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2009/06/14

6/14 服部有吉&辻本知彦&群青&TATSUO「身体展示」世田谷美術館 Yukichi Hattori Body Exhibition/「プレミアの巣窟」で放映

世田谷美術館で行われている展覧会「日本の自画像 写真が描く戦後1945-1964」展の関連イベント「身体展示」。服部有吉さんが演出し、服部さんと辻本知彦さん、群青さん、そしてTATSUOさんの4人のダンサーが、展示空間の中に不意に現れ、ダンスパフォーマンスを行うという企画。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/event/list.html

この企画を行うにあたっての、企画や準備の様子が、ブログ「「身体展示」 稽古作業場
http://blogari.zaq.ne.jp/hattori/
にて行われていて、それを読んでいても、とても楽しそう。

「日本の自画像 写真が描く戦後1945-1964」展は、1945年の太平洋戦争の終結から1964年の東京オリンピック大会開催までの20年の間、日本の敗戦から復興までを石元泰博、川田喜久治、木村伊兵衛、田沼武能、東松照明、土門拳、長野重一、奈良原一高、濱谷浩、林忠彦、細江英公という写真家たちの作品で振り返るというもの。広島や長崎の原爆の爪あと、特攻隊員が残した遺書、焼け野原の東京、闇市から、たくましく働く農民、当時の風俗の最先端の若い女性、サラリーマンや踊り子などの、ほとんど無名の人々の生活を切り取ったもので、とても面白かった。が、一番インパクトがあったのは、細江英公が三島由紀夫を撮った「薔薇刑」からの作品。三島のみならず、細江英公の作品の倒錯的で耽美な雰囲気は、モノクロームなのに鮮烈で妖しくて取り憑かれそう。

P1030799s

それらの写真を眺めていると、いつの間にか人だかりができていて、その真ん中には、一人の小柄な青年。服部有吉さんだった。白い長袖のTシャツに普通のスラックス、裸足。動きはほとんど即興という感じで、最初のうちはあまり大きな動きを見せないで、腕を動かすことが中心だったけど、ロン・デ・ジャンブから、グランバットマンやアントルシャなどを見せて、そしていつのまにかパフォーマンスを終え、すたすたと歩き去っていった。

服部さんが去っていった先、隣の展示室を見ると、そこには長身でドレッドヘアの辻本さんが。「ラプソディ・イン・ブルー」以来見る辻本さんの動きはとてもシャープだ。さらに群青さん、TATSUOさんも加わり、デッキからちょっとアフリカンな音楽が流れてくる。辻本さんと小柄で敏捷なTASUOさんが、絶妙の間で、一瞬映画のカンフーのシーンみたいに向かい合って踊る。服部さんがまたすたすたと歩いてきて、着ていた白いTシャツを脱ぎ捨ててまた歩き去っていく。すると、辻本さんがそのシャツを拾って頭にバンダナのように巻きつける。群青さんは、ブレイクダンスを見せてくれた。この展示室には、戦後から20年の日本人を写した写真がたくさん展示されている。ヒップホップやブレイクダンスはアメリカで生まれたダンスだけれども、侍の刀を振る動きをステップの中に取り入れたと言って、鋭くてとってもカッコいい動きを取り入れて見せた。

このパフォーマンスが面白いのは、予告なしに突然こういったパフォーマンスが始まるということと、4人のダンサーがいるので、4人同時に動いていることもあれば、一人だったり二人だったり、メンバーが入れ替わったりすること。そして、写真展を開催中の展示室で行われているということなので、ダンスを見る観客と、ダンサーが、通常では考えられないような近い距離にいるということ。バレエ、コンテンポラリー、ストリートダンスといったジャンルの枠も取っ払い、決まった振付もないし、ダンサーが自分の言葉で観客に語りかけていたりする。言葉じゃなくても、ダンサーが観客の目を見て動いていたりして、コミュニケートしようとしている。辻本さんのトークが面白い。新しい変わった動きを考え付いて、「これを500年やり続けたら歴史に残るよ」と言ってみたり。服部さんがバレエ的な引きあがった美しいポーズをとると、「それは西洋の動き。ここは日本だから」と言ってみたり。そしてダンサーが館内を移動すると、観客もぞろぞろと一緒に移動したりするのが、ちょっとストーカーっぽいんだけど、なんだか可笑しい。さらに、このイベントがあることを知らないで普通に展覧会を見に来た人が、ダンサーの前を横切りながら不思議な顔をしているのも、可笑しい。

そして彼らは美術館の外の、芝生へと飛び出して、芝生の上でのびのびと飛び回った。外を歩いている子供に話し掛けたり、TATSUOさんなどは木登りまでしたり。私たち観客は、美術館の大きな窓から、この芝生の上を見ていて、窓がまるで額縁のような役割をしていたのが面白かった。群青さんがいつのまにかいなくなったと思ったら、館内での、勅使川原宏監督のドキュメンタリー映画を観に行ってしまったらしい(笑)

