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2009/05/09

NHK教育テレビロイヤル・バレエ「マノン」Royal Ballet Manon/ENBの衣装をカール・ラガーフェルドがデザイン

今日は帰宅後NHK教育テレビで放映されていたロイヤル・バレエの「マノン」を観ていました。ハイビジョンで2回放送された時も観たのですが、「マノン」が大好きなので、今日も思わず観てしまったわけです。

タマラ・ロホのマノン役が素晴らしいのですよね。天然のファム・ファタルで、どこまでも純真で生命力に溢れていて。以前、ダンスマガジンのインタビューで、彼女は、マノンは悪女ではなく、周りの男性たちに利用された犠牲者なのだと語っていました。最後の最後まで生命の炎を燃やし続けた彼女は、確かに犠牲者だったのかもしれない。だけど彼女は強く生きたんだと思わせてくれます。しかも堕ちれば堕ちるほど、逆に清められていくように見えるのです。

カルロス・アコスタは熱演していて、特に沼地のパ・ド・ドゥでの感情のこもり方、マノンへの愛と万感の想いには胸を打つものがあるのですが、踊りはやや安全運転過ぎたような感じです。彼はとてもノーブルでいいダンサーなのですが、デ・グリューはちょっと彼のキャラクターには合わないと思いました。

ホセ・マルティンのレスコーは小悪党ぶりがよくはまっているし、酔っ払いダンスも上手くて適役です。スペイン人同士なので、容姿的にも兄妹に見えるし。そういえば、2005年のロイヤルの来日公演では、タマラ・ロホ、ロバート・テューズリー、ホセ・マルティンの組み合わせで「マノン」を観て、タマラ・ロホのゾクゾクするような演技力に舌を巻いたのでした。

ロイヤルはキャラクテールがみんな上手いので、マクミラン作品は見ごたえがあります。ムッシュGMのクリストファー・サウンダース、マダムのジェネシア・ロサートとも、台詞が聞こえてくるような演技を見せてくれます。トーマス・ホワイトヘッドの看守がものすごい変質者ぶりで、マノンを舐め回すような視線が強烈でした。彼はマッツ・エックの「カルメン」で、タマラのカルメンに対してホセを演じているんで、演技の温度が同じものを感じさせます。あまりにも変態っぽい看守なので、タマラがとても小さくて哀れな存在に見えます。まさに男たちの欲望の犠牲者となった姿なのですね。

3人の紳士が佐々木陽平、リカルド・セルヴェラ、ヴァレリー・ヒリストリフなのですが、リカルドをこの役で使うのはあまりにも勿体無いですよね。やはり2005年の来日公演、ダーシー・バッセルとロベルト・ボッレが出演した「マノン」で彼はレスコー役だったのです。ダーシーの兄にしてはちょっと可愛すぎたところもありますが、踊りは本当に上手いのに。

良い公演だと思うし、そのうちDVD化されたら買いたいと思います。その前の情報コーナーでは、タマラ・ロホのインタビューも流れました。DVDの特典として収録されていたらいいな。

「英国ロイヤル・バレエ団 『マノン』」The Royal Ballet Kenneth MacMillan's Manon
バレエ「マノン」全3幕

<出演>
マノン:タマラ・ロホ Tamara Rojo
デ・グリュー:カルロス・アコスタ Carlos Acosta
レスコー:ホセ・マルタン Jose Martin
ムッシューG.M.:クリストファー・サンダース Christopher Saunders
レスコーの愛人:ラウラ・モレラ Laura Morera
看守:トマス・ホワイトヘッド Thomas Whitehead
マダム:ジェネシア・ロサート Genesia Rosato
物乞いの頭:ポール・ケイ Paul Kay
紳士:リカルド・セルヴェラ Ricardo Cervera ヴァレリー・ヒリストフ Valeri Hristov 佐々木陽平 Yohei Sasaki
バレエ:英国ロイヤル・バレエ団 The Royal Ballet

