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2009年1月

2009/01/31

1/30 レニングラード国立バレエ「ライモンダ」The Mikhailovsky Theatre Raymonda

レニングラード国立バレエ ―ムソルグスキー記念/ミハイロフスキー劇場― The Mikhailovsky Theatre
「ライモンダ」Raymonda
全3幕4場
2009年1月30日(金)18:30開演 Bunkamuraオーチャードホール
音楽:A.グラズノフ
振付:M.プティパ/K.セルゲーエフ/F.ロプホフ
ライモンダ: オクサーナ・シェスタコワ
騎士ジャン・ド・ブリエンヌ: マラト・シェミウノフ
アブデラフマン: アレクサンドル・オマール
伯爵夫人シビラ・ド・ドリス: アンナ・ノヴォショーロワ
ハンガリー王アンドレイ二世: アンドレイ・ブレクバーゼ
侍従: パーヴェル・シャルシャコフ 
ライモンダの友人:
クレメンス: タチアナ・ミリツェワ
ヘンリエット: イリーナ・コシェレワ
ベランジェ: デニス・モロゾフ
ベルナール: アンドレイ・マスロボエフ
夢の場面ヴァリエーション:マリア・ドミトリエンコ、オリガ・グローモア→ヴァレリア・ジュラヴリョーワ
サラセンの踊り: ナタリア・クズメンコ、アレクセイ・クズネツォフ
パナデロス: エレーナ・モストヴァーヤ、アンドレイ・カシャネンコ
ハンガリーの踊り: エレーナ・フィールソワ、ロマン・ペトゥホフ
3幕ヴァリエーション: ユリア・チーカ
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団
指揮:ミハイル・パブージン

2006年にマールイのレパートリーに登場したという「ライモンダ」。白の貴婦人が出てこないのと、ジャン・ド・ブリエンヌの出征シーンがない(ヌレエフ版もないけど)以外は、非常にオーソドックス。1幕が45分で、70分のヌレエフ版と比べるとコンパクト。どこが少ないのかな、と考えたところすぐにわかった。ジャン・ド・ブリエンヌのヴァリエーションが3幕にしかないのだ。しかもアブデラフマンのヴァリエーションはなし!(アブデラフマンはヴァリエーション以外ではそこそこ踊るところはある)

新制作ということで、書割ではあるけれども舞台装置はとても美しく、衣装も一部を除けばセンスが良くてお金がかかっているようだった。3幕のライモンダは、マリインスキーでの「ライモンダ」のように羽のついたベレー帽みたいなのをかぶっているのだけど、あの帽子は、マリインスキー版でもいつもそう思うのだけど頂けない。2幕の夢のシーンでは、コール・ドが「シルヴィア」のニンフたちのような両側に羽のついた頭飾りをつけており、また男性コール・ドの頭飾りはちょっとパリ・オペラ座ヌレエフ版のに似ている、白い獅子舞系のもの。

ジャンもアブデラフマンも踊らなくて、誰が踊るのかといったらそれはもう、ライモンダしかいない。そういうわけで、ライモンダ役のシェスタコワが1幕から3幕までとにかく踊りまくる。プリマが上手かどうかで、舞台の出来が決まるといっても過言ではなく、また、大変な体力が必要そうだ。

しかもこのヴァージョンは、3幕の女性ヴァリエーションはアンリエットが踊るのではなく別のダンサーが踊る。というわけで、残念ながらアンリエットとクレマンスは3幕に登場しない。ベランジェとベルナールも役としては登場しないけど、モロゾフとマスロボエフは舞台上にはいた。さらに、アンリエットとクレマンスは、1幕の最初では踊りはあるものの、赤いロングドレスでポアント着用ではないので、すごく踊るって訳ではない。ミリツェワとコシェレワがチュチュではなくてロングドレスなのが珍しいので、新鮮ではあったけど。

シェスタコワのライモンダは、ちょっと大人しい感じはあるものの、気品にあふれて優雅、貞淑なお姫様。ジャンはタペストリーや肖像画ではなく、舞台装置の背景に描かれている(ちょっと観ただけでは判りにくい)。一度も姿を見せていないジャンに対する想い-j彼が出征し不在であることに対する不安と一途な恋心を表現することについては、シェスタコワはとても巧みで、思わず感情移入したくなってしまうほど。シェスタコワは派手さがない分、幸薄そうなところを表現するのが上手い。幸薄そうであっても、地位の高い者の持つべき優雅さと抑制があるから、演歌にはならない。アブデラクマンが迫ってくる時にも、あからさまな拒絶は見せずに、分別ある大人の対応を取っていた。ジャンが帰還した時には頬を上気させて本当に嬉しそうだったし、アブデラクマンが決闘で倒れたときには困惑するとともに、悲しんでいるようにも見えた。

シェスタコワの踊りは、1幕の最初の方では若干調子が悪そうだった。登場のところでの、床においてある花を拾った後でのアラベスクが決まらなくてちょっと優雅さに欠けてばたつきを感じさせたり、パドブレでポアントが一瞬ポアントが落ちて大丈夫か、と思わせたり(多分滑ったのだと思う)。特に1幕の最初の方は、オーケストラのテンポが悪くて、音に合わせるのに苦労していた様子。

ところが、シェスタコワはピチカートのヴァリエーション(素晴らしかった!)あたりから持ち直してきて、もう~3幕のヴァリエーションは絶品というか超素晴らしかった!ロシア系ライモンダの例に倣い、ほとんど手は打ち鳴らさない。上半身の動きがとにかく柔らかくて気品があって滑らかで美しい。オペラ座で観たアレクサンドロワのライモンダももちろん、唸るほど素晴らしかったけど、マーシャの場合には、ものすごく威厳があって、堂々とした姫、女王様のようなライモンダだった。シェスタコワのこのヴァリエーションは、控えめで優しげだけど、秘めた芯の強さと決意がこめられている。なかなかこのレベルの高さの踊りで、このヴァリエーションは観られないのではないかな。ブラボー!

シェミウノフのジャン・ド・ブリエンヌは長躯にマントが映える堂々とした騎士ぶりの登場が素敵。踊りはもっぱらサポート系で、ヴァリエーションは3幕のみ。ところが、このヴァリエーションの出来はよくなかった。大きなミスがあったわけではないのだけど、アティチュードの時の膝が思い切り下がっていて内脚になってしまっていた。身長がすごく高いので仕方ない面はあるけど、どうしても踊りがもっさりして重くなっている。しかも表情は硬いし。1幕の夢のシーンでシェスタコワを高くリフトして、サポートしなければならないところで少し歩いてしまっていた(他のサポートは大体大丈夫だったけど)。
ただ、シェミウノフは身長が高いことで迫力はあり、特に1,2幕でのマントはとてもよく似合っていて、男っぷりはとても良かったのではないか。やはりマント着用だと、男性ダンサーは5割増くらいに見えるものだなあ、と思った。シェミウノフくん、せっかく背が高くて見栄えも悪くないのだから、ロットバルトやドン・キホーテなどのキャラクター系だけでなくて、古典の踊る役をもっと踊って欲しいな。

アブデラクマンは、「ジゼル」でヒラリオン、「海賊」でビルバントを踊っていたオマール。演技も踊りも表現もとてもよかったと思う。特に踊りは切れ味鋭く、また情熱的にライモンダに迫るところには見入ってしまったし、ベランジェとベルナールに高く持ち上げられたライモンダを受け止めるサポートも良かった。すごい熱演だったと思うんだけど、それだけに、アブデラクマンを十分魅せるような振付、演出じゃなかったのが残念。夢のシーンにすらアブデラクマンが出てこない新国立版よりはもちろん全然良いけど。一般的なアブデラクマン像の枠に収まっていて、それ以上の魅力を感じさせようとしない演出なのだ。それに、メイクがロシア特有のやりすぎ塗りすぎ素顔全然わからない濃いメイクで、死ぬ間際に外れる頭布の下のボウズカツラがまた、つぎはぎだらけで気の毒で。オマールはすごくいいダンサーで、すごくよく踊り演じていたので、もったいない。素顔は観たことがないけど、ヒラリオンやビルバントから察するに、きっとハンサムだろうに。

クレメンスのミリツェワ、アンリエットのコシェレワは安定度抜群で、二人とも美しく、安心してみていられる鉄壁コンビ。ミリツェワの「ジゼル」ペザントでのやや不調振りが嘘のよう。ライモンダがアブデラムに迫られている時には、一生懸命彼女を護ろうとするし、輪郭のくっきりして元気の良いミリツェワ、優しさに満ちているコシェレワがかわいくて~。この二人がいると、舞台が締まる。2幕でのヴァリエーションは二人ともとても綺麗で温かみがあって良くて、オペラ座の「ライモンダ」のエヴ・グリンシュタインやオーレリア・ベレ、マリ・ソレーヌ=ブレなどに満足できない理由がすごく良くわかった。やっぱりロシア・バレエの上半身の美しさ、柔らかさは、世界一だな、と。

それから、流石ロシアと思ったのが、キャラクターダンスの素晴らしさ。特にサラセンのナタリア・クズメンコ、アレクセイ・クズネツォフ、凄い!凄すぎる!あのリズムにあんなにぴったりと合わせて自在に身体を操れるなんて、もうびっくり!こういう踊りを観られるのが、「ライモンダ」という作品のお得なところ。それに、パナデロス(スペイン)のエレーナ・モストヴァーヤ、これぞキャラクターダンスという姐さん系艶やかなカッコよさで、きゃーと思うほど素敵だった。

ここにバレエ団の男性ダンサーの実力が現れる、という点で恐ろしい、3幕グランパ・クラシックのパ・ド・カトル。4人の男性で唯一トーゥル・ザン・レールで5番に綺麗に降りられたのは左端のヤフニュークだった。ヤフニューク、こんなに上手かったんだ!ほかの3人は、トゥール・ザン・レールの着地がちょっと悲惨。特に左から2番目。でも、今回思ったのが、男性もビジュアルのレベルが上がっていること。パ・ド・カトルの4人はみななかなかイケメンであった。トゥール・ザン・レール以外はみなよく踊っていたと思う。

ラストシーンでは、キラキラの星屑のような紙吹雪が舞って、すごく綺麗だった~。暖かい雰囲気で終わってめでたし、めでたし。

男性の踊りが少ないこと以外は、シェスタコワの素晴らしさもあり、そしてキャラクターダンスやミリツェワ、コシェレワの素敵さもあり、満足できた公演だった。やっぱり「ライモンダ」は好きだ。ただ、「ライモンダ」という作品の魅力の大きな部分を、グラズノフの素晴らしいスコアが担っているので、オーケストラはもう少しテンポなどを工夫して欲しいと思う。アニハーノフさん、カムバックして~!

これで私の今年の冬のミハイロフスキー(マールイ)祭りは終了。合計4演目プラスコールプ・ガラ。やはりミハイロフスキー・ガラは行くべきだったし、「ライモンダ」も別キャストで観たかった。次の来日が待ち遠しいけど、次は土日公演をもっと増やして欲しいと思う。平日6時半開演公演ばかりだと、本当に行けるかどうか毎日スリリングなばかりだし、平日は行けても週に一回が限度なので。

名指揮者アニハーノフさんがいなくなってオーケストラのレベルが下がってしまった、コール・ドのレベルも以前より低下したところはあった。だけど、派手さはないけど実力はピカイチのシェスタコワをはじめ、ここのソリストはいい人がそろっているし、ロシア・バレエの美しさ、そして暖かい雰囲気に親しみも感じる。お値段もリーズナブル。だからこれからも継続的に、全幕公演を持ってきて欲しいと願う。それから次回はぜひ「スパルタクス」もお願いしたい。とにかく、ダンサーの皆様、本当に素晴らしい公演をありがとう。そしてまた来てね♪

3月にパリ・オペラ座「椿姫」ロイヤル「マノン」ゲルギエフ指揮「春の祭典」他NHKハイビジョンで放映

いつも大変お世話になっている、Side B-alletのゆうさんのエントリ「3月のNHKハイビジョンが凄い!」からの情報ですが(本当にいつも、DVDやテレビの情報をありがとうございます)、3月のNHK-BSおよびハイビジョンは、素晴らしい番組のオンパレードです。まだDVDの発売も発表されていないバレエ映像が放映されます。

なんといっても、まだフランスでのDVD発売も発表されていない、パリ・オペラ座の「椿姫」の放映には驚きました。ノイマイヤー振付、アニエス・ルテステュ、ステファン・ビュリヨン主演で、7月2日、5日に収録されたそうです。

それから、ワレリー・ゲルギエフ指揮 バレエ「火の鳥」「結婚」「春の祭典」は、去年の白夜祭のもので、「春の祭典」はニジンスキー版です。ニジンスキー版を全編収録した映像は、ジョフリー・バレエでPBSで放映されたものしかないはずなので、非常に貴重です。

これはDVD化されるのが明らかになっていますが、ロイヤル・バレエの「マノン」、タマラ・ロホとカルロス・アコスタも放映されるんですね~。去年11月に収録されて、早くも放映というのがすごい。

また評判の高かった、バレエ・ボーイズによるボリショイ・バレエのドキュメンタリーが見られるのも嬉しいです。モンテカルロ・バレエの「夢-le Songe」もテレビ初放映なのですね。

細かい放映時間などは、「クラシック・ロイヤル・シート」「ハイビジョンウィークエンドシアター」のサイトでご確認ください。

BS2 クラシック・ロイヤル・シート
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/crs-2009-03.html

3月1日(日) 24:40〜
ドキュメンタリー「徹底的にボリショイ(Strictly Bolshoi)」
2007年バレエ・ボーイズ・プロダクション
ダンサー:ダーシー・バッセル、ニコライ・ツィスカリーゼ、マリア・アレクサンドロワ
音楽:アルヴォ・ペルト
振付:クリストファー・ウィールドン
プロデューサー:マイケル・ナン/ウィリアム・トレビット
演 出:オリバー・マンツィ
(もっとも重要なバレエ・カンパニーのひとつであり、バレエの原点と密接な関係をもつボリショイ・バレエ。 モスクワでの創作的工程の詳細にわたる映像やバレエ界の著名な人物のインタビューをおりまぜながら、 「バレエ・ボーイズ」のマイケル・ナンと ウィリアム・トレビット(かつてのロイヤル・バレエのスター) により制作されたこの映像は、 世界でもっとも名高い芸術の確立のために、 創作における試行錯誤や試練を視聴者に臨場感あふれる模様で伝えている。 2008年国際エミー賞受賞作品)


ボリショイ・バレエ「スペードの女王」(再)
振付:ローラン・プティ
出演:ニコライ・ツィスカリーゼ、イルゼ・リエパ、スヴェトラーナ・ルンキナ

****

ハイビジョン・ウイークエンド・シアター
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/hvwth/hvwth-2009-03.html

2009年 3月7日(土)22:00 〜
サンクトペテルブルク「白夜祭」2008
ワレリー・ゲルギエフ指揮 バレエ「火の鳥」「結婚」「春の祭典」
バレエ:マリインスキー劇場バレエ団

管弦楽:マリインスキー劇場管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
[ 収録: 2008年6月, サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場 ]

 
ベスト・オブ・モーリス・ベジャール〜 愛、それはダンス 〜
振付:モーリス・ベジャール
照明:クレマン・ケロル
衣装:アンリ・ダヴィラ
[ 収録: 2005年, フランス ]


2009年 3月14日(土)22:00 〜
英国ロイヤル・バレエ「マノン」
マノン:タマラ・ロホ
デ・グリュー:カルロス・アコスタ
レスコー:ホセ・マルタン
振付:ケネス・マクミラン
指揮 :マーティン・イェーツ
音楽(編曲):レイトン・ルーカス
[ 収録: 2008年11月1日ほか, ロイヤル・オペラ・ハウス ]

新国立劇場公演 バレエ「ラ・バヤデール」(再)
ニキヤ:スヴェトラーナ・ザハロワ
ソロル:デニス・マトヴィエンコ
[ 収録: 2008年5月20日,24日 新国立劇場 オペラ劇場(オペラパレス) ]


2009年 3月21日(土)
モナコ公国モンテカルロ・バレエ団「ル・ソンジュ (夢 Le Songe)」
管弦楽:モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ニコラ・ブロッショ
振付・演出:ジャン・クリストフ・マイヨー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣装:フィリップ・ギヨテル
照明:ドミニク・ドゥリョ
[ 収録: 2008年10月上旬, グリマルディ・フォーラム (モナコ) ]

パリ・オペラ座バレエ「椿姫」
振付 : ジョン・ノイマイヤー
[ 収録: 2008年7月2,5日 パリ・オペラ座 ]

追記:ハイビジョンでもう一つ放送があります。

ジョン・ノイマイヤーの世界- バレエの未来 そして愛 -
◇放送日:3月12日(水) 10:00a.m.~11:50a.m.
◇放送局:NHK BSハイビジョン

↑すみません、コメントで指摘を頂きましたが、これは間違いです。代わりにこちらがあります。

ハイビジョン クラシック館
2009年 3月1日(日) 08:00 ~ 09:55 パリ・オペラ座 Bモード・ステレオ
バレエ 「シルヴィア」
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/hvkan/index.html


実はうちのDVDレコーダーが半分故障していて、録画・ダビングができない状態です。それまでに買い換えなければなりません。しかも、家人が、今から買うならブルーレイでしょう、でもお金は出さないよ、というわけで物入りとなります。

NYCBの春シーズンにイリ・ブベニチェクの新作

NYCBのスプリング・シーズン(4月28日から6月21日まで)の予定が発表され、新作が2本上演されます。

Two World Premiere Ballets To Highlight 2009 Spring Season At New York City Ballet
http://www.nycballet.com/news/press/pr01-26-09.html

1本は、パリ・オペラ座にも作品を提供しているNYCBのプリンシパル、ベンジャミン・ミルピエの新作、もう一つは、元ハンブルク・バレエで現在はドレスデン・バレエのプリンシパルであるイリ・ブベニチェクによる新作です。この2作品は、5月13日のガラで上演されるとのことです。二人とも、NYCBのために作品を振付けるのは初めてです。

イリ・ブベニチェクは、NYCBの関連しているNew York Choreographic Instituteのセッションに2007年、2008年の秋に参加してきたとのことです。

なお、5月21日には、ピーター・マーティンスが振付けた「ロミオとジュリエット」がPBSにて生放送されるとのことです。

NYCBといえば、最近、シュツットガルト・バレエのプリンスパル、ダグラス・リーが振付けた新作も上演したのですよね。バランシンやロビンスの作品を中心に上演しているとはいえ、アレクセイ・ラトマンスキーやクリストファー・ウィールダンなどの若手振付家の作品も取り入れているし、なかなか意欲的です。

ダグラス・リーのNYCB新作「Lifecasting」の記事
http://www.timeout.com/newyork/articles/dance/70784/cast-away

ダグラス・リーも、イリ・ブベニチェクの参加したNew York Choreographic Instituteに参加しており、今まで9人の参加者(その中には、ラトマンスキーやウィールダンもいます)の作品がNYCBで上演されたとのことです。


ところでNYCBといえば、10月に予定されているという来日公演。ずっと特報のチラシは配布されているものの、それ以上の情報がなかなか入ってきませんね。まだまだ先ではありますが、日程くらいは教えてもらえると嬉しいな、と。

2009/01/30

ローザンヌでの吉田都さんのインタビュー/東京バレエ団「ジゼル」キャスト

1月27日から2月1日まで第37回ローザンヌ・バレエコンクールが開催中ですが、審査員を務める吉田都さんをインタビューした記事がありました。

http://www.swissinfo.ch/jpn/news/swiss_news.html?siteSect=201&sid=10260750&cKey=1233235791000&ty=st

さすがに自身もローザンヌコンクール出身者だけあって、説得力のある言葉が並んでいます。

実は前回審査員をした時もそうでしたが、審査員の間で選抜に意見が割れるということはあまりないのです。『この子だ』というのは踊りを見るとすぐ分かり、審査員の意見が一致します。」

たしかに上位で入賞する出場者は、素人である私たちが見ても、ひきつけるものを持っていますよね。

表現力を育てるのは、トレーニングであり、文化や日常の経験ですね。私自身、稽古場の雰囲気もそうですが、一歩外に出た街や、人や、空気やそれらすべてから吸収しました。みんなと一緒に生活しながら、吸収していくものが大きかったです。」

この表現力が、多くの日本人ダンサーの弱点のようです。

swissinfo : 今後、海外に出るダンサーへのアドバイスをいただけますか。
吉田 : 稽古はとにかく大切です。毎日の積み重ねというのは地道な作業ですがそれがなかったら何を上に足しても崩れてしまう。また、日々の生活の中からどれだけ多くのことを吸収するかでしょう。
 
ただ最近の若い人は、海外で踊れるチャンスがあるのに何年かすると日本に帰ってしまうのはとても残念です。クールというのでしょうか。

でも何があってもがんばるといった熱いものがないと、海外でやっていくのは難しいです。熱いものがないと、外国のダンサーのアグレッシブさ ( 攻撃性 ) や、相手の熱さの中で埋もれてしまうと思います。

色々な困難に遭遇した場合、へこんでしまってそこで引いてしまったら、後はないですから。そこで自分のモチベーションを上げて、持続していくということが大切だとこの頃つくづく感じます。

ローザンヌコンクールの様子は、ビデオブログで動画で見ることもできます。
http://www.prixdelausanne.org/v4/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=16&Itemid=82&lang=en

******

アッサンブレ会員の友達から、6月の東京バレエ団の「ジゼル」のキャストを教えてもらいました。

◆会場:ゆうぽうとホール
◆日時:6/11(木)7:00p.m、(土)3:00p.m.、6/14(日)3:00p.m.
◆キャスト
ジゼル:上野水香 6/11、6/14 吉岡美佳  6/13        
アルブレヒト:フリーデマン・フォーゲル 全日  
ヒラリオン:後藤晴雄 6/11、6/14  木村和夫 6/13
ミルタ:田中結子6/11、6/13  高木綾 6/14

◆入場料(税込)
S¥12,000 A¥10,000 B¥8,000 C¥6,000 D¥5,000
エコノミー券¥3,000 学生券¥2,000
S席ペア券¥23,000 A席ペア券¥19,000

◆前売開始日:2009年2月28日(土) 10:00a.m.
http://www.thetokyoballet.com/news/

去年9月に「ジゼル」を上演したばかりで、また「ジゼル」なのですね。ゲストは4月の45周年記念ガラ「エチュード」に続きシュツットガルト・バレエのフリーデマン・フォーゲル。フォーゲルはENBでも踊り、シュツットガルトで踊り、東京バレエ団で踊りと大忙しですね。2007年にマラーホフの代役で彼が踊ったアルブレヒトは良かったとは思いますが…(でも、シュツットガルトのほかのダンサーだったら観たかったかも、なんてね)。東京バレエ団の名物ミルタだった井脇幸江さんが、今回はミルタでは出演しないのですね。世代交代の波を感じますが、どうせ世代交代させるなら、西村真由美さんのジゼルも観たかったです。これでもし今後木村さんがヒラリオンを踊らなくなったら、ますます寂しいですね。

******

今日、レニングラード国立バレエの「ライモンダ」を観に行ったら、新国立劇場の来シーズンの案内チラシをもらったのですが、2009/2010シーズンのチラシって今年見るのが初めてです。なぜ、現シーズンでセット券を購入している人や、アトレ会員に送って来ないんでしょうね。よくわかりません。というか顧客サービスを忘れていると思います。

セット券を買おうにも、キャスト未定のところが多く、キャスト発表されても変更はできないので、買うのに躊躇します。その上、マイダンサーセットは、去年のようなダンサーのサインなどの特典がなくなってしまいました。キャストが決まっていないのにマイダンサーもないでしょう、と思ってしまいます。ゲストはザハロワしかいなさそうだし、そのザハロワも、「ドン・キホーテ」と「白鳥の湖」と変わり映えのしない演目だし、マトヴィエンコは出なくなっているし。とりあえず、プルミエのセット券継続購入は見送りました。多分マイダンサーで、とことんマイレンセットを買うと思います。

ってわけで、日本のバレエ団は、今後ますます観なくなるだろうと思った2009年1月でした。

世界のプリマバレリーナたち vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン

世界のプリマバレリーナたち vol.1のヴィシニョーワvol.2のロパートキナがとても面白かったので、vol.4のオブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスンも買ってみた。なんでvol.3がないかって?いや、テリョーシキナの「グラン・パ・クラシック」は観たいですよ。でも、ソーモワの(以下自粛)。←(冗談です。お財布に余裕があるときに、買います)

ワガノワ・バレエ・アカデミーの同じクラスで学んでいたOlesia Novikovaオレシア・ノーヴィコワとYevgenia Obraztsovaエフゲーニャ・オブラスツォーワ。ノーヴィコワを指導するのは、往年のプリマで、ワガノワの直弟子でもあるオリガ・モイセーエワ。オブラスツォーワの教師は、現役ダンサーでもあるエルヴィラ・タラソワ。ノーヴィコワも、オブラスツォーワも、二人とも若くて(共に入団は2002年)、どちらかといえば小柄なほうでとても可憐な雰囲気を持っているけど、タイプはちょっと異なる。

vol.1とvol.2はマリインスキーどころか世界を代表するトップバレリーナの二人が、自分たちがどのように役を解釈し、どういうテクニックを使ったり注意して踊っているかについて語ってくれている。今回の二人は主役も数多く踊っているファーストソリストとはいえ、若手なので、教師の指導を受けているところを見せてくれるという、いわば「スーパーバレエレッスン」形式。

白い肌に黒髪、大きな瞳のノーヴィコワは、まずは「ジゼル」の1幕のヴァリエーション。彼女を指導するモイセーエワは80歳を過ぎている往年の大プリマなのだけど、とてもかくしゃくとしているし、自分で演技を見せてくれていてとっても元気が良い。ノーヴィコワの踊りを見て、そのように控えめな表現は昔流のやり方なので、今はもっと今らしい表現にしなければ、と注意したりする。最初のパンシェアラベスクでは、もっとアラベスクを高く上げて、と指示したり。ノーヴィコワは叙情的なダンサーで、まず上半身の使い方、腕がとても美しい。マリインスキーのバレリーナだ、と思う。素人目に見れば十分上手く踊れていると思っても、教師から見るとまだまだ物足りないようで、注意を受けては何回も何回も同じところを繰り返す。「(ポワントで片脚で立ち、もう片脚はアティチュードドゥヴァンで進むところで)オペラ座では、この場面でもっと前に進めていたわ」などとモイセーエワは注意をしていた。
もう一つは「ドン・キホーテ」の3幕のキトリのヴァリエーション。扇子を持って、エシャッペではなくパッセを繰り返す方をやっている。小刻みのパ・ド・ブレでキトリが前に進むという動きはとても愛らしいのだけど、実は鋼鉄のように強靭な脚じゃないと踊れないそうだ。短いヴァリエーションの中に、非常に難しいテクニックが詰まっている。モイセーエワによると、ノーヴィコワはとても努力家なのだそうだけど、この映像を観ても、とにかく一生懸命に取り組んでいるのがとてもよくわかった。真面目なあまり、ジゼルの1幕のヴァリエーションでも必死の形相になっているところがあって、だけどうまく踊れるようになってくると、自然と笑みがこぼれる。

金髪でお人形さんのように可愛い小柄なオブラスツォーワは、一つ目は「サタネラ」のヴァリエーション。この曲だけは、レッスンの音楽がピアノではなくテープだった。現役のバレリーナであるタラソワの指導は、かなり厳しくて、踊っている間中、ものすごくたくさんの指摘や注意が入る。しかしタラソワによると、オブラスツゥーワはとても頭の良いバレリーナなので、2,3回、多くても5回くらいやれば正しい踊りができるようになるそうだ。このヴァリエーションは、音楽はゆっくりしているのに、ピルエットがとても多くて、3回転なども入るので、軸がずれないように回るのが大変そう。腕の使い方、背中の使い方、アンドゥオールなど、本当に細かく注意をされていた。音楽性がとてもあるバレリーナなのは、レッスンをしているところを見てもよくわかる。
二つ目は、「アレキナーダ」のコロンビーヌのヴァリエーション。とても速い音楽に合わせて、きびきびと動かなければならない。オブラスツォーワはアレグロはとても得意のようで、特に最後のシェネはとても上手でタラソワにも毎回褒められていた。これだけのすばやい動きのヴァリエーションを何回も何回も踊って練習すると疲れそうだけど、そういうところは全然見せないのがさすが。

二人とも、レッスンの時には途中でうまくいかなくなって、音楽を止められちゃったり、「なかなかうまくできません」と言うこともあって、一流のバレリーナでもそういうことがあるんだなとちょっと親しみを持つことができた。毎日のこのような地道な努力の結果が、美しい舞台につながっていくのだと感じた。注意をされていくうちにみるみる完成度が高くなっていくところを見ると、プロはすごいなって思う。そして、そんな彼女たちを的確に指導できるバレエ教師というのも、さらにすごい存在なんだと改めて思った。

vol.1とvol.2ほどの華やかさはないけれども、面白く見ることができたし、一生懸命なところを見せてくれた二人のバレリーナには、とても好感を持つことができた。きっとこの二人は、今年の年末のマリインスキーの来日公演でも大きな役を踊ることになるから、観られることだろう。

追記:書き忘れていたのだけど、少しだがマリインスキーでのバーレッスンのシーンが観られる。オブラスツォーワ、ノーヴィコワのほか、テリョーシキナ、それからダニーラ・コルスンツェフがちょっと映っているのが個人的に嬉しい。あとファジェエーエフも?