P1030800s_2


この「身体展示」は昨日も行われていたということで、1日8時間、合計16時間、4人は場所を変え、時には身体をストレッチしたり、展示してある写真をぶらぶらと見ながらも身体を動かしていたりして、踊りっぱなしということで、トイレ休憩すらなかったそうだ。私は14日日曜日の3時過ぎから閉館の6時までいたので、このイベントの最後の方を見ていた、ってことになる。それでも、最後の方はもはや彼らも疲れを超越してハイになっていたみたいで。辻本さんと服部さんが社交ダンスを踊って見せたりしたのが、すんごく面白かった。服部さんって、やっぱり動きがものすごく美しい人だ。裸足なのできれいなつま先の動きもすごくよく見えるし、しなやかで身体がよく引きあがっているのが見える。辻本さんの友人のストリートダンサーの人が飛び入りしたりして、ダンサーたちが一人一人ブレイクダンスのように腰を床につけてくるくる回って見せたのだけど、服部さんは、くるくる回りながら、アントルシャの足先をしてみせて、足先の動きがすごくよく見えた。

最後は脚がつってしまったそうで、横になっていた服部さん。でも、そこで身体を反らせて横たわっている彼の姿がすごくきれいだよ、観てごらん、って辻本さんが呼びかけて、観客がぞろぞろと服部さんの回りを取り囲む。こんなに近いところで服部さんが見られるなんて!

もう少し観客参加型のことをやるのかな、と思っていたけど、それはなし。日本人はシャイだからそういうのはちょっと難しいのかな?

16時間も動きっぱなし、踊りっぱなしのダンサーの皆様、本当にお疲れ様でした!観るほうも結構疲れたけど、すごく楽しかった!

*****
今回のメンバーのうち、服部さん、辻本さん、群青さん、そして「ラプソディ・イン・ブルー」にも参加したジャズピアニストの松永貴志さんで、「3D」という公演が7月31日~8月1日、池袋のあうるすぽっとで開催されます。

http://www.owlspot.jp/performance/090731.html

7月31日(金)~8月2日(日) 4回公演
CANプロデュース公演
『3D』
○演出:服部有吉、辻本知彦
○出演:dance:服部有吉 辻本知彦 群青
music:松永貴志

○主催:(株)CAN
○共催:(財)としま未来文化財団
一般 前売 6,000円/当日 6,500円
一般発売 6月19日(金)

今回の「身体展示」を観ると、この公演がとても楽しみになってきました。

また、フジテレビ「プレミアの巣窟」で「3D」公演が紹介されます。
*稽古映像、出演者コメント、チケット先行あり
放映日: 6.16(火) 深夜 26:08~26:33 (= 17(水)2:08~2:33)

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バレエ公演感想2009」カテゴリの記事

コメント

初めましてこんにちは。
こちらの公演、気にしていたのですが行くことができず、こちらで素晴らしいレビューを拝見して嬉しくなってしまいました。
友人もどうやら同じ日に見に行ったようなので、その感想と合わせて頭の中で美術館の様子を想像していました。
紹介の記事でこっそりリンクさせていただきました。
ご迷惑でなければ、よろしくお願いいたします。

ninnyさん、はじめまして!ようこそいらっしゃいました。

リンクは大歓迎です!そうやって紹介していただけて嬉しいです。ninnyさんのブログも拝読しました。辻本さんと群青さん、そんな活動もしていたんですね!ますます7月31日からの公演が楽しみになりました。
本当に楽しい催しだったので、またこういうの、やって欲しいです。毎回全然違った内容になりそうですよね。

初めまして!

…実は会ってるかもしれませんが(⌒~⌒)笑゙

私も身体展示2日目の15時くらいから閉館までいたんです!!
全く同じ物を見ているのですごく共感しました!!(o^∀^o)

思わずコメントしてしまいました,いきなりですみませんm(_ _)m


終わって出口を出たとこに群青さんが座っていたので驚きました!
どうやらドキュメンタリーを観に行ったわけでもなさそうで…若干不機嫌そうでした(・_・;)

flowrence さん、はじめまして!ようこそいらっしゃいました。

同じ時間に同じ場所にいたんですね!面白いことに、私は一人できていたのですが、3人も友達に偶然会場で会ったんですよ。面白い体験でしたね!

で、終わって出口を出たところに群青さんがいらっしゃるのも見ました!きっとflowrenceさんの近くにいたんですね、私。

naomiさまありがとうございます。
このパフォーマンスのレポを探しておりました。
服部君の新しいものに挑戦しようという姿勢は
まだまだ、何かをやってくれそうですね。
遠くから見守る(というか見られていないのですが)
ファンとしては大変嬉しいです。
久々の日本でのパフォーマンスですが、
関西に来てくれないのは大変残念です。
彼の引きあがったボディーとつま先は本当に美しいですよね。
そんなに近くでごらんになれたのは羨ましいです。
私ならついつい触れてしまいたくなったかも。

きょんさん、こんにちは。

服部くん、バレエという枠にとどまらず、色々なジャンルを柔軟に吸収して新しいものを作っていって、それがまたのびのびと楽しそうにやっているから素敵ですよね。関西で公演をしないのは残念ですね。

服部君や他のダンサーを近くで観られてどきどきしちゃいました。すごく繊細なつくりなんですよね。身長なんか、私と同じくらいって感じでしたが、おっしゃるとおり、つま先がすごく綺麗なんですよね。ゲイレンが赤ちゃんを連れて来ていましたよ。可愛かった~。

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