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« 2009年7月 ロンドンでの「パリ・オペラ座ガラ」Paris Opera Ballet Gala in London | トップページ | 3/14 「白鳥の湖(若手公演)<Stars of Tomorrow>」東京バレエ団 »

2009/03/14

マリインスキー・バレエ「サンクトペテルブルク白夜祭」2008 Mariinsky Ballet White Nights Festival

やっと観られた「白夜祭」の録画の感想を書く前にちょっと気がついたこと。

マリインスキーのダンサーのリストを見ていたら、イワン・コズロフの名前がやっと正式にセカンド・ソリストのところに出現していました。これで晴れて本当に団員になったんですね~。良かった。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/second_soloists/dancers4/kozlov/
Ivan Kozlov
Repertoire at the Mariinsky Theatre:
Swan Lake (Siegfried);
Raymonda (Jean de Brienne);
Schéhérazade (The Golden Slave);
La Valse.

あまり嬉しくない発見としては、アナスタシア・マトヴィエンコはマリインスキーのファースト・ソリストとして名前が出現していたことがありました。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/first_soloists/dancers1/matvienko/
まだプロフィールは書いていないので、慌てて付け足したって感じでしょうか。

それから、デニス・マトヴィエンコの名前もプリンシパルのところにあります。彼がプリンシパルというのは勿論順当なことだと思います。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/premery/denis_matvienko/

***
サンクトペテルブルク白夜祭 2008 Mariinsky Ballet White Nights Festival
ワレリー・ゲルギエフ指揮 Conductor – Valery Gergiev バレエ「火の鳥」「結婚」「春の祭典」
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/without/all_ballet/lesnoces_printemps1_firebird/

放送日:3月7日(土) 22時06分 ~ 23時59分
- 国際共同制作: マリインスキー劇場 / ベル・エア・メディア / アルテ・フランス / NHK -
[ 収録: 2008年6月, サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場 ]

うちのDVDレコーダーの調子が悪くて、この日は福岡からの最終便で帰って来たものだから録画ができているかドキドキだったのだけど、なんとか無事に録画できていました。途中からでも観たいと思って羽田からタクシー飛ばして帰宅したら、「結婚」が始まったところで、そこで地震速報のテロップが入っていたのでガッカリ。でも、この「結婚」ひとつとってもすごく良くて、とくに音が素晴らしいな~と思って途中からでも見られて良かった。エンドクレジットにBel Air Mediaとあったので、これは確実にDVDが出ると一安心。やっぱりこのあたりのバレエ・リュスの作品は本当に大好き。

「火の鳥」 The Firebird   ( ストラヴィンスキー作曲 )

台本 / 振付 : ミハイル・フォーキン
改訂振付 : イザベル・フォーキン
  〃 : アンドリス・リエパ
美術 : アレクサンドル・ゴロヴィン
 〃 : レオン・バクスト
 〃 : ミハイル・フォーキン
火の鳥:エカテリーナ・コンダウーロワ Yekaterina Kondaurova
王女:マリアンナ・パブロワ
イワン王子:イリヤ・クズネツォフ Ilya Kuznetsov
カッチェイ王:ウラディーミル・ポノマレフ Vladimir Ponomarev

フォーキンの「火の鳥」は生の舞台は観たことがないのだけど、「Kirov Celebrates Nijinsky」のDVDでディアナ・ヴィシニョーワ、ロイヤル・バレエの「The Firebird」のDVDでリアン・ベンジャミン、そしてニーナ・アナニアシヴィリとアンドリアス・リエパの「Return of the Firebird」のDVDでも観ている。やっぱり最新の収録でハイビジョンで観ると映像がとても美しい。

火の鳥役のエカテリーナ・コンダウーロワは、背が高く抜群のプロポーションに、シャープな美貌と燃えるような赤い髪、注目のバレリーナ。オデット/オディールデビューも最近済ませ、ツアーなどでもミルタ役や街の踊り子、それにバランシン作品などでかなり活躍しているのに、未だセカンド・ソリストなのが謎。このように容姿に恵まれていると、火の鳥役では存在感があってぴったり。メイクもよく似合うし、鳥らしい腕の動かし方が美しい。きっと彼女のオデットも美しいだろう。