[レッスン内容]
●オレシア・ノーヴィコワ(指導:オリガ・モイセーエワ)

「ジゼル」第1幕より ジゼルのヴァリエーション
「ドン・キホーテ」第3幕より キトリのヴァリエーション

●エフゲーニャ・オブラスツォーワ(指導:エルヴィラ・タラソワ)

「ヴェニスのカーニバル」より サタネラのヴァリーション「アルレキナーダ」より コロンビーヌのヴァリエーション

*それぞれ舞台映像、レッスン、インタビューを収録。

2008年ロシア制作
音声:ドルビーデジタル MONO 映像:4:3 カラー

収録時間:70分 日本語字幕

世界のプリマバレリーナたち vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン [DVD]世界のプリマバレリーナたち vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン [DVD]
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2009/01/29

第9回 マリインスキー・フェスティバル/ロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」他

マリインスキーのオフィシャルサイトのプレイビルに、第9回 マリインスキー・フェスティバルのスケジュールが載りました。マリインスキー劇場から出ていたプレスリリース等の情報から、また変更になっていたり、未定になったところがあります。
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/?year=2009&month=3

第9回マリインスキーバレエフェスティバル Ninth INTERNATIONAL MARIINSKY BALLET FESTIVAL
2009年3月14日 - 22日 (1月29日現在、変更の可能性大)

3月14日 14 MARCH - “Little Hunched-back Horse”(premiere) 「せむしの仔馬」初演 , 1st cast
music Rodion Schedrin 音楽:シチェドリン
choreography Alexey Ratmansky 振付:ラトマンスキー
CONDUCTOR: VALERY GERGIEV 指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ

3月15日 15 March - “Little Hunched-back Horse”「せむしの仔馬」 repeat, 2nd cast(プレイビルには14日とありますが、おそらくは間違い)

3月16日 16 March - Diana Vishneva's 'Beauty in Motion' program ディアナ・ヴィシニョーワの「Beauty in Motion」プログラム →消えました。ヴィシニョーワのオフィシャルの予定にも載っていません。

3月17日 17 March - “Don-Quixote” (according to the first post, this will feature Bouder/Sarafanov)「ドン・キホーテ」(最初の発表ではアシュレー・ボールダー(NYCB)、レオニード・サラファーノフ)

3月18日 18 March - “Swan Lake” (according to first post, this will feature Tereshkina/Hallberg)「白鳥の湖」(最初の発表ではヴィクトリア・テリョーシキナ、デヴィッド・ホールバーグ(ABT)でしたが、ロシアのフォーラムでは、テリョーシキナ、マチュー・ガニオということになっているようです

3月19日 19 March - Uliana Lopatkina Gala ウリヤーナ・ロパートキナ・ガラ

3月20日 20 March - La Bayadere, 1940s version (オフィシャルサイトには18日とあるけど、おそらくは20日の間違い)

3月21日 21 March - 未定 Giselle (in place of a 2nd "Don-Quixote" that was to have been with Vishneva/Gomes) 「ジゼル」(当初はディアナ・ヴィシニョーワとマルセロ・ゴメスの「ドン・キホーテ」の予定)
3月22日 22 March-未定 ALL STARS BALLET GALA  オールスターガラ

追記:Lyubovさまのエントリによると、ロシア語版オフィシャルが、正確な情報が載っているようです。ただし、キャストは未定。
http://www.mariinsky.ru/ru/playbill/festivale/fest226/ix_international_ballet_festival_mariinsky/

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ロシアといえばボリショイ・バレエの話ですが、ここのところの世界的な景気低迷を受けて、ボリショイ・バレエも大変経済的に厳しいようです。ボリショイ・バレエのメキシコツアーは中止され、そして4月に初演される予定だったオペラの新制作「オテロ」も上演中止になってしまいました。2005年に始まったボリショイ劇場の改装工事は、2011年に完了する予定ですが、未だめどは立っていないようです。

http://www.nytimes.com/2009/01/28/arts/dance/28arts-BOLSHOICANCE_BRF.html?_r=1

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さて、チェ・ユフィさん、小林ひかるさん、そしてセルゲイ・ポルーニンがそれぞれ初役で踊ったロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」ですが、3人の踊りも演技も大好評だったようです。当ブログにも、ご覧になったルルさんが早速コメントを寄せてくださっています。セルゲイ・ポルーニンはまだ19歳なのですよね。現在、ローザンヌ・コンクールがローザンヌで開催中ですが(1月27日より2月1日まで)、彼が金賞を受賞したのは、まだ3年前(2006年)のことでした。ユフィさんは2002年のスカラシップとコンテンポラリー賞です。

まだチェ&小林&ポルーニンの写真はないのですが、ハンブルク・バレエのシルヴィア・アッツオーニがイヴァン・プトロフのパートナーとして客演した時のを含む「ラ・バヤデール」のジョン・ロス氏による写真がballet.coにアップされています。(他にタマラ・ロホ、カルロス・アコスタの回の写真もあります)
http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_royal_ballet_la_bayadere_roh_0109

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ユフィさんと同じ年にローザンヌのスカラシップを受賞した、ロシア出身のマリーヤ・コチェトコワMaria Kochetkova は現在サンフランシスコ・バレエのプリンシパルですが、
http://www.mariakochetkova.com/
全米キー局のNBCの「Superstars of Dance」という番組にロシア代表として出場して勝ち抜き、金賞を受賞したそうです。これは、様々なジャンルのダンサーが8カ国対抗で、トーナメント形式で競うもののようですね。「アメリカン・アイドル」のプロデューサーが企画した番組のようです。彼女は、キトリやメドーラのヴァリエーションをテレビで踊ったとのこと。クラシック・バレエのダンサーで出演したのは彼女だけのようです。
http://www.nbcbayarea.com/around_town/the_scene/SF-Ballet-Star-Brings-Gold-Home.html

サンフランシスコ・バレエは、シーズンがちょうど始まったばかりです。

2009/01/28

「エグザイル/絆」(放・逐)

「エグザイル/絆」(放・逐)[2006.香港]
http://www.exile-kizuna.com/

監督:ジョニー・トー

CAST:アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ニック・チョン、ラム・シュー 、ロイ・チョン、ジョシー・ホー、リッチー・レン、サイモン・ヤム、ラム・カートン、エレン・チャン、エディー・チョン

「ロンゲスト・ナイト(暗花)」、「ヒーロー・ネバーダイ」の"ダーク・トリロジー"3部作の頃から、ジョニー・トー監督作品はできるだけ観るようにしている。今までのジョニー・トー作品ベスト3を選べといわれたら、「ザ・ミッション/非情の掟」「ヒーロー・ネバーダイ」そして「暗戦/デッドエンド」なのだけど(コメディ「痩身男女」も、もちろん捨てがたい)、「エグザイル」はベスト3に食い込む、ジョニー・トーワールドの集大成。この映画については、不用意な感想を聞かせるような人とは友達にもなりたくない、と思うほど。東京フィルメックスで観てから2年。やっと劇場で再会することができた。

「エグザイル/絆」は「ザ・ミッション」と兄弟のような作品。メーンキャストのうち、アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ロイ・チョン、ラム・シュー、サイモン・ヤムまでもがかぶっているのだから。そして、男たちの死をも恐れぬ友情譚という点でも、共通している。

「ザ・ミッション」では、暇をもてあました男たちが紙屑でサッカーを始める名シーンがあったけど、「エグザイル/絆」でも、終盤、男たちがウィスキーをサッカーボールのように投げて回し飲みし、最後には空き缶をパスするように蹴って合図にするという激シブな演出がある。「ザ・ミッション」も台詞の少ない映画であったが、「エグザイル/絆」では、極限にまでそぎ落とされている。男たちの友情には、もはや言葉は要らない、しぐさと目線だけでそれは伝わってくるのだ。

(微妙にネタバレです)

ボスを銃撃して追われている男、ウーの家に、彼を暗殺するためにボスに遣わされた男二人と、彼を追っ手から護るためにやってきた男が二人。この合計5人は、実は子供の頃からの親友。ウーの妻と生まれたばかりの子供がいるアパートの部屋で、3つ巴の銃撃戦が始まった時の芸術的なまでにスタイリッシュな映像。同じ銃弾の数になるように、一つずつ銃身から弾を抜いていくという彼らの律儀さ。静寂と緊張感に続く銃弾の雨。だけど、赤ちゃんの鳴き声を合図に、いつのまにか懐かしい旧友たちのつかの間の邂逅になるという展開に、ぎゅっとハートをつかまされる。殺す、殺されるという関係を一瞬忘れて食卓を囲み、再会した友人たちで記念撮影までしてしまう。銃撃戦で壊れた部屋の修理やヤンの引越しの手伝いまでしちゃうし。この記念写真のシーンが、ラストシーンのフォトマシーンから吐き出されてきた、笑顔でのプリクラ写真につながるというのが、憎い。

これは男たちの友情の話、男泣きの話なのに、台詞も音楽も極限にまで削られ、涙もなく、乾いた描写。中国返還前のマカオという舞台設定が、またカラッとしてエキゾチックさを添えていてる。「ワイルド・バンチ」のように全員で蜂の巣になって、花火のように華やかに散る幕切れなのに、彼らの最期の顔は笑っている。心の底からしびれるようなスタイリッシュな銃撃戦で彩られているのに、くすっと笑える要素も盛り込まれているのがいい。闇医者での銃撃戦シーンもただただ凄まじいのに(カーテンの使い方のうまさと美しさと言ったら!)、瀕死のウーを闇医者が治療しているところへ、ボスも治療を受けにやってくるという哀しくもコミカルな展開。組織に追われ、行き場をなくしたときですら絶望感はなく、まるで遠足に出かけているかのようで、行き先はコインを投げて決める。迷いこんだ荒野の先が金塊強奪現場で、そこでただ一人生き残った軍の敏腕スナイパーを演じるリッチー・レンの渋いことといったら、もう。銃弾で会話するとは、このこと。演出が巧みだったら、台詞っていらないものなのね。

ウーへの友情に厚くて熱い男フランシス・ン(というかン・ジャンユーと呼びたい)、無言の存在感にしびれるアンソニー・ウォン…いつまでも少年の心を忘れなかった5人プラス1人の漢たちに乾杯!

アニエス・ルテステュのグループ公演でエルヴェ・モロー復帰/クリティックス・サークル・アワードをロイヤルのマーティン・ハーヴェイ、チェ・ユフィが受賞

細かい情報が色々入ってきていますので、それぞれ簡単に紹介します。

オペラ座のアニエス・ルテステュのグループ公演「CARTE BLANCHE A AGNES LETESTU」が2009年1月25日(日)にポワシーで行われたとのことですが、エルヴェ・モローが復活してアニエスと「椿姫」の黒のパ・ド・ドゥと「jジゼル」のパ・ド・ドゥを踊ったようです。以下にジェラール・マノニ氏による公演レビューが。

http://www.altamusica.com/danse/document.php?action=MoreDocument&DocRef=3959&DossierRef=3566

「椿姫」の写真も紹介されています。「椿姫」の初日で怪我してから今まで長かったですね。

他に、ローラ・エケ、フロリアン・マニュネ、ステファン・ビュリヨン、シャルリーヌ・ジザンダネ、オドリック・ベザール、ジョシュア・オファルト、マチルド・フルステ、アマディーヌ・アルビッソン、そしてパトリック・ド=バナとルグリ・ガラでお馴染みのメンバーが出演したようです。

作品も、古典だけでなく、サミュエル・ミュレの作品、そしてスジェのニコラ・ポールが振付けた作品、もちろんパトリック・ド=バナの作品も踊られたようで。パトリック・ド=バナの作品は、モーツァルトの「魔笛」の「夜の女王」(アイーダ・バディアとパトリック・ド=バナ)、それにヴィヴァルディの音楽に振付けた「マリー・アントワネット」(アニエス・ルテステュとパトリック・ド=バナ)で、興味をそそられます。「マリー・アントワネット」は、夫を処刑されたマリーの人生最後の日々を描いた作品だそうです。ステファン・ビュリヨンが踊ったニコラ・ポールの作品もとても良かったようですね。

*********

イギリスのダンス関連の賞Critics' Circle National Dance Awardが発表されました。
Spotlight Best Male Dancer Classical Award というクラシックの男性ダンサーに与えられる賞は、9月にロイヤル・バレエを退団し、現在ミュージカル「ダーティ・ダンシング」に主演しているマーティン・ハーヴェイが受賞しました。
現在のマーティンの姿をこのBBCの記事では紹介しています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7851223.stm
11年間ロイヤル・バレエに在籍し、ファーストソリストとして数多くの役を踊ってきたマーティンは、オーディションを受けて、この「ダーティ・ダンシング」の役を得たそうです。ちょうど中国ツアーの最中に、合格の知らせを受け取ったとか。7月の来日公演の直前になりますね。来日公演では「シルヴィア」のエロス役でとても印象的でした。

ガーディアン紙
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/26/royal-ballet-uk-dance-awards
では、その他の賞についても紹介があります。

男性ダンサーはロイヤル・バレエのエドワード・ワトソン、女性ダンサーはこのたび引退するENBのアグネス・オークス、クラシックの女性ダンサーはチェ・ユフィさん、カンパニー賞はENBが受賞しました。ユフィさんすごいですね!そしてまもなく彼女の主演した「ラ・バヤデール」のレビューがどこかに載ることでしょう。

De Valois award for outstanding achievement in dance
Richard Alston – artistic director, Richard Alston Dance Company

Dancing Times award for best male dancer
Edward Watson – Royal Ballet

Richard Sherrington award for best female dancer
Agnes Oaks – English National Ballet

Dance Europe award for outstanding company
English National Ballet

Best classical choreography
Christopher Wheeldon for Electric Counterpoint - Royal Ballet

Best modern choreography
Hofesh Shechter for In Your Rooms

Patron's award
Northern Ballet Theatre – received by NBT artistic director, David Nixon, from NDA patron, Beryl Grey

Artsworld Presentations award for best foreign dance company
New York City Ballet

Spotlight award: classical male
Martin Harvey – Royal Ballet

Spotlight award: classical female
Yuhui Choe – Royal Ballet

Spotlight award: modern male
Anh Ngoc Nguyen – Wayne McGregor / Random Dance

Spotlight award: modern female
Kate Coyne – Michael Clark Company and freelance

Working Title Billy Elliot award
Michael Guihot-Jouffray

Dance UK industry award
Janet Smith – Scottish Dance Theatre

授賞式の写真が、ballet.coのサイトに載っています。あのファルフ・ルジマトフもプレゼンターの中にいますね。そしてABTからロイヤルに移籍後ソリストに昇進し、活躍を見せているエリック・アンダーウッドもノミネートされたようで写っています。
http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_nda08_swt_0109

DDD 2009年3月号/森山開次さんの活動予定

最近バレエ関連記事が少なくて買っていなかった「DDD」ですが、最新号はバレエ関連も比較的多く、しかも充実していました。

なんと言っても、ハンブルク・バレエの8ページにわたる特集が良かったです。「椿姫」「人魚姫」の美しい写真。特に見開きページの「椿姫」の写真、これは初めて見るシルヴィア・アッツオーニのマルグリットでしょうか。そしてジョン・ノイマイヤーのインタビューは3ページ。

私には、抽象的バレエという概念が理解できません。バレエの中心にいるのは、常に人間です
ノイマイヤーの作品を語るときには、「古典バレエの読み替え」「シンフォニック・バレエ」「物語バレエ」の3つのジャンルがあると言われていますが、一見抽象的に見えるシンフォニック・バレエでも、音楽がかもし出す様々な感情があると彼は語ります。

アルマンを愛するがゆえに、マルグリットは身を引き、やがて孤独の中で死んでいきます。これは大時代な物語ではありません。21世紀の今も、ガンやエイズなどの不治の病の脅威の中で私たちは生きている。死は身近なもの。だから今日の観客はヒロインに共感できるのでしょう

芸術は、特にダンスという芸術はとても人間的なもの。自分を創作へと駆り立てる感情に立ち戻るべきだと私は信じています

他にも、「人魚姫」について、ダンサーについて、そして若い振付家へのメッセージをノイマイヤーは伝えています。ノイマイヤーという振付家に興味がある方は、ぜひ読んで欲しいと思いました。

さらに、「人魚姫」の初演キャストであるシルヴィア・アッツオーニ、シルヴィアの公私とものパートナーのアレクサンドル・リアブコ、そしてサーシャをパートナーに「椿姫」に出演し、マルグリットを演じるジョエル・ブーローニュのインタビューも。


ボリショイ・バレエの来日公演もけっこう大きく扱われていて、瀬戸秀美さんの生き生きした公演写真のほか、芸術監督のラトマンスキー、マリーヤ・アレクサンドロワ、セルゲイ・フィーリン、エカテリーナ・クリサノワ、そして岩田守弘さんのショートインタビューが載っています。岩田さんの、「(「明るい小川」の)舞台になった時代のアコーディオン奏者はすごく大切にされた時代。もう、田舎の女の子なんて夢中になっちゃって、モテモテで当然!みたいな」というコメントが面白いですよね。

表紙は、躍動感溢れる森山開次さんの写真。森の中で、まるで自然の中に同化するように舞う森山さんのフォトシューティングが素敵です。(webでちょっとだけ見られます)
2月9日からの「森山開次作品集」で上演される3つの作品について、色々と語ってくれています。どれも「能」にインスピレーションを受けたということで、興味深いですね。特に能楽師・津村禮次郎と作り上げたという「OKINA」は凄そうです。私も初日に観に行く予定なのでとても楽しみです。

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森山開次さんのサイトから送られてきた、今後の活動の情報です。

◎NHK「食彩浪漫~母へ感謝を込めてつくる懐かしい味」
-1/31(土)午前9:30~9:50<総合>
(再放送)
-2/4(水)午前3:35~3:55<BS2>
-5(木)午前3:10~3:30<総合>※深夜放送のため ニュースなどの影響で変更の可能性あり。
-6(金)ひる12:25~12:45<教育>
☆森山開次が心をこめてつくる味。新国立劇場公演への想いをこめて語ります。

2月9日~15日「森山開次作品集」(東京・新国立劇場)・・・一般ほぼ完売。当日発売のZ席各回あり。詳細は新国立劇場ホームページにて。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000088_dance.html

NHK「課外授業・ようこそ先輩」2/22NHK総合放送!

7~8月19日 東宝ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」(帝国劇場)出演決定!

8月22・23日 佐渡島にて薪能出演決定!(詳細未定)

10月11月「サロメ」(東京グローブ座、地方公演あり)出演決定!

2009/01/27

NBS WEBチケット・サービス 2月2日よりスタート

NBSのサイトにお知らせが載っていました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/2009/01/nbsweb.html

NBSでは、2009年2月より NBS WEBチケットサービスをスタートいたします。 「NBS WEBチケット」サービスは、パソコン・携帯電話から24時間いつでも、クレジットカードを使ってチケットを購入できるほか、セブンイレブン店頭で予約したチケットの受取りができる大変便利なサービスです。予約時に座席指定予約が可能ですので、最新の残席状況を確認しながら、ご希望のお席をお選びいただけます。 2月2日(月)よりWEB会員登録を開始、2月28日(土)に前売を開始する東京バレエ団「ジゼル」よりチケットをお求めいただけます。 3月2日(月)からは、NBSが主催する全公演のチケットをご購入いただけるようになりますので、ぜひ、ご利用ください!

○●○NBS WEBチケットサービスはこんなに便利!○●○
✲ 24時間いつでもパソコン・携帯からチケットをお求めいただけます。
✲ ご希望のお席を選んでご予約いただけます。
(*NBSチケットセンターと残席は共通ではありません)
✲ セブンーイレブン店頭でチケットをお引取いただけます。
✲ NBS WEBチケット会員にご登録いただくと、一般予約に先駆けて行う、先行抽選予約をご利用いただけます。
(*先行抽選予約はお席をお選びいただけません)
✲ NBS WEBチケット会員の方にはメールマガジンをお届けします。

※NBS WEBチケットサービスの利用方法詳細は、2月2日のWEBチケットサービスと同時にリニューアルするNBSホームページでご紹介します。

ということだそうです。
NBSのチケットセンターと残席は共通ではないので、やはり一番良い席はNBSのチケットセンターが持つことになるのでしょうか?
でも、人気公演の場合には先行抽選予約が使えるのが良いですね。NBSチケットセンターは日曜日はお休みだし、発売初日はチケットを選べないことを考えると、なかなか便利だとはいえます。

*********
ついでなので、ジャパンアーツのバレエブログからのお知らせも。

「ザハーロワのすべて」の新しいチラシができています。前の真っ赤なチラシの方が綺麗だと思いますが…
New_zakharova_2

それから掲載情報として、「DANZA」と「DDD」でのボリショイ・バレエの来日公演の記事、それから「ELLE JAPON
」2月号の「エルが恋する男たちのコーナー」でABTのダニール・シムキンが取り上げられているそうです。「ELLE JAPON」はまだ見ていないので、チェックしなくちゃ!(実は私は雑誌おたくなのです)

DANZA 20号

DANZA 20号(2009年2、3月号)のカバーストーリーはマチュー・ガニオ。麗しいです。面白いのが、本誌内の写真は不精髭をはやしているのに表紙はすっきりきれいに髭を剃っていること。インタビューは多分エトワール・ガラの時で、その時点ではこれから演じる「天井桟敷の人々」の話をしています。「エトワール・ガラ」の「メリーウィドウ」は当初はエルヴェ・モローが踊る予定だったんですね。

Danza0903001

古典を踊るのは得意かと聞かれ、「とんでもない!それはいつも挑戦です」と答えるところが謙虚ですね。ストーリー性のあるバレエが好きで、人物の感情を作り上げるのが自分にとっての人生経験になるとのこと。また、エトワール・ガラや「ラ・フィユ・マル・ガルデ」で共演したスヴェトラーナ・ルンキナのこと、ドキュメンタリーDVDで共演した母ドミニク・カルフーニのこと、母にプティ作品の見せ方や感情変化などについてアドバイスをもらった、印象深かった「プルースト〜失われた時を求めて」の初演のことなど、いろいろと語ってくれています。

インタビューは、他に新国立劇場の川村真樹さん。現ロイヤル・バレエの佐々木陽平さんに色々と教えてもらっていた、ロイヤル・バレエスクールでの留学のこと、そして「眠れる森の美女」でのリラの精への抜擢。去年の「白鳥の湖」では初めて32回転フェッテに挑戦したそうです。これから「ライモンダ」への主演も控えていますが、表現力を養うことが最大の課題とのこと。たおやかで美しい彼女の成長は楽しみですね。

牧阿佐美バレエ団の菊地研さんのインタビューのほか、クラウド・ゲイト・ダンス・シアターの芸術監督リン・ファイミンと勅使川原三郎の対談という面白い企画も。クラウド・ゲイト・ダンス・シアターは、Bunkamuraのサイトに特集ページができて、「WHITE」の動画を見ることができます。とても美しいですね。

「明日のエトワール」には、「ザ・レイクス・プログレス」で好演した、小林紀子バレエシアターの萱嶋みゆきさんが登場。

特集はパリ・オペラ座学校公演ですが、これはちょっととおり一遍の記事でイマイチでした。

3月15日の東京バレエ団の「白鳥の湖」で、オデットを踊る高木綾さんとオディールの田中結子さんのインタビューもありました。(田中結子さんは、「ダンスマガジン」にもインタビューが載っています)

公演レビューは新国立劇場の「アラジン」と「シンデレラ」「ニューイヤーガラ」。シュツットガルト・バレエの「眠れる森の美女」「オネーギン」やナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニー、ボリショイ・バレエなど来日公演に混じり、篠原聖一さんの「カルメン」や越智バレエ団の「新・白鳥の湖」、武蔵野シティバレエなど、ダンスマガジンではなかなか紹介しきれない国内公演、コンテンポラリー公演もあって面白いです。

パリ・オペラ座の「ライモンダ」「ベジャールへのオマージュ」も、初日特別プログラムの「さすらう若者の歌」を含め、写真入りの記事がありました。オランダ国立バレエの「くるみ割り人形とねずみの王様」のレビューもありましたが、クララ役がラリーサ・レジニナでした。筆者は新国立劇場の「シンデレラ」客演直前の12月11日の公演を見たようです。

国内ニュースでは、谷桃子さんのトークイベントとバレエ団60周年記念パーティーの模様もあり、谷桃子さんの優しげな姿の他、熊川哲也さんの写真も。他の雑誌などでは読めない貴重な情報あり、充実した号でした。

ヒューストン・バレエの「ラ・バヤデール」では本物の蛇が出演!?

