレラ/ミハエル・カニスキン(ベルリン国立バレエ)
5. プロコフィエフ PDD  Bridgett Zehr/ズデネク・コンヴァリーナ
6. 椿姫  イザベル・シアラヴォラ/アレクサンドル・リアブコ
7. チャイコフスキーパ・ド・ドゥ  ソフィアン・シルヴ(サンフランシスコ・バレエ)/サイモン・バール(ヒューストン・バレエ)

1 .マノン  ダリア・クリメントワ/フリーデマン・フォーゲル
2. グレイ・エリア  竹島由美子/ラファエル・クムス=マルケット
3.マーラー交響曲第3番  イザベル・シアラヴォラ/アレクサンドル・リアブコ
4. コッペリアPDD  Bridgett Zehr/ズデネク・コンヴァリーナ
5. インザミドル・サムホワット・エレヴェイテッド  ソフィアン・シルヴ/サイモン・バール
6. 海賊  アシュレイ・ボーダー/ダニール・シムキン
7. ザ・.グラン・パ・ド・ドゥ  エリサ・カミロ=カバレラ/ミハエル・カニスキン

ダニール・シムキン、ズデネク・コンヴァリーナ、フリーデマン・フォーゲルは世界バレエフェスティバルから台北に直行したようですね。このガラのオフィシャルFacebookに彼らや、アシュレイ・ボーダーが空港に到着した写真が載っていました。

*********

ところで、このフェスティバルのFqcebookを見ていたら、こんなガラの予定がありました。

シンガポールのEsplanade Theaterで、10月26日(月)、27日(火)に「An Evening with Paloma Herrera」という公演が開催されるのです。

http://www.esplanade.com/whats_on/programme_info/an_evening_with_paloma_herrera/index.jsp

出演は、パロマ・へレーラのほか、マルセロ・ゴメス(ABT)、ヤンヤン・タンとTiit Helimets (サンフランシスコ・バレエ)、ヤーナ・サレンコとマリアン・ワルター (ベルリン国立バレエ), 上野水香(東京バレエ団)、アシュレイ・ボーダー (NYCB)が予定されているそうです。

愛するマルセロがシンガポールに出るなら見に行きたい!!ですが、思いっきり平日のうえ、10月は某国に行く予定もあるので無理ですね。それにしても、上野さんは誰と踊るのでしょうか?


*******

両方のガラに出演するアシュレイ・ボーダーですが、NYCBのBunkamuraのサイトに、彼女のインタビュー動画がアップされています。先日のゴールデン・バレエ・コースターで来日した時に習得されたものですが、彼女は大きな目をキラキラさせて、お茶目な表情を見せてくれています。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/09_nycb/index.html

インタビューの内容も、バランシンを踊るのにどのようなトレーニングをするのか、とか、ピーター・マーティンスがどのように作品を作り上げていくのかといった話で、とても面白いです。NYCBでは、バーレッスンもポアントで行うし、古典バレエとは違ったテクニックを使うために、トレーニングもかなり異なっているのですね。さらに、子供たちにバレエに触れる機会を作るために、いろいろな試みをしているとのことです。子供たちを実際に小さな舞台に上げて、「白鳥の湖」や「火の鳥」などを踊ってもらうなんてこともやっているそうです。

8/15 世界バレエフェスティバル特別プロ 「眠れる森の美女」 World Ballet Festival Sleeping Beauty Cojocaru & Kobborg

第12回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ
マラーホフ版「眠れる森の美女」

http://www.nbs.or.jp/stages/0908_wbf-special/sleeping.html

オマージュ・ア・ベジャールを観ないため、私のバレエフェスはこれにて終了。ホワイエにはダンサーの写真は飾ってあるものの、Tシャツなどのグッズも売り切れているし、ちょっと寂しい気分。あっというまに終わってしまいました。

マラーホフ版の「眠れる森の美女」は、東京バレエ団の初演を観たのだけど、電車の人身事故で遅刻したら1幕終了まで中に入れてもらえなくて、この作品って休憩が1回しかないから半分見逃してしまった。今年1月の公演は見に行かなかったので、最初から通して観るのは今回が初めて。

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しかも、去年のロイヤル・バレエの来日公演「眠れる森の美女」でアリーナ・コジョカルが出演する予定が、怪我でキャンセルしたということもあって、二重の意味でのリベンジだった。ようやくアリーナも怪我から復活し、バレエフェスのA,Bプロ、ガラでは素晴らしい踊りを魅せてくれていたので、楽しみだった。

そして期待は裏切られなかった。

マラーホフ版といえばなんといっても、紫、ピンク、グリーンと独特の悪趣味スレスレの色彩感覚の衣装が特徴的。ところが、オーロラの衣装だけは、とても清楚でシンプルなのだ。この衣装が可憐なアリーナに良く似合う。前回、1幕を見逃したため、オーロラが登場するシーンの衣装がどんなものか知らなかったのだけど、軽やかに駆け込んできたアリーナは、白にオレンジ色の花柄のチュチュで登場。これが本当に愛らしい。3幕でのブルーの小花柄のチュチュも涼やかでぴったり。ゴテゴテとした色彩の洪水の中で、アリーナは清らかな風のようだった。

アリーナは東京バレエ団のダンサーに混じっても紛れそうなくらい小柄なのだけど、とびきり顔が小さく、手脚が長く、さらに伸びやかで美しい動きによって、輝くばかりの存在感があった。衣装は質素でも、彼女自身がダイヤモンドのように光を放っていた。終演後に友達とも話していたのだけど、怪我での長期休業を経て、アリーナは一回り成長し、表現がかなり変わったと思う。以前ほどテクニックや身体能力は誇示せず、純粋な美しさを見せていくようになったと。そして表現が研ぎ澄まされ、大人になったと。

1幕の登場では軽やかで余裕たっぷり、音楽を奏でるように難しいパをなんでもないことのように舞ったアリーナ。元気いっぱいというよりは、おしとやかなイメージ。ローズ・アダージオでは、無理して長いバランスをとるようなことは一切しなくて、でも王子たちの手を取るときにはゆったりと手を動かして、しっかりと王子一人一人の目を見ていて、自然で優雅だった。だから、いつもローズ・アダージオを観る時の緊張感とはまったく無縁でいられた。のびのびと育ち、おっとりとして愛らしい姫そのものだった。王子たちからもらった薔薇の花も、投げるのではなくて、きちんと地面に置いていて、育ちのよさを感じさせた。

2幕の幻影シーンでは、オーロラは少ししか踊らないけど、夢の中の美しい幻のように、儚くちょっと切なげで、王子の想いを鏡のように映していたと思う。

3幕のグラン・パ・ド・ドゥも正統派。見つめあうオーロラと王子から漂う圧倒的な幸福感。アリーナは、力がまったく入っていないかのようにふんわりと、清潔感漂う気品を漂わせながら踊る。そんな中でも、さりげなく4、5回転くらいサポートつきピルエットを回っているのだけど、やり過ぎ感がない。オーロラはあくまでもお姫様なのだから、初々しくて可憐で、しかも優雅じゃないといけないのだけど、アリーナはまさに御伽噺から抜け出たお姫様だった。

アダージオの三つのフィッシュダイブは、これ以上タイミングが合うことはあり得ないと思えるほどスムーズで綺麗に決まった。指先から音符が零れ落ちるような、歌うようなアリーナのヴァリエーション。コーダでオーロラがちょこっと上半身を左側に倒す姿も可愛い。アティチュードでオーロラが音にぴたりと止まるのも、ゆるやかに止まっていて心地よい。もちろん、愛情あふれる王子コボーのサポートが幸福感を増幅させているのは言うまでもない。
幸せを絵に描いたようなアポテオーズにカラボスが乱入し、一瞬場内は凍りつき照明は暗転するが、リラの精が追い払い、再び永遠に続くような栄華を湛えて幕が降りる。

アリーナ、おかえりなさい、待っていたよと満員の場内が祝福しているようだった。

さて、パートナーのヨハン・コボーは、グリーンとパープルの奇抜な色使いの衣装がなぜかびっくりするほど似合っていた。彼は正統派王子ではなくて、一癖もふた癖もある雰囲気をまとっているから、この個性的なコスチュームに負けないで、さらっと着こなせるのだろう。そんな彼ではあるけど、オーロラへ向ける愛情には一点の曇りもなく、大人の包容力を感じさせて暖かい。王子は大切な姫を優しく扱い、彼女が可愛くてたまらない様子。だがあくまでも彼はジェントルマンだった。踊りのほうも絶好調のようで、特にヴァリエーションのカブリオールの足先がきれいなのは、さすがブルノンヴィルダンサーだけのことはある。

年齢差カップルのアリーナとヨハン。ヨハンは自分が引退した後、誰が彼女の相手を務めるのか心配しているとのこと。だが、まだまだ二人の幸せな物語は舞台上でも続いていきそうだ。

*******
マラーホフ版の「眠れる森の美女」は、薔薇が咲き乱れる庭をイメージしたセット。オーロラが生まれた時に祝福する妖精たちは、繭のようなカプセルから登場して踊る。妖精たちの衣装はブラウスのようで、肩がいかり気味、そして普通のチュチュの1.5倍はありそうなボリュームたっぷりのチュチュというデザインなので、とても踊りにくそうだし、日本人が着ると、衣装が歩いているみたいになってしまう。妖精たちの中では高村さんが良かった(ほかの妖精役は、乾さん以外はちょっと弱い)。リラの精の田中さんは、リラらしい存在感や強さ、包容力が足りなくて淡白で、非常に物足りない。また妖精たちの派手な衣装と比較すると、4人の王子の衣装はとっても地味だ。(その中でやはりトウの立った木村王子のサポートが素晴らしい)

カラボスは高岸さん。もっと大げさでかぶいた感じの演技をしてくれるかと期待していたら、案外地味だった。このマラーホフ版「眠れる森の美女」はマリシア・ハイデ版をちょっと意識した演出になっていて、ハイデ版ほどではないにしても、もうちょっとカラボスに強烈さがないと面白くない。

宝石たちは、ダイヤモンドとルビーはソロがあって、サファイヤとエメラルドはペアで踊る。西村さんのダイヤモンドは本当にキラキラしていて威厳もあって素敵だった。世界バレエフェスティバルの全幕プロで、これが西村さんの唯一のソリストの役柄と考えると本当にもったいない(以下、愚痴が続くので略)。

シンデレラの渡辺さんは控えめながらも愛らしく、脚がすごく綺麗。王子の柄本弾さんもちょっと甘い雰囲気で王子向き。佐伯さんのフロリナは、黄色い衣装。彼女の華奢で繊細で音楽性があるところが生きていて良かった。松下さんのブルーバードは良く跳んでいて、こういう跳躍系の役は合っている(王子を踊るにはやはりつま先の問題があるけど)。子猫の吉川留衣さんも牡猫の平野さんもいい。赤ずきんちゃんは登場するものの、狼はいない。というか赤ずきんちゃんはなぜか狼の毛皮をかぶっているのだ!

どうしても東京バレエ団のメンバーは、ベテラン勢に目が行ってしまう。渡辺ー柄本弾コンビ以外の若手は、もうちょっとがんばれ、と思ってしまった。幻影のシーンにコール・ドが登場しなかったり、このマラーホフ版はグランドバレエと言うには少々コンパクトな作品ということもあって、主役以外は物足りなさが残ってしまった。

でも、アリーナが見事な復活を遂げたこの公演は、幸せな気持ちを観る者みんなに与えてくれたと思う。本当にアリーナ、そしてヨハンありがとう。

◆主な配役◆
オーロラ姫:アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru
デジレ王子:ヨハン・コボー Johan Kobborg
リラの精:田中結子
カラボス:高岸直樹
フロレスタン国王:永田雄大
王妃:坂井直子
カタラビュット/式典長:野辺誠治

【プロローグ】
妖精キャンディード(純真の精):矢島まい
妖精クーラント<小麦粉>(活力の精):乾友子
パンくずの精(寛大の精):高木綾
カナリアの精(雄弁の精):高村順子
妖精ビオラント(熱情の精):奈良春夏
妖精のお付きの騎士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、横内国弘、梅澤紘貴、柄本武尊

【第1幕】
オーロラ姫の友人:西村真由美、吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
         森志織、福田ゆかり、村上美香、阪井麻美
4人の王子:木村和夫、後藤晴雄、平野玲、柄本弾

【第3幕】
ルビー:岸本夏未
エメラルド:阪井麻美
サファイア:村上美香
ダイヤモンド:西村真由美
シンデレラとフォーチュン王子:渡辺理恵-柄本弾
フロリナ姫と青い鳥:佐伯知香-松下裕次
牡猫と子猫:吉川留衣-平野玲
赤ずきん:森志織

指揮:デヴィッド・ガーフォース
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

2009/08/14

8/13 第12回世界バレエフェスティバル ガラ World Ballet Festival Gala Performance

第12回世界バレエフェスティバル [ガラ] 
8月13日(木)17:00開演  会場:東京文化会館

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会社を午後半休してドレスに着替え、上野で友達と2時間半くらいお茶してから臨んだ。本当に長い一日だった!