イワン役は、長身のカーチャに合わせてやはり長身のイリヤ・クズネツォフで、よくサポートをしていた。彼はキャラクター系が多い人で、ロットバルトやアブデラクマンなどを踊っていると舞台上ではなかなか素顔がうかがい知れないのだけど、この作品ではハンサムな素顔が見られる。色鮮やかな衣装に金髪がよく映える。イワン役は普通の王子ではなく、ファンタジー作品の主人公なので、彼の持つやんちゃさがよく活きている。特に怪物の卵が入った箱を出してきて、卵を割るぞ~というときの楽しそうな表情が良かった。魔王カッチェイ王はマリインスキーの誇る超ベテランキャラクターのウラディーミル・ポノマレフで、彼のエキセントリックな演技が素晴らしい。彼はなんと1964年にワガノワを卒業しているので、60歳を過ぎているはずなのだけど、よく身体が動くこと。

フォーキンの「火の鳥」は後半は魑魅魍魎というか怪物たちがたくさん出てきて、まるでウルトラマンのような怪獣モノの特撮番組を見ているみたいな気分になってくるのがまた面白い。怪物たちの激しい群舞を踊っているダンサーたちも楽しそうで。(かの有名な映画スタジオ、モスフィルムで撮影した、ニーナ主演の「火の鳥」のほうは、完全に怪獣映画というか、実際に特撮を駆使していて凄いことになっていたけど)一度は生で観てみたいって思ったのに、来日公演での「フォーキン・プロ」がなくなってしまって本当に残念なこと。


「春の祭典」 Le Sacre du printemps  ( ストラヴィンスキー作曲 )

台本 : イーゴリ・ストラヴィンスキー
 〃 : ニコライ・レーリヒ
美術 : ニコライ・レーリヒ
原振付 : ワツラフ・ニジンスキー
振付復元 : ミリセント・ホドソン

バレエ : マリインスキー劇場バレエ団
管弦楽 : マリインスキー劇場管弦楽団
指 揮 : ワレリー・ゲルギエフ

生贄の娘:アレクサンドラ・イオシフィディ Alexandra Iosifidi
賢人:ウラディーミル・ポノマレフ Vladimir Ponomarev
長老:エレナ・パジェーノワ Elena Bazhenova

ニジンスキー版の「春の祭典」は、兵庫県芸術文化センターの開場記念公演で観ていた。いけにえの乙女役は平山素子さんで、群舞もすべて日本人。賢人はかの薄井憲二氏だった。古代ロシアを舞台にした、土着的な印象の強いこの作品は、長身で手足が長いロシア人よりも、短躯のアジア人の体型の方が似合っているような気がしてしまう。実際の舞台を観たときには3階席から観ていたので、群舞の面白さを感じることができたのだけど、この映像はクローズアップが多すぎて、全体の雰囲気が掴みにくい。でも、作品全体をDVD用にきちんと撮影したのは今回が初めてだと思うので貴重な映像。(ジョフリー・バレエの復元ドキュメンタリーつきのPBSでの放映とか、パリ・オペラ座の「春の祭典」の様々な振付を収録したドキュメンタリーはあったけど、市販されていないし)

長老役のエレーナ・バジェーノワは本当はエキゾチックでものすごく色っぽい美人なのに、今回は不思議なメイクに背中を曲げてぴょんぴょん跳ねる老婆の役。ただスカートの裾から出ている脚がきれいなのだ。地面に口づけをする賢人は、さっきの「火の鳥」で魔王カッチェイ王も演じていたウラディーミル・ポノマレフ。超一流のキャラクターダンサーがこれらの役を踊ると、すごく舞台が引き締まる。

そして生贄の娘のアレクサンドラ・イオシフィディ。背がすらりと高くて、瞳がとても大きい。転んでしまって生贄に選ばれてしまって、恐怖のためにかなり長いこと動けずに立ちすくんでいるときの目の演技が凄い。見開いた黒目が片側に寄りながら、時折上に動き、そして目を閉じる。動けない役だけど、その中で死ぬほどの恐怖の表現を見事に体現しているなと。しかも最後のほうでは、100回以上も、あの複雑なリズムに乗りながら内股のまま飛び跳ねた上、絶命するというのだから難役である。彼女は身体がとてもしなやかなので、脚を内股にして、首をかしげてぴょこぴょこ跳ねているのにどこかエレガントなところが残っている。女性の群舞も、クラシックの基礎を脱構築したような踊りで、内股で足をフレックスにしてシソンヌを何回も何回も跳ぶんだけど、背中の柔らかさ、後ろ脚が高く上がるところがキレイなのが面白い。