ちょっと面白いバレエ記事を見つけました。

先だってご紹介したドミニク・ウォルシュが以前所属していたヒューストン・バレエは、北米でも5番目に大きいという有力カンパニーなのですが、その2009/2010シーズンのパンフレットでの「ラ・バヤデール」の写真では、本物の蛇が数匹、ダンサーの身体を這い回っています。

Snakes co-star in Houston Ballet photo shoot
The Houston Chronicle
http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/arts/theater/6229814.html
(蛇と共演したダンサーたちのスライドショーが見られます)

この「ラ・バヤデール」は、ヒューストン・バレエの芸術監督でもあり、またオーストラリア・バレエの「眠れる森の美女」や、ABTなどで上演されている「クリア」を振付けたことでも有名なスタントン・ウェルチの新振付です。(スタントン・ウェルチの弟は、オーストラリア・バレエのプリンシパル、ダミアン・ウェルチ)

ウェルチは語ります。「蛇は、『ラ・バヤデール』の作品の中でもとても重要な要素です。彼らは誘惑を象徴し、ミステリアスで不気味です」

撮影には、4匹の蛇が使われましたが、毒蛇ではありません。しかし、撮影に際しては、蛇使いが大蛇ボアコンストリクターの小屋まで持参したそうです。「ラ・バヤデール」では蛇は花篭の中に仕掛けられて、ニキヤを噛むという設定なので、大蛇は撮影には使われませんでした。バレリーナのMireille Hassenboehlerと共演した蛇は、同類を飲み込む種類の蛇だったため、一番恐ろしかった上、衣装の中にまで入り込んでいたそうで、恐怖の表情を浮かべるようにといわれた彼女は、実際とても怖かったそうです。

しかしながら、予想以上にダンサーたちは蛇を上手く扱ったため、ウェルチは、実際の舞台でも本物の蛇を使うかも、と語ったそうです。

2009/01/26

ダンスマガジン2009年3月号/ジョン・ノイマイヤーを迎えて

表紙は「ドン・キホーテ」のキトリに扮したナタリア・オーシポワ。助走もなしでこのダイナミックな跳躍を見せたとか。特集もオーシポワが大活躍したボリショイ・バレエの来日公演。インタビューはフィーリン、ザハロワ、アレクサンドロワ、オーシポワ、ワシーリエフ、岩田守弘さん、そしてラトマンスキー。

フィーリンによると、モスクワ音楽劇場は2010年に来日する予定だそうです。今のところは踊る予定はなし。ただ、まったく踊るつもりがないということはないそうなので、ちょっとだけ期待しましょう。「プログラムによっては僕が踊るかもしれません」とのことなので。アレクサンドロワは、今回、アルチョム・シュプレフスキーと踊るのは初めてだとのこと。今までは"お互いを知り尽くしていた"セリョージャ(フィーリン)だったのですよね。ただ今年頭の「白鳥の湖」はアルチョムではなく、ルスラン・スクヴォルツォフがパートナーだそうで。パリ・オペラ座の「ライモンダ」も本来はルスランと出る予定だったのですよね。いろいろなパートナーと踊らなくてはならなくて結構大変そうです。

ナタリア・オーシポワのABT出演は、ニーナ・アナニアシヴィリの推薦だったんですね。今年ABTを去るニーナからのプレゼントだったというわけです。そのほかにも、チューリッヒ・バレエでもゲスト契約、さらには仲がいいというイーゴリ・ゼレンスキー率いるノヴォシビルスク・バレエにも客演しているそうです。そのオーシポワと仲良しのワシーリエフは、オーシポワのABT出演を応援しに行くそうです。ザハロワは、ちょうど来日公演を行っていたゲルギエフ指揮、ワディム・レーピン出演のロンドン交響楽団のプロコフィエフ・プロを聴きにいったんですね。彼女が主演した「白鳥の湖」には、ゲルギエフも来ていましたね。岩田さんは、もっと振付をしたいとのことで、ルジマトフともまた一緒に仕事をしよう、と話をしているとか。岩田さんの「明るい小川」のアコーディオン弾き役の、胡散臭い存在感が出ている写真が楽しいですね。

パリ・オペラ座の「ライモンダ」と「ベジャールへのオマージュ」の記事は、また例によってジェラール・マノニ氏の批評。写真は、ジョゼ&マリ=アニエス、ジョゼ&オーレリ・デュポンを中心に、各キャスト。カール、そしてニコラのアブデラムの写真もあります。ベジャール・プロの「春の祭典」のニコラはすごい跳躍を見せていますが、おっさんになりましたね。ルグリの「これが死か」の写真も。マノニ氏いわく、ヌレエフの想像力を刺激したほどのカリスマ性を持っていたルグリやイレールに匹敵するダンサーを今日期待するのは無理だとのことですが、それは本当に仕方のないことですね。今回アブデラムを演じたカール・パケットはとても褒められていますが、一方ジャン・ド・ブリエンヌを踊ったステファン・ビュリヨンはまだいっぱいいっぱいだったと。ステファンのジャンも(大晦日に)観たかったです。

ルグリといえば、「ルグリ、ペッシュ&世界のスターたちによるノエル」も、瀬戸秀美さんの素敵な写真と共に紹介されています。

ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」は吉田都さんの金平糖の精のほか、期待されているチェ・ユフィ(崔 由姫)さん&セルゲイ・ポルーニン、怪我から復帰したスティーヴン・マックレーの3人の役デビュー、そしてリカルド・セルヴェラのくるみ割り人形の写真が載っていました。ユフィさんの金平糖の精は本当に可憐で、批評でも大絶賛されています。今週、彼女は「ラ・バヤデール」のニキヤを踊るのですよね。それから、リカルド・セルヴェラの演技力も高い評価を受けているのを知って、とても嬉しかったです。

ユフィさんといえば、Fさんに教えていただいたのですが、ロイヤルオペラハウスのサイトで、彼女の一日を追った映像があって、とても面白かったのです。
http://www.roh.org.uk/   から、

DISCOVER→Video Player→A WORLD STAGE→Summer→A day in the life of a ballerina です。

一日にたくさんの作品のリハーサルをやった上で本番に臨むという、バレリーナのハードな生活を紹介しています。パートナーとしてスティーヴン・マックレーも出ています。

吉田都さんの新連載「吉田都のロンドンー東京日記」も始まりました。今年の予定としては、1月にローザンヌ・コンクールの審査員、3月に名古屋での「グラン・ドリーム・バレエ・フェス」(佐々木陽平さんと「パキータ」)、そしてロイヤル・バレエの「オンディーヌ」への出演があるそうです。

あとは、ベルリン国立バレエ、ビゴンゼッテイ振付の「カラヴァッジオ」がカラーで紹介されているのをはじめ、ハンブルク・バレエの「ラ・シルフィード」、ドレスデン・バレエの「ラ・バヤデール」、ロパートキナ・ガラの記事もあって、なかなか読み応えがありました。

編集長対談は、60年代、70年代にジョン・ノイマイヤーのミューズとして「ロミオとジュリエット」などを初演し、現在はハンブルク・バレエ学校の副校長であるマリアンネ・クルーゼが登場しています。ノイマイヤーが振付を始めた頃のこと、そしてハンブルク・バレエがどうやって今の形になって行ったかなどについて面白い話が読めます。

DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2009年 03月号 [雑誌]DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2009年 03月号 [雑誌]

新書館 2009-01-27
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ノイマイヤーといえば次のような企画があるようです。

ハンブルク・バレエ ジョン・ノイマイヤーを迎えて
     ダンスビデオ上映とディスカッション
日時:2009年2月13日(金)17:30~20:00頃(開場17:00)
会場:ドイツ文化センター(東京)
 (アクセス) http://www.goethe.de/ins/jp/tok/knt/anf/jaindex.htm
   入場無料(定員制、要申し込み)
   日独同時通訳付

上映予定作品:「椿姫」「マタイ受難曲」「ベニスに死す」他

申し込み:info@tokyo.goethe.org

詳細は以下URLをご参照ください。
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja4017191v.htm

デンマーク・ロイヤル・バレエのセバスチャン・クロボー、ソリストに昇進&インタビュー

Ballet Talkのフォーラムを読んでいたら、デンマーク・ロイヤル・バレエのセバスチャン・クロボーが、1月24日土曜日、ノイマイヤー振付の「ロミオとジュリエット」の初日に主演した後、ソリストに昇進したそうです。

デンマーク・ロイヤル・バレエ団のサイトでのプロフィール
http://www.kglteater.dk/site/OmKunstarterne/Ballet/Personale/Korpsdansere/Sebastian%20Kloborg.aspx

NBSのサイトを見たら、ちょうどタイミングよく、彼のインタビューが載っていました。(まだ昇進のお知らせはなし)
http://www.nbs.or.jp/blog/0905_danish/contents/2009/01/post-4.html

両親がデンマーク・ロイヤル・バレエ団の前芸術監督フランク・アナセンとバレエ・ミストレスのエヴァ・クロボー。去年の夏に井上バレエ団に客演していた時も、この二人が来ていましたね。まだ22歳という若さで、身長は186cm、あまいマスクの持ち主です。入団一年目、コール・ドの地位の時から、ノイマイヤーに指名されて「ロミオとジュリエット」のロミオを踊っていたそうです。

「僕にとってジョン・ノイマイヤーの『ロミオとジュリエット』は"イチバン"なんです。ストーリーはもちろんのこと、振付からそのドラマ、ユルゲン・ローゼによる舞台セット、衣裳に至るまで、すべて信じられないくらい素晴らしい!」

楽しみですね!

このNBSのデンマーク・ロイヤル・バレエダンサイトには、「ロミオとジュリエット」のダイジェスト動画
http://www.nbs.or.jp/blog/0905_danish/contents/2009/01/post-2.html
「ナポリ」のダイジェスト動画
http://www.nbs.or.jp/blog/0905_danish/contents/2009/01/post-3.html
も載っています。

チケットは今週末、2009年1月31日(土) 10:00a.m.~より発売です。

2009/01/25

「幸せになっちゃ、おしまい」平 安寿子

以前「SWAN MAGAZINE」の最新号のところでもちょっと触れた、作家の平 安寿子さんのHanakoに連載されていたエッセイが、本になりました。平さんは、このエッセイを読んでみた方がいれば知っていると思いますが、バレエファンであり、特にハンブルク・バレエの大ファンで何回もハンブルクに観に行かれているほどの方です。時々このブログにもコメントを寄せてくださいます。

ちなみに、平さんのペンネームは、アメリカの作家アン・タイラーから取ったものだそうで、私も大学生の頃、市井の普通の人たちの哀歓を描いたアン・タイラーの本はすごくたくさん読んだものです。ところが、今調べてみるとアン・タイラーの邦訳はすでに絶版になっているものが多いんですね。「アクシデンタル・ツーリスト」や「ブリージング・レッスン」「ここがホ-ムシック・レストラン」など、もう一度読み返したいと思っても、図書館で探してみるしかないんですね。(これらの本は、実際図書館で借りて読んだものだったけど)「アクシデンタル・ツーリスト」は映画化されて、ジーナ・デイヴィスがアカデミー賞助演女優賞もとった作品だというのに。

Hanako連載当時から、平さんのエッセイはとても面白くて元気をもらえるものだったので、よく読んでいたものでしたが、改めて読み返すと、一冊の本になっても一貫としたテーマがあってまとまっている感じです。1953年とちょっと年上の平さんですが、人生の素敵な先輩かつ友達が書いたという感覚で読める、生きるヒントが満載です。また文章の巧みなこと!

このエッセイでも書いてあるように、雑誌で紹介されている女性というのは、たいてい、すごいキャリアがあって、家庭もあって、美しくて大成功を収めている人たちです。でも、私たちはそんな成功談を読みたいのではありません。「その他大勢だけど、いい仕事をする」という人に魅力を感じるというのはすごく納得です。平さんの小説に出てくる人たちは、不器用で、ときにはみっともないこともあるけど、夢に向かって生きている人が多い気がします。全部読んだわけではないんだけど。そしてこの本では、若い頃の平さんの失敗談もたくさん出てくるし、さまざまな、そのへんにいそうだけど素敵な人たちの話が出てきます。

もうすぐ30歳、もうすぐ40歳、というときに私たちはすごく焦るものです。この本ではそれを「三十怖い病」「四十怖い病」と呼んでいますが、こんな年になってしまったのに、今の自分はこんなにも未熟だというのは、今の自分もよく考えてしまいます。年齢に自分が追い付いていってません。だけど、実際自分が30歳になったり、40歳になったりすれば、そんなものはなくなってしまう。そして、若い頃、自分が何を目指しているのかわからないまま年を取ってしまうのではないかという不安は、年を取ってみると、解消されていくものだと教えてくれると、ちょっとホッとします。若い頃にはただつらい、と思っていたようなことも、何十年も立ってみるとそれが宝物だった、ということに気づいたりするとのこと。そう思えるようになりたいです。私たちのそんな悩みに、親身になって聞いてくれている存在、そんな本なのです。

ジュリー(沢田研二)の大ファンである女性たちが主人公の「あなたがパラダイス」という小説では、平さんは、更年期の女性心理を描いて見せましたが、この小説、そしてこの本を読むと、年齢を重ねていくことの怖さが解消されます。「イギリスのばあさんをめざせ」というエピソードにあるような、かっこよくそしてかわいいイギリスのおばあさんみたいになりたいなって思います。そして、何歳になってもガールズトークに花を咲かせる、と。ジュリーのファンも(私の母もジュリーファンでした)、バレエファンも、何か一つのものに夢中になっている人たちの話というのは、本当に尽きないし、面白いし、元気が出るものですよね。そんな女性たちへのエールになっているんです。

さて、もう一つの楽しみは、もちろん、平さんの語るバレエの話。「ジゼル」を観たことがある人なら、一度は思う、「なんでヒラリオンはあんなに一途にジゼルのことを愛しているのに、まったくその愛を理解されずに、ウィリたちに取り殺されてしまうの?」という疑問について、面白く語っています。彼の死についての解釈がまた、うまいんです。「バレエって面白いでしょ」って、今までバレエについて関心がなかった人にも、その面白さを巧みに伝えてくれています。

それから、もうすぐハンブルク・バレエの来日公演がありますが、来日公演で上演される「人魚姫」についても。王子への愛が伝わることない人魚姫と、(男性の)恋人への愛が成就しなかったアンデルセンを投影した「詩人」というキャラクターの痛み、その重ね方について、書かれています。「人を慰めるのはハッピーエンドではない」というのは、私もそう思います。ノイマイヤーの作品では、他にも「シンデレラ・ストーリー」や「眠れる森の美女」についても。この世の中には王子様もお姫様もいない、ただ愛し合う人の心があるだけだ、というノイマイヤーのメッセージ、それがあるから、彼の作品は普遍性があるのですね。目からいっぱいうろこが落ちる思いがします。

バレエファンでも、バレエに関心がない人でも、女性だったら誰でも面白いと思うエッセイ集だと思います。

そしてとびっきり素敵な台詞を一つ。頑張りすぎては、いけない。
「それでも、頑張れ、わたし」

幸せになっちゃ、おしまい幸せになっちゃ、おしまい
平 安寿子

マガジンハウス 2009-01-22
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ドミニク・ウォルシュがマシュー・ボーンの「白鳥の湖」王子を踊る

マシュー・ボーンのニューアドベンチャーズのサイトを見ていたら、面白いお知らせが載っていました。
http://www.new-adventures.net/news.php?id=41

まずは、今週末、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場で、リチャード・ウィンザーとアーロン・シルズという「ドリアン・グレイ」コンビが、Sadlers Well's Sampled というシーズンのプレビュー公演に出演し、「白鳥の湖」のザ・スワンと王子のデュエットを踊るというものです。

http://www.sadlerswells.com/show/Sampled-09

Sadlers Well's Sampledは何気に面白い出演者が出ます。しかも、チケット代は20ポンドと格安。

American Ballet Theatre
White Swan Pas de Deux performed by Veronica Part and David Hallberg.

Flying Steps
World-beating virtuoso hip hop styles from Germany.

Jasmin Vardimon (Sunday only)
Intensely physical dance-theatre in an extract from Vardimon's yesterday.

Matthew Bourne's New Adventures
Enjoy the Swan and Prince Duet from Act Two of Swan Lake.

Rojas & Rodriguez
The stars of Nuevo Ballet Espanol bring some authentic flamenco flavour.

Russell Maliphant
Former Royal Ballet dancer Dana Fouras performs Maliphant's sublime Two.

Traces (Saturday only)
Experience circus as you've never seen it before

ってわけで、ABTのデヴィッド・ホールバーグとヴェロニカ・パルトが「白鳥の湖」のパ・ド・ドゥを踊ります。それから、ラッセル・マリファントの「TWO」(シルヴィ・ギエムのレパートリーとして有名ですね)を、元ロイヤルのダナ・フォーラスが踊ります。

で、もう一つのお知らせにちょっとびっくり。

元ヒューストン・バレエのプリンシパルで、現在は自身のカンパニー、ドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターを率いるドミニク・ウォルシュ。2003年に新国立劇場の「マノン」でレスコーとデ・グリューの両方を踊り、さらに振付家として新国立劇場バレエ団に2007年「オルフェオとエウリディーチェ」を振付けたことで日本でもよく知られています。特に「マノン」でのドミニクのレスコー役は、レスコーのキャラクターにピッタリの演技で、テクニックにも優れており、とても印象的でした。

そのドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターが、2月12日から14日のヒューストンで行われる公演で、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」の2幕、ザ・スワンと王子のデュエットを上演します。ミックス・ビルのうちの一作品で、他にはイリ・キリアン、そしてウォルシュの振付作品が上演されるとのこと。ザ・スワンは同カンパニーのプリンシパル、ドメニコ・ルチアーノが踊り、そして王子役はドミニク自身が踊るとのことです。

http://www.dwdt.org/masterful_mixed_repertoire.htm

マシュー・ボーン版「白鳥の湖」のデュエットを、AMPおよびニューアドベンチャーズ以外のカンパニーやダンサーが踊るのは初めてとのことです。

この「白鳥の湖」のザ・スワンは世界中の男性ダンサーが踊りたいと熱望してきた役。聞いた話でも、ボリショイノニコライ・ツィスカリーゼやパリ・オペラ座のジョゼ・マルティネスなどの一流ダンサーが踊りたい役です。今回、初めてマシュー・ボーンのカンパニー以外でも踊られるということなので、今後、またどこかが上演する可能性もありそうですね。

なお、ドミニク・ウォルシュは、新国立劇場の2009/2010シーズンのコンテンポラリー・ダンス「DANCE to the Future」(2010年5月)というトリプルビルにおいて新作を発表します。新国立劇場との縁が深いわけで、そんな彼がマシュー・ボーン作品を踊るというのがますます興味深いところです。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000222_dance.html

また、ウォルシュは2008年には、プリンセス・グレース振付賞を、「The Trilogy: Wolfgang Amadeus Mozart」で受賞しています。

ドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターのアドバイザリー・ボードには、かのカルロス・アコスタの名前もありました。アコスタはヒューストン・バレエで踊っていたので、きっとその頃からの縁なのでしょうね。

追記:ガーディアン紙にSampledのレビューが載っていました。

http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/26/review-sampled-sadlers-wells

ABT組の「白鳥の湖」は、ヴェロニカ・パルトではなくミシェル・ワイルズが踊ったようです。古典の「白鳥の湖」のパ・ド・ドゥと、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」を一つのガラで上演するという試みは面白い結果を生んだようですね。

12/29 パリ・オペラ座「ライモンダ」

ガルニエでのライモンダ2回目。今回は、1回のみのバルコン席。バルコンでも後方なのだけど、全体はよく見えた。

29 décembre 2008 à 19h30
RAYMONDA Emilie Cozette
JEAN DE BRIENNE Karl Paquette
ABDERAM Yann Bridard→Stéphane Bullion
HENRIETTE Myriam Ould Braham→Mélanie Hurel
CLEMENCE Mathilde Froustey
BERANGER Josua Hoffalt
BERNARD Gil Isoart
LA COMTESSE Béatrice Martel
SARRAZINS Ghyslaine Reichert, Marc Moreau
ESPAGNOLS Sarah Kora Dayanova, Julien Meyzindi→Christophe Duquenne
LE ROI Richard Wilk→Emmanuel Hoff

VARIATION
HENRIETTE (Mélanie Hurel)

PAS DE QUATRE Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion、Alexandre Labrot

TRIO
CLEMENCE (Mathilde Froustey) et Charline Giezendanner,Juliane Mathis


インフルエンザでダウンしていたと聞いていたものの、26日の「ライモンダ」で復帰し、27日にはベジャール・プロの「火の鳥」のフェニックスも踊っていたカール・パケット。オペラ座一の働き者かもしれない。30,31日はバスティーユで「火の鳥」と「ボレロ」のリズムを踊ったというし。

観る前はカールの体調不良を心配していたけど、それはまったく感じさせなかった。しかし「火の鳥」を観たときも思ったけど、ずいぶん痩せたのではないかと。カールは決して脚のラインのきれいなダンサーではないのだけど、その脚もほっそりとしていた。

キャスト表を受け取った時にちょっとびっくりしたのが、この日もアブデラムがステファン・ビュリヨンになっていたこと。ヤン・ブリダールは大丈夫なのかしら。そして、ステファンは予定では明日もアブデラムのはずなのに…彼も本当に働き者。アンリエットがミリアムからメラニーに変更。メラニーはすごく上手で、実際今回観たアンリエット役ではベストだと思ったけど、ミリアムのアンリエットも見たかった。(ヤン・ブリダールのアブデラムもだけど。ステファンのファンだから嬉しいことは嬉しいけど、最終的に観た公演全部ステファンというのもね)

そして恒例の開演前のアナウンスでは、スペインがジュリアン・メイザンディからクリストフ・デュケンヌへの変更。前日クリストフからジュリアンに変更になっていたから、きっとクリストフが快復したってことなのでしょう。(写真は、オペラ座ホワイエに飾ってある、エミリー・コゼットのポートレート)

P1000994s

****
大体の内容は29日に書いたので、ここではキャスト中心に。エミリー・コゼットのライモンダは、長身でプロポーション良し、金髪美人で容姿はライモンダにはぴったり。前半の公演ではクレマンスを踊っていたし、ライモンダに関してはそれほど評判が良かったわけではないけど、期待しないで観たら、悪くはなかった。技術的に問題となるようなところはないし気品はあるし。ただ、一言で言えば硬い。脚などは高く上がるんだけど背中はあまり柔らかくなさそうだし。特にその硬さは、3幕のライモンダのヴァリエーションで顕著だったんじゃないかと思う。前の日にマリーヤ・アレクサンドロワのライモンダを観たせいもあると思うけど。ブラボーについても、マーシャのときはすごかったけど、エミリーの時はあんまり飛んでいなかった。それから、クールビューティだからというのもあるかもしれないけど、マーシャにあった、位の高い姫でありながらも漂う温かみのようなものがなかった。脚はとても強靭で3幕でややスタミナ切れのところはあったものの、パ・ドブレなども綺麗だったと思う。

カールは、1幕の登場シーンの時のキラキラ度が尋常じゃなかった。光のオーラをまとったように輝ける、まさに夢の中の王子様のようだった。ちょっと長めに伸びたサラサラの金髪にブルーアイ、そして眩しい笑顔。もともと長身の上、インフルエンザのせいで?痩せてスリムになって脚に白いタイツが似合う。さらに、カールの魅力は、人柄の良さが透けてくるような邪気のなさ。純白の存在感が、ジャン・ド・ブリエンヌにぴったり。このカールが、髪を黒く染めて顔を塗ってアブデラムも踊り、しかもこのアブデラム役がはまっていて、評判がとてもよかったというのが信じられないほどだ。
(参考:カールのアブデラムの写真が載っている記事:ダンスマガジンでもお馴染みのジェラール・マノニによる批評 http://www.altamusica.com/danse/document.php?action=MoreDocument&DocRef=3933&DossierRef=3544

ジャン・ド・ブリエンヌという役は、あまり性格描写がないというか、純白で透明感のある騎士という役柄なので、演技力に定評のあるカールのキャラクターとあっていないかも、と思ったけどそんなことは全然ない。その輝ける美しさに思わす頬が緩んでしまうほど。踊りのほうはというと、絶好調ではないものの、これだけ踊れれば問題なし、だった。少なくとも前日のヴォルチコフよりは全然良い。背の高いエミリーのリフトは大変だったと思うけどミスはなし。3幕のジャン・ド・ブリエンヌの、あの鬼のようなヴァリエーション、アンデダンのピルエットで少しだけ軸が傾いたところはあったけど、フェッテアラベスクはダイナミックだった。1幕の夢のシーンの登場のところのヴァリエーションだって、ピルエットがきれいに決まっていた。オペラ座にはカールのような、王子もキャラクテールも踊れる、容姿も綺麗で怪我の少ないダンサーは貴重な存在だし大事にして欲しいと思う。

