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2009年2月

2009/02/28

デニスとアナスタシア・マトヴィエンコ、マリインスキー・バレエに移籍!?

Ballet.coのマリンスキー・バレエフォーラムのKevin Ng氏によると、デニス・マトヴィエンコと妻のアナスタシア・マトヴィエンコが、現在所属しているミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ)より、マリインスキー・バレエに移籍するとのことです。

http://www.ballet.co.uk/dcforum/DCForumID18/243.html

デニスがプリンシパル、アナスタシアがファースト・ソリストだそうです。

ミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ、マールイ)のダンサーがあまり今年日本での夏公演に出演しないということや、マトヴィエンコ夫妻がマールイの日本公演に出演していなかったということの裏には、こういうことがあったんでしょうか。マールイの今後についても、色々と心配させられてしまいます。

それに、デニスは今のところ、新国立劇場には来シーズンは出演しないようですしね。(3月末の「ザ・シック」の「プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ」には出演しますが、どの日に出演するのかはいまだ発表されていません)

アナスタシア・マトヴィエンコがファースト・ソリストでマリンスキーに入団できてしまうのも、いかにもアリーナ・ソーモワをプリンシパルに昇進させてしまう今のマリインスキー、って実感してしまいます…、。

2009/02/27

2009年7月 NBAバレエのゴールデン・ガラ公演(カール・パケット出演)

ダンソマニ日本版さまからの情報です。(いつもありがとうございます!)
人様から情報を頂いてばかりで申し訳ありません…。

NBAバレエのゴールデン・ガラ公演 が、NBAバレエ団のサイトに載っていました。サイトの表示が崩れていて読みにくいので、ダンソマニ日本版さまから引用します。

http://www.nbaballet.org/html/event.html

日 時: 2009年7月26日(土) 18:00 開演、27日(日) 15:00開演
会 場: ゆうぽうとホール
チケット料金: SS席12,000円 S席10,000円 / A席9,000円 / B席8,000円 (*発売日は書かれてないです。)

招聘予定プリンシパル:

アディリアス・アルメイダ & ジョセフ・ガッティ (アンヘル・コレーラ・バレエ)
- 『ドン・キホーテ』/『海賊』/『サタネラ』/『チャイコフスキー・パドドゥ』/『パリの炎』/『ラ・バヤデール』第1幕より

クリスティン・タランティエフ & アレクセイ・タランティエフ (モルドバ・バレエ)
- 『ドン・キホーテ』/『くるみ割り人形』/『白鳥の湖』より黒鳥のGPdD/『眠れる森の美女』

アシュリー・ボーダー & ホアキン・デ・ルース (NYCB)
- 『アザーダンス』

オクサナ・クチュルク & ロマン・ミハリョフ (ボルドー・バレエ)
- 『眠れる森の美女』/『ソナチネ』(バランシン)

ミュリエル・ジュスペルギ & カール・パケット (パリ・オペラ座バレエ)
- 『ジゼル』/『コッペリア』

アレクセイ・コリャーギン (ボリショイ・バレエ)
- ソロと村のドンファン/バッハのフーガ

久保紘一 & シャロン・ウェナー (コロラド・バレエ)
- 『スターズ・アンド・ストライプス』/『葉は色褪せて』

*ほかに、マリンスキー・バレエからも招聘する予定とのこと


なお、カール・パケットとミュリエル・ジュスペルギ、そして「ライモンダ」でも大活躍したジョシュア・オファルトは、京都の有馬龍子バレエ団に客演します。

http://www.kyoto-ballet-academy.com/news/index.html

有馬龍子バレエ団60周年記念公演 2009年8月2日(日)  びわ湖ホールにて

"ジゼル"全幕

キャスト
ジゼル: ミュリエル・ズスペルギー(パリ・オペラ座プルミエール・ダンサー)
アルブレヒト: カール・パケット(パリ・オペラ座プルミエ・ダンスール)
ヒラリオン: ジョシュア・オファルト(パリ・オペラ座スジェ)

オーケストラ指揮 堤俊作   びわこの風オーケストラ

オペラ座の至宝、当校名誉校長イヴェット・ショヴィレ女史直伝
パリ・オペラ座元エトワール、前校長クロード・ベッシーを芸術顧問に迎え、パリ・オペラ座エトワールのミカエル・ドナールによるパリ・オペラ座スタイル指導

"Concerto en Ré" パリ・オペラ座バレエ学校作品

振付指導・芸術顧問:クロード・ベッシー 
パリ・オペラ座バレエ学校校長を30年間務められましたクロード・ベッシー女史が初めて日本の子供達に振付指導!

また、NBAバレエ団のほうは、滅多に上演されない
「エスメラルダ」の復刻版を上演します。
6月20日(土)18:30  21日(日)15:00      
S席6,000円  A席5,000円  学生席 3,000円

音楽 チェーザレ・プーニ
元振付 ジュール・ペロー、マリウス・プティパ、アグリッピーナ・ワガノワ(ディアナとアクテオン)
台本 ヴィクトル・ユゴー
再振付 バレンティン・エリザレフ
(ベラルーシ国立ボリショイバレエ劇場芸術総監督)

リンクが切れていてキャスト等が不明なのが残念です~。

2009年7月・親子で楽しむ夏休みバレエまつり

ここしばらく夏の風物詩となっていたレニングラード国立バレエの「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」ですが、Side B-alletのゆうさんに教えていただいたところによると、出演者がだいぶ変わったようです。

イープラスに各公演が載っています。

今年の「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」は、レニングラード国立バレエからの出演者はなしなのかしら?そうだとしたら、ちょっと寂しいですね。

出演: 予定ソリスト:ナタリア・クラピーヴィナ(モスクワ音楽劇場バレエ)/ゲオルギー・スミレフスキー(モスクワ音楽劇場バレエ)
モスクワ・クラシック・バレエのソリストたち
曲目・演目: 【予定プログラム】「シンデレラ」よりハイライト シンデレラと王子の踊り、世界各国の踊り、フィナーレ 他/「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ/「白鳥の湖」より4羽の白鳥/「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ/他

となっています。

ナタリア・クラピーヴィナとゲオルギー・スミレフスキーは、モスクワ音楽劇場バレエ(ダンチェンコ)の一昨年の来日公演でも活躍していましたご夫婦ですよね。ゲオルギー・スミレフスキーは「白鳥の湖」で観ましたが、長身でプロポーション良し、アンヘル・コレーラにちょっと似た甘いマスクで、ダンチェンコのダンサーだけあって演技力もあって素敵なダンサーでした。

モスクワ・クラシック・バレエはかつてマラーホフが在籍していたバレエ団のことでしょうか?

昨日お知らせした「ルジマトフ&レニングラード国立バレエ」でのコンセルヴァトクール・バレエの出演といい、今年の夏は、レニングラード国立バレエは、一部のソリスト以外は日本には来ないということなのですね(涙)。

親子で楽しむ夏休みバレエまつり
09/7/19 府中の森芸術劇場 どりーむホール (東京都)

09/7/21 めぐろパーシモンホール 大ホール (東京都)

09/7/23 鎌倉芸術館 大ホール (神奈川県)

09/7/26 新宿文化センター 大ホール (東京都)

09/7/27 グリーンホール相模大野 大ホール (神奈川県)

09/7/30 習志野文化ホール (千葉県)

09/8/1 大宮ソニックシティ 大ホール (埼玉県)

09/8/2 文京シビックホール 大ホール (東京都)

09/8/6 神奈川県民ホール 大ホール (神奈川県)

09/8/7 THEATRE 1010 (東京都)

イープラス掲載分以外にも、
浜松アクトシティでの2009年7月20(月)の公演もあるようです。 ということは、多分これからまたさらに地方での公演等が判明することでしょう。光藍社さんのサイトに早く残りの情報を載せて欲しいところですよね。

NHK芸術劇場・東京バレエ団ベジャール・ガラの放映詳細(3/20)

2/9収録の東京バレエ団ベジャール・ガラ公演の放送内容が発表されました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-100.html

http://www.nhk.or.jp/art/yotei/2006/20090320.html

NHK「芸術劇場」(NHK教育テレビ)
2009年3月20日(金)

放送内容
22:30-22:45 情報コーナー
「ボレロ」に主演したシルヴィ・ギエム、<ベジャール・ガラ>の振付指導ため来日したジル・ロマン、そして現在東京バレエ団でベジャール振付「ルーミー」を指導中の小林十市ら、ベジャールゆかりの人々のインタビューと過去の映像で、現代バレエ界に偉大な足跡を残したベジャール氏の業績を振り返ります。
ジル・ロマンが指導した<ベジャール・ガラ>のリハーサルの様子も放送される予定です。

22:45-23:40 公演コーナー
<ベジャール・ガラ>
「中国の不思議な役人」、「ボレロ」
(2009年2月9日収録)

「中国の不思議な役人」
無頼漢の首領:平野玲
第二の無頼漢―娘:宮本祐宜
ジークフリート: 柄本武尊
若い男:西村真由美
中国の役人:首藤康之

「ボレロ」
シルヴィ・ギエム
平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘

そして、引き続き、

23:40~24:45 公演コーナー
「ベスト・オブ・ベジャール~愛、それはダンス」ハイライト
(2005年パリ/パレ・デ・スポール)

も放映されます。


ギリシャの踊りの放映がないのは残念ですね。でも公演のうち二演目が入るのはよかった。ギエムが踊る「ボレロ」の映像なんて超貴重ですよね。その前にDVDレコーダーなんとかしなくては!

2009/02/26

ルジマトフ&レニングラード国立バレエ 7月公演

イープラスに、7月のルジマトフ&レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場) のプレオーダー情報が載っていました。

http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002027520P0050001P006001P0030001

わざわざ"ルジマトフ”と断り書きがあるとおり、ルジマトフが踊ります。しかも「シェヘラザード」!

2009年7月22日(水)~7月23日(木)
場所:ゆうぽうとホール(五反田)
■ 09/3/14(土)12:00~09/3/20(金)18:00 プレオーダー受付
■ 09/3/27(金)10:00~09/7/20(月)18:00 一般発売

しかし、この後がびっくりの情報です。

出演: 【予定】ファルフ・ルジマトフ/西島千博/レニングラード国立バレエ(オクサーナ・シェスタコワ、イリーナ・コシェレワ、ミハイル・シヴァコフ、ドミトリー・シャドルーヒン、ミハイル・ヴェンシコフ)/サンクトペテルブルグ・コンセルヴァトワール・バレエ

曲目・演目: 【予定プログラム】「シェヘラザード」よりアダージョ(ルジマトフ出演)/「海賊」より(西島千博出演)/「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ/「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ/他

なんと西島千博さん出演!しかもルジマトフのファンの前で「海賊」を踊るとは…(以下略)

シェスタコワ、シヴァコフ、コシェレワ、シャドルーヒン、ヴェンシコフというメンバーはとても良いですね。でも、サンクトペテルブルグ・コンセルヴァトワール・バレエ って聞いたことがないのです。「シェヘラザード」のお相手は果たして誰なのでしょうか?

いずれにしても、今年の夏もマールイが来てくださって、ルジマトフも踊るのは嬉しい限りです。

ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)来日公演概要

キョードー東京のサイトに、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)の来日公演の概要が発表されました。

http://www.kyodotokyo.com/detail_a.cfm?ppk=k019x0101

■管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
2009.10月8日(木)~10月12日(月)

Bunkamuraオーチャードホール
料金(税込み): S席 \ 18,000 A席 \ 14,000 B席 \ 9,000 3演目S席セット券 \ 49,500
■主催:Bunkamura/TBS/キョードー東京
■後援:アメリカ大使館
お問い合わせ
■ キョードー東京 03-3498-6666

プログラムA (10月8日(木)19時/10日(土)18時/12日(月・祝)13時)
セレナーデ (振付:バランシン 音楽:チャイコフスキー)
アゴン(振付:バランシン 音楽:ストラヴィンスキー)
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ (振付:バランシン 音楽:チャイコフスキー)
ウエスト・サイド・ストーリー組曲 (振付:ロビンズ 音楽:バーンスタイン)

プログラムB (10月9日(金)19時/11(日)13時)
コンチェルトDSCH (振付:ラトマンスキー 音楽:ショスタコーヴィチ)
バーバー・ヴァイオリン・コンチェルト(振付:マーティンス 音楽:バーバ-)
タランテラ (振付:バランシン 音楽:ゴットシャルク)
チャイコフスキー・ピアノ・コンチェルト第2番(振付:バランシン 音楽:チャイコフスキー)

プログラムC (10月10日(土)13時/11日(日)18時)
グラチオーソ(振付:マーティンス 音楽:グリンカ)
アフター・ザ•レイン (振付:ウィールドン 音楽:ペルト)
ダンシズ・アット・ア・ギャザリング (振付:ロビンズ 音楽:ショパン)
シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメント (振付:バランシン 音楽:ストラヴィンスキー)

指揮者やピアニスト、ヴァイオリニスト、歌手をも含む総勢130名が来日するそうです。前回来日公演のヴァイオリニストがとてもカッコいい方だったので、同じ人だといいな~。演奏は新日本フィルなので、期待できそうですよね。

5月 17日(日)チケット発売開始
3演目S席セット券:料金:49500円 発売日4月12日(日) (4500円引き)
発売日受付 キョードー東京 03-3498-9966

*********
前回来日公演のときも、S席が18000円で、ずいぶん高いなと思ったのですが、いまや2万円超の来日公演は当たり前となってしまったので、高く感じなくなってしまったのが恐ろしいところです。

が、席の種類が少ないので、B席 \ 9,000 が一番安いんですよね。ただ、オーチャードホールは、B席である3階正面後方がこのホールの中でも一番コストパフォーマンスが高いと思われますので(遠いけど見やすい)、B席は早く売り切れると思います。バランシン作品は上から見ると綺麗ですしね。

追記:
Bunkamuraのサイトにもチケット情報がアップされました。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_09_nycb.html

*********

ところで、ここしばらくの米国の景気低迷でバレエ界も大きな打撃を受けており、NYCBはコール・ドのダンサー11人を今シーズン末に解雇することを発表しています。現在101人の団員が90人に減らされるそうです。
http://www.nytimes.com/2009/02/21/arts/dance/21ball.html?ref=arts

NYCBはチケットの売り上げと寄付金が6~8%減少し、550万ドルの赤字を今シーズン記録してしまっているようです。芸術監督ピーター・マーティンスをはじめとするシニアスタッフの給料も10%カットされたとか。NYCBは米国のバレエ団の中でも最も寄付金の額を集めているバレエ団として知られているので、この不況がいかに大きなものかというのが実感されます。

ニューヨークのシティ・センターでの「PETER THE GREAT」ガラ

コメント欄で話題になっていましたが、モスクワ舞踊学校の偉大な教師Peter Pestov氏の80歳の誕生日を祝ってのガラ"PETER THE GREAT"が4月23日にニューヨークのシティ・センターで開催されます。その後彼はジョン・クランコ・スクールの教師を務めているんですね。

彼の教え子の中には、ウラジーミル・マラーホフ、ニコライ・ツィスカリーゼ、アレクセイ・ラトマンスキー、ユーリ・ポソホフがいます。そしてこのガラの出演者が、大変豪華です。また、アレクセイ・ラトマンスキーがMCを務めるとのことです。

Marcelo Gomes, Gennadi Saveliev (ABT)
Natalia Osipova, Nikolai Tsiskaridze, Ivan Vasiliev (Bolshoi Ballet)
Mikhail Kaniskin, Vladimir Malakhov (Berlin State Opera Ballet)
Sascha Radetsky (Dutch National Ballet)
Ekaterina Kondaurova (Kirov Ballet)
Karine Plantadit (Broadway star)
Wendy Whelan, Benjamin Millepied (NYCB)
Yuri Possokhov (San Francisco Ballet)
Alicia Amatriain, Alexander Zaitsev (Stuttgart Ballet) and
Peter Pestov's graduating class from the John Cranko School of Stuttgart Ballet.

http://www.yagp.org/pestov_site/index.html
http://www.nycitycenter.org/tickets/productionNew.aspx?performanceNumber=4325

出演者だけでなく、彼の歴代の教え子である教師たちや往年のダンサーも集結し、また貴重な映像も上映されるとのことです。

なお、このガラの前日22日には、毎年恒例のYAGPガラが開催されます。
http://yagp.org/gala/index.html
こちらの出演者は、まだナタリア・オシポワとイワン・ワシリエフしか発表されていません。

さらに前日、21日には、スターへの登竜門であるYAGPの決勝戦が行われます。予選から入れると5000人ものバレエを学ぶ生徒たちが参加しているんですね。
http://yagp.org/NYC_Final_Round/nyc_final_round_09.html

2009/02/24

ヒューストン・バレエの新作「マリー・アントワネット」

ヒューストン・バレエでは、芸術監督のスタントン・ウェルチの振付による新作「Marie」が2月26日に初演されます。

http://www.houstonballet.org/Ticketing_Schedule/20082009_Season_Calendar/Marie/
(プロモーション用の動画あり)

Music: Dmitri Shostakovich (1906-1975), arranged by Ermanno Florio
Choreography: Stanton Welch
Costume and Scenic Design: Kandis Cook
Lighting Design: Lisa J. Pinkham

かのマリー・アントワネットの人生をバレエ化した完全な新作とあって、大きな話題となっており、様々な新聞にプレビューが掲載されていました。

http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/arts/theater/6261056.html

オーストラリア・バレエの「眠れる森の美女」などで知られるスタントン・ウェルチは、全幕作品でまったくの新作を作るのは初めてとのことです。マリー・アントワネットをパパラッチの最初の犠牲者として見ました。まだ10代の少女が、16人兄弟の末娘が、フランス王室に嫁ぐ際に国境で、オーストリアから着てきた服をすべて脱がされてしまうとはなんと屈辱的なことだったのだろうと。一人の等身大の女性としてのマリーを描いたとのことです。そして、夫ルイ・オーギュスト(ルイ16世)との7年間のセックスレスの生活。そんな二人のパ・ド・ドゥを創るのは大きな挑戦だったようです。また、恋人であったスウェーデン貴族のフェルゼンや、ライバルのデュ・バリー夫人など、多くの登場人物がこの二人を取り囲むように登場します。フランス革命は長い時間がかかりましたが、この作品は全3幕で1時間半、とてもわかりやすく、そして最後には観客がマリーの悲劇に同情できるようなものになったとのこと。

特筆すべきなのは、音楽がすべてショスタコーヴィチの曲を使っていること。ロシア人のショスタコーヴィチと、マリー・アントワネットとは一見なんの関係もないようです。が、ウェルチが語るには、挑戦的なオペラ作品「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を創ってスターリンの不興を買い、芸術家生命の危機にさらされた天才ショスタコーヴィチと、民衆の敵とされたマリー・アントワネットには共通点があったとのこと。二人とも、混乱の中で自分らしさを貫こうとした人々であったと。彼の音楽の中に含まれるアイロニーが、マリー・アントワネットには相応しいとのことです。メーンに使われているのは、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番で、他にピアノコンチェルト1番と2番、そして交響曲10番です。マリー・アントワネットがギロチンへと向かう終幕では、バレエ組曲2番のアダージオが使われますが、この曲は「明るい小川」で有名な曲です。スコアをアレンジしたエルマノ・フローリオとウェルチは、10ヶ月もかけて編曲を完成したそうです。

ショスタコーヴィチの音楽と「Marie」については、このPlyabillの記事でたくさん触れられています。
http://www.playbillarts.com/features/article/7922.html

写真を見れば判るように衣装も、コルセットに骨組みで大きく膨らんだクラシックなドレスと、とても凝っています。この作品のために173点の衣装が制作されました。衣装や装置は、実際にマリーが住んでいた宮殿からインスピレーションを得たもので、一幕はシューンブルグ宮殿をイメージしたものだそうです。対照的に、フランスに舞台が移ってからはグレーと銀で彩られており、フランス宮廷での冷たい生活を象徴させています。唯一の逃げ場所であったプチ・トリアノン宮殿だけは、彼女のファンタジーの世界を表現しているそうです。衣装制作にも、2年近くをかけたとのこと。

米国では急激な景気悪化で、コール・ドのダンサーを11人解雇することを発表したNYCBをはじめ、マイアミ・シティ・バレエなど多くのバレエ団がリストラを余儀なくされています。その中で、全米で4番目に大きいヒューストン・バレエは100万ドル(約1億円)をかけて、この新作を完成させました。2000万ドルの年間予算があり、毎年6000万ドルの寄付が寄せられるヒューストン・バレエは、毎年一つの全幕作品の新作を制作しています。

International Herald Tribuneの記事
http://www.iht.com/articles/ap/2009/02/22/arts/NA-US-Houston-Ballet-Marie-Antoinette.php

写真を見ると、衣装も18世紀フランスの雰囲気が合ってとても美しく、そして作品も面白そうですね~。機会があったらぜひ見てみたい作品の一つです。

追記:以下のフォトギャラリーで舞台写真を見ることができます。衣装がとても素敵ですね~。ちゃんと最後にはギロチンが出てきています。
http://insightphotography.smugmug.com/gallery/7464362_6ir4f

初日の新聞での批評もありますが、とても好意的です。ショスタコーヴィチの音楽の使い方も良かったようです。いつか観る機会があれば本当にいいなって思います。
http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/arts/theater/6285113.html

2009/02/23

ABTの写真集「In Classic Style: The Splendor of American Ballet Theatre」

発売されて一年近くたっている写真集なのですが、定価100ドルというお値段に躊躇して、最近まで買っていませんでした。ところが、ここしばらくのドル安があって、amazon.comで買うと若干値段が下がったものだから、思い切って買うことに。実際のところは割引もあって送料込みで6000円ちょっとでした。

しかし、大きな写真集とは聞いていたけど、予想以上に大きかったです。以前買ったシュツットガルト・バレエの写真集よりもさらにふた周りくらい大きくて、横長で、重いです。しかも分厚いし。こんなに大きな本を納められる本棚は普通の家にはないと思います。眺めるのもちょっと大変なくらい。しかもとっても大きなアマゾンのダンボールに入っていて、宅配ボックスから部屋まで運ぶのにも一苦労。

大きくて高い分、ゴージャスな本です。横長の大判のページを、時には見開きで使っているので写真も大きくて映えます。撮影は、以前ABTのカレンダーも撮影していたNancy Elison。リハーサルの写真が数点と、2006~2007のMETシーズンの写真から構成されています。この二つのシーズンは自分も観に行ったので、記憶が残るところ。

演目としては、以下の通り
「ラ・バヤデール」「眠れる森の美女」「シンフォニー・コンチェルタンテ(バランシン)」「ロミオとジュリエット」「真夏の夜の夢」「オテロ」「シンデレラ(クデルカ版)」「ジゼル」「マノン」「白鳥の湖」

それぞれの作品の写真が、ダンサーを替えながらも物語の順番を追うように並べられていますので、一つの作品を通して観ているような気になるのが面白いです。奇をてらうことなく、ごくごくまっとうな撮り方によって美しく舞台とダンサーを捉えている写真ばかりです。

2006年にフリオ・ボッカが、2007年にアレッサンドラ・フェリが引退したので、彼らの最後のシーズンが収められています。そして今年がABT最後のシーズンになるニーナ・アナニアシヴィリや、2008シーズン以降出演していないウラジーミル・マラーホフも登場しています。この写真集を観ていると、どれほどのスターがABTにいて、そして去っていってしまったかということを思い知らされてしまいます。次代のスターを育てていくのがABTの課題でしょうね。

表紙はアンヘル・コレーラとパロマ・ヘレーラの「眠れる森の美女」。
そのほかに登場しているのは、ディアナ・ヴィシニョーワ、イーサン・スティーフェル、ホセ・カレーニョ、ジリアン・マーフィ、マルセロ・ゴメス、ロベルト・ボッレ(ロミオとジュリエットのみ)、ジュリー・ケント、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、マキシム・ベロツェルコフスキー、デヴィッド・ホールバーグ、エルマン・コルネホ、シオマラ・レイエス、ミシェル・ワイルズ、ヴェロニカ・パルト、サシャ・ラデツキーなど。

一連のシーンを連続で捉えている写真があると、まるで舞台そのものを目撃しているように思えるのがとても面白いです。たとえば、ニーナ・アナニアシヴィリが演じているニキヤを、大僧正が誘惑しようとしている写真が連続で3枚あります。ニキヤの写真はニーナのものが多くて、対するガムザッティがイリーナ・ドヴォロヴェンコというのが凄く豪華ですね。それから、やっぱりフェリのフェアウェル公演でのロミオとジュリエットの写真が何点かあるのがとても嬉しいです。本当にフェリのジュリエットは可憐でした。フェリは「真夏の夜の夢」と「オテロ」にも登場。もちろん、ボッカとフェリの稀代のパートナーシップの最後を飾った「マノン」も。「マノン」ではマラーホフとヴィシニョーワの共演も、METでこのシーズンに観たので思い出深いです。

ニーナのトレードマークである役「白鳥の湖」のオデット/オディールの写真ももちろんたくさん載っています。ABTのマッケンジー版の「白鳥の湖」はあまり評判よろしくありませんが、ラストで王子が湖に飛び込むシーンの、マルセロ・ゴメスの空中での背中の反り方がすごいです。彼は本当に背中が柔らかいんですね。

高くて大きい本なので誰にでも薦められる写真集ではないのですが、ABT、およびニーナなどABTのダンサーのファンでバレエの写真が好きな方なら持っていても損はないと思います。

なお、ニーナ・アナニアシヴィリは2月21日にワシントンでの最後の「白鳥の湖」を踊り終えたところです。

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パリ・オペラ座の2009-2010シーズンプレ予定(?)