やっぱりこの作品の独特の引き込まれるような熱狂的なトランス感覚とか、原始的な恐ろしさとかは、もっと引いて群舞を映した映像でないと感じられないような気がした。うーんもったいない。今年はバレエ・リュス100周年ということで、ハンブルク・バレエやジョフリー・バレエはじめ世界のあちこちでこのニジンスキー版「春の祭典」が踊られる。でも日本にいたら観られないのだよね。


「結婚」Les Noces   ( ストラヴィンスキー作曲 )

台本 : イーゴリ・ストラヴィンスキー
美術 : ナターリャ・ゴンチャロワ
振付 : ブロニスラヴァ・ニジンスカ

花嫁:アンナ・シソエワ Anna Sysoeva
花婿:セルゲイ・ポポフ Sergei Popov
花嫁の母:エレナ・パジェーノワ Elena Bazhenova
花嫁の父:ロマン・スクリプキン Roman Skripkin
花婿の母:ワレリア・カルピーナ
花婿の父:ピョートル・スタシュナス Pyotr Stasiunas

実は今回の放映で一番楽しみだったのが「結婚」だった。4人の歌手と4台のピアノ、そして打楽器で構成されている摩訶不思議なストラヴィンスキーのスコアが大好き。そしてニジンスカの振付は、100年近くたった今も古びていなくて超モダン。揃いの白いシャツに茶色のジャンパースカートというまるで女学校の制服のような女性たちの衣装がとてもお洒落。花嫁を囲む女性たちの雰囲気がとても密やかで妖しく美しい。長い三つ編みを持ったり、顔を重ねたり。振付も、6番でのポアントや、腕を不思議に振り回すところが面白い。とても儀式的で土俗的な農村の結婚式のはずなのに、斬新に感じられる。結婚を祝う儀式のはずなのに、花嫁も花婿も少しも嬉しそうではなくて、ほとんど無表情。形式的な抱擁やキス。そして奥の扉が開き、ベッドが待っているという結末。ここでは結婚が喜びではなく、女性が因習と家に縛られ、労働力として迎えられるということを意味している儀式なのだ。

この作品も、パリ・オペラ座の「ディアギレフの夕べ」のビデオ、そしてロイヤル・バレエの「火の鳥」とカップリングされたDVDが出ている。今回の映像は、何よりも演奏と歌が素晴らしい。新しい収録/録音だから音質も良いし、演奏も見事なものだ。オペラ座の映像ではカデル・ベラルビとエリザベット・プラテル、ロイヤルの映像ではゼナイダ・ヤノウフスキー&デヴィッド・ピッカリングと美男美女の持ち役と決まっているけど、この作品、花嫁と花婿はあまり踊らないのがかえって面白い。主役のアンナ・シソエワは収録時はコール・ド、現在はプリンシパル・キャラクター・アーティスト、セルゲイ・ポポフはコリフェ(彼は結構活躍している)と若手でそれほど有名ではないけど、この作品に相応しい美男美女だ。特にセルゲイ・ポポフは長身で金髪でここでは王子様のよう。

ちょっと残念なのが、群舞が意外と揃っていなかったこと。この作品こそは、儀式らしさを出すために群舞がきれいに揃っていないとならないと思うのだ。振付が古典とはちょっと違うし音楽も変わっているので難しいだろうなと思いつつ。面白いのが、男性ダンサーたちの振付も、ドゥミポアントが多用されていて、踵をほとんど地面につけないでジャンプしていること。群舞と言えども相当テクニックがないと踊れない作品だと思う。

いずれにしても、素晴らしい音質と画質に演奏、見目麗しいダンサーたちのパフォーマンスをこんなにキレイに捉えてくれてありがとう、と感謝。テレビの前でとてもワクワクしてしまった。