P1020911s


アンリエットがメラニー・ユレル、そしてクレマンスにマチルド・フルステー。4日間観た中では、この二人の組み合わせがベストだったと思う。メラニーの抜群の安定感、3幕のヴァリエーションでのハンガリアン・ステップの着実さと音楽性。実力派ぶりを発揮していた。一方マチルドは、他の日も毎日、幻想のワルツや3幕のグラン・パ・クラシックで活躍。以前の「私上手でしょ」という悪目立ちぶりがなくなって、とても気品があった。しかもテクニックもばっちりあり、華があってすごく良かった。
そう、逆に言えば他の日にアンリエット&クレマンスを踊ったエヴ・グランツスティン、マリー・ソレーヌ・ブレ、オーレリア・ベレの印象が薄いってことなのだけど。

ベランジェにジョシュア・オファルト、そしてベルナールはジル・イゾアール。この役はとにかく出ずっぱりで体力的にハードなのだけど、ベテランのジルはここでも抜群の安定感。彼はやっぱり上手いダンサーだ。ジョシュア・オファルトも伸び盛りなのがよくわかって気持ちよい。

スペインでは、サラ・コラ・ダヤノヴァとクリストフ・デュケンヌ。前日のジュリアンも良かったけど、クリストフのスペインもとってもカッコいい。クリストフはどちらかといえば地味なダンサーなのだけど、こういう役を踊ると大人の色気を感じさせてくれてとても素敵だ。前の年に「くるみ割り人形」の王子とドロッセルマイヤーを観たときには技術的に今ひとつなのかな、という気がしていたのだけど、「ライモンダ」ではジャン役も何回か踊ったし、プルミエに上がったことでメーンの役柄が増えて、人の目を集める何かを身につけてきたのではないかと思わせてくれた。サラ・コラ・ダヤノヴァも、やっぱり人目を惹く、少し憂い顔が美しいダンサー。「ライモンダ」という演目はキャラクターダンスも多いし、主役もハンガリー系の振付が入っているわけだけど、こういう演目の、キャラクターダンスに、カンパニーの実力や魅力が現れるものだと思う。そういう意味では、「ライモンダ」は上手く行った上演だろう。

「ライモンダ」はやっぱりライモンダ役のバレリーナのためのバレエ。そういう意味では、マーシャの圧倒的な魅力から比較するとエミリーが弱かったため、圧倒的な幸福感までは至らず。でもカールのジャンが素敵だったので、十分満足できる公演だった。

2009/01/23

ジャパン・アーツのバレエ・ブログ開設/第9回 マリインスキー・フェスティバル

ジャパン・アーツのオフィシャルサイトに、「バレエ・ブログ」が開設されていました。今まで、ジャパン・アーツは個別の公演ごとにブログを開設していて、毎回楽しい情報を載せてくれていたのですが、バレエというジャンルのくくりでもブログを開設されたのですね。
http://ja-ballet.seesaa.net/

今のところは、「ザハーロワのすべて」の出演者プロフィール紹介のエントリがあります。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/113044768.html

(余談ですが、2月の新国立のザハロワ主演の「ライモンダ」、会社の歓送迎会と重なってしまい、行けなくなってしまいました。去年の「ラ・バヤデール」、ボリショイの「ドン・キホーテ」(ザハロワ降板)、そして「ライモンダ」と「ザハーロワのすべて」といい、私は本当にザハロワとは縁がないようです)

ネッリ・コバヒーゼって、'05年にバシコルトスタン・オペラ・バレエ劇場で、パリ・オペラ座のカール・パケットと「ジゼル」で共演しているんですね。これはきっと美しいペアだったでしょうね。そのネッリちゃんは、Bプロでアルテム・シュプレフスキーとその「ジゼル」を踊る予定になっています。

このブログには、「マリインスキー・バレエ2009」のカテゴリもあるんですね。こちらの情報もアップされることでしょう。

4月下旬発売予定
マリインスキー・バレエ<11/23(月)~12/11(金)神奈川県民ホール,東京文化会館>
とチケット発売のところにあるので、去年のボリショイほどではないにしても早いですね。キャストなどはまた変更の嵐になる気がします。前回の来日では、そもそも発売時にキャストは発表されていなかったし。

*********
マリインスキーといえば、Ballet Talkのフォーラムによると、今年3月のマリインスキー・フェスティバルの予定がかなり変更になったようです。

第9回マリインスキーバレエフェスティバル Ninth INTERNATIONAL MARIINSKY BALLET FESTIVAL
2009年3月14日 - 22日 (1月22日現在、変更の可能性大)

3月14日 14 MARCH - “Little Hunched-back Horse”(premiere) 「せむしの仔馬」初演 , 1st cast
music Rodion Schedrin 音楽:シチェドリン
choreography Alexey Ratmansky 振付:ラトマンスキー

3月15日 15 March - “Little Hunched-back Horse”「せむしの仔馬」 repeat, 2nd cast

3月16日 16 March - Diana Vishneva's 'Beauty in Motion' program ディアナ・ヴィシニョーワの「Beauty in Motion」プログラム

3月17日 17 March - “Don-Quixote” (according to the first post, this will feature Bouder/Sarafanov)「ドン・キホーテ」(最初の発表ではアシュレー・ボールダー(NYCB)、レオニード・サラファーノフ)

3月18日 18 March - “Swan Lake” (according to first post, this will feature Tereshkina/Hallberg)「白鳥の湖」(最初の発表ではヴィクトリア・テリョーシキナ、デヴィッド・ホールバーグ(ABT))

3月19日 19 March - Uliana Lopatkina Gala (no longer “Sleeping Beauty” on this night - no SB, in fact) ウリヤーナ・ロパートキナ・ガラ(当初の予定は「眠れる森の美女」)

3月20日 20 March - La Bayadere, 1940s version (in place of Uliana Lopatkina Gala - moved up to the 19th; perhaps this Bayadere will feature the stars of the originally-announced Sleeping Beauty, Novikova/Ganio?) 「ラ・バヤデール」1940年代版。(当初この日は、19日に変更となったロパートキナ・ガラの予定だった。「眠れる森の美女」に主演予定だったオレシア・ノーヴィコワとマチュー・ガニオ出演?)

3月21日 21 March - Giselle (in place of a 2nd "Don-Quixote" that was to have been with Vishneva/Gomes) 「ジゼル」(当初はディアナ・ヴィシニョーワとマルセロ・ゴメスの「ドン・キホーテ」の予定)

3月22日 22 March ALL STARS BALLET GALA  オールスターガラ

キャストは一旦発表されていたのが、現在はロパートキナとヴィシニョーワがそれぞれのガラに出る以外は未定となってしまったようです。

アンヘル・コレーラのコレーラ・バレエのドキュメンタリー映像&2010年NY公演

ABTのアンヘル・コレーラがスペインのラ・グランハに設立したカンパニー、コレーラ・バレエは去年9月にマドリッドのテアトロ・レアルで旗揚げ公演を行いましたが、現在はバルセロナで公演中です。

http://www.corellaballet.com/home.html

http://www.angelcorella.com/calendario2.html

2010年3月15日~21日には、ニューヨークのシティ・センターで公演を行うことが決定しています。

そのアンヘル・コレーラと、コレーラ・バレエの設立と旗揚げ公演を中心に、昨年1月よりアメリカ人のGerri L. Gagnonさんという方がドキュメンタリーを撮影しています。90分程度の作品に仕上げる予定なのですが、未完成です。その中の一部の映像が、下記サイトにアップされています。

http://dancemedia.com/view/c51a4445d5fc66f3b0c7c88cc27e237ad04269e3#

ラ・グランハでのクラスレッスンの様子、ラ・グランハやバルセロナでの公演の模様、そしてナタリア・マカロワを振付指導に迎えての「ラ・バヤデール」のリハーサルと本番の映像を少し観ることができます。「海賊」や「クリア」などの映像も少し、そしてラ・グランハでは野外公演だったため、雨に濡れた舞台を拭いている様子なども映っています。リハーサル映像には、アンヘルのほか、姉のカルメン・コレーラ(元ABT)、エルマン・コルネホ、イアン・マッケイ(元バーミンガム・ロイヤル・バレエ)、日本人ソリストの大森和子さんなども映っています。また、「ラ・バヤデール」の初日には、ABTからゲストでパロマ・ヘレーラとジリアン・マーフィを迎えたため、二人の舞台も少し観ることができます。

ジェリーさんはこの作品を完成させるべく、資金調達に駆け回っているということですが、一つのバレエカンパニーができあがっていく様子が伺えるようで、とても面白いです。完成できるよう、応援したいですね。

パリ・オペラ座のリファール・プティ・ペジャールプロのプレキャスト

1月31日からのパリ・オペラ座の「リファール・プティ・ペジャールプロ」のプレキャストがやっとdansomanieに出ました。オフィシャルはまだです。

エルヴェ・モローがやっと「白の組曲」で復帰しますね。マチアスも!そしてジョゼ・マルティネスの「ボレロ」デビュー。「アルルの女」でステファン・ビュリヨンがイザベル・シアラヴォラと踊ります。ステファンとカールは今回もめいっぱい働かされていますね。


Lifar - Petit - Béjart
[31/01/2009 - 14/02/2009]

31/01

Suite en blanc 白の組曲

La sieste : Ciaravola + Romberg + Abbagnato
Thème varié : Gilbert + Duquenne + Carbone
Sérénade : Zusperreguy
Pas de cinq (soliste) : Froustey
Cigarette : Letestu
Mazurka : Ganio
Adage : Dupont + Moreau
Flûte : Pujol
Manège : Pujol
Fouettés : Letestu

L’Arlésienne アルルの女

Osta + Bélingard

Boléro ボレロ

Le Riche + Paquette + Bullion


02/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Mallem + Abbagnato
Thème varié : Romberg + Magnenet + Meyzindi
Sérénade : Zusperreguy
Pas de cinq (soliste) : Froustey
Cigarette : Gilbert
Mazurka : Le Riche
Adage : Dupont + Moreau
Flûte : Osta
Manège : Osta
Fouettés : Dupont

L’Arlésienne アルルの女

Moussin + Pech

Boléro ボレロ

Gillot + Duquenne + Charlot


04/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Romberg + Abbagnato
Thème varié : Gilbert + Duquenne + Carbone
Sérénade : Ould-Braham
Pas de cinq (soliste) : Zusperreguy
Cigarette : Dupont
Mazurka : Paquette
Adage : Moussin + Ganio
Flûte : Pujol
Manège : Pujol
Fouettés : Gilbert

L’Arlésienne アルルの女

Osta + Bélingard

Boléro ボレロ

Le Riche + Paquette + Bullion


06/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Mallem + Abbagnato
Thème varié : Romberg + Magnenet + Meyzindi
Sérénade : Zusperreguy
Pas de cinq (soliste) : Ould-Braham
Cigarette : Letestu
Mazurka : Bélingard
Adage : Dupont + Moreau
Flûte : Osta
Manège : Dupont
Fouettés : Letestu

L’Arlésienne アルルの女

Moussin + Pech

Boléro ボレロ

Le Riche + Paquette + Bullion


07/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Dayanova + B. Martel + Abbagnato
Thème varié : Cozette + Paquette + Bullion
Sérénade : Zusperreguy
Pas de cinq (soliste) : Ould-Braham
Cigarette : Letestu
Mazurka : Le Riche
Adage : Osta + Pech
Flûte : Gilbert
Manège : Osta
Fouettés : Letestu

L’Arlésienne アルルの女

Ciaravola + Bullion

Boléro ボレロ

Romberg + Duquenne + Charlot


09/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Romberg + Abbagnato
Thème varié : Gilbert + Duquenne + Carbone
Sérénade : Giezendanner
Pas de cinq (soliste) : Ould-Braham
Cigarette : Dupont
Mazurka : Thibault
Adage : Moussin + Ganio
Flûte : Pujol
Manège : Pujol
Fouettés : Dupont

L’Arlésienne アルルの女

Osta + Bélingard

Boléro ボレロ

Le Riche + Paquette + Bullion


10/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Dayanova + B. Martel + Mallem
Thème varié : Cozette + Paquette + Bullion
Sérénade : Ould-Braham
Pas de cinq (soliste) : Froustey
Cigarette : Gilbert
Mazurka : Ganio
Adage : Dupont + Moreau
Flûte : Ciaravola
Manège : Dupont
Fouettés : Gilbert

L’Arlésienne アルルの女

Moussin + Pech

Boléro ボレロ

Le Riche + Paquette + Bullion


11/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Mallem + Dayanova
Thème varié : Cozette + Paquette + Bullion
Sérénade : Giezendanner
Pas de cinq (soliste) : Zusperreguy
Cigarette : Cozette
Mazurka : Bélingard
Adage : Osta + Pech
Flûte : Gilbert
Manège : Osta
Fouettés : Cozette

L’Arlésienne アルルの女

Abbagnato + Legris

Boléro ボレロ

Martinez + Bullion + Paquette


12/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Romberg + Abbagnato
Thème varié : Dayanova + Thibault + Heymann
Sérénade : Ould-Braham
Pas de cinq (soliste) : Zusperreguy
Cigarette : Letestu
Mazurka : Le Riche
Adage : Moussin + Ganio
Flûte : Pujol
Manège : Pujol
Fouettés : Letestu

L’Arlésienne アルルの女

Osta + Bélingard

Boléro ボレロ

Gillot + Duquenne + Charlot


13/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Mallem + Dayanova
Thème varié : Cozette + Hoffalt + Bullion
Sérénade : Zusperreguy
Pas de cinq (soliste) : Ould-Braham
Cigarette : Letestu
Mazurka : Ganio
Adage : Osta + Pech
Flûte : Hurel
Manège : Osta
Fouettés : Letestu

L’Arlésienne アルルの女

Abbagnato + Legris


Boléro ボレロ

Martinez + Bullion + Paquette


14/02

Suite en blanc白の組曲

La sieste : Ciaravola + Romberg + Abbagnato
Thème varié : Dayanova + Thibault + Heymann
Sérénade : Giezendanner
Pas de cinq (soliste) : Ould-Braham
Cigarette : Cozette
Mazurka : Le Riche
Adage : Dupont + Moreau
Flûte : Osta
Manège : Dupont
Fouettés : Cozette

L’Arlésienne アルルの女

Moussin + Pech

Boléro ボレロ

Gillot + Duquenne + Charlot

FIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」2009 2/5号 No.380

隔号連載のFIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」、今回はジョゼ・マルティネスの新作「天井桟敷の人々」Les Enfants du Paradisに出演した3人のスジェ(&ジョゼ)のインタビューが中心です。

L’Opéra Garnier et le Ballet à Paris
パリ・オペラ座バレエ物語
各人の価値が生かされ、舞台上に、コール・ド・バレエの喜びが弾ける。

「天井桟敷の人々」のヒロイン、ガランス役に抜擢されたリュドミラ・パリエロLudmila Pagliero、伯爵とアヴリル役のオーレリアン・ウエットAurélien Houette、そしてラスネール役のヴァンサン・シャイエVincent Chaillet 。日本でもあまり知名度のない3人の登場です。

リュドミラ・パリエロは、「モーリス・ベジャールへのオマージュ」の「これが死か?」で女性の主役と言ってもいい「死」役に抜擢され、ちょうど観て来たばかりです。ちょっとエキゾチック系の容姿なのですが、アルゼンチン出身で、チリのバレエ団(マリシア・ハイデ率いるサンチアゴ・バレエかな?)のソリストを経て2003年にニューヨーク国際バレエコンクールで銀賞を受賞(同時に銀賞を受賞したのが、デンマーク・ロイヤルのクリストファー・サクライ)。ABTに入団する予定だったのが、オペラ座のオーディションを受けて入団したとのこと。2007年にスジェに昇進しました。「これが死か?」で観たときには、とても雰囲気があって、身体のラインもきれいな人なのですが、POBよりはBBLにいそうなタイプのダンサーなので、だからこそベジャール作品に出ているのかなって思いました。「天井桟敷の人々」では、マチュー・ガニオ相手に踊ったそうですね(そういえば、「これが死か?」もパートナーはマチュー)。今までコンテンポラリーへの出演が多かったそうで、確かにどちらかといえばコンテ向きという感じです。ガランス役は、当初は代役だったものの、ジョゼ・マルティネスは最初から適任だと確信し、そしてローラン・イレールもすぐにルフェーブルの元に相談しに行ったほどというから、はまり役だったのでしょうね。

オーレリアン・ウエットは、スキンヘッドなので目立っていて、前からよく舞台で見かけていました。なんと「シンデレラ」ではポアントを履いて継母役を踊ったそうで。ヌレエフ版の「シンデレラ」の継母役はポアントのシーンがかなり多いので大変だったことでしょう。そしてこの役は、ジョゼ・マルティネスの当たり役としても知られているのですが、ジョゼのお気に入りのダンサーの一人とのことです。ジョゼのグループ公演にも何回も参加しているそうです。

ヴァンサン・シャイエは、背が高くなかなかハンサムな人で、「ル・パルク」の来日公演にも参加していました。ラスネール役は第三キャストだったけど、ファーストキャストのペッシュが怪我をしたので、9回も踊ったとのこと。創作過程からかなりかかわったそうで、外見もかなり工夫したそうです。「春の祭典」では生贄の代役にも選ばれたとのこと。(私が観たときには、「火の鳥」のパルチザンの一人と、「春の祭典」の群舞に出ていました)。

3人プラスジョゼのインタビューを読むと、「天井桟敷の人々」では、かなり演技力を重視してキャスティングしたというのがわかります。それぞれのダンサーが、かなり役作りを工夫し、心を砕いていたのが読み取れます。ジョゼは、自分のヴィジョンにピッタリのダンサーを探し、各人に相応しい配役ができたそう。「天井桟敷の人々」のバレエ作品は見ていませんが、かなり演劇性も重視しているのでしょうね。

この連載では以前にも「天井桟敷の人々」を取り上げているので、観ていない身としては、ぜひこの作品を観る機会があればいいなって思うのですが。来年予定されているパリ・オペラ座の来日公演は、何を持ってくるんでしょうね。

*****

この号のFIGAROは、春のファッション特集なのですが、この雑誌のファッションページもいつも楽しく読んでいます。実は服もとっても好きで、今はバレエ貧乏なのでそんなに買えないのですが、以前は海外に行くと山のように服は買っていました。別冊のコレクションの服、そしてもう一冊のバッグ&靴の別冊は見ているだけでわくわくします。靴やバッグは「これ欲しい」っていうのが必ずあるんですが、とても買えるお値段ではないのですよね。春だから小物は色鮮やかで、服は軽やかで、寒い時に見ると気分は一足先に春です。

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2009/01/22

SWAN MAGAZINE 2009 冬号 Vol.14 

SWAN MAGAZINE 2009 冬号 Vol.14は、
振付家ジョン・ノイマイヤーと彼が率いるハンブルク・バレエ団を特集しています。

「椿姫」&「人魚姫」 の作品紹介
写真がふんだんに使われていて、特にまだ観ていない「人魚姫」については、いろいろと想像力をかき立てられます。

現代バレエ界の巨匠 ジョン・ノイマイヤー作品世界を読み解く
長野由紀

[エッセイ]“心を踊る”ノイマイヤーとハンブルク・バレエ団
平安寿子(作家)

平安寿子さんは、時々このブログにもコメントを書いてくださる売れっ子作家さんですが、2007年7月にハンブルク州立劇場でお目にかかれたのです。平さんの著書「グッドラックららばい」「あなたがパラダイス」もすごく面白いのですが、Hanakoに連載されていたエッセイでは、ハンブルク・バレエなどバレエネタもよく書いてくださっていて、これがまた非常に面白かったんですよね。こちらの方も近々一冊の本になる予定だそうです。彼女の、ノイマイヤー作品についての評が「そう!そうなのよ~」と思わず膝を叩いてしまうほど的確で、さすが作家だと思わせてくれました。ノイマイヤー作品への愛がそこにはあります。

[インタビュー] 大石裕香&草野洋介、大石裕香のハンブルク・デジカメ日記

ハンブルク・バレエの二人の日本人ダンサー、大石裕香さんと草野洋介さんのインタビュー(ハンブルク・バレエにはもう一人、2007年に入団したばかりの有井舞耀さんがいます)。大石さんのインタビューでは、ノイマイヤーとどうやって仕事をしているのかという話も出てきて面白いです。自身の振付作品を発表する機会などもあるそうです。そして大石さんのデジカメ日記では、ハンブルク・バレエの日常ということで、ダンサーたちの素顔がちょっとうかがえます。長身の美青年、草野洋介さんは「人魚姫」のリハーサル中だそうですから、日本公演が楽しみですね。

さらに、シルヴィア・アッツオーニとアレクサンドル・リアブコからの幸せ溢れる写真とメッセージも。

「ノイマイヤーとパリ・オペラ座」では、93年のガルニエでの「くるみ割り人形」のリハーサル中の写真が掲載されているのですが、フォワイエ・デ・ラ・ダンスでのこの写真には、ノイマイヤーのほか、パトリック・デュポン、エリザベット・プラテル、マニュエル・ルグリ、そしてちょっと端にミテキ・クドーがいます。プラテルのアンオーのポーズが素晴らしく美しいです。 ほかに「マニフィカト」「ヴァスラフ」「真夏の夜の夢」「シルヴィア」そして「椿姫」がオペラ座のレパートリーに入っていますね。そして、3月には「マーラー/第三交響曲」がオペラ座で初演されます。

[特別企画]
バレリーナ 草刈民代 写真・文 安珠
[作品フォトアルバム]
レニングラード国立バレエ公演/「ソワレ」ローラン・プティ作品集より

草刈民代さんのインタビュー&写真が12ページに渡って掲載されています。レニングラード国立バレエ公演の写真もたくさん載っているので、シヴァコフやシャドルーヒンなどのダンサーも写っているのが、マールイファンには嬉しいかも?

専属ピアニスト、土屋裕子さんに聞く(3)
パリ・オペラ座バレエ学校 年末恒例のデモンストレーション 渡辺真弓

毎年年末に行われるデモンストレーションの模様が写真ほかで紹介されています。土屋裕子さんは現在女子の第6学年担当なのですが、このクラスを教えているのがヴェロニク・ドワノー。そう、自身の名前を冠した作品「ヴェロニク・ドワノー」で知られる元スジェの方なんですね。「天井桟敷の人々」での、マチュー・ガニオとイザベル・シアラヴォラの美しい写真も一枚載っています。

[連載 バレエ漫画 第14話] まいあ 有吉京子

こちらのほうも盛り上がってきました。オペラ座学校の進級試験のことなどを中心にしたエピソードです。表紙と扉絵に使われている、首にリボンをチョーカーのように結んだまいあのイラストがとても可愛らしいですね。

SWAN MAGAZINE Vol.14(2009冬号) (14)SWAN MAGAZINE Vol.14(2009冬号) (14)

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2009/01/21

ジェイソン・レイリーがシュツットガルト・バレエからナショナル・バレエ・オブ・カナダに移籍

朝からちょっとショックなニュースです。

シュツットガルト・バレエのプリンシパル、来日公演でも「眠り」のカラボス&王子に「オネーギン」のオネーギンとグレーミン伯爵と大活躍したジェイソン・レイリーが、ナショナル・バレエ・オブ・カナダに移籍するという記事が載っていました。

Toronto dancer Jason Reilly returns home to join National Ballet of Canada

http://www.google.com/hostednews/canadianpress/article/ALeqM5j-izINvhs4-cInfWx0AuYRb0QYFQ

もともとカナダのトロント生まれでカナダナショナルバレエ学校出身のジェイソンは、1997年にシュツットガルト・バレエに入団。12年後の今年カナダに戻ってしまうのですね。

2009/2010シーズンにプリンシパルとしてナショナル・バレエ・オブ・カナダに入団し、その前、3月に「ロミオとジュリエット」に客演するということです。ナショナル・バレエ・オブ・カナダの「ロミオとジュリエット」はクランコ版なのですね。
http://national.ballet.ca/performances/season0809/romeo_and_juliet.php


来日公演での彼は本当に素晴らしいダンサー&個性的で深みのある役者だっただけに、見る機会が減ってしまうかと思うと本当に残念です。せめてガラなどでは引き続き来てほしいな。

(まだナショナル・バレエ・オブ・カナダのオフィシャルサイトには載っていません。「ロミオとジュリエット」のキャストが発表されるのは、3月11日の初日の2週間前とのことです)


追記:
大きなニュースだったようで、あちこちのメディアに出ています。それだけ人気のあるダンサーだということですね。

カナダの新聞(大きな写真つき)
http://network.nationalpost.com/np/blogs/theampersand/archive/2009/01/20/toronto-born-dancer-returns-home-for-national-ballet.aspx

こちらはドイツの新聞
http://www.stuttgarter-nachrichten.de/stn/page/1925106_0_2147_zurueck-in-die-heimat-jason-reilly-verlaesst-ballett.html

ノイマイヤーの「オテロ」の写真つき
http://www.westfaelische-nachrichten.de/aktuelles/kultur/nachrichten/932479_Jason_Reilly_verlaesst_das_Stuttgarter_Ballett.html

ジェイソンは、長いこと故郷のトロントを離れていて、家族の元に戻りたいと思ったのが移籍の理由とのことです。シュツットガルト・バレエの芸術監督、リード・アンダーソン(同じくカナダ出身)は、「彼のいないシュツットガルト・バレエを想像するのはつらい。息子を失うようなものだ」とコメントしています。ジェイソンも、リード・アンダーソンがいたから今の自分がいる、と感謝を述べています。

17歳でシュツットガルト・バレエ入りしてから12年間在籍。2003/4シーズンにプリンシパルに昇進し、2006年にはドイツ舞踊賞"未来"を受賞(今年は、マリイン・ラドメイカーが受賞した賞ですね)。Kevin O'Dayの「ハムレット」など、新作の初演も数多く演じてきました。

いや、カナダに帰るのが彼の希望なのだから喜ぶべきことなんでしょうけど、やっぱり全幕の主演(もしくはカラボスでもいいんですが)で彼を観たいので、本当に残念です…。クランコだけでなくノイマイヤーの「オテロ」などの作品にも出ていたわけですし。

