2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« トニー賞は「ビリー・エリオット」が10部門受賞!63rd Tony Awards | トップページ | レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)冬公演 The Mikhailovsky Ballet Japan Tour »

2009/06/10

DVD「ザハーロワ/ロパートキナ」~ロシア・バレエの新たな伝説~Zakharova and Lopatkina

ザハーロワ(約27分) Svetlana Zakharova Tsarine de la Danse
■出演:スヴェトラーナ・ザハーロワ
■収録作品(抜粋)および共演ダンサー
「白鳥の湖」 A.ウヴァーロフ
「眠れる森の美女」 A.ウヴァーロフ
「シェエラザード」 F.ルジマートフ
「ミドル・デュエット」 A.メルクーリエフ
「ジゼル」「ドン・キホーテ」
「ラ・バヤデール」「瀕死の白鳥」

ロパートキナ(約27分) Ulyana Lopatkina L'Ame de la Danse
■出演:ウリヤーナ・ロパートキナ
■収録作品(抜粋)および共演ダンサー
「白鳥の湖」
J.マルティネズ/D.コルスンツェフ/E.イワンチェンコ
「病める薔薇」 I.クズネツォフ
「三つのグノシエンヌ」 I.クズネツォフ
「ラ・ヴァルス」 S.クラエフ
「愛の伝説」「ダイヤモンド」

Les films de Laurent Gentot

ザハーロワ/ロパートキナ~ロシア・バレエの新たな伝説~
発売日: 2009年4月22日
仕様: DVD/COLOR/ ドルビーデジタル・モノラル /片面1層/4:3/オリジナル言語(露)・日本語字幕付
時間: 約54分
価格: 4,410円

現在のロシア・バレエを象徴するふたりのバレリーナを追ったドキュメンタリー。フランスのmezzo制作の2本のドキュメンタリーを一つのDVDに収録。

ザハーロワ編は、彼女の「瀕死の白鳥」から始まります。ロパートキナはガラなどでよく「瀕死の白鳥」を踊るけれども、ザハロワがこれを踊ったのを観るのは初めて。彼女には、あまりこの作品を踊るというイメージがなかったけど、こうして観てみると、さすがに腕の動かし方も繊細でとても美しい。そのうち舞台で観る機会があるかしら。

そして、ニコライ・ツィスカリーゼのコメント。小さな町出身である彼女を、昔から知っているという話をしていたのがちょっと意外でした。

ザハロワは、まさに今咲き誇る華という感じで、彼女が登場するだけで舞台も稽古場も、大輪の花が咲いたように華やかになります。久しく観ていないザハロワのオーロラは本当に可愛らしくて、また観る機会があればいいなって思いました。ボリショイに移籍してからの彼女の師は、かつての名プリマ、リュドミラ・セメニャカ。師弟は非常に強い絆で結ばれている。ザハロワがとても彼女を頼りにしているのがよく伝わってきます。「ポーズを取った時にしか、自分の姿は鏡で確認できない。それ以外のときは、教師に見てもらうしかないの」

ザハロワの言葉で印象的だったのは、バレエは愛だけでなく、その裏の憎しみという負の感情も描いているものであるということ。そして、オデットの神秘性に対して、オディールの強さがあり、今の自分はオディール=強いキャラクターを演じたい、と語っていること。

ほとんどがボリショイ時代の映像なのですが、唯一、ルジマトフと共演した「シェヘラザード」の映像がありました。DVD「Kirov Dances Nijinsky」の時よりもう少し成熟した彼女の姿が観られます。

*****
ロパートキナ編は、とても知的で内省的な彼女の言葉が印象的です。「人は誰でも、人生が辛ければ辛いほど、芸術を必要とするものだと思う。観客は実生活にもつながる強い感情を求めている。それを芸術に見出すことで、人生はより豊かになるわ」 今のように不景気で閉塞感がある時代だからこそ、芸術がより一層輝ける、かけがえのない存在なんだなって私も思います。

リハーサルシーンでは、イワンチェンコのコメントがあったのがちょっと嬉しい驚きでした。

ロパートキナは、舞台が終わった後、眠りに着く前もその日の舞台を、パのひとつひとつに至るまで振り返って、魂を解放して、もう一人の自分と対話するとのこと。芸術家肌で完ぺき主義者的なところが見受けられます。挿入される映像-「病める薔薇」や「愛の伝説」「三つのグノシェンヌ」「ダイヤモンド」とも、一つ一つの動きが磨き抜かれている「動く芸術」で、ザハロワとはまた違った究極の美を感じさせます。
(そして、「病める薔薇」「三つのグノシェンヌ」のイリヤ・クズネツォフが素敵♪イワン・コズロフくんはどこに行ってしまったのでしょうか)

そんな中、ワガノワバレエ学校の卒業公演での「ラ・ヴァルス」の映像では、まだうら若い彼女の可愛い姿も観ることができます。

「白鳥の湖」は、ダニーラ・コルスンツェフ、ジョゼ・マルティネス(!)そしてエフゲニー・イワンチェンコをパートナーにしている3つのパターンで観られます。ロットバルトはもちろん、イリヤ・クズネツォフ。ダニーラの愛情あふれるサポートが素敵です。

新しい映像作品であるため、映像はとてもきれいなのですが、惜しむらくは、一つ一つの舞台映像が抜粋になっているため短いのです。せっかく映像があるんなら、もっともっと見せて欲しいという欲求不満に陥ってしまいます。2本合わせて54分だからちょっと短いのです。でも、今が盛りのトップバレリーナの、色々なパートナーと組んだ様々な作品の映像、そして素顔や肉声が聞けるのは貴重だし、面白く見ることができました。この二人のダンサーのファンなら必見です。


ザハーロワ&ロパートキナ [DVD]ザハーロワ&ロパートキナ [DVD]
スヴェトラーナ・ザハロワ, ウリヤーナ・ロパートキナ, アンドレイ・ウヴァーロフ, ニコライ・ツィスカリーゼ

クリエイティヴ・コア 2009-04-22
売り上げランキング : 2472
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

« トニー賞は「ビリー・エリオット」が10部門受賞!63rd Tony Awards | トップページ | レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)冬公演 The Mikhailovsky Ballet Japan Tour »

バレエのDVD・ビデオ」カテゴリの記事

コメント

ザハロワ大好きなわたしはもちろん買いました(^_^)v

とても興味深く楽しく見ました。

私が見たのは届いてすぐだったのでnaomiさんのレビューを読んでまた改めて見てみます。


二人ともそれぞれの持ち味で素晴らしく輝いていますね

ずずさん、こんばんは。

そう、ずずさんにお会いする前に観なくちゃって思って慌てて観たんです。予約して発売日に入手したのに、なかなか観る暇がなくて。

個性の全然違う二人なので、並べてあると色々と対照的で面白いですよね~。ザハロワは本当に美しいです意外とお姫様なザハロワの映像ってないんですよね。バヤデルカとかジゼルとか白鳥で。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« トニー賞は「ビリー・エリオット」が10部門受賞!63rd Tony Awards | トップページ | レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)冬公演 The Mikhailovsky Ballet Japan Tour »