実は「結婚」は東京バレエ団のレパートリーに入っている。
http://www.thetokyoballet.com/repertory/detail.php?id=18
1998年、“ディアギレフ:バレエ・リュスの20世紀”と題された、<東京の夏>音楽祭への参加公演《バレエ・リュスの輝き》で、これを日本初演したとのことだ。多分それ以来上演されていないと思うのだけど、ぜひ一度これを東京バレエ団でまた上演して欲しいって思う。来日公演では到底望めない演目だろうし。


ちょっとずつ文句をつけてはいるけれど、ディアギレフ×ストラヴィンスキーによるバレエ・リュス作品のオリジナリティ、総合芸術としての完成度、素晴らしさに酔いしれた。もっとこれらの作品の上演を実際に目にできる機会があればいいのだけど。せめて早くDVDが出ることを願う。

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追記:エイフマン・バレエに所属していて、ミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ)の「スパルタクス」にもタイトルロールで客演していたユーリ・スメカロフはマリインスキーにセカンド・ソリストとして移籍していました。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/second_soloists/dancers4/yuri_smekalov

ついでに、ファルフ・ルジマトフの奥様で「奇才コルプの世界」に出演したり、先日行われたミハイロフスキーの新振付「海賊」でもオダリスクの一人として出演していたヴィクトリア・クテポワはコリフェに昇格していました。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/coryphees/coryphees_woman/kutepova/

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コメント

まさに私が思っていたことを述べて下さりました。いや、私は怒りをさえ感じていますが!。これでは「春の祭典」を初めて観る方にこの作品の凄さが全く伝わらないのでは。
偉大な芸術を生み出したロシアが、社会主義体制下で映画においても名画を残したにもかかわらず、今回の映像=カメラワークの酷さ、無能さに呆れるばかりです。まだ、NHKのほうがましな映像を撮れたと思いました。
ダンスやバレエ映像では膝から上やクローズアップは必要無し。観客の視線を大切にしてほしい。
ダンス映像で見事なのは、往年のMGMミュージカルのダンスシーン、例えばフレッド・アステアのダンス・シーンでのカメラワークを観てほしいばかりです。
ちょっと熱くなりました、お許しを!以上「春の祭典」を観ての感想でした (>_<)

おおやまさん、こんにちは。

同意していただけて嬉しいです。おっしゃるとおり、この映像では「春の祭典」という演目がどれほど素晴らしく革命的なものであったかというのがわかりませんよね。せっかくDVD化の予定もあるというのに。

昔NHKが制作していた、グリゴローヴィチ時代の映像の出来はとても良かったですよね。(ミハルチェンコ/ヴァシュチェンコ/ヴェトロフの白鳥など)国内公演をNHKが撮影したものも、たいていはストレスなく観られます。

》ダンスやバレエ映像では膝から上やクローズアップは必要無し。観客の視線を大切にしてほしい。

同感です!MGMミュージカルの撮影は本当に見事なものですよね。スターが踊っているというのに、クローズアップをあまりしなくて全体を撮影してくれる。

ありがとうございます。実はコメントしたあと、とても後悔したんですよ、何と愚かなことを書いた!と。実は‘80年代にNHKが世界バレエヘェス(ノエラ・ボントワが出演)を放送したさいも、最後を飾るドンによる「ボレロ」を、上半身ばかり映していたのにかなり義憤を感じたものです。
いつまでたっても大人になれない自分が恥ずかしいです(;_;)

おおやま雅ひこさん、こんばんは。

いえ、おっしゃることには私は100%同意しますし、後悔されることではないですよ。私自身も、いい年していつまでたっても大人になれずに、かなり毒舌家なのですが…。そして意外と気が小さいので、後で自己嫌悪に陥ったり凹んだりするんですよね。

世界バレエフェスティバルがテレビで放映された時代もあったんですよね。ジョルジュ・ドンの貴重な映像が上半身だけというのは、たしかに残念ですよね。

最近も、ヘンなアングルでバレエを撮るのが新しいという困った傾向があります。たとえばマリインスキーのロパートキナ主演の「白鳥の湖」がそうです。せっかく素晴らしいパフォーマンスなのに、白鳥のコール・ドを横からとか撮影していたりして。それから、ガラ公演「21世紀に輝くエトワール」のDVDもそうです。足だけのクローズアップや顔のアップは意味がありませんよね。

その点、NHKが撮影した舞台映像は、オーソドックスで観やすいですよね。

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