せめて世界バレエフェスティバルや、マラーホフの贈り物等のガラででも来日してほしいと願うばかりです。

とにかく新天地でのジェイソンの活躍を祈ります。

1/20 奇才コルプの世界 Igor Kolb and Friends Gala

イーゴリ・コルプ(マリインスキー劇場バレエ)
草刈 民代

ユリア・マハリナ(マイリンスキー劇場バレエ)
オクサーナ・シェスタコワ(レニングラード国立バレエ)
ナタリヤ・マツァーク(キエフ・バレエ)
エリサ・カリッロ・カブレラ(ベルリン国立バレエ)
ヴィクトリア・クテポワ(マイリンスキー劇場バレエ)

ヴィクトル・イシュク(キエフ・バレエ)
ミハイル・カニスキン(ベルリン国立バレエ)
オグルキャン・ボロヴァ(シンシナティ・バレエ)

第1部
「白鳥」 音楽:C.サン=サーンス 振付:R.パクリタル
イーゴリ・コルプ
「カジミールの色」 音楽:D.ショスタコーヴィチ 振付:M.ビゴンゼッティ
エリサ・カリッロ・カブレラ ミハイル・カニスキン
「デュエット」音楽:A.コレッリ 振付:D.ピモノフ
ヴィクトリア・クテポワ イーゴリ・コルプ
「道」 音楽:J.マスネ 振付:D.クリャービン
ナタリヤ・マツァーク
「Something to say」 音楽:C.マンセル 振付:S.セルゲイエフ
オウルジャン・ボロヴァ
「レダと白鳥」 音楽:J.S.バッハ 振付:R.プティ
草刈 民代 イーゴリ・コルプ

第2部
「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ 音楽:P.チャイコフスキー 振付:M.プティパ
ヴィクトリア・クテポワ  ヴィクトル・イシュク
「グラン・パ・クラシック」 音楽:D.オーベール 振付:V.グゾフスキー
ナタリヤ・マツァーク ミハイル・カニスキン
「海賊」よりパ・ド・ドゥ 音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ
オクサーナ・シェスタコワ オウルジャン・ボロヴァ
「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」 音楽:G.ロッシーニ  振付:C.シュプック
エリサ・カリッロ・カブレラ イーゴリ・コルプ

第3部
「シーソーゲーム~ブランコのふたり~」 音楽:J.S.バッハ/C.ヴァルガス 振付:R.パクリタル
ユリア・マハリナ イーゴリ・コルプ

http://www.koransha.com/news_performance/news/090119kolbgala_pro.html

遅くなってしまったので、演目と簡単な感想だけ。

コールプ、もう最高です。大好きです。愛しています。プログラム構成も工夫されていて、全体的にものすごく充実していて面白かった公演だったので、シリーズ化熱望!これを実現させた光藍社さん素晴らしい!彼の、バロックパールのような、乱反射する不思議な魅力を堪能。

でも個人的に彼で一番良かったのは「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」。いろいろなダンサーでこの演目を今まで観てきたけど、面白さで言えば今回が一番だったかも!例によっての目の周り黒い極悪人メイクで「困惑」「苦笑」「照れ笑い」など、今まで観たことがなかったコールプの演技を観られたのが楽しかったです。ルックスは怪しいのに本当は人の良いコールプの人柄がにじみ出ていて、面白かった。しかも、踊りそのものは驚くばかりに柔軟でしなやかで美しいのに。光藍社さん偉い、と思ったのは、ちゃんと牛さんを用意してくれて、牛さんと対話するコールプが観られました。それに、パートナーのエリサ・カリッロ・カブレラがまたとても良いダンサーだったのです。ほっそりとして背が高く、踊りも綺麗だしユーモアのセンスもばっちり。さすが、この作品が生まれたシュツットガルト・バレエに所属していただけのことはあります。演技も上手!しかしホント、ここでのコールプはもう最高!カーテンコールで一人でわざと目立とうとしたりしているところも笑えました。

そして「レダと白鳥」でのコールプの腕使いの端正で耽美的な美しさといったらもう、鼻血が出るかと思いました。彼だったらオデットだって踊れると思いましたもの。それから、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」のザ・スワンでも観てみたい。「シーソーゲーム~ブランコのふたり~」 は、いかにもコールプが好きそうなナイーブさ、孤独感をにじませた作品で、新作なのでまだ十分整理されていないところはあるものの、ゾクゾクっとさせられた瞬間がありました。演技派で艶やかなマハリナが作り出す世界観と見事に呼応して、独特の吸い込まれそうにディープな世界を作り上げていました。カーテンコールでも、ひりひりするような世界から抜け出せなくて虚脱状態で。(マハリナは本当に女優ですね) ドラマティックなものもいけるし、本当に彼は引き出しが無限大に多い人です。初めてコールプの面白さを感じさせてくれたパクリタルの伝説の「白鳥」が再び観られたのも嬉しい。この演目はやっぱり、超おもしろいです。コールプのヘンさ加減がすごくセクシーです。

プログラムの順番がすごく気が利いていて、1部がコンテンポラリー、2部が古典で最後に古典パロディの「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」というのが上手いですね。「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」の元ネタが何なのかがちゃんとわかって親切設計。そして3部の新作の後のエンディングがまた、めくるめくコールプの美意識に満ちた世界で悶絶モノ。美しくドレスアップした出演ダンサーたちが一人一人逆光の中登場し、そして空には大きな月がぽっかりと浮かぶ。なんともスタイリッシュで華麗な衣装をお召しのコールプがタンゴに合わせて奔放に踊りまわって、この妖しくセクスィーなクネクネ加減がもうザ・コールプ・ワールド。真ん中に脚立のようなものが登場したかと思うと、それを上っていき、宙吊りになって昇天していくのだから、ツボにはまりました。素敵~。

しかもあの怪しいルックスの持ち主だというのに、コールプったら舞台マナーは素晴らしく良くて、カーテンコールでも一人一人を呼び出して握手、自分以外の出演者を立てようとする姿勢がグッドです。去っていく時のつま先までもが美しく丁寧な運び方だし。カーテンコールが終わって最後に幕が下りた後、歓喜の声が幕の向こうから聞こえてきました。本当に嬉しかったんでしょうね。

タミーチカさま(でも、あの衣装だったら体型や脚がごまかせるから、この演目でいいのかな?)や、ルジマトフの妻という立場を利用して2演目も踊ってしまったクテポワ(エンディングを観て思ったけど、彼女はユマ・サーマンに似たクールビューティで、本当に容姿とプロポーションだけはくらくらするほど素晴らしくよいのですよね)を押し付けられてちょっとコールプ大変、とは思ったものの、それ以外の出演者はとても良い人選でした。

中でも、シュツットガルトから2007年にベルリンに移籍したミハイル・カニスキン、男らしくて、やはりものすごく良いダンサーですね。ビゴンゼッティの「カジミールの色」はエトワール・ガラで、そして「ゴールデン・バレエ・コースター」ではバランキエヴィッチ&テンチコワでも観ていますが、今まで観た中では一番良かったです。カニスキンは背も高いし、つま先が非常に美しい。アントルシャ・シスの足先の素晴らしさ~。エリサ・カリッロ・カブレラとの並びが、長身美男美女という感じで超超カッコよかったです。ビゴンゼッティってやっぱりいい振付家ですね。

長身美男美女といえば、そのカニスキンとナタリア・マツァークの「グラン・パ・クラシック」すんばらしかったです。マツァークもホント、長身小顔でプロポーションが抜群、ちょっとペネロペ・クルス似のエキゾチックな美女で、その長い脚が気持ちよく上がり、バロネなどポアントで立ったままの超絶難しいパを笑顔でこなしていました。フランスで買ったDanseという雑誌の表紙が、マラーホフとポリーナ・セミオノワの「グラン・パ・クラシック」@マラーホフ&フレンズで、このときのベルリン国立バレエの衣装を二人とも着用。マツァークの衣装は、紺色のシースルーのハイネック長袖にビスチェ、白いチュチュに黒いレースで、とってもクールでスタイリッシュ。グランフェッテでは、シングル→ダブル→腕をアンオーというパターンで魅せてくれました。カニスキンのテクニックも鮮やかでした~。そういえばベルリン国立バレエって、「リング」「バヤデール」を持ってきてからしばらく来日していないんですよね。NBS様ぜひ来年呼んで下さい。マラーホフが踊れるうちに。(ついでに、演目は「カラヴァッジオ」を希望します)

マツァークのコンテンポラリー演目「道」では、彼女の表現力を観ることができました。ちょっと長めの丈の白いチュチュに身を包んだ彼女の苦悩

去年の「ルジマトフのすべて」にも出演したヴィクトル・イシュクも、つま先の綺麗な、ノーブルでとても良いダンサーなのだけど、彼よりも背の高いクテポワを古典演目で組ませるのはあまりにも無理がありすぎて気の毒でした。しかもクテポワは膝は下がっているし、シェネでは膝が緩んでいるし、このメンバーの中で「眠り」を踊るレベルの踊りではなかったですね…客席にルジマトフがいましたが、どう思ったんでしょう…。そういえば、去年の「ルジマトフのすべて」でクテポワが組んだのは、やはり彼女より背が低いかもしれないマイレン・トレウバエフでしたね。なぜそういう組み合わせにする!?草刈さんは、彼女なりに自分に似合った演目を選んで踊っていたから、まだよかったんですけどね。

若そうなオウルジャン・ボロヴァ(ちょっと元ABTのサシャ・ラデツキー似)は、「Something to Say」がとても面白い演目でした。音楽は、映画「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」など映画音楽のクリント.マンセルで、SF映画音楽的なドラマティックでリリカルな曲。暗い照明。口を黒いガムテープでふさいだ状態で、何者かに縛られ抑圧されているかのように見せながら激しく踊ります。上半身裸、胸にちょっと血がついているボロヴァが、跳躍系や回転系など色々と華麗なテクニックを見せてくれます。ヴァルナやニューヨークなどのコンクールで賞を取っている人ということで、ダイナミックなテクニックを披露していました。生きが良くて、こういう人は好感が持てます。コンテンポラリーでも、こういう作品があると良いアクセントになります。ボロヴァは、「海賊」では、ファイブフォーティ3連発も見せてくれたし。

「海賊」で共演したシェスタコワは、今回のレニングラード国立バレエの来日公演舞台にたくさん出ていたせいか、疲れがたまっているようで不調でした。フェッテでも途中で一回ポアントが落ちちゃったし。でも立て直して、後半先日の「海賊」全幕でも見せてくれた、顔のスポッティング=向きを少しずつ変えるテクニックを入れてくれました。調子が良くなくても、こういうサービスを入れてくれるのはすごく嬉しいです。

なかなか普段観られないけど魅力的なダンサーたちを観ることができたし、構成も良かったし、何しろコールプの無限に広がる、ダリの絵に出てくるような摩訶不思議な引き出しの中をちょっとでも見ることができて、本当に最高でした!客席は例によって空いていましたが、カーテンコールでは熱く盛り上がっていたと思います。重ねて、シリーズ化熱望です。この公演が観られて本当に幸せ♪

2009/01/20

ミラノ・スカラ座オペラ来日公演の概要/ロベルト・ボッレがABTのロサンゼルス公演に出演

高いので絶対に観に行きませんが(笑)ミラノ・スカラ座で検索して来られる方が多いので…。

ミラノ・スカラ座のオペラ来日公演の概要が発表されました。

http://www.nbs.or.jp/festival2009-2011/scala.html

ダニエル・バレンボイム指揮「アイーダ」
演出・舞台装置 フランコ・ゼッフレッリ
2009年9月4日、6日、9日、11日 NHKホール(開演時間は後日発表)
S席67000円(!)ほか

ダニエレ・ガッティ指揮「ドン・カルロ」
2009年9月8日、12日、13日、15日、17日 東京文化会館
S席59000円ほか

3月28日(土)10:00~ 一斉発売(S~D席)
2演目セット券(S~C席)、E,F席特別受付 3月7日(土)10:00~ 
NBSチケットセンター 03-3791-8888

ちなみに、フランコ・ゼッフレッリ演出のミラノ・スカラ座の「アイーダ」(ロベルト・アラーニャ主演)はDVDが出ています(持っています)。バレエのシーンでロベルト・ボッレが出ていますが、ロベルトはこの時期スカラ座に出演中なので日本には来られません。スカラ座のバレエダンサーが出演するとは思います。

感想はこちらです。ただし、ほとんどバレエシーンのことしか書いていません。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2007/09/post_0f4d.html

ヴェルディ:歌劇《アイーダ》 [DVD]ヴェルディ:歌劇《アイーダ》 [DVD]
ヴェルディ シャイー(リッカルド) ミラノ・スカラ座管弦楽団

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追記:ミラノ・スカラ座つながりでのニュースです。

ロベルト・ボッレがABTのロサンゼルス公演の「ロミオとジュリエット」(7月16日)に出るそうですロベルトのオフィシャルサイトからお知らせが送られてきました。ゲストプリンシパルがツアーに出るのは珍しいですね。本格的にABTの一員としての位置づけとなったんですね。
まだABTのオフィシャルには出ていません。

Roberto Bolle will perform "Romeo and Juliet" with the ABT in Los Angeles on the 16/07/2009

Los Angeles Music Center Dorothy Chandler Pavilion
http://www.musiccenter.org//events/dance_0809_abt.html

あと、カリフォルニア・オレンジカウンティのOCPAC(Orange County Performing Arts Center)での5月21日のガラにも、ロベルト・ボッレは今のところ出演するようです。
http://www.ocpac.org/home/Content/ContentDisplay.aspx?NavID=514

Artists scheduled to appear include Maria Alexandrova, Roberto Bolle, Ashley Bouder, Alina Cojocaru, Angel Corella, Johan Kobborg, Denis Matvienko, Natalia Osipova, Desmond Richardson, Leonid Sarafanov, Genaddi Saveliev, Nicolay Tsiskaridze, Ivan Vasiliev , Diana Vishneva, Svetlana Zakharova and the Eifman Ballet of St. Petersburg. (Artists are subject to change.)

ロベルトに加え、アレクサンドロワ、コジョカル、コレーラ、コボー、マトヴィエンコ、オシポワ、サラファーノフ、ツィスカリーゼ、ワシーリエフ、ヴィシニョーワ、ザハロワと本当にこんな豪華な人たちが出演するんでしょうか???サブスクライバー(シーズン会員)のみチケット購入可能だそうです。

12/28 パリ・オペラ座「ライモンダ」3幕 POB Raymonda Act3

「ライモンダ」の物語のクライマックスであるジャン・ド・ブリエンヌとアブデラムの決闘が終わってしまったので、3幕は大団円。ディヴェルティスマンとして、ライモンダとジャンの婚礼を祝う、華やかな踊りが延々と繰り広げられる。ドラマの要素は何もないけれども、その分、グラズノフの東洋的できらめくメロディに乗せた、ゴージャスな歴史絵巻がとめどなく展開するのだ。

P1020486s

幕が下りたままの時の冒頭の音楽の、重厚でドラマティック、華麗で広がりのある旋律の美しいこと。幕が開くと、暖色系の仄暗い舞台が幻想的。キャンドルが灯され、そのキャンドルを乗せたシャンデリアが上昇。このシーンを見ただけで、もう大感動。奥のテーブルでは晩餐が開かれていて歓談する人々。そのテーブルから、チャルダッシュのダンサーたちが奥に歩いて行く。そしてチャルダッシュの音楽が始まる。

LA COMTESSE Béatrice Martel
LE ROI Emmanuel Hoff

GRAND PAS CLASSIQUE
Marie-Solene Boulet, Sarah Kora Dayanova, Laura Hequet, Fanny Gorse
Joshua Hoffalt Florian Magnenet, Julien Meyzindi, Gregory Dominiak

Mathilde Froustey, Charline Giezendanner,Juliane Mathis, Pauline Verdusen
Gil Isoart, Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

VARIATION
HENRIETTE (Aurélia Bellet)

PAS DE QUATRE Gil Isoart Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

TRIO
CLEMENCE (Eve Grinsztajn) et Sarah Kora Dayanova, Marie-Solene Boulet


チャルダッシュは、右側にいる女性ダンサーたちがパートナーの男性の方へ首を傾けて甘い雰囲気を作っている。そして全員が大きくアクセントを取るようにバットマン。チャルダッシュのソリストは、ドリス伯爵夫人のベアトリス・マルテルとハンガリー王エマニュエル・オフ。ベアトリス・マルテルの艶やかな美しさが目を惹く。

グラン・パ・クラシックは4組のダンサーが入場し、続けてもう4組。この中にベランジェとベルナール役のジョシュア・オファルトとフロリアン・マニュネが入っているところがもうヌレエフ版の鬼、って感じ。先ほどスペインやサラセンのソロを踊っていたローラ・エケ、ジュリアン・メザンディ、シャルリーヌ・ジザンダネ、マルク・モローも加わっている。踊れるダンサーに役はたくさん回ってくるものだなって思う。

そして主役ペアの入場。アダージオの後、哀愁のハンガリアンメロディで、男性ダンサーが一斉に女性ダンサーを高くリフトする。このあたりは、他の版の「ライモンダ」とほぼ同じ。その中でも、8人の女性ダンサーが並び、男性ダンサーにサポートされながら一斉にパンシェするところは、壮観だ。
(参考:オペラ座サイトのこの写真

アンリエットのソロは、オーレリア・ベレによるもの。前日のメラニー・ユレルが良かったので、それと比較すると普通だった。男性ダンサー4人によるパ・ド・カトル。ここでもジル・イゾアールがベテランの意地を発揮していた。スーパー・バレエレッスンに出ていたファビアン・レヴィヨン、本当に大活躍のマルク・モロー、そしてちょっとだけフロリアン・マニュネに似ているアリスター・マダンと、よくもまあこれだけ見目麗しく、しかもこの鬼のような振付を毎日のようにきちんと踊っている男子を揃えたものだと思う。トリオでは、やっぱりサラ・コラ・ダヤノヴァの美しさが目に付く。

ジャン・ド・ブリエンヌのソロ。最初のピルエットで、ヴォルチコフは今までの汚名挽回、と最初の4番からのアティチュードでのピルエットの後、6回位回ったすごく速いピルエットを見せた。それからカブリオール2回、トゥールザンレールを入れたジュッテ、そしてイタリアンフェッテのようなフェッテアラベスクの跳躍を2回、ピルエット、後方へのカブリオール2回、アティチュードでのアンドゥダンのピルエットを2回、ソ・ド・バスク、トゥール・ザン・レールを入れたマネージュといった、これまたウルトラ高難度の振付。ヴォルチコフ最大の問題はパートナーリングだったので、ここは一応ちゃんと踊っていた。だって天下のボリショイの新プリンシパルだものね。でも振付をこなすので精一杯という感じ。前日のジョゼがあまりにも素晴らしすぎたし。ただ、ヴォルチコフはプロポーションは素晴らしいし脚のラインもきれいなので、観た感じは貴公子らしい。

ライモンダのヴァリエーション。ここでのマーシャはまた完璧。腕を上げて頭のところに手を置くハンガリアンのポーズの決まっていること!パ・ドブレはあくまで繊細で滑らか、床の上を滑るよう。上体の引き上げ方としなやかな上半身。ロシア流なので手は打ち鳴らさないため、腕の使いかたもオペラ座流とは全然違っていて、まろやかで柔らかだ。アラベスクでポーズを取るところのフォルムの美しさ。堂々とした気品はまさに姫。最後だけ、オペラ座方式に敬意を表したのか手を打ち鳴らした。このときのブラボーの嵐の凄まじさといったら!(某動画サイトにこの日のヴァリエーションがアップされているので、興味のある方は検索してみてください) やはりロシアン・バレリーナのポール・ド・ブラの美しさは絶品だけど、その中でもマーシャはもう格別。震えがとまらないほどだった。

コーダでは洪水のように華やかなダンスが舞台上に溢れる。特に、パ・ド・カトルの4人の男性ダンサーたちが一斉にアントルシャ・シスやバットマンシソンヌ、カブリオールをするという、舞台も終わりの終わりだというのに信じがたいほどハードな振付が詰め込まれているのには驚愕!(しかも、ばっちりと揃って決まっているのには心からブラボー)。キメのあとも、さらに終わりがないかのように続く饗宴。そして永遠の時につながっていくような、長い長い舞台がついに終わった。本当にマリーヤ・アレクサンドロワは世界最高のバレリーナであると実感した公演だった。だが、忘れがたい魅力を放ったアブデラムのステファン・ビュリヨンにも、マーシャと同じくらいの大きな拍手がカーテンコールで贈られていた。エトワールになる日もそう遠くないかもしれない。

また、果てしなくハードな振付で全編ほぼ出ずっぱりのジョシュア・オファルトとフロリアン・マニュネは素晴らしかった。若さに溢れていて、愛嬌もあり、観ていて本当に気持ちが良い。二人とも良いのだけど、特にオファルトの跳躍がふわっとしていて素晴らしかった!さらにはグラン・パ・クラシックの群舞ダンサーたちまで、全体的なレベルはきわめて高かったといえる。欲を言えば、やっぱりアンリエットとクレマンスが弱いのがこの日のキャストだった。女性ソリストのレベルの向上がオペラ座の大きな課題と思える。アンリエット&クレマンス役の二人よりも、シャルリーヌ・ジザンダネ、ローラ・エケ、サラ・コラ・ダヤノヴァ、マチルド・フルステといったダンサーたちの方がはるかに魅力的に思えてしまった。

いずれにしても、全編ダンスの洪水、豪華絢爛な華麗な歴史絵巻の魅力をたっぷりと味わった3時間半だった。グラズノフの傑作スコアを見事に奏でた、コロンヌ管弦楽団による演奏も極上のものだった。

2009/01/18

12/28 パリ・オペラ座「ライモンダ」2幕

すっかり間が開いてしまいました。1幕の感想はこちら

RAYMONDA Maria Alexandrova
JEAN DE BRIENNE Alexander Volchkov
ABDERAM Stéphane Bullion
HENRIETTE Aurélia Bellet
CLEMENCE Eve Grinsztajn
BERANGER Josua Hoffalt
BERNARD Florian Magnenet
SARRAZINS Charline Giezendanner, Marc Moreau
ESPAGNOLS Laura Hecquet,Julien Meyzindi
LE ROI Emmanuel Hoff

2幕は、まずライモンダと友人4人、おつきの人々がステージに登場すると、そこはアブデラムのテント。アブデラムが登場し、後ろにはサラセン人たちが控えている。そして後方に金色の天幕がドレープしながら広がる。このテントがゆっくりと広がっていく視覚効果のドラマティックなこと!天幕そのものが、細密な刺繍が施されているエキゾチックな美の極致で、うっとりするほどの美しさ。

「ライモンダ」という作品は2幕がクライマックスだと思う。特にアブデラムという役柄を強調したヌレエフ版はそうだ。タタール人というヌレエフの出自も関係していると思うが、殊更にヌレエフはこの役柄に思い入れを持って演出している。アブデラムの最初のソロは約1分間の間に、高度なテクニックが凝縮されている。間にアクセントを入れたポーズのあるフェッテを2回、高さのあるパ・ド・シャ、アティチュードでのアンドゥオール、続いてアン・デダンのピルエット、シソンヌ。アティチュードでのアン・レール…その間、アブデラムはずっと一点、ライモンダだけを見ている。背中を向けて横たわるセクシーなポーズも。アブデラムはここで自分の男性的な魅力をライモンダにアピールするのだ。ステファンの動きはキレがあって、強い目力もあり大変魅惑的。ライモンダは、クレマンスとアンリエット、ベルナールとベランジェを従えて舞台を横切る。アダージオとなり、ライモンダとクレマンス+アンリエットがパ・ドブレして交錯する。ベルナールとベランジェが加わって、ライモンダをアブデラムから護ろうとするが、時にはアブデラムの放つ色香に惹きつけられそうになるライモンダ。たった一人のアブレラム対ライモンダ&4人。この6人の隊形が様々に変化をして踊るアダージオは見ごたえがたっぷりある。アブデラムと向かい合うライモンダを中央にしてクレマンスとアンリエットの3人がポアントで立ち、両端をベルナールとベランジェがそれぞれサポートしている間に、女性3人が同時にドゥヴァンからパッセを通過してアティチュード・デリエールへと脚を動かすという大変難しい振付があったけど、もちろんこのシーンで一番完璧だったのはマーシャだ。エヴは一回軸じゃないほうの脚を下にポアント状態ではあるけど下ろしてしまっていた。

ライモンダはベルナールとベランジェに高々とリフトされ、そこからダイヴするようにアブデラムの腕の中に。さらに6人の踊りは変幻自在に形を変えていくが、やがてライモンダはなすがままにアブデラムに抱きかかえられ、友人たちの抵抗もむなしく、サポートつきのピルエットからフィッシュダイヴのような形で二人がポーズをしてアダージオが終了。ライモンダがアブデラムにからめ取られていくように、どうしようもなく惹かれていくのが表現されている。その中でも、あくまでも堂々とした気品を保っているのがマーシャだ。

P1020490s

アンリエットとクレマンスのヴァリエーション。この日の二人は決して悪くないのだけど、どうも印象が薄い。もちろん上手なことは上手なのだけど。その後のマーシャのライモンダが凄すぎてすっかり霞んでしまう。ライモンダのヴァリエーションもつま先をたくさん使った難しいものなのに、本当に余裕を持って軽々と。

アブデラムの2幕での2番目のヴァリエーションは、軽快な音楽に乗って、パドシャやフェッテアラベスクなどの跳躍をいれながら、ちょっとモダンダンス系の動きも入れて、さらにマチズモ的な魅力を訴える。正面を向いて見得を切り、両腕を広げてどうだ、こんなに権力を持っていていい男なのだとアピール。最後の着地での決めポーズがとてもカッコいい。ステファンは恵まれた体格、容姿でテクニックもあるのにちょっと損をしているのは、全体的に踊りが硬いこと。だけど、このヴァリエーションでは非常に軽やかで音楽とよく同化しており、十分柔軟性も発揮していた。大晦日の公演では、ここのキメでちょっとふらついてしまったのがつくづく惜しい。