ダンソマニに載っていた情報なので、正式情報ではありません。オペラ座の2009-2010シーズンの予定だそうです。(ダンソマニさんいつもありがとうございます)

 A BASTILLE : バスティーユ
 - Casse Noisette (くるみ割り人形) : du 11/12/09 au 09/01/10
 - Siddharta (Preljocaj)(シッダールタ (プレルジョカージュ)) : du 18/03/10 au 11/04/10
 - Kaguyahime輝夜姫 ((キリアン)) : du 11/06/10 au 14/07/10

 A GARNIER : ガルニエ
 - Giselle(ジゼル) : du 24/09/09 au 12/10/09
 - Joyaux(ジュエルズ) : du 21/10/09 au 18/11/09
 - Soirée Mc Gregor / Maillot / Millepied(ウェイン・マクレガー、ジャン=クリストフ・マイヨー、バンジャマン・ミルピエ) : du 07/11/09 au 22/11/09
 - Soirée russe(バレエ・リュスの夕べ) : du 12/12/09 au 31/12/09
 - Compagnie invitée - Japon(日本からのゲスト) : du 05/01/10 au 09/01/10
 - La dame aux Camélias(椿姫) : du 02/02/10 au 04/03/10
 - Mats Ek(マッツ・エック作品) : du 21/04/10 au 10/05/10
 - La bayadère(ラ・バヤデール) : du 17/05/10 au 02/06/10
 - La petite danseuse de Degas(ドガの小さな踊り子(パトリス・バール)) : du 26/06/10 au 15/07/10


「くるみ割り人形」はヌレエフ版なのか、別の振付なのかは不明です。マッツ・エック作品は、「ベルナルダの家」プラス何か、のようです。そして「シッダールタ」は新作のようです。
http://www.lexpress.fr/actualite/indiscret/siddharta-m-etait-conte_585988.html

これから下は単なる推測なので、本気にせずに読み流してください。
「日本からのゲスト」は、前回公演が大好評だった歌舞伎である可能性が高そうですね。

バレエ・リュスの夕べはもちろん楽しみです。噂によると、、『ペトルーシュカ』と『牧神の午後』だとか?オーストラリア公演にはいけないので、「ラ・バヤデール」ももちろん観たいです。でも他は…。「椿姫」はもちろん観たいのですが、ハンブルク・バレエのを観てしまうとしばらくほかで観るのを躊躇しそうです。特に、オスタのマルグリットに当たってしまう確率を考えると…。って考えると、このシーズンは別にパリに行かなくていいかな、と思ってしまいます。

AROPの会員に2009-2010シーズンが発表されるのは、2009年3月25日(水)なのだそうです。

2/22 ハンブルク・バレエ「人魚姫」愛知公演に行って来ました。

行きはこだま号の「ぷらっとこだま」で、帰りはのぞみの最終便を使って、愛知県芸術劇場でのハンブルク・バレエ『人魚姫』のマチネとソワレを観てきました。さすがに帰宅したら日付が変わっており、早起きしたので眠くて感想はまた改めて書きます。最初に観たときには素晴らしいけれどもあまりにも痛ましくて、この作品を何回も観るのは辛いかもしれない、と思ったのですが、リピートしてみると、見るたびに新しい発見があって作品としての面白さも感じました。またこの作品でノイマイヤーが伝えたいことは何なのか、すごく考えてしまいました。同時多発的に舞台上で動きがあるので、1回だけでは追いきれないのですよね。目が二つだけでは足りないのです。

さらに、ダンサー、特にエレーヌ・ブシェから受ける印象も変化していったのが面白かったです。目の使い方や視線の送り方がユニークで、ちょっと不気味なんだけど綺麗なんですよね。人間離れしているという感じで。それからやっぱりシルヴィア・アッツオーニは凄すぎました。何かが降臨していた感じです。サーシャとシルヴィアという稀代の二人の天才を抱えているハンブルク・バレエって凄い。

あと音楽を繰り返し聞いてみると、すごく面白くなってきて、クセになります。CDがあったら絶対に欲しいです。ヴァイオリンのアントン・バラコフスキーがまた素晴らしくて、彼の力量で音楽的にも上質の作品になったと思います。ヴァイオリンの哀切な響きと、浮遊感のあるテルミンの音が耳を離れません。

愛知県芸術劇場に行くのは2回目。栄駅からすぐで交通の便がとても良い場所にあります。マチネは5階正面、ソワレは一階正面でした。5階席は、5階という割には舞台に近く高さもそれほど感じなくて基本的には見やすいのですが、1列目だったので手すりが非常に邪魔でした。新国立劇場の4階席と同じような感じですね。5階席にするなら2列目以降が良いと思います。1階席の前方は若干段差が少なかったのですがまずまず。ちなみに、前回来た時には2階正面1列だったのですが、2階といっても1階の延長線上というか、ガルニエのバルコン席みたいな感じで非常に見やすいです。

今回、5階という高さのあるところから一度観ることができてとてもよかったです。舞台を立体的に観ることができたので、特に1幕での人魚姫の長い袴がどのように魔法の影たちによってサポートされていたのかがわかるんですよね。海の中の様子、人魚姫の姉妹たちの動きもわかるし。オーケストラボックスの中も見えたので、テルミンを演奏しているところも見えました。

一緒に行った友達とアンジェリーナでモンブランを食べたり、帰りにひつまぶしを食べたり、食方面も充実していました。2週間空きますが(さすがに兵庫はお金がなくて行けません)、次は福岡で「椿姫」です。

2009/02/22

FIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語18」2009 3/5号

隔号連載のFIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」、今回は5月のパリ・オペラ座学校来日公演に関連して、上演される「ペシェ・ド・ジュネス」Peches du Juenesseを振付けた元エトワールのジャン=ギョーム・バール、「ペシェ・ド・ジュネス」の創作年に学校時代に出演したドロテ・ジルベール、そしてやはり上演される「スカラムーシュ」を振付けたジョゼ・マルティネスのインタビューが中心です。
http://madamefigarojapon.hankyu-com.co.jp/con/

パリ・オペラ座学校来日公演
http://www.nbs.or.jp/stages/0904_paris-opera/index.html

L’Opéra Garnier et le Ballet à Paris
パリ・オペラ座バレエ物語
緊張と興奮、バレエ学校の公演。 パリの後は日本ツアーが待っている。

「ペシェ・ド・ジュネス」は当時の校長クロード・ベッシーに依頼され、最終2学年のためにジャン=ギョームが振付。「青春の罪」という意味なのだそうです。この作品で使われているロッシーニの曲は、ロッシーニが12歳の時に作曲したものだとのこと。彼はダンスにおいてクラシックなランゲージを護ろうと心がけているとのこと。自然ではないところに自然さを求めるのがクラシック・バレエの真髄だと考えているそうです。このインタビューには、「ドン・キホーテ」のエスパーダ、そして「白の組曲」での彼の写真が載っていますが、純白がよく似合う美しいダンサーで、早い引退が惜しまれてなりません。今オペラ座には、彼のような貴公子が似合うタイプが少ないのですよね。

ドロテ・ジルベールは、トゥールーズのバレエ学校を経て、オペラ座の第4学年に編入。ところが、トゥールーズでは常にトップだった彼女が、その年は学年で5番目、第3部門では4番目と当初は劣等生だったそうです。5番目以降は放校か留年という厳しい進級基準。テクニックは強くても、手脚、身体の配置が美しくなければ高い評価を得られなかったとのことで、ゼロから彼女はやり直しました。
「『ライモンダ』では上半身の動きが私に足りないことを感じた」と言っていますが、自分でも理解していたんですね~。「私、エトワールの初心者なのよ」と謙虚です。

ジョゼ・マルティネスの「スカラームーシュ」は第5,6部門の8歳、9歳というチビさんのための作品なのだそうです。したがって、この学年の子達が全員出演するそうなので、とても楽しくて可愛い舞台になりそうですね。その子供たちからインスピレーションを与えられ、彼らが提案するものを取り入れていったということで、面白そうです。「スカラームーシュ」とは、イタリアの即興喜劇の道化の名前で、この役だけは第2部門という上級生が踊るそうです。

オペラ座学校公演が楽しみになってきました。

21ページの「パリのスクラップブック」では、ココ・シャネルが生まれ育ったオーヴェルニュ地方にある国立舞台衣装センターでの衣装展を紹介しています。ここでは、パリ・オペラ座のオペラやバレエの舞台衣装をメーンに9000点以上所蔵する中から定期的に展覧会を開催しています。4月19日までは「庭の舞台。花々に沿って」と題して、素材やモチーフに自然を取り込んだ衣装を集めて展示しているとのこと。何点か衣装の写真が載っていますが、花の色のように鮮やかでふわふわしたドレスがとっても美しくて夢のような世界を見せてくれます。「くるみ割り人形」より、ということでチュチュの写真が2点載っていますが、いつごろの衣装で、誰が演出した版のものなんでしょうか。


次号予告(3月5日発売号)での特集、

「いま輝いている9人のフランス女がお手本」

アニエス・ルテスチュ  38歳 パリ・オペラ座エトワール
女は年をとるほど美しい。バレリーナとデザイナー、どちらの自分も愛しい。

ジュリエット・ビノシュやサンドリーヌ・ボネール、ジェーン・バーキン、イネス・ドゥ・ラ・フレサンジュといった女性たちの中にアニエスのインタビューも載っているようです。

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2009/02/21

新国立劇場 バレエ研修所 「エトワールへの道程~新国立劇場バレエ研修所の成果」

2月21日(土) 15:00~ 新国立劇場 中劇場

新国立劇場 バレエ研修所 「エトワールへの道程~新国立劇場バレエ研修所の成果」

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000181_ballet.html

【第4期研修生】
加藤朋子、中村菜穂、益田裕子、間辺朋美、丸澤芙由子、山田蘭

【第5期研修生】
朝枝尚子、岡本麻由、広瀬 碧、加地暢文、高橋一輝、宝満 直也

■シアトリカル・ダンス『白雪姫』より
【原 作】グリム童話
【音 楽】ヨハン・シュトラウス2世(作品抜粋)
【監 修】牧 阿佐美
【振付・指導】小倉 佐知子、新井 咲子
【音楽構成】福田 一雄
【構成・演出】三輪 えり花

■クラシカルバレエ『ライモンダ』グラン・パ・クラシックより
【振 付】マリウス・プティパ
【改訂振付・演出】牧 阿佐美
【音 楽】アレクサンドル・グラズノフ
【指 導】豊川美惠子、新井咲子、佐藤勇次、坂西麻美

4期生の修了公演と、入所後一年が経過したという5期生の成果の発表会。プログラムを渡されて(プログラムを配布していたのは、3期生で現在新国立劇場バレエ団の団員になった人たち)、中身を見て改めて絶句。もちろん合計12人しかいない研修生では発表会にならないから、ゲストが出るのは致し方ないことだろう。が、しかしゲスト17人のうち、牧阿佐美バレエ団の団員が7人も出演しているってどういうこと?これを私物化と呼ばなくてなんと呼べばいいのだろうか。たしかに先週日曜日まで「ライモンダ」の公演はあったけれども、「ライモンダ」に出演していた新国立劇場の団員もゲスト出演している。それに2週間後には牧阿佐美バレエ団の公演だってある。どう考えても変だと思うのだけど。これ、牧阿佐美バレエ団の公演じゃなくて、新国立劇場バレエ研修所の公演なのに。

シアトリカル・ダンス『白雪姫』より
しらゆき姫 山田蘭
レックス王子 京當 侑―籠(牧阿佐美バレエ団)
魔女 吉岡まな美(牧阿佐美バレエ団)
ミラー(鏡の精)小笠原一真
ワル(魔女のおつき)益田 裕子
ガキ(魔女のおつき)朝枝 尚子(5期生)
小鹿 中村 菜穂
母鹿 間辺 朋美
やぎ 広瀬 碧(5期生)
チチチ(小鳥)岡本 麻由(5期生)
ピピピ(小鳥)丸澤 芙由子
きつね 加藤 朋子

4月に、こどものためのバレエ劇場で上演される「しらゆき姫」の抜粋約40分を上演。シアトリカル・ダンスということでナレーションと台詞がちょっとある。しかしこの台詞を入れたバレエというのはあまり成功していなくて、子供にわかりやすく説明するための役割以上のものは担っていないし、台詞に気を取られすぎて動きから心理描写を読み取ることが難しくなってしまう。それに、バレエを学ぶ子供に見せるには、台詞のないところでどうやって表現を見せるか、読み取るかという訓練の役に立たないものだから、かえって台詞は邪魔なのではないかと思った。

魔女に牧の吉岡まな美さん、王子に同じく牧の京當 侑―籠さん。吉岡さんはプロポーションが良くて美人の上、魔女らしい邪悪さもよく出ていて良かったと思う。でも明日のキャストの厚木三杏さんが観たかった。京當さんはおそらく初見で(私あまり牧は観ないので)背が高くて容姿的には王子役がばっちり。しらゆき姫は4期生の山田蘭さん。以前4期生の公開レッスンを観に行った時にも目立っていた、長身でプロポーション良しの和風美人だ。しらゆき姫は白いシンプルなドレスを着ていて、ほっそりときれいな山田さんの身体のラインによく合っている。彼女は踊りもとてもきれいで存在感がある。だけど、ソロなどはあまりない振付なのが残念だった。「しらゆき姫」なので、七人の小人たちももちろん出てきて、鼻とかかぶりものつきなので、誰が誰だかはわかりづらい。5期生の男子と牧からのゲストで構成されている。彼らは結構ジャンプもする振付。魔女のお付で、魔女と同じような黒のドレスを着用した2人、そして残りの研修生は動物たちの役なので、全身タイツにかぶりもの。子供が見たらけっこう楽しいのかも?セットなどはちゃんとしたものが作られていた。うーん、抜粋を観ただけで全体は判断できないけど、この作品は自分が観てもあまり面白くないと思った。研修生たちは健闘していたと思うけど。

上演終了後、15分ほど、研修所でのレッスン風景などの映像を観る。普通のクラシックバレエのレッスンのほかに、バレエの歴史や音楽、デッサン、解剖学、演劇、コンテンポラリーダンス、スパニッシュダンス、キャラクターダンスを学ぶ。「ラ・バヤデール」や「白鳥の湖」では新国立劇場の公演でもコール・ドや立ち役で出演。さらにマナーや茶道なども学んだり、伝統芸能の講師の話を聞いたりする。演劇は発表会までやっているようだ。たしかにバレエだけではなく、様々な分野の芸術、特に日本の古典芸術を学ぶことは表現の幅も広がってよいと思う。

『ライモンダ』グラン・パ・クラシックより
ライモンダ 益田 裕子
ジャン・ド・ブリエンヌ マイレン・トレウバエフ
グラン・パ・クラシック 加藤 朋子、中村 菜穂、間辺 朋美、丸澤 芙由子、山田 蘭、朝枝 尚子(5期生) 貝川鐵夫、陳秀介、グリゴリー・バリノフ、佐々木淳史、今勇也

ヴァリエーション1 間辺 朋美

ヴァリエーション2 加地 暢文(5期生)、髙橋 一輝(5期生) 上原大也(牧阿佐美バレエ団)、宮内浩之(牧阿佐美バレエ団)

ヴァリエーション3 朝枝 尚子(5期生)、広瀬 碧( 5期生)

ヴァリエーション4 加藤 朋子、丸澤 芙由子、中村 菜穂

ヴァリエーション5 マイレン・トレウバエフ

ヴァリエーション6 益田 裕子

基本的には新国立劇場の牧阿佐美振付「ライモンダ」に沿っているけど、ヴァリエーション3だけ今回特別に加わった。パンフレットによると、アレクサンドラ・ダニロワより牧阿佐美へ伝えられた振付だそうだ。衣装もバレエ団公演と同じものを着用。

4期生のレベルはかなり高い。プロポーションもみんな良いし、テクニックもしっかりしており、上半身の動きも繊細だ。ライモンダ役の益田裕子さんは入所当初から、山田さんと共にかなり注目されていたようだ。ヴァリエーションは、ちょっと緊張しているようには見えていたし、後半は少し息切れもしていたようだけど、気品もあるし全体的にはとても出来が良かったと思う。手はパシッと音を出して叩いていたけど、背中の使い方も柔らかかった。ヴァリエーション1の間辺 朋美さんも、パ・ド・シャも高くテクニックを見せてくれた。男性4人によるパ・ド・カトルは、4人のうち3人が5期生の予定だったが宝満 直也さんが出演できずに2人が研修生、2人が牧のゲスト。ちょっと誰が誰だか顔の見分けがつかなかった。だけど、感心したのが、ちゃんとトゥール・ザン・レールの5番が入っていたこと。別のバレエ団の人が混じっているのでそろえるのは難しかっただろうけど、1年研修しただけでこれだけできるのなら相当だ。(だって、「ライモンダ」の新国立劇場での公演では、パ・ド・カトルで誰もトゥール・ザン・レールの5番に入れられていなかったもの!)

やっぱり、マイレンのジャン・ド・ブリエンヌが最高だった~!なんでこの間の「ライモンダ」公演で彼はジャンを踊らせてもらえなかったのだろうか。マネージュの後ろ足のつま先も伸びているし、いつでもとてもエレガントで軽やかで美しく優雅だ。サポートも素晴らしい。そう、もちろん今回はマイレンのジャン目当てでこの研修所公演に来たのだ。
4期生はこの後入団オーディションを受けて、合格すれば次のシーズンから新国立劇場バレエ団の団員となる。多分このレベルだったら、6人全員が晴れて入団できることだろう。それに、5月の新国立劇場「白鳥の湖」にも出演するのではないかな。1年半前に彼女たちの研修所公開レッスンも観ているので、顔も覚えられているし、見守っている気分になる。

終演後、4期生が舞台衣装のままで挨拶をした。みんな汗びっしょりで息が上がっていたけど、しっかりとした抱負を語ってくれた。これからのダンサーとしての未来に向けて頑張って欲しい!

2009/02/19

2/19 ハンブルク・バレエ『椿姫』Die Kameliendame

ジョン・ノイマイヤー/ハンブルク・バレエ『椿姫』Die Kameliendame

音楽:フレデリック・ショパン
演出・振付:ジョン・ノイマイヤー
舞台美術・衣装:ユルゲン・ローゼ

マルグリット・ゴーチェ:シルヴィア・アッツォーニ
アルマン・デュヴァール:チャゴ・ボアディン
老紳士デュヴァール:カーステン・ユング
ガストン:アミリカー・モレット・ゴンザレス
プリュダンス:カトリーヌ・デュモン
オリンピア:マリアナ・ザノット
マノン・レスコー:カロリーナ・アギュエロ
デ・グリュー:オットー・ブベニチェク
ナニーナ:ミヤナ・フラチャリッチ
公爵:ヨロスラフ・イヴァネンコ
N伯爵:ヨハン・ステグリ

(2009年2月19日 神奈川県民ホール)

今日は何とか最初から観ることができた。でも席がちょっと遠かった。行けるかどうか判らなかったので安い席にしちゃったのだ。「椿姫」はもう少し近いところで観たほうが良かったな。とはいっても、昨日のようにすごい前方は、演技を楽しむには良いのだけど、間口の広い神奈川県民ホールだと、舞台の右端で進行するアルマンの演技と、舞台の中央の踊りや、左側のマルグリットを同時に観るのが困難で、痛し痒しなのだ。神奈川県民ホール、今回のようにオーケストラなしでピットにも席がある場合には、前方はフラットでポアントの足先も見えないので、おそらくは12,3列目あたりがベストなのかしら。そう考えると、一見観づらいように思えたガルニエが、実はとても観やすかったことが思い出された。このような心理描写の多い作品だと、横にだだっ広い神奈川県民ホールなんかではなく、ガルニエの華やかでどこか親密な空間が相応しかったと思う。ハンブルク州立劇場も、思えばそれほど大きな劇場ではなかった。

今回全幕では初めてマルグリットを踊るシルヴィア・アッツオーニと、ティアゴ(チャゴ)・ボアディン。ハンブルク・バレエはいつも固定したペアでキャスティングするとのことで、DDDのジョエル・ブーローニュのインタビューでも、ジョエルの『椿姫』でのパートナーはいつもアレクサンドル・リアブコだと話していた。

やはり主役二人が違うと、全然違った作品であるように見える。マルグリットのシルヴィアは、これが初役とは思えないほど役を作りこんでいた。『人魚姫』ではまるで小猿のような、小さな女の子のようだったシルヴィアが、1幕では大変美しく、色香漂う社交界の花形になっていた。つややかな金髪と青い瞳に、紫色のドレスがとても映えて、たくさんの崇拝者に囲まれているのも納得ができる華やかな大物感が漂う。でも、シルヴィアはどちらかといえば童顔なので、可愛く甘えるのもとても上手。手練手管に長け、男の手の内を知り尽くしている。そんな彼女が純粋で初心な青年アルマンに出会い、今までの男性たちとはまったく違った彼と恋に落ちる、というのが今日の物語だ。シルヴィアのマルグリットは、昨日の落ち着きはらって成熟したジョエルとは全然違う。とても感情表現が豊かで柔らかくまろやか。一つ一つの動きや目線が計算尽くされている。そのクルティザンとしての仮面の下に、初心な少女の姿と母性が同時に隠れている。シルヴィアはやっぱり女優だ。そういう意味では、少しだけフェリのマルグリットに似ているような感じがした。そしてシルヴィアは、ジョエルのように手足が長いわけではないから、身体のラインの美しさはさすがに負けてしまうけど、リフトされている時の姿勢がとてもしなやかで女らしく、美しい。

1幕の紫のパ・ド・ドゥで、咳き込みながら長いすに腰掛けているところへ、アルマンが駆け込んでくる。キスを仕様として、彼をからかうようにはぐらかした時の艶やかな微笑みは、さっきまで病に苦しんでいたとは思えない。わざと転んで見せた彼を笑う時の笑顔も大人の余裕で色っぽいんだけど、可愛くて。

