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2009/07/30

7/29 世界バレエフェスティバル「ドン・キホーテ」 World Ballet Festival Don Quixote Kochetkova & Simkin

世界バレエフェスティバルの最初の演目、全幕プロ「ドン・キホーテ」に行って来ました。

P1040177s

http://www.nbs.or.jp/stages/0908_wbf-special/index.html

ダニール・シムキンはつい先日ABTで「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオを踊るのを4回観たのだけど、やっぱり脇役を踊るのと、主役を踊るのでは全然違う。ベンヴォーリオのときは、確かに踊りはすごく綺麗だしテクニックがあるのも判るけど、それってベンヴォーリオなの?って思うくらいちょっと出しゃばり気味で、音を外していることも多かった。Ballet Talkなどでは、「ジゼル」のペザントや「パリの炎」などで、パートナーリングが弱いって指摘を受けていた。

だけど全幕の主役、それも世界バレエフェスティバルのオープニングで、さらにバレエフェスに出るスターたちが客席にいる舞台では、彼の気合の入り方も違っていたと思う。今日のダニールは、主役に相応しく、必要以上のテクニックの誇示は控え、あくまでもエレガントで、サポートにも相当気を使っていた。彼はすごく身体が柔らかいし、小柄で華奢ということもあるけど、ふわっと軽やかで、超絶技巧を決めてもケレン味がないので、品良く見えるのかもしれない。ヴァリエーションを観ていると、ものすごく浮力があるというか、バロンがあるという感じで、マネージュの中に挟みこんでいるトゥール・ザン・レールで、一段と高く浮かんでいるのがすごい。それから、すごくきちんとアンドゥオールしていて、つま先まで綺麗に伸びていて。ピルエットは、回転数は7~8回くらいは回っているけど、軸がしっかりしていて、緩やかに減速してきっちっと綺麗にフィニッシュしているから、ますますエレガントな感じ。片手リフトも、1幕と3幕で2回ずつやって、けっこう長いことリフトとしていたから、結構やるのね、と思った。

マリア・コチェトコワは、やっぱりロシアンなダンサーだなって思った。ダニールも小さいけど、さらに小柄で、東京バレエ団の女性ダンサーたちよりも小さいくらい。演技はとてもお転婆娘っぽくていたずらっぽい表情がキュート、キトリしているのだけど、踊りは鷹揚で、溶けてしまいそうなくらい柔らかくゆるやかな腕の使い方がきれい。でもボリショイバレエ学校からロイヤル・バレエスクールに移っているから、英国式の控えめなところも持っている。ダニールと同じで、ケレン味がない。好き嫌いの話で言えば、私はロシア・バレエは好きなのだけど、最近のマリインスキーのダンサーに観られるような過剰なまでに脚を上げたり、音に遅れてまでも身体能力を誇示するような踊りにすっかり食傷気味だったので、彼女のアプローチには非常に好感を持った。テクニックはもちろん高くて、カスタネットのソロは、自分でカスタネットを派手に鳴らしていて、後半のピケはダブルで回っていた。グラン・フェッテは、前半は全部ダブルで、後半はダブルとシングルを入れていて、バッチリ決まった。サポートつきピルエットで最初のうちぐらついたところがあったけど、全体的にはとても良かった!それに、何よりマリアはものすごく可愛い!ドルシネアの白いチュチュを着ると、本当にお姫様みたいだった。

若くてフレッシュなこのコンビ、未完成のところはもちろん見受けられたけど、とても爽やかで、気持ちよい踊りと演技を見せてくれた。

東京バレエ団のメンバーは、サンチョ・パンサの高橋竜太さんがすごく良かった。こんなに踊りまくれるサンチョ・パンサも珍しいのでは?キューピッドの高村さんも、安定感があってとてもキュートだったし、お友達二人の佐伯さんと乾さんも音に良く乗っていて歯切れ良かった。ガマーシュの平野さん、せっかくの二枚目がちょっともったいないけど、すごく可笑しかったし。いただけなかったのはエスパーダの後藤さん。グラン・バットマンするときに上げた方の脚の膝が緩んでいたり、マネージュでも脚が伸びていなかったり、ちょっと有り得ないレベル。闘牛士やジプシー役のダンサーを見ても、彼よりずっと踊れそうな人材がいそうなのに、なぜ彼がエスパーダ?本当は木村さんのエスパーダが観たかった。それから、西村さんが街の人とかファンダンゴの群舞のような小さな役を踊っていて、すごくもったいなかった。西村さんに森の女王を踊って欲しいと思った。田中さんも奈良さんも、上半身の動きが硬くて、少なくとも私の好みではない。