アブデラムが手を叩いて合図をすると、幕の下からサラセン人たちが出てきて、まずはサラセンの群舞。それからサラセンのソロ。サラセンのソロは4日間ずっとシャルリーヌ・ジザンダネとマルク・モローという、ルグリのガラや「スーパーバレエレッスン」で日本でもお馴染みの二人。(シモン・ヴァラストロが怪我をしてしまって抜けてしまったのが残念)大きなポンポンのついた頭飾りが可愛い衣装。シャルリーヌにしてもマルクにしても、1幕から3幕までずっと何かしらの役で踊っているというのに、ここでの踊りのキレが素晴らしくて、ブラボーだった。この二人は、12月の昇進試験で二人とも昇進したのだったけど、それも納得。前方へバットマンするときのマルクの高く上がる足先、大きく反った背中、見事な柔軟性、シャルリーヌのダイナミックさ、とてもよく印象に残った。この二人は間違いなく出世するだろう。

スペインのソロ。キャスト表ではクリストフ・デュケンヌとなっていたのが、開演前のアナウンスでジュリアン・メイザンディに変更。前日もジャンをクリストフが降板していたので、心配になった。パートナーはローラ・エケ。ジュリアンももちろん注目の若手なので、出来が悪いはずがない。華やかでスタイリッシュな踊り。ローラはわりとクラシックなダンサーという印象が強いけど、こういうキャラクター性のある踊りでも、きれいなのだけどアクセントとタメがあってとっても素敵だった。その間も、ずっとライモンダから目を離そうとしないアブデラム。上手くかわそうとするライモンダ。

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3番目のアブデラムのヴァリエーション。これは、まず無音のところにアブデラムがつま先を揃えて、90度ずつ向きを変え、それから妖しいオリエンタルな音楽に乗せて重心を深く保ちつつ、アラベスクの姿勢で回り、上半身を大きく深く前にカンブレさせ、腕を蛇のようにくねらせ、後半はジュッテやアンレールの繰り返し。もっとも粘り気があって誘惑的、セクシャルな踊りだ。ここも「ダンサーズドリーム」で多く語られていた部分だけど、重心を低く保ちつつ腕は大きく自在に動かすというモダンダンス的な要素の強い踊り。腕が柔らかいダンサー向きなのでステファンにとってはやや不利なところもあった。だけど、彼はその分演技力でカバーをしていて大変魅惑的な、美しく若い王となっていた。途中一瞬滑ったけどすぐに体勢を立て直した。

音楽が変わり速くなると、アブデラムが愛をライモンダに懸命に訴える。あの深く誘惑的な魅惑的な目線で、じっと彼女を見つめる。跪いて彼女の手を取りキスをするが、軽く拒絶される。そのときの、それまではあまり感情を表に出さず寡黙だったステファンの、深く傷ついた表情が心に突き刺さる。走り去っていくライモンダを見つめる、傷を負いながらもあきらめきれない視線とある決意。アブデラムはおもむろに立ち上がってライモンダを抱きかかえ、連れ去ろうとしたその時、ジャン・ド・ブリエンヌがタイミングよくが登場してアブデラムの腕からライモンダを奪う。二人はしばしもみ合いになり、ジャンが手袋をアブデラムに投げつける。ハンガリー王が仲裁に入り、決闘へ。

この決闘が騎馬戦なのだ。盾を持った兵士たちに支えられて、大きな馬(もちろん生身の馬ではない)が2台登場し、馬上にはそれぞれジャンとアブデラム(観客からちょっと笑い)。長い棒を持った二人は馬上でそれを交えるが、しばし戦った後、二人は馬から下りて、今度は剣を交えることに。戦いの後、アブデラムは致命傷を負う。ライモンダに熱い、しかし哀しげな視線を送りながらアブデラムは息絶え、サラセン人たちに運び去られていく。一瞬ショックを受けたようなライモンダはアブデラムのあとを追いそうになるが、ジャンの元に駆け寄る。黄金色のアブデラムのテントは折り畳まれて消え、ふたリは歓喜のパ・ド・ドゥを踊る。

こうやって大筋をたどっていくだけでも、2幕は完全にアブデラムのために用意された場面であり、見せ場はジャンよりもずっと多いことがわかる。アブデラムを踊るダンサーは、ジャン以上に演技力、存在感が必要だ。ステファンは彼自身の持つ生真面目さが前面に出ているために、色香については抑え目だったと思う。だけど、その未成熟な青さと情熱がとても眩しい。非常に若くして大きな権力を持ったために戸惑いつつも、その立場に相応しい存在になろうと背伸びする様子がなんともいとおしい。戦い一筋に生きてきたであろう彼が、一瞬の愛にすべてを賭け、散っていくという役柄は、踊る側にとっても大変やりがいのある役だろう。その上、古典のテクニック、コンテンポラリーのテクニック、華やかさ、視線を奪う見せ方が必要とされていてとても難しい役だ。ステファンは、今回、4日連続してこの役を踊り、期待されていたエトワール昇格は果たせなかったものの、強い印象を観客の心に刻み付けたはずだ。そして将来の躍進に向けて、大きな糧を得ただろう。

パリ・オペラ座デルフィーヌ・ムッサンのドキュメンタリー「Ma Soeur L'Etoile」

パリ・オペラ座・ガルニエのショップで、デルフィーヌ・ムッサンのドキュメンタリーDVD「Ma Soeur L'Etoile」を購入した。最初「デルフィーヌ・ムッサンのDVDはありますか?」と聞いてもショップの人がわからなかったようなので、英語で「My Sister is an Etoile」と聞いたら理解してくれた。英語字幕の入ったヴァージョンも収められている。

http://ma-tvideo.france2.fr/video/iLyROoaftDC3.html
http://limousin-poitou-charentes.france3.fr/emissions/38458077-fr.php
(ちょっとだけ映像が観られる)

フランスのテレビ局France3で放映されたもので、デルフィーヌ・ムッサンを、4歳年上の姉カロリーヌとともに追ったもの。仲の良い姉妹はまず最初に姉がバレエを習ったけど、ロシア人の教師に妹も習うようにと言われた。そして背が高くて美しいカロリーヌは16歳で世界的なモデルとなり、デルフィーヌはオペラ座学校に入学。今、カロリーヌは自分のバレエ教室で教える一方、デルフィーヌはエトワールに任命された。今でもとても仲の良い二人。

カロリーヌの可愛い小さな教え子たちに話を聞かせるデルフィーヌ。「エトワールになることよりも、主役をもらえることの方が難しい」。今まで一番大変だったことは何か、と聞かれたデルフィーヌの答えは「シンデレラ」の主役を踊った時に腕を骨折してしまい、医師には踊るなといわれても特殊な石膏で固めて踊ったこと。そしてその腕で踊った時、デルフィーヌはエトワールに任命された。というわけで、2005年5月3日にエトワールに任命された時の映像も紹介。カール・パケットが王子だったのだ(これがも~キラキラの笑顔が眩しい王子様!)。そしてもちろん、その時にはデルフィーヌの夫君リオネル・ドラノエと、カロリーヌも見守っていた。

2006年の日本公演に備えて、エルヴェ・モローとデルフィーヌが「白鳥の湖」のリハーサルを行う様子がたっぷりと収められている。デルフィーヌの教師は、元エトワールのフロランス・クレール。リハーサルでは彼女がロットバルト役まで演じている。ヌレエフの薫陶を受けたフロランスが役作りについて語るところはとても面白い。1ヶ月の間のリハーサル。新しいチュチュをあつらえてもらうのは、エトワールの特権。そして日本公演の様子も。リハーサルの合間には、カロリーヌの娘とショッピングに出かけてストレスを発散。東京バレエ団のリハーサル室でさらにリハーサルを重ね、そして本番。思ったより長い時間、エルヴェとのパ・ド・ドゥの舞台映像が収められているのが嬉しい。この公演は私も4階席から観ていて、デルフィーヌのオデットはじめ、本当に素晴らしい公演だったので思い出深い。舞台袖で待っているカロリーヌとその娘、そしてドラノエ。踊りきった後も舞台を振り返ってしっかりとダメだしを自分で行っているところはさすが。ファンサービスに応じた後、ホッとした表情で電車に乗り込むデルフィーヌ。

最後には、ビーチにあつらえた特設野外ステージでオーケストラを背に「瀕死の白鳥」をデルフィーヌが踊る。いつまでも仲良く支えあっている姉妹の姿がとても印象的。1時間弱と短いけれども、「白鳥の湖」のリハーサル映像がたっぷりと観られて、とても面白かった。カロリーヌが教える大人クラスの生徒たちもとても上手だったのがまた印象的。教室のスポンサーでもある大人バレエの生徒が、リハーサルの見学をした後に見せた、バレエへの思いを語るキラキラした表情もまぶしかった。

パリ・オペラ座のサイト(今オペラ座のサイトのリニューアルで、どこにオンラインショップがいってしまったのか見つけられない)やFNACのサイトで購入することが可能。PALのリージョン2。
http://video.fnac.com/a2246055/Ma-Soeur-l-Etoile-DVD-Zone-2

パリ・オペラ座は現在ツアーで、ジュネーヴで「ジゼル」を公演中。
http://www.letemps.ch/template/galerie.asp?NLArtID=15739
で、デルフィーヌ・ムッサンのジゼル、エミリー・コゼットのミルタほか、舞台袖からの様子も伺える、ドラマティックでとても美しい写真のスライドショーを見ることができます。

2009/01/17

1/16 レニングラード国立バレエ −ミハイロフスキー劇場−『海賊』Le Coisaire Mikhailovsky Ballet

2009年1月16日 Bunkamura オーチャードホール
http://www.koransha.com/

[音楽]アドルフ・アダン、チェザーレ・ブーニ、レオ・ドリーブ、リッカルド・ドリゴ、パーヴェル・オリデンブルグスキー
[台本]アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ、ジョゼフ・マジリエ
[改訂台本]ユーリー・スロニムスキー [振付・演出]マリウス・プティパ
[演出]ピョートル・グーゼフ [美術]シモン・ヴィルサラーゼ
[指揮]ミハイル・パブージン [管弦楽]レニングラード国立歌劇場管弦楽団

<キャスト>
コンラッド(海賊の首領) アルチョム・プハチョフ
メドーラ オクサーナ・シェスタコワ
アリ(海賊) イーゴリ・コルプ(ゲスト・ソリスト)
ギュリナーラ タチアナ・ミリツェワ
ランゲデム(奴隷商人) デニス・モロゾフ
セイード・パシャ(トルコの総督) アンドレイ・ブレクバーゼ
ビルバンド(海賊) アレクサンドル・オマール
フォルバン エレーナ・モストヴァーヤ、アンナ・ノヴォショーロワ、オリガ・セミョーノワ、ニコライ・アルジャエフ、ロマン・ペトゥホフ
アルジェリアの踊り エレーナ・モストヴァーヤ
パレスチナの踊り オリガ・セミョーノワ
クラシック・トリオ イリーナ・コシェレワ、ダリア・エリマコワ、ヴィクトリア・クテポワ

年初からの体調不良から今ひと回復していなくて、テンション低めで臨む羽目に。しかも、残念なことにチケットが売れていないようで会場は空いている。休憩時間もロビーに人は少ないしお手洗いは並ばないし。もったいない…。

良い公演だったと思う。「海賊」だと、指揮や演奏のクオリティに足を引っ張られることもないし。だから、返す返す客入りが悪いのが残念だった。客席が埋まっていないと、公演が良くても拍手の数が少ない気がしてしまって盛り上がらないところがあるのだ。

シェスタコワは今日も調子が良かったと思う。いつもながら派手さはやっぱりないんだけど、たおやかでラインが伸びやかで綺麗だった。2幕のパ・ド・トロワでのフェッテでは絶好調で、ダブルを織り交ぜていたし、後半からは90度ずつスポッティングする位置を変えていて(つまり顔を向ける位置を90度ずつずらしていく)回転にしていた。場所の移動も軸のぶれもなく、ぴたりと音楽にあわせて回りきった。ここのバレエ団の「海賊」の1幕の衣装はちょっと微妙で、メドーラはピンクのふんわりしたドレスになぜか紺色のボレロがついていていまひとつセンスが良くない。それだけに、3幕の花園シーンでのクラシックチュチュ姿に気品があり、素敵に見えるという効用があるのだけど。花園のシーンでのシェスタスコワのメドーラは本当に夢のようにきれいで、思わずこちらまで夢に誘われてしまいそう。まさにお手本のような端正さ。

ギュリナーラ役のミリツェワも、「ジゼル」でのいまいちぶりをすっかり帳消しにする好調ぶりで、とてもキラキラしていて美しかった。可愛くてちょっと色っぽくて妹キャラっぽいギュリナーラを好演。メドーラ役とギュリナーラ役が良いと満足度は結構高い。

コンラッドはプハチョフ。頭の薄さを、バンダナで上手く隠していて、プロポーションと脚のラインの美しさが際立っていたし、正確で安定したサポートで作品の要となっていた。でもコンラッドってサポートが多いから主人公なのに今ひとつ目立たない役なのよね。
もったいないのが、この「海賊」ではランケデムの見せ場が今ひとつ少ないこと。モロゾフも頑張っていて、ヴァリエーションでは高いパ・ド・シャをたくさん見せてくれたし、ファイブフォーティだって入れていたのに、キャラクター設定が今ひとつ濃くないというか目立たないのだ。演技が薄いのか愛嬌が足りないのか、演出の問題なのか…。その分、ビルバントのオマールのほうがずっと存在感があった。彼はなぜか人を惹き付ける華があるのだ。「ジゼル」のヒラリオンも良かったし。ここでも悪役ではあるんだけど、なぜか憎めない魅力があった。特に終盤のコンラッドとビルバントの対決シーンがすごく迫力があるのにびっくり。二人とも剣を持っているのに、派手に飛び回ったりして、思わぬ見せ場が見られてちょっと得した気分。

さて、もちろんこの公演は、コールプのアリを観たいがためにチケットを取ったのだ。コールプの全幕でのアリを観るのは初めてで。全幕ということもあるので、思った以上に控えめで気品があるアリだったと思う。コールプだから、もっとオレ様で偉そうなアリかと思いきや。でも、赤いハーレムパンツ、ゴージャスな髪飾りや腕輪できらびやかに飾り立てていて、なんで奴隷なのにこんなに派手なの?もしかして彼は本当は王様でこれは世を忍ぶ仮の姿かしら?なんて思わせてくる。パ・ド・トロワが終わった後で、妖しくクネっと身をくねらせてセクシー横すわりしているお姿にはちょっとウケた。なんでわざわざこんなポーズを取るのかって突っ込みを入れたくなっちゃう。そう、こういう彼を期待していたのよねって。このアリだったら、あの目の周り黒いメイクも全然ありというか、これくらいやってくれないとって思う。恭順な奴隷のはずだしそういう演技をしているんだけど、やけに存在感が強烈で不穏な感じの、摩訶不思議な生き物がいるな~というのが印象。

いかん、肝心のコールプの踊りについて書くのを忘れそうになった。ちょっと抑え目かな、と思わないこともなかったけど、やはりこの人の踊りは突出して美しい。アリのヴァリエーションで最初にとるアティチュードのポーズ、その完璧なまでの美しさ。足先が高く上がる。アラベスクでも、ラインがとても長い。マネージュの時のきれいに伸びた股関節と脚。しなやかな着地。伸びやかなグラン・テカールとトゥール・ザン・レールの連続。コーダのピルエット・ア・ラ・スコンドでは、ア・ラ・スゴンドに上げた脚がとても高い位置でぴたっと決まっているので、すごく端正で華麗に見える。しなりすぎ、と思えるほどしなやかなところが、かえってクセがあるように見えるのがポイント。ちょっと面白いけど素敵なアリで、それだけに、この役の出番の少なさが物足りなくなってしまう。

クラシック・トリオ(オダリスク)はやっぱりコシェレワの鷹揚でこれぞ古典バレエ、という美しさが際立っていた。金髪でちょっとミリツェワに似ているのがダリア・エリマコワなのね。花園のコール・ドもとても優雅できれいだったと思う。

コールプのアリとオマールのビルバント以外の男性陣が薄味なのがやや物足りない気もするけど、本当に質の高い公演だった。それだけに、会場が空いていたのが残念。やっぱり平日6時半公演ってなかなか行きづらいってところなのかな。それも観づらく音が良くないオーチャードホールだったというのが。

2009/01/16

エイフマン・バレエの「アンナ・カレーニナ」Boris Eifman Ballet "Anna Karenina"

新国立劇場2009/2010シーズンに上演されるボリス・エイフマン振付の「アンナ・カレーニナ」ですが、実は今年の3月に、韓国で本家エイフマン・バレエによって上演されます。

ひょっとしたら、新国立劇場の関係者は、韓国に観に行かれるかもしれませんね。

LG Arts Center
2009.3.27(Fri)-29(Sun)
Fri 8 pm, Sat 4 pm, Sun 3 pm
Boris Eifman Ballet "Anna Karenina"

http://www.lgart.com/EngHome/booking/bookdetail.aspx?seq=1686

こちらのサイトでは、作品の一部を動画で観ることができます(multimediaと書いてあるアイコンをクリックしてください)。ものすごくそそられる動画です。LGアートセンターによると、休憩時間込みで110分の作品とのことですから、それほど長いわけではないですね。
韓国には来てくれるのに、エイフマン・バレエは長らく日本には来ていませんよね。今回の上演がきっかけとなって、また来てくれるようになればいいのに。

2005年初演と比較的新しい作品で、カリフォルニアでも上演されていますので、検索してみるとたくさんレビューを読むことができると思います。

このBallet.coのレビューが比較的わかりやすいと思います。
http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_05/jul05/rr_rev_eifman_0605.htm

音楽はチャイコフスキーを使用していて、どの曲を使用しているかは、Wikipediaで見ることができます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anna_Karenina_(2005_ballet)


なお、エイフマン・バレエは5月には、ニューヨークのCity Centerで、新作「オネーギン」を上演します。
http://nycitycenter.org/tickets/productionNew.aspx?performanceNumber=3770

2009/01/15

新国立劇場バレエ来シーズンキャスト

新国立劇場のオフィシャルサイトに、バレエ2009/2010シーズンの演目が公開されています。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/index.html
(わかりにくいのですが、左側にシーズンへのリンクあり、各演目ごとのキャストから)

新国立劇場ラインアップ発表のページはこちら
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000624.html

バレエのラインアップ発表はこちら
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season1

●2009年10/12(月・祝)〜18(日)
 『ドン・キホーテ』
●2009年12/20(日)〜26(土)
 『くるみ割り人形』
●2010年1/17(日)〜23(土)
 『白鳥の湖』
●2010年3/21(日)〜28(日)
 ボリス・エイフマンの『アンナ・カレーニナ』
●2010年5/1(土)〜5(水祝)
 デヴィッド・ビントレーの『カルミナ・ブラーナ』
●2010年6/29(火)〜7/4(日)
 牧阿佐美の『椿姫』

発表されているキャストは以下の通りです。

●『ドン・キホーテ』
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000201_ballet.html
【キトリ】
 スヴェトラーナ・ザハロワ(10月12日(祝),14日(水),16日(金))
 寺島ひろみ(10月13日(火))
 寺田亜沙子(10月15日(木)マチネ)
 川村真樹(10月17日(土))
 本島美和(10月18日(日))

【バジル】
 アンドレイ・ウヴァーロフ(10月12日(祝),14日(水),16日(金))
 山本隆之(10月13日(火))
 マイレン・トレウバエフ(10/15(木)マチネ)
 芳賀望(10月17日(土))
 <未定>(10月18日(日))

寺田さんが、主役デビューですね。マイレンも新国立でのバジルデビューのはず。しかしこの公演、平日昼間なんですね。なんで新国立劇場は、時々意味不明の平日マチネ公演を行うのか、理解に苦しみます。

●『くるみ割り人形』
【金平糖の精】
 小野絢子(12月20日(日))
 川村真樹(12月21日(月))
 寺島ひろみ(12月22日(火),24日(木))
 川村真樹(12月23日(祝)(昼))
 本島美和(12月23日(祝)(夜〉、25(金))
 さいとう美帆(12月26日(土))
【王子】
 山本隆之(12月20日(日)、23(祝)(夜〉、25(金) )
 芳賀望(12月21日(月))
 貝川鐵夫(12月22日(火),24日(木))
 マイレン・トレウバエフ(12月26日(土))
【雪の女王】
 西山裕子(12月20(日)、12月23日(祝)(夜〉、25日(金)
 西川貴子(12/21)
 湯川麻美子(12/22、24)
 厚木三杏(12/23〈昼〉)
 堀口純(12/26)

【クララ】
 伊東真央(12/20、23〈夜〉、25)
 井倉真未(12/21、23〈昼〉)
 さいとう美帆(12/22、24)
 小野絢子(12/26)

堀口さんが雪の女王にキャスティング。 小野さんが金平糖の精とクララに。 そして伊東さんと井倉さんがクララ役に。

●『白鳥の湖』
【オデット/オディール】
 スヴェトラーナ・ザハロワ(1月17日(日),19日(火),21日(木)) )
 小野絢子(1月20日(水))
 さいとう美帆(1月23日(土))
 <未定>(1/22)

【ジークフリード王子】
 アンドレイ・ウヴァーロフ(1月17日(日),19日(火),21日(木))
 山本隆之(1月20日(水))
 マイレン・トレウバエフ(1月23日(土))
 <未定>(1/22)

【ルースカヤ】
 湯川麻美子(1/17)
 遠藤睦子(1/19)
 井倉真未(1/20)
 寺島まゆみ(1/21)
 丸尾孝子(1/22)
 <未定>(1/23)

●ボリス・エイフマンの『アンナ・カレーニナ』
●デヴィッド・ビントレーの『カルミナ・ブラーナ』は出演者未定。

●牧阿佐美の『椿姫』
【マルグリット】
 スヴェトラーナ・ザハロワ(6月29日(火),7月1日(木),3日(土))
 酒井はな(6月30日(水)))
 本島美和(7月2日(金)) 
 <未定>(7/4)

【アルマン】
 山本隆之(6月30日(水))
 外国人ゲスト(6月29日(火),7月1日(木),3日(土))
 <未定>(7/2、4)

悪い予感がしてましたが、本島美和祭りです(苦笑)くるみは本島さん、2回も金平糖をやるし。しかも、出演する日の曜日が祝日だったり日曜日だったり、ものすごく優遇されているのがわかります。「くるみ割り人形」がクララと金平糖、雪の女王という3つの役があるなら、まるっきり牧阿佐美バレヱ団版と同じパターンという悪い予感がします。ファーストソリストの寺島ひろみさんや川村さんよりソリストの本島さん主役が多くて四回もあるって、どうかしています。シンデレラの仙女も最悪だったのに。

寺島ひろみさん、川村さんの名前が「白鳥の湖」にありませんね。小野さんとさいとうさんという小柄な二人がオデットを踊ります。意外なキャスティングです。

ゲストはザハロワとウヴァーロフのみ決定。「アンナ・カレーニナ」がゲストありなのかどうかが気になります。エイフマン・バレエから呼んでくれるといいな、と思ったりして。

マイレンと芳賀さんの主役が増えました。でも芳賀さんの主役だったら、パートナーは寺島まゆみさんでも良かったかもしれませんね。

このラインアップだと、やはりプルミエはやめて、マイダンサー券でマイレンの日を見るということになりそうです。っていうか、ザハロワファンではない限り、プルミエを買う意味はないですね。もちろん、ザハロワが来てくださるのは嬉しいのですが、ザハロワだったらコンテンポラリーで観たいです。「ドン・キホーテ」と「白鳥」なんて、この間のボリショイの来日公演と同じ演目なのだから、たまには違う作品で観たいです。もちろん駄作「牧阿佐美の椿姫」以外の。彼女自身も、オデットとキトリ以外の役を踊りたいはず。

期待していなかったけど、やっぱりがっかりです。ホント、早くビントレー芸術監督時代になって欲しいです。牧芸術監督はこんなキャスティングをして、すっかり晩節を汚したって感じですね。NBSニュースの佐々木忠次さんのコラムがまだ続いていて欲しかったですよ。今回のプログラムにドカンと苦言を呈してほしかった。

追記:ちなみに、「ドン・キホーテ」『白鳥の湖』「椿姫」演目のサイト右側「ムービー」からは、ダイジェスト動画を見ることができます。

さらに追記:

コンテンポラリー・ダンスのラインアップを見ていたら、
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list03.cgi#season1

2010年5月29日、30日の「DANCE to the Future」は新国立劇場バレエ団を中心としたダンサーに振付けた3作品の上演だそうです。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000222_dance.html

振付家はドミニク・ウォルシュ、能美健志、そしてなんと新国立劇場バレエ団の井口裕之さんの作品という3本立てとのこと。もしかしたら面白いかも知れませんね。

パリ・オペラ座のオフィシャルサイトがリニューアル

11日から14日までパリ・オペラ座のオフィシャルサイトが、リニューアルのためチケット購入が出来なくなっていました。

今日(14日)リニューアルが完了したようです。トップページのアドレスが、
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/site/index.php?lang=en
(英語版)となっていますが、今までのhttp://www.operadeparis.fr/
でもアクセスは出来ます。

ただし、各演目ごとのURLはすべて変更となっていますので、従来の演目ごとのURLはNot Foundになってしまうため、気をつけてくださいね。すべてTOPページから見てみてください。

バレエ演目についてはここから。
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/site/saison/ballets/index.php?lang=fr

トップページでフランス語から英語およびドイツ語に言語が変更可能となりました。大きく変更になったのは予約システムで、言語を途中で変更してもトップまで戻らなくてもよくなったり、今までの購入履歴を見ることができたりと、ちょっと便利になりました。また、パーソナライズもできるっぽいのですが、まだやり方はよくわかりません。

バレエ団の団員一覧が載っているサイトはここになります。
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/site/lopera/opera_ballet/LeBalletdelOpera/index.php?lang=en

オペラ座の「リファール/プティ/ベジャール」プロは1月31日からなのですが、まだオフィシャルにはキャストが載っていないんですね。

ダンソマニに載っているキャストは以下の通りです(変更の可能性アリ)
怪我で長らく出演していなかったエルヴェ・モローの名前が、「白の組曲」にあります。

Suite en blanc 「白の組曲」

La Sieste
Ciaravola + Romberg + Mallem
ou
Abbagnato + Grinsztajn + B. Martel
Remp : Dayanova, Lamoureux

Thème varié
Cozette ou Gilbert ou Romberg, remp. Dayanova, Mallem
Bullion ou Duquenne ou Paquette ou Phavorin ou Thibault ou Carbone, remp. Hoffalt, Magnenet, Meyzindi

La Sérénade
Daniel ou Ould-Braham, remp. Giezendanner, Guérineau

Pas de cinq
Zusperreguy ou Froustey, remp. Giezendanner, Guérineau
Bellem + Gaudion + Bodet + Gaillard, remp. Madin, Révillion, Gasse, Vigliotti

La Cigarette
Dupont ou Cozette ou Gillot ou Letestu, remp. Daniel

La Mazurka
Bélingard ou H. Moreau ou Pech, remp. Paquette, Thibault

L'Adage
Dupont ou Moussin ou Osta, remp. Ciaravola
Ganio ou Pech ou H. Moreau, remp. Duquenne, Paquette

La Flûte
Gilbert ou Osta ou Pujol, remp. Ciaravola, Hurel

Le Manège
NN.