2幕の白のパ・ド・ドゥのとき、シルヴィアが、1幕では縦ロールにしていた髪をほどいていた姿がとても美しかった。ゆるくウェーブした金髪が顔にかかっている姿が、彼女を天使のように見せていた。でも、パ・ド・ドゥではちゃんと、ティアゴの顔に髪がかからないように気を使っているのだった。アルマンの父が訪れた時に、髪を後ろでまとめると、急にマルグリットの年齢が上がったように見えた。そして、幸福感溢れるつかの間の時間。その後の、シルヴィアがアルマン父役に見せた演技がとてもよかった(このシーンは、ジョエル・ブーローニュも素晴らしかったけど)。娼婦である自分の身を恥じ、非常に丁寧に品良く応対しているのだけど、やがて感情を抑えられなくなって彼の足元に身を投げ出してすがって行く過程を見ると、彼女の心境が痛いほど伝わってくる。最初は非常に厳めしく、威圧感のあったカーステン・ユング演じる父が、別れ際には彼女をレディとして扱っているのを見ると、胸が痛かった。

華やかさがあるシルヴィアのマルグリットだったけど、それだけに病み衰えていくところの変化はより多く感じられた。3幕ではかなり演技を抑え気味にしていて、札束の入った封筒をアルマンから渡されて開けていくときも、衝撃を受けた演技は決して大げさではなく、静かに心を壊され、深手を負ったように見えたから痛ましかった。その前に寄ってきたオリンピアに対して、このくそビッチあっちに行け、とばかりに彼女の頬を張るところが激しかっただけに、心の衝撃が深いものに感じられた。(また、オリンピア役のマリアナ・ザノットが、ものすごく生意気で嫌な女として演じていたのだ)

病にやつれきって、一幕での可愛らしさは微塵も残されていないマルグリット。それでも最後にひとめアルマンに逢いたいと「マノン・レスコー」を観に向かう。やつれた顔に真っ赤な頬紅を塗りたくった不気味な化粧。真っ赤なドレスを着て、黒レースのヴェールをかぶって。もはや目も虚ろで。そんな彼女に、N伯爵はとても優しい。彼女の横に腰掛け、小さな花束のようなドラジェをプレゼントする。それを膝に乗せるものの、マルグリットには物を握り締める力すら残されていなかったようで、落としてしまう。黒髪の青年を見て一瞬、アルマンかとよろよろと追いかけるけど、違う人だと知り、彼はここにはいないと知り、落胆。部屋に帰ってドレスを脱いで頬紅を落とし、ベッドに横たわる。ここでのシルヴィアの演技がもう、ものすごい。本当にもう何も現実世界のことは見えていないようで、アルマンがそこにいないのを知ってからは、すでに生きる力を完全に失い抜け殻になってしまっていた。瀕死のマノンを抱きかかえたデ・グリューの幻影と踊る、亡霊のようなマルグリット。せめて物語の恋人たちに連れて行って欲しいと手を伸ばすけど、振りほどかれ、死んでしまったマノンを抱きかかえたデ・グリューは行ってしまう。一人残され、手を前に伸ばしたまま、ばたんと倒れて絶命するマルグリット。彼女の視線の先には、アルマンの姿が見えていたに違いない。シルヴィアにもまた、マルグリットが憑依していた。彼女の死をテレパシーで感じて呼応したかのように、アルマンは遺品である日記を読み終えて、閉じる。

実年齢もまだ25歳のティアゴ・ボーディンのアルマンは、すごく初々しい。昨日のサーシャのアルマンも若々しかったけど、ナイフのように尖っていて、自分の激情をどう放出していいのかもわかっていなかったようだった。華奢な身体に甘いマスク、くりくりにカールした黒髪と大きな黒い瞳のティアゴは、とてもイノセント、そしてすごく甘い。本当に世間知らずで、高級娼婦を愛することがどういうことなのか理解しておらず、少年少女の恋愛のように一途なのだ。マルグリットの手管に見事に引っかかって、でも彼がいとも簡単に恋に落ちる様子を見て、マルグリットも自分の立場を忘れて彼を愛する。だからこそ、マルグリットから手紙で別れを告げられた時からの一転しての、白い炎が立ち上るような怒りと悲しみの演技が真に迫っていた。勢いでオリンピアを抱いてしまってからの激しい自己嫌悪、それがマルグリットを地獄の底に突き落とすような、ひどい屈辱を与えてしまう行為につながって行ったのがよくわかった。完璧憑依型のサーシャほどではないのだけど、一つ一つの感情をかみ締めて踊っていたと思う。身体がとても柔らかくしなやかで、つま先もきれい。さらに、サポートがとても上手いのに驚いた。初めての役、シルヴィアとの初めてのコンビネーションだというのにこれだけスムーズに高難度のリフトができるって、凄い。

でも、前の日にあまりにも凄すぎる、アルマンという人間が憑依していたサーシャ(アレクサンドル・リアブコ)を見てしまったから、若いティアゴに分が悪いのは仕方ない。さらに、ベテランの域に達しつつあって演技力に定評のあるシルヴィアがパートナーなので、どうしても彼女の方に目が行ってしまう。時々余裕がなくて、いっぱいいっぱいになっているところが見受けられる。踊りやリフトは上手なのだけど、そのテクニックの方で精一杯になって顔に"必死”って書いてあるように見えることがある。アルマンというキャラクターは、マルグリットとの恋に盲目的に突っ走るキャラクターなので、一途で直情型、時に荒々しいまでにストレートに感情を放出する演技は合っていると思うんだけど、後半で突然マルグリットに別れを告げられてからの心の揺らぎからは、まっすぐなあまり一本調子になっているようだった。踊っていなくて演技をしている時には、悩み苦しみ、傷つき、そして怒りに震えるという感情を多面的に見せているのだけど、さすがにパ・ド・ドゥの時はそうもいかなかったみたい。これから築かれ深化していくだろうシルヴィアとのパートナーシップを通して、ティアゴのアルマンがこれからどう変容していくのか、とても楽しみだ。

白塗りにつけぼくろが色っぽいオットーのデ・グリューがものすごい存在感で、彼が舞台に上がっている時には、彼の姿に釘付けになってしまう。マノンの死に際しての彼の優しさに胸をえぐられる。優しいと言えば、まったく報われない愛を最後まで貫き通すN伯爵。本当に心優しくて、マルグリットがどんなに衰え美貌を失っていっても彼女を喜ばせようと心を砕く。ちょっとだけウザいヨハン・ステグリの演技が切なくて。ヨハンって、「ニジンスキー」では薔薇の精を、「眠れる森の美女」ではカタラビュットと青い鳥を踊ったりして、ほっそりとしていてすごく素敵なダンサーなのに、なんでマルグリットにはひどい扱いをされてしまうN伯爵がこんなに嵌ってしまうんだろう。メガネのふちを持つしぐさも可愛くて。

「椿姫」はまごうことなき傑作であり、主人公以外のキャラクターの描写もきめ細かく、様々な繊細な表現が出てくる。たとえば冒頭、沈痛な表情でマルグリットの部屋に入っていき、遺品の日記にキスをするナニーナの姿に、まず心を掴まれる。主人に対する忠誠心だけでは言い尽くせない、特別な感情の存在を暗示しているようだった。ハンブルク・バレエのダンサーたちは、本当にこの作品をよく理解して、脇に至るまですごい演技を見せてくれる。

でも、「椿姫」、美しいし、すごいし、素晴らしいし、音楽の使い方も見事だし、大好きなんだけど、泣くとか、感動するという性質の作品ではない。「人魚姫」でもそうなのだけど、この作品についても、泣いたら負けだと思う。素晴らしい表現に涙が滲むことがあっても、そして打ちのめされることはあっても、マルグリットやアルマンの物語には涙は出ない。マルグリットの凛とした死には、涙は相応しくない気がしてしまう。アルマンに一途な愛を捧げられた彼女の物語は、決して不幸な話ではないと思うのだ。(そういえば原作では、アルマンはマルグリットの墓を暴くという行動にまで出てしまっていた)

そして、この「椿姫」、じつは恐ろしく残酷な描写もある。残酷と言えば「人魚姫」もそうだ。そのむごさがあり、それと同時に優しさもあるからこそ、これらの作品は凄いのである。感動するというより、震えるというほうが合っている気がする。
私は本筋のマルグリットやアルマンの話よりも、マノンとデ・グリュー、そしてN伯爵の方に感情移入をして、胸がふさがれる思いがして、泣くとしたら彼らのために泣くのではないかと思う。

*****
本筋には関係ないけど、残念だったのはテープの音質が非常に悪かったこと。無音の導入部から、最初の曲が流れた時にめちゃめちゃ萎えた。1幕ではピアニストが出演者として舞台に上がるところがあって、そこは生ピアノだった。演奏自体はミスもかなりあってほめられたものではなかったけど、やっぱり生の音は、たとえ上手ではなくてもいいなと思った。「人魚姫」で指揮者や素晴らしいヴァイオリニスト、テルミン奏者を連れてきたのだから、ピアニストも連れてきて欲しかった。オーケストラつきの「人魚姫」と1000円しか値段が変わらなかったのだから…。


さて、次は福岡での「椿姫」だ。サーシャのアルマンがまた見られると考えると、幸せ。その前に愛知での「人魚姫」も!両方とも日帰りだから結構大変だけど頑張る。

2/18ハンブルク・バレエ『椿姫』Die Kameliendame

ジョン・ノイマイヤー/ハンブルク・バレエ『椿姫』Die Kameliendame

音楽:フレデリック・ショパン
演出・振付:ジョン・ノイマイヤー
舞台美術・衣装:ユルゲン・ローゼ

アルマン・デュヴァール:アレクサンドル・リアブコ
マルグリット・ゴーチェ:ジョエル・ブーローニュ
老紳士デュバール:カーステン・ユング
ナニーナ:ミヤナ・フラチャリッチ
伯爵:ヨロスラフ・イヴァネンコ
プリュダンス:レスリー・ヘイルマン
N伯爵:ヨハン・ステグリ
マノン:エレーヌ・ブシェ
デ・グリュー:ティアゴ・ソアレス
オランピア:カロリーナ・アギュエロ
ガストン:アルセン・メグラビアン

(2009年2月18日 神奈川県民ホール)

「人魚姫」の感想を書く前に「椿姫」が始まってしまいました。それにしても、やっはり神奈川県民ホールは遠いです。私は都内でも神奈川県寄りに住んでいて、単に横浜だったら40分くらいで行けるんですが、県民ホールは交通の便が悪く、帰宅が遅くなってしまいました。しかも6時半開演だと、会社を定時にあがっても間に合わなくて、結局1幕の最初の15分は観られなくて、3階席後方で1幕の残りは観ました。全然観られないよりはマシというか、少し欠けたものの観られて良かったですが。明日は午後半休を取ってマチネを観に行く予定なのですが、そのために早出はしないとならないし、終わったあとも下手したら会社に戻って仕事になりそうです。午前中に仕事をしてそのまま会場に向かってもぎりぎりの時間なんです。しつこいようですが、なんでこんな酷い日程になってしまったんでしょうか。明日早く起きなくてはならないので、感想を書いている時間などないのですが。

最初の15分は観られなかったのですが、やはり本家ハンブルク・バレエで観る「椿姫」は、オペラ座の華やかさとはまるで違っているけど、その分純粋なストーリー性、ノイマイヤーの指導が行き届いているように感じられて、心を揺さぶります。私自身なかなかその世界から抜け出すことができません。

なんといってもサーシャ(アレクサンドル・リアブコ)は天才です。今までも彼の舞台を観てきて感じてきたことですが、彼は完全に憑依型のダンサーで、完璧にその役になりきって、まったく抜けることができないのです。若くてまっすぐ、熱情がほとばしって、そしてその火傷しそうなほどの情熱とナイフのように尖った愛情で自分も傷つけてしまう、ナイーブ過ぎるアルマンが、乗り移っていて怖いほど。彼のアルマンのあまりの純粋さと熱情に、すっかり魂を吸い取られてしまいました。

3幕の黒のパ・ド・ドゥでのあまりの熱演のため、サーシャの髪が乱れっぱなしで、カーテンコールでも乱れた髪のまま登場していて役から抜けきっていないのがよくわかりました。そして目には涙が光っていました。

私が観ることができた1幕の劇中劇-マノン・レスコーのシーンから、サーシャはキレキレでものすごいテンションが高いのがわかりました。2幕の終わりでマルグリットの手紙を読んで怒りと悲しみのあまり踊るソロの切れ味の凄さ、瞬発力には驚愕。激情のほとばしりが感じられるようなテンションの高さ。踊りで感情を表現するというのはこういうことなのか、と思いました。ベッドに男といるマルグリットの姿を見て、卒倒するアルマン。その倒れ方が、もう絶品。そして、何よりも哀しかったのが、黒のパ・ド・ドゥの後の舞踏会で、アルマンが今までの情事の料金だと、マルグリットに札束を押し付け、ショックのあまりマルグリットが卒倒する場面。愛する男性に人前で侮辱されたマルグリットはもちろん深く傷ついたのだけど、それ以上に深い傷を負ってしまったのがアルマンであるのがよくわかりました。幸せな場面での笑顔が優しそうなだけに、彼の傷ついた姿を見るのがつらいのです。

サーシャのサポートの上手さ!素晴らしくスムーズで、決して背の高くない彼が、細身ながらも比較的長身のジョエルをころころ転がすように軽々とリフトしていて、そういうところに愛が溢れているなと思いました。

気品があって大人の魅力溢れるジョエル・ブーローニュも素晴らしかったです。デュマ・フィスの原作によればマルグリットも本当は若い女性だったそうですが、マリシア・ハイデの映像の影響もあるのか、マルグリットは若くはない女性に演じて欲しいと思います。ジョエルは落ち着いていて分別があって、半ば人生をあきらめかけているときに若い熱情に出会って生まれ変わろうとしていた女性、というところが感じられたのが良かったです。手脚が長く顔が小さく足先がきれいで、サポートされている姿が絵になります。演技も大げさではなくほどよく抑制が効いていて、さりげなく自然に感情が滲んでいました。その中に愛情の深さ、大人の分別が感じられます。椿の花がぽとりと落ちるように静かに散っていくのが、とても余韻を残していました。演技というものを感じさせない、さらりとした演技が絶妙でしたね。彼女のマルグリットを見ると、「ライオンのような孤独」という言葉が浮かびます。一人で死ななければならなかったマルグリットは、確かに哀れだったかもしれない。だけど、本当のところは、凛としたまま最期を迎えた彼女は、だからこそ美しかったのではないかと。

それからマノン役のエレーヌがすごく良かったです。崇拝者に囲まれる艶やかな小悪魔マノンが悪夢のようにマルグリットを翻弄し、だけどやがてやつれ果て愛するデ・グリューの腕の中で死んでいく様子が胸を打ちました。その二人に手を伸ばしながらも振りほどかれ、唯一ナニーヌに見守られて寂しく死んだマルグリットとは対照的な運命。エレーヌの演技の幅広さには驚かされます。もちろん、デ・グリューのティアゴ・ボーディンも良かったです。あと、マルグリットに相手にされずかわいそうな役ながらも、病に衰えていく彼女に最後まで愛情を注ぐN伯爵のステグリは、すごく泣かせてくれます。髪をぴっちりと撫で付けてメガネをかけていて、最初彼だとわかりませんでした。今回が初役だというアルマンの父役のカーステン・ユングはすらっと背が高く、カッコよく厳しさの中に父の愛を感じさせていて素敵でした。

すごく踊りの上手いガストン役のアルセン・メグラビアンや、小悪魔的な演技の達者なカロリーナ・アギュエロ、群舞の中では小柄だけど身体能力がすごいコンスタンティン・ツェリコフ(彼は「ニジンスキー」で、服部有吉さんが演じていたニジンスキーの兄スタニスラフ役だったんですよね)など、いいダンサーがいっぱいいます。

明日のシルヴィアの「椿姫」も楽しみです。仕事が早く終わるように頑張らなくては!

2009/02/18

パリ・オペラ座 2009年6月オーストラリア公演「ラ・バヤデール」プレキャスト

昨日の夜にプロバイダのメンテナンスが入ってしまって、せっかく書いたのに消えてしまった記事が2つ(涙)

ブリスベンでの「ラ・バヤデール」のプレキャストも出ていました。こっちのキャストは良いですよね。行けないけど、時間とお金さえあれば行きたいな、と思うキャスト。

La Bayadère 6/24~7/4
Nikiya : Dupont ou Letestu ou Osta ou Moussin ou Gillot, remp. Ciaravola
Solor : Le Riche ou Martinez ou Pech ou Hervé Moreau, remp. Paquette, Bullion
Gamzatti : Cozette ou Gilbert ou Daniel ou Romberg, remp. Bellet, Hecquet, Renavand
L'Idole dorée : Thibault ou Gaudion ou Isoart ou Kim, remp. Ibot, Marc Moreau
L'Esclave : Bullion ou Duquenne ou Paquette, remp. Magnenet, Saïz
Le Rajah : Didière ou Monin
Le Grand prêtre : Saïz ou Wilk, remp. Saraminte
Danseuse Manou : Giezendanner, remp. Mathis, Verdusen, Marine Ganio
La Nourrice : Nathalie Aubin, remp. Robert
Le Fakir : Hoff ou Isoart ou Bertaud

http://www.parisoperaballet.com.au/site/

パリ・オペラ座2009年45月「オネーギン」Onéguine&ガット/ドゥアト/プレルジョカージュ プレキャスト

ダンソマニに、パリ・オペラ座にて2009年4月16日~5月20日 上演される「オネーギン」のプレキャスト(予定出演者)が掲載されていました。

Onéguine : Le Riche ou Legris ou Martinez ou Hervé Moreau
オネーギン: ル・リッシュ、 ルグリ、 マルティネス、エルヴェ・モロー
Lenski : Mathieu Ganio ou Pech ou Heymann ou Bezard
レンスキー:マチュー・ガニオ、ペッシュ、エイマン、 ベザール
Tatiana : Dupont ou Osta ou Pujol ou Ciaravola
タチアーナ: デュポン、オスタ、 プジョル、 シアラヴォラ
Olga : Ould-Braham ou Grinsztajn ou Bance ou Froustey
オルガ:ミリアム・ウルド=ブラーム、グランツタイン、バンス、フルステー
Larina : Béatrice Martel
ラリーナ: ベアトリス・マルテル
Amme : Reichert, remp. Gilles
アム: レイシェール  代役 ジル
Gremine : Duquenne ou Paquette ou Paul
グレーミン侯爵: デュケンヌ、 パケット、 ポール
Le Double de Tatiana : Gestin ou Lévy ou Philbert
タチアナのダブル: ゲスタン、レヴィ、 フィルベール

びっくりしたのが、エルヴェ・モローのオネーギンです。彼はレンスキーだと思っていたんですけどね。カール・パケットのグレーミンにもかなり驚きましたが…。ペッシュなどはオネーギンのほうが似合いそうだし。ジョゼもニコラもオネーギンのイメージが薄いし。果たして、私が観られるのはどのキャストでしょうか。


併せて、ガット/ドゥアト/プレルジョカージュのトリプルビルもプレキャストが出ています。

Hark! (Emanuel Gat)  『Hark!』(エマニュエル・ガット)

Hurel + Romberg  ユレル+ロンベール

White Darkness (Nacho Duato)
『ホワイト・ダークネス』(ナチョ・ドゥアト

Gillot ou Zusperreguy ou Renavand
ジロ or ズスペルギ or ルナヴァン

Martinez ou Bélingard ou Bridard
マルティネス or ベランガール or ブリダール

Mar : Kudo ou Giezendanner ou Robert
Mar: クドー、 ジザンダネ 、 ロベール
Anna : Bellet ou Laffont, remp. Albisson
アナ: ベレ 、 ラフォン  代役 アルビッソン
Tamako : Renavand ou Ranson ou Westermann
タマコ: ルナヴァン、 ランソン、 ウェステルマン
Africa : Zusperreguy ou Daniel ou Bance, remp. Cardinale
アフリカ; ジュスペルギ、 ダニエル、 バンス  代役 カルディナル
Luiz : Carbone ou Paul ou Ibot
ルイス: カルボネ 、 ポール 、 イボ
Ivano : Bridard ou Duquenne ou Hoffalt
イヴァノ: ブリダール 、 デュケンヌ 、 オファルト
Raphaël : Valastro ou Stokes, remp. Madin, Couvez
ラファエル: ヴァラストロ 、 ストークス  代役 マダン、クヴェ
Joël : Chaillet ou Renaud, remp. Marc Moreau
ジョエル: シャイエ 、 ルノー  代役 マルク・モロー


MC 14/22 (Angelin Preljocaj)
『MC 14/22』 (アンジェラン・プレルジョカージュ)

Bouché + Gaudion + Guerri + Hoff + Houette + Isoart + Kim + Renaud + Valastro + Pascal Aubin + Cordier
ブシェ+ゴディオン+ゲリ+オフ+ウエット+イゾアール+キム+ルノー+ヴァラストロ+パスカル・オーバン+コルディエ

Le Danseur-chanteur : Groud
歌うダンサー グロー

「MC 14/22」はDVDでは、シモン・ヴァラストロの天使のように美しく邪悪なガムテープ男と、プレルジョカージュのカンパニーから出演していた歌う男が強烈だったのですが、今回は少しだけダンサーが入れ替わっていますね。プルミエに昇格したビュリヨンとファヴォランの両ステファンが抜けています。

「ホワイト・ダークネス」は前回上演された時にはルグリが入っていたと思いますが、今回は出演しないので、「オネーギン」に専念するんですね。

しかし、あれ?どちらのプロにもステファン・ビュリヨンの名前がないんですけど、なぜ?観られると思ったのになあ。

2009/02/17

ニュ−ヨーク・シティ・バレエNYCB来日公演の演目

チャコットのdance cubeに、ニュ−ヨーク・シティ・バレエ(NYCB)来日公演の演目が載っていました。

http://www.chacott-jp.com/magazine/topics/74_5.html

プログラムA=『セレナーデ』チャイコフスキー&バランシン、
『アゴン』ストラヴィンスキー&バランシン、
『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』チャイコフスキー&バランシン、
『ウエスト・サイド・ストーリー組曲』バーンスタイン&ロビンズ

プログラムB=『コンチェルト DSCH』ショスタコヴィチ&ラトマンスキー、
『バーバー・ヴァイオリン・コンチェルト』バーバー&マーティンス、
『タランテラ』ゴットシャルク&バランシン、
『チャイコフスキー・ピアノ・コンチェルト#2』チャイコフスキー&バランシン

プログラムC=『グラチオーソ』グリンカ&マーティンス、
『アフター・ザ・レイン』パルト&ウィールドン、
『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』ショパン&ロビンズ、
『シンフォニー・イン・3ムーヴメント』ストラヴィンスキー&バランシン

Bunkamuraの鑑賞会「オーチャードフレンズ」の対象演目に、
2009年10月8日(木)19:00開演
ニュ−ヨーク・シティ・バレエ(NYCB)来日公演 Aプロ
http://www.bunkamura.co.jp/service/friends/orfriends/schedule2009.html
と載っていましたので、この時期に行われるものと思われます。

5年ぶりの来日公演なんですよね。その時にはS席18000円で高いな〜と思ったのですが、今回はいくらなんでしょう。
その時は、ヴァイオリンのソリストと指揮者を連れてきていました。上記オーチャードホールのサイトによると、 
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 とのことなので、演奏の方は期待できますね。


