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« 東京バレエ団「ラ・バヤデール」キャスト決定 The Tokyo Ballet "La Bayadere" by Makarova | トップページ | シュツットガルト・バレエの2009/2010シーズン »

2009/05/20

5/19 新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」New National Theater Swan Lake with Zakharova

会場のホワイエに到着すると、いきなり長身の外国人美男美女の集まりが。デンマーク・ロイヤル・バレエのご一行様が観劇。ニコライ・ヒュッベまでいてちょっとびっくり。しかし、今日の舞台の出来からすると、日本のバレエのレベルはこんなものか、と思われてしまうかもと心配になってしまう。

ザハロワとウヴァーロフの二人は、とても調子が良かったと思う。ウヴァーロフは、怪我の後遺症でちょっと内股になってしまっていたのが完治したようで、ザハロワとの息もピッタリの的確なサポート、大きく緩やかなジャンプ、大柄な割りに音をさせない着地で、見ていて安心できた。まだまだウヴァーロフはいける!純粋で一途、スウィートな彼の王子様は、癒し系で見ていてホッとする。

ザハロワの白鳥は、圧倒的な造形美。マニエリスム一歩手前なんだけど、絶妙の角度で止まって彫刻のように美しい瞬間を保ってくれるたびに、観る側からはため息が漏れてしまう。闇の中に溶けそうなほど儚くて、悲劇を高らかに歌い上げていて、表現の完成度の高さに息を呑む。よくザハロワは美しいけど、それだけだって言われるけど、これだけ美そのもののバレリーナというのは他に存在してないと思う。それに最近のザハロワは、ただ美しいだけではなく、心を感じさせる踊り手になって来た。丁寧に心を込めて、詩情豊かに踊っているのが判る。彼女のオディールはどうかというと、悪の部分はあまり感じさせず、とても可愛くて、その可愛らしさがどこまでも罪、という存在なのだと思った。一つ一つポーズを決めたり、パを決めたりするたびに見せる微笑、その時に形作られるアーチ、それらが美しくて愛らしくて、そのためには悪魔に魂だって売ってしまうだろうと思わせるほどだった。

ゲストの主役二人があまりに素晴らしく、プロポーションも完璧なので、いくら日本ではプロポーションが一番優れているといわれている新国立劇場でも、彼らゲストは別世界の住民って感じに思えてしまう。その上、今日は、バレエ団の売り物であるはずのコール・ドの出来が良くなかった。新国立劇場でこんなに揃わないコール・ドを観たのは初めてかもしれない。小さな4羽の白鳥も良くなかった。このメンバーがずいぶん入れ替わったんだ、と後でキャスト表を見て思った。2羽の白鳥の、川村さんと大湊さんは、期待に応えてくれて、伸びやかなラインの美しい踊りを見せてくれた。大湊さんがこの役を踊るのは初めてだけども、長い手脚を使って綺麗だった。これからまだまだ伸び代があると思われるし、プロポーションの良さはザハロワにも負けていないくらいだから、成長が楽しみだ。4羽の大きな白鳥では、今度「椿姫」のマルグリットに抜擢される堀口さんが美しかった。川村さんの美しさはいうまでもない。残りの二人については、コメントは省略しておく。

一幕で、パ・ド・トロワがあまりにもお粗末なのにずっこける。新国立劇場でこんなにまずいパ・ド・トロワを見るのは初めてだった。見ていてハラハラしてしまった。3幕のキャラクターダンスでは、まず若手中心の花嫁候補がダメダメで、距離の間隔もわかっていなかったようでバラバラだった。花嫁候補ってどうでもいい役のように見えるけど、やっぱり美しく踊っていないと舞台全体が締まらないし、お姫様に見えなくなってしまう。

ベテランを配したナポリが、中心がダメだったために他の二人も引きずられ、ここでもぶつかるんじゃないかと気が気でなかった。スペインは、左側の中村誠・寺島まゆみペアが柔らかくて色っぽくて素敵だった。ペアがふたつあるとつい見比べてしまうんだけど、いつのまにか左の方しか見なくなってしまった。中村さんは1幕のワルツにいるときも、ポール・ド・ブラの美しさで、マイレンとともに目を惹く。ルースカヤの湯川さんは、表現力に定評があるだけに、ドラマティックで貫禄があって、長い曲を一人で踊っているのに飽きさせなくて素敵だった。チャルダッシュは、マイレンの独壇場。ものすごく端正で、しかもキャラクターらしい濃さがたっぷりで、素敵なんだけど素敵過ぎてちょっと笑いそうになってしまうほど。西山さんもそのマイレンの演技のさじ加減と上手くマッチしていて良かった。やっぱり、ベテランダンサーを見ていると安心する。そうだ、八幡さんの道化は実に軽やかできびきびしていて、キュートで良かった。