■第1部■ 17:00~18:00

序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)

「白鳥の湖」第1幕よりパ・ド・トロワ
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン

マーフィ版の白鳥、オデットと王子の結婚式なのに、ロットバルト男爵夫人が王子の寵愛を受けていることがさらされてしまうというシーン。音楽は、パ・ド・トロワの曲を使用。オデットの胸が張り裂けんばかりの気持ちが伝わってきて、これから盛り上がるかな、と思ったところで幕。ちょっと短すぎてもったいなかった。

プログラムがぎっしりということで、舞台監督さんも大変だったと思うけど、このガラは全体的に幕が下りるのが早すぎて、余韻が味わえないことが多かった。ラストシーンとともに幕が下りることが多くて、最後のシーンが目に焼きつく前に幕、ということがあったりして。うーむ。

「カルメン」
振付:ローラン・プティ/音楽:ジョルジュ・ビゼー
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ

プティ版の「カルメン」のホセのソロを観ると、思わず「エトワールたちの花束」ガラでのロベルト・ボッレのしびれるようなカッコよさを思い出してしまう。特にボネッリはロベルトと同じイタリア人、黒髪なので。今回のバレエ・フェスティバルでボネッリは全幕の「白鳥の湖」をはじめ、素晴らしいサポートとノーブルさ、演技力で魅力を発揮した。このホセだって十分セクシーでカッコいい。でも、どうしてもロベルトを思い出してしまうのよね。あそこまでの色気はさすがに無理だったかな。
タマラ・ロホはこの「カルメン」でブノワ賞を受賞している。すごく色っぽくて綺麗なんだけど、彼女は全体のバランスからするとちょっと頭が大きいのかもしれない。ちょっとベティ・ブープみたいな雰囲気。脚は決して太くないし、足の甲がとてもよく出ていて美しいんだけどね。ファム・ファタルとしての雰囲気はばっちり。幕が開いて、ベッドの上にいる彼女の姿を見ただけで、なんてエロいんでしょう、って感じた。


「ダンス組曲」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:J.S.バッハ
ニコラ・ル・リッシュ

実は去年の「エトワール・ガラ」でルグリが踊った「ダンス組曲」が今ひとつ乗れなかった。ルグリの踊りはもちろん素晴らしかったんだけど、演目が長くて途中で飽きるのだ。踊り方がルグリとは全然違っていたニコラが踊っても、感想は同じになってしまう。最初のうちはおーっ、よく音と戯れていていいなあ、って思うんだけど、途中から「まだ終わらないのかなあ」って思ってしまった。でも、気持ち良さそうに、のびのびと踊るニコラを観ていると幸せな気分になれる。ニコラはA、Bプロで生やしていた髭もきれいに剃っていて、すっきりと若々しかった。


「いにしえの祭り」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウス
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

スリットの入った赤いドレスに身を包んだエレーヌ・ブシェがぞっとするほど美しい。彼女の脚は本当に凄い。長くて美しいラインで、しなやかで雄弁であでやかで。造形美だけじゃなくて、語る脚なのだ。あまりの美しさに見とれているうちに作品が終わってしまった。ティアゴは白いドレスシャツに黒いベスト、ちょっとタキシードっぽい雰囲気で、サポートがとてもうまい。スタイリッシュで洗練された世界を、美男美女の二人で繰り広げた。

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「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ /ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

Aプロのマチュー・ガニオのときと同じで、アルブレヒトが百合の花を抱えてジゼルの墓へと向かうシーンから始まる。でも、Aプロよりもずっと長く、アルブレヒトが助かり、ジゼルが墓の中へと消えていくエンディングまで上演してくれた。ミルタやウィリたちが出てこないダイジェスト版で、音楽のつなぎなどは気になった。だけど、ガラでの上演で、これだけ「ジゼル」の世界へと連れて行ってくれて、冷たい空気を会場に充満させることができるアニエスとジョゼは、すごい。まさに横綱相撲。
長い脚をマントから覗かせて、沈痛な表情で歩んでいくジョゼはノーブルで、貴公子そのもの。百合を墓に捧げると、その上に身を横たえる。その姿からは、深い悔恨が伝わってくる。アニエスのジゼルは、とにかくひんやりとしていて生気がなく、目の光も消えており、青白い顔色からも、重力を消してふわっと浮かぶ長い両腕からも、死者だというのがよくわかる。これほどまで"死んでいる"ジゼルを観るのも初めてという気がする。だが、そこから彼女の死してなお残る強い想い、そして赦し、という大きな作品のテーマが浮かび上がってくる。
ジョゼのヴァリエーション、アントルシャ・シスが美しいし、跳躍も高くて美しい。彼の年齢を考えると、驚異的なほどの鮮やかなテクニック。倒れこむところは、マチューと同じで、そのまま地面に突っ伏すのではなく、いったん膝で降りて手を前で交差させてから倒れていた。
ジョゼは端正なだけでなく、パッションが感じられる演技。ジゼルが消えた後、百合を手に取り、撒き散らしながら、半狂乱になってマネージュを繰り返す。ガラでここまで役の中に入り込んで、観客を別世界に連れて行ってくれる人はなかなかいない。来年のオペラ座の来日公演が楽しみになってきた。
観客の反応も良くて、カーテンコールは3回。アニエスとジョゼは上手のほうまで出てきてレベランスしてくれた。

<休憩20分>


■第2部■ 18:20~19:35

「ジュエルズ」よりダイヤモンド
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

やっとこの演目でマラーホフが跳躍した!相変わらずのしなやかな消音ジャンプ。前回のバレエフェスでも「ダイヤモンド」をこの二人が踊ったけど、今回も実にドラマティックだった。第2部になって、ようやくクラシックチュチュが登場。この二人はカリンスカの白い衣装(マリインカ仕様でちょっとクリーム色)がすごく良く似合って麗しかった。もっとじっくり観ていたかったけど、アダージオのみで終了。

「カンティーク」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ユダヤの伝承音楽
エリザベット・ロス ジル・ロマン

白いドレスのエリザベット・ロスが彫刻のように美しい。ユダヤ教の帽子をかぶったジル・ロマンはちょっと悪魔的な雰囲気でいたずらっぽさもある。開演前にベジャールファンの友達とお茶していて、ジルって全然変わらないよね、もしかして彼は永遠の若さを手に入れるために悪魔と契約したんじゃないかな、って話をしていた。実際、踊りも若々しいし、いつまでたっても年をとらない印象。作品のほうは、私の苦手なタイプのベジャール作品だったけど、ダンサー二人はとても素敵だし、独特の世界観を舞台にもたらす力があると感じた。

「グラン・パ・クラシック」
振付:ヴィクトール・グゾフスキー/音楽:ダニエル・オーベール
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

前にポリーナが、雑誌DANSEの表紙でマラーホフと「グラン・パ・クラシック」の衣装を着けてポーズしていた。その時のポリーナの衣装は、白いチュチュに黒いレースを重ねてハイネックになっている、とてもスタイリッシュでクールなもの。そしてベルリン国立バレエのミハイル・カニスキンと、キエフ・バレエのナタリア・マツァークが今年始めの「奇才コルプの世界」ガラで同じ黒レースの衣装を着ていたので、それがベルリン仕様だと思って楽しみにしていたら、黒チュチュではあったけどちょっと違うデザインで、ちょっぴり残念。
ポリーナは高度で強靭なテクニックを安定感抜群で見せてくれた。ヴァリエーションのバロネもしっかりと決まる。フリーデマンは、跳躍はとてもきれいだし柔らかいけど、ピルエットが不安定、失敗気味で残念。古典でこのペアが踊ると、強い輝きがあって男前なポリーナに対して、フリーデマンがややもっさりと見えてしまう。

「TWO」
振付:ラッセル・マリファント/音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム

演目が発表された時は、「また『TWO』かあ」って思ってしまったのだけど、改めて観てみるとしびれるほどの強靭さと躍動感があって、今のシルヴィにぴったりの演目だった。照明と目の錯覚を利用しているのだと思うけど、彼女のしなやかな腕の残像が軌道を描いていく様子は、人間の能力の限界に挑んでいるようで、本能に直接訴えてくる感動がある。

「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:モーリス・ラヴェル
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

ピアノ生演奏ありの演目。毎回これを書くのが嫌なんだけど、ピアニストのミスタッチが多くて、もう耳を覆うばかり。佐々木忠次氏が、ガラは奮発してオーケストラに東フィルを使ったと言っていたけど、オーケストラはいいからピアニストにまともな人を使ってほしい。集中力が著しく殺がれる。
派手さはないけれども、ルグリの音楽的で流麗な動きには目を奪われる。オーレリーもこの作品での衣装を着ると、とても美しく可憐な雰囲気に。でも、ルグリもオーレリーも、第4部での作品のほうがずっと良かった。

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

ダニール・シムキンは純白のハーレムパンツで、奴隷というよりはお小姓さんもしくは天使という雰囲気だった。マリア・コチェトコワも純白の衣装で、ちょっとだけ下がり気味のクラシックチュチュが可愛い。アリの登場の時のアラベスクの後ろ脚がすごくきれいで、本当にダニールは背中が柔らかいんだわと思った。彼は「パリの炎」の時ほどは弾けていなくて、ピルエットも抑え目、大体5、6回くらい回っていたのだけど、エレガントだった。コーダでは、540を怒涛の3連発、フィニッシュにもう一回540。Aプロ、Bプロでメドーラを踊ったヌニェスやオシポワはガムザッティのヴァリエーションだったけど、マリアは通常のもの。彼女も踊りが実に軽やかで、体重というものを一切感じさせない。そしてコーダのグランフェッテはダブルがいっぱい入っている上に(というかほとんど全部ダブル)、余裕たっぷり。こんな風に、ごく自然に凄いテクニックを入れてしまう若い二人を観ていると、幸福感に思わず頬も緩んでしまう。

<休憩15分>


■第3部■ 19:50~20:40

「ラ・シルフィード」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルド
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

日本ではオシポワはあまり白いバレエのイメージはないかもしれないけど、今年のABTへの客演で「ラ・シルフィード」と「ジゼル」を踊っていて絶賛されていた。彼女のいたずらっぽい雰囲気が、気まぐれな妖精シルフィードによく合っていた。それに、なんといっても彼女はふわふわとよく跳ぶこと。ジュッテがいちいち高いし、はずむように柔らかい。ラ・シルフィードでの高い評価がわかる気がした。サラファーノフは、ジェームズの衣装がよく似合う。マリインスキーのダンサーなので、ブルノンヴィルっぽくないけれども、脚捌きはとても鮮やかで、アントルシャ・シスのつま先が美しく、高いトゥール・ザン・レールも毎回きれいに5番に着地している。来年の東京バレエ団での客演はラコット版なのだけど、彼のジェームズは良さそうだ。(でも、パートナーが上野さんなので躊躇してしまう)
個人的には、このペアでは「ラ・シルフィード」が一番気に入った。

「アルミードの館」よりシャムの踊り Le Pavillon d'Armide Danse siamoise
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ニコライ・チェレプニン
ティアゴ・ボァディン

「ジゼル」、プレルジョカージュ版「ロミオとジュリエット」と並んでこのガラの白眉だったと思う。「ダッタン人の踊り」みたいなエキゾチックな衣装で、目のメイクも切れ長に描いたティアゴが超色っぽかった。Aプロ、Bプロとも露出度が高い衣装ながらそれほど色気を感じなかったのに、ここで民族衣装のようなコスチュームをまとった彼は、別人のよう、どこか狂気すら感じさせる。シャム猫のようにしなやかで、重力がないがごとく軽やかに跳ねる。最後、横たわって上目遣い気味に観客を見据えながらにやりと微笑むティアゴの視線に殺された人が多数いたはず。豹のようなポーズといい、妖しい目つきといい、ニジンスキーが憑依していたようだった。(なのに、幕が下りるのが早すぎ(怒))

参考までに、ハンブルク・バレエの「アルミードの館」の紹介ページ(写真、動画へのリンクあり) 今年の6月28日に初演を迎えたばかりの新作なのだ。
http://www.hamburgballett.de/e/rep/pavillon_a.htm

「マクベス」  
振付:ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:キリル・モルチャノフ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

金髪マッシュルームカットの背の高い男が登場してきて、最初、この人はいったい誰、と思った。前髪をおろしているとウヴァーロフは完全に別人状態で、一見、「スパルタクス」のクラッススみたいな雰囲気。ワシーリエフの振付だからか、すごく
「ソ連っぽい」。マクベスは人を殺してきたばかりで激しく苦悩している。ウヴァーロフのこんな一面を観るのは初めてなので、すごく面白かった。真っ赤なドレスのザハロワが入ってくると、照明も赤に変わる。ザハロワは、額に細いヘアバンドみたいなのがあって、これもロシアっぽい感じ。光り輝くばかりに美しく、悪女には見えないけどその恐ろしいほどの美しさ自体が罪深い存在に感じられた。ドレスは前が短くて後ろが長い。ドレスのすそから、あの100万ドルの美脚が覗き、それ自体が生命体のように動いている。ザハロワの脚の魅力をたっぷり味わえて、まるで彼女のために創られた作品のようだった。「ドン・キホーテ」や「白鳥の湖」だけじゃなくて、ザハロワ(そしてウヴァーロフ)のこういう面が観られる作品が観たい。そういえば、ザハロワは「スパルタクス」ではフリーギアではなく、悪女エギナを踊っているのだった。ザハロワのエギナが観たい!


「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

「ロミオとジュリエット」の3幕冒頭、初夜を迎えたロミオとジュリエットだが、ロミオは追放の身となり、別れなければならないというシーン。これが二人の今生の別れとなるのだ。ホセ・カレーニョのロミオは長年観たいと思いながらなかなかチャンスに恵まれずに見逃してきた。2004年のMETシーズンで、ホセはアレッサンドラ・フェリと「ロミオとジュリエット」を踊る予定だったのに、会場についてみたらキャスト変更でアンヘル・コレーラになっていた。アンヘルのロミオももちろん素敵なので良かったのだけど、翌日もアンヘル&フェリだったので・・というわけで、5年後にようやくホセのロミオを観るという念願がかなったわけ。

ホセのロミオ、5年前に観たかったという気がしなくもなかったけど、でもこういうロマンティックな役は彼のお手の物。シオマラの少女らしい可憐なジュリエットに対して、ロミオがちょっと大人で分別がありそうなことが、このシーンではますます引き裂かれる恋人たちのせつなさ、やりきれなさを強調している。朝焼けが窓から差し込む寝室。ベッドから起き出したシオマラのジュリエットは、ロミオから離れたくない。彼がいなくなってしまうなんて信じたくない。たとえいつかどこかで会えるとしても・・・。必死に引きとめようとする。ロミオは悲しみを、離れがたさを押し殺し、、仕方ないんだよ、生きていればきっとどこかで会えるさと訴えるがそれはジュリエットには理解できない。これが最後のキスになるというくちづけを交わし、ロミオはさっと窓から出て行ってしまう。泣き崩れるジュリエット。

シオマラはジュリエット役は得意中の得意で、14歳の少女の奔放さ、幼い情熱を体現しているだけに痛ましく、見る側も胸がきりきりと痛む。この二人のドラマを作り上げる力は見事なもの。


「じゃじゃ馬馴らし」
振付:ジョン・クランコ/音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

2003年の世界バレエフェスティバルでは、初出演のフィリップ・バランキエヴィッチが、アレッサンドラ・フェリとこのパートを踊っていた。もはやかなり記憶が怪しくなっているけど、フェリの意外なおてんば振りがとても可愛かったことは覚えている。
今回、バランキエヴィッチはさらにパワーアップしていて、男汁炸裂のペトルーチオを見せてくれた。彼のような男くさいバレエダンサーって、けっこう貴重かも。トゥール・ザン・レールはひょっとしたら3回転していた?脚をパ・ド・シャの形でトゥール・ザン・レールしていたりダイナミックだった。最後のひしっと抱き合うタイミングも完璧。マリア・アイシュヴァルトは、「ライモンダ」の威厳のある姫や「オネーギン」の貞淑な人妻とは打って変わって、ガニ股のおてんば娘をキュートに演じていて、笑いを誘った。彼女は本当に引き出しの豊富な人で芸達者だわ。10月の北京が楽しみになってきた。

<休憩15分>


■第4部■ 20:55~21:55

「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

Aプロの時から、コンヴァリーナは地味に上手いと言い続けていたんだけど、やっぱり彼はとてもよいダンサーであることが実証された。「パリの炎」はBプロでダニール・シムキンがスーパーテクニックを炸裂させていて強烈な印象を残していたわけだけど、コンヴァリーナくんは正統派で端正な踊りを見せてくれて、そう、これでいいのだ!と思った。彼はピルエットがすごくきれいで、減速して音にあわせてぴたりと止まるのが気持ちよい。跳躍も、音に見事に合っていてテンポよく切れ味良く。いいなあ。(それから、ファニー・ガラでの金髪カツラでのオダリスクがとても可愛くてここでさらに株上昇!)
ヤーナ・サレンコは90度ずつ角度を変えていくグランフェッテ&最後は4回転以上回っていたスーパーフェッテ!しかも抜群の安定感。素晴らしかった!(Bプロの「コッペリア」では、サレンコはアダージオでバランス使いすぎ&ヴァリエーションの振付がつまらなくて損していたんだなあ)