前回来日では、『ウエスト・サイド・ストーリー組曲』がとても楽しかったので、今回もやってくれるのは嬉しいです。これはダンサーも歌うんですよね。
でも、観たかった『スターズ・アンド・ストライプス』がない…。
評判の高いウィールダンの『アフター・ザ・レイン』、ラトマンスキーの『コンチェルト DSCH』そしてロビンスの『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』も楽しみです。

ちなみに、前回来日公演のサイトがまだ残っていました。演目は半分くらいは同じなのですね。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/04_nycb/index.html
前回来たニコライ・ヒュッベ(現デンマーク・ロイヤル・バレエ芸術監督)、ソフィアン・シルヴ(現サンフランシスコ・バレエ)、アレクサンドラ・アンサネッリ(現ロイヤル・バレエ)らが引退や移籍でいなくなってしまっていますが、前回来日に参加していないホアキン・デ・ラ・ルース、そしてマリインスキー国際フェスティバルにもゲスト出演するアシュレー・ボーダー、振付家としてもパリ・オペラ座などで活躍中のベンジャミン・ミルピエ、そしてウェンディ・ウェーランらを見られるのが楽しみです。
(恐ろしいことに、以前のBunkamuraのサイトにはキャストのことは一言も書いていないんですね。なぜだ…)

dance cubeでは、「NYCBはツアーに行く都市でバレエ公演の理解を深めるための様々な企画をつねに行っており、今回の来日公演でも、そうしたバレエ関連のイベントが予定されている」と書いてあり、また前回来日でも「バレエ・インサイト」というダンサーや芸術監督のピーター・マーティンスが参加してのレクチャーがありましたので、それも楽しみです。

***
ところで、こういう情報をすばやく載せてくれるのは良いのですが、dance cubeの毎月更新される「Dance Around the World」のレベルの低さは目を覆うばかりですね。以前からニューヨーク編は素人の作文以下で読む気になりませんでしたが。大体、ベンジャミン(フランス語読みだとバンジャマン)・ミルピエのことをミルピードと書くなんて、少しでもNYCBを知っている人だったらありえないことなんですけど。それから、パリ編は、結局パリ・オペラ座の「ライモンダ」は完全にスルーして、コンテンポラリーの公演しか載せていないんですね。東京編は、シュツットガルト・バレエの来日公演が結局「眠れる森の美女」しか載りませんでした。なんだかもう文句を言うのもあほらしくなってきたこのごろです。

ハンブルク・バレエblogの「ダンスマガジン」撮影風景

たくさんの皆様が読んでいるかとは思いますが、ハンブルク・バレエのblog。カーテンコールの写真が載っていたり、カーステン・ユングやシルヴィア・アッツオーニの舞台出演後のコメントが載っていたりと、ドイツ語がよくわからなくても、とても面白いですよね。私は第二外国語でドイツ語とスペイン語を選択したのですが、やっぱりドイツ語のほうが全然わからなくて、自動翻訳で英語に訳してなんとか読んでいるって感じです。シルヴィアはうどんが好きなんですね。でも今回はリハーサルと本番で忙しくて買い物も観光もできないと書いていました。ツアーの後半では、もう少し自由時間もあるのでしょうか。

最新のエントリでは、「ダンスマガジン」の表紙の撮影風景が紹介されています。
http://www.hamburgballett-blog.de/hamburg_ballett/2009/02/coverstory.html

ジョエル・ブーローニュとアレクサンドル・リアブコの「椿姫」の黒のパ・ド・ドゥ。ダンサー二人が表紙に登場するのって、今までもあったことはあったけど、割と珍しいですよね。撮影のために、衣装は公演が行われる横浜から、東京まで運んだとのこと。衣装係やヘアメイクのスタッフも4人参加。それから大石裕香さんも撮影があったようで、「椿姫」での衣装を着けています。大石裕香さんは「人魚姫」では結婚式のシーン、ブライズメイドの一人として、王女が投げたブーケを片手にソロを踊るシーンがありましたが、とても華があって素敵なバレリーナですね。他に、カーステン・ユング、ティアゴ・ボーディン、エレーヌ・ブシェのインタビューも載るようです。

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「人魚姫」

アンデルセンの「人魚姫」

ハンブルク・バレエの「人魚姫」の15日のマチネの続き、ソワレの感想の続きを書こうと思っていたのですが、今日の夕方からまた寒くなり、そして土日で3本バレエを観た疲れ、さらに今日は仕事でバタバタしてしまってその疲れもあって、治りかけていた風邪がまたちょっと悪化してしまいました。水、木の「椿姫」、日曜日の愛知での「人魚姫」もあったりするので、ここで治すために一時中断します。

よく考えてみたら、アンデルセンの「人魚姫」って子供のときに読んで以来、ちゃんと読んでいなくてあらすじしか覚えていなかったので、もう一度読んでみようと思いました。
「人魚姫」の1955(昭和30)年7月20日初版の翻訳(楠山 正雄訳)は、青空文庫にあるため、全文をネットで読むことができます。この翻訳のタイトルは「人魚のひいさま」となっており、独特の言葉遣いになっていますが、それがまた一層味わい深く、物語を気品があるものにしています。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/card42383.html

そして、金曜日に行われたノイマイヤーのトークショー(私は行くことができなかったので、内容については、Shevaさんのサイトでの詳しいレポートで教えていただきました)でも、ノイマイヤーが語ったことなのですが、「人魚姫」の結末は、今回原作を読んで初めて知ったのです。もしかして子供のときに読んでいたのかもしれませんが、すっかり忘れていました。人魚姫は、海の泡になって消えてしまうわけではないのです。

人魚は300年の命がある代わりに、その命が終わった時には海の泡になって消えてしまうことになっています。「死なないたましいというものがない。またの世に生まれ変わるかわるということがない。人間にはたましいというものがあって、それがいつまででも生きている、からだが土にかえってしまったあとでも、たましいは生きている」(「人魚のひいさま」より)

ところが、人魚姫は、自分が海の泡になって消えたと思った瞬間、"気息(いき)のなかま"の声を聴くことになります。

「あたしたちは、あつい国へいきますが、そこは人間なら、むんむとする熱病の毒気で死ぬような所です。そこへすずしい風をあたしたちはもっていきます。空のなかに花のにおいをふりまいて、ものをさわやかにまたすこやかにする力をはこびます。こうして、三百年のあいだつとめて、あたしたちの力のおよぶかぎりのいい行いをしつくしたあと、死なないたましいをさずかり、人間のながい幸福をわけてもらうことになるのです」(「人魚のひいさま」より)

人魚姫の肉体は消えますが、空気となり、そして「死なない魂」を手に入れるためにおつとめをする、つまり愛はかなえられなかったけれども、その魂はずっと残ることになるということに、この物語の救いがあるということです。ノイマイヤーの「人魚姫」では、アンデルセンの創った「人魚姫」という物語に、詩人と人魚姫の不滅の魂が受け継がれ、そして物語を通じて永久の命を得るということになります。

実は3回も「人魚姫」を観たのに、三回目にじわ~と少しだけ涙が滲んだだけで、この舞台を観て泣きませんでした。ところが、この原作を読んでみると、その語り口もあって涙が溢れてきて困りました。同時に、これは子供向けの話ではなく、大人向けの物語なのだと思いました。

ノイマイヤーの作り上げた「人魚姫」は、哀しく切なく感動的な物語では済まされず、善良さと裏腹にある残酷さ、美しさと醜さということ、そして同性愛者であった詩人の想いを人魚姫に反映された部分といった複雑な要素や人間の暗黒面、さらにはダークな諧謔性があります。性的な暗喩もあるように感じられます。だから、脊髄反射的に感動させないところがあるのです。だからこそ、彼の作品は深いともいえますが、好き嫌いは出てくると思うし、好きになれない人がいても当然だと思いました。

実は、ノイマイヤーの「人魚姫」を観たときに、私はラース・フォン・トリアーの映画を連想しました。特に「奇跡の海」と「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の2本です。「奇跡の海」は大好きな作品ですが、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は大嫌いな映画です。この2本の映画では、いずれも、ヒロインが筆舌しがたい苦難の上に死を迎えます。
ラース・フォン・トリアーは、デンマーク出身の映画監督です。

ノイマイヤーの視線の方がずっと優しいのは言うまでもありません。

******
さて、アンデルセンの「人魚姫」を絵本で読みたいと思う方もいると思います。本屋さんで探して、とても素敵な1冊に出会いました。

金原瑞人が翻訳し、清川あさみの挿画による「人魚姫」の絵本です。布とビーズやスパンコール、刺繍で「人魚姫」の世界を表現しています。人魚姫の姿を手で刺繍し、海などは幾重にも重ねられた布やレースで繊細に描き、海に反射するきらきらした光の乱反射や人魚たちのうろこはビーズやスパンコール。海の深い青のグラデーションも美しいのですが、人魚姫が人間に変身し、踊る時の彼女の王子への恋心を表す淡い赤やピンクには香りたつような幸福感が現れています。魔女の森の不気味さの中のゴシックで妖しい美しさや、光るナイフはちょっと衝撃的。そして、空気の精となった時の薔薇色の雲と夕日のような光の色には、胸を締め付けられます。一つ一つの挿画(画というよりは、まるで舞台衣装を写真に撮ったようなイメージ)が一級の芸術品で、原画というかテキスタイルと刺繍の実物をいつか見られたらいいな、と思いました。
金原瑞人さんの翻訳も、人魚姫やその姉妹たちの海での生活を生き生きと描写しています。そして人魚姫の切ない、息苦しく胸が焦がすような想いや絶望が伝わってきて、とてもロマンティックだけど胸を締め付けられます。これを読むと、やはり「人魚姫」は大人向けに書かれた、繊細な心理描写の光る小説であることがとてもよくわかります。

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清川 あさみ 金原 瑞人

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2009/02/16

2/15マチネ「人魚姫」Die kleine Meerjungfrau(まだ途中)

「人魚姫」Die kleine Meerjungfrau

2009年2月15日(マチネ) 東京・NHKホール

演出・振付・舞台装置・照明・衣裳:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レーラ・アウエルバッハ
指揮:サイモン・ヒューウェット
ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー
テルミン:カロリーナ・エイク
演奏:東京シティフィルハーモニック管弦楽団

キャスト
人魚姫:エレーヌ・ブーシェ
詩人:イヴァン・ウルバン
王子:カーステン・ユング
王女:カロリーナ・アギュエロ
海の魔法使い:アミリカー・モレット・ゴンザレス


このように重たい作品を昼・夜と2回も観るのはぐったり疲れます…。家に帰って来てからも、ぼーっとしてしまいました。繰り返し見ることで、内容は頭に入ってくるけれども、それでもまだ見落としたところがあると思います。今回、3回観て、1階5列、7列、3列のそれぞれセンター席というかなり前方で観たのだけど、前過ぎて目にはいらないところがあったのです。次の日曜日に愛知で観る時には、予算の都合もあり(笑)5階席で1回みるので、そうすることで、全体が見えればいいのですが。(かかった金額を考えるだに恐ろしい)

というわけで、今日は大した感想は書けないので、とりあえずは覚書だけにとどめておきます。

オフィシャルブログのエントリでは、マチネでは王子役はハンサムなダリオ・フランコーニが予定されていたようだけど、ふたを開けてみたらカーステンが3連投。ダリオ・フランコーニは結婚式の招待客や船の乗客役で出演していたので、怪我ということではないようだ。カーステンの王子は、確かに王子様的な容姿ではない(何しろ「椿姫」ではアルマンの父役の予定)んだけど、笑うとできる目尻の皺が、いかにも人が良さそうな感じに見えて、個人的にはけっこう好きなのだ。それと、ゴルフクラブが異常によく似合う(笑)。もちろん、他のダンサーでも観たかったけど(愛知2回残っているし)。人魚姫にナイフを向けられて、それと奪い取り、振り回した挙句に狂言自殺をするのだけど、その狂言自殺の仕方が、「ドン・キホーテ」のバジルとほぼ同じで、すごく可笑しくて哀しい。それを見て、人魚姫はおろおろしてしまう。自分が刺そうと思っていた相手なのに。人魚姫が心臓マッサージを再現してみるところ。王子は海の中で本当は彼女に助けられたことを思い出したのかな、と思わせて、目を閉じて、キスをするのかな、と思ったら、なんちゃって~と例の拳で相手の顔を上げるしぐさをするところの茶目っ気。あれも、いかにも王子です~って感じの人が演じるより、カーステンだと、余計「このバカたれが」と思わせてくれるのだ。

手脚が長くプロポーション良し、華もあるエレーヌの人魚姫はどんな感じなのか、ちょっと不安を持ちつつ観てみた。シルヴィアと同じアプローチで演じたら彼女に敵わないのは言うまでもないことなので、まったく違う人魚姫像を作り上げていた。海にいる間の人魚姫は、まるで海の女王様のようで、とても美しくて堂々としている。海の中には人魚姫の姉妹たちがいるのだけど、人魚姫は際立った存在なのがよくわかる。シルヴィアは少女っぽく、そして妖精的というか物の怪的不思議ちゃんなところが持ち味だけど、こっちはもう少し大人の女という感じ。海の中にいるときの、海の重力を感じているようなシルヴィアの恐ろしく柔らかくて生き物っぽい腕使いはなかったけど、長く動きのきれいな腕、さらに長い脚、大きな黒い瞳に黒髪のエレーヌは、美しいファンタジーのヒロインに相応しい感じ。

大きく目を見開きキラキラさせている演技は共通しているのだけど、エレーヌの人魚姫にはちょっと色気がある。人間に変身する時に、まず青くひらひらした袴=ひれを奪われ、次に、うろこの描いてあるユニタードを脱がされる。そのときのエレーヌの脚の長さにどきりとした。最初は初めて見る脚を見て喜ぶけれども、すぐに激痛に顔を歪める。陸の上に上がってもまっすぐに歩くことができない。脚が長くてきれいなだけに、「ペトルーシュカ」のように内股で歩いているのが目立つ。今までは海の女王様だったのに、地上ではただの不恰好な生き物で、恋愛の対象にはされない存在。しかもなぜか車椅子とか持ってこられて、なんか頭のおかしな人みたいな扱いまでされてしまうなんて!そんな屈辱感のようなものが感じられた。ブライズメイドとして結婚式に参列している時には、比較的小柄な花嫁の友人たちの中で、一人大きいので余計に目立って浮いてしまうし。

2幕の冒頭、女学生のグレーの服を着て、狭い小部屋に閉じ込められている人魚姫。天井を叩いたりするとき、背が高いためかすぐに天井につきそうになったり、暴れまわって背中を大きくそらしたり、ありえないような向きに股関節を回して蹴り上げるところも、部屋が狭くてやや動きにくそう。とはいっても、動きも演技も激しく、エレーヌの身体が大きいだけに狭い部屋では、より強い閉塞感、息の詰まりそうな感じが伝わってきた。シルヴィアの異様で、一歩間違えたら宇宙人のようですらある凄まじい人魚姫像があまりにも強烈だったので、そこまでのインパクトはない。だけれども、エレーヌの人魚姫もとても素敵だったし、美しく哀しい物語として見事に成立させていたと思う。それにしても、エレーヌはマチネで人魚姫を踊り、ソワレではまた王女を踊っていたのだけど、その間の2時間くらいでよく気持ちの切り替えができるものだと思う。特に、人魚姫のような全身全霊を注ぎ込まなくてはならないような、精神的にもハードな役なのに。

ところで、人魚姫が尾ひれを奪われるシーンで、袴を外されるところでは、彼女は袴の紐を持った海の魔法使いと魔法の影たちにくるくる転がされる。海の魔法使いがまるで時代劇の悪代官のようだ。エレーヌで観たとき、この袴を外されるところと、うろこのついたユニタードを脱がされるところは、女性に対する性暴力的なイメージが感じられてしまった。シルヴィアの時には、シルヴィアの人魚姫があまりにもかわいそうな感じで、しかもものすごく人間になりたがっているのでそういうふうには思わなかったけれども、エレーヌは女らしいので。脚を得た時の痛みの表現は、シルヴィアの方が痛く苦しそうで、哀れさを感じたのだけど、エレーヌの時には別の残酷性、まるでレイプされているようだ、というのを感じた。このシーンは、男性たちが脚の代償として人魚姫に痛みを与えるということで、ものすごくむごくて、正視することも苦しく思われてしまう場面だ。


休憩時間にオーケストラ・ピットを覗き込んで、テルミンを初めて生で見てみた。思ったより小さい。「人魚姫」の音楽は、最初聴いたときには耳慣れないけれども、テルミンの音は耳に残るし、何回か聴いているうちにやみつきになる。2幕の音楽は、ショスタコーヴィチからの引用があり。というか、全体的にショスタコーヴィチ的な感じがした。編成は70人とのことで、バレエにしては比較的大きいのだけど、デンマークロイヤルバレエでの初演の時には、100人以上の編成だったようで、ハンブルクでの上演に際しかなり音楽を改訂したようだ。テルミン奏者のカロリーナ・エイクが大変美しい方で、しかもテルミン奏者としては世界随一の存在だという。指揮者とヴァイオリン奏者はカーテンコールの時に舞台に上がるのに、テルミン奏者はなんで上がらないのかな、とちょっと不思議に思った。

(続く)

2009/02/15

DVD「グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち」と「ザハーロワ&ロパートキナ」

いつもDVDの新発売情報についてすばやい情報を提供してくださるSide B-alletのゆうさんから頂いた情報です。本当にいつもありがとうございます>ゆうさん。

「グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち」
以前、当サイトのエントリでも紹介した、「Grand Gala avec les Etoiles de Ballets Russes」のDVD化です。このガラの情報については、M's daily life様から頂いていました。フランスのリヨンで2008年9月3日に開催された、ボリショイ、マリインスキー、ミハイロフスキーのダンサーたち出演のガラです。mezzoで放映され、DVD化されるとは聞いていたのですが、日本発売されるとは思っていなかったので、嬉しいお知らせですよね。クリエイティヴ・コアより4月22日発売とのことです。

グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち

【内容】
「眠れる森の美女」第3幕より グラン・パ・ド・ドゥ
「白鳥の湖」第2幕より アダージョ
「白鳥の湖」より 黒鳥のパ・ド・ドゥ
「パリの炎」
「ラ・バヤデール」第1幕より パ・ド・ドゥ
「白鳥の湖」より ロシアの踊り
「シンデレラ」より アダージョ
「海賊」より パ・ド・ドゥ、アダージョ
「ドン・キホーテ」より トレアドール、グラン・パ・ド・ドゥ

【出演】
ナタリア・オシポワ(ボリショイ・バレエ)
イワン・ワシーリエフ(ボリショイ・バレエ)
アンドレイ・メルクーリエフ(ボリショイ・バレエ)
エレーナ・エフセーエワ(マリインスキー・バレエ)
エカテリーナ・オスモールキナ(マリインスキー・バレエ)
キリル・ミャスニコフ(ミハイロフスキー劇場)

【収録】2008年 フランス
【仕様】ドルビーデジタル/ステレオ/16:9/カラー/120分

これはロシア・バレエのファンにとってはたまらないガラですね。どの演目を誰が踊っているかについては、上記Mさんのエントリのコメント欄に記述がありますので、参考にしてくださいね。

あと、このガラのレビューがSt Petersburg Timesに載っています(英語)
http://www.sptimes.ru/index.php?action_id=2&story_id=27257

グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち [DVD]グラン・ガラ ロシア・バレエの輝けるスターたち [DVD]
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「ザハーロワ&ロパートキナ」
2007年にフランスで制作されたドキュメンタリーとのことです。こちらも、クリエイティヴ・コアより4月22日発売。

ザハーロワ&ロパートキナ / スヴェトラーナ・ザハーロワ, ウリヤーナ・ロパートキナ

【収録演目(抜粋)】
ザハーロワ:白鳥の湖、眠れる森の美女、ジゼル、ドン・キホーテ、ラ・バヤデール、瀕死の白鳥、他
ロパートキナ:白鳥の湖、ジュエルズより ダイヤモンド、バランシン ワルツ、愛の伝説、病めるバラ、他

【キャスト】
スヴェトラーナ・ザハーロワ
ウリヤーナ・ロパートキナ
アンドレイ・ウヴァーロフ
ニコライ・ツィスカリーゼ
ファルフ・ルジマートフ
ジョゼ・マルティネズ 他

【制作】2007年 フランス
【仕様】カラー/モノラル/4:3/約54分

こちらも出演者が大変豪華ですね。お財布が大変なことになっちゃって悲鳴を上げそうです。

ザハーロワ&ロパートキナ [DVD]ザハーロワ&ロパートキナ [DVD]
スヴェトラーナ・ザハロワ, ウリヤーナ・ロパートキナ, アンドレイ・ウヴァーロフ, ニコライ・ツィスカリーゼ

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2/14新国立劇場「ライモンダ」

ライモンダ Raymonda
新国立劇場バレエ団

2009年2月14日・新国立劇場オペラ劇場

【振 付】 マリウス・プティパ
【改訂振付・演出】牧阿佐美
【作 曲】アレクサンドル・グラズノフ
【装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリ

ライモンダ:スヴェトラーナ・ザハロワ Svetlana Zakharova
ジャン・ド・ブリエンヌ:デニス・マトヴィエンコ Denys Matviyenko
アブデラクマン:森田健太郎
ドリ伯爵夫人:楠元郁子
アンドリュー2世王: 市川 透
クレメンス:丸尾孝子
ヘンリエット:西川貴子
ベランジェ:マイレン・トレウバエフ
ベルナール:芳賀望
第一ヴァリエーション:厚木三杏
第二ヴァリエーション:寺田亜沙子
スペイン人:湯川麻美子、江本 拓
サラセン人:遠藤睦子、寺島まゆみ、千歳美香子、吉本泰久、八幡顕光、古川和則
チャルダッシュ:西川貴子、マイレン・トレウバエフ
グラン・パ ヴァリエーション:西山裕子
パ・ド・カトル 陳秀介、江本拓、芳賀望、今勇也
パ・ド・トロワ さいとう美帆、寺島まゆみ、小野絢子
新国立劇場バレエ団
指揮:オームズビー・ウィルキンス
管弦楽:東京交響楽団

プルミエの2月10日に行く予定が、会社の歓送迎会と重なってしまって友達にチケットを引き取ってもらい、今回は観に行かないつもりだった。でも、10日位前にソリストのキャストが出たら、ベランジェにマイレン・トレウバエフとあったので、マイレンのベランジェなら観に行かなくちゃ、と思い、運良く今日のチケットを入手できた次第。(良いお席を譲ってくださった方、本当にありがとうございます)

新国立劇場の「ライモンダ」は上演のたびに観に行っているけど、初演の時には吉田都さんとイーサン・スティーフェルの素晴らしい舞台を観ることができて、再演では、当初予定されていたウヴァーロフが怪我をしてしまい代役に入ったダニーラ・コルスンツェエフにラブ♪だった。ところが、今回は、12月にパリ・オペラ座でヌレエフ版の大作「ライモンダ」を観てきてしまっていたので、演出に難がある新国立劇場版についてはあまり気が進まなかった。

演出の難の大きな原因は、アブデラクマンの出番があまりにも少ないこと。夢の場面にアブデラクマンが出てこない「ライモンダ」なんてありえない~と思ってしまう。2幕でちょっと出てきただけであっさり殺されていなくなっちゃうし。プログラムには、「サラセンの端正な騎士として登場させました」なんて書いてあるけど、あんな山賊のような衣装を着せて、どこが端正な騎士じゃ。ロバート・テューズリーがアブデラクマンで客演した時には、ロバートの無駄遣い、と思ってしまった。アブデラクマンこそが、「ライモンダ」の鍵となるキャラクターなのに。(この版でのライモンダは、一瞬もアブデラクマンに惑わされることなく、ただひたすらにジャンを思い続ける貞女の鑑、というわけだ。牧阿佐美はとにかく三角関係のドロドロした感情というのがお嫌いらしい。