ワシーリエフ版の「ドン・キホーテ」、テンポが良くて楽しいのだけど、3幕にキューピッドの群舞は要らないと思うのと、休憩が1回しか入らないので、ちょっと疲れるのが難。(お手洗いもすごく混んでいた)でも、東京バレエ団の個性には合っていて、モブシーンはすごくこなれていていいし、闘牛士やジプシーなどの男性の踊りの平均点も高い。全体的には良い公演だったと思う。ただ、世界中からスターダンサーが集まって観に来ている公演なので、もう少しましなエスパーダを起用するべきだっただろう。

第12回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ
「ドン・キホーテ」

キトリ/ドゥルシネア姫:マリア・コチェトコワ
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:野辺誠治
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:横内国弘


【第1幕】

2人のキトリの友人:乾友子‐佐伯知香
闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾、柄本武尊、森川茉央
若いジプシーの娘:吉岡美佳
ドリアードの女王:田中結子
3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、福田ゆかり、村上美香、阪井麻美
キューピッド:高村順子


【第2幕】

ヴァリエーション1:佐伯知香
ヴァリエーション2:乾友子

協力:東京バレエ学校

指揮:デヴィッド・ガーフォース
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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バレエ公演感想2009」カテゴリの記事

コメント

うらやましい~~~、ダニールとマリアのドンキが見れて!!
観てみたいよー
ダニールはコールド経験もないだろうし、ほとんどプライベートレッスンで育ってきたダンサーだからみんなと合わせる?っていう経験が少ないから ピンで踊る方がやっぱりいいよなーって私は思ってました。観たかった!!!!!!

わ~い、Naomiさん、マリア&ダニール君のドンキレポ、楽しみにしていました。 早速のアップありがとうございます! フレッシュな二人(若い~)のキトリ&バジルが目に浮かびました。目の肥えた日本の観客を前にバレエフェスの初日、マリアちゃんも緊張したんじゃないかなー、とちと心配でした(勝手に母モード)。 ダニール君は先日のABT公演では私は残念ながら見れなくて(ロサンゼルス公演最終日には登場せず)、Naomiさんのこのレポを読んでぜひ生公演実物をみたいなぁ、と思いました! 世界バレエフェスではAB+ガラとまだまだマリアちゃんも出番がありますね。 自分のチケットはもう無理そうなので、Naomiさんの今後のレポを楽しみに待ってます!(パリの炎、海賊にチャイパド、なんてすごそう~~~!二人の超絶炸裂モードでしょうか。 個人的にはマリアちゃんのチャイパドが一番見たいです~~!)

naomiさん、こんにちは。
今回のドンキ。チケットを持っていたのに都合が悪くなり友人に譲ってしまいました。
ダニール・シムキンのバジル楽しみだったんですが。。
naomiさんのレポートを読んで、想像して楽しみました。
いつもありがとうございます。
バレエ鑑賞に嵌ってから日が浅いので、ライブで踊っているのを観たことのあるダンサーの方が少ないんです。
先日のNBAのガラや今回のバレエフェスで少しずつ増えていくのが嬉しいです。(来年のシルビア客演のマルセロ・ゴメスも初見です←楽しみ♪)
というわけで、私にとって初めてのバレエフェス。とても楽しみにしています。

Naomiさん
こんにちわ
私も昨日のドンキ行って来ました~
もちろん目当てはシムキンです
Naomiさんが「主役に相応しく、必要以上のテクニックの誇示は控え、あくまでもエレガントで、サポートにも相当気を使っていた」と仰る通り、本当に素敵なバジルを演じきってくれたと思います。

正直なところ、マリア・コチェトコワはあまり私の好みのダンサーではありませんでした(う~ん、残念)。
シムキン同様、高い技術を持っていながら、それを誇示しすぎない控えめさとかはすごく高感度アップなのですが、何となくシックリ来ませんでした
コチェトコワは滅茶苦茶可愛いから、くるみとかで見てみたいですね

