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2009/07/26

NYCBのコール・ド11人解雇と、ピーター・マーティンスの高額報酬

少し前に、NYCBのコール・ドのダンサーが11人レイオフされるという報道がありました。そして、解雇されたダンサーの一人のインタビューが、TimeOutに掲載されました。バレエ一筋に生きてきて9年間在籍していたダンサーが、急に仕事を奪われて混乱している様子が伝わってきて、とても切ないです。

http://newyork.timeout.com/articles/dance/75978/sophie-flack-interview

Blombergの記事によると、
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601088&sid=aJjj8nuW0VKI

NYCBの芸術監督ピーター・マーティンスは、納税記録によれば2008年6月までの1年間の報酬が69万9000ドルだったとのこと(7000万円くらい)。前年より1%減額されたとのことです。またゼネラル・マネージャーのケネス・タバチニクが34万8000ドルで前年から19%増額。マーケティングディレクターが26万4000万ドル、そしてプリンシパルのダミアン・ワーツェルが27万8000ドルでした。ただし、ダミアンの収入には、長年勤めたダンサーに払われる退職金$6万6,000ドルも含まれているとのこと。さらに、音楽監督は30万1000ドル支払われました。

不況により、寄付金が減少したことにより、NYCBの2008年シーズンは700万ドルの赤字となったそうです。そのため、シニアスタッフの多くは10%、その他のスタッフは5%の給与カットとなりました。そして、11人のコール・ドのダンサーが解雇されたのです。


New York Timesでは、解雇された11人のダンサーのうちの数人に取材した記事を掲載しました。
Sudden Finale
http://www.nytimes.com/2009/07/26/arts/dance/26waki.html

契約更新が間近に迫った2月に、彼らはマーティンスから解雇されることを告げられ、数人はすぐにバレエ団を去り、残りはシーズンの終わりまで舞台に立ち続けました。

多くのダンサーはまだ20代前半で、今までの人生をバレエに捧げてきたため、自己否定された気持ちになってしまったようです。バレエを辞めて大学に入る人もいれば、他のカンパニーのオーディションを受ける人もいます。しかし経営が厳しいのはどこのバレエ団も同じで、名門NYCBに在籍していたからといって、新しい仕事を見つけるのは困難なようです。

NYCBの広報は取材を拒否し、11人のダンサーが解雇されたという事実も当初は認めようとしていなかったとのことです。

一方で、見習いダンサーが何人か採用され、さらにピーター・マーティンスの高額報酬が話題となったことで、大きな議論が巻き起こっています。マーティンスは、NYCBの芸術監督としての報酬のほか、SAB(スクールオブアメリカンバレエ)の教師としての収入が別途あるようです。


******
Ballet Talkなどの議論によれば、ABTも大幅な収入源に見舞われたものの、スタッフやダンサーの給与をカットすることで、雇用を守るという方針になったそうです。芸術監督のケヴィン・マッケンジーの報酬28万7千ドルは、ピーター・マーティンスの半分以下です。バレエ団で一番の高給取りであるジュリー・ケントの年収は$174,528だそうで。

また、マーティンスの妻であるダーシー・キースラー、息子のニラス・マーティンスもNYCBのプリンシパルです。キースラーは今年引退しますが、年齢による衰えが大きく、ニラス・マーティンスも精彩を欠いているため、このようなダンサーにも高額の報酬を払っていることへの疑問が起きているようです。


この記事によると、
http://www.artsjournal.com/foot/2009/07/nycb_chief_peter_martins_annua.htmlミハイル・バリシニコフがABTの芸術監督だったときには、彼の報酬はわずか1ドルで、彼は自分が舞台に立つ時のギャラで生計を立ててていたとのことです。60歳を過ぎているマーティンスは、舞台に立つのは無理でしょうが。

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バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

なんかとてもショックです。

ピーター・マーティンスはかっこよくってダンサー時代の映像なんかとてもすてき。

それなのに自分が若かった頃と同じ志を持っている人達から搾取(これは言い過ぎだけど)してるようで、、、

まるで違う畑から来た人ならダンサーを可愛いとは思わないかもしれないけれど、彼の職歴を思うとなぜダンサー優先の作を取らなかったのかと思ってしまいます。

ずずさん、こんばんは。

ピーター・マーティンス、ダンサー次代は映像でしか見ていませんが本当に素敵でしたよね。(なのに、なんで息子のニラスはあんなにもっさりしているんだろう)

アメリカは、バレエ団に限らず経営者は日本では考えられないくらい報酬を貰っているのが普通みたいですよね。でも日本人からするとびっくりです。紹介した記事のうちのどれか(多分NYT)で、バランシンもバレエ団が軌道に乗るまではノーギャラだったと書いていましたし、ミーシャの報酬が一ドルだったというのは、心意気を感じますよね。
一流のダンサーが高収入なのは当然だと思いますが、バレエ団が大幅な赤字だったら、やっぱり芸術監督も給与をカットされるのも当然だと思います。マーティンス、たしかSABからも3000万円くらい貰っているはず。NYCBは、コール・ドも年収700万円くらい貰えるらしく、世界的に見てもお給料が良いバレエ団だと思いますが、ABTみたいに苦しい時はみんなで少しずつ給料をカットして、耐え抜いた方がいいと思うんですよね。コール・ドを育てるのって凄く難しいし、記事の中にあるように、いわばバレエ団の生命線ですからね。

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