この演出で唯一成功しているな、と思うのはプロローグ。紗幕の向こうで、ジャン・ド・ブリエンヌが出征し、十字軍の長い旗がはためく。その様子を陰から伺うのは、アブデラクマン。ライモンダは、ジャン・ド・ブリエンヌが顔も肖像画でしか見たことがない婚約者ではなく、ちゃんと恋人として認識している、そしてアブデラクマンは以前からライモンダに恋していた、という前提があるのはわかりやすくて良い。

先日行ったマールイ版もそうなんだけど、この版もジャンやアブデラクマンのソロが非常に少なく、ジャンは夢のシーンと3幕の各1回、アブデラクマンは2幕で1回のみ。さらに、ベランジェとベルナール、エンリエットとクレメンスの踊りも少ない。正直言って、今日のエンリエットとクレメンス役の踊りの出来だったら、ヴァリエーションなくてもいいくらいだけど…特にクレメンス役の人はソリストができる実力はなかった(今シーズンからソリストに上がった人だけどなぜ?)。3幕にこのお友達4人が登場しないパターン。したがって、ベランジェ役のマイレンの踊りも少ないのだ(涙)。しかしマイレンは、立っている姿もすっとしていて美しいし、ふとしたしぐさも優雅で気品がある。つま先も美しい~。一回だけソロがあるのだけど、着地が素晴らしいこと。ベルナールの芳賀さんも新国立の男性のソリストの中では身長もあり、華があるんだけど、マイレンの近くにいるとちょっと雑さが目立って損。

さて、ザハロワだが、改めて、彼女は本当に光り輝くばかりに美しい~絵に描いたようなお姫様だと実感。細くて長くて美しいカーヴを描く、しなる脚。小さくて美しいお顔。まさに理想的なプロポーションの持ち主。こんなにも造形美の極み、美の化身と思えるバレリーナは世界中探しても他にいないと思う。ただ、あまりにも手脚が長いのが災いしてか、音に合わせるために人よりも手脚を速く動かす必要があり、結果、踊りそのものが雑になってしまうところが見受けられた。1幕の登場のシーンでは、花を拾うという振りがなく、ただアティチュードでポーズをキメるのみ。このアティチュードは惚れ惚れするほどの造形美でうっとり。1幕のヴェールを使ったヴァリエーションや、ピチカート、そして2幕のヴァリエーションの音のとり方では、音のとり方も的確で、ゆるやかで大きな動きがすごくきれい。なのだけど、アレグロになると雑になってしまうのだ。それから、ザハロワは、ポアントの音がちょっと大きいのが惜しい。2幕の終盤で一瞬よろけて心配になってしまったけど、何事もなかったかのように踊り続けてくれたのは良かった。3幕のヴァリエーションは、ロシアにしては珍しい、手を鳴らすパターン。このヴァリエーションについては、12月にオペラ座で観たアレクサンドロワの方が柔らかくて好みと思ってしまった。とても美しいし華やかだし、文句のつけようもないのだけど、ここでは印象が薄い。それから、これは指揮者の意向なのか、ザハロワの意向なのかわからないけど、コーダで両腕をアン・ナヴァンの位置で重ね、広げながらパッセを繰り返すところは、前半はもっとゆっくりと音を取ってくれた方がドラマティックでいいかな、と。(オペラ座では、みんなそうしていた)

マトヴィエンコを観るのはもしかしたらけっこう久しぶりなのかも。そして久しぶりに観ると、やはり彼はとても上手なダンサーなのがよーくわかった。ピルエットの軸はずれないで5~6回転できれいに回り、着地は必ず5番に入っている。新国立劇場の男性ダンサーの中で観ると、段違いに彼はテクニックに優れているのが目立ってしまう。マネージュもスピードがあって勢いよく3周近く回るわ、フィニッシュのソ・ド・バスクも高いわ、軽々と踊っていて足音もしないので、何気に凄い。すごいだろ、っと見せ付けるわけでもなく、さりげなくやるところが良い。サポートも的確でうまい。髪形は、オールバックにしているのだけど盛り上がり方がちょっと不自然で、もしかして○ラ?と思ってしまったけど、踊りは、まさに今が盛りと言える。新国立劇場での出演は、「ザ・シック」以降予定がないようなのだけど、あまり観られなくなると思うと残念。ミハイロフスキー(マールイ)の公演に今後来てくれるということはないのだろうか?

アブデラクマンの森田さんは、バレエダンサーにしては体型が太めと言われていて、実際そうなのだけど、踊りそのものは安定しており、うまい。2幕でライモンダに迫るところの演技も情熱的だ。ただ、演出の問題ではあると思うのだけどジャンにとどめを刺されてしまって息絶えるところまでの時間が短いのか、もう少し濃く演じてほしいところ。それにしても、彼の衣装は気の毒だ。このプロダクションは全体的には非常に衣装が美しく、特にブルーの使い方が見事でセンス良いと思うのだが、唯一の例外がこのアブデラクマンの衣装。一瞬ねじり鉢巻のように見えてしまう帽子、ノースリーブで茶色のランニングもどきというのは、良くて山賊、悪くて大工の親方のようだ。アブデラクマンはサラセンの騎士なので、高い地位に相応しいゴージャスさとエキゾチズムが欲しいところ。それが全然感じられない衣装であり、改善を望みたい。

定評のある新国立劇場のコール・ドは、夢のシーンで一瞬揃っていない、おかしいな~と思うところがあったものの、全体的には非常に美しかった。女性ダンサーたちのプロポーションも全体的に美しくて、ロシアのカンパニー以外だったら負けないほど。特に1幕のワルツは息を呑むほどの揃い方で、実に見事だった。夢のシーンのソロは厚木さんがとにかく素敵だった。柔らかいのに適度にアクセントがついているので、華やかに見える。3幕のグラン・パのヴァリエーションの西山さんも、ハンガリー系の雰囲気をよくつかんでいて、素晴らしかった。

キャラクターダンスは、スペインでは湯川さんの貫禄の雰囲気の出し方が素敵だし、江本さんもダイナミックな踊りで健闘していた。サラセンは、寺島まゆみさんがノリノリで楽しんでいるのが判ったし、柔らかくて色っぽかった。この版では、サラセンは前半が女性トリオ、後半は刀を持った男性のトリオなのだけど、男性のトリオにキャスト表とは違って古川さんが踊っているのを発見。吉本、八幡とテクニック系に混じっても古川さんは負けていなくて、張り切って滞空時間も長く高く跳んでいたので、そろそろ、白鳥の道化などの役を与えてあげて欲しいところ。

でも、やっぱり一番はマイレンのチャルダッシュが観られたのが嬉しかった!チョビ髭をつけたマイレンのチャルダッシュは濃くてめりはりがあって、もう唸るほどカッコ良かった~!やっぱりキャラクター系ダンスはロシア人に限る!中でもマイレンは、緩急自在で端正さの中に色気があって素晴らしい♪あのキメポーズがあれだけ決まるひともいないのでは?こんなに忙しい時期でなかったら、彼のチャルダッシュを観るために新国立劇場に毎日通いたいほどだ。

グラン・パのパ・ド・カトルの男性陣は、残念ながらトゥール・ザン・レールの着地がほぼ壊滅状態だった。ここはどこのバレエ団でも鬼門なのだろうけど…4人の中では、芳賀さんが一番まし、その次が江本さん。なんで牧阿佐美バレエ団の団員(not新国立登録ダンサー、しかもうまくない)がこのカトルに入るのか、まったく意味不明。こういう芸術監督の公私混同があるのがすごくイヤ。こういうところに自前のダンサーを入れて鍛えなければ意味がないでしょう。

「ライモンダ」の中でも一番大好きな3幕終幕のコーダは見事に決まり、終わりよければすべて良し、全体的には満足度が高い舞台だった。なんだかんだいって、ザハロワはその圧倒的な美しさと輝きで舞台を支配しているし、マトヴィエンコも絶好調、コール・ドの出来も、最後のグラン・パ・クラシックからギャロップのコーダまでずっと揃っていて美しく、本当に素晴らしかった。ザハロワもマトヴィエンコも、カーテンコールではとてもご機嫌よく、満足していた様子。さらに、東京交響楽団による演奏のクオリティも高く、グラズノフのキラキラと美しいスコアを堪能できたのも嬉しい。

でも、しつこいようだけど、パリ・オペラ座の「ライモンダ」を観た後では、この新国立版のあまりのドラマのなさと、ライモンダ以外のキャラクターの踊りの少なさに物足りなさが残る。ヌレエフ版の「ライモンダ」では、3幕の前にものすごく長い序曲があるのだけど、この序曲が壮大でドラマティックで、歴史絵巻のような物語が大団円を迎えようとしているのだという感慨を呼び覚まされて、本当に幸せな気分になるのだ。そして蝋燭が灯され、シャンデリアが上がり、祝宴に集まった賓客たちが乾杯をする。そこでチャルダッシュが始まる、そのとき圧倒的な幸福感が胸を満たしたものだ。だけど、こちらのヴァージョンでは3幕の序曲があまりにも短かいので、ドラマツルギーが感じられなくて。こんなことを言っても仕方ないんだけど、またパリ・オペラ座の「ライモンダ」が観たい。

2009/02/14

ニーナ・アナニアシヴィリ、「白鳥の湖」を語る/デヴィッド・ホールバーグの「ラ・シルフィード」

ニーナ・アナニアシヴィリは、2月21日にワシントンのケネディ・センターにて、ABTのバレリーナとしてはワシントンでの最後の「白鳥の湖」を踊ります。彼女のABTでの「白鳥の湖」は、6月のABTフェアウェル公演を残すのみです。

A Swan Song for Ballerina Nina Ananiashvili dances Swan Lake in Last Kennedy Center Show
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/12/AR2009021200906.html

「もちろん、ABTにさよならを言うのは悲しいわ。このカンパニーが大好きだし…寂しいと思うでしょう」「ワシントンD.Cについては、とても良い思い出があるし、ケネディセンターでまた踊ることができて嬉しいです。短い訪問ではあるけれども、ここに来られることは大切なことです」と母国グルジアで、ニーナは電話インタビューに答えました。

現在45歳のニーナ・アナニアシヴィリが、初めてボリショイ・バレエで「白鳥の湖」のオデットとオディールを踊ったのは1983年。そのとき、まだ彼女はコール・ド・バレエのダンサーでした。「私は偶然にこの役を踊ることになったのです。ドイツでのツアーで、この役を踊る予定だったバレリーナが病気になったからです。芸術監督のユーリ・グリゴローヴィチが、まだこの役を踊ったことがない私を抜擢したのでした」 ニーナは、わずか2日間でこの大変な役を覚え、そして2日間かけて電車でハンブルクまで移動したのです。「それは私の初めての大きな成功でした。もちろん、この役を踊ったことはありませんでした。私のボリショイでの一年目の年で、まだ18か19歳と、とても若かったのです」

「この役は本当にとても難しく、そして技術的に難しいと言うことだけではありません。オデットとオディールという二つの役を演じて、二つの物語を演じなければならないのです。そして同時に技術的にも完璧でなくてはなりません。多くのダンサーがこの役を踊りましたが、記憶に残るような白鳥を踊った人はとても少ないのです」

「まずオデットがいて、この役はとても悲しい役として踊らなくてはならず、悲しい白鳥の物語、そして愛をどれほど彼女が恐れているかを表情で見せなければなりません。もしこの愛が真実でなければ、オデットは死ぬか、死ぬまで白鳥でいなければならないからです。オディールを踊るときには別人として踊る必要があります。美しく悪い女で、王子をどうすれば魅了できるかを判っているのがオディールです」

ニーナが語るには、この役を踊り続けた長い年月の間、白鳥の純粋な美しさと、黒鳥の情熱的な魔術を同時に表現し、自分のものとすることが最も難しいと感じてきたとのこと。「他の誰かの『白鳥の湖』と同じようには見えない何かを見つけなければなりません。今、私はこの役をずいぶんたくさん踊って来て、どうにかして私は自分自身の、他の誰とも違う『白鳥の湖』を見つけることができたと信じることができるようになりました。私は、それが何であり、そして私の『白鳥の湖』が誰よりも素晴らしいと言い切ることはできませんが、私の『白鳥の湖』は、他の人のとは違うのです」

初めての「白鳥の湖」が人生の中での最大の挑戦だったと、ABTでのキャリアを振り返って彼女は語りました。
「『白鳥の湖』を初めて踊って、ようやく誰もが私のことをバレリーナと呼んでくれ、私自身が『白鳥の湖』となったのです」

******

このインタビューのタイトルの「Swan Song」とは、白鳥が臨終に歌うとされる歌、転じて辞世の句という意味があります。「白鳥の湖」という作品は、バレリーナにとってそれだけ重要で、思い入れの大きな役というわけです。ニーナは、ABTでの最後の舞台を「白鳥の湖」としました。

ただ私たち日本のファンにとって嬉しいのは、ニーナはグルジア国立バレエではまた来日して踊ってくれる予定があることです。来年の来日は、「ロミオとジュリエット」が予定されていますね。

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ワシントンと言えば、同じABTのデヴィッド・ホールバーグが、2月11日から15日までのワシントン・バレエの「ラ・シルフィード」に客演しました。ブルノンヴィル版の上演で、振付指導には、デンマーク・ロイヤル・バレエからトーマス・ルンドが派遣されました。トーマル・ルンドと、デンマーク・ロイヤルの元バレリーナで現教師のSorella Englundは、数週間にわたってワシントン・バレエに振付指導を行いました。

デヴィッド・ホールバーグはまだABTでは「ラ・シルフィード」のジェームズを踊ったことがありません。昨年小林紀子バレエシアターでヨハン・コボー版の「ラ・シルフィード」を踊ったのが初ジェームズだったようですね。今年のABTのMETシーズンでは、ブルノンヴィル版の「ラ・シルフィード」が上演されることになっており、デヴィッドのパートナーは、ボリショイのナタリア・オシポワが予定されています。

トーマス・ルンドは、他のデンマーク・ロイヤル・バレエのダンサーたちに教えてきたのと同じように、デヴィッドにこの役を教えました。彼は、ジェームズ役について、このように語りました。「物語ることを抜きにしたテクニックには意味がありません。ダンサーは、観客が自分が信じているのと同じことを信じるようにさせる方法を見つけなければなりません。クラシック・バレエを伝え、生きながらえさせるためには、常にやり続けなければならないことなのです」 「デンマークのダンサーにとってジェームズ役を踊ることは、俳優がハムレットを演じるのと同じ意味なのです。ジェームズ役のパを一つ踏み込んだ瞬間に、同じ役を踊ってきた、偉大なダンサーたちの列に加わることになるのです。この感情は、とても特別なものです」

デヴィッドは、トーマスから「より多くの肌触り、ディテール、音楽的なタイミング、フレージング、そして起こっていることへの反応」を学んだとのこと。キルト・スカートを着用して踊ることによって、開放感も感じたとのことです(!)。

WashingtonPostの「ラ・シルフィード」のリハーサルについての記事(デヴィッド・ホールバーグのリハーサル写真や、過去の名ジェームズ役のスライドショー写真つき。スライドショーでのデヴィッドの美しさは凄い)
The Leading Men Of Ballet Have Long Looked Back Before Leaping Into 'La Sylphide'
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/story/2009/01/30/ST2009013003083.html

「ラ・シルフィード」のジェームズ役の役作りについて、とても興味深い記事となっています。ワシントン・バレエでの客演を終えたデヴィッドは、そのままABTのワシントン公演(ミックスプロ、「白鳥の湖」)に出演する予定です。

New York Timesのレビュー
http://www.nytimes.com/2009/02/13/arts/dance/13sylp.html?_r=1&ref=dance

トーマス・ルンドは今年5月のデンマーク・ロイヤル・バレエの来日公演で、「ナポリ」に主演します。
http://www.nbs.or.jp/stages/0905_danish/index.html

2009/02/13

2009年ローザンヌ バレエコンクール 放送予定/オニール八菜さん

第37回 2009年 ローザンヌ バレエコンクール
NHK での放送予定が決まったようです。

【教育テレビ】 4月26日 (日) 午後3時〜5時

注) 事情によりスケジュールの変更の可能性があります。まだNHKのサイトには出ていませんので、近くなったらNHKサイトや番組ガイド等でご確認ください。

*****
オーストラリアの新聞The Ageに、今年のローザンヌバレエコンクール1位、オニール八菜さん(Hannah O'neil)のインタビューが写真入りで掲載されていました。
http://www.theage.com.au/news/entertainment/arts/dance-takes-flight-for-prix-de-lausanne-winner/2009/02/10/1234028038276.html
まだ16歳というのに、この大人っぽい美しさです。身長もすでに170cmあるとのこと。お母さんが日本人なのだそうで、ニュージーランドに移る8歳まで日本に住んでいて日本語も流暢だそうです。昨年よりオーストラリア・バレエ学校に通っており、将来もオーストラリア・バレエに入団希望だそうです。
審査員の一人であるオーストラリア・バレエの芸術監督、デヴィッド・マカリスターも彼女の入団を願っているようですが、オーストラリア・バレエ学校の生徒であるため、彼女への採点は許されなかったとのことです。

八菜さんは、決勝でポアントのリボンがほどけてしまい、一度結び直して再び演技に臨みました。その時の落ち着いた様子も高い評価を得たとのことです。美しく、音楽性にも体格的にも恵まれており、賢く、また地に足のついた女性で、大きな才能があると、オーストラリア・バレエ学校の校長 Marilyn Roweは彼女を評価しています。

オフィシャルの動画で観ることもできますが、テレビの映像で彼女を観られるのが楽しみですね。

2/12 ハンブルク・バレエ『人魚姫』Die kleine Meerjungfrau

ジョン・ノイマイヤー芸術監督就任35周年記念
ジョン・ノイマイヤー/ハンブルク・バレエHamburg Ballett『人魚姫』Die kleine Meerjungfrau (全2幕)
2009年2月12日 NHKホール

演出・振付・舞台装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レーラ・アウエルバッハ
指揮:サイモン・ヒューウェット 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー
テルミン:カロリーナ・エイク

詩人:イヴァン・ウルバン
人魚姫/詩人の創造物:シルヴィア・アッツオーニ
エドヴァート/王子:カーステン:ユング
ヘンリエッテ/王女:エレーヌ・ブシェ
海の魔法使い:オットー・ブべニチェク


実は数日前から風邪を引いており(大した風邪ではないのだけど)、体調万全ではなかったということもあり、1幕が終わったところではテンションが低かった。相変わらずセンスの良いシンプルでスタイリッシュな美術、そしてシルヴィア・アッツオーニの渾身の熱演。冒頭の船上での、まるで映画の一シーンを切り取ったようなクラシカルな場面で描かれる、詩人の静かで美しく、そして細い針で心臓を深く突き刺されてしまうような痛ましい内なる悲劇。装置のあまりの端正な美しさと魔法のような舞台転換の上手さには息を呑んだ。ノイマイヤーブルーと呼びたい、深く澄んだ青の世界。

だが1幕が75分と非常に長く、そして非常につらい苦しい内容の物語なので、正直なことを言うと、途中まではあまり乗れなかった。周りが熱狂すればするほど、感動しろ、泣け、と周囲の観客に言われるてるみたいで泣けないへそ曲がりな自分の性質もあり、醒めていくような気がしてしまった。その気持ちは、作品のせいではないのだと思う。(だから、本当は舞台は一人で観るのが好き)

人魚姫や海の魔法使いなどの袴風の衣装やメイクが、日本の文化を取り入れており、特に隈取をした海の魔法使いは、入道そのもの。また、人魚姫を浮遊させるようにリフトする黒子たち、彼らが人魚姫が人間に変身するために服を脱がせる早変わりプロセスなども、歌舞伎や文楽にインスピレーションを得ているのだろうけど、実のところ、「外国から見た日本」というのを日本人である自分が観ると、こっ恥ずかしくてちょっと苦手なのである。毎回衣装や美術の素晴らしさに定評のあるハンブルク・バレエのプロダクションなので、当然のことながら十分美しく仕上げられてはいるんだけど。

その上、音楽が完全に現代音楽で、美しい旋律ながら耳慣れないというのもあった。テルミンの使い方が、海鳴りのような印象を与えて幻想的でとても耳に残って良かったのだけど。また1幕の海底のシーンが非常に長く、青くさし込む照明が美しいものの暗く、そして海の底のたゆたう世界での抽象的な振付であり、やや退屈さを感じてしまった。

だが2幕の冒頭、人間になったものの、報われない愛に激しく苦悶するアッツオーニの人魚姫を見て、あ、これは「ニジンスキー」の女性版なんだと思った。精神病院の閉鎖病棟を思わせる閉鎖空間。拘束着を一瞬思わせる、女学生の服。人体としてはありえない方向にみっともなく歪んだり、ぶつかったり捻じ曲がっていく肉体。筆舌に尽くしがたい、狂気にも近い苦悩とはこのことであり、ダンサーであるから、それは顔の表情ではなく身体の動きで表現されている。尾ひれを奪われ、自由に泳ぎ回れた海を奪われ、ひとりぼっちの人魚姫には地上の世界の不自由さ、そして届かぬ想いは、人間の脚を手に入れるために文字通り身を切り裂かれたことよりも苦しいこと。

すると、すっと作品の内容が自分の中に入っていく気がした。そこから、やっと作品の深さに触れられるようになったと思う。

****

人気のある作品「椿姫」ではなく、新作である「人魚姫」を東京で3回、しかもキャパシティの大きいNHKホールで上演するというのは冒険である。他の招聘元だったらリスクが大きすぎて絶対やらないことだ。ノイマイヤーのファンだったら熱狂的に支持するような作品だと思うけど、普通のバレエファンにとっては、容易には受け入れがたい作品なのではないか。

宣伝写真のシルヴィアの人魚姫は、白塗りメイクもあまり違和感がなく愛らしいが、実際に舞台の上で目にすると異様である。シルヴィアは本来とても可憐で、演技力だけでなくテクニックも素晴らしいバレリーナ。だけど、バレエならではの美しさは、ここでは封印されている。人魚である間は当然足はなく尾ひれであるため、足先は一切見えなくてリフトされ浮遊している。その上、人間になった時も1幕では裸足で、背中をすぼめ、クラシックバレエの基本である背筋を伸ばしたアプロンとは対極で、ぎこちなく内股になったみっともない動き方をしている。恋愛をしている人間というのは、実際のところは美しい王子様やお姫様ではなくて、滑稽で情けない姿をしているのが真実だと突きつけられても、なかなかそれを受け入れられるものではない。

シルヴィアが、この役を心から演じている、人魚姫になりきっていることが感じられるだけに、あまりにもつらく報われない恋の痛みに、身を切り刻まれる思いがした。

痛ましい、辛い作品だ。安易に「感動した」なんて言いたくない。

****

いろいろと書いているけど、2幕の展開は1幕とは打って変わっていた。より人間の世界の中での話となり、華やかな群舞もある一方で、シルヴィア、そして彼女の想いに影のように寄り添う詩人=アンデルセンに踊りで多くを語らせるようになっていった。一人対一人、一人対二人の話に収束して行くと、物語としての軸もはっきりと見えてくる。

ノイマイヤー独特の舞踊言語を駆使しての、3人や4人のダンサーが絡み合うパ・ド・トロワやパ・ド・カトルが出てきて、ますます、「これはやっぱりニジンスキーだ」と思った。