「三人姉妹」
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

A、Bプロともキラキラオーラ全開だったマリアネラが、ここではそのキラキラぶりを封印して、地味な人妻役を熱演。ピアノ演奏だったけど、ここは「オネーギン」の3幕の曲を使っているとは今回はじめて気がついた。

前回のバレエフェスでタマラ・ロホとイニャキ・ウルレザーガが「三人姉妹」を踊った時は、イニャキったら郵便局員か駅員みたい、と思ったけど、大柄でがっしりしたティアゴ・ソアレスは、男らしくカッコよかった。ソアレスによるマクミラン特有のリフトがとても滑らかで、パートナーを美しく見せることに気を使っていると感じさせた。見せ場であるダイナミックなトゥールザンレール3連発は頑張っていたけど、彼は足音がすごく大きいのがちょっともったいない。でも、ロイヤルのお家芸であるマクミランの心理描写は二人とも達者で、特に彼が去った後に彼が残していった外套に顔を埋めて泣き崩れるマーシャ=マリアネラの演技が、心に迫った。


「ザ・ピクチャー・オブ」
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:ヘンリー・パーセル
マニュエル・ルグリ

去年12月のノエル・ガラで観て以来2回目。12月に観た時は、シルエットで浮かび上がるルグリは頭からシャツのようなものをかぶっていて、まるでジャミラ(古)みたいと思ったのだけど、今回はそれはなし。青い照明、無音の中滑らかに踊るルグリ。鯨の鳴き声はちょっと苦手なのだけど、パーセルの音楽に合わせて踊るルグリのよどみなくしなやかな踊りは実に美しく、この年齢でこれだけ流麗に動けていることが驚異的に思えた。余分なものをそぎ落として、純粋な美しさとして踊っていると感じた。彼の踊りを見せるには、「ソナチネ」より良い作品だと思った。

「ロミオとジュリエット」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
オレリー・デュポン ローラン・イレール

ぼろぼろの作業着を着た、ブルーカラー風のローラン・イレールのロミオが墓所に入り込むと、そこには寝台に斜めに横たえられた仮死状態、赤い服をまとったジュリエットが。彼女が生きているかどうか確かめるために、持ち上げたり、椅子の上に乗せてのしかかったり、床に乱暴に転がすロミオ。この暴力的なまでのジュリエットの扱いが、ロミオの慟哭と混乱を象徴しているかのようだ。イレールの持つ暗い情熱がこの役にぴったりとマッチしている。ジュリエットの服まで切り裂いても、どうやってもだらんと力なく目を覚まさないのを見て、ロミオは彼女が死んだものと思い込んでしまう。ロミオはナイフを彼女の身体と自分の腹の間に突き立てて絶命。入れ替わるかのようにジュリエットは意識を取り戻し、自分の上にロミオがのしかかっていることに気がつく。クリーム色のへそだしトップスとパンツ姿になったジュリエットはロミオを椅子の上に座らせ、彼の上に乗り、床に転がり、彼が事切れていることを知ると、床に転がっていたナイフを使って手首を切り、ロミオの上で永遠の眠りにつく。オーレリーもエレガントなルグリではなく、少しエキゾチックでナイーブ、陰のあるイレール相手だと、別の化学作用が起きて荒々しいまでの生の感情を見せてくれた。二人が作り出した鮮烈な愛と死と暴力の世界に、魂を打ち抜かれた思い。これは本当に観られて良かった!

「春の声」
振付:フレデリック・アシュトン/音楽:ヨハン・シュトラウス
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

前回のバレエフェスでも上演された演目なので、同じ作品かあって思ったけど、やっぱり観られて良かった。コボーに高々とリフトされたコジョカルが、両手から花びらを撒き散らす。もーとにかくコジョカルが愛らしすぎて反則技だ、と思ってしまうほど。この作品が彼女より似合う人は世界中探してもいないだろう。何気なく軽く5、6回くらい回ってしまうピルエットもあり。そしてまるで彼女が空中を歩いているかのように見せてしまう、絶妙なコボーのリフト。二人のラブラブオーラが全開で幸せな気持ちを分けてもらった。

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
上野水香 デヴィッド・マッカテリ

オーケストラの編成がちょっと変更になっていたようで、音楽のアレンジが少々変わっていた。ものすごくスローなテンポだ。上野さんのチュチュは、白から淡いグラデーションで赤くなっていくもので、パフスリーブで上半身は村娘風。腰には大きなバラ。かわいらしいんだけど、これがキトリの衣装かときかれたら絶対に違うと答える。マッカテリのほうは、金を使っている華やかなものなのにバランスがすごく悪い。

アダージオは上野さんがバランス技を披露。しかしこれだけバランス技を使うと、テクニックがあると感じるものの、「ドン・キホーテ」の生き生きとしてにぎやかなところが犠牲になってしまう。しかも音楽性が絶望的なまでに欠如している。片手リフトも、パ・ド・ポワソンもなしで、プロムナードで上野さんをマッカテリが回すだけ。

グランフェッテでは、扇子を腰のところで開いたり閉じたりする技を使っていたけど、この技術は実はそれほど難しくない。上野さんの、グランフェッテの時の腕の高さが違う欠点を隠すための小細工か、と思ってしまう。それから、足先の装飾的なパとか、余計な飾りを入れているのも煩い。もちろん、バジルとの会話やアイコンタクトを望むべくもなく、大変盛り下がったガラのトリだった。

フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)


指揮:ワレリー・オブジャニコフ 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子
チェロ:遠藤真理

世界バレエフェスティバルのガラから帰ってきました

超楽しかったです~。5時から始まって、おまけのファニーガラが終わったのが11時前。長かったですが、楽しかったので何とか持ちました。

ティアゴ・ボアディンの「アルミードの館」が素晴らしかったです。彼の最後のポーズはまさにニジンスキー、ぞくぞくするほど妖しかったです。「いにしえの祭り」ではまたもや、エレーヌ・ブシェの美脚が素晴らしかった。美しいだけじゃなくて、脚そのものが饒舌に語っていて素敵でした。美脚といえばザハロワのマクベス夫人もこの世のものとは思えないくらい美しかったです。

どのパフォーマンスも素晴らしかったので、あげていくときりがないので、追って感想は書きます。明日も仕事なので。ガラはA、Bプロに比べても古典が少なかったのですが、芸術性が高くて、全幕が観たい!という作品もたくさんありました。

それと、恒例のファニーガラについて、覚えているうちに書いておきます。

まずは佐々木忠次氏が壇上に立って口上を述べました。サポートのスタッフがついていましたが、舞台上に立っている佐々木氏を見てちょっと安心しました。第13回世界バレエフェスティバルも予定されているようです。

まずは、チュチュにポアント、派手なカツラをかぶった男性ダンサーが幕前に数人登場。デヴィッド・マッカテリ、ズデネク・コンヴァリーナ、フィリップ・バランキエヴィチ、フリーデマン・フォーゲルほか数人がいたと思います。「ジゼル」で、ジゼルは白塗りしたマラーホフ、そしてアルブレヒトはヴィシニョーワでした。マラーホフのパドブレが素晴らしかったし、ジゼルの衣装のままヴィシニョーワをリフトするのがすごい図でした。ヴィシニョーワのコミカル演技も可愛かったです。それをフラッシュを炊いてパパラッチするバランキエヴィチ。最後は倒れこんでアルブレヒトを押しつぶすジゼル。そして、「海賊」のオダリスクのパ・ド・トロワを、マッカテリ、コンヴァリーナ、バランキエヴィチで踊りました。みんなポアントが上手です。

次に、「海賊」のギュリナーラとランケデムのパ・ド・ドゥ。ランケデムは髭をつけたマリア・コチェトコワ、小さくて可愛いです。ギュリナーラはダニール・シムキンで、ポアントにハーレムパンツ。ヴェールで顔をぐるぐる巻きにされて苦しそう。女性の衣装を着けると、シムキンって意外と大きいんだなって思います。でも、やっぱりすごく柔らかくて綺麗!マリアちゃんが小さいから大きく見えるのかな。それから、フロリナ姫のヴァリエーション。サラファーノフだったのですが、あまりにもメイクが濃くて、最初は誰だかわかりませんでした。めちゃめちゃ上手いです。が、曲が全然終わらなくて何回も回転をリピートするうちに目が回ってバッタリ倒れちゃうサラ坊。青い鳥はマリア・アイシュヴァルトだったのですが、出だしの腕の動きをしたところで、指揮者オブジャニコフさん(ヒラリオン衣装着用)が扮したハンターに撃ち落とされてしまいます。次に、パリの炎のヴァリエーションをオシポワが踊ったのですが、これがまた凄かった!トゥールザンレールも見事に決まっているし。ピルエット・ア・ラ・スゴンドも素晴らしかったです。もちろん、跳躍は例によって男性並みに高くてダイナミック。本当に彼女のテクニックは凄いです。「ラ・シルフィード」の彼女も良かったし。

そして、「ラ・バヤデール」の影の王国のシーン。次から次へと、男性ダンサーたちがあの白いチュチュを着用して、スロープを降りてきます。バレリーナが3名だけいて、ポリーナ・セミオノワとエレーヌ・ブシェともう一人(シオマラ・レイエスかな?)。あと8人は男性ダンサー。ジョゼ・マルティネス、ホセ・カレーニョ、ティアゴ・ボァディン、フリーデマン・フォーゲル、ティアゴ・ソアレス(カツラにブラジルの国旗を刺しています)、フェデリコ・ボネッリ、ロバート・カラン。スロープを降りてきたこのメンバーがいっせいにパドブレをするところは壮観です。みんな上手いし!ヴァリエーションは、ジョゼ・マルティネスが凄かった。ポアントでピルエットもしちゃうし、デヴロッぺも美しいし、見事なイタリアン・フェッテまでしちゃうし。やはりヴァリエーションを踊ったホセ・カレーニョも素晴らしくて、今回ほとんど跳躍していなかったのに、ファニーガラではポアントでジャンプしまくり。それから最初のヴァリエーションを美しく踊ったティアゴ・ボァディンもフリーデマン・フォーゲルも上手かった!

ファニーガラで毎回大活躍のマラーホフ、ジョゼ・マルティネス、そしてホセ・カレーニョが本当に生き生きしていて、もう嬉しくなっちゃいます。次回もこの3人は絶対に出てほしいなって思います。そして、後継者としては、両ティアゴとフォーゲルかなあ。ジョゼは「シンデレラ」の継母役などで、ポアントで踊ったりしているから、ずば抜けて慣れている感じでした。来年のパリ・オペラ座の来日公演、「シンデレラ」が楽しみです。

てなわけで、本編の感想は明日!

2009/08/12

ロイヤル・バレエのキューバ公演の写真スライドショーRoyal Ballet in Cuba

7月に行われた歴史的なロイヤル・バレエのキューバ公演について、Observer紙のネット版が力作レポートを掲載しています。カルロス・アコスタのインタビューと、公演レポートが載っています。

Cuba libre!
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/aug/09/carlos-acosta-royal-ballet

He's Cuba's second most famous sonということで、キューバ人でもっとも有名な人の一人であるアコスタは、タマラ・ロホがお気に入りのパートナーのようですね。「マノン」の全幕を、彼女をパートナーに踊りました。そしてロイヤル・バレエを故国キューバに連れて行くことは、彼の人生の中でも大きな出来事だったとのこと

ロイヤル・バレエのキューバ公演のエピソードはとても面白いです。スティーヴン・マックレーやマリアネラ・ヌニェスら6人のダンサーが新型インフルエンザに罹り、公演の開催が危ぶまれたこと、これを最後に引退するアレクサンドラ・アンサネッリの現役最後の舞台「田園の出来事」が行われたことなど。80人のダンサーを含む総勢150人の一行が暑く、新型インフルエンザが流行し、衛生状態の悪いキューバを訪れました。

また、アリシア・アロンソがフィデル・カストロから頼まれ、1959年よりバレエをキューバに広めていったという歴史的なエピソードも興味深いものです。彼女はまもなく90歳と高齢で盲目となりながらも、今なおキューバ国立バレエに君臨し、「ジゼル」や「白鳥の湖」といった白い古典バレエのみにこだわり続けています。このツアーでロイヤル・バレエが上演した、ウェイン・マクレガーの「クローマ」は、キューバの観客に衝撃を与えたようです。キューバ国立バレエのプリマ、ヴィエングゼイ・ヴァルデスは「もちろん『クローマ』は踊ってみたいわ。アリシア・アロンソは、世界がどのように踊っているのか観るべきだと思う」と語りました。

でも、この記事はすごく長いので。

この記事に添えられたスライドショー20枚が、とても素晴らしいのです。ホワイトハウスそっくりの議事堂の前で「クローマ」のリフトを再現するエドワード・ワトソンとサラ・ラム、タマラ・ロホとアコスタのリハーサル(リハーサル室がとてもクラシックで素敵なのですね)、レストランで一息ついているアコスタ、野外スクリーンの前に詰め掛けた数千人もの観客たち、「マノン」に出演するエキストラたちのメイクの様子、アコスタを見つめる若いファンたちの熱いまなざし、そして最後の舞台を降りるアンサネッリ…。

http://www.guardian.co.uk/stage/gallery/2009/aug/06/acosta-royal-ballet-cuba

本当に凄い公演だったことが伺えます。この少し後には、タマラ・ロホ、フェデリコ・ボネッリ、マリアネラ・ヌニェス、ティアゴ・ソアレスらが、現在開催中の世界バレエフェスティバルに出演するために日本に向かったのですよね。

ロベルト・ボッレの写真集「Portraits of Roberto Bolle」表紙♪

10月に発売されるロベルト・ボッレの写真集「Portraits of Roberto Bolle」(ブルース・ウェーバー撮影)の表紙画像がAmazonにアップされていますが、なんとも超・美しいですね!