個人的には吉岡さんのジプシーと高村さんのキューピットに拍手喝采です
特に吉岡さんの独特なオーラというのか・・・彼女が踊っている時は目が離せませんでした。
いろんな役で見たいダンサーだと再認識した次第です、はい。

実はNaomiさんが席にいるところを見かけたので、休憩時間に探したのですが、通常のバレエ公演とは比べ物にならないくらいの人だかりで、結局見つけることが出来ませんでした
次回お見かけした時は、お話しできると良いですね
まだ、A/Bプロ、ガラ、全幕、オマージュとありますから(もちろん全ての公演に行くほど潤沢な財力はありませんが・・・)、この贅沢な公演を楽しんで夏を乗り切りたいです

私はAプロから参戦なのですが、本当はこれも見たかったんですう。でも資金が足りなくて。。。レポありがとうございました。NYの主役でないときと、この環境での主役のときと、シムキンくんの違いがあるということがよくわかりました。さすがのレポです!!

それにしても、Sasaki's Galaってやっぱりすごいんですね。実感。

takakoさん、こんにちは。

METシーズンでダニール、色々と活躍していたみたいですが、全幕の主役はさすがにまだ回ってきませんよね。でも、バジルは本当に良かったです!思ったよりずっとエレガントで、しなやかで妖精のようなバジルで不思議でした。彼はバレエ学校には行かないで両親に教えてもらっていたんですよね。
ABTには、サラ・レーンやシオマラ・レイエスのように小柄なバレリーナもいるので、すくすく育って、主役を踊って欲しいですよね!

Kaoruさん、こんにちは。

もしかして今日本に帰られていますか?確かにバレエフェス、ほとんど完売だと思いますが、「おけぴ」というチケット定価譲渡掲示板に出たり、NBSで戻り券が出たりするようなので、もしいらっしゃるなら、チャレンジしてみるといいかもしれません。

本当にフレッシュな二人でした!若くて小さくて可愛い♪たしかに、日本でほぼ初めての主演で、マリアも緊張していたのかもしれません。客席には、フェスに出演するダンサーの皆様が勢ぞろいしていたようだし、日本に来たのも直前だったようだし。最初のうちは、調子が出ていないかな、と思ったところもありましたが、まず、ドルシネアがすごく良かったんですよね。ゆったりとした音の使い方が気持ちよくて、鷹揚で。お姫様系が似合うんだなって思いました(私は「くるみ割り人形」のDVDの映像でしか彼女を観ていなくて)。ダニールはLA最終公演には出なかったんですね。でも、きっとSFにいれば観る機会はあると思うので!

マリアとダニールのチャイコフスキー・パ・ド・ドゥ、私もとっても楽しみです!

kimiさん、こんばんは。

今回の「ドン・キホーテ」観にいけなくて残念でしたね。私も去年のポリーナとウヴァーロフがゲストで出演した東京バレエ団の「ドン・キホーテ」は観にいけなくて譲ってしまいました。
バレエフェスで、一度にたくさんのダンサーを観て、その中でご贔屓を見つけていくのって楽しいですよね!私は初めてバレエフェスを観に行ったのは1994年なのですが、すでに何を観たのかすら記憶にないくらいです(苦笑)
今回のバレエフェスが最後になりそうなダンサーもたくさんいると思うので、目に焼き付けておくチャンスですね!

naomiさん お久しぶりです。そして、こんばんは
sakuraでございます。
とっても久々のカキコです
いつも楽しく拝見、そしてお勉強させて戴いています。

昨日の<ドン・キ>私も行きましたぁ
シムキン君、最高でした
昨夏のヒカサ・バレエの時とは違ってクラシックも最高
私にとって、今夏最も注目ダンサーの一人であるシムキン君。
バレエ・フェス開幕にふさわしい舞台でした

実はバレエ歴長いのに<バレエ・フェス>初参戦でして
会場に入った時、観客、キャスト、スタッフ等のモチベーションの高さに圧倒されてました。
注目度の高さを感じました
今までの時間を取り戻せるよう(無理でしょうか?)今夏はこれに掛けていたりします