Les Fouettés
NN.

L'Arlésienne「アルルの女」

Vivette : Moussin ou Osta, remp. Abbagnato, Ciaravola, Daniel

Frédéri : Legris ou Bélingard ou Pech, remp. Bullion, Carbone


Boléro 「ボレロ」

Gillot ou Romberg ou Le Riche ou Martinez

2 danseurs : Duquenne + Paquette ou Bullion + Bridard, remp. Charlot, Hoffalt, Magnenet, Saïz

新国立劇場バレエ団 2009/2010シーズンラインアップ

今シーズン、新国立劇場のバレエ・プルミエメンバーだったため、プルミエセット券の継続申込書とともに、2009/2010シーズンラインアップのお知らせが送られてきていました。

キャストなどの詳細は会報誌ジ・アトレの2月号に載るようです。1月20日ごろに送られてくるのかしら?20日から申し込み開始だとオフィシャルサイトにも書いてありましたね。

なんといっても、目玉は「ボリス・エイフマンのアンナ・カレーニナ」ですね。エイフマンの作品を日本のバレエ団で観られるとは思いませんでした。これはすごく楽しみです。

「カルミナ・ブラーナ」の再演と、同じくビントレー作品の「ガラントゥリーズ」の新国立劇場初演も嬉しいですね。(反面、それ以外のラインアップは新味に乏しいですが)

日程が判明したプルミエとソワレAのみ、書いておきます。


ドン・キホーテ」 2009年10月12日(月・祝)16:00(プルミエ)、10月14日(水)19:00(ソワレA) 

くるみ割り人形」2009年12月20日(日)16:00(プルミエ)、12月22日(火)19:00(ソワレA)

白鳥の湖」2010年1月17日(日)16:00(プルミエ)、 1月19日(火)19:00 (ソワレA)

ボリス・エイフマンのアンナ・カレーニナ」は中劇場公演のため、以下の日程から選択
3/21(日)16:00  3/22(月・祝)14:00  3/26(金)19:00  3/27(土)14:00  3/27(土)18:00  3/28(日)14:00

カルミナ・ブラーナ」(同時上演「ガラントゥリーズ」)2010年5月1日(土)14:00(プルミエ)、5月2日(日)18:30(ソワレA)

牧阿佐美の椿姫」 6月29日(火)19:00(プルミエ)、7月1日(木)19:00(ソワレA)
  

出演者は、「くるみ割り人形」以外は、プルミエとソワレAは同じとのことです。(ゲストかどうかは不明)
プルミエのS席セットが6万円です。(微妙に値上げ?)


個人的な見解として。
自分がプルミエを継続するかどうかは、ゲストが誰が来るか次第ですが、今シーズンの「コッペリア」のキャスト変更の酷い仕打ちもありましたし、このラインアップだったら私は継続する可能性は低いです。エイフマンやビントレー作品は魅力的なのでぜひ観たいのですが、即完売ということはないでしょうし、それぞれ個別にチケットを取ればいい話です。「椿姫」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」と3つも牧振付作品を観させられるのはちょっとイヤです。しかも古典3作品のうち2作品が牧改訂振付なんて…。第二牧阿佐美バレヱ団じゃないですか、これでは。

6万円あれば、来日バレエ団の引越し公演など、別のチケットに使いたいなと。そして2010年秋からのビントレー新芸術監督の手腕(=牧カラーの払拭)に期待します。

それから、日曜日のマチネが16:00開演というのがとても不思議です。「白鳥の湖」のように長い作品だと、終演が7時過ぎとかになってしまうので、家庭を持っている人にはちょっと終わるのが遅い気がするんですよね。今までのように15:00開演ではなぜダメなんでしょうかね。

どうも新国立劇場の話になってしまうと、毒舌になってしまいます。すみません~。

2009/01/13

ハンブルク・バレエ来日公演のキャスト HAMBURG BALLETT Gastspiel Japan

ハンブルク・バレエのオフィシャルサイトに、日本公演のキャストが出ていました。(ebijiさんいつもありがとうございます!)
おそらく日本の招聘社側では発表しないと思いますが…。
(追記:キャスト変更の可能性はあると思いますので、最新情報はオフィシャルサイトの方で確認してくださいね)

http://www.hamburgballett.de/d/gastspiel.htm
Japan

Tokio 東京
NHK Hall NHKホール
Die kleine Meerjungfrau「人魚姫」
12., 15. Februar 2009 2月12日、15日
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubenícek

15. Februar 2009 (nachmittag) 2月15日マチネ
Der Dichter: Dingle
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Bouchet
Edvard/Der Prinz: Franconi, Henriette/Die Prinzessin: Agüero
Der Meerhexer: Moret Gonzalez


Yokohama 横浜
Kanagawa Kenmin Hall 神奈川県民ホール
Die Kameliendame「椿姫」
18. Februar 2009 2月18日
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet, Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguëro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog : Ivanenko

19. Februar 2009 2月19日
Marguerite: Azzoni, Armand: Bordin
Manon Lescaut: Agüero, Des Grieux: Bubenícek
Prudence: Dumont, Gaston: Moret Gonzalez
Olympia: Zanotto, Count N.: N.N.
Mr. Duval: Franconi, Nanina: Borchert, Der Herzog: Dingle


Nagoya 名古屋
Aichi Arts Theatre 愛知県芸術劇場
Die kleine Meerjungfrau 「人魚姫」
22. Februar 2009 (nachmittag) 2月22日 マチネ
Der Dichter: Dingle
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Bouchet
Edvard/Der Prinz: Franconi, Henriette/Die Prinzessin: Agüero
Der Meerhexer: Moret Gonzalez

22. Februar 2009 (abend) 2月22日 ソワレ
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubenícek

Nishinomiya 西宮
Hyogo Performing Arts Center 兵庫県立芸術文化センター
Die Kameliendame 「椿姫」
26. Februar 2009 2月26日
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet, Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguëro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog : Ivanenko

Die kleine Meerjungfrau 「人魚姫」
28. Februar und 1. März 2009 2月28日、3月1日
Der Dichter: Urban
Die kleine Meerjungfrau/Seine Kreation: Azzoni
Edvard/Der Prinz: Jung, Henriette/Die Prinzessin: Bouchet
Der Meerhexer: Bubenícek


Hiroshima 広島
Hiroshima Koseinenkin Hall 広島厚生年金ホール
Die Kameliendame 「椿姫」
4. März 2009 3月4日
Marguerite: Azzoni, Armand: Bordin
Manon Lescaut: Agüero, Des Grieux: Bubenícek
Prudence: Dumont, Gaston: Moret Gonzalez
Olympia: Zanotto, Count N.: N.N.
Mr. Duval: Franconi, Nanina: Borchert, Der Herzog: Dingle


Fukuoka 福岡
Fukuoka Sun Palace 福岡サンパレス
Die Kameliendame 「椿姫」
7. März 2009 3月7日
Marguerite: Boulogne, Armand: Riabko
Manon Lescaut: Bouchet, Des Grieux: Bordin
Prudence: Heylmann, Gaston: Megrabian
Olympia: Aguëro, Count N.: Stegli
Mr. Duval: Jung, Nanina: Vracaric, Der Herzog: Ivanenko

シルヴィア・アッツォーニのカンパニープロフィールでは、「椿姫」のレパートリーはマノンとプルーデンスということになっており、おそらく全幕でマルグリットを踊るのは初めてだと思われます。ガラでは何回も踊っていますが。
ってことは、がんばって平日マチネ公演を観に行かなくちゃ、ってことですね。

ホント、しつこいですけど何で人気の「椿姫」が神奈川でしかやらなくて、しかも平日マチネ&平日ソワレなんでしょうね。この日程設定だけはホントに許せないです。

ぴあでNHKホールの2月15日・日曜日ソワレの「人魚姫」のチケットを見てみたら、S席はびっくりするような良席が残っていましたよ。ファーストキャストのシルヴィアの日ですから、まだ買っていない方、いかがでしょうか?高いですけどね。

ちなみに私ですが、広島、兵庫以外は全部行くつもりです(苦笑)。一番行けるかどうか判らないのが神奈川公演なんですもの。(「椿姫」は神奈川の平日昼公演でもチケットはよく売れていて、Sと安い席は完売のようです)。ハンブルク貯金を去年からしていましたーー;

2009/01/12

パリ・オープンツアー他、パリ雑感などなど

オペラ座の「ライモンダ」、28日の感想の1幕だけ完了しました。感想を書くのに時間がかかりすぎです。「ライモンダ」のCDを聞きながら、思い出しつつ書いています。

一昨年末のパリは暖冬で東京とほとんど変わらない気温だったのに、昨年末は寒かった~!これが通常の気温なのかもしれないのだけど寒いのが苦手なもので。

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(バスの上から撮ったパリ北駅。モンマルトルツアー)

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こんなお店がパリっぽいっていうかモンマルトルっぽい感じ。

それなのに、私たちはあほなので、私が6月の「椿姫」で来た時に乗って楽しかったパリ・オープンツアーの2階建てバスに到着当日の朝から乗り、しかも天井のない2階席に座って市内観光をした。パリなんて私はもう10回目くらいなのに、連れの家人がまだ2回目、しかも前回は2日間しかいなかったので、このバスに乗せてみたかったので。いやー、本当に寒かった!用心してホッカイロを背中に貼って、帽子をかぶっていったけどそれでも身体の芯から冷えた。それでも物好きが多いのか、この氷点下の寒さの中でも、2階席も夕方4時くらいまではほぼ満席で、乗り切れない人も出てくる始末。このオープンツアーは、日本語のイヤホンガイドもあって、なかなか面白い。

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バスの上から写真を撮ると、エッフェル塔もこんな感じで斜める(笑)

モンマルトルを行くコースを回った後(サクレクールで一旦下車)、一旦ホテルに戻り、家人はユニクロのヒートテックを着込み、私はカイロを追加して(靴の中に入れるカイロも)午後に臨んだら少しマシだった。家人は帽子を持っていなかったので、マフラーを頭に巻いていたけど、傍から見るとゲゲゲの鬼太郎のネズミ男のようで相当笑えた。ユニクロのヒートテックは相当暖かいようだ。ベタなコースなんだけどやっぱり、2階から見る凱旋門やシャンゼリゼ、エッフェル塔は楽しい。帰りにH&Mに寄って、家人のために帽子と手袋を購入。プランタンの隣のH&Mは混雑していて入店時に荷物検査もあったけど、日本のことを思えば余裕。手袋など、2組で3.98ユーロだから、激安だ。

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結局今回はルーブル美術館には行かず。この寒い中(ピラミッドの前の噴水も凍っていた)、あの長い列に並ぶ気が全然しなかったし、またどうせ行けると思うと(そういえば、ルーブル美術館展も新国立美術館で予定されていた)。

私は旅行に行くと基本、別行動が好きなのだけど、家人連れだとどうしても一緒の行動が多くなってしまう。スイーツとかも食べたかったし、もっと自由行動したかった気もするけど、その分無駄な買い物をしなくて良かったのかもしれない(笑)今回は、けっこう美味しいものを食べることもできたし。

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夕方からピンク色にライトアップされるマドレーヌ寺院そばのフォション。

ホテルは、オペラ座通りからちょっとだけ中に入ったところで最寄り駅はカトル・セプタンブル、比較的日本人街の近く。6月もここに泊まったのだけど、値段の割に部屋が広く、バスタブもあって清潔、フロントも感じがよくて良いホテルだった。しかし6月に行ったときには、近くにスーパーのモノプリがあったり、すぐそこにサントノレのレストラン街があるということに全然気がついていなかった。サントノレはお値段が高いというイメージがあったけど、意外とそうでもなくて、特にマルシェサントノレ近辺は良かった。Fuxiaというイタリアンは、日曜日も営業していて値段もリーズナブルだし、前菜が種類が多く、サーモンのタリアッテレもペンネアラビアータもまずまず美味しかった。ランチに行ったPoint Barもプリフィクスがあってなかなか良かった。

そうだ、今回何人か日本でも馴染みの方と劇場でお会いしたり、それから初めてお会いした方も何人かいたのです。旅先の出会いというのも楽しいものです。が、実は私は意外とシャイで人見知りをするほうなので、なかなか自分から声をかけたり、名前等お伺いするのが得意なほうではないのです。さらに、人の顔をおぼえるのが不得意なため、もしかしたら知っている方にお会いしているのに気がついていないとか、失礼してしまっているかもしれないのです。もし失礼等してしまっていたとしたら、ごめんなさい。こんな私ですが今年もよろしくお願いいたします!

1/11 レニングラード国立バレエ−ミハイロフスキー劇場−『白鳥の湖』

レニングラード国立バレエ −ミハイロフスキー劇場−『白鳥の湖』
東京国際フォーラム ホールA

[作曲]ピョートル・チャイコフスキー
[台本]ウラジーミル・ベギチェフ、ワシーリー・ゲルツェル
[振付]マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
[改訂演出]ニコライ・ボヤルチコフ [美術]ヴャチェスラフ・オクネフ
[指揮]ミハイル・パブージン [管弦楽]レニングラード国立歌劇場管弦楽団

オデット/オディール:オクサーナ・シェスタコワ
ジークフリート:イーゴリ・コルプ(ゲスト・ソリスト)

ロットバルト:ウラジーミル・ツァル
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:アンドレイ・ブレクバーゼ
パ・ド・トロワ:イリーナ・コシェレワ、タチアナ・ミリツェワ、アントン・プローム

小さい白鳥:アンナ・クリギナ、ナタリア・クズメンコ、エレーナ・ニキフォロワ、ユリア・チーカ
大きい白鳥:タチアナ・ミリツェワ、ダリア・エリマコワ、ヴィクトリア・クテポワ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ
2羽の白鳥:ダリア・エリマコワ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ

スペイン:エレーナ・モストヴァーヤ、アンナ・ノヴォショーロワ、ミハイル・ヴェンシンコフ、アレクサンドル・オマール
ハンガリー:オリガ・セミョーノワ、マクシム・ポドショーノフ
ポーランド:マリーナ・フィラートワ、エレーナ・フィールソワ、ナタリア・グリゴルーツァ、ユリア・カミロワ、アルチョム・マルコフ、ロマン・ペトゥホフ、デニス・サプローン、ニキータ・セルギエンコ
イタリア:ナタリア・クズメンコ、アントン・アパシキン

映画友達の新年会に行って久しぶりにちょっとだけ飲んだら、早速帰宅して頭痛と腹痛に苦しんでいます…。明日は実家で焼肉だというのに。

できることなら避けたい東京国際フォーラムAでの公演も、シェスタコワとコールプの共演とあれば行かなくてはならない、ということでセット券で確保したチケット。昨年の1月には風邪を引いてしまって、伝説とまでなったこの二人の白鳥を観そびれてしまったもので。

ぎりぎりに駆け込んだ席、5列目って書いてあるのに着いてみたら最前列のほぼ真ん中。国際フォーラムでこの席に座るのは初めて。が、指揮者(無駄にイケメン(ちょっとオーランド・ブルーム似なバブージン)が立ち上がってしまったと思った。ほぼ中央の席というのは、指揮者の頭が思いっきりかぶるのだ。(こっちを指揮者が剥くと目が合いそうな感じ)国際フォーラムAのオーケストラピットって浅いのだろうか。ただ、某オーチャードホールと違って、最前列でもポアントの足先まで見えるのは救い。

コールプ編

去年はシェスタコワとコールプの組み合わせの「白鳥」が観られなかった代わりに、ペレンとコールプの「白鳥」を観た。そのときのコールプは、1幕1場ではずっと本を抱えて、読み入っていた。今日も、家庭教師のブレクバーゼから小さな本を渡されて、時々読んでいた。乾杯の踊りが終わって、他の人たちがいなくなった後でも、本にしばし没頭するコールプ王子。今日も、てっぺんだけが長くて他は短い不思議な髪型に、目の周り黒いメイクだったけど、「ジゼル」の時ほど目の周りが黒くなく違和感は少ない。そしてこの人、やっぱり立ち居振る舞いはとても美しくて気品があり、見た目の怪しさを打ち消すほどで、ちょっと大人っぽいけど真面目な文学青年風情だった。まるで「オネーギン」のタチヤーナの男性版のように。

踊りの方は、「ジゼル」の時はやはり調子が悪かったのだと思わせるほど、安定していて良くなっていたと思う。きれいな線を描くアラベスク、柔らかく音のしない着地、そして優雅さ、王子の気品を加える腕の使い方。ひとまずはちょっと安心。

しかしそんな彼も、1幕2場でオデットが出てくると豹変!最初のうちは恐る恐る彼女に近づいていくという感じだったのが、そのうちストレートに、濃厚に愛を語り始める。またまたここでコールプの本領発揮。サポートの方も素晴らしく、軽々とシェスタコワを持ち上げているし、彼女を支える腕や、ピルエットするときの手つき、高い位置で指先でサポートする時の指、一本一本に愛があふれている感じ。ただ、ロクロ回しピルエットのときの位置が時々ずれちゃったり、サポートつきピルエットが傾いてしまったという難点はあったけど。

さらに、コールプってある意味容貌怪異(ごめんなさい、でもファンなんです)だからこそ、にじみ出る愛情の深さとどこか哀しみが伝わってくるところがあるのだ。(いや、コールプって素顔は、青い目がとても澄んでいてきれいだし、ハンサムだと思うんだけど、あの目の周り真っ黒メイクは、あえて狙ってやっているってことなんだろうな) だからこそ、普通の二枚目な王子が演じているより伝わってくるものがあるのだと思う。

びっくりしたのが、1幕2場のコーダの後、王子がオデットに愛を誓うところ。結婚を誓うマイムをしたところ、オデットがその腕を下ろさせようとするのだけど、コールプ王子は、絶対下ろすものか、とポーズを取り続けようとしたこと。王子の秘められた強い決意を感じさせた。オデットが去っていく時も、最後までオデットの指先に触れていようとすがり付いているかのようだった。一歩間違えればストーカー王子なのだけど、腕の使い方や立ち居振る舞いはあくまでもエレガントなので危ない人には見えなくて、情熱的ではあるけど純愛そのもの。彼は顔の表情ではなく、身体の動きできちんと感情表現ができる人なのだ。オデットのシェスタコワも彼の演技に応えて、最後まで手を離さないようにして、ロットバルトの力で白鳥の姿に戻る直前までは彼に視線を送っていて、演技は見事に噛みあっていた。

2幕での王子は、未だ前の晩のことで夢見心地で、未だ夢の中をさまよう悩める王子という風情。美しい花嫁候補たちが踊っても(ホントに、ここの花嫁候補のバレリーナたちは超美人ぞろい)、まったく眼中になくて、オデットはどこにいるんだろうって浮かない顔をしている。だからオディールが登場した時もホントに嬉しそうで。ヴァリエーションの踊りも絶好調。得意の山なりジュッテ、アティチュードの決めポーズ、ピルエット、どれもお見事で、「ジゼル」のときの不調振りを帳消しにしてくれた。

ここのシーンの演出でちょっと不満なのが、オディールとロットバルトが王子を騙していたことが判明した時に、二人はささっといつの間にかいなくなってしまって、オディールの高笑いとそれに呼応する王子の演技が観られないこと。王子は、いつのまにか二人の姿が見えなくなってしまって戸惑い、彼らが去ったのとは別の方向=オデットの影が踊っていたところへと走っていって、ようやく事態を把握する。女王の膝元で嘆いた後、再び正面を向いて結婚の誓いのマイムを繰り返し、そしてその腕をもう一つの腕で下ろして自らの愚かさを悔やむという展開。この2回目のマイムでも、コールプの演技力は遺憾なく発揮されていた。

3幕ではまたコールプとシェスタコワによる濃厚なドラマが再び展開。黒鳥たちに囲まれて倒れていたオデットを探し当てた王子は、横たわったオデットをしばらく抱きあげている。オデットが全然重そうに見えないところがさすが。ボヤルチコフ版の「白鳥の湖」は3幕の演出が盛り上がらず、オデットと王子はお互いを求めていてもロットバルトに邪魔されて引き裂かれ、湖の底に沈むことによってようやく最後に結ばれるという設定。しかし、コールプとシェスタコワの熱演によって、お互いを激しいまでの求め合いその結果死を選ぶ二人の感情はしっかりと伝わってきた。コールプももちろんだけど、彼の演技に応え、か弱い白鳥の姫ではなく強く熱い感情を持った白鳥の女王としてのオデットを演じきったシェスタコワが素晴らしい。これくらいの求め合う強い演技を見せないと、このエンディングはひどくつまらないものになってしまうのだ。ここにはしっかりと二人のケミストリーが感じられて、心中という結末をドラマティックなものとして見せてくれた。

やっぱりコールプとシェスタコワの舞台には何かがある!また別の演目でもこの二人を観たいし、「ジゼル」もまた観たい。

シェスタコワとレニングラード国立バレエ編

シェスタコワのオデット/オディールは素晴らしかった。派手さはないけれども着実なテクニック。弓なりの弧をしなるように描く理想的な脚と甲の造形美。自己主張しすぎることはなく、たおやかなラインの美しさと、一見控えめながらも情感豊かな表現力。この上半身やポールドブラの美しさはロシアのバレリーナだわ~と嬉しくなってしまう。(オペラ座も全体的にはいいんだけど、やっぱりオペラ座のバレリーナの多くが上半身が硬いところが好きになれない) パートナーから色々引き出すことができる能力の持ち主だと思う。オディールについても、邪悪オーラはまったくなくて、本来持った高貴な美しさで王子を誘惑するタイプだった。グランフェッテはすべてシングルだけど、軸がずれることも移動することもなく、しっかりときれいにきめていった(最後の一回だけ端折ったかも)。押し出しの強さや強い個性がないから、ボリショイやマリインスキーのスターにはならないだろうけど、知る人ぞ知る名バレリーナという地位は確立されつつあるのではないかな。

それからロットバルトのツァルがとても良かった。ロットバルト姿も絵になる堂々とした容姿、大きな跳躍、しっかりとした技術と存在感ある華やかさ。ロットバルトはこれくらいの人に踊って欲しい。「ジゼル」では不調だったミリツェワとプロームに、コシェレワを加えたパ・ド・トロワもとても良かった。コシェレワってやっぱり可愛いし、腕が長くてとてもきれいなのよね。彼女のオデットも観てみたかった。

コール・ドもこの日は悪くなかったのではないかな。最前列だったので実際の揃い方はあまりよく見えなかったのでちゃんと判断できなかったけど。近くで見ると判るのが、すごい美人さんが多いんだけどみんな化粧が濃いこと。(「白鳥の湖」という演目は、こんな前で見るものじゃない。もう少し舞台から離れたところで観たい)大きな白鳥に踊りの乱暴な人がいたのにはちょっとびっくり。スペインに、先日の「ジゼル」のハンス役オマールを発見。この人カッコよかったのね。

指揮のバブージンが目の前にいたのでイヤでも目に入ってしまったのだけど、彼がちゃんとダンサーを見て指揮しているのはよくわかった。ただ時々この人も自己陶酔モードに入ってしまっていることがあると思った。「ジゼル」の時の指揮者ドゥルガリヤンよりはずっと良かったと思うけど。やっぱり「白鳥の湖」のほうが「ジゼル」より指揮も演奏も気合が入るものなんだろうな。

2009/01/11

シルヴィア・アッツォーニがロイヤル・バレエ「ラ・バヤデール」に客演

ハンブルク・バレエの来日公演も、気がつけば後1か月後なのですが、シルヴィア・アッツォーニが1月16日と24日のロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」にニキヤ役で客演するんですね。

まだ首の怪我が治らないアリーナ・コジョカルの代役で、ソロル役はイヴァン・プトロフです。プトロフが小柄なため、やはり小柄なシルヴィアが踊ることになったのですね。

ロイヤル・バレエも女性ダンサーに怪我人が多く、コジョカル(2月の「白鳥の湖」には今のところ復帰できる予定)、そして脚を骨折してしまったサラ・ラムが出ていません。また、マリアネラ・ヌニェスも怪我をしたようです(1月10日の「くるみ割り人形」金平糖の精は彼女の代わりにアレクサンドラ・アンサネッリが踊りました)。産休だったゼナイダ・ヤノウフスキーは1月31日の「七つの大罪」で復帰するとのことです。

LA BAYADÈRE
Production generously supported by The Friends of Covent Garden

13, 15, 16, 19, 21, 22, 26, 28, 29 January at 7.30pm / 17 January at 12.30pm
24 January at 7pm / 4 February at 7.30pm / 7 February at 7pm
Conductor: Valeriy Ovsyanikov

Rojo, Acosta, Nuňez: 13, 15, 19 January
Azzoni*, Putrov, Morera: 16, 24 January
Cuthbertson*, Makhateli, McMeekan*: 17(m), 22 January
Marquez, Kobborg, Ansanelli: 21, 26 January
Choe*, Polunin*, Kobayashi*: 28 January
Marquez, Kobborg, Morera: 29 January
Nuñez, Soares, Cuthbertson: 4, 7 February

1月28日には、チェ・ユフィさんがニキヤを、小林ひかるさんがガムザッティを、そしてセルゲイ・ポルーニンがソロルを踊るというフレッシュな顔ぶれになります。(3人とも初役)

ところでハンブルク・バレエの「ラ・バヤデール」ってマカロワ版なのですね。ってことは、東京バレエ団が今年初演する「ラ・バヤデール」でも、ハンブルク・バレエのダンサーの客演の可能性は無きにしも非ずかもしれません。

2009/01/10

12/28 パリ・オペラ座「ライモンダ」Raymonda 1幕

28 décembre 2008 à 14h30

RAYMONDA Maria Alexandrova
JEAN DE BRIENNE Alexander Volchkov
ABDERAM Stéphane Bullion
HENRIETTE Aurélia Bellet
CLEMENCE Eve Grinsztajn
BERANGER Josua Hoffalt
BERNARD Florian Magnenet
LA COMTESSE Béatrice Martel
SARRAZINS Charline Giezendanner, Marc Moreau
ESPAGNOLS Laura Hecquet, Christophe Duquenne→Julien Meyzindi(キャスト変更のアナウンスあり)
LE ROI Emmanuel Hoff
LA DAME BLANCHE Sarah Kora Dayanova

GRAND PAS CLASSIQUE
Marie-Solene Boulet, Sarah Kora Dayanova, Laura Hequet, Fanny Gorse
Joshua Hoffalt Florian Magnenet, Julien Meyzindi, Gregory Dominiak

Mathilde Froustey, Charline Giezendanner,Juliane Mathis, Pauline Verdusen
Gil Isoart, Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

VARIATION
HENRIETTE (Aurélia Bellet)

PAS DE QUATRE Gil Isoart Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

TRIO
CLEMENCE (Eve Grinsztajn) et Sarah Kora Dayanova, Marie-Solene Boulet

今回唯一のマチネ公演。午前中にちょっとオランジュリー美術館に行っただけでのんびりと過ごしたので、身体もすごく楽で、目一杯楽しむことができた。

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自分の席から見上げた上手方面のロッジ・ドゥ・コテ(バルコニー)。友達が教えてくれたおかげで、戻り券のオーケストラ良席を入手できた。ありがとう!

