BlogPeople


2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 5/3 パリ・オペラ座「オネーギン」ONEGUINE Paris Opera Ballet Part2 | トップページ | CHANELとハンブルク・バレエのバレエ・リュスコラボレーション Chanel and Hamburg Ballet Fashion Shooting »

2009/06/16

DVD「マラーホフのプレミアム・レッスン2『白鳥の湖』 Malakhov's Premium Lesson Swan Lake

この間東京バレエ団の「ジゼル」を観に行ったときに、ついつい買ってしまったDVD。「ジゼル」を観に行ったのに、シリーズ最初の「ジゼル」じゃなくて、なんで「白鳥の湖」を買ったのかは、自分でもよくわからない(笑)。

ウラジーミル・マラーホフが東京バレエ団の佐伯知香さんと長瀬直義さんに「白鳥の湖」の2幕のアダージオを教えるという趣向。レッスンごとに、2002年の「マラーホフの贈り物」での、マラーホフとジュリー・ケントが共演した「白鳥の湖」の映像が、模範演技として紹介される。この映像が思いのほかたくさんあって、得した気分。

マラーホフの指導は非常に丁寧で、優しくダンサーに語りかけている。基本的には英語で指導を行い、通訳の方が訳しているのだけど、時々「左!」とか「前に」とか「難しいね」と達者な日本語も飛び出す。マラーホフ自ら手本を見せてくれていることも多いのが、嬉しい。

生徒役の佐伯さんは非常に呑み込みが早いし、基礎がきちんとできているのがわかる。みるみるうちに上達していっているのが見える。彼女がオデットを踊る日も、そう遠くはないだろう。やや小柄だけどプロポーションに恵まれているし、愛らしい容姿の上、テクニックもある。

Lesson1 オデットの登場(第2幕より)
2幕でオデットが登場して、自分の身の上物語をマイムで王子に切々と語る場面。毎回、生徒の二人が演じて見せるたびに、その動きを台詞でマラーホフが説明してくれる。リハーサルの時には、心情を表現するためにその場面の台詞を口に出しながら演じてみるのも良いというアドバイスをした。「私は白鳥の女王です」と王冠を示すマイムは、観客から見てもしっかり見えるように大きくして、など、なぜそうなのかを教えてくれる。有名なマイムの場面だけでなく、オデットの一つ一つの動きがどういう意味なのかも説明してくれるので、とてもわかりやすいし、バレエを踊る側ではなく観る側である私たちにとっても、面白い。

Lesson2 グラン・アダージオ(第2幕より)
このシーンは、パートナーリングが重要なところ。マラーホフは、ここで王子の役割の重要性を強調していた。2幕はオデットが中心となって観客の視線を集めているので、王子はいかにオデットを美しく見せるか、オデットを踊りやすくさせるかを第一に考えてサポートしなくてはならない。普段私たちが「白鳥の湖」を観てもなかなか気がつかないけど、王子がどうすればオデットが踊りやすいかというのが判って面白い。「動きが止まらないからアダージオなのだから、ずっと動き続けるように」なるほど!
このアダージオは、テクニックよりもずっとパートナーシップの方が大事だとマラーホフは言う。ピルエットを一回失敗しても観客は忘れてしまうけど、素晴らしいパートナーシップによってドラマティックな舞台を演じることができたら、観客はずっと覚えていてくれる、と。

Lesson3 オデットのヴァリエーション(第2幕より)
ここは、マラーホフが「どんなバレリーナもこのシーンを踊る前は緊張する」という難しいパート。今までのどのパートナーも、ここを踊り終えた後はホッとしているのがわかるそう。そして、ここでマラーホフの美しいお手本がたくさん見られるのだ。白鳥の翼の動きをマラーホフが見せてくれるなんて、ファンにとってはたまらないことだろう。そして、本当にその腕の動きが柔らかく美しいのだ。佐伯さんが踊って見せるのを見て、「もっと柔らかく!」「そんなに脚を高く上げなくていいから、バランスを大事に」とアドバイスする。

