2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 3/28 ソワレ 新国立劇場バレエ団「Ballet the Chic」 | トップページ | 3/21 ドイツダンス賞授賞式 German Dance Prize 2009/ Deutcher Tanzpreis 2009 »

2009/03/29

3/29 新国立劇場「Ballet the Chic」

『セレナーデ』
寺島ひろみ、厚木三杏、堀口純
森田健太郎、中村誠

楠元郁子、北原亜希、千歳美香子、伊東真央、今村恵、田中若子、井倉真未、
細田千晶、今井奈穂、今村美由紀、大湊由美、川口藍、小村美沙、中田実里、
成田遥、原田有希、若生愛、酒井麻子、柴田知世(交代出演)

市川透、小笠原一真、澤田展生、田中俊太朗


『空間の鳥』
真忠久美子

貝川鐵夫、江本拓、八幡顕光、高木裕次、佐々木淳史、末松大輔、
アンダーシュ・ハンマル、泊陽平、清水裕三郎、野崎哲也、原健太、三船元維

『ポル・ヴォス・ムエロ』
湯川麻美子、遠藤睦子、高橋有里、西川貴子、
本島美和、丸尾孝子

芳賀望、吉本泰久、貝川鐵夫、陳秀介、
冨川祐樹、末松大輔


『プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ』
◇プレリュード:ボヘミア・ラグ/I.ヴィヴァーチェ アッサイ
デニス・マトヴィエンコ
本島美和 厚木三杏

◇II.アレグレット
本島美和
大和雅美、難波美保、井倉真未、伊東真央、細田千晶、堀岡美香、成田遥、今村美由紀
西山裕子
楠元郁子、北原亜希、今井奈穂、大湊由美、川口藍、金田洋子、中田実里、若生愛

◇III.メヌエット ー トリオ
厚木三杏 山本隆之 中村誠
西川貴子、丸尾孝子、千歳美香子、酒井麻子
マイレン・トレウバエフ、陳秀介、八幡顕光、古川和則

◇IV.フィナーレ ヴィヴァーチェ
全員

というわけで、2回目の「Ballet the Chic」当初は1回のみ観る予定だったのが、マイレンが「セレナーデ」にキャストされたために土曜日の夜公演を買い足したというわけ。余談だけど、ソリストのキャストを間際になって発表するのはやめて欲しい~。この点は本当にNBS(そして東京バレエ団)は良心的だと思う。新国立劇場の場合には、セット券を買う場合には1年前に買うから予定は立たないし主役だって決まらない状態で買えといい、キャスト変更になってもチケット交換はできない。しつこいけど「コッペリア」の初日のゲストから劇場ダンサーへの変更などもある。こんなことではセット券はもう買えない。劇場の都合だけで、まったく観客の方を向いていない営業姿勢だ。私はかなり頭に来ているので、来シーズンはセット券は一切買わないことにした。

笑えるのが、新国立劇場のホームページでのセット券売り上げ状況のお知らせ
明らかに去年よりも売れていない。もちろん、昨今の経済状況の悪化が大きな原因の一つだとは思うけど、誰が出るのか判らない公演シリーズに、5万円以上のお金を払って買っておくような奇特な人は確実に減っていると思う。しかも、ゲストの数がどんどん減っている。オペラに関しては、それでもセット券はかなり売れているようだし。

余談は置いておいて。

『セレナーデ』
厚木さんは長い首といい、小さな顔といい、身体のラインはすごくきれいだし良いダンサーだと思うけど、ちょっとこのバレエにはキャラクターが強すぎるのではないかと思う。バランシンを踊るにはもっと透明感が必要なのではないか。そういう点で、堀口純さんの透明感はこの作品にぴったり。彼女も身体のラインが素晴らしく美しく、その上儚い雰囲気があって素敵だった。ロシアン・ガールは寺島ひろみさん。前日の寺島まゆみさんと容姿はそっくりでも、ダンサーとしての性質はだいぶ違う感じ。まゆみさんが溌剌としていて弾むような感じなのに対して、ひろみさんはもう少ししっとり系なのだ。この役にはまゆみさんの方が合っていると思う。でも、一見元気の良いこの役の中にもドラマを作ろうとしているところには好感が持てた。
男性陣はというと、森田さんはサポートは上手だと思うのだけど、あの衣装で彼の体型は厳しい。お腹の肉が乗っかっているのが見えてしまうのだから。その点、中村誠さんのラインの美しさはいうまでもなく、本当にしなやかで優雅で繊細で。特に腕の美しさに関しては、女性ダンサーにも負けない。登録ダンサーになってしまって出番が減ってしまったけど、彼はもっと観たいダンサーの一人。4月の小林紀子バレエシアターの「眠れる森の美女」を観に行かなくては!

群舞は今回も素晴らしかった。この作品を観ていて、久しぶりに新国立劇場で「ジゼル」が観たいと思った。「セレナーデ」には、ウィリたちが行進しながら交差するシーンを思わせる振付があるのだけど、ここの揃い方が凄かったのだ。そういえば、しばらくここでは「ジゼル」を上演していないけどなぜなのだろうか?