これからのA、Bプロとっても楽しみですね

Shigeさん、こんばんは。

昨日いらしていたんですね~多分相当私の友達や知り合いも来ていたはずなのですが、本当に盛況で見つけるのも困難な状態でしたね。休憩一回しかないし。(東京バレエ団の「ドン・キホーテ」、感想でも書いているんですが、3幕にキューピッドが出るのと、休憩が一回しかなくて最初の休憩までが長いこと以外は、楽しくて良くできているヴァージョンですよね。新国立のギターの踊りとか入るタルいヴァージョンがあまり好きじゃないし)
マリアお好みではなかったですか。彼女はすごく小柄で、ボリショイ・バレエ学校出身なのに、小さいゆえボリショイどころかロイヤルにも入れなかったということで、プロポーション抜群のロシアン・バレリーナを見慣れていると、というのはありますよね。私は逆に、マリインスキーの「ドン・キホーテ」を観て、オブラスツォーワとコンダウローワ以外のバレリーナはあまり好みではなかったわけですが・・・細長くてプロポーションは良くて脚はすごく上がるけど踊りが丁寧じゃないというか、音楽性がないというか、そういう人が最近多くて。東京バレエ団で最近押している3人娘も、みんな背は高くプロポーションはいいんだけどむむむ…。

吉岡さんのジプシーと高村さんのキューピッドはとてもよかったですよね!やっぱりベテランならではの安定感があって、役にきっちり入り込んでいて。吉岡さんは正直テクニックは衰えてきていると思うけど、表現力があって、世界に引き込んでくれますよね。高村さんはいつまでも可愛くて、正確な踊りで理想的なキューピッドでした。

バレエフェス、私もベジャールはパスするし、Aプロは1回、Bプロは2回という感じです。一枚一枚のチケットが高いですよね、ホントに。でも、全幕を入れるとあと6回観られると思うと幸せです

ショコラさん、こんばんは。

バレエフェス、出演者が豪華だからこれくらいお金とっても当然といえば当然なのですが、それでもやっぱりチケット代高いですよね!私も、ものすごくご贔屓なダンサーは今回出演していないのに、こんなにお金つぎ込んでもいいのか、って冷静になると怖くなります。
でも、このフレッシュコンビが主演の「ドン・キホーテ」観られて本当に良かったです!

平日公演で到着がぎりぎりだったので、客席ウォッチはあまりできなかったのですが、ホセ・カレーニョ、マチュー・ガニオ、チャゴ・ボアディン、エレーヌ・ブシェ、ルシンダ・ダン、フィリップ・バランキエヴィッチ、マリア・アイシュヴァルトは見かけました。

sakuraさん、こんばんは。お久しぶりです!

ダニール、観られたんですね!良かったですよね~
NYでABTの「ロミジュリ」のベンヴォーリオを観たときも、動きがとても綺麗で、すごく目立っていたのですが、ケレン味がなくてこれみよがしな感じが全然ないのが良かったですよね。小さいのに片手リフトも頑張っていたし、これから先も注目ですよね~!ロミオなんか踊って欲しいなって思いました!

再び失礼致します。sakuraです。
確かに、動きがとても綺麗でしなやか。まるでゴム鞠のような柔軟さと強靱さ、特にあのランベルセは美しかった・・・
軸がぶれず、超絶技巧くりだしているのに全く嫌みじゃないし・・・素晴らしい

ロミオ・・・観たいです~
きっと美しいでしょうね~いつか観られますよーに^^♪


やはり、ドンキいきたかった!
私はロホさんの白鳥に行きます!

sakuraさん、こんばんは。

そうそう、ダニールの1幕のキトリの友達二人との踊りのときのランベルセ、美しかったですね。柔らかくてしなやかで、手と足先が着くんじゃないかとおもうほどでした。そして、すごいことをやっていても、どうだ、みたいなところがなかったのが好感が持てますよね。

ABTでは小柄なエルマン・コルネホもロミオを踊っているので、ダニールもそう遠くないうちにロミオ役が回ってくると思います。(エルマンくんがロミオの時、ダニールがベンヴォーリオで、ダニールの方がちょっとだけ背が高かったのですが、小さい子組でそろえたんだなって思いました)ロミオは10代の少年の役ですからね~。

buminekoさん、こんばんは。

きっとダニールくんのバジルを観る機会はこれからもあると思いますよ!

タマラ・ロホとフェデリコ・ボネッリの「白鳥の湖」も行く予定です。また平日公演なので猛ダッシュで駆け込まなければなりません

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