映像特典のインタビューも、「白鳥の湖」という作品に対してのマラーホフの考え方がよくわかってとても面白い。彼にとってやはりこの作品で一番重要なのは2幕であるし、オデットの方がずっと重要とのこと。レッスンを通しても、このインタビューを通しても、マラーホフはバレエはドラマだと考え、台詞がない分、腕などの動きでどうやって物語を伝えるのかということを大切に思っているのが伝わってくる。オデットを踊ってみたいと思ったことはありますか?と聞かれて残念ながらそういう機会はない、と真面目に答えていた。クランコ版の「白鳥の湖」は、オディールが通常王子のソロの曲で踊るとのことだが、オデットの曲で王子が踊るという作品はないそうだ。

彼は今まで数え切れない「白鳥の湖」のヴァージョンを踊ってきたけど、中でもお気に入りは、エリック・ブルーン版、そしてヌレエフ版とパトリス・バール版だそうだ。他にも、クランコ版、セルゲイエフ版の4幕のヴァリエーションなど、お気に入りを一つに絞るのは難しいとのこと。悲劇で終わるのが好きだそうだ。一口に「白鳥の湖」といっても、数限りなくヴァージョンはある。でも、2幕の湖畔のシーンだけは、ほとんどの振付がプティパ/イワーノフの原振付に忠実である。それだけ、あのシーンは完成度が高いし、作品の中でも最も重要な部分だということなのだろう。

バレエを学んでいる人だけでなく、観るだけの人にとっても「白鳥の湖」という作品を理解するのにとても勉強になるDVD。Part1の「ジゼル」も観たくなった。

http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219321830.html

DVD,カラー、本編86分+特典映像11分、2009年

内容
Lesson1 オデットの登場(第2幕より)
Lesson2 グラン・アダージオ(第2幕より)
Lesson3 オデットのヴァリエーション(第2幕より)
※ジュリー・ケント&ウラジーミル・マラーホフによる舞台映像から、それぞれのレッスンの該当シーンをあわせて収録しています。

出演
ウラジーミル・マラーホフ(ベルリン国立バレエ芸術監督/プリンシパル)
佐伯知香&長瀬直義(東京バレエ団ソリスト)

特典映像
インタビュー:マラーホフ、『白鳥の湖』を語る


« 5/3 パリ・オペラ座「オネーギン」ONEGUINE Paris Opera Ballet Part2 | トップページ | CHANELとハンブルク・バレエのバレエ・リュスコラボレーション Chanel and Hamburg Ballet Fashion Shooting »

バレエのDVD・ビデオ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。DVDの紹介をありがとうございました。まだ白鳥の方は買ってないのですよね^^;; でもとっても見たくなりました。マラーホフはいろいろDVDやらビデオがあるけれど、白鳥はあまりないのです。

佐伯さんはとってもキュートなオディールを踊ってくれそうですよね。黒鳥のイメージはあまりないですが、期待してしまいます。

ショコラさん、こんばんは。

このDVD、ショコラさんだったら絶対に買い、だと思いますよ。オデットの腕使いをするマラーホフなんて、他では観られないと思うし。マラーホフはジゼルの映像はたくさんあるのに、考えてみたら白鳥はあまりないですよね。ジュリー・ケントとの2幕のグラン・アダージオが観られるので、それも貴重だと思います。インタビュー映像も10分くらいあります。

佐伯さんは舞台で観ていてもとても可愛らしい上に、良いダンサーで、この映像を観ても、基礎がしっかりしているので、きっと良いオデット&オディールになると思いました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 5/3 パリ・オペラ座「オネーギン」ONEGUINE Paris Opera Ballet Part2 | トップページ | CHANELとハンブルク・バレエのバレエ・リュスコラボレーション Chanel and Hamburg Ballet Fashion Shooting »