お値段は日本のアマゾンだと1万円を超えてしまいますが、Amazon.comは発売は11月と後ですが、送料込みでもずっと安いと思います。

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ロベルト・ボッレはフェラガモの2009年秋冬コレクションでモデルを務めており、フェラガモのサイトではモデルとともに美しくポーズしているFlashの画像を見ることができます。
http://www.salvatoreferragamo.it/jp/

ニューヨーク、MOMAのStage Pictures展

バレエフェスが始まってしまって、すっかり7月のABT公演の感想がお留守になってしまっていてすみません。バレエフェスも、私は後はガラと「眠れる森の美女」で終わりで、そのあとは小林紀子バレエシアターの「The Invitation」を観に行く位なので、落ち着いたら書きたいと思います。(忘れていなければ)

7月のNY滞在は4泊で、その間「ロミオとジュリエット」を5公演観たし、友達もたくさん来ていたので、劇場にこもる以外の時間はあまりありませんでした。とりあえず、NY市立図書館のパフォーミングアーツ・ライブラリーでのバレエ・リュス展には2回行きましたが、その他にメトロポリタン美術館とMOMA(ニューヨーク現代美術館)にも行って来ました。

たまたまMOMAでは、「Stage Pictures: Drawing for Performance」という舞台美術の展覧会をやっていて、これがまた偶然にもバレエ・リュス関係の美術や、NYCBの設立者であるリンカーン・キルスティンゆかりの作品などを展示してありました。大きな展覧会ではなかったのですが、とても面白かったです。(9月7日まで開催中なので、NYに行かれる方はぜひ)

http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/864

この展覧会の目玉は、マルク・シャガールが、レオニード・マシーン振付のバレエ「Aleko」(1942年)の舞台デザインを手がけた一連の作品群。プーシキンの「The Gypsies」という詩を原作に、音楽はチャイコフスキーを使った作品とのことです。シャガールは故国ロシアの文豪プーシキンの作品を愛していたとのことです。舞台の背景画も、シャガール自身が描いたそうです。

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いかにもシャガール的な、シュールで幻想的なタッチが素敵ですよね。

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この動画で、MOMAのキュレーターが展覧会のコンセプトと主要な作品を紹介しています。
http://www.thirteen.org/sundayarts/moma-stage-pictures/310







それから、とても印象的なのがこの作品
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何かと思ったら、バランシンの「セレナーデ」の舞台美術なんですね。「セレナーデ」の深く青い闇の中に浮かぶ白いロマンティック・チュチュの美しさが目に浮かびます。


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バレエ・リュス関連で言えば、まずはレオン・バクスト。これは1909年のディアギレフのバレエ・リュスの旗揚げ公演で踊られたパ・ド・ドゥの衣装デザイン



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ナタリア・ゴンチャロワの「金鶏」の舞台背景デザイン(1937年、振付:ミハイル・フォーキン、音楽:リムスキー・コルサコフ)



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Florine Stettheimerの「オルフェ」衣装デザイン



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ニジンスカ振付「結婚」の衣装デザイン(ナタリア・ゴンチャロワ原案、改訂Sergei Soudokeine)




ほかにも、ディエゴ・リベラ、パブロ・ピカソ、フェルディナンド・レジェなど有名なアーティストによるデザインがたくさん観られて、本当に面白かったです。衣装デザインや舞台美術、コンセプトデザインでも、舞台の躍動感やライブ感、息遣いが伝わってくるのが優れたデザインというものなんだな、って思いました。


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MOMAは、他にジェームズ・アンソールの特別展をやっていて、偶然今年の3月にケルンのWallraf-Richartz美術館で観た彼の作品「Child with Doll」に再びここで会うことになったのがすごい縁だと思いました。人形を抱えた小さな女の子の絵なのに、ものすごく不穏で不吉な感じなのがたまらなくて、好きなのです。


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偶然といえば、メトロポリタン美術館でフランシス・ベーコンの回顧展をやっていたのです。これは去年の9月にロンドンのテート・ギャラリーで開催され私も観に行ったのが、METに巡回してきたものなんですよね。大好きなベーコンの作品にニューヨークでまた会えるとは思いませんでした。

2009/08/11

「パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ」

世界バレエフェスティバルのBプロの会場で、マニュエル・ルグリのオペラ座引退を記念した本「パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ」が先行発売されていました。

「マニュエル・ルグリの華麗なるバレエ人生を秘蔵の写真とともに永遠に記録する1冊」と紹介されているこの本、写真も豊富でとても充実した内容の一冊となっています。

5月15日の「オネーギン」でのオペラ座アデュー公演の詳しいレポート&写真から始まります。彼のパートナーとして踊った、モニク・ルディエール、エリザベット・プラテル、イザベル・ゲラン、そしてエリザベット・モーランといった大エトワールのインタビュー。現役世代からは、オーレリー・デュポン、ドロテ・ジルベール、そしてマチアス・エイマンの言葉が続きます。さらに親友のジャン=マリ・ディディエール、振付家のパトリック・ド=バナ、オペラ座アシスタント・メートル・ド・バレエのヴィヴィアンヌ・デクチュールが語る彼の素顔。

「ステージアルバム 1980-2009」では、若き日から現在に至るまでの、約30年間から舞台写真を選りすぐってたくさん掲載。ヌレエフ版「ライモンダ」の初主演の時の写真などは、まだ少年の面影を残していて、可愛いのですよね。澄み切ったライトブルーの瞳の輝きは、年を重ねても変わりませんね

ジェラール・マノニ氏による「マニュエル・ルグリ物語」では、バレエ学校時代のエピソードも、貴重な写真と友も二たくさん出てきます。実は学校時代は決して目立つ生徒ではなかったそうですね。そしてルグリ自身が選んだバレエ作品ベスト10の紹介と、それぞれの作品に対するコメント。古典からキリアンやエック、プティまで幅広いのですが、なるほどね~と思わせるチョイスです。

さらには、彼の舞台出演全記録やDVDのリストまでついていて、資料としても便利です。ルグリのファンだったら絶対に買うべき本ですね!

パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリパリ・オペラ座のマニュエル・ルグリ
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2009/08/10

8/9 世界バレエフェスティバルBプロ World Ballet Festival Program B

第12回世界バレエフェスティバル [プログラムB] 
8月9日(日)15:00開演  会場:東京文化会館

■第1部■ 15:00~16:10

序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

マリアネラは今日もキラキラと太陽のように眩しかった。ソアレスはやっぱりちょっと惜しい感じのダンサーだ。せっかく彼はプロポーションが良いんだし、身体能力もあるんだし、さらにマリアネラという素晴らしいパートナーがいるんだから、あともう少しだけ彼が頑張れば、黄金ペアになれるはずなんだけど。
コーダの女性が勢いよく飛び込んでフィッシュダイブの形に男性がサポートするところは、さすがラブラブ夫婦だけあって、息がピッタリ。かなり大胆に深くマリアネラが飛び込んでもしっかりとキャッチできていたのは良かった。

「コッペリア」
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

やっぱりコンヴァリーナくんは地味に上手い。ピルエット・ア・ラ・スゴンドの軸がものすごくまっすぐで、つま先はきれいに伸び、減速しながら音にぴたりとあわせてフィニッシュするのが感動的なくらい。トゥール・ザン・レールも鮮やかに5番に入るし。その上ものすごい笑顔で、好感度がとっても高かった。サレンコは白い張りのあるチュチュが超可愛い。アダージョでサレンコはバランス多用しすぎなのと、ヴァリエーションの振付がパッセバランスばっかりであまり面白くないのがすごくもったいない。コーダでは、滞空時間の長くて高いジュッテや正確な回転でテクニックがあるところを見せているのに。なお、友達の証言によると、旦那様のマリアン・ワルターも赤ちゃんを連れて来ているみたい。

「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

どうやらアレクサンダー大王とその愛人の踊りということみたいなのだけど、女王様はポリーナの方に見えた。このパ・ド・ドゥ、よく見るとけっこうエロい振付なのだけど、ポリーナは色気はあるんだけどそれが健康的なお色気なのだ。フォーゲルも色気のあるダンサーではなくて、なんとなくポリーナ=姉、フォーゲル=弟、で姉と弟の禁断の愛って妄想が働いてしまったりして。フォーゲルのほうが年上なのに…。二人とも背中が柔らかくて、彫刻のような素晴らしい肉体美を持っているので、それはじっくり堪能できた。

「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

「海賊」の "寝室のパ・ド・ドゥ"ってガラ向きではない地味な演目って言われているんだけど、ABTのガラではけっこう上演されていて、「21世紀に輝くエトワールたち」のDVDでも、イリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベルツェルコフスキー夫妻が踊っているし、去年のオールスターガラではイリーナとコリー・スターンズが踊っていた。ホセが踊らないのはもったいないけど、その代わり彼の芸術品のようなサポートテクニックが味わえる。逆立ちしたメドーラを高々とリフトし、フィニッシュも変形フィッシュダイブ。シオマラは庶民的だけど健気そうなメドーラで、キューバ人同士のホセとの息もぴったり。

「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
上野水香 デヴィッド・マッカテリ

上野さんのグランフェッテは、左右で腕の高さが違っているのがすごく気になる。以下自粛。

「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

シムキンのピルエットが凄いのは、減速して終わるかな、と思ったら、身体が一段と引きあがって、再び加速して、そしてきれいにフィニッシュするというところ。超絶技巧でもバレエの美しさは失われていなくて優雅なところは、他のテクニック自慢のダンサーには観られないので、大きな武器。後は音楽を引き伸ばしてしまう傾向とパートナーリングが改善されたら鬼に金棒かな。ABTの「ロミジュリ」のベンヴォーリオ役でも、ロミオ役やマキューシオ役のダンサーより脚を高く上げるがゆえに、一人音に遅れるという問題が見られていたのだよね。
コチェトコワは、空気のように軽やかなバロネが素晴らしかった。軸足ぴょんぴょんのフェッテも可愛い。

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<休憩20分>

■第2部■ 16:30~17:35

「ナイト・アンド・エコー」
振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチ
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

エレーヌ・ブシェの脚線美は圧倒的で、もう惚れ惚れしてしまう。彼女の脚は長くて美しいだけでなくて、とても饒舌で、それだけで何かを語りかけているかのようだ。彼女はまだ若いはずなので、近い将来大化けするのではないかと思う。ティアゴ・ボァディンも良いし体型もきれいなんだけど、エレーヌの光に満ちたような美しさの前ではちょっと地味。

「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

クラシックバレエを脱構築した、いかにもフォーサイス的な作品。昨日観たときよりは面白く感じたのだけど、音楽が弱いからインパクトが薄い。カーテンコールで見ると、ジョゼの衣装って全身透け透けレースタイツで、肌色タンガが透けて見え、一歩間違えると変態さん。この作品の衣装は、アニエス&ジョゼのように人間離れしたプロポーションじゃないと無理。

「白鳥の湖」第3幕より
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン

ルシンダ・ダンが幕を引っ張り下ろしてから、ルースカヤで踊るまでの鬼気迫る熱演が圧倒的な迫力。踊っていない時も、背中で演技ができる女優バレリーナなのだけど、ルースカヤでの、身体が語りかけるような渾身の踊りが素晴らしく、ぞくぞくした。王子とオデットのパ・ド・ドゥは、アイスダンスで見られるような女性をぐるぐる空中で回すもので、難易度が高そう。この振付はバレエでは意外と少ないので、面白く見られた。来年のオーストラリア・バレエの来日公演はめっちゃ楽しみ。ルシンダ・ダンが出る日を取らなくては!

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「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

無垢で純情そうな中にも魔性を感じさせるアリーナは、可愛くて上手なだけのダンサーではないことを、この短いシーンの中で印象付けた。彼女から漂ってくる幸薄そうな感じも、デ・グリューを夢中にさせてならない魔性の一部のような。マスネの音楽は情緒的で、たしかに安っぽいのかもしれないけど、来るべき悲劇を予感させるこのテーマを聴くといろいろな想いが押し寄せてくる。


「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"
振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテット
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ

ニコラもシルヴィも、楽しそうに踊っていて、奇妙で奇抜なこの作品を観ている側も幸せな気分になってしまう。ニコラの大鷲のような長い腕がかっこいいなあ。久しく観ていない「アパルトマン」のDVDを引っ張り出したくなった。


「ベラ・フィギュラ」
振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

背中を舞台に向けていることが多いこの作品だと、オーレリーの後姿がどっしりとしているのがわかってしまうんだけど、彼女の動きは昨日よりぐっと良くなっていた。ルグリのキリアンはいつもながら完璧で、柔らかさとシャープさが共存し、すみずみまで神経が行き届いた動き。彼のキリアンはもっと観たい。


<休憩15分>

■第3部■ 17:50~19:10

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

オシポワの衣装、昨日もセパレーツだったけ?と記憶力にちょっと自信がなくなる。彼女はシオマラ・レイエスよりももっとメドーラとはキャラクターが違う感じで、絶対ギュリナーラ向き。昨日観た時より踊りにケレンがあって、「どうよ」って押し出しが強くちょっとおなかいっぱいに。彼女のグランジュッテは男性よりも高く跳んでいて、空中で止まっているんじゃないかと思うくらい滞空時間が長い。ホントによく跳ぶ人だ。サラファーノフは、コーダのグランピルエットで、軸足じゃないほうの脚をデリエールにしたまま惰性でくるくる回るのが凄いと思った。

「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

生命力の塊のようなヴィシニョーワが、ものすごく生々しくて超エロかった。これぞファム・ファタルという感じ。キスしながら回転するところは、まるでマラーホフの口から魂を吸っている吸精鬼のようだった。生脚で薄いシャツの下の胸は透けているし、左の太腿にはのりピーのようにタトゥーが入っているし、唇に指を含んでいるところも、エロくてどうしましょう。ちょっとくたびれた感じのマラーホフも耽美的でセクシーではあるんだけど。この二人の全幕「ル・パルク」想像もつかないんだけど、すごく観たい。

「ブレルとバルバラ」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

エリザベット・ロスは、椅子に腰掛けているアンニュイな姿が怖いほど絵になる。カッコいいお姉さま。その彼女が白い内掛けを羽織ってしまうと、摺り足で自由を奪われた感じで違和感があった。上半身の動かし方、特に腕や首は日本舞踊や歌舞伎を見てよく研究したんだろうなって思わせた。素晴らしいダンサーなんだけど、もっと違うものを観たいなって思う。

「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニ
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ

今日もタマラはものすごく良く回っていた。エスメラルダのヴァリエーションでは、最初にタンバリンをパンって叩いて腰を横にくねくねって振るところがアクセントが利いていてすっごくキュート。このあたりのコケットリーは、プティの「コッペリア」に通じるところがある。ボネッリは派手さはないけど、サポートが非常にうまく、プロポーションもいいし、いいダンサーだと実感。タマラが例の10秒以上の超絶バランス技を見せて、ちょっとぐらつきそうになる時に、彼が手を持っていいんだよってふうにジェスチャーするところに、頼もしさと人柄の良さを感じる。

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

昨日はちょっといまいちかな、と思っていたバランキエヴィッチのオネーギンが、今日は素晴らしかった!相変わらず格好いいんだけど、オネーギンの哀れさ、それでもあきらめきれない情熱、必死さが伝わってきた。特に、タチアーナが手紙を破く直前のところの演技が凄かった。彼女の愛をようやく掴めたという男としての自信が覗き、次の瞬間、タチアーナが手紙を彼に突きつけ、そんな馬鹿なと困惑し、手紙をビリビリに破かれて全てが崩れ去った絶望とともに走り去っていくまでの心情が手に取るようにつかめた。演技の細かさは、アイシュヴァルトも同様で、最初はちょっとかたくな過ぎるかな、と思いつつも、心情の揺れを表現する繊細さが凄い。オネーギンのアプローチに少しずつとろけていって、自分が制御できなくなったと感じた彼女は、全てを断ち切るように愛を葬り去って、よろよろとオネーギンを追いかけそうになっても、こらえて強い決意で想いを封印する。タチアーナの強さと脆さを全身で表現していたアイシュヴァルトには、多くの観客の涙が絞られたに違いない。ルグリ組、マラーホフ組に続き、このペアもカーテンコールで下手まで行って拍手に応えていた。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

昨日のほうがこのペアは調子が良かったかもしれない。ザハロワのグランフェッテはまた腰に手を置いてダブルを入れるパターンだったけど、若干不安定だった。ウヴァーロフのヴァリエーションにちょっと年齢を感じてしまった。でも片手リフトはまたまたきれいに決まったし、このペアの華やかさや見栄え、クラシック・バレエらしさは得がたい。公演のトリはこれくらいのスターに締めてもらわなくっちゃ!


フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)

指揮:デヴィッド・ガーフォース
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子

ABT版「海賊 寝室のパ・ド・ドゥ」収録

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こちらはダニール・シムキンの「レ・ブルジョワ」が入っています。

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DVD感想はこんな感じ
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2006/08/_divine_dancers_272e.html

2009/08/09

8/8 第12回世界バレエフェスティバルBプロ World Ballet Festival Program B

第12回世界バレエフェスティバル [プログラムB] 
8月8日(土)15:00開演  会場:東京文化会館

Aプロより面白かった!古典PDDがAプロより減っていた感じ。タマラ・ロホの驚異のバランスとフェッテ、ダニール・シムキンのスーパーテクニックに会場が沸いた。カーテンコールが3回あったのはこの2組+マリア・アイシュヴァルトの深みのある演技がさらに磨かれていた「オネーギン」の3つ。ザハロワ&ウヴァーロフが復調していたのも嬉しい。

■第1部■ 15:00~16:10

序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

マリアネラ、とってもキラキラしていてうまい、特にピルエットのぶれなさ加減はすごい!サポートつきなんだけど、実際には手が添えられているだけの状態で、軽く7回転くらい回っている。だけど、この演目に必要な軽やかさがこのペアにはない。音楽の演奏がすごくゆっくりで、二人ともとても丁寧に踊っていた。Aプロのシムキン&コチェトコワの時も音楽が遅め?と思ったけどさらにゆっくりな感じだった。ティアゴ・ソアレスは「海賊」でも感じたのだけど、背中が固い。トゥール・ザン・レールはきちんと5番に降りるし、しっかりとしたテクニックを持っているだけに惜しい。しかも彼は手足が長くて容姿に恵まれているというのに。
とはいうものの、バレエとしてのレベルはめちゃめちゃ高かった。幸せが満ち溢れているペア。

「コッペリア」
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

コンヴァリーナくんが地味にうまい。彼はちょっと脚がムチムチしているのが損している感じ。すごく正確な踊りで、ピルエットも跳躍も折り目正しくエレガント。ヤナ・サレンコは今回、すごくたくさんバランスを入れてきた。見事に決まったところもあれば、若干ぐらつき気味のもあり。彼女の白い、少しドーム型のチュチュがとっても可愛いデザインで、とても似合っていた。

「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

ベルリン国立バレエのプリンシパル、ザコヴィッチの作品。彼はなかなか振付家としての才能があるようだ。フォーゲルは上半身裸、ポリーナはブラトップで、二人とも上部にちょっとギリシャっぽい柄がついている長い巻きスカートを着用。Aプロの「マノン」より断然二人に合っている。二人の鍛え上げられた肉体の動きをしっかりと見せてくれる作品。ポリーナはますます美少年ぶりに磨きがかかって、ちょっと日焼けしているのかエキゾチックな感じ。コンテンポラリーのほうが彼女は全然生き生きしているなって感じた。

「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

当初予定されていた「ロミオとジュリエット」バルコニーシーンからの演目変更。シオマラのジュリエットは7月に観ていて、とても素晴らしかったのでちょっと残念。彼女は「海賊」ではギュリナーラを通常踊っているので、メドーラ役は珍しい。このパ・ド・ドゥはソロは一切なくて、男性はもっぱら高難度のサポートに徹している。ホセのサポートは本当に見事で、フィッシュダイブ2回も決まった。勢いよく飛び込んできたシオマラを優雅にキャッチ。ホセの踊る場面が少ないのはもったいないけど、短い時間でしっとりとした雰囲気を作り上げていて素敵だった。

「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
上野水香 デヴィッド・マッカテリ

上野さんは、バレエというのはパとパのつなぎが重要だということをまったくわかっていないようだった。動きがとてもカクカクしていて、ぎこちなかった。いくら脚が高く上がったり、ダブルを入れたグランフェッテができても、バレエにはならないということだ。音にもまったく乗っていないし、オデットの真似をするところの腕の動きも全然白鳥じゃなくて。だいぶ前にマラーホフとの「白鳥の湖」全幕を観たけれど、その時よりも明らかに下手になっていた。必死にサポートしようとしているマッカテリが気の毒だった。うーん。

「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

今回一番盛り上がった演目。シムキン、凄かった!開脚したままの空中回転のあるジュテや、跳躍中に脚を180度に開脚して、540でフィニッシュ。ピルエットは8回転で、少しずつ減速し、足の位置をクペへと少しずつ下げていってピタリとフィニッシュ。超絶技巧を入れていても、柔らかくエレガントさがあるし、音楽性も豊かなので、技術の見せびらかしではなくバレエになっている。マリア・コチェトコワも、フェッテをしながら軸足でぴょんぴょん跳ねたり、1回転と4分の1回って顔の位置を変えていく変則フェッテを入れてテクニシャン振りを発揮。場内は熱狂の嵐!


■第2部■ 16:30~17:35

「ナイト・アンド・エコー」
振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチ
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

エレーヌ・ブシェは長いスカートと、ちょっとおへそが見えるトップス。彼女は本当に脚が長くてプロポーションが見事~。ティアゴ・ボァディンは上半身裸。ノイマイヤーの作品は、一部分だけ切り取ってもわからないところがあるのがちょっともったいないのだけど、この二人は、すごく表現力があって、見ごたえはある。全幕の二人が観たいなあ。

「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

白いレースのユニタードに、フォーサイス特有の、ちょっとくにゃっとした円盤状のチュチュのアニエス。同じく全身肌色レースのジョゼ。人間離れしたプロポーションの二人じゃないと着こなせない衣装。すごくかっこいいんだけど、作品としてはあまり面白くなかった。今回、この二人は今ひとつ演目選びが滑っている感じ。

「白鳥の湖」第3幕より
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン

王子と愛人のロットバルト伯爵夫人との秘密クラブでの隠微なパーティに、オデットが乱入するというマーフィ版「白鳥」のシーン。白鳥と黒鳥の対決という設定が面白い。最初は、よく王子のソロに用いられるリリカルな曲に乗せての3人、そしてオデットの踊り、それから「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のアダージオの曲を使った王子と尾デットのパ・ド・ドゥ、締めにルースカヤに乗せてのロットバルト伯爵夫人のソロ。このマーフィ版「白鳥」はオーストラリア・バレエの来日公演でも観たのだけど、めちゃめちゃ面白い作品だった。その時も素晴らしかったルシンダ・ダンだったけど、今回の彼女=ロットバルト伯爵夫人のソロはさらに円熟味を増し、ドラマティックで、迫力があった。オデットの元に戻ろうとする王子を引きとめようとする彼女の絶望が伝わってきて。来年の来日公演が楽しみ。

「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

寝室ではなく、マノンとデ・グリューが出会ったシーンの短いパ・ド・ドゥ。コジョカルとコボーの鉄壁のパートナーシップには、愛があふれていた。ちょっと困り顔っぽいコジョカルがとても無垢で愛らしく、そのかわいらしさの中にさりげなく素晴らしいテクニックと表現を見せていた。この二人の「マノン」全幕が観たい。

「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"
振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテット
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ

2003年のバレエフェスでも観た演目だけど、やっぱりこの作品はすごく面白い。扉があって、シルヴィがとんとんと叩くオープニングから、扉の向こうのニコラの手に連れ去られるエンディングまで、奇妙で、笑えて、大胆で、スピーディで楽しい。ニコラもこの演目では結構踊ってくれる。彼は腕がとても長いので、上半身の動きがダイナミックでかっこいいのだよね。

「ベラ・フィギュラ」
振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

去年のエトワール・ガラで、アレクサンドル・リアブコとシルヴィア・アッツオーニが踊ったパート。キリアンを踊るルグリのしなやかで美しいこと!オーレリーはちょっと不調な感じだけど、二人の息は良く合っていた。「ベラ・フィギュラ」は好きな作品だし、バロックの音楽もとても素敵なんだけど、まだこれだけ美しく踊れるルグリの古典が観たいなって思ってしまった。

第2部は古典がひとつもないという構成。オーケストラが入ったのも、「白鳥の湖」と「マノン」のみ。個人的には面白かったけど、観客の中にはこの構成は辛い人もいただろう。キリアンとマッツ・エックの二人の作品は、もう別格に素晴らしいし、これをこんなスターたちが踊るというのも凄い。


■第3部■ 17:50~19:10

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

オシポワは押し出しが強すぎた「ドン・キホーテ」よりこっちの方が女らしくて好感が持てた。爽やかなミントグリーンのワンピース。ヴァリエーションは、ガムザッティのヴァリエーション。ピケターンを全部ダブルで回っていたのにまずびっくり。それから、跳躍力がものすごい。こんなに高いジュテを跳ぶ女性ダンサーは世の中探しても見つからないのではないかと思う。サラファーノフは前よりずいぶん品が良いダンサーになったと思う。マネージュの中に入っているトゥール・ザン・レールがこれまたものすごく高い。シムキンを観た後では、これでも普通だと思えてしまうのが怖い。

「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

ヴィシニューワの表現力が凄かった。何かが取り憑いているように思えるほどだった。古典もたくさん踊っていきたいとインタビューでは言っていたけど、彼女の強さは現代的で、現代作品向きなのだろう。「ル・パルク」の全幕を彼女が踊ることはなかなか想像しにくいけど、観てみたいと思った。マラーホフはこの作品でもサポートに徹していた。いつもこの「解放」のPDDを観る時思うんだけど、キスをしたまま男性が女性をくるくる振り回すリフトってどうやってやっているんだろう。
ルグリペアとこのペアだけが、カーテンコールの時に上手まで移動してくれていた。二人とも、作品の世界に入り込んでいて抜け切れておらず、1回目のカーテンコールでは笑顔がなく放心状態だった。


「ブレルとバルバラ」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

ジル・ロマンは40代も後半なのだと思うけど、いつまでも若々しく、ある時から年をとるのをやめたのではないかと思うほど。動きもすごく行き届いている。対するエリザベット・ロスのちょっとデカタンでかっこいい美しさも素敵。途中までは面白かったのだけど、最後の「孤独」のパートで、白い着物のようなものをロスが羽織ると、「外人が見た日本」ぽくなってしまうのがちょっと。

「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニ
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ

タマラの「エスメラルダ」って前回のバレエフェスでも踊られていたような。本当に彼女は凄いバレリーナだ。タンバリンを持って腰を振るところがセクシーで可愛いんだけど、涼しい顔でとんでもないことをやっちゃう。15秒くらいのアティチュードでのバランスをやったのには驚いた。ピルエット5回転も驚いたけど、フェッテも、5回転が1回、トリプルなんて朝飯前で、1回転と4分の1回るフェッテをダブルで軽々と踊っちゃうなんて。タンバリンを使ったソロは小気味よかった。ボネッリはラテン系の容姿がタマラと釣り合いが取れていたし、踊りも好調で着地がきれいだった。


「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

マリア・アイシュヴァルトはスージン・カンと並んで世界最高峰のタチアーナ・ダンサーだと思う。彼女の心の揺れ動きが手に取るようにわかる繊細で情熱的な演技には引き込まれた。バランキエヴィッチは、全幕で観た時のオネーギンは良かったのだけど、ガラのせいか、十分オネーギンに入り込んでいない気がした。3幕のオネーギンにしてはちょっとカッコよすぎていて、哀れさが足りなかったように思えた。とてもセクシーで魅力的なのだけど。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

Aプロの「白鳥の湖」3幕では二人ともあまり調子が良さそうではなかったのだけど、この回は二人とも絶好調で一安心。ザハロワのキトリってちょっとお姫様入っているとはいえ、扇子の使い方もコケティッシュですっごく可愛いのだ。フェッテは3回に1回ダブルを入れて、ダブルの時には腰に手を当てていた。ウヴァーロフも、この日は軽やかにはじけていた。長身の彼が片手でザハロワを高々とリフトする場面は映える。その時のザハロワの柔らかい背中のフォルムも美しくて。ありえないような見事なプロポーションの二人が踊る正統派クラシック。ガラのフィナーレを飾るにふさわしい、華やかで堂々としたパ・ド・ドゥだった。

フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)

指揮:デヴィッド・ガーフォース
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子

2009/08/08

よくわかる!「バレエ用語集」 クロワゼ編

新しいDANZAが出たときに、昼休みに渋谷のチャコットに行ってもらってきたのだけど、無料のDANZAだけもらって帰るのもなんとなく申し訳なくなって、この「バレエ用語集」を買った。

今まで、バレエのテクニックについては、赤尾 雄人さんの「バレエ・テクニックのすべて」と、グレッチェン・ワーレンの「クラシック・バレエ・テクニック」を主な教材として使っていた。「バレエ・テクニックのすべて」はどちらかといえば鑑賞者向けで、どの作品のどの部分にはこういうパを使っているという解説があり、作品からテクニックを覚えられるので勉強になる。写真も大きくてとてもきれいだし、このテクニックを得意にしているのはこのダンサー、ということも書いてあるので読み物としても面白い。

「クラシック・バレエ・テクニック」はバレエを自分で踊っている人向けなのだけど、一つ一つのパを非常に細かく分解して写真で紹介しているし、きれいに踊るコツも書いてあって、お稽古の復習に便利。大きくて分厚い本。あと、「新版 バレエ用語辞典」は、名前の通り辞典形式で、図版は少ないけど載っている用語はすごく多い(1000語収録)。私が通っている教室に備え付けてあって、確認のためにパラパラめくったりしていた。

今回発売された「バレエ用語集」は、何しろコンパクト。文庫本よりちょっと大きいくらいで、100ページあまりと薄いので、持ち歩きに便利。それでいて、主なパやレッスン用語については、ちゃんと写真で動きを紹介しているので、わかりやすい。280語収録されているとのことだけど、邪魔にならないサイズなので、バレエを観に行く時に持っていって、あの振りはどういう名前なんだろうって確認するのにも良い。用語の解説の時に、原語でどういう意味なのかも説明しているので、パの名前から具体的な動きが想像しやすい。バレエを観るだけの人にも、バレエを習っている初心者にも役に立つ、なかなか良い本だと思う。

*****

明日から世界バレエフェスティバルのBプロですが、この本は新書館の本だし、会場のフェアリー出店でも買えると思います。余談ですが、全幕プロの「白鳥の湖」の時、休憩時間にフェアリーの出店で、ティアゴ・ボアディンがなにやらお買い物をしていたようです。何を買ったのかちょっと気になります。隣に立っていたエレーヌ・ブシェの脚が信じがたいほど長かったです。

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2009/08/07

8/6 世界バレエフェスティバル 特別プロ「白鳥の湖」 World Ballet Festival SWAN LAKE Rojo & Bonelli

第12回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ
「白鳥の湖」
http://www.nbs.or.jp/stages/0908_wbf-special/swan.html

タマラ・ロホのオデットとオディール、素晴らしかった!

