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« 5月~6月のバレエ関係のTV放送予定から | トップページ | シュツットガルト・バレエの2010年カレンダー2種/マドリッド公演 Stuttgarter Ballett Kalender »

2009/05/13

シュツットガルトと州立美術館 Staatsgalerie Stuttgart

シャルル・ド・ゴール空港を経由してシュツットガルトに到着したのは朝の10時。エールフランスでは、サービスの売りであるシャンパンサービスが、GWで満席のせいか品切れになってしまって非常に残念。今まで一度もそんなことはなかったのに。代わりに(?)、開演前に劇場でシャンパンを一杯ご馳走になったので、良かったけど。

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ホテルはSバーンの駅&中心街のすぐそばで、州立劇場までも歩いていける距離にあってとても便利。シュツットガルトはホテルの値段がお手ごろなのが助かるところ。3月に来た時には、半日しかいなくて、バレエをマチネとソワレで観たので、劇場とホテルしか行けなかった。今回は、街を散策する時間があった。大きな街ではないけれども、黒い森に抱かれて緑が多く、とてもヨーロッパ的できれいな街だ。ハンブルクよりも規模はだいぶ小さい感じだけど、清潔で規模の割りにブランドショップがたくさんあるところなどは似ている。観光名所はほとんどなく、この州立美術館と、メルセデス・ベンツ博物館、ポルシェ博物館、そして郊外にあるヴァイセンホフジードルンクの住宅群くらい。ここは駅舎にベンツのロゴが輝く自動車の街で、シュツットガルト・バレエの来日公演でも毎回必ずダイムラー・ベンツの貸切公演があるくらいなのだ。今回メルセデス・ベンツ博物館には行けなかったけど、車好きじゃなくても楽しいところらしい。

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シュツットガルト州立劇場のすぐ裏にあるシュツットガルト州立美術館。素晴らしいと話には聞いていたものの、実際に行ってみて、あまりの傑作ぞろいに驚嘆したほど。しかも太っ腹なことに、入場料は無料だった(6月1日まで)。その時期は特別展が開催されていなかったこと、そしてこの美術館の売り物の一つである、ドイツ随一のピカソ・コレクションとバーン=ジョーンズコレクションの部屋が改装のために閉鎖されていたことが、無料の理由かもしれない。手元にある最新の「地球の歩き方」には入場料金が記載されていたし。いずれにしても、シュツットガルトの街はこれから何度も訪れる予定なので、今後の楽しみが増えたということで。場内は撮影禁止で、手荷物もすべて預けさせられる。
http://www.staatsgalerie.de/

中世美術からイタリア・ルネッサンス、フランドル派、印象派、象徴主義、ドイツ表現主義そして現代美術まで幅広いコレクションで、気がつけば5時間くらいこの美術館で過ごしてしまった。素晴らしい収蔵品のごく一部は、デジタルカタログで観ることができる。
http://www.staatsgalerie.de/digitalerkatalog_e/

ここはバウハウスのマイスター(教授)、オスカー・シュレンマーの作品で有名で、特に「トリアディック・バレエ」と呼ばれる奇抜な舞踊衣装(立方体、円錐、球体の3つの幾何学基本形が使われた、ロボットみたいな独特の衣装)の展示は面白かった。カタログを買ったのだけど載っていなくて、ポストカードを買って帰れば良かったとちょっと後悔(でも、どうせまた行くだろうし)。

レンブラント、マネ、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、ルノワール、ドガ、モディリアーニ、パウル・クレー、キリコ、ダリ、ポロック、シーレ、リキテンシュタイン、マン・レイ、ウォーホル、フランシス・ベーコンなどなど、様々な時代の傑作が揃っているのだけど、ドイツにある美術館だけあって、ドイツ表現主義の作品にはインパクトがあった。ナチスドイツの台頭により「退廃芸術」と烙印を押されドイツを追われたユダヤ人画家マックス・ベックマンの作品が強烈。絵についている解説は英語もあったのだけどカタログにはドイツ語表記しかなくて邦題がわからないのだけど、真っ暗なオーケストラのボックス席にいる俯いた女性と、彼女とはまったく別方角を見ているオペラグラスの男性を配置した「Die Lodge」は映画のようなスリリングさ。また、カジノでの欲望渦巻く世界を鮮烈に表現した「Dream of Monte Carlo」や、戦争の恐怖が伝わってくる大作「Auferstehung」には圧倒された。そしてもう一人ドイツ表現主義では、オットー・ディクス。そう、先日の「ESPRIT」公演で草刈民代とイーゴリ・コールプが踊ったローラン・プティ振付「切り裂きジャック~オットー・ディクスより」で出てくる画家だ。マッチを売る傷痍軍人が強烈で諧謔的な「Streichholzhändler」を見ると、なるほど、あの作品の世界だわ、と思う。彼も、ナチスによって頽廃芸術がとされた画家の一人である。

