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2009/02/24

ヒューストン・バレエの新作「マリー・アントワネット」

ヒューストン・バレエでは、芸術監督のスタントン・ウェルチの振付による新作「Marie」が2月26日に初演されます。

http://www.houstonballet.org/Ticketing_Schedule/20082009_Season_Calendar/Marie/
(プロモーション用の動画あり)

Music: Dmitri Shostakovich (1906-1975), arranged by Ermanno Florio
Choreography: Stanton Welch
Costume and Scenic Design: Kandis Cook
Lighting Design: Lisa J. Pinkham

かのマリー・アントワネットの人生をバレエ化した完全な新作とあって、大きな話題となっており、様々な新聞にプレビューが掲載されていました。

http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/arts/theater/6261056.html

オーストラリア・バレエの「眠れる森の美女」などで知られるスタントン・ウェルチは、全幕作品でまったくの新作を作るのは初めてとのことです。マリー・アントワネットをパパラッチの最初の犠牲者として見ました。まだ10代の少女が、16人兄弟の末娘が、フランス王室に嫁ぐ際に国境で、オーストリアから着てきた服をすべて脱がされてしまうとはなんと屈辱的なことだったのだろうと。一人の等身大の女性としてのマリーを描いたとのことです。そして、夫ルイ・オーギュスト(ルイ16世)との7年間のセックスレスの生活。そんな二人のパ・ド・ドゥを創るのは大きな挑戦だったようです。また、恋人であったスウェーデン貴族のフェルゼンや、ライバルのデュ・バリー夫人など、多くの登場人物がこの二人を取り囲むように登場します。フランス革命は長い時間がかかりましたが、この作品は全3幕で1時間半、とてもわかりやすく、そして最後には観客がマリーの悲劇に同情できるようなものになったとのこと。

特筆すべきなのは、音楽がすべてショスタコーヴィチの曲を使っていること。ロシア人のショスタコーヴィチと、マリー・アントワネットとは一見なんの関係もないようです。が、ウェルチが語るには、挑戦的なオペラ作品「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を創ってスターリンの不興を買い、芸術家生命の危機にさらされた天才ショスタコーヴィチと、民衆の敵とされたマリー・アントワネットには共通点があったとのこと。二人とも、混乱の中で自分らしさを貫こうとした人々であったと。彼の音楽の中に含まれるアイロニーが、マリー・アントワネットには相応しいとのことです。メーンに使われているのは、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番で、他にピアノコンチェルト1番と2番、そして交響曲10番です。マリー・アントワネットがギロチンへと向かう終幕では、バレエ組曲2番のアダージオが使われますが、この曲は「明るい小川」で有名な曲です。スコアをアレンジしたエルマノ・フローリオとウェルチは、10ヶ月もかけて編曲を完成したそうです。

ショスタコーヴィチの音楽と「Marie」については、このPlyabillの記事でたくさん触れられています。
http://www.playbillarts.com/features/article/7922.html

写真を見れば判るように衣装も、コルセットに骨組みで大きく膨らんだクラシックなドレスと、とても凝っています。この作品のために173点の衣装が制作されました。衣装や装置は、実際にマリーが住んでいた宮殿からインスピレーションを得たもので、一幕はシューンブルグ宮殿をイメージしたものだそうです。対照的に、フランスに舞台が移ってからはグレーと銀で彩られており、フランス宮廷での冷たい生活を象徴させています。唯一の逃げ場所であったプチ・トリアノン宮殿だけは、彼女のファンタジーの世界を表現しているそうです。衣装制作にも、2年近くをかけたとのこと。

米国では急激な景気悪化で、コール・ドのダンサーを11人解雇することを発表したNYCBをはじめ、マイアミ・シティ・バレエなど多くのバレエ団がリストラを余儀なくされています。その中で、全米で4番目に大きいヒューストン・バレエは100万ドル(約1億円)をかけて、この新作を完成させました。2000万ドルの年間予算があり、毎年6000万ドルの寄付が寄せられるヒューストン・バレエは、毎年一つの全幕作品の新作を制作しています。

International Herald Tribuneの記事
http://www.iht.com/articles/ap/2009/02/22/arts/NA-US-Houston-Ballet-Marie-Antoinette.php

写真を見ると、衣装も18世紀フランスの雰囲気が合ってとても美しく、そして作品も面白そうですね~。機会があったらぜひ見てみたい作品の一つです。

追記:以下のフォトギャラリーで舞台写真を見ることができます。衣装がとても素敵ですね~。ちゃんと最後にはギロチンが出てきています。
http://insightphotography.smugmug.com/gallery/7464362_6ir4f

初日の新聞での批評もありますが、とても好意的です。ショスタコーヴィチの音楽の使い方も良かったようです。いつか観る機会があれば本当にいいなって思います。
http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/arts/theater/6285113.html

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