あまり白鳥のイメージのない彼女だけど、彼女にしかできない、生身の存在感を示し、感情豊かで、心からの台詞が聞こえてきそうなドラマティックな白鳥だった。目線の使い方、音楽との合わせ方、すべて完璧で、ぞくぞくした。タマラはプロポーションに恵まれているほうではないし、オデットが似合う体型ではないのに、静止したときの一つ一つのポーズが絶妙に決まっていて、息を呑むほど美しい。背中の角度、腕のつけかた、指先、すべてが計算しつくされていて一瞬たりとも目が離せない。女優バレリーナとして知られる彼女だし、目力の強い視線の送り方も必殺ではあるのだけど、表情ではなく、身体で語ることができる。オデットが今ここに、現実に確かに存在していることを感じさせてくれた。

オデットのときも、オディールのときも、一貫としてミステリアスなファム・ファタルだったタマラ。オデットの時には、タマラは白鳥の女王としての誇り高さと強さ、悲劇性、その中にもどこか夢見ているような謎めいた部分と、生身の女性としての肉体性が共存していて、とても多層的だけど、異性を虜にして離さないような吸引力を持っていた。2幕の終わり、王子から離れたくないの、と全身を使って激しく抵抗する姿が胸を締め付けるようにドラマティックで、ロットバルトによって白鳥の姿に戻された瞬間、音楽とぴたりと合わせて凍りつき、一瞬のうちに白鳥に変身して去っていく化身のようすが、本当に魔法にかけられて姿を変容させたようだった。人間から白鳥へと姿を変えていく様子をここまで鮮やかに見せることができるバレリーナを観るのは初めてだ。

オディールは、アダージオでは押し出しが強く、誘惑的で、悪魔的だった。ただ、わかりやすい邪悪さや、派手な威嚇的な表現ではなく、悠然としたたたずまいだけで見る者を殺す、エレガントであでやかな立ち姿に凄みがあってぞっとするほど。ヴァリエーションでは、魅入られたら最後という魔性の美女で、まるで黒鳥の姿をしたマノンのようだった。高らかに勝利を宣言するグラン・フェッテは、最初に4回転が2回あって、それから途中まで3回転がたくさん入って、最後まで余裕たっぷり。ヴァリエーションで、ピルエットからそのまま脚をアティチュードにして、さらに3回転しようとしたけど3回転目ではさすがにちょっとぐらついてしまったけど、そこまで果敢な挑戦をするというのがタマラの凄いところ。コーダの終盤でポアントでバランスしながら後退していく時、音をたっぷりととってアラベスクで長いバランスを3回。アダージオでも、音楽1小節分くらいの見事な静止バランスを見せてくれたが、彼女のバランスは、技術を見せ付けるのではなく、ドラマにアクセントを加えるためのものであるという説得力がある。

4幕のオデットは、王子の裏切りに悲しんでいるものの、結ばれず白鳥の姿のままで終わるという運命を受け入れる強い意思が見られて、よりいっそうの誇り高さが伝わってくる。憐れさとはまったく無縁で、その孤高の姿に打たれて、王子がロットバルトと果敢に戦い、勝利を手にするという物語がはっきりとした輪郭で見えていて、説得力があった。

ボネッリの王子は、とにかくサポートがうまい。彼はカブリオールなど、足さばき系が苦手のようでで3幕ヴァリエーションでは失敗していたけれども、コーダのピルエット・ア・ラ・スゴンドは足先が綺麗に伸びてすごくよく回っていた。王子と、それ以外のダンサーの違いは、つま先の違いだということを改めて実感。ナイーブな役作り、オデットに心底惚れ込んだひたむきな王子で、演技はとてもよかったと思う。パートナーとして重宝されているのがすごく良くわかった。

ボネッリは、なんといっても、4幕でのロットバルトの対決の時の熱さが良かったと思う。1幕の坊ちゃん然とした王子とはまるで別人で、オデットとの出会い、オディールに翻弄されたことによって、大きく成長し、情熱を燃やして悪魔相手に戦いを挑む。4幕のオデットの潔さに打たれて、戦うことを決意した、というのがきちんと見える演技だった。

木村さんのロットバルトが素敵だった!彼は日本一脚が綺麗なダンサーなのだと思う。ロットバルトのときのあの巨大な鉄兜はほとんどギャグのようで、いかがなものかと思うけど、その兜からチラリと覗くクールな目と髭がとてもお似合い。マネージュの美しさも絶品で、ボネッリよりも上だった。

ディベルティスマンでは、スペインの平野さんが、つま先も綺麗に伸びてカッコよかった。マズルカの田中さんも(3羽では今一歩だったけど)、なかなか良かった。3羽の白鳥は、真ん中の高木さんが断然良かった。でも、花嫁候補でもその美しくたおやかな上半身で光っていた西村さんに、3羽に入ってほしかった。

感想をゆっくり書きたいところだけど、今利き手にひどい蕁麻疹ができてしまって、キーボードを打つのが辛いので、ここまで。


◆主な配役◆

オデット/オディール:タマラ・ロホ Tamara Rojo
ジークフリート王子:フェデリコ・ボネッリ Federico Bonelli
王妃:松浦真理絵
悪魔ロットバルト:木村和夫
道化:松下裕次

【第1幕】
家庭教師: 野辺誠治
パ・ド・トロワ:高村順子-佐伯知香-長瀬直義
ワルツ(ソリスト):西村真由美、乾友子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

【第2幕/第4幕】
四羽の白鳥:森志織、福田ゆかり、岸本夏未、阪井麻美
三羽の白鳥:高木綾、奈良春夏、田中結子

【第3幕】
司会者:永田雄大
チャルダッシュ
(第1ソリスト):乾友子-長瀬直義
(第2ソリスト):森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友
ナポリ(ソリスト): 高村順子-松下裕次
マズルカ(ソリスト): 田中結子、山本亜弓、横内国弘、野辺誠治
花嫁候補たち:西村真由美、佐伯知香、村上美香、岸本夏未、渡辺理恵、川島麻実子、大塚玲衣
スペイン:高木綾、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

*****

東京バレエ団の「白鳥の湖」のゴールスキー版の振付は、美しくないし、つまらない。特に2幕の白鳥群舞のフォーメーションの形の醜さは許しがたい。下手に凝っていることで、変になっているし、腕の先だけ動かす振付が奇妙で、ぜんぜん綺麗じゃない。白鳥というよりはアヒルみたいだった。こんな美しくない振付では、せっかく頑張っているダンサーたちがかわいそうだ。その上、主役ペアの前にコール・ドが立って、一階席からだととても邪魔だった。コール・ドはとてもよく揃っていたけど、足音は軍隊の行進のように大きかった。特に4羽の白鳥の足音の大きさは耳を疑うほど。4羽はあんなに高く跳ばなくていいから、足音をもう少し小さくしてほしい。衣装と舞台装置は新しくなっていたようだけど、趣味がすごく悪かった。特に1幕の女性の衣装の黄色とグリーンのパステルカラーのティアードスカートはかなり変。トロワの女性の水色のドレスは可愛かったけど。

それから、パ・ド・トロワの出来が悪くてがっかり。女性二人は音に全然合っていないし、長瀬さんはどこか悪かったのだろうか?彼のチャルダッシュも、全然民族舞踊になっていなかった。古典を見ると、改めて東京バレエ団は世代交代がうまく進んでいない気がしてしまう。松下さんは前よりは良くなっているけど、つま先が全然伸びていない。軸がぶれないのは立派だが、ピルエット・ア・ラ・スゴンドの脚の角度はもう少し高いほうが良い。(フェデリコ・ボネッリは、つま先も伸びていたし、90度にずっと保って回転していた)

2009/08/06

マラーホフ、韓国国立バレエ「チャイコフスキー」に客演!?Malakhov to Guest in Eifman's Tchaikovsky with Korea National Ballet

Yさまに情報提供いただきました(ありがとうございます!)

現在世界バレエフェスティバルで来日中のウラジーミル・マラ-ホフですが、9月11日と13日9月10日、12日に、韓国国立バレエの「チャイコフスキー」(ボリス・エイフマン振付)に客演する可能性が濃厚ということだそうです。

2009 / 9 / 10 (木) - 2009 / 9 / 13 (日)

Weekdays 7:30pm Sat 3:00pm,7:30pm Sun 3:00pm
ソウル・アーツセンター Seoul Arts Centre Opera Theaterオペラ劇場

VVIP:150,000won VIP:100,000won R:80,000won S:50,000won A:30,000won B:10,000won C:5,000won

http://www.kballet.org/booking/plan-m.asp?yy=2009&mm=09(韓国語)

ソウル・アーツセンターの「チャイコフスキー」案内(英語サイト)
http://www.sac.or.kr/eng/program/Details.jsp?prog_id=13407

出演が確定したら、また追って情報を掲載しますね。

エイフマン・バレエも来日しないし、ベルリン国立バレエもなかなか来日しないし、マラーホフの「チャイコフスキー」を観る機会は滅多になさそうなので、彼が出るんだったら見に行く価値はありますよね!しかも週末ですから、ソウルはひとっとび片道2時間で手軽に行けてしまいますので…。

2009/08/04

フィレンツェの「ロベルト・ボッレ&フレンズ」とインタビュー記事 Roberto Bolle and Friends in Firenze

ロベルト・ボッレは現在「ボッレ&フレンズ」ツアーでイタリア各地で公演中なのですが、7月29、30日のフィレンツェでの演目は、以下balletto.netに出ていました。

http://www.festivalopera.it/incms/opencms/operafestival_en/sito-operafestival_en/Contenuti_operafestival_en/stagione/2009/visualizza_asset.html?id=13547&pagename=370

http://www.balletto.net/forum.php?riferimento=276005&pagina=1

出演は、ロベルトの他、イリ・ブベニチェクとオットー・ブベニチェク、アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー、カテリーナ・シャルキナ、ジュリアン・ファヴロー、そして中村祥子さんと非常に豪華でした。

友達がこの公演を観たのですが、当初balletto netに載っていたのと若干の演目変更があったそうです。

あのコメディ演目「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」(シュプック振付)は当初、アリシア・アマトリアンとジェイソン・レイリーが踊る予定でしたが、なぜかふたを開けてみたら、ロベルト・ボッレがスカラ座の同僚 サブリナ・ブラッツォアリシアと踊ったんだそうです。びっくりですね!

それから、去年のエトワール・ガラでも踊られて大好評だった、イリ・ブベニチェク振り付けの「カノン」を、ロベルトと、イリ&オットーの双子が踊ったそうです。なんて贅沢なんでしょう!

ジェイソンとアリシアは、公演自体には出演したようで、YouTubeにもアップされていてる超面白い作品「101」をジェイソンが踊ったんですね~。

I parte:

Apollon Musagète (coreografia: Balanchine, musica: Stravinskij) 「アポロ」
con Shoko Nakamura - Roberto Bolle 中村祥子、ロベルト・ボッレ

Kazimir's Colours (coreografia: Bigonzetti, musica: Shostakovich) 「カジミールの色」
con Yen Han - Arman Grigoryan

Les Indomptés (coreografia: Claude Brumachon, musica: Wim Mertens)
con Jiri Bubenicek - Otto Bubenicek イリ・ブベニチェク、オットー・ブベニチェク

Mono Lisa (coreografia: Itzik Galili, musica: Hofs)
con Alicia Amatriain - Jason Reilly アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー

Suite Iranienne (coreografia: Bejàrt, musica: tradizionale d'Iran)
con Kateryna Shalkina - Julien Favreau カテリーナ・シャルキナ、ジュリアン・ファヴロー

L'Arlésienne (coreografia: Petit, musica: Bizet) 「アルルの女」
con Sabrina Brazzo - Roberto Bolle サブリナ・ブラッツォ、ロベルト・ボッレ


II parte:

101 (coreografia e musica di Eric Gauthier)
con Jason Reilly ジェイソン・レイリー

Romeo e Giulietta (coreografia: Bejart, musica: Berlioz) 「ロミオとジュリエット」
con Kateryna Shalkina - Julien Favreau カテリーナ・シャルキナ、ジュリアン・ファヴロー

Les Grand Pas de Deux (coreografia: Christian Spuck, musica: Rossini) 「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
con Alicia Amatriain - Jason Reilly Sabrina Brazzo - Roberto Bolle サブリナ・ブラッツォ、ロベルト・ボッレ

Nocturnes (coreografia: Heinz Spoerli, musica: Chopin) 「ノクターン」
con: Yen Han - Vahe Martirosyan

La morte del Cigno (coreografia: Fokine, musica: Saint-Saes) 「瀕死の白鳥」
con Shoko Nakamura 中村祥子

Le souffle de l'esprit (coreografia: Jiuri Bubenicek, musica: Johann Pachelbel e Otto Bubenicek) 「カノン」
con Roberto Bolle - Otto Bubenicek - Jiri Bubenicek ロベルト・ボッレ、イリ・ブベニチェク、オットー・ブベニチェク

*****
そのロベルト・ボッレですが、ballet.coにインタビューと、ABTのMETシーズンの短評が掲載されていました。美しい舞台写真も掲載されています。

http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_09/aug09/interview-roberto-bolle.htm

ロベルトにとって、ABTで踊ることは夢だったようです。ヌレエフやバリシニコフといったスターが踊った劇場であったということが大きな理由でした。しかも、ボリショイやマリインスキーのように閉じられたカンパニーではなく、さまざまな国からダンサーが集まってきている国際的なカンパニーであり、観客もさまざまな国からやってきているということも、重要だったとのこと。今回出演してみて、イタリア以外でこんなに温かく迎え入れられたことはなかったそうです。アレッサンドラ・フェリの引退のシーズンのときにゲスト出演したときにも、温かく迎えられてきたけれども、あの時はあくまでも主役はフェリでした。今回はカンパニーの一員として踊っていて、とても幸せだったそうです。

しかし毎回パートナーが替わり、違った演目を踊らなくてはならないのは、スカラ座でひとつの作品に集中してきた彼にとってはまったく新しい経験で、こんなに大変な思いをしたことは今までなかったくらいだったそうです。

大変恵まれた体型と容姿の持ち主であるロベルトは、もちろんその肉体を維持するためにトレーニングを行い練習を重ねてきたわけですが、ダンサーにとって重要なのは、バレエという芸術だとのこと。だからこそ、「椿姫」のアルマンや、「ロミオとジュリエット」のロミオ、「マノン」のデ・グリューといった、感情豊かで深みがある、アーティスティックなキャラクターを演じることは、非常に面白いのだそうです。

ロベルトは、12月にはハンブルク・バレエで、ノイマイヤーが彼のために振付けた「オルフェウス」を踊り、そして年末にはスカラ座でベジャールの「さすらう若者の歌」を踊ります。来年2月にはナポリでマッツ・エックの「ジゼル」を、そして2010年12月にはスカラ座で念願のクランコ「オネーギン」のタイトルロールを踊るとのことです。ロベルトのオネーギン、観たいですね!