他のダンサーたちがみな大きいので、小柄なシルヴィアがますます憐れに見えて、胸を締め付けられた。しかも、人間に変身した時には、美しい衣装を剥ぎ取られ裸に近いような肌色のレオタード一枚で、ますます小さく見えて、その寄る辺なさが際立つ。人魚姫は、人間の脚を手に入れたけど、その脚はひどく痛む。その痛みをポアントと、ぎこちない動きに象徴させたのは上手い設定だ。そしてまったく人魚姫の想いを理解できない王子。彼が純真で善良であるだけに、その鈍感さにますます胸が痛む。(そもそも、「幻想 白鳥の湖のように」の影の男などを踊っている悪役顔のカーステンが王子役ということ自体、非常に皮肉なキャスティングだ)

人魚姫の、そして詩人の叶わない想いは、海の泡となり、星屑となり、二つの想いが寄り添って永遠に語り継がれていく物語として昇華されていく…。星空と海の泡が溶け合ったようなラストが美しく、心に余韻を残す作品となった。シルヴィア・アッツオーニというダンサーの、稀有な演技力、そしてありえないほどの柔軟な肉体と技術による、文字通り渾身のパフォーマンスが奇跡を生んだと言っていい。(でも、涙はこういうときには絶対に出ない、本当に舞台に心を動かされた時には、涙というのは出ないものだと私は思っている)

この作品によって呼び覚まされる感情は、きわめてパーソナルなものであり、人によって受け止め方はそれぞれなのではないかと思う。恋愛に限らず、苦しんだり辛い思いをしたことがある人ほど、その痛みを己に再び甦らせることになってしまい、簡単な言葉では感想を語ることができなくなるのではないだろうか。

****
日曜日には、今回王女役を演じたエレーヌ・ブシェが人魚姫を演じるのだけど、能天気な王女とは本当に対極と言っていい役なので、一体どうなるのか、怖いような楽しみなような。シルヴィアは小柄な分、より人魚姫の押しつぶされそうな心を表現しているのに適しているように思えたけど、綺麗だが決して小さくはないエレーヌはどうなんだろう。

2009/02/12

東京バレエ団<ベジャール・ガラ>が、NHK「芸術劇場」でハイライト放送

NBSのサイトに嬉しいお知らせが載りました。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/media/nhk.html
以下引用です。

東京バレエ団<ベジャール・ガラ>が、NHK「芸術劇場」でハイライト放送されます。

放送内容は未定ですが、詳細が決定次第、当ホームページでお知らせいたします。

□番組名:NHK「芸術劇場」(NHK教育テレビ)
□放送日:2009年3月20日(金)22:30〜24:45
*収録日は2月9日(月)

※いい加減DVDレコーダーを買い換えなくては…。

2/11 東京バレエ団<ベジャール・ガラ>

モーリス・ベジャール追悼公演V / 東京バレエ団創立45周年記念公演II
東京バレエ団<ベジャール・ガラ> 
「ギリシャの踊り」「中国の不思議な役人」「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール  振付指導:ジル・ロマン、小林十市


◆主な配役◆

「ギリシャの踊り」 音楽:ミキス・テオドラキス

I.イントロダクション 
II.パ・ド・ドゥ(二人の若者):高橋竜太-小笠原亮
III.娘たちの踊り 
IV.若者の踊り 
V.パ・ド・ドゥ:吉岡美佳-松下裕次
VI.ハサピコ:井脇幸江-木村和夫
VII.テーマとヴァリエーション 
ソロ:長瀬直義
パ・ド・セット:西村真由美、高木綾、奈良春夏、福田ゆかり、岸本夏未、阪井麻美、川島麻実子
VIII.フィナーレ: 全員


「中国の不思議な役人」 音楽:ベラ・バルトーク

無頼漢の首領:平野玲
第二の無頼漢―娘:首藤康之
ジークフリート: 柄本武尊
若い男:西村真由美
中国の役人:中島周


「ボレロ」 音楽:モーリス・ラヴェル

後藤晴雄

平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘

*******
東京バレエ団の公演を観るのは、去年9月の「ジゼル」以来。久しぶりなので、知らないダンサーばっかりだったらどうしよう、と思ったけど半年振りくらいだと、それほど入れ替わっていない感じ。

「ギリシャの踊り」 
この作品を観るのはずいぶん久しぶりという気がする。このブログをお読みの方ならお気づきの通り、私はベジャール作品はできるだけ観ないように避けて来た、というのがあって(笑)。でも、この作品は小難しさとか哲学的な部分とか、ユニタードとか(苦笑)私の苦手なベジャール的な要素がないので観やすく楽しめる。青空と燦々と降り注ぐ太陽と、海や空の青さに映える白い建物を思い起こさせる。でも太陽の部分はちょっと少なかったかな。

ソロを踊るのは、昨年「春の祭典」の生贄に抜擢されたりと活躍が増えてきた長瀬直義さん。華奢で、若者らしい甘い雰囲気があって、なおかつとても清潔感がある。初々しさを感じさせると共に、清清しくクリアな踊りで、爽やかな作品にすごく合っていると思ったけど、あまりの眩しい若さが痛々しくすら思えてくる。二人の若者の高橋竜太さん、小笠原さんはともに小柄だけど、身体能力に優れていていい組み合わせ。この二人を見ると、なぜかホッとする。群舞の中に入っても、木村さんはそのプロポーションとラインの美しさでひときわ目立つ。井脇さんとのハサピコは短いのだけど、身体のラインの美しい二人なのでうっとりと見ていられた。やっぱり木村さんは素敵~。井脇さんはベジャール・ガラの後しばらく休みを取られるということで、見られなさそうなのが残念。
白いロングパンツ姿の男性ダンサーたちが並ぶと、そこはまるで押し寄せる波のよう。かなり前の方の席だったので、細部は見られる一方、全体が把握しづらい。全体的に男性は小柄で細い人が多いけど、それでもこれだけの人数を揃えられているのはやっぱり素晴らしいこと。

「中国の不思議な役人」 
難解だ、何を表現しようとしているのか伝わりづらいと言われている作品なのだけど、私はベジャールの中でこれが一番好き。この作品が観たいために、今日のチケットを取った。フリッツ・ラングの映画に出てきそうな、混沌としていて退廃的で不条理な雰囲気が大好きなのだ。首領は後藤晴雄さんの当たり役なのだけど、後藤さんは今日は「ボレロ」なので平野さん。平野さんは、いつもはとても端正で王子様なのだけど、今日は頑張ってあくどい首領をシャープに演じていた。後藤さんなどは、いるだけで悪の香りが漂ってくるのに対して、平野さんは迫力はちょっと足りないところがあるのだけど、ダブルのスーツ姿、帽子を目深にかぶって佇む姿は凄みがあって美しく絵になる。役人がロープで首を絞め上げられているときの、嬉々としてアコーディオンを弾いている姿も、ちょっといっちゃっていて素敵だった。

娘役は、首藤康之さん。首藤さんの娘は、男性が女装して化粧してセクシーな衣装を身に着けている(それも、首領に強制されて)という倒錯した感じはなくて、普通に綺麗な女の人という感じだった。倒錯感が強くて素敵だと思ったのは、以前観た小笠原さんの娘。異形という感じが強いのに、なぜかとても被虐美があった娘だった。首藤さんは、ウェーブした髪が顔にかかり、見開いた大きな瞳が美しい。登場して最初のうちは、白塗りの顔が無表情で、動きもいかにも首領に操られている感じで、操り人形のよう。黒いランジェリーのような衣装から伸びた白い脚に、筋肉がほどよく浮かび上がっていて、とても美しい脚なのだけど、そのキレイさが逆に不気味なほど。ジークフリート、若い男と餌食にしていくのも、とても機械的で、首領の命じるまま行っていますという感じだ。そしてしぐさの一つ一つが、ホント、男ではなくて女なんだよな。首藤さんって、没入型の人なんだなと改めて思う。自分の作り上げたキャラクターに完全に没入していて、妖艶な女になりきっている。それでいて、首藤さんらしさというか、彼独特の繊細でエキセントリックなキャラクターもブレンドされている。

そして中島周さんの役人。「中国の不思議な役人」の役人役は、首藤さんでも観たことがあるけど、木村さんの印象がすごく強い。木村さんの役人は得体の知れない不気味さがあって、殺しても殺しても死なないゾンビのようで、強烈な印象だった。中島さんには、その不気味さは全然ないのだ。踊りはきれいだし、長めの髪がどんどん乱れていくのが耽美的で素敵なのだけど。ただ普通の美しい青年が娘に異常な執着を持ってしまい、殺されても殺されても死なないというコンセプトで見ると、ちょっと面白くなる。

西村さんの若い男はとても可愛らしくて、可笑しさの中の哀しさがあり、見ていて和む。柄本武尊さんのジークフリートは、雷様パンツも金髪の頭も似合っていたと思う。身長があるし。ランジェリー美女軍団は、華奢で胸のないバレリーナたちが演じると逆にエロい。

首領の手下の無頼漢たちにぼこぼこにされても、娘に刺されても、首をロープで絞められても死ななかった、いや死ぬんだけど執着心から甦ってしまう役人は、娘が投げた金髪のカツラに身体を触れさせれると、ニジンスキー版「牧神の午後」の牧神のように、大きく身を反らせて息絶える。ロープで絞められている時に背中を反らせるのはもっと大きくやっていいと思うのだけど、この果てるシーンはすごく大胆な表現でよかった。

娘の方も、なかなか役人が死なないのだから、どんどんやることが大胆になっていって、首領のコントロールを外れて自分の意思で動いて、役人に死の接吻を浴びせ、誘惑していくようになっていくところが肝。その辺りは流石に演劇活動を経た首藤さんは抜群に上手い。役人に対してシンパシーが生まれていって、この残酷で混沌に溢れた世界から彼を出してあげること=死をもって救済しようとする思いが見られた。

この作品は、東京バレエ団のレパートリーとして大事にして欲しいなと思う。こういうデカタントな世界を描ける日本のバレエ団は他にないと思うから。ほかには、バレエではないけど、Hアール・カオスだけだ。


「ボレロ」 
晴雄さんのボレロ、最初の手だけがライトアップされて動いていくところの動きがややぎこちなかった。それから前半は、足音が時折すごく大きくなったり、音とずれているような気がしたり。バットマンするときに腰が引けていたり、バットマンしたほうの膝が曲がっているように見えたり、細かいところが気になってしまう。後藤さん、最初のうちはずいぶんナーバスになっていたのではないか。ただ途中からはどんどん乗ってきて、そういうところが気にならなくなっていった。リズムの参加者が増えていくに連れてテンションが上がっていき、大量の汗の飛沫を飛び散らせながら踊ると、リズムとの一体感、連帯感、仲間意識が見えてくる。最後には後藤さんが大きな雄たけびを上げているのが聞こえてきた。リズムの中では、高橋竜太さんがとても印象的だった。先ほどまで首領を演じていた平野さんはきれいだな~とか、やはり長瀬さんは華奢だな、横内さんも良いなと思いながら見ていると、同時に、このリズムのメンバーもずいぶん替わってしまったという感慨も出てくる。同じバレエ団のメンバーで、しかも男性がメロディを踊ると、仲間を率いるリーダーという風に見えてくる。メロディを誰が踊るかによって、作品の性質がまるで変わってしまうのが、「ボレロ」という作品の面白いところなんだな、というのが今回一番残った印象。

今日の3演目を観る限りでは、ベジャールの作品の中でも、観ていて楽しめる作品はけっこうあると思った。苦手意識で避けてばかりいるのも良くないなとちょっと反省。もちろん、今日の作品はみな観たことがあるんだけど、この組み合わせでは観たことがなかったので、改めて今日そのように感じた次第。


会場には、ジョン・ノイマイヤーが見に来ていた。そして、ロビーでは東京バレエ団やNBS主催の公演と一緒に、ハンブルク・バレエの公演のチケットも販売されていた。NBSがこんな感じでチケットを取り扱うんだったら、次回の来日公演はNBSが招聘して欲しいと心から思う。NBSだったら、あんなひどい日程や、「椿姫」のオーケストラもピアノもなしでテープ演奏、東京では「椿姫」は上演しないで関東では横浜だけ、なんてことにはならなかったと思う。しかも「ノイマイヤー・フェスティバル」と称して、デンマーク・ロイヤルやパリ・オペラ座学校、東京バレエ団の公演と、ハンブルク・バレエの公演をまとめた立派なチラシまで作っているんだから。

2009/02/11

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2009/2010シーズン

現シュツットガルト・バレエのジェイソン・レイリーが移籍することで気になっていたナショナル・バレエ・オブ・カナダですが、2009/2010シーズンが発表されました。

http://www.national.ballet.ca/performances/season0910/

一番の注目は、ジョン・クランコ振付「オネーギン」が2010年6月に上演されることでしょうね。もちろん、ジェイソンが主演することになるでしょう。もともと、シュツットガルト・バレエの現芸術監督リード・アンダーソンもこのカンパニーと縁が深く、また以前、フランク・オーギュスティン主演の「オネーギン」がビデオ化されたこともあったのですが。今回のプロダクションは、ユルゲン・ローズの美術ではなく、新制作となるようです。
http://national.ballet.ca/performances/season0910/onegin.php

ジョン・クランコ作品といえば、同バレエ団では、3月11日から22日にはクランコ振付の「ロミオとジュリエット」が上演され、ジェイソン・ライリーもこちらに客演という形で出演します。以前も彼は、「じゃじゃ馬ならし」で客演したことがあったようです。
http://www.national.ballet.ca/performances/season0809/romeo_and_juliet.php
(動画を見ることもできます)

他に、ヌレエフ版の「眠れる森の美女」、バランシンの「四つの気質」、ジェローム・ロビンスの「ダンス組曲」、「白鳥の湖」(クデルカ振付)、やはりロビンスの「ウェストサイド物語組曲といった作品が上演されます。2008/2009シーズンには、ジョン・ノイマイヤー振付の「かもめ」も上演されていたりと、レパートリーの充実したカンパニーです。

他の有名なダンサーでは、世界バレエフェスティバルやマラーホフの贈り物でお馴染みのズデネク・コンヴァリーナ(最近ではイングリッシュ・ナショナル・バレエの「マノン」にも客演)や、ロベルト・ボッレと「GAP」の広告や世界バレエフェスティバルで共演したグレタ・ホジキンソン、そしてABTやミラノ・スカラ座などに客演しているギョーム・コテがいます。

最近は、バレエ団のサイトで動画を流したり、オフィシャルブログを展開するのも当たり前になってきましたね。

動画サイト
http://www.national.ballet.ca/video/
Behind the Scenes では、リハーサルやパンフレットの撮影風景、チュチュの制作などの動画を色々観ることができます。Ballet Stepsの動画では、プリエから始まって、タンジュ、デガジェ、ロン・ドゥ・ジャンブ等等、そしてアレグロまで一連のお手本も見ることができます。

オフィシャルブログ
http://backstagepassblog.ca
ダンサーのオンやオフが見られてなかなか楽しいです。きっとジェイソンもそのうち登場するんでしょうね。ちょうどヴァレンタインということで、カンパニー内のカップルが、どうやってヴァレンタイン・デーを過ごすかということを書いています。どこのバレエ団もそうですが、カンパニー内カップルってホントに多いんですね。

マリインスキー・バレエの台湾公演キャスト/バレエ・リュス100年/videodance2009

Naoko Sさんに教えていただきましたが、3月27日~4月2日のマリインスキー・バレエの台湾公演のキャストが、ballet.coのフォーラムに出ていました。

http://www.ntch.edu.tw/englishProgram/show/2c90bcd71dd6e5cd011dd6ecdbb852ac

National Theatre Concert Hall (台北国立中正文化中心 National Chiang Kai Shek Cultural Center )
Taipei

The Sleeping Beauty 「眠れる森の美女」
27 March - Vishneva, Ivanchenko
28 March - Obraztsova, Sarafanov
29 March - Kolegova, Ivanchenko

Swan Lake 「白鳥の湖」
30 March - Lopatkina, Korsuntsev
31 March - Vishneva, Ivanchenko
1 April - Nioradze, Korsuntsev

Kaoshiung(高雄)National Kaohsiung Performing Arts Center高雄国家芸術文化中心
Gala on 2 April
Chopiniana - Kolegova, Korsuntsev 「ショピニアーナ」
Divertissements
Paquita - Lopatkina, Ivanchenko 「パキータ」ほかディヴェルティスマン

「眠れる森の美女」は日本公演の予定と同様、復刻版ではなくセルゲイエフ版とのこと。したがって、このキャスティングは、日本公演のヒントとなるかもしれませんね。ヴィシニョーワ、ロパートキナ、コルスンツェフというキャストはなかなか豪華です。また、高雄にて、「ショピニアーナ」と「パキータ」のガラが開催されるんですね。

出演者はなかなか良いのですが、日本公演とまったく同じプログラムでは、台北まで出かけてまでは観る気がおきませんよね。東京での「オールスターガラ」で「ショピニアーナ」と「パキータ」を上演するなんてことはあるんでしょうか?とはいっても、前回来日公演の「ロパートキナ・ガラ」で「パキータ」は上演しているし、うーん。

いいかげんしつこいと自分でも思うんですが、バレエ・リュス誕生100周年の今年なのに、フォーキン・プロをやらない手はないと思うんですよね。

バレエ・リュス関連の催しって、2月21日、22日のNBAバレエ団のバレエ・リュス・ガラで「レ・ビッシュ(牝鹿)」と「ショピニアーナ」「ボロヴィッツ人の踊り」の上演、それから2月25日からのK-Balletで「放蕩息子」を上演するくらい?

展覧会も、
京都精華大学情報館の「バレエ・リュス展~その芸術性とデザインの魅力」
【会期】2009年1月13日(火)~ 2月28日(土)
※日曜祝日休館
http://johokan.kyoto-seika.ac.jp/index.php?event%2F31

彩の国さいたま芸術劇場で予定されている「バレエ・リュス展~結成100周年、ダンスの改革者たち
日時:2009年8月~9月予定(まだ劇場のサイトには記載なし)

くらいでしょうか。

********

ついでに、彩の国さいたま芸術劇場で行われる催しをお知らせします。

videodance2009 彩の国さいたま芸術劇場ダンスアーカイヴvol.1
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2009/d0307.html

日時:2009年3月7日(土)~8日(日)14:00~17:20 [休憩20分] 17:40~21:30
会場:彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール
料金:※全席自由/入場料無料

ローザス『ファーズ』
RosasFASE
Four movements to the music of Steve Reich (58分/2002年フィルム)
振付:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル 監督:ティエリー・ドゥ・メイ
出演:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ

アクラム・カーン+シディ・ラルビ・シェルカウイ『ゼロ度』
Akram Khan + Sidi Larbi Cherkaoui zero degrees (71分)
振付・演出・出演:アクラム・カーン シディ・ラルビ・シェルカウイ
作曲:ニティン・ソーニー

インバル・ピント・カンパニー 『ヒュドラ』
Inbal Pinto Dance Company Hydra (62分)
振付・演出・衣裳デザイン・舞台美術デザイン:インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック
出演:インバル・ピント・カンパニー 大植真太郎 森山開次

サシャ・ヴァルツ&ゲスツ『ケルパー(身体)』
Sasha Waltz & Guests Körper (87分)
演出・振付:サシャ・ヴァルツ
出演・振付:サシャ・ヴァルツ&ゲスツ

ヤン・ファーブル『わたしは血』~中世妖精物語~
Jan Fabre Je suis sang Conte de fées médiéval (100分)
演出・振付・舞台美術・テキスト:ヤン・ファーブル
出演:エルス・ドゥククリア セドリック・シャロン オリヴィエ・ドゥボア イヴァナ・ヨゼク リンダ・アダミ スン・イム・ハー 他

イリ・キリアン 『ブラックバード』
Jiří Kylián Blackbird(37分/フィルム・ヴァージョン)
コンセプト・振付・舞台美術:イリ・キリアン
出演:中村恩恵 ケン・オソラ

上演時間等は、劇場のサイトでご確認ください。

これはめちゃめちゃ豪華というか貴重な映像の数々ですね。しかも最近の作品が多いです。

2009/02/09

2/9 森山開次作品集

森山開次作品集
2008/2009 Season Contemporary Dance
新国立劇場ダンスプラネットNo.29
「OKINA」「弱法師 花想観」「狂ひそうろふ(くるいそうろう)」
新国立劇場 小劇場

第一部「OKINA」 初演:2004年9月「DANCE EXHIBITION2004」
出演:森山開次、津村禮次郎
音楽:種子田郷

第二部「弱法師 花想観」 初演:2003年9月「舞姫と牧神たちの午後」
出演:森山開次、加賀谷香、津村禮次郎
音楽:笠松泰洋
フルート生演奏:木ノ脇道元

第三部新作「狂ひそうろふ(くるいそうろう)」
出演:森山開次
音楽・パーカッション:YAS-KAZ
パーカション:ラティール・シー、ダウール・ユッスーンジャエ、ワガン・ンジャエ・ローズ、シェイフ・ジャバイ
謡:津村禮次郎
声の出演:津村禮次郎
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000088_dance.html

素晴らしかった!森山さんって凄い人。今回の3作品はすべて「能」の世界に題材をとったもので、重要無形文化財である能楽師・津村禮次郎が参加している。(あまりコンテンポラリーを観ていない私が言うのも難だけど)ここまでコンテンポラリーダンスと日本文化を巧みに融合させつつ、美しく、心に響いてきて、かつエキサイティングなものを作ることができる人はいないのではないかと。

まだ初日で、これから観る方もいると思うので、ざっとした感想にとどめておく。森山さんの公演のチケットは毎回ものすごい勢いで売切れてしまうので、今回も、若干の当日券を残してすべてソールド・アウトとのこと。記録用のビデオカメラが入っていたので、おそらく後日資料室で映像を観ることができるようになるのではないかと思う

第一部「OKINA」
真っ暗な中に浮かび上がる森山さんは、裸の上半身をのけぞらせて腕を広げ、大きく口を開けた状態で、すり足で舞台を斜めに横切っていく。やがて後方に浮かび上がるのが、同じく上半身裸の津村禮次郎さん。朗々とした津村さんの謡が響く。森山さんと津村さんの間には見えない糸のようなものがあって、それがものすごい緊張感を漂わせる。森山さんの腕は、まるでそれが独立して生きているかのようにしなやかで、ひとつひとつの筋肉が動いているのが見える。そして津村さんの持つ磁場のような強い存在感。父と子なのか、師匠と弟子なのか、月と太陽なのか。音楽は聞こえるか聞こえないかのような低く響く電子音のみで、何もない舞台の上なのに、そこに強烈に引き寄せられる。

第二部「弱法師 花想観」 
森山さんの演じる弱法師は盲目で、梅の香りに恋をする。梅の香の精を演じるのが、加賀谷香。フルートの音色も、かぐわしい梅の匂いを思わせる。そしてここでも登場する津村さんは、弱法師の父の役。仄かな恋がやがて狂おしく燃え上がっていき、激しく動く森山さんの背中には汗が光る。天から降ってくる梅の花吹雪を身体で受け止め、いとおしむ弱法師。地面には、夕日のような真っ赤な布が広がる。やがて、赤い布を持ち去りつつ静かに去っていく梅の香の精。そして父親に連れられて弱法師もその場を立ち去っていく。胸を締め付けるようなはかなさと、想いの鮮やかさが残る。真っ暗な舞台に射した光の中、花びらが数片舞っているのと、薄い緑とピンクの衣装の加賀谷さんがいるだけなのに、そこには満開の梅の林が見えて、梅のほのかな香りが漂っているかのようだ。

第三部「狂ひそうろふ(くるいそうろう)」
パンフレットでの森山さんの言葉によると、津村さんに能で「狂う」とは意識的に行われる行為であると聞き、いつしかその言葉が自分の中で「舞う」と同義語へと変化していったとのこと。能の演目「天鼓」と「狂う」という言葉を自分の中でリンクさせて創った作品だそう。

客席の通路を照明で照らし花道に見立て、深紅の華やかな装束に目隠しをした森山さんが、しずしずと舞台の方へと歩んでいく。装束から覗く腕は白塗り。時には立ち止まり、客席の方へと顔を向けながら。舞台の上には、奥に赤い枠、そして黒い四角い台がある。その上に森山さんが乗ると、4人のセネガル人のパーカショニストが登場する。最初彼らは、ドラムではなく舞台の上で細かいビートを刻み、その細かい、打ち震えるようなビートに合わせて森山さんが小刻みに踊る。やがてそのビートはアフリカン・ドラムへと変わって行き、津村禮次郎さんの謡もからむ。森山さんは、大地を思わせるような音色にあわせ、ダイナミックに足を踏み鳴らし、共鳴するように舞い、"神がかり"的になって"狂う”。四角い黒い台は、まるでお祭りの舞台のようで、その上で繰り広げられるのは祝祭の儀式のようだ。森山さんは赤い装束を脱ぎ捨て上半身裸に、そしてさらに金色の袴も脱ぎ、白い下袴一枚になる。自在にしなやかに肉体を操り、一見インプロヴィゼーションのように、自由な動きをしているかのよう。だけど、あくまでも彼自身が中心となっていて、踊らされているわけではないのがわかる。舞台から降りて、パーカショニストたちとコミュニケーションをするように動き回る。観客も軽いトランス状態になって、舞台上の森山さんや、パーカショニストたちと同じように踊り狂う感覚にはまっていき、鼓動に陶酔して共鳴しあう至福の時間。

この作品は、観客が舞台の上に反応し熱狂しないと、本当の意味では成立しないんじゃないかと思う。音楽の演奏も、踊りも、"ナマ”であって、さらに観客もナマ。だからこそ、熱狂が生まれていくのだと感じた。

ダンスというのは、総合芸術だと改めて思った。音楽や他の芸術との融合があってこそ、ダンスの美は極められ、磨きぬかれていくのだ。そこにないものが存在しているということを信じさせてくれるのが、舞台芸術であり、ダンスであるとも思った。

ハンブルク・バレエ御一行日本到着&ブログスタート

ハンブルク・バレエ団の ジャパン・ツアーブログがスタートしました。やはり全部ドイツ語です…
http://www.hamburgballett-blog.de/

御一行様は今朝8:30に無事成田に到着したようです。

ブログには改めての日本公演キャストと、移動日も書いてあります。日本の地図も!!あといろいろ書いてありますが、ドイツ語につきまだ読めていません。

追記:どうやら、日本ツアーのみのブログではなく、日本ツアーをきっかけとしてカンパニーのブログを開始するということです。

昨年入団したばかりで、ダンサーブログThe Wingerにも参加しているコール・ドのダンサーMadison Keeslerがツアーの写真をアップし、ビデオの投稿も行われるので楽しみにしましょう!