『空間の鳥』
私はこの作品は、けっこう好きだということが判った。たしかに赤い袴は既視感ありありなのだけど、その中でもめくって腰に巻いてみて脚を露出させたり、持ってみたりと面白い使い方をしている。途中からは、扇子の骨組みのような木製の小道具をダンサーたちが持って開いたり閉じたり。うずくまっていた貝川さんがやがて生まれ出て、立ち上がり、世界と対峙して少しずつたくましくなっていくというコンセプトが伝わってきた。今日の女性役は真忠久美子さん。前田新奈さんほどの鋭さ、強烈さはないものの、眉毛を消して大きく隈取った目の力の強さとともに、真忠さん独特の少女的な残酷性のようなものが感じられた。
カーテンコールには、振付の井口さんも登場。このように現役ダンサーに新作の振付をさせて、若手の男性ダンサーをたくさん出演させることはダンサーにとってモチベーションになることだし、とても良いことだと思う。素直に拍手を送りたい。

『ポル・ヴォス・ムエロ』
出演者が前日夜と若干変わったけど、女性は同じ。昨日のマチネを観た友人から、小野絢子さんが良かったと聞いていたので期待したのだけど、この日は出演なし。男性は、古川さんが抜けて芳賀さん、末松大輔さんが入った。芳賀さんはあまりコンテンポラリー向きのダンサーではなく、古川さんの方がずっと良かったと思う。
そしてこの作品、何回観ても楽しめる。音楽が今頭の中をぐるぐるしている。心地よく、どこか懐かしくちょっと土臭い音楽。男性陣がランプを手にマントを持って駆け込んでくるところも素敵だし(ランプに火はついていなかったけど、お香のような匂いが漂ってきた)、最初と終わりの方の肌色レオタードの振付も面白い。女性たちの、あの長くボリュームがありそうなスカートを着用して、音楽に合わせて軽やかにステップを踏んだり跳んだりするのはかなり難しいと思うけど、ほとんどのダンサーはしっかりと音楽が身体の中に入り込んでいたようだ。この作品の、親密で密やかな雰囲気がたまらない。新国立劇場がレパートリーにしていて誇れる作品だろう。

『プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ』
今日は主人公はデニス・マトヴィエンコ。デニスはこの役に合っていないって話をさんざん聞かされたのだけど、実際に観てみると、思ったよりいい。さすがに彼はテクニックがあるので、高速回転ピルエットが見事でまったくぶれもしないで8回くらい軽く回ってしまうし。それに当たり前だけど、福田圭吾さんよりは華がある。一生懸命ユーモラスさを出そうとしていたし、本人も楽しそうに踊っていたのが伝わってくるから、これでいいのでは、と。難があるとしたらやはりデニスはクラシックのダンサーなので、踊りが優雅すぎたこと。

今日も「ポル・ヴォス・ムエロ」では健闘していた本島さんは、この役ではまったくダメ。彼女は首が短く肩が張っているので、肩を露出した衣装がまるで似合っていない。それから致命的に音楽性がなく、またピルエットでは毎回毎回ぐらついている始末。西山裕子さんはとても良かった。ユーモラスでちょっとふざけた感じの芝居が抜群に上手い!全体的には、昨日のソワレよりは作品が面白いように思えた。そしてカーテンコールではデニスは大きな跳躍を披露してくれたし、幕が下りた後、ダンサーたちが舞台の上で歓声を上げていたので、彼らも楽しめたようで良かった。


ところで、2003年に「The Chic」と同じ公演名で新国立劇場のガラがあった。「シンフォニー・イン・C」とナチョ・ドゥアトの「ジャルディ・タンカート」、そしてその間に「ジゼル」「ロミオとジュリエット」「こうもり」「ラ・バヤデール」のパ・ド・ドゥが上演されたのだ。このときの「シンフォニー・イン・C」がとても良かった記憶があるのに、再上演はしていないのが勿体無い。(6月にK-Balletが「ベートーヴェン 第九」と同時上演で「シンフォニー・イン・C」を上演するので観に行きたいと思いつつチケット代が高くて)

今回の「Ballet the Chic」はすべてコンテンポラリー系の作品ということで、かなり動員に苦労していて、客席の埋まり方が良くなかった。せっかく「セレナーデ」と「ポル・ヴォス・ムエロ」は素晴らしい上演だったのに。というわけで、次回このような企画をするときには、前回のように、コンテンポラリーもしくはネオクラシックに、古典のパ・ド・ドゥを挟み込んで上演すると、チケットの売り上げにもう少し貢献するのかもしれない。とはいっても、前回の「The Chic」もあまりお客さんが入っていなかったけど…。

いずれにしても、「セレナーデ」と「ポル・ヴォス・ムエロ」はこの劇場のレパートリーとして大事にして欲しいと思った。井口さんの今後の作品も楽しみだ。

« 3/28 ソワレ 新国立劇場バレエ団「Ballet the Chic」 | トップページ | 3/21 ドイツダンス賞授賞式 German Dance Prize 2009/ Deutcher Tanzpreis 2009 »

バレエ公演感想2009」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 3/28 ソワレ 新国立劇場バレエ団「Ballet the Chic」 | トップページ | 3/21 ドイツダンス賞授賞式 German Dance Prize 2009/ Deutcher Tanzpreis 2009 »