2009/08/03

8/1 第12回世界バレエフェスティバルAプロ World Ballet Festival Program A

第12回世界バレエフェスティバル [プログラムA] 
8月1日(土)15:00開演  会場:東京文化会館

P1040178s


最後のカーテンコールに並んだ出演者を見ると、ものすごく豪華だし、全体的なレベルはすごく高かったのだけど、強烈に心に残るような作品とか、サプライズはなかったような気がします。マイヨー振付、ベルニス・コピエテルスとジル・ロマンが出演した「フォーヴ」が変わっていてユニークで面白かったです。ベルニスって本当に女神のように美しいですね。

■第1部■ 15:00~16:25

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 Tchaikovsky Pas de deux 
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン Maria Kochetkova (San Fransisco Ballet) & Daniil Simkin (American Ballet Theatre)

トップバッターは「ドン・キホーテ」全幕で沸かせた若手ふたり。小さくて可愛くて、この演目の衣装が似合うこと。バリシニコフが踊った映像や、前回のNYCB来日公演で踊ったアンサネッリ、それにコジョカルの印象が強く、小柄でかわいいダンサーが風のように踊るイメージがあり、そういう意味でもぴったり。2003年のバレエフェスで、コジョカルと踊ったアンヘル・コレーラがやらかしたので、シムキンもそうなるかなと期待していたけど、意外と正統派だった。とにかく彼の踊りはふわっと軽やかなんだけど、音楽がゆっくりめだったのか、疾走感は感じられなくて、エレガント。ブリゼ・ボレの繰り返しを三回行ったけど、その時の足先の動きが精緻で素晴らしかった。コチェトコワは小柄な身体を生かしてきびきびした動き。しっかりと引き上げられていて、足音はまったくさせず、テクニックが強いという印象。場内を温める役割はしっかりと果たした爽やかなふたりに思わずニコニコ。

「くるみ割り人形」より "ピクニック・パ・ド・ドゥ"Nutcracker Picnic pas de deux   
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン ロバート・カラン Lucinda Dunn & Robert Curran (The Australian Ballet)

マーフィ版の「くるみ割り人形」の1幕からの抜粋で、葦笛の踊りの曲を使用。ルシンダ・ダンはちょっとクラシックなドレスを着用している。ピクニックの最中という設定。リフトを多用した踊りなのだけど、すごく短い抜粋で、あっというまに終わってしまった。嵐が来て、二人は頭の上に雨よけの布をかざして去っていって、それで終わり。マーフィ版の「くるみ割り人形」ってすごく面白い作品だし、楽しみにしているんだけど、今回のはちょっともったいない。

「海賊」 Le Corsaire
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス Marianela Nunez & Thiago Soares (The Royal Ballet)

マリアネラは、改めて素敵なバレリーナだと思った。キラキラ感があるし、テクニックも強いけど押し出しはそれほどではなくて品がある。サポートつきピルエットなど、ほとんどサポートされていないも同然の状態なのに回る回る!7回くらい平気で回っていたし、グランフェッテの回転も余裕たっぷりだった。マリアネラの華やかさに対して、旦那様のティアゴはちょっと分が悪い。引き締まった体躯はアリの衣装がとてもよく似合うし、腕が長くプロポーションには恵まれているのだけど、案外跳躍が低く、背中も硬そうだ。彼はクラシックバレエを学ぶ前は、サーカスやヒップホップをやっていたそうで、14歳でバレエを始めて18歳の時にはコンクールで賞を取れるまでなったとのこと。去年の「眠れる森の美女」で観たときは悪くなかったから、調子悪かったのかしら。

「エラ・エス・アグア ‐ She is Water」ELLA ES AGUA
振付:ゴヨ・モンテロ/音楽:コミタス、クロノス・カルテット
タマラ・ロホ Tamara Rojo (The Royal Ballet)

下手にある鏡の上に、肌色レオタードのタマラが横たわっては手足をくねらして、鏡に映っている姿と合わせて、まるで蜘蛛のようだ。(が、ここはヴィシニョーワがBeauty in Motionで踊った「FLOW」という作品のパクリっぽい印象)実は私は最前列で観ていたので、床の上に横たわる系の演目がすごく観づらかった。やがて、上からドレスが降りてきてタマラはそれを着用。着用する時にちょっと手間取っていた。まとめていた髪もいつの間にか解いている。長いドレスの裾をはためかせて走ったかと思うと、最後にはその裾をまるでヴェールのようにかぶって、うずくまる。タマラはすごく何かを表現したいという欲求が強いのはわかるのだけど、この作品ではちょっと空回りしている感じがした。でも、彼女の存在感の強さは伝わってきた。上階から見ていた友達は、上からだと面白かったよって言っていた。

「くるみ割り人形」The Nutcracker
振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ Iana Salenko (Berlin State Opera Ballet) & Zdenek Konvalina (National Ballet of Canada)

赤ちゃんを産んで復帰していたヤナ・サレンコは髪を真っ赤に染めていた。彼女も可愛いしうまいバレリーナだと思うけど、このスター軍団の中ではどうしても埋没しちゃう感じ。金平糖の精のヴァリエーションは、ひと一倍キラキラ感が必要な演目だし。コンバヴァリーナ君は、実に良かった。若干踊りは重いのだけど、着地は常に綺麗な5番だし、ピルエット・ア・ラ・スゴンドも軸がまっすぐで脚が良く伸びていてきれい。すごく良いダンサーだと思うんだけど、どこか垢抜けないのがもったいない感じ。

「コッペリア」 Coppelia
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー Alina Cojocaru & Johan Kobborg (The Royal Ballet)

幕が開いたら、二人ともとても地味な衣装。コジョカルの衣装は、まるで1幕のジゼルのようである。しかも、アダージョの曲が聞いたことがないメロディだし。ところが、パフォーマンスは素晴らしかった。怪我から無事復帰したコジョカルは、長いバランスを見せてくれて、さらにすごいのが、アティチュードバランスをして腕をアンオーにして、そのままアティチュードの脚を伸ばしてアラベスクにするという技を何回も見せてくれたこと。さりげなく上手い!ヴァリエーションやコーダは、通常の「コッペリア」と同じだった。ヨハン・コボーの踊りもとても正確で軽く跳べており、いつも以上に調子が良さそう。なによりも、ラブラブなオーラが漂っていて、幸せを分けてもらったような気になるほど。

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■第2部■ 16:45~17:55

「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ Giselle pas de deux from Act2 
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
上野水香 マチュー・ガニオ Mizuka Ueno (The Tokyo Ballet) & Mathieu Ganio (Paris Opera Ballet)

怪我のためにずっとオペラ座の舞台から遠ざかっていたマチュー。日本は特別だから、ということで出演してくれたようである。通常ガラでジゼルが上演される場合には、十字架の前に二人が立っているところからのパ・ド・ドゥだ。だが、今回は、百合の花を抱えてアルブレヒトが森の中に入ってくるところから始まる。歩いているだけでも、マチューは本当に麗しい。マントからは紫色のタイツに包まれた脚が覗く。ジゼルの墓の前に倒れこむと、ジゼルの気配が。というところから、通常のパ・ド・ドゥへ。マチューは怪我をしている状態で来ているので、踊りは抑え目にしていたけど、実にノーブルで美しく、自責の念に苦しむ貴公子だった。ヴァリエーションの最後に倒れこむところは、一気にばたっと倒れるのではなく、跪いて、両腕を交差させるところで終わる。このほうが脚への負担が少ないんだと思う。だが、一途な愛をジゼルに捧げているのは良く伝わってきた。
さて、上野さんのジゼルはというと、感情を一切見せない、能面のように無表情だった。死してなお残したアルブレヒトへの思いが、ウィリの姿となっているというのがわからなかった。踊りが重くて浮遊感がない、パとパのつなぎ方が良くない。腕が長いので雰囲気は出ているんだけど、それでもやっぱり重たい。カーテンコールでも、一生懸命マチューが彼女に気を使っているのに、上野さん気がつかなかったりしているんだもの。


「クリティカル・マス」Critical Mass
振付:ラッセル・マリファント/音楽:リチャード・イングリッシュ、アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ Sylvie Guillem & Nicolas Le Riche (Paris Opera Ballet)

まるで普段着のようなシャツにパンツを着用したシルヴィとニコラ。シルヴィは髪を後ろで無造作に束ねていてユニセックスな雰囲気。並んで立つ二人が、ほぼ上半身だけを左右対称に動かしていて、「Two」のデュエット版のようだ。最初はゆっくりだった動きがどんどん加速して闘争のように激しくなる。
緊張感あふれてスリリングな作品ではあるけど、上半身のシャープな動きが雄弁なシルヴィとニコラ以外のダンサーだったら、退屈かもしれない。古典パ・ド・ドゥだけでは飽きてしまうので、こういう作品を上演するのは大賛成。


「ライモンダ」より第3幕のパ・ド・ドゥ Raymonda pas de deux from Act3 
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ Maria Eichwald & Filip Barankiewicz (Stuttgart Ballet)

シュツットガルト・バレエのレパートリーに「ライモンダ」ってあったんだ、と演目が決まった時に意外に思ったものだった。バランキエヴィッチも、アイシュヴァルトも、古典のテクニックがしっかりしているダンサーだから、安心して観ていられた。衣装がレッドとゴールドを基調にした派手でちょっとエキゾチックな色彩感覚だったので、誰がデザインしたものなのか興味津々。
アイシュヴァルトは貫禄があってお姫様というより女王様、お顔の雰囲気もちょっとステパネンコに似ているし。ヴァリエーションは手を打ち鳴らさないロシアン・パターンで、私は断然手を鳴らさないほうが好きなので嬉しかった。手を鳴らさないほうが、手の優雅な動きが出て綺麗だと思うし、手の音は耳障りだし。さすがは旧ソ連のカザフスタン出身の彼女。アイシュヴァルト、途中までは安定感も抜群だったし、バランスも長い時間とっていたけど、ヴァリエーションの途中で体制を崩してしまったのはちょっと惜しかった。でも、堂々としたプリマの踊りを見せてくれたと思う。
バランキエヴィッチは、長身で脚が長く、ヴァリエーションがダイナミックに決まってカッコよかった。シュツットガルト現地にて眠りの王子で観た時には、ワイルド系の彼は王子キャラが似合わないと思ったけど、ジャンは騎士なのではまり役。トゥールザンレールもきれいに5番に着地してくれていた。マネージュで着地するときに、ハンガリー風に腕を頭のところに持っていくポーズがなんだか可愛かった。東洋風のしぐさが様になるのは、これまたさすがポーランド出身!
ところで、ライモンダのヴァリエーションでのピアノは、高岸さんだったのだろうか?なんだかミスタッチが多かった気がするのだけど。

「スカルラッティ・パ・ド・ドゥ」(「天井桟敷の人々」より)Scarlatti-pas de deux from Les Enfants du Paradis
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:ドメニコ・スカルラッティ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス Agnes Letestu & Jose Martinez (Paris Opera Ballet)

最初は暗い舞台の上で、無音の中、アニエスとジョゼが踊る。やがて少しずつ照明が明るくなり、下手にはピアノ。例によってこのピアノの演奏が壊滅的にひどくて、気を殺がれる。薄暗い中浮かび上がるアニエスとジョゼのシルエットがスタイリッシュ。そして少しずつ視覚に現れてくるアニエスによるデザインの衣装がファッショナブルで。長身の美男美女がポーズを取る姿は美しいんだけど、それが面白いかどうかはまた別の問題。「ドリーブ組曲」にも出てきた変則マネージュも登場したり、いろいろと工夫しているのはわかる。でも、全幕を観ていないと、これがどのシーンのもので、何を語りたいかというのもわからなければ、彼らが演じている役が何者かも良くわからなくて、今ひとつ楽しめなかった。ただ、カーテンコールで登場した二人は、もう惚れ惚れするくらい美しくてクールで、まさにスターの輝きを放っていた。

「ディアナとアクティオン」Diana and Actaeon
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ Xiomara Reyes & Jose Manuel Carreno (American Ballet Theatre)

難解な作品の後に、こういう古典のコンサートピースを観られるとホッとする。この間、「ルジマトフ&レニングラード国立バレエ&サンクトペテルブルグのソリストたち」ガラでもこの演目を観たのだけど、あの時の虎皮に赤パンツという悪趣味な衣装と打って変わって、ホセ・カレーニョの衣装はベージュ、シオマラ・レイエスの衣装も品のいいクリーム色。それにしても、ホセの肉体は今でも本当に美しくて、この衣装の似合うこと!神話の世界の住人に相応しい高貴さと野生。年齢を重ねるにつれて、少しずつテクニックの衰えが感じられてきたものの、まだまだ超一流であり、空中姿勢のエレガントさ、減速しながら惰性で回るピルエットの美しさは余人を持って代えがたい。全幕を踊る機会は減ってしまっても仕方ないけど、まだまだ踊ってほしいし、バレエフェスには欠かせないスターの一人なんだと思う。
先日のMETの「ロミオとジュリエット」では、少女そのものであり、可憐でその心にそっと寄り添いたくなるジュリエットを好演したシオマラ。小柄な彼女の、敏捷な踊りがディアナにピッタリ。フェッテもよく回ってくれた。シオマラちゃん、やっぱり好き!