TOKIO東京
NHK Hall
Die kleine Meerjungfrau「人魚姫」

12., 15. Februar 2009 (夜)
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubencek

15. Februar 2009 (昼)
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Bouchet
Edvard/Der Prinz: Franconi, Henriette/Die Prinzessin: Agero
Der Meerhexer: Moret Gonzalez


YOKOHAMA 横浜
Kanagawa Kenmin Hall 神奈川県民ホール
Die Kameliendame「椿姫」

18. Februar 2009
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet, Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog : Ivanenko

19. Februar 2009
Marguerite: Azzoni, Armand: Bordin
Manon Lescaut: Agero, Des Grieux: Bubencek
Prudence: Dumont, Gaston: Moret Gonzalez
Olympia: Zanotto, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog: Ivanenko


NAGOYA 名古屋
Aichi Arts Theatre 愛知県立芸術センター
Die kleine Meerjungfrau「人魚姫」

22. Februar 2009 (昼)
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Bouchet
Edvard/Der Prinz: Franconi, Henriette/Die Prinzessin: Agero
Der Meerhexer: Moret Gonzalez

22. Februar 2009 (夜)
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubencek

NISHINOMIYA 西宮
Hyogo Performing Arts Center 兵庫県立芸術文化センター
Die Kameliendame「椿姫」

26. Februar 2009
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet,Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog : Ivanenko


Die kleine Meerjungfrau「人魚姫」

28. Februar und 1. Mrz 2009
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubencek


HIROSHIMA 広島
Hiroshima Koseinenkin Hall 広島厚生年金ホール
Die Kameliendame「椿姫」

4. Mrz 2009
Marguerite: Azzoni, Armand: Bordin
Manon Lescaut: Agero, Des Grieux: Bubencek
Prudence: Dumont, Gaston: Moret Gonzalez
Olympia: Zanotto, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog: Ivanenko


FUKUOKA 福岡
Fukuoka Sun Palace 福岡サンパレス
Die Kameliendame「椿姫」

7. Mrz 2009
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet, Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog:Ivanenko

3月25日~4月4日 ABTロンドン公演のキャスト

コロシアム劇場で行われるABTロンドン公演のキャストが、サドラーズ・ウェルズのサイトに掲載されていました。
http://www.sadlerswells.com/show/American-Ballet-Theatre-Coliseum

「白鳥の湖」

Wed 25 March
Michelle Wiles/David Hallberg/Marcelo Gomes

Thu 26 March Matinee
Irina Dvorovenko/Maxim Beloserkovsky/Cory Stearns

Thu 26 March Evening
Gillian Murphy/Angel Corella/Gennadi Saveliev

Fri 27 March
Veronika Part/Marcelo Gomes/David Hallberg

Sat 28 March Matinee
Paloma Herrera/Ethan Stiefel/Jared Matthews

Sat 28 March Evening
Irina Dvorovenko/Maxim Beloserkovsky/Cory Stearns

Sun 29 March Matinee
Michele Wiles/David Hallberg/Marcelo Gomes

Sun 29 March Evening
Gillian Murphy/José Manuel Carreño/Gennadi Saveliev

Mon 30 March
Veronika Part/Marcelo Gomes/David Hallberg

Tue 31 March
Paloma Herrera/Ethan Stiefel/Jared Matthews


気がついている方もいるかと思いますが、2月27日~4月4日までのロイヤル・バレエの「白鳥の湖」と日程が丸々かぶっています。どこのバレエ団も、「白鳥の湖」がドル箱なんですね…。しかも、マチネ&ソワレ公演のある日が3回と、かなりきついスケジュールです。
ツアーではあまり最近踊っていなかったアンヘル・コレーラが参加しているのがちょっと注目です。しかも、最近ロットバルトをあまり踊っていなかったマルセロ・ゴメスが、久々にこの役を踊ります。イーサン・スティーフェルも出るし。ロンドン公演はやっぱりちょっと特別なのですね。

「海賊」
Thu 2 April
メドーラ Gillian Murphy
コンラッド Marcelo Gomes
ギュリナーラ Xiomara Reyes
ランケデム Herman Cornejo
アリ Angel Corella
ビルバント Carlos Lopez

Fri 3 April
メドーラ Irina Dvorovenko
コンラッド Cory Stearns
ギュリナーラ Maria Riccetto
ランケデム Daniil Simkin
アリ Ethan Stiefel
ビルバント Craig Salstein

Sat 4 April Matinee
メドーラ Xiomara Reyes
コンラッド Gennadi Saveliev
ギュリナーラ Misty Copeland
ランケデム Jared Matthews
アリ Herman Cornejo
ビルバント Mikhail Ilyin

Sat 4 April Evening
メドーラ Paloma Herrera
コンラッド David Hallberg
ギュリナーラ Maria Riccetto
ランケデム Daniil Simkin
アリ José Manuel Carreño
ビルバント Carlos Lopez

こっちは、ランケデムにダニール・シムキンが入りましたね!アリもアンヘル、ホセ・カレーニョ、エルマン・コルネホ、イーサン・スティーフェルと豪華です。


ロイヤル・バレエの「白鳥の湖」ですが、2月28日、3月9日に予定されていたアリーナ・コジョカルはやはり降板となってしまい、代役はロベルタ・マルケスです。アリーナは、4月の「ジゼル」には復帰できるのではないかとの話ですが。

2009/02/07

パリ・オペラ座「シンデレラ」DVD CENDRILLON/Cinderella

185分(本編123分+特典映像62分)、2枚組
字幕:フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・英語

〔出演〕
シンデレラ:アニエス・ルテステュ Agnes Letestu
映画スター:ジョゼ・マルティネズ Jose Martinez
継母: ステファン・ファヴォラン Stephane Phavorin
シンデレラの姉妹:レティシア・ピュジョル、ステファニー・ロンベール Laetitia Pujol - Stephanie Romberg
プロデューサー:ウィルフリード・ロモリ Wilfried Romoli
ダンス教師:クリストフ・デュケンヌ Christophe Duquenne
LE METTEUR EN SCENE Richard Wilk
LE PERE Cyril Fleury
L'ASSISTANT Fabien Roques
LE PRINTEMPS FEMME Melanie Hurel 春:メラニー・ユレル
COUPLE FEMMES Marie-Solene Boulet - Laura Hecquet
COUPLE HOMMES Julien Meyzindi - Florian Magnenet
L'ETE FEMME Dorothee Gilbert 夏:ドロテ・ジルベール
COUPLE FEMMES Aurelia Bellet - Laurence Laffon
COUPLE HOMMES Bruno Bouche - Axel Ibot
L'AUTOMNE FEMME Nolwenn Daniel 秋:ノルウェン・ダニエル
COUPLE FEMMES Fanny Fiat - Muriel Zusperreguy
COUPLE HOMMES Mathias Heymann - Gil Isoart
L'HIVER FEMME Emilie Cozette 冬:エミリー・コゼット
COUPLE FEMMES Laure Muret - Geraldine Wiart
COUPLE HOMMES Bertrand Belem - Mallory Gaudion

振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
演奏:コーエン・ケッセルス指揮  パリ・オペラ・オーケストラ
美術:ペトリカ・イオネスコ
衣装:森 英恵
照明:グイード・レヴィ
収録:2008年4月、パリ・オペラ座 ガルニエ宮

ヌレエフ版の「シンデレラ」といえば、シルヴィ・ギエムがシンデレラを踊り、映画スターにシャルル・ジュド、義理の姉にモニク・ルディエールとイザベル・ゲラン、プロデューサーはヌレエフ本人という豪華なキャストのビデオ(1987年収録)が出ていたのだけど、実は私はそれを観てあまり面白いと思わなかった。ギエムが苦手というのが最大の理由で、こっちの新しい収録を見て、改めて、やっぱりギエムが好みではないからあの映像は楽しめなかったのだと思った。こちらの「シンデレラ」は、面白いんだもの。映画スターはジュドの方が素敵だけど。


背が高く、どこから見ても超美人でクールなアニエス・ルテステュがシンデレラ役を演じるというのは、意外な感じもしたけれども、ハリウッドを舞台にしたこの作品なら納得できる。特典映像に「Cinderella Goes to Hollywood」というインタビューを中心にしたドキュメンタリーがある。この中で、芸術監督のルフェーブルが、アニエスは美人だけど、ちょっと不幸な感じがするところが、シンデレラ向きだと語っていたけどそれは当たっていた。「誰もシンデレラになんかなりたくないでしょう、継母と義理の姉妹にいじめられて、一日家事をしていなくちゃならないなんて」。やっぱりアニエスは、シンデレラの灰かぶり衣装を着ていても美しくてエレガントなんだけど、不幸の影が漂っている。とともに、芯の強さも感じられ、幸福を自分の手でつかもうという意志が見られる。ハリウッドに行ってからの輝くばかりの華やかさと優雅さは、さすがトップエトワール。ヌレエフ版の「シンデレラ」は、アシュトン版と違って、シンデレラが2幕(ここでは、映画の撮影スタジオ)で登場する時には、ポアントではなく、キラキラ光るダンス用のハイヒール。パパラッチに囲まれ、彼らを踏みつけて登場した彼女が、映画スターと踊るのは、ボールルームダンスのワルツで、これがまたエレガント。かと思うと、チャップリンの衣装を着て楽しげなタップダンスなどを見せてみたり。ポアントの上にタップシューズを重ね履きするのだから大変だと思うけど、彼女のようなスタイル良しだから、チャップリンの格好も似合うのかな、と。アニエスの意外な芸達者ぶりがたっぷりと味わえる。

でも、この作品で最高なのは、ユーモアたっぷりの義理の姉たち、ステファニー・ロンベールとレティシア・プジョルと、継母役のステファン・ファヴォラン。特に、ファヴォランの継母は凄い!ほとんどのシーンでポアントを履きっぱなしで、よく見ないと女性が踊っているかのようなのだ。ポアントを履いて踊るテクニックは男性としては天下一品、アティチュードで回るピルエットも見事なもの。ユーモアたっぷりで色っぽくて芸達者。しかも、図々しくも撮影現場では映画スターに迫ってみせたり、映画スターが靴の持ち主を探している時には、この母親もどさくさに紛れて、シンデレラの靴を履こうとしたりするのだから。ポアントを脱いだら、男性の大きな足が出現するのだから映画スターも困っちゃう!

ステファニー・ロンベールとレティシア・プジョルの義理の姉たちは、アシュトン版の可愛い姉たちよりも意地悪で暴力的で図々しいのだけど、女性がこの役を演じているだけあって、キュートさや色っぽさもあって生き生きとしている。その上、技術的にはすごく大変そう!クリストフ・デュケンヌ演じるダンス教師に教わってバレエのレッスンを受けるところなど、わざと下手に踊らなくてはならないところもあるけど、あくまでも、本当は上手なんだけど下手に踊っているという風に踊らなくちゃいけないし。背が高くて押しの強いロンベール、小柄でお茶目なプジョルの凸凹コンビの組み合わせもいい。さらに、この作品では、映画スターがシンデレラを求めて、スペイン、中国そしてロシアを旅するエピソードもあり、ロンベールがスパニッシュ、プジョルがチャイナドレスで中国の踊り、さらにファヴォランがロシアのコサックダンスとキャラクターダンスを踊るという趣向がすごく楽しい。ホントにこの3人は踊りも演技も弾けていて、素晴らしいバイプレイヤー振りを見せてくれている。

ジョゼの映画スターは、義理の姉たちや継母に困らされている演技が楽しい。例によって鬼のようなヌレエフ振付のヴァリエーションも、彼だから安心して見ていられる。カブリオールにフェッテアラベスクを組み合わせていたり、方向転換が多かったり、ランベルセが入ったと思ったら、最後はクペ・ジュッテ・アン・トゥールナンで、並大抵のダンサーでは踊れるものではないだろう。彼の脚の長さや美しさには惚れ惚れするのだけど、ちょっと残念なのが、衣装がジョッパーズのように腿の部分が太いので、脚のラインが十分堪能できないこと。1930年代を舞台にしているとはいえ、86年の作品なので、ちょっと時代性が出てしまったのだろうか。

四季の精がメラニー・ユレル、ドロテ・ジルベール、ノルウェン・ダニエル、エミリー・コゼットとなかなか豪華で、その中でもエミリー・コゼットはこういうクールな役が似合うなと思った。彼女は、シンデレラ役でエトワールに任命されたのだけど、ちょうどこの作品が収録された頃だったはず。デュケンヌのダンス教師も、テクニックが冴えていて、ちょっとユーモラスでなかなか良い。ロモリのプロデューサー役も、すごくよく似合っている。ヌレエフ版では、プロデューサーが仙女の役目を果たしているのが一つのポイント。

ヴェールを使った、ふたりきりのラストシーンがとても美しくて、余韻が残る。

特典映像「Cinderella Goes to Hollywood」は、本編の抜粋とインタビューで構成されているけど、このインタビューが面白い。セットをデザインしたペトリカ・イオネスコのインタビューでは、ヌレエフが彼にこの作品のデザインを依頼した経緯がすごく興味深い。彼は、バレエの「シンデレラ」は観たことがなくて、バレエのセットを作ることには興味がないと言ったところ、逆にヌレエフが興味を示したという。2週間寝ないで作ったデザイン画を見てヌレエフは最初激怒したのだけど、後にそのデザインが彼にこの「シンデレラ」という作品のインスピレーションをもたらして、ハリウッドを舞台にした物語になった。

ヌレエフは映画が大好きで、実際、ルドルフ・ヴァレンチノ役を映画の中で演じたことがあった。この「シンデレラ」にも、チャップリンが登場したり、チャップリンの「キッド」がモチーフになっているところがあったり、ラストシーンは「雨に唄えば」のシド・シャリシーにオマージュを捧げているとのこと。アニエス・ルテステュがヌレエフの思い出を語ったり(彼が、彼女をコール・ドの中から見出した話)、ロモリが、ヌレエフが演じていたプロデューサーの役を演じることについて語ったり、ファヴォランがポアントで踊ることの大変さについて話したり、面白い話がたくさん聞ける。

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2009/02/06

ABTの北米ツアーのキャスト

ABTは2月17日からのワシントン公演、26日からのカナダ・オタワ公演、そして3月13日からのデトロイト公演、さらに4月にはロンドン公演とツアーが予定されています。

http://www.abt.org/performances/abtontour.asp

そのうち、まだロンドン公演については、キャストが出ていないのですが、北米公演のキャストはとても興味深いです。

http://www.abt.org/performances/calendar_index1.asp

ワシントン公演はミックス・プロと「白鳥の湖」。ミックス・プロには「パリの炎」が2回あり、当然これはダニール・シムキンがサラ・レーンと踊ります。「白鳥の湖」は、2月21日のソワレが、ニーナ・アナニアシヴィリとホセ・カレーニョ。ニーナがツアーに出るのは珍しいので、本当に貴重な機会となることでしょう。6月のABTフェアウェル公演も一瞬のうちに広いMETのチケットがソールドアウトになること間違いないと思われます。また、この日のマチネでは、ソリストに昇格したばかりのコリー・スターンズが、ロットバルト(もちろん、カッコいい方の)デビューです。

オタワ公演は「ジゼル」で、こちらはマリア・リチェットがジゼル・デビュー。デトロイト公演は「ロミオとジュリエット」で、METでデビューかな、と思っていたコリー・スターンズとヒー・セオが揃ってロミオ役、ジュリエット役の初役で踊ります。METの前の予行演習なのでしょうね。まだコール・ドのヒー・セオがジュリエット役を踊るのは、ちょっとびっくりです。韓国出身の彼女は、2003年のローザンヌ国際コンクールでスカラシップ、また同年のYAGPでも受賞しています。

マリインスキー・バレエ来日公演の速報Mariinsky Ballet in Japan Nov-Dec 2009

ジャパン・アーツの「バレエ・舞踊ブログ」に、マリインスキー・バレエの来日公演の速報が載っていました。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/113756462.html


ラトマンスキー最新作日本初演など、期待の日本初登場作品も!感 動 再 び!

芸術総監督:ワレリー・ゲルギエフ  舞踊監督:ユーリー・ファテーエフ
2009年11〜12月来日 4月下旬 前売開始予定
公演の詳細は近日発表いたします。ご期待下さい!

白鳥の湖 セルゲーエフ版
眠れる森の美女 セルゲーエフ版
イワンと仔馬 ラトマンスキー新演出版(2009)
オールスター・ガラ

<主な来日予定ソリスト (変更になる場合がありますので、予めご了承下さい)>

ロパートキナ, ヴィシニョーワ, テリョーシキナ, ソーモワ,オスモールキナ, オブラスツォーワ, ノーヴィコワ, コンダウーロワ,ファジェーエフ, コールプ,コルスンツェフ, サラファーノフ, クズネツォーフ, ロブーヒン, シクリャローフ, コズロフ ほか


[資料請求]
ジャパン・アーツぴあ (03)5237-7711
またはこちらからPDFをダウンロードして必要事項を記入の上FAXにてお送りください。
http://ja-ballet.up.seesaa.net/image/BBF1CEC1C0C1B5E1.pdf
FAX:03-3499-8102

***
え〜と突っ込みたい点としては、ボリショイのパンフレットには「フォーキンの夕べ」というのがあったと思うんですが、消えてオールスターガラになっちゃったんでしょうか、ってことです。
フォーキン・プロを楽しみにしていた人は沢山いたと思うんですが。なかったとしたら本当に残念です。

前回のオールスター・ガラは「ボリショイ・マリインスキー合同ガラ」とあまり演目が変わらなくて、はっきり言って面白くなったのです。
ぜひ、マリインスキーならではの「フォーキン・プロ」をお願いしたいです。ニューヨーク公演で観たフォーキン・プロは本当に素晴らしかったです。
できることなら、「シェヘラザード」や「火の鳥」「ショピニアーナ」が観たいです。

ジャパンアーツはよほど「白鳥の湖」が好きなようで、毎回持ってきていますが、たまには「白鳥の湖」なしでもいいんじゃないかと思うんですけど。あの素晴らしいDVDがあるわけですし。
あと、「眠れる森の美女」は復刻版ではなく、セルゲイエフ版なんですね。うーん。あまり惹かれません。

来日予定ソリストですが、アントン・コールサコフは来ないんでしょうか?
コズロフはまたロパートキナのパートナー限定として来るんでしょうが、古典ではなくガラ要員?
ダニーラ・コルスンツェフ、エカテリーナ・コンダウローワ、イリヤ・クズネツォフが出演予定にあるのは嬉しいです。
もちろん、今年の年末のことだし、毎度のことですが、この予定キャストってあくまでも予定なんでしょうね。

4月発売とは、きっとまたあっという間に発売日になってしまうってことなんでしょうね。そして前回同様、日毎キャスト発表なしでの発売になるのかしら。

2009/02/05

最後のバランシン・バレリーナ、NYCBのダーシー・キスラー引退

ニューヨーク・タイムズで、NYCBのダーシー・キスラーが2010年に引退することが報じられました。

http://www.nytimes.com/2009/02/05/arts/dance/05ball.html

最後のバランシンのミューズと称されるダーシー・キスラーは、SAB(スクール・オブ・アメリカン・バレエ)を経て1980年に16歳でNYCBに入団し、わずか17歳でバランシンの指名によりプリンシパルに。実に30年間もNYCBで活躍し続けたということになります。そして91年には現芸術監督のピーター・マーティンスと結婚。ピーターがバランシンに「彼女のパートナーになってくれるか」と聞かれて、「くるみ割り人形」で共演したのがきっかけだそうです。

バランシンはダーシーのために振付けたことはなかったものの、「アゴン」「アポロ」「シンフォニー・インC」「コンチェルト・バロッコ」と多くの彼の作品で、彼女は主役を務めました。もちろん、ジェローム・ロビンスやピーター・マーティンスの作品の多くの初演を踊っています。映画版のNYCBの「くるみ割り人形」(1993年、マコーレー・カルキン出演)で彼女は、金平糖の精を踊っています。彼女が引退するにあたり、ピーターは、「これでNYCBのダンサー全員が、自分が採用したことになる」と語りました。

引退後ダーシーは、12歳になる娘の子育てと共に、今までも15年間教師を務めてきたSABで教鞭をとるとのことです。

*****
NYCBに関連して、ジェローム・ロビンスのドキュメンタリーが2月18日にPBSで放映され、3月31日にDVDが発売されます。

Jerome Robbins: Something to Dance About
番組のサイト(動画も何本か見られます)
http://www.pbs.org/wnet/americanmasters/episodes/jerome-robbins/something-to-dance-about/437/
Kulturのサイト(DVD)
http://estore.websitepros.com/1652646/Detail.bok?no=1420

ミハイル・バリシニコフ、ピーター・マイティンス、スザンヌ・ファレル、リタ・モレノ、チタ・リベラ、スティーヴン・ソンドハイムなどが出演しており、彼の作品、そして未公開のリハーサルの映像などが収録されているそうです。