総じて、今回の公演は個人のダンサーが良くても、指導に問題があって、仕上がりが上手くいっていないように見受けられた。

まだ初日なので、これから良くなると信じて、金曜日、ザハロワではなく厚木さん主演の日を観に行く予定。

オデット/オディール
 スヴェトラーナ・ザハロワ Svetlana Zakharova
ジークフリード王子
 アンドレイ・ウヴァーロフ Andrei Uvarov
ルースカヤ: 湯川麻美子
ロートバルト: 貝川鐵夫
王妃: 西川貴子
道化: 八幡顕光

王子の友人(パ・ド・トロワ):
 本島美和 丸尾孝子 芳賀 望
小さい4羽の白鳥:さいとう美帆、本島美和、寺島まゆみ、小野絢子
大きい4羽の白鳥:川村真樹、丸尾孝子、堀口 純、小村美沙

スペインの踊り:
 寺島まゆみ、楠元郁子 芳賀 望、中村 誠
ナポリの踊り:
 高橋有里、大和雅美 
 吉本泰久
ハンガリーの踊り:
 西山裕子
 マイレン・トレウバエフ

2羽の白鳥:川村真樹、大湊由美


********
追記

来シーズン、「ドン・キホーテ」の出演者未定の日の出演者が決まり、また芳賀さんの出演日が変更となりました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000746.html

10月12日(月祝)4:00開演 スヴェトラーナ・ザハロワ / アンドレイ・ウヴァーロフ
10月13日(火) 2:00開演 寺島ひろみ / 山本隆之
10月14日(水) 7:00開演 スヴェトラーナ・ザハロワ / アンドレイ・ウヴァーロフ
10月15日(木) 2:00開演 寺田亜沙子 / M.トレウバエフ
10月16日(金) 7:00開演 スヴェトラーナ・ザハロワ / アンドレイ・ウヴァーロフ
10月17日(土) 2:00開演 川村真樹 / 芳賀 望
        *芳賀は18日から17日出演に変更
10月18日(日)  2:00開演 本島美和 / 福岡雄大
         *福岡雄大は2009/2010シーズンから契約ソリスト

福岡雄大さんがソリストとして入団するのですね。ジャクソンコンクール3位などの華々しいコンクール歴を誇り、チューリッヒバレエに在籍中は、06年ハインツ・シュペルリ振付「真夏の夜の夢」で主役パックに抜擢されるなど活躍していた方です。

しかし入団してすぐに日曜日の公演の主演なのは、本島さんの相手役だからなんでしょうかね。平日昼間主演のマイレンとはえらい待遇の差だとマイレンファンの私はひがんでしまうのでした。それに、芳賀さん目当てでマイダンサーのセットをすでに買った人は、こういう時にはどうするんでしょうか。

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バレエ公演感想2009」カテゴリの記事

コメント

同じ舞台を見られてうれしかったです。

やっぱりわたしのザハリンは美しいでしょ〜?!(笑)冗談です(^_^;)

美しいものを見るとつい顔がほころんでしまってnaomiさんともご一緒できたしきのうは幸せでした。

ウヴァさん大復帰ですよね〜 うれしい限り(*^_^*)

大湊さんほんとに素晴らしかった。これからもずっと楽しみです♪
中村さんももっと観たいです。

こんばんわ~
第2期生以降も頑張ってますね。
大湊由美ちゃんが着々と良い役を踊っているようで嬉しいです。
日曜日、当日券で行けたらいいんですが・・・

ウチの「ドン・キ」は嫁が寺田ファンなもので 10/15 寺田/マイレンです。
私は木曜14時に仕事の都合がつくかどうか非常に心配してます。
 

ずずさん、こんばんは。
ずずさんと同じ日に、ずずさんの愛するザハリンを観られて幸せでした~!ザハリンが美しいのは、地球が丸いのと同じくらいの常識だと思うんだけど、でもやっぱり美しいですよね~(*^_^*) ウヴァーロフもほんわか癒し系の端正な王子様で見事復活!大湊さんも綺麗でしたね~。中村誠さん、来シーズンはもっと出て欲しいです!

Fさん、こんばんは。

Fさんご贔屓の大湊由美さん、とても綺麗でしたよ~。日本人でもあんなに脚が長くて綺麗な子がいるんだって思いました。二羽の白鳥はソロがあるし、ラインの美しさをアピールできる良い役なので、都合がつくようでしたらぜひ観てくださいね。毎日この役を踊っているようですから。

もちろん私はマイレンのファンなので、寺田さんとの「ドン・キホーテ」には行くつもりです。やはり平日の昼間なのが困り者ですが、その日にFさんご夫妻にお会いできますように!寺田さんは今回は花嫁候補で出ていましたが、可愛かったです。

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