「オテロ」 Othello
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルヴォ・ペルト
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン Helene Bouchet & Thiago Boardin (The Hamburg Ballet) 

音楽は、アルヴォ・ペルトの"Spiegel im Spiegel'(鏡の中の鏡)。白いゆったりとした薄手の長いドレスをまとったエレーヌ・ブシェのデズデーモナと、腰の周りに布を巻いているだけで美しい褐色の裸身のティアゴ・ボァディンのオテロ。どちらかといえば甘いルックスのティアゴが髭を生やしていてちょっとワイルド系。最初のうちは、並んだ二人が左右に体を揺らしているだけで、踊りというほどのものはないのだけど、エレーヌの立ち姿の美しさに惚れ惚れ。たっぷりとしたドレスを着ていても、彼女の身体のラインの美しさがよくわかる。途中でティアゴがエレーヌをリフトしたり、エレーヌの綺麗なアラベスク。デズデーモナが顔をそっとオテロの胸に寄せ、彼の腰の周りに巻いてある布を外していく。とても切なく痛ましいほど美しいシーンなのだけど、布から顔をだしたプリン、としたティアゴのお尻に、思わず目のやり場に困ってしまった。何しろ、一番前の席だったもので…。Tバックというかふんどし一枚になっちゃって、もう。その腰布を、自分の腰の周りに巻くデズデーモナ。この作品の全幕を観ていないので、どの部分からの抜粋なのかはわからないし、ガラで上演するには地味な、踊りともいえない踊りである。だけど、この短い抜粋だけで、「オテロ」の世界に観客を連れて行ってしまう二人のダンサーの力量は流石だ。

■第3部■ 18:10~19:25

「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ Die Kameliendame pas de deux from Act1   
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ Aurelie Dupont & Manuel Legris (Paris Opera Ballet)

楽しみにしていた演目だったのだけど、オーレリーの役の解釈がいただけなかった。オーレリー、相変わらずとても美しいのだけど、表情が能面のようで硬く、ちょっと怖い印象を与えていた。心なしか、貫禄がついたというか重量感も出てしまったようで。スージン・カンがマルグリットを踊ったYT映像をあまりにも何回も観てしまったし、ハンブルク・バレエ来日公演でのジョエル・ブーローニュも素晴らしかった。彼女たちは、死の予感に怯えながらも、初めての純粋な恋に胸をときめかす愛らしい面も見せてくれたけど、オーレリーからは、その心の変化が見えなかった。こんな傲慢そうなマルグリット、初めて観たな、と。

ルグリの踊りはいつもながら端正で、隅々まで行き届いていた。アルマンがマルグリットの部屋に入ってくるとき、彼女にからかわれたのに呼応するように、わざと床に倒れこむところがあるのだけど、ものすごく勢い良く倒れて行って、ルグリさんったら若い!と思って微笑ましく感じた。ルグリさん、エレガントな中にも、若々しさが溢れていた。でもそんなルグリでも、オーレリーのリフトにはちょっと苦労していたところが見受けられた。去年、ガルニエでデルフィーヌ・ムッサンと踊ったときには、素晴らしく流麗なリフトだったというのに。繊細で気品のあるデルフィーヌのマルグリットも良かったなあ、と思わず遠い目。


「フォーヴ」FAUVES  
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー/音楽:クロード・ドビュッシー
ベルニス・コピエテルス ジル・ロマン Bernice Coppieters (Ballets de Monte-Carlo) & Gil Roman (Bejart Ballet Lausanne)

なんて表現していいのか、難しいところだけど、とにかく面白かった!こんな「牧神の午後」があったなんて。ベルニス・コピエテルスの、まるでサイボーグのような、人間を超越した美しさ。長身美脚、プラチナブロンドのショートヘアがちょうカッコいい。カッコいいのに、女らしくて、潔いエロスを感じさせる。木製の箱みたいなのが二つ並んでいて、これがいろいろ動いたりする。その箱には、一つにジル・ロマン、もう一つに、ベルニス。ベルニスの脚だけが先に出てくるのだけど、この脚の超絶的なエロ美しさは一体何?やっぱりベルニスは人間じゃないのかも。白いシースルーのシャツから白いブラジャーとパンツが透けて見える衣装も素敵。あまりの彼女の美しさに、さすがのジル・ロマンも形無し。いや、ジルくらいのカリスマ性があるダンサーだからこそ、なんとかもったのかもしれない。


「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"Black swan pas de deux
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ Svetlana Zakharova & Andrei Uvarov (Bolshoi Ballet)

ずっとヨーロッパ的な作品が続いたので、このあたりで古典が観たい、と思ったときにちょうどザハロワとウヴァーロフ組に。やっぱり、これくらいの貫禄のあるロシアン・スターが出ていないと、世界バレエフェスティバルっぽくないと思う。ザハロワは必ずしも好調ではなかったようで、ピルエットでぐらついたり、フェッテの最後で踵をついてしまったりといったミスはあった。彼女だったら、白鳥の方がより魅力を発揮できると思う。それでも、圧倒的な造形美と場内を圧倒するオーラがあり、可愛らしくて、いつもよりちょっと邪悪なオディールは魅力的でたまらないものがある。グリゴローヴィチ版のオディールのヴァリエーションだったのが、また嬉しい。
ウヴァーロフも年を取ったなあ、と思ったけど、一つド根性を見せてくれた。コーダのリフトのところで、うまくザハロワを持ち上げられず、これは無理かな、と思った体勢からよっこらしょっと見事に高くリフトすることができたのだ。ロシア代表スターの意地を見た。


「カジミールの色」Kazimir's Colours
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ Diana Vishneva (Mariinsky Ballet) & Vladimir Malakhov (Berlin State Opera Ballet)

ビゴンゼッティのこの作品、すごく好きだし、今までにもガラなどで何回も観て来たのだけど、今まで観た「カジミールの色」とは同じ作品とは思えなかった。ヴィシニョーワ、凄い!強烈!見事に6つに割れた腹筋、しなやかな背中。プロットレスのコンテンポラリー作品なのに、ドラマティック。マラーホフがこんなに目立たないとは。でも、マラーホフも心なしか若々しく見えた。この二人がビゴンゼッティの作品を踊るのを、もっと観たいという期待が芽生えた。
それにしても、ベルニス・コピエテルス、スヴェトラーナ・ザハロワ、ディアナ・ヴィシニョーワ、ポリーナ・セミオノワと、この第3部はバレエ界最強の美女を集めた感がある。

「マノン」より"寝室のパ・ド・ドゥ"Manon Bedroom pas de deux
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル Polina Semionova (Berlin State Opera Ballet) & Friedemann Vogel (Stuttgart Ballet)

ポリーナは可愛いし、フリーデマンは朴訥そうで甘いのに、なぜかこの二人の「マノン」はしっくり来なかった。ポリーナも、どちらかといえば強さが前面に出てしまうバレリーナで、天然のファム・ファタルであるマノンは似合わないのだと思う。フリーデマンはデ・グリューの付け毛をつけていたけど、前髪が下ろしたままでなんだか髪型が変な感じだった。彼は今年ENBの「マノン」に客演してとても評判が良かったようだけど、まだ「マノン」全幕で共演していないポリーナとでは、すぐにはケミストリーが生まれないのだろう。そもそも、この二人の組み合わせが合わないような気がしてしまう。ポリーナは、もっとベテランのダンサーと踊ったほうがいい感じになりそう。


「ドン・キホーテ」Don Quixote
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ Natalia Osipova (Bolshoi Ballet) & Leonid Sarafanov (Mariinsky Ballet)

二人ともテクニックに関しては文句のつけようがない。サラファーノフは、従来の超絶技巧を見せ付ける踊りから、もう少しエレガントで余裕を持ったバレエになっていて、進化していると思った。マネージュの中に挟まれている、ひときわ高いアティチュード・アンレールの形が美しい。しかしサラファーノフのバジルも、オシポワのキトリも、今までさんざん観てきたので、たとえボリショイ&マリインスキーでの組み合わせで観ても、あまり新鮮味を感じなかった。オシポワはフェッテはトリプル一回で前半全部ダブル、後半も腰に手を置いてのダブルを取り混ぜていて、超余裕で回っていた。でも、ワシーリエフと踊っていたときにはそうは感じなかったのだけど、ここでの彼女の踊りがあまり品がない感じで、ちょっと好みとは外れていた。マリインスキーのダンサーと踊ったから、余計そう感じてしまったのだろうか?やっぱりバレエって芸術だから、テクニックが凄いだけでは、飽きてしまうということを改めて実感した。

指揮:ワレリー・オブジャニコフ  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子

ここまで書いて、疲れた~。
カーテンコールで集まったダンサーたちを見ても、これだけ綺羅星のごとく大スターが一堂に集結した公演はほかにはないだろう、って思った。この豪華さは、まるで餡子が尻尾まで詰まったタイヤキのようで、お腹いっぱい。それでも人間とは贅沢なもので、去年のキューバ国立バレエのペアのような、知られざる凄いダンサー、それと後世まで語り継がれるような名演を求めてしまう。まだAプロが終わったばかりだから、お楽しみはこれからかな。

2009/08/02

2010年7月エトワール・ガラ開催/2010年4月モスクワ音楽劇場バレエ来日 Etoile Gala 2010 / Stanislavski and Nemirovich-Danchenko Moscow Academic Music Theatre

今日、世界バレエフェスティバルのAプロ初日に行ってきました。

休憩まで入れると4時間半の長丁場で、すっごく疲れました。この長時間なのに休憩が2回しかなくて、20分と15分、お手洗いに並んでいると終わってしまうんですよね。もう1回くらい休憩を入れるか、2回目の休憩も20分にするとかできなかったのかなあ。

もちろん、世界中のスターを一挙に観られる公演なので、楽しめたことは言うまでもないのですが。それに、怪我などで出演するかどうか不安だったダンサーたちも出てくれたのは本当に嬉しいことです。

感想を書こうと思ったのですが、終わった後に友達とご飯を食べに行って盛り上がって遅くなってしまったので、明日改めて書きます。Aプロは1回しか観ないし。

で、今日は少し早めに会場に着くことができたので、やっとチラシの束を入手することができました。新しいお知らせのほか、マリンスキー・バレエやキエフ・バレエ、NYCBも新しいバージョンのチラシになっていたりして。

何気にオーチャードホールのラインアップの中にも入っていましたが、「エトワール・ガラ」の速報チラシが入っていました。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/index.html

エトワール・ガラ2010 Etoile Gala 2010

公演日程: 2010年7月予定

来日予定ダンサー(2009年8月現在)

マリ=アニエス・ジロ  (パリ・オペラ座バレエ) Marie-Agnes Gillot
パンジャマン・ペッシュ (パリ・オペラ座バレエ) Benjamin Pech
マチュー・ガニオ (パリ・オペラ座バレエ) Mathieu Ganio
ドロテ・ジルベール (パリ・オペラ座バレエ) Dorothee Gilbert
マチアス・エイマン (パリ・オペラ座バレエ) Mathias Heymann,
エレオノラ・アバニャート (パリ・オペラ座バレエ) Eleonora Abbagnato
シルヴィア・アッツォーニ (ハンブルク・バレエ) Silvia Azzoni
アレクサンドル・リアブコ (ハンブルク・バレエ) Alexandre Riabko
イリ・ブベニチェク (ドレスデン・バレエ) Jiri Bubenicek
ほか

Bunkamura オーチャードホール

主催:フジテレビジョン/Bunkamura

正式発表ですね~!去年の怪我降板組-レティシア・プジョル、エルヴェ・モロー、ジェレミー・ベランガールが入っていなくて、ドロテが加わりました。楽しみです!

*****

もう一つ、モスクワ音楽劇場バレエ(ダンチェンコ)の来日公演の仮チラシもありました。

Stanislavski and Nemirovich-Danchenko Moscow Academic Music Theatre Ballet
2010年4月来日。プルメイステル版「エスメラルダ」、ブルメイステル版「白鳥の湖」が上演されます。
情報をご希望の方は、mamt@kyodotokyo.com に空メールを送信してくださいとのことです。主催は前回と同じ、キョードー東京。

セルゲイ・フィーリンが芸術監督に就任してから初めての来日となりますね。前回の来日公演でのブルメイステル版「白鳥の湖」が演劇性に優れていて素晴らしかったので、今回も楽しみです。「エスメラルダ」の全幕上演はこの間NBAバレエ団が行いましたが、あまり上演されることのない演目だし、ブルメイステル版ということでこれも興味津々。

*****

2010年3月のグルジア国立バレエの来日公演の仮チラシもありました。ボリショイの岩田守弘さんが、「ロミオとジュリエット」のマキューシオ役でゲスト出演するそうです。岩田さんのマキューシオ、観たいです!

http://ja-ballet.seesaa.net/article/124529394.html

Gbflyer

2009/08/01

DANZA 23号とデヴィッド・ホールバーグのインタビュー動画 David Hallberg's Interview Video

DANZAの23号(2009年8-9月)、表紙とカバーストーリーは麗しいデイヴィッド・ホールバーグです。

Top2_023

こちらで、誌面を読むことができます。今回から、レビューもインターネットで読めるようになったんですね!
http://www.mde.co.jp/danza/book/023/#page=2

Kings of the Danceのツアーでロシア各地を巡回したことや、今年のMETでのラトマンスキーの新作「ドニエプルの岸辺で」について話しているので、いつ収録されたインタビューなのか、とても気になります。小林紀子バレエシアターでヨハン・コボー版「ラ・シルフィード」に出演した時の、ジェームズの役作りをどうやって行ったかについて話す語り口からは、相当深く考えて演じているというのが感じられます。ジェームズを踊ったのは日本が初めてで、今年、ABTでナタリア・オシポワとブルノンヴィル版の「ラ・シルフィード」を踊ったんですよね。

そのデイヴィッドですが、こちらのサイトで、「ロミオとジュリエット」に出演した時のインタビューと、リハーサル動画を観ることができます。
http://www.backstage.com/bso/video.jsp

ここでも、彼は自分自身がロミオにならなくてはならないと語っています。最初リハーサルでは、最初から真剣に真面目に演じようとしていて、バレエ・ミストレスのジョージナ・パーキンソンに、ロミオは若々しく、エネルギッシュでないといけない、本当に真剣になるのはジュリエットのために死ぬ時なのだからと注意されたとのことです。ダンサーとして、自分の肉体で感情を表現するのはどういうことかということについて、とても細かく話してくれています。そしてリハーサル動画での彼の動きが本当に美しいんですよね。

実際、先日METで観たデイヴィッドのロミオは素晴らしかったです。彼が初めてこの役を演じたときも観たのですが、成長ぶりに驚かされました。生まれ持った美しく長い脚や見事なつま先に、磨きぬかれたテクニック。滑らかでしなやかな動き。DANZAのインタビューの中でも、「王子を演じるために生まれてきたと言われる」と語っていますが、エレガントな容姿の中にも、ロミオの若々しさ、激しい怒りの感情やほとばしる情熱を感じさせてくれて、演技にもとても深みがあるのがわかりました。Kings of the Danceで上演されたアシュトンの「精霊の踊り」のために、アンソニー・ダウエルにコーチされたとのことですが、いつかデイヴィッドの「マノン」のデ・グリューや、「真夏の夜の夢」のオベロンといったダウエルの18番の演目が観たいなって思います。

他に、インタビューは、服部有吉さん(アルバータ・バレエ)、井関佐和子さん(NOISM)、秋元康臣さん(NBAバレエ団)。秋元さんは、先日の「ゴールデン・バレエ・コースター」で、エフゲーニャ・オブラスツォーワのパートナーとしていい踊りを見せてくれましたよね。

【特集】
ニューヨークシティ・バレエ来日特集
映画「パリ・オペラ座のすべて」

【未来のエトワール】篠宮佑一(牧阿佐美バレエ団)

海外レポートが充実していて、中村祥子さんが主演したベルリン国立バレエの「白雪姫」(プレルジョカージュ振付)、マリインスキー・バレエの「シュラレー」復元版、ハンブルク・バレエの「ニジンスキー」、パリ・オペラ座の「オネーギン」3キャスト分と、かなり盛りだくさんです。

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