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デンマーク・ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」の舞台写真

デンマーク・ロイヤル・バレエ、セバスチャン・クロボーグSebastian Kloborgとクリスティナ・ミシャネックChristina Minchanekの「ロミオとジュリエット」(ノイマイヤー版)の写真が 99点、写真家のDavid Amzallagのサイトにアップされています。クリスティナ・ミシャネックがとても美しいですね。
http://www.blueballet.net/RomeoandJuliet_CM/index.html

なお、ジュリエット役、クリスティナ・ミシャネックのインタビューはNBSのサイトにアップされています。
http://www.nbs.or.jp/blog/0905_danish/contents/2009/02/mail.html

まだ24歳で、身長172cm。昨年10月にソリストに昇格したばかりのようです。
バレエ団のプロフィールはこちら
http://www.kglteater.dk/sitecore/content/site/OmKunstarterne/Ballet/Personale/Solister/Christina%20Olsen.aspx

彼女がニコライ・ヒュッベと「ラ・シルフィード」をリハーサルする写真もここにあります。
http://blueballet.blog.lemonde.fr/2007/03/12/la-naissance-dune-sylphide/

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」王子を踊るドミニク・ウォルシュのインタビュー

ニュー・アドベンチャーズのサイトに、ドミニク・ウォルシュのインタビューが載っていました。新国立劇場での活躍でも有名な彼のDominic Walsh Dance Theaterは、ニュー・アドベンチャーズとその前身のアドベンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ以外では、初めてボーン版「白鳥の湖」(2幕パ・ド・ドゥ)を上演するカンパニーとなりました。

http://www.new-adventures.net/news.php?id=43(インタビュー)

http://www.new-adventures.net/news.php?id=41(ニュース)

ザ・スワンを踊るドメニコ・ルチアーノの写真がありますが、大柄でカリスマ性を感じさせ、カッコいいです。彼はイタリア出身で、ナポリのサンカルロ・バレエ・スクール出身、サンカルロ劇場、ローマ・オペラ劇場やドイツ・ライン劇場などのプリンシパルとして活躍してきた人なのですね。

マシュー・ボーンの初期の作品「Infernal Gallop」がサラソタ・バレエで上演されることになり、またウォルシュも、サラソタ・バレエの依頼で「Wolfgang」という作品を振付けていたので、同時期に二人がサラソタ・バレエの芸術監督イアン・ウェッブの自宅に滞在したことがきっかけとなったようです。もともと作品が大好きでマシューを尊敬していたウォルシュは、最初は緊張していたのですが、マシューがとても話しやすくて感じの良い人だったことで、強い絆を感じたそうです。ウォルシュの振付指導をマシューは見学し、照明などについてもアドバイスをしてくれたそうです。マシューは、その場でインターネットでウォルシュの振付けた「眠れる森の美女」を見て気に入ってくれたとのこと。

「その時には、「白鳥の湖」を上演したいと言い出す度胸がありませんでした。代わりに、自宅に帰ったら、すぐにマシューにメールを送りました。すぐに返事は来なかったけれども、マシューはいつもすぐには返事はしないと聞いていたので、もう一度メールをしたら、今度はすぐに返事がきました。ウォルシュが王子を踊り、ドメニコがザ・スワンを踊るべきだという返事が。とても嬉しかったです」

ドメニコとウォルシュはロンドンに行き、オリジナル・キャストで王子役だったスコット・アンブラーと、エタ・マーフィットの指導の下、4日間で作品を覚えました。マシューは最終日にやってきて、仕上げをしてくれたそうです。3人は、とても親切で勇気を与えてくれて、特にドメニコのザ・スワンについては、気に入ってくれたとのこと。エタは、彼のザ・スワンの表現のいくつかは、今までのザ・スワンの中でもベストのものがあったとまで言ってくれたそうです。

「マシュー・ボーンの「白鳥の湖」は1997年にロンドンで初めて観ました。とても音楽を大事にしている素晴らしい作品で、チャイコフスキーのスコアに対して新しい命を吹き込んでいると思いました。彼の作る人間の動きの瞬間の中に真実があり、ありふれた日常から詩をつむぎだしていると。この作品を観た男性ダンサーなら、誰でも、ザ・スワンの役を踊りたいでしょうね」ウォルシュは、ベン・スティーヴンソンが振付けた「白鳥の湖」の王子役を何年もの間踊ってきたそうです。

「ドメニコは身長が187cmと高く、大きな黒い目をしていて、肉体的にもとてもこの役に合っていると思う。彼はアダージオを静かに踊る力があるし、自分の演技に対してとても丁寧に踊ります」
「王子役は、普通の王子とは違います。彼は、自由も安らぎも知らない人で、自分の想像の中で美しい鳥をつくり上げています。それは、平和と自由の象徴です。彼は、すがり付いて、一緒に自由になるための友人としてザ・スワンに出会ったのだと思います。古典の「白鳥の湖のように、マシューの王子役は、王室の責任から逃れたいというジレンマを持っていますが、もっと複雑で、作品の中で心理的な旅路をたどる存在です」

「ヒューストンで初めてボーンの作品を踊る人物となって、とてもワクワクしているよ。特に、僕は今回マシューから祝福をされているからね」

ボーン版「白鳥の湖」の2幕パ・ド・ドゥは、イリ・キリアンの作品とウォルシュの作品とのトリプル・ビルとして、2月12日~14日、ヒューストンのパフォーミングアーツセンターで上演されます。

February 12th-14th at the Hobby Centre for the Performing Arts in Houston
http://www.dwdt.org/masterful_mixed_repertoire.htm

2009/02/04

ABTのダンサーのサイン入りバレエシューズ&ポアント、公式サイトで販売

ABTのオフィシャルサイトを見たら、所属ダンサーのサイン入りバレエシューズやポアントの販売を始めているのに気がつきました。

Limited Edition Ballet Shoes Autographed by ABT Dancers
http://www.abt.org/Store/shoes.asp

ABTのMETやシティセンターの公演会場では、ロビーでダンサーのサイン入りシューズやポアントを売っていたのですが、このたびオンラインでも購入できるようになったのですね。

所属ダンサー全員分が販売されているわけではないのですが、ニーナ・アナニアシヴィリのポアントのように、お宝になること必至のもあります。アンヘル・コレーラ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、ジュリー・ケントらプリンシパルが150ドル、ソリストが75ドル、そしてコール・ドが40ドルです。クレジットカードで決済可能で、送料は別途かかります。

これらのシューズやポアントの売り上げは、ABTのThe Dancers' Emergency Fund基金に寄付されます。

2009/02/02

NBSのサイトリニューアルとWEBチケット/東京バレエ団「ジゼル」フォーゲルの動画

NBSのオフィシャルサイトがリニューアルされました。
http://www.nbs.or.jp/index.html

・トップページからNBS WEBチケットにスムーズにアクセスできるように。
・公演日や発売日のスケジュールが一目でわかるカレンダーページ。
・会場へのアクセスや座席表が確認できる会場案内のページを新設。

それから、モバイル対応もようやく開始され、モバイルからもチケットが買えるようになりました。
http://www.nbs.or.jp/i/
公演案内などはモバイルで観られますが、各公演のブログなどはモバイル対応していないんですよね。

それから、2009年2月2日より NBS WEBチケットサービスがスタートしました。

パソコン・携帯電話から24時間いつでも、クレジットカードを使ってチケットを購入できるほか、セブンイレブン店頭で予約したチケットの受取りができます。
予約時に座席指定予約が可能なので、最新の残席状況を確認しながら、希望の席が取れるとのこと。
2月2日よりWEB会員登録を開始、2月28日(土)に発売を開始する東京バレエ団「ジゼル」よりチケットが買えます。そして、3月2日(月)からは、NBSが主催する全公演のチケットをが購入できるようになるとのこと。

http://www.nbs.or.jp/main/ticket.html

なお、NBS WEBチケットサービス開始を記念して、2月2日(月)~3月31日(火)の期間中にNBS WEBチケット会員にご登録いただいた方には、今年のオペラ界、バレエ界でもっとも注目されている公演、ミラノ・スカラ座2009年日本公演(「ドン・カルロ」 9月15日(火)[B席] )、第12回世界バレエフェスティバル(<Aプロ> 8月3日(月)[A席])のチケットを各公演5名様に抽選でプレゼントいたします。

とのことです。当たらないだろうけど、当たったら嬉しいな。(改めて応募する必要はないそうです)
ふむふむ、世界バレエフェスティバルは8月3日に公演がひとつあるのか~。

バレエの祭典会員は、従来どおりのハガキやFAXでの申し込みとなるようです。

*******
リニューアルしたサイトを見ていたら、東京バレエ団の6月「ジゼル」公演のサイトがもうできていたのですが、キャストのページ
http://www.nbs.or.jp/stages/0906_giselle/cast.html
で、ゲストのフリーデマン・フォーゲルが動画コメントを寄せています。このコメントが、前半がたどたどしい日本語でけっこう長く、「いつも応援してくれてありがとう。みんなが大好きです。僕の日本語上手くなったでしょう。またね~バイバイ♪」って言っています(後半は英語)。このフリーデマンはめちゃめちゃかわいいです。このコメントにつられて、思わずチケットを買う人は結構いるんじゃないかしらって思いました(笑)。

********
NBSの佐々木忠次氏の著書起承転々 怒っている人、集まれ!!―オペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて156ですが、うちに1冊届いていました。オペラ・フェスティバルとバレエの祭典の会員に一冊進呈されるとのことです。なので、バレエの祭典の会員の方は買う必要がありません。これから読みますが、このコラムは連載時から真っ先に読んでいたので、楽しみです~。

起承転々 怒っている人、集まれ!―オペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて156
佐々木 忠次

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2009ローザンヌ国際バレエコンクール受賞者

受賞者のリストです(PDF)
http://www.prixdelausanne.org/Prix_de_Lausanne_2009_Prizewinners.pdf

(14) Ms O'Neill Hannah, Nouvelle Zélande, オニール 八菜.
The Australian Ballet School; Mt Eden Ballet
School, Nouvelle Zélande

(20) Ms Peng Zhaoqian, Chine
Shanghai Dance School

(1) Ms Mizutani Miki, Japon 水谷実喜
Acri-Horimoto Ballet Academy, Saitama

(38) Mr Wijnen Edo, Belgique
Ecole Royale de Ballet d'Anvers

(79) Mr Moreira Telmo, Portugal
Académie Vaganova, St-Pétersbourg;
Conservatoire national, Lisbonne

(47) Ms Nemoto Rina, Japon 根本里菜 
Centre d'Art Chorégraphique Franco-
Japonais, Conflans-S
Fondation Coromandel

(80) Mr Concha Sebastian, Chili
Houston Ballet Ben Stevenson Academy
Fondation Coromandel

"PRIX D’INTERPRETATION CONTEMPORAINE" - "CONTEMPORARY DANCE PRIZE"コンテンポラリー賞
Lauréat – Winner
(38) Mr Wijnen Edo, Belgique
Ecole Royale de Ballet d'Anvers
Prix offert par - Prize provided by

"PRIX DU PUBLIC" - "THE AUDIENCE FAVORITE" 観客賞
(79) Mr Moreira Telmo, Portugal
Académie Vaganova, St-Pétersbourg; Conservatoire national, Lisbonne
LES


根本さんと水谷さんの写真入り記事がasahi.comに出ています。

http://www.asahi.com/culture/update/0202/TKY200902020028.html
 
一位のオニール八菜さんも、ニュージーランドとなっていますが、岸辺バレエスタジオ出身、NBAコンクール優勝者なんですよね。


こちらの記事には、写真も多数掲載されています。
日本人2人が入賞 15歳の水谷さんと17歳の根本さん、ローザンヌ国際バレエ
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/090202/art0902021103002-n1.htm
3歳からバレエを始めたという根本さんは「自分の力を出し切れていなかった面もあり、名前を呼ばれると思っていなかったのでびっくりした」と話した。

バレエ:登竜門のローザンヌ国際、日本人が3位と6位入賞
http://mainichi.jp/enta/art/news/20090202k0000e040010000c.html?link_id=RAH03

【ジュネーブ澤田克己】プロを目指す若手ダンサーの登竜門「ローザンヌ国際バレエコンクール」の決選が1日、スイスのローザンヌであり、さいたま市の水谷実喜(みき)さん(15)=アクリ・堀本バレエアカデミー=が3位、東京都八王子市出身でフランス留学中の根本里菜さん(17)=仏・日仏芸術舞踊センター=が6位にそれぞれ入賞した。
 日本人の母を持つハンナ・オニールさん(16)=ニュージーランド=が優勝した。バレエを始めて5年目の水谷さんは「あこがれの舞台なので、まだ実感がない。夢みたい」と話した。


http://www.swissinfo.ch/jpn/news/swiss_news.html?siteSect=201&sid=10274364&cKey=1233529502000&ty=st
こちらでは、受賞者のコメントのみならず、審査員の吉田都さんのコメントもあります。

ハンブルク・バレエニュース/ローザンヌコンクール生中継

今日は夕方5時からおよそ5時間、全豪オープンテニスの決勝戦を見ていました。この1週間ばかり、夜はほとんどこれを観ていたんですよね。個人的にナダルを応援していたのですが、もちろんフェデラーも本当に天才的でエレガントなプレイヤーで素晴らしいです。第4セットまでは凄いラリーやスーパーショットの連続、ワクワクドキドキしながらテレビに釘付けになっていました。

第5セットではさすがに双方とも疲れたようで、結局忍耐力に勝ったナダルが勝利したのですが、第4セットまではフェデラーが押していたように思えたので、本当に勝負って最後までわからない、だから面白いって思いました。攻めていたフェデラーに対して、ブレイクポイントで粘りに粘っていたナダル。表彰式のときに涙を見せたフェデラーと、彼の肩を抱いたナダルが印象的で胸が熱くなりました。二人とも、凄い試合を本当にありがとう、って思いました。フェデラー、ナダルの2強時代になって、テニスが面白くなったって思います。私は子供のときにウィンブルドンに住んでいたので、テニスは昔から観るのが好きなんですよね。

********

釘付けといえば、今インターネットの中継でローザンヌコンクールを中継しているので、テニスが終わったあとはこちらに釘付けでした。ノイマイヤーのヴァリエーションが終わったところで、レッスンの様子や、シンシア・ハーヴェイなど審査員やコーチのインタビューが流れています。さすがに動画のところはたまに滑らかではないところがあるのですが、リアルタイムでコンクールの様子がインターネットで見られるって凄い時代ですよね。
http://prixdelausanne.org/v4/index.php?option=com_content&view=article&id=77&Itemid=92&lang=en

今観客賞が発表されました。テルモ・モレイラくんです!2年前に同じで、本当に可愛いですね、彼は。6位に根本里菜さん、5位にテルモ・モレイラと入賞者が発表されたところで、回線が落ちてしまいました。おやすみなさい。

********

ノイマイヤーつながりで、ハンブルク・バレエからメールのニュースレターが送られてきました。ドイツ語なので、翻訳をかけないと何を書いているかわかりません。

大きなニュースとしては、ノイマイヤーが芸術監督の契約を更新して、2015年まで芸術監督を続けることが決定したというのがありました。2013年には、芸術監督40周年を迎えるそうで、世界で最も長期にわたって芸術監督を続けている人となります。

次の目標としては、ジュニアカンパニーを創設することで、これはすでに準備に入っており、2011年から予算が獲得できるとのことです。

「ヴェニスに死す」が今年の秋に、作品の舞台となっているヴェネチアのフェニーチェ劇場で上演されるそうです。

それから、面白いお知らせとしては、2月8日より、日本公演のブログを開始するそうです。日本公演は2月12日の東京公演から、3月7日の福岡公演まで、6都市にて12回行われます。ツアーでの生活や、舞台裏の様子を教えてくれるそうなので、とても楽しみですね。
http://www.hamburgballett-blog.de.htm
(まだ現在は見られません)

恒例のバレット・ターゲ(バレエ週間)の7月7日と8日に出演するゲストカンパニーは、フランス、ナンシーのロレーヌバレエ(Centre Choréografique National – Ballet de Lorraine)で、上演作品は、フォーキンの「ペトルーシュカ」、ニジンスカの「結婚」そしてストラスヴィンスキー作曲「結婚」の別振付(Tero Saarinenによるもの)だそうです。これもバレエ・リュス100周年を記念したものですね。
http://www.ballet-de-lorraine.com/

以上については、ハンブルク・バレエのオフィシャルサイト(ドイツ語のほう)にも掲載されていました。英語版には載っていませんのでご注意ください。
http://www.hamburgballett.de/d/index.htm

2009/02/01

ローザンヌコンクールの決勝出場者

ローザンヌコンクールの決勝出場者が決まりました。
20名で、日本からも6人出場します。(数字は、年齢と月齢)
一昨年出場したテルモ・モレイラ君もいますね。

「ニジンスキー」を踊る子が一人いてちょっと嬉しいです。スワニルダのヴァリエーションが多いですね。あとは「ノクターン」、「ヨンダリング」が目立ちます。たしか演目は年齢別に選択肢を決められていたかと思います。

http://www.prixdelausanne.org/newsletter/2009/Finalists2009.pdf (PDFです)

Moritaka Machi(17/0)日本 森高万智 英国ロイヤル・バレエ・スクール
ガムザッティ
ノクターン

Chen Qi(16/2)中国
ラ・フィーユ・マルガルデ
ヨンダリング

Dean Jemina Rose(18/3)オーストラリア
ガムザッティ
ヴァスラフ

Leblanc Gergely(16/8)ハンガリー
白鳥トロワ
春と秋

Yang Chae-Eun(17/4)韓国
キトリ
ノクターン

Ishizaki Futaba(15/4)日本 石崎双葉 山路瑠美子バレエスクール
スワニルダ
バッハ組曲

Mkrtchyan Tigran(17/5)アルメニア
海賊
ヨンダリング

Nemoto Rina(17/2)日本 根本里菜 日仏芸術舞踊センター
ライモンダ
ノクターン

Campbell Skylar(17/7)アメリカ
アルブレヒト
ヨンダリング

Johnson Karen(16/8)アメリカ
スワニルダ
ノクターン

Takada Tatsuki(17/7)日本 高田樹 白鳥バレエ学園(長野)
バジル
ヨンダリング

Queiroz Rodrigues Rafaelle, 18/8, ブラジル
ガムザッティ
ヴァスラフ

Ikeda Takeshi, 16/0, 日本 池田武志 アクリ・堀本バレエアカデミー
ジゼル
春と秋

Yang Ruiqi, 15/8 中国
コッペリア
ノクターン

Concha Sebastian , 17/8, チリ
デジレ王子
ニジンスキー

O'Neill Hannah, 16/0,ニュージランド
影の王国第二ヴァリエーション
プレリュードCV

Moreira Telmo , 17/7,ポルトガル
海賊
Wrong Note Rag

Mizutani Miki, 15/2, 日本 水谷実喜 アクリ・堀本バレエアカデミー
コッペリア
ノクターン

Wijnen Edo,16/8,ベルギー
白鳥の湖3幕ヴァリエーション
春と秋

Peng Zhaoqian, 16/6, 中国
影の王国第三ヴァリエーション
ノクターン

明日  http://www.prixdelausanne.org/v4/index.php 
ここで決戦を観ることができます。ヨーロッパ時間午後3時なので、日本だったら夜ですね。

出場者が踊り終えた後、結果発表の前に、舞台ではフリーデマン・フォーゲルによるソロ作品と、ルードラの生徒たちによるパフォーマンスがあるそうです。

追記:日本人決戦出場者についての記事です。
http://www.swissinfo.org/jpn/front.html?siteSect=105&sid=10271854&cKey=1233452440000&ty=st

アド街ック天国に佐多達枝さん/ノイマイヤーのドキュメンタリー/ロイヤル「ラ・バヤデール」

今日、テレビ東京の「出没!アド街ック天国」の「新宿区中井」編を見ていたのです。(土曜日に家にいるとよく観る番組です) 中井という街は赤塚不二夫、林芙美子、重要無形文化財 総合指定保持者の能楽師・関根祥六さんはじめ多くの文化人を生んできたという話になって、70歳過ぎて今も創作に意欲を燃やす振付家の佐多達枝さんが登場しました。一瞬、佐多さんの振付けた、傑作と名高い「庭園」の映像も流れ、また彼女が指導するところやインタビューなどもありました。それで、教室の生徒さんたちが3人、ルティレでポーズしてくれたのですが、実は昨年亡くなった赤塚不二夫の「おそ松くん」のイヤミで有名な「シェー!」のポーズは、佐多さんのバレエ団で赤塚さんが見たルティレのポーズをヒントに、作り出したそうなのです。知りませんでした~。

赤塚不二夫の師匠だった手塚治虫が、漫画家は映画や舞台など、芸術に触れなければダメだ、と語り、赤塚さんはその教えを忠実に守ったとのことですが、バレエも観に行っていたってことなのでしょうか。面白い話ですよね。
この話は、ウィキペディアのシェーの項目にも載っていません。

「庭園」は大傑作との評判なのですが、残念なことにまだ私は観ていないのですよね。機会があれば是非観たい作品です。

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テレビ関係ということで強引に。NBSのサイトで、「ジョン・ノイマイヤーの世界 バレエの未来 そして 愛」の再放送のニュースが載っていました。
「ジョン・ノイマイヤーの世界- バレエの未来 そして愛 -」
◇放送日:3月12日(水) 10:00a.m.~11:50a.m.
◇放送局:NHK BSハイビジョン

 ↑
去年の放映のニュースが残っていました。間違いです。すみません!

この番組がDVD化されるという話は以前にも紹介しましたが、フェアリーに通販用のサイトができていたので紹介します。ジャケットは、ヘザー・ユルゲンセンのマルグリットです。惜しまれながら一昨年引退した、へザーのマルグリット、見たかったです。発売は2月上旬で、今は予約受付中とのことです。新書館のDVDはアマゾンなどでは買えないのですよね。
(追記:チャコットですでに販売されていたので買ってきました)
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219321779.html

DVD、107分、カラー、2004年
このDVDは2004年NHKで放送された作品と同内容のものです。

出演
ジョン・ノイマイヤー
シルヴィア・アッツォーニ、ジョエル・ブーローニュ、ラウラ・カッツァニガ、ヘザー・ユルゲンセン、エリザベス・ロスカヴィオ、アンナ・ポルカルポヴァ、イリ・ブベニチェク、オットー・ブベニチェク、アレクサンドル・リアブコ、ロイド・リギンズ、イヴァン・ウルバン、エレーヌ・ブシェ、ニウルカ・モレド、アデラ・ポレルトーヴァ、ピーター・ディングル、服部有吉、カルステン・ユング、アルセン・メグラビアン、セバスチャン・ティル 
ほか ハンブルク・バレエ

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また全然話は変わりますが、ガーディアン紙に「ラ・バヤデール」のチェ・ユフィ、小林ひかる、セルゲイ・ポルーニンの上演の批評が出ていたので紹介します。
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/30/bayadere

写真のキャプションが間違っていて、小林ひかるさんのガムザッティなのにチェ・ユフィって書いてあります。

それはさておき、5点満点で4点という高い評価であり、ポルーニン、ユフィさんとも大絶賛されています。とてもスリリングなパフォーマンスであり、二人とも、これからのロイヤルを引っ張っていくダンサーだと。ポルーニンの輝かしいキャリアが始まったとのこと。そしてユフィさんの表情ではなく身体を使った表現力の豊かさ、上体の柔らかさと雄弁さ、音楽性も絶賛されており、小柄な身体を大きく見せていたそうです。ユフィさんの「影の王国」でのニキヤは、「ジゼル」の2幕のような感情を込めていたと評されています。

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