<管弦楽>コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
<指揮>マーティン・イェーツ
<振付>ケネス・マクミラン
<収録>2008年11月 ロイヤル・オペラハウス(ロンドン) The Royal Opera House 2008.11

http://www.nhk.or.jp/art/archive/200905/02music.html

*******
「マノン」つながりで、同じくマクミランの「マノン」をレパートリーにしているのが、イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)です。今年の1月にも、フリーデマン・フォーゲルをゲストに迎えてロンドンで上演したのですが、ちょうど今、イタリアのパルマとモデルナにて、「マノン」を上演しています。
http://www.ballet.org.uk/manon/manon-performance-times.html

そのENBですが、6月16日ー20日には、サドラーズ・ウェルズにてバレエ・リュスへのオマージュ公演を行います。
http://www.ballet.org.uk/ballets-russes/ballets-russes.html
「シェヘラザード」「レ・シルフィード」「瀕死の白鳥」「薔薇の精」「アポロ」「牧神の午後」そして「春の祭典」(マクミラン版)が上演されます。ENBの創設者アリシア・マルコワとアントン・ドーリンはバレエ・リュスのオリジナル・メンバーだったため、これだけのプログラムをそろえることができたといえます。

そして、シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドが今回のために、「瀕死の白鳥」などの衣装をデザインします。
http://www.telegraph.co.uk/fashion/fashionnews/5268169/Karl-Lagerfeld-designs-Chanel-outfits-for-English-National-Ballet-dancers.html

この記事に写真が載っている「瀕死の白鳥」の衣装の美しいこと!シニア・プリンシパルのElena Glurdjidzeが着用して踊るとのことです。そして、5月4日発売の「Harper's Bazaar」誌に、この衣装の特集が載っているそうです。

ココ・シャネル自身、「青列車」の衣装デザインを行うなど、バレエ・リュスと深い縁があったんですよね。

********

ロイヤル・オペラハウスでのバレエ「マノン」を収録したCDです。「マノン」という作品は、音楽も美しくドラマティックなのですよね。オペラの「マノン・レスコー」とは作曲者マスネは同じでも、異なった曲を使用しています。特に「エレジー」は印象的です。

Massenet: ManonMassenet: Manon
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コメント

えーーーマノンやってたんですかーー。
全然知らなかったです。悔しい。。。
芸術劇場は日曜日から金曜日に移ってから見逃したり
すること多くて。。。
日曜日のほうが良かったです。。。

naomiさんこんばんわ(*^-^)
待ちに待ったマノンでした!
ロホのマノンは素晴らしかったですね~
主役はもちろん脇(特にレスコーと看守)が個性ありますね(゚0゚)
やっぱりマノンも本家ロイヤルが抜きんでていますね~
寝室のPDDは一番好きな場面ですが、以前観たソリモシのデグリューが素晴らしすぎて忘れられません!

プリマローズさん、こんばんは。

そうなんですよね、芸術劇場、前は日曜日夜の放送なのでゆっくりと観ることができたのに、金曜日に移ってからは、リアルタイムで見るのが結構難しくなってしまいました。金曜日だと色々と予定もありますからね。私もDVDレコーダーの調子が悪くて録画に失敗することもしばしばです。買い換えたいのですがなかなかお金がなくて。
NHKはけっこう再放送が多いので、いつかは再放送がされると思いますけどね。

kumiさん、こんばんは。

タマちゃんのマノン、私も好きなんですよね。もちろん、今まで観たので一番素晴らしかったのはフェリなのですが、残念ながらエトワールの花束での沼地くらいしか映像が残っていなくて。タマラは今は本当に絶好調ですね。来月コッペリアで観られるのが楽しみです。
ゾルタン・ソリモシのデ・グリューをご覧になったのですか!それは素敵だったでしょうね~。私はフリオ・ボッカの引退公演のデ・グリューがやっぱり一番印象的だったかな。