それ以外のジャンルでは、まず、ドラクロワの「An Indian Woman Killed by a Tiger」が残虐性とエキゾチズム、そしてスピード感のある作画で、小さな作品ながら鮮烈。そしてムンクの「Madchenakt auf Rotem Tuch 赤い敷物の上の少女」燃えるような赤い髪の妖艶な裸体の少女の作品で、敷物の赤が、少女のエロスとともに、彼女が犠牲者でもあると言うことを表現しているという。現代美術では、本物そっくりで一瞬びびるお掃除のおばさんの彫刻が面白かった!また、作家名は全然覚えていないのだけど、宗教画を現代的な解釈で描いている作品を集めた部屋が面白くて、「最後の晩餐」の12人の使徒が20世紀初頭の服装をしていることで、まるでテロリストの集会に見えていたり、ヨゼフとマリアをホームレスの男女として描いてたりと、なんとも心に残る作品が集まっていた。風景画に現れたロマン主義的な表現を集めた部屋もあり、さらにココシュカやシーレなどの象徴主義的な作品も大好きなので、時間が経つのを思わず忘れてしまうほどだった。

そろそろホテルに戻って夜の準備をしようと思ったら、外は突然の大雨。傘は部屋に置いてきてしまったし。30分ほど美術館で雨宿りしたけど、止む気配がなく、一度傘なしで外出したところずぶぬれになったので、ミュージアムショップで傘を買うことに。折り畳み傘がなかったので、子供用の冗談みたいに小さな傘だけど、色鮮やかな花の絵画をあしらったものでとても可愛い。旅行中に長傘はさすがに買えなかった…。(成田を出た時点ですでにスーツケースの重さが20キロもあったのだ)

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ホテルに戻ったら、もう待ち合わせぎりぎりの時間。シャワーを浴びて着替えて、州立劇場の横にある中劇場Schauspielhausへと急ぐ。雨も止んでいた。待ち合わせ人ふたりに無事に会えて、開演前にシャンパンを飲んでしばし歓談。このSchauspielhausは600席余りの劇場で、今回のようなコンテンポラリーや、演劇などが上演されている。親密な空気がダンサーにとっても心地よいそうだ。開演時には、フリーデマン・フォーゲルの姿もチラッと見かけた。ちょっと前に日本で観たばかりなのに、ドイツで姿を見かけると不思議な感じ。初日ということもあって、芸術監督リード・アンダーソン、振付家クリスチャン・シュピック、それからダンサーらしき人たくさんがいて、華やかなホワイエ。休憩時間にはシュツットガルト・バレエの2010年カレンダーを2種類買って、大きな荷物を抱え、夜景が美しいシュツットガルトの街を駆け抜け、楽しい思い出を胸にホテルへと戻った。

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コメント

そうなんですよね、ドイツというと車なんですよね。
なんか私たちはバレエの事ばかりしか思い浮かばないんですけどね(笑)

待ち合わせの二人o(*^▽^*)o
すてきな時間でほんとに良かったですね〜

ずずさん、こんばんは。
そう、ドイツといえばドイツ車とサッカーとお城でしょうか、一般的には。自動車不況でも、シュツットガルトにはあまり影響がないって新聞にも書いてありました。商業の中心地であるハンブルクと並んで、ここはドイツでも有数のお金持ちの街だそうです。
私は子供の時を除くと、ハンブルク、エッセン、ケルン、そしてシュツットガルトしか行ったことがないんですけど、それ以外にもいっぱいバレエ団があるんですよね。
今度はずずさんも一緒に行きましょう♪

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