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2009/06/04

ABT・ラトマンスキーの新作「On the Dnieper」/ダニール・シムキンが「放蕩息子」に

ABTの常任振付家に就任したアレクセイ・ラトマンスキーの新作「On the Dnieper(ドニェプルの岸辺で)」が6月1日にプレミアを迎えました。

この作品は、ディアギレフの最後のプロデュース作品と言われており(異説あり)、プロコフィエフのスコアを用いてセルジュ・リファールが振り付け、1932年にパリ・オペラ座バレエで上演されたものの、すぐにレパートリーから外れていたものです。

ウクライナの小さな町が舞台。第一次世界大戦から戻ってきた兵士セルゲイが、婚約者ナタリアよりも、別の女性オルガのことを愛していることに気づきます。オルガにも婚約者がいて、オルガの婚約式の席上、嫉妬に駆られたセルゲイはオルガの婚約者と争いを始めます。やがて招待客はいなくなり、セルゲイ、ナタリアそしてオルガの3人だけになります。ナタリアは身を引いて恋人たちを旅立たせ、一人悲しみに暮れて残されます。

40分という上演時間のこの作品、初演キャストは、セルゲイにマルセロ・ゴメス、オルガにパロマ・ヘレーラ、ナタリアにヴェロニカ・パルト、そして婚約者にデヴィッド・ホールバーグと魅力的です。

ABTの特設サイトでこの作品のリハーサル映像を観ることができます。名ダンサーとして知られたラトマンスキーなので、振付指導の時には、自ら踊って見せてくれるんですね。
http://www.abt.org/dnieper/photos_videos.html

ブルームバーグでのインタビューでラトマンスキーは、振付の際にはダンサーに、このキャラクターが自分だったらどうするか、どうやってリフトを行って着地させるか、といった質問を投げかけたと語っています。いいステップが思い浮かばない時には、ダンサーにアイディアをもらうとのことで、マルセロ・ゴメスは多くのインスピレーションを与えてくれたとのこと。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601088&sid=ayePZgDPmll4&refer=home

ラトマンスキーの振付家としての最初の大きな作品は、1998年にニーナ・アナニアシヴィリに振付けた"Dreams of Japan”で、以降大、成功を収めた「明るい小川」はじめ、40あまりの作品を振付けてきました。古典バレエからディアギレフ時代の作品、さらにはフォーサイスなど様々な影響の産物が、現在の自分のスタイルだと彼は語っています。古典のアカデミックなステップを、現在多くは使われていなくて、スペクタクル的だからということで使うことを好んでいるそうです。「ロシアでは僕はとても西洋的だと思われていて、NYではその逆だと思われているんだ。国際的であることはすごく楽しい。わざとそのように振舞っているのかもしれないね」現在の成功の要因は?と聞かれ、「運だね」と謙虚に答えたラトマンスキー。「ロシアン・スクールで学んだことと僕の未熟さと西洋での経験の組み合わせなんだと思う」

もう一つ、ラトマンスキーのインタビュー記事があります。息子さん、かわいいですね!
http://www.nytimes.com/2009/05/31/arts/dance/31sulc.html?ref=dance

******
さて、この作品の評判ですが、現地フォーラムでは好評のようです。ただし、NYのメディアは辛口で知られており、意外と手厳しい評もあります。New York Timesのアレイスター・マコーリー氏の評とか。

http://www.nytimes.com/2009/06/03/arts/dance/03abt.html?_r=1&hpw

ラトマンスキーも語っていますが、プロコフィエフのスコアは美しいものの、ドラマティックさに欠けており、バレエ化するには困難な素材のようです。ラトマンスキーは、音楽の抽象性ゆえ、振付も抽象化したり、マイムを使ったりしたと語っていますが、難しかったようです。4人の男女を主人公にしており、特にセルゲイ、ナタリア、オルガのパ・ド・トロワがとても美しく、心理的な表現にはラトマンスキーの才能が発揮されているものの。

ちょうど同じ時期に、同じNYのシティセンターでエイフマン・バレエの「オネーギン」が上演されており、ロシア系振付家の2つの新作ということで何かと比較されていたようです。「オネーギン」の方も賛否両論を呼んでいる作品のようですが、写真を見ると斬新でカッコいいんですよね。群舞はまるでマイケル・ジャクソンの「スリラー」のゾンビダンスのよう、とか書かれていますが(笑)。
http://www.nytimes.com/2009/06/01/arts/dance/01eifm.html

*****
さて、この「On the Dnieper」は、ABTのプロコフィエフ・プロでの3作品のうちの一つです。バランシンの「放蕩息子」が同時上演なのですが、イーサン・スティーフェルの怪我により、キャストがシャッフルされ、初日はエルマン・コルネホが主演しました。エルマンの放蕩息子は素晴らしかったようです。そして、ダニール・シムキンが急遽、放蕩息子役にキャストされたんですね。イーサンの怪我は本当に心配ですが、エルマン、ダニール、そしてアンヘル・コレーラが「放蕩息子」を踊るなんて、なんて贅沢なプログラムだろうって思います。エイフマン・バレエの「オネーギン」、NYCB、そしてABTのプロコフィエフ・プロとNYでのバレエ公演はすごく充実しています。日本は今はちょうどバレエ公演の少ない時期なので、羨ましいです。

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コメント

naomiさん、今晩は。
On the Dnieperのリハーサル映像を見ましたが、素敵なパ・ド・ドゥですね。NYのバレエ事情についてはバレエ評論家の鈴木晶先生のブログでチェックしているのですが、いかにもNYらしい充実した内容で本当に羨ましいです。そして私も劇場から歩いて帰れる場所に住みたい!
6月は東バのジゼルはパスだし、新国のコッペリアは仕事で見れず。7月も気になる公演はあるけれど、バレエフェスの前なので自重気味。何しろボーナスが無ければたちまち破産してしまいそうな状況なので。。。(^^;

peluさん、こんばんは。

この映像を観ると、ラトマンスキーの作品はなかなか魅力的な感じに仕上がっていますよね。彼は本当に才能のある振付家だと思います!ABTは次の来日は2011年らしいので、まだ2年先なんですよね。NYは私はここ6年くらい毎年バレエを観に行っていますが、何しろホテル代がバカ高いのがネックなのです。一応7月に行く予定なのでマイレージで航空券を押さえ、チケットも2公演分だけ買っているのですが、ホテルの選択に頭を抱えているところで(やはり、劇場から歩いて帰れるところに泊まりたいので)。毎年使っていたところがなくなっちゃったんですよね。
私も、ボーナスがなければたちまち破産状態の上、ボーナスが少なくとも2割は減るらしいので、自重しなければならず、手持ちのチケットを少し売ろうかと思っているのです。

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