naomiさんこんにちは(*^-^)
フェリのマノンは全幕で観たかったですね~
ニューヨークの最後はマノンだったみたいですが、東京はガラだったので、残念でした(ノ_-。)
タマラのスワニルダご覧になるんですね、羨ましいな( ^ω^ )
マノンとは一転ですね!
ソリモシの早い引退は本当に残念でした・・・
弟さんはハンガリーでまだ踊られているようですね~
ご本人はハンガリーでバレエを教えていると風の便りに聞きました。

naomiさん

こんにちはー。海外にいかれていたんですね。無事のお帰り良かったですね。

私もハイビジョンで4月に見ましたが、看守に度肝ぬかされましたですよ。二度見しちゃいましたもん。NHKで放送しちゃっていいんですかって感じでした。マジでいっちゃってる目ですねあのThomasは。この前のコルプの切り裂きもでしたが⇒あれも放送されるなら…見るのがコワイ。でも見たい。

Thomasつながりで、SwanlakeのサドラーズChristmasシーズンの日程が出たそうで、キャストは追って発表とのことです。
5年ぶりに2010年来日してほしいですが…。

カール・ラガーフェルドの衣装、見惚れました。素敵な記事をありがとうございました!!

ほんと、すてきな衣装〜〜

あんなすてきな衣装で死ぬなんてロマンティック.。・:*:・゚'☆

kumiさん、こんばんは。
タマラのプティは、この間のエスプリでも良かったので、楽しみです。エスメラルダの時の表情がとても可愛かったのです。
ゾルタンが早く引退したのは勿体無かったですね。弟のタマシュは以前ABTにゲスト出ていたし、3,4年位前にも日本のガラで観ました。ハンガリーだけでなく、ウィーンにもゲストで出ているみたいです。雰囲気は似ていますが、ゾルタンのほうがずっとカッコよかったです。

さるしっちゃーさん、こんばんは。

トーマスの看守、変質者でやばかったですね~。やさぐれたちょっとイケメン風なのが余計に危ないというか、うなされるような世界でした。コルプの切り裂きジャック、うんうん、わかります!共通する要素がありましたよね。
ちなみに、シュツットガルト州立美術館と、ポンピドーセンターにオットー・ディクスの絵が何点かありました。これがまた、本当にシュールな感じでインパクト強かったです。思わずポストカードを買ってしまいました。
スワンも年末に上演するんですね。キャストが超~気になります。そして、そろそろスワンも、ドリアン・グレイも来て欲しい!が、そうなるとまた散財の道が…。

ずずさん、こんばんは。

Chanel大好きずずさんだったら、きっと好きだろうなって観たときに思いました♪そういえば瀕死の白鳥のチュチュって今まで比較的オーソドックスなものが多かったですよね(男性版は除いて)。
カメリアの花をたくさん縫いつけた、美しいチュチュ、実物を見てみたいです

naomiさんこんばんわ(*^-^)
そうでしたね!タマスはインターナショナルスターズオブバレエというチャリティーガラに出ていましたね~
結構豪華メンバーで中村祥子さんやルンキナ、メルクーリエフ、宮内真理子さんも出てましたね(o^-^o)
ムソルグスキーワルツが印象に残ってます♪
お兄さんのゾルタンのほうがインパクトがあるというかオーラがあるというか・・・
マノンの他は映像でデュランテとの眠れる森の美女ぐらいしか観ていないのですが、マノンと時とちょっと印象が違ってて、少し老けた?(すいません・・・)感じに見えました。
タマちゃんのスワニルダ感想お待ちしています~

kumiさん、こんばんは。
kumiさんもそのガラに行かれたんですね!何気に出演者が豪華で楽しいガラでしたね。ジュゼッペ・ピコーネと中村祥子さんが出ていたり、普段日本で観られないようなメンバーが出ていました。タマシュは韓国のガラでもアレクサンドロワと一緒に出ていたりしていたんですよね。
私は眠りの映像のゾルタンしか知らないので、十分素敵に思えました。ということは、デ・グリューはもっと素敵だったんですね~。貴重な経験ですね!

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