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2009/05/28

カルティエ・クリエイション~めぐり逢う美の記憶 「Story of …」展 Cartier Creation

日曜日にデンマーク・ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」を観た帰りに、東京国立博物館 表慶館にカルティエ・コレクション「Story of …」展を観に行きました。前の週は同じ東京国立博物館の「阿修羅展」に行ってきたのですが(もちろん、こちらも素晴らしかった!)、阿修羅展は日曜の夕方6時というのにかなり並んでいました。「Story of …」展の方は、幸い空いていて、ゆっくり観ることができました。一緒にバレエを観に行った友達と観て、すごく盛り上がって楽しかったです。

http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6299
http://www.storyof.jp.msn.com/

この展覧会を観に行った人から、これは凄いって聞いていたのですが、実際に行ってみると想像を超えた素晴らしさと面白さでした。カルティエというのは、単なるハイ・ジュエリーや時計のブランドではなく、時代を切り拓くような斬新なデザイン力、モダンな創造力を持っていたということを実感。276点も展示されています。たっぷり2時間かかりました。

「ミステリークロック」というクリスタルでできた置時計は、一体どこに時計の仕掛けがあるのか、まったくわからない不思議さがあって、まさに謎めいているとはこのこと。ライトアップも幻想的で、時計の持つ永遠の時間の流れを感じさせてくれます。

この展覧会が「Story of ...」というタイトルになっているのは、ここで展示されているジュエリーの一つ一つに物語が隠されているということを意味しています。それらの物語が、デジタルサイネージを使って、一つ一つ詳細にスクリーンに映し出されて解説されています。それは、19世紀から20世紀にかけての西欧の歴史を代弁するものでもあります。カルティエは、プラチナのジュエリーが特徴的なのですが、戦争になるとプラチナが使えなくなって、ゴールドがデザインの中心になったこともありました。また、バレエ・リュスも登場し、バクストが「シェヘラザード」のデザインで使った青と緑を使ったネックレスもありました。

ジャン・コクトーがアカデミー会員となった際に贈られたというサーベルは、持ち手にオルフェウスの横顔が使われていたり、竪琴のモチーフがあったり、とてもユニークでアーティスティック、コクトーらしい逸品。英首相ウィンストン・チャーチルが息子に贈ったシガレットケースには、名前と住所が彫ってあって、紛失した時に届けられるようになっていました。切手が貼ってあって宛名を彫ったシガレットケースや、名刺代わりに使った金のカードなど、面白いアイテムもあります。月面着陸船モデルの精巧なレプリカや、カンヌ映画祭を記念したパルムまで金で作られているし。さらに、ビリケン像!をあしらったお茶目なミステリークロックまであるのです。ヴァニティケースなんか、一見、イマドキの携帯電話みたい、と思ってしまうような形のものもありました。

インドのマハラジャのためにカルティエの三男ジャックが用意したネックレスの、圧倒的なボリュームとまばゆい輝きは、これぞ富と権力の象徴で、後ずさりしてしまうほど。マハラジャたちは、おびただしい宝石で自分たちの身を飾り立てたわけですが、インド的なデザインは、カルティエに大きな影響を与えていたそうです。

コレクションの中でも、やはり人一倍目を惹くのは、ティアラ。英国王室御用達だったカルティエは、王族たちのためにたくさんのティアラを作りました。カルティエの特徴は、大きなダイヤモンドでも立て爪が小さくて目立たないため、宝石本来の形を楽しむことができること。植物のような有機的なモチーフを使った曲線美にはうっとりとさせられます。モナコ王室から貸し出された、王妃グレース・ケリーの愛用の品から、ロシア貴族たちのティアラ、そして王位を賭けた恋ということでシンプソン夫人にエドワード8世が贈ったたくさんのジュエリーも、逸品ぞろい。ネックレスやストマッカーも、シトリンやペリドット、アメジストといった色石を多用していた鮮やかなものもあって、目の保養になること。今まで観たことがないような、100カラット以上もあるサファイヤやルビー、エメラルドの石もあり、お値段を想像しただけで倒れそうになります。特にスターサファイヤの水色のちょっとスモーキーな輝きが、夢見心地にさせてくれました。女優グロリア・スワンソンが愛用し、アカデミー賞の授賞式につけていったブレスレットもありました。残念ながら、それをつけていった時、受賞を逃してしまったそうですが。

モチーフで特に面白いのは、トゥッティ・フルッティという果物のモチーフと、花と動物。エメラルド、ルビー、サファイアをふんだんに使ったトゥッティ・フルッティは本当にジューシーな感じでおいしそう!動物の中でも、特にパンテールというパンサーのモチーフは、カッコいい現代的な女性に似合い、女優でこれを愛用した人もたくさんいたとか。でも、パンテールの中には、猫のように可愛いのとか、ふにゃっと垂れ下がっているものもあったりして面白いです。

マリア・フェリックスというメキシコのセクシーな女優が、爬虫類モチーフが大好きで、ものすごく強烈なインパクトの、蛇やクロコダイルのゴージャスなネックレスをオーダーして愛用したそうです。うろこの一つ一つをエメラルドの石で表現していたりして。あんなに重そうでインパクトの大きいジュエリーをつけられるのは、世界広しといえども彼女しかいなかったことでしょう。イエローダイヤモンド1,023個(計60.02カラット )、エメラルド1,060個(計66.86カラット)が一つのネックレスに使われているから、驚愕としかいいようがありません。

最後には、この展覧会をプロデュースした吉岡徳仁氏による、香水瓶の展示があります。丸いクリスタルの香水瓶の中に、一つダイアモンドが浮かんでいるというもので、伝統とモダンの結合が感じられます。

普段宝石にあまり興味がない人でも、すごく楽しめること請け合いです。これだけたくさんの美しいジュエリーを目にする機会は、一生のうちでもあるかどうか、ですし。展示されている東京国立博物館の表慶館の建物そのものが、クラシックな洋館でとても美しいのです。

出品されたジュエリーの解説はPDFでダウンロードしてみることができます。現物は、ぜひ展覧会で見て欲しいのですが。(今週日曜日(5/31)まで)
http://www.tnm.go.jp/jp/exhibition/special/pdf/200903cartier_list.pdf

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