1幕
幕が上がると、上手には白い長いドレスをまとったトルソーがあって、そのドレスに刺繍を施すお針子たち。アンリエットとクレマンス、ベランジェとベルナールの4人がふざけあっている。下手の上のほうには、白の貴婦人の人形?が飾ってある。ドリス伯爵夫人にたしなめられる4人だけど、長いドレスの裾の中に隠れたりしていたずらっぽい。黒いレースのヴェールに赤いドレス、ハンガリー風の華やかな衣装をまとったお供の女性たちとドリス伯爵夫人が踊る。女性たちの中には、藤井美帆さんも。キャスト表を見たら、イレールの娘のジュリエットもいるようだ。ドリス伯爵夫人は、毎日ベアトリス・マルテルが踊っていたのだけど、彼女は本当にものすごく美人。その上、この役は3幕のソリストをはじめ、かなり踊るのだ。

セットは舞台の奥行きを生かしていて、カーテンレールが何重にもあり、そこから華麗なテキスタイルのカーテンがドレープしながら何枚もぶら下がっている。舞台奥のほうには重厚で大きな甲冑が置いてあって、さながら歴史絵巻のよう、中世らしさを演出している。

ハンガリー王が登場。アンリエットとクレマンスが花を斜めのラインで床に並べると、ライモンダがジグザグにパドブレをして花の間を通り、それからアティチュードでピルエットをしながら膝をついて花を拾う(ちょっとローズ・アダージオのような感じでアティチュードのポーズを決める。マーシャ=マリーヤ・アレクサンドロワのこのラインがきれい)。マーシャのライモンダは柔らかく、そしてとにかく華やか~!どこから観ても光り輝くお姫様。ハンガリー王は、ライモンダへの巻物のような手紙を取り出し、それから、ジャン・ド・ブリエンヌの姿を描いたタペストリーが広げられる。このタペストリーのジャンの姿は、全然似ていなくてかっこ悪いのがお約束。あのタペストリーの姿から、夢の中にキラキラのジャンを登場させてしまうのだから、ライモンダの想像力(妄想力)ってすごいんだなって思う。

今度は辮髪の男性たち(戦士たち)が登場して、ハンガリー王と、女性たちのパートナーとして重々しく踊る。席がオーケストラの前のほうだったので、辮髪のカツラがちょっと浮いているのが見えて可笑しい。戦士たちの中に、タケル・コスト(今年入団したハーフの男の子)を発見。この戦士たちは、すごく若手のダンサーたちが踊っているようだ。

12組の男女で繰り広げられるワルツ。このワルツの中にも、ローラ・エケ、シャルリーヌ・ジザンダネ、ジル・イゾアールらが入っている。まーとにかくこの1幕は1時間10分と長い。これでもかというくらい踊りがたくさん詰め込まれている。ライモンダのソロ。マーシャの踊りは風格があって、だけど軽やかでどこまでも伸びやかで柔らかい。前日3幕だけ観たドロテは比較すると硬質だったと思う。マーシャは何よりも腕の運び方が綺麗でうっとりされてくれる。

そしてテーマ曲と共に、マントを翻し、長いターバンを巻いたアブデラムが登場。ステファンはかなり黒めに顔を塗っていて、目の周りもアイラインがびっしりと塗ってあるのだけど、そのエキゾチックなメイクがとてもよく似合っていて、若く美貌のサラセンの騎士。顔の色を濃い目にしてあるので、白目が目立って、目力が非常に強い。にこりともしない怖い顔で、お付の者に持たせた宝石箱から宝石をわしづかみにするようにして黙って差し出し、次に奴隷の子供たちを差し出す。子供たちが可愛い~。ライモンダは突然のことにびっくりするけど、子供たちを迎え入れる。嵐のように去っていくアブデラム一行。若くして王になったアブデラムが、ちょっと背伸びというかわざと強面を装っているのがまたちょっとたまらない。品をたたえながらも軽く拒絶し、友達たちの後ろに引っ込むライモンダ。男性のことを考えるより、友達と遊んでいるほうが楽しいのかしら?とちょっと突っ込みたくなる。

ライモンダは白いヴェールを肩にかけてリュートを手にして爪弾き、クレマンスとアンリエット、そして先ほどの子供たちと一緒に上手に座る。中央にジャンを描いたタペストリー。友達4人の踊りの次に、ヴェールを持ったライモンダのソロ。最後の方だけ、ちょっとヴェールが巻きつきそうになったけれども、ヴェールを綺麗になびかせ、エレガントで優雅、美しいハープのメロディを一緒に奏でるかのような滑らかなマーシャの踊り。次に、ベランジェとベルナールが左右対称のヴァリエーションを見せる。この踊りがブリゼ・ボレなどを織り込みながら細かい脚捌き、さらには左回り、右回りのトゥールザンレールもある恐ろしく難しい振付。さすがはヌレエフ版、と思わせる超絶技巧。フロリアン・マニュネの方が若干背が高いと思うけど、二人ともほぼ同じ高さに跳んでいて、きれいに揃っていた。素晴らしい!共に背が高く、とてもチャーミングな若いダンサーで、将来性を感じさせる。このときの音楽は、通常3幕に使われる曲のような気がする。

友人たちが去り、ライモンダ、そして子供たちがまどろむように眠りにつく、ライモンダの夢の中、白の貴婦人が定位置から降りてくる。長い長いドレスの裾を翻し、金髪で若くとても美しい白の貴婦人がライモンダを導くように駆けて行く。サラ・コラ・ダヤノヴァは夢の中の登場人物に相応しい、天使のごとき愛らしい美しさ。そしてタペストリーの中から、ジャン・ド・ブリエンヌが現れる。

ジャン・ド・ブリエンヌ役はボリショイから客演のアレクサンドル・ヴォルチコフ。本来はルスラン・スヴォルツォフの予定だったのが、変更になった(ルスランは12月28日のラトマンスキー・ガラに出演していたから、怪我ではないと思う)。ヴォルチコフは長身かつ脚が美しく、金髪の美形なのでタペストリーから出てくる姿は実に美しかったのだが…。ヌレエフ版「ライモンダ」のジャン・ド・ブリエンヌ役は、登場した後にライモンダをサポートする。それが、中途半端な腰の高さなのでかえって難しそうなのだ。身長の差があまりないペアだと、ライモンダの足先がついてしまうのでさらに難しい。ただ、このペアはヴォルチコフが長身なのでその点はそれほど問題はなさそうだった。問題は、ジャンの最初のヴァリエーションで、ここでまず、あちゃーと思ってしまった。回転の軸がぶれぶれで不安定なのだ…。うーん。これではまずいだろう。そしてこの二人のパ・ド・ドゥでもサポートが全然ダメだった。ロクロ回しピルエットでも、マーシャとタイミングが合っていなかった。マーシャは日本公演の後数日してすぐにパリに行ったはずなので、合わせる時間がなかったわけではないのだろうけど。

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さて、この後は、Valse Fantastique。この場面の群舞がとにかく美しくて素晴らしい~。照明は逆光でダンサーたちの顔は判別できないほど。ちなみにメーンキャストは以下の通り(顔があまり判別できなかったのでキャスト表によると)
Marie-Solene Boulet, Sarah Kora Dayanova, Laura Hequet, Charline Giezendanner
Julien Meyzindi, Alistar Madin, Fabien Revillion, Marc Moreau
かなりエース級を投入。他にも、マチルド・フルステー、藤井美帆、オーバーヌ・フィルベール、タケル・コストらが出演していた。中心が4ペアに加えて、女性16人、男性8人の合計32人の群舞。

白と黒の衣装、男性は白い連獅子のミニ版のような頭飾りをつけていて銀色の幻想的な世界が展開する。夢のシーンというとどうしてもパステルカラーになりがちだけど、こんなモノトーンというかいぶし銀のシックな世界観がとても新鮮。言葉で表現するのは難しいのだけど、他のシーンがきらびやかなゆえに、いかにも夢という別世界的なものを感じさせてくれる。
その中で、アンリエットとクレマンスそれぞれのソロもあり。なんだかすごい難しいテクニックが入っていたと思うけど、ヌレエフ特有の難しさゆえ、脚などのテクニックは完璧なんだけどその分上半身が硬くなってしまうのは仕方ないのかな。

次にジャン・ド・ブリエンヌのソロ。これがあまり聞いたことがないフルートかピッコロを使った曲によるもので、アン・デダンのアティチュードで回った後またアン・デダンでルティレでピルエット、それからカブリオールが入ったり、もちろんトゥール・ザン・レールも入っているしマネージュも変則的なもの、という鬼のような、恐ろしく難しいもの。これをヴォルチコフに踊らせるには相当無理があったようで、この振りで果たして合っているのかな?と思わせるところがあった。というかこれを完璧に踊れるダンサーってたぶん今回のキャストでもジョゼ・マルティネスしかいなかったのではないだろうか。やっぱり高度な技術のために美しさを犠牲にしているような振付で、私はあまり好きではないし、とにかくこのシーンでのヴォルチコフの出来は相当気の毒なものになってしまっていた。

そしてライモンダのピチカートのヴァリエーション。マーシャはもーすんばらしかった。踊りがとにかく滑らかでよどみなく、このシーンの音楽の美しさを最大限に生かしていた。

群舞によるコーダの音楽がまた素敵~。群舞もとても溌剌としていて素晴らしい。夢の前半の終わりを告げるシーン。群舞が去り、そしてジャン・ド・ブリエンヌが去ると、手下のサラセン人二人(グレゴリー・ドミニャック、ヤン・シャイヨー)を引き連れたアブデラムがテーマ曲に乗って登場。グレゴリーは素顔は金髪の美青年で3幕のグラン・パ・クラシックにもほぼ毎回登場するのに、無言無表情で迫力のあるスキンヘッド&髭のサラセン人も踊っちゃうからすごい。サラセン人二人がライモンダをリフトしたり翻弄する中、アブデラムが迫る。最初の方に登場したアブデラムはマントとターバンで着飾っていたけど、ここでは上半身はほぼ裸。ステファンは、オペラ座の男性の中では男性的でマッチョなイメージがあったほうだけど、こうやって見ると意外と華奢で、やっぱりこの人は身体が若いなと思わせた。手下であるサラセン人二人が着飾っているのに、首領のアブデラムが上半身裸だから、細く見えるのかもしれない。アブデラム+サラセン人の3人は手をつないででんぐり返ししたりけっこう不思議な振り付け。あんまりカッコよくないんだな、この振り付けは。「ダンサーズ・ドリーム」のDVDで、ヌレエフが言うにはアブデラムの振り付けはマーサ・グラハムなどモダンダンスの影響が強いとのことだけど、たしかにその影響は感じられる。

る。横たわっていたライモンダが駆け寄った友人たちに起こされ、上手の(アブデラムから贈られた)おつきの子供たちも目覚める。長い長い第一幕が終了。

※順番やテクニックの種類等思い違いがあるかもしれません。というか、かなり怪しいです。CDを聴きながら、思い出しては書いています。とにかくヌレエフ版は振り付けが複雑なので、覚える方も、ものすごく大変だと思います。

2009/01/09

ルグリがウィーン国立バレエの芸術監督に Manuel Legris to lead Vienna State Opera ballet

French star dancer Legris to lead Vienna State Opera ballet マニュエル・ルグリがウィーン国立バレエの芸術監督に2010年9月に就任するというビッグニュースがありました。

Vienna - The Vienna State Opera announced Thursday that French star dancer Manuel Legris was chosen to direct its ballet from 2010. Legris, 44, will take over from the current ballet chief, the Hungarian Gyula Harangozo, at the same time that Dominique Meyer leaves the Theatre des Champs-Elysees in Paris to head Austria's leading opera house.

Legris will retire as leading dancer at the Paris National Opera in 2010. In the course of his career, he worked with choreographers such as William Forsythe, John Neumeier and Maurice Bejart.

He and Meyer would seek to give the opera's corps de ballet a more international outlook, Legris told Austrian press agency APA. "We want to push the dancers, not only to have a good troupe, but also to raise their international reputation," he said.

Source: http://www.earthtimes.org/

dansomanieからの情報です。詳細確認中。

追記 フランスのYahoo!のニュースから

http://fr.news.yahoo.com/2/20090108/tcu-le-danseur-etoile-francais-manuel-le-0b4785e.html

Le danseur toile franais Manuel Legris a t dsign pour diriger partir de septembre 2010 le Ballet de l'Opra d'Etat (Staatsoper) et de l'Opra populaire (Volksoper) de Vienne, a-t-on appris jeudi auprs de ces institutions.

2010年9月1日付けでウィーン国立バレエとフォルクスオーパーにマニュエル・ルグリが芸術監督に就任し、5年の契約だそうです(学校の校長も兼任)

フランス人Dominique Mayer (ドミニク メイエ氏)が同時に総監督となります。

***
追記 バレエ団のオフィシャルのアナウンスです。

ウィーン国立バレエ(シュターツオーパー)
http://www.bundestheater.at/Content.Node2/home/news/content/Legris-Ballettdirektor.php#

フォルクスオーパー
http://www.volksoper.at/Content.Node2/home/legris.at.php

朝、友達からメールが来て知ったのですが、あまりのことにびっくりしてコメントも書けませんでした。

オペラ座芸術監督のブリジット・ルフェーブルがフィガロ・ジャポンのインタビューで、あと4,5年は芸術監督を務めると言っていたので、言葉は悪いですが、功労者であるはずのルグリさんが、彼女によってはじき出されてしまったのかと、勘ぐりたくなります。彼が育ててきた若手のダンサーはみんなどうなってしまうのでしょうか。

ウィーン国立バレエといえば、ウラジーミル・マラーホフが在籍していたことでよく知られていて、今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートにもマラーホフは出演していましたね。中村祥子さん、ジモーナ・ノヤ、ジュゼッペ・ピコーネら優れたダンサーが所属していましたが、一時期、彼ら多くのダンサーがリストラされてしまってバレエは低調でしたね。ダニール・シムキンもABTに移籍してしまいました。今知っているダンサーだと、元マリインスキーのウラジーミル・シシショフ(長身ですごくハンサムなダンサーです)、そして新潟県中越沖地震ガラに出演したアリヤ・タニクバエワくらいです。

ウィーンは観光客が多いし、オペラが中心になってしまっているという感じがありますが、ルドルフ・ヌレエフとの縁は浅からぬバレエ団というわけなので、ルグリさんが行ったら、ヌレエフ作品のレパートリーが増えるのかな、と期待します。が、パリ・オペラ座の今後については本当に心配ですね。

ルグリさん、ウィーンではマラーホフのような"踊る芸術監督"としての活躍を期待したいところです。そして自分のバレエ団も率いてぜひ来日して欲しいですね。

1/8 レニングラード国立バレエ『ジゼル』

レニングラード国立バレエ―ムソルグスキー記念/ミハイロフスキー劇場―
「ジゼル」
―全2幕―
2009年1月8日(木)18:30開演 Bunkamuraオーチャードホール

<キャスト>
ジゼル オクサーナ・シェスタコワ
アルベルト イーゴリ・コルプ
ミルタ イリーナ・コシェレワ
森番ハンス アレクサンドル・オマール
ぺザント・パ・ド・ドゥ タチアナ・ミリツェワ、アントン・プローム
ベルタ(ジゼルの母) アンナ・ノヴォショーロワ
バチルド(アルベルトの婚約者)オリガ・セミョーノワ
公爵 アンドレイ・ブレグバーゼ
アルベルトの従者 ロマン・ぺトゥホフ
ドゥ・ウィリ マリア・グルホワ、ユリア・カミロワ
指揮:カレン・ドゥルガリヤン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

新年最初のバレエだったのですが、どうも体調が悪くて1幕の最初の方はつらかったです。毎日寒いのと疲れがたまっているようで。

振付が改訂されていたようで、違和感を感じるところが特に2幕で色々とありました。曲の順番が変わっていたり、ウィリたちやミルタのソロなどであれ?と思うところが。もう少しオーソドックスな方が好みです。

コールプは昨日の草刈さんとの『ジゼル』に続いてだったのだけど、彼も調子は絶好調とは言いがたいようでした。というか、コールプだったらここはもっと綺麗に踊れるんじゃないかしら、と思うところが多々ありました。前の日に草刈さんのお相手をして疲れてしまったのでしょうか?ピルエットも跳躍も、今ひとつというか、彼に対しての期待値は高いので、本来の彼だったらこんなもんじゃないのでは、と思いました。

その分、コールプの演技については非常に濃くて、ドラマを堪能することができました。やっぱり顔はいつもの目の周り真っ黒で怪しいわけなのですが、プレイボーイ的なところは少しもなくて、純愛路線でした。もうジゼルに夢中で大切に大切にしている感じが出ていました。1幕でも優しく抱きしめていたり、ホラ、嫌いじゃなくて好きだよ!と花占いをして見せたり。ハンスが、「お前は本当は貴族だろう」とその証拠である剣とマントを持ってきたときには、剣を奪い取ってハンスを本当に殺しかねないほど激しく振り回します。

ジゼルがバチルドのことを知って狂乱するところでは、途方に暮れたとともに、顔を両手で覆い、自分の愚かさを激しく悔やみます。死の直前に跳んだジゼルを抱きとめ、彼女が亡くなったことを知ったときの激情が凄かった。舞台の上を駆け回り、ハンスに飛び掛る勢いで追いかけ、責める。ジゼルの亡骸に取りすがり、従者に邪魔されても、ベルタにもあっちに行って、と押しのけられても抱きしめようとして、最後にはいたたまれなくなって猛スピードで走り去りました。そう、この過剰なまでの激しい愛の表現が、コールプらしさなのです。

2幕の百合の花を抱えて登場するコールプは、しっかり貴族らしいエレガントさを持っていました。彼はお顔はアレですけど、プロポーションは素晴らしいし、しなやかな身のこなし、美しいつま先の持ち主なので、普通にしていれば端正なのですよね。ジゼルの墓の前でしばし立ち尽くし、マントを外して温めてあげるかのように墓のところに置き、そして百合の花を抱えたまま佇んで一本一本置いていき、後ずさるとそこにはジゼルの気配が…。この一連の流れが、ドラマを見ているようでとても感動的でした。ジゼルとのパ・ド・ドゥは、時々パートナーシップに関してひやりとするところがなかったわけではないのですが、それを上回る、ジゼルとの強い絆を感じさせるものがありました。死を経てようやく二人の魂が結ばれたかのように見えたのです。

2幕のアルベルトのヴァリエーションがちょっと変わっていて、足をルティレの位置でピルエットした後にアンドゥオール回転するという難しそうなもので、こんな難しそうな振付をすることで美しさを損なわなくてもいいのでは、と思ってしまいました。でもその後から少し調子を取り戻してきて、持ち前の高く後ろ脚が上がるアントルラッセを見せてくれました。そして、ミルタに踊らされるところでは、ブリゼがすごく美しかったです。前回のバレエフェスティバルでの特別プロでの、ルグリがコジョカルと踊ったときのヴァリエーションを思い出しました。足先がとにかくきれいなのです。

力尽きかけて倒れたアルベルトは、死んだように横たわっています。そこへ朝を告げる鐘の音が。少しずつジゼルの表情が驚きから安堵へと変わっていっても、コールプはなかなか意識を取り返しません。ようやく立ち上がり、最後にジゼルをいとおしむように抱きしめるけれども、ジゼルは、いつの間にかお墓の向こうへと去っていってしまいます。ジゼルが消えていったことにしばらく、コールプは気がつきません。気がついた時には、もうジゼルはいません。彼女との別れの瞬間を感じることも彼はできなかったのです。お墓のところに駆けて行ったコールプは、激しく嘆き悲しみ、それがジゼルであるかのように百合の花々を抱きかかえ、そして撒き散らしながら大きく背中をそらし、これ以上の悲しみはないというほどの激しすぎる慟哭を見せ、床を叩きながら倒れこみます。幕。カーテンコールでは、ウィリたちの足元にまだ、コールプが撒き散らした百合の花が散っていました。

こんなアルブレヒトは初めて観た気がします。素晴らしかった、これぞコールプ・ワールドでした。踊りの方がもう少し調子がよければもっと良かったのですが、濃厚でじわじわと感動的なドラマでした。

********

コールプ中心の記述になってしまいましたが、シェスタコワのジゼルも素晴らしかったです。一昨年、ルジマトフがアルベルトを踊った「ジゼル」を観たのですが、そのときと演技が少し変わっていました。1幕では、控えめでおっとりとした、品がよくて落ち着いた少女というところは共通しています。が、前回は、狂乱のシーンでも、静かに壊れていくように狂って行ったジゼルでした。今年も、シェスタコワは激しく狂乱することはありませんでしたし、少しずつ静かに壊れていくのですが、壊れ方が、まるで少女に還っていくかのようで怖かったです。あからさまな狂気の表現より、こういう表現が怖いのです。彼女には死後の世界がすでに見えていて、そちらのほうへと魅入られているようでした。それまでの幸せで愛にあふれた世界から、地獄へと突き落とされていった、その落差によって音もなく壊れ、死に魅入られたのが伝わって胸が苦しくなりました。

そしてコールプとの並びが、身長といい、雰囲気といい、すごくよく合っているのです。コールプの(ちょっとだけ怪しげな)アルベルトに惹かれているという理由が、見ているとなんとなくわかってくるのです。特に2幕のほうではシェスタコワは本領を発揮していました。まるで引き裂かれて失われていた自分の半身を見つけたかのようにすら思えてきたのです。生気はまだほんのり残っていて、アルベルトへの想いによって、彼にもその姿が見えるようになっているというのが理解できるのです。一見淡々としているようで、深い愛が根底に流れるのが感じられます。だけど、彼が助かったことが判ると、ジゼルは長いこと地上にとどまることはしなくて、ふっといつのまにか空気のように消えてしまう。そうしたことで、二人の別れの切なさを感じることができました。魂が触れ合って結びついて、しかし本当の死によってそれがまた引き離されていくという人の生と死の本質を感じさせてくれたのです。演技をしています、というのではなくて、踊りを通じてごく自然に感情を引き起こさせてくれるというのが、シェスタコワの美点です。

カーテンコールでも、二人はいつまでも地上に還ってこないで、2幕のままの状態に入り込んでいました。

いつもは可愛らしいコシェレワが、虚空を見つめているような恐ろしいミルタを見事に演じていたのが素晴らしいと思いました。腕がとても長くてプロポーションが良いので、ミルタ役が似合います。ハンス役のオマールって、今まであまり意識して見たことがなかったけど、ストーカーチックなしつこさの中に純情さを感じさせたし、踊りもキレがあって良かったと思います。ペザントのプロームも着地の五番やアントルシャの足先がきれいで、ずいぶんよくなったと思います。反面、ミリツェワはちょっと不調?

コール・ドは最近レベルが低くなってしまったと聞いていたので不安を感じていましたが、予想していたほど悪くはなかったです。オーケストラも、ちょっと落ちたかな。でも、メーンのキャストがとても良かったので、とても良い公演になったと思います。コールプのアルベルト、シェスタコワのジゼルは機会があればまた観たいです。

2009/01/08

マリインスキー・バレエの団員表の更新/マリインスキー国際フェスティバル

Ballet Talkのフォーラムを読んでいて気がついたことなのですが、マリインスキー・バレエのカンパニー一覧Mariinsky Ballet 2008/09 season roster が更新されています。

新入団員の名前がかなり追加され、現在コール・ドのダンサーは驚くべきことに101人もいるのです。女性55人、男性46人です。26人は新しい団員とのことです。そして、コール・ドの女性の一人として、NHKで放映されたドキュメンタリー「犠牲の向こうに夢がある」のオクサナ・スコリクOxana Skorikの名前もあります。入団して1年近くたって、ようやく名前が掲載されたのですね。しかし、イワン・コズロフのように、未だ掲載されていない人もいます。コリフェも29人もいるんですね。

また、今までコリフェだった韓国人団員のリュ・ジヨンJi Yeon Ryuが、プリンシパル・キャラクター・アーティストになっています。プロフィール写真も更新されています。彼女は、イリヤ・クズネツォフの最初の奥さんだったんですね~。

元レニングラード国立バレエのエレーナ・エフセーエワはセカンド・ソリストなのですが、かなり役に恵まれているので、出世の可能性も高そうです。

***
さて、マリインスキー国際フェスティバルMariinsky International Festivalの予定も発表されました。(ダンソマニ経由 http://www.mariinka.org/forum/)

14 mars 3月14日
Le Petit Cheval Bossu (première) 「せむしの仔馬」ラトマンスキー新作プレミア
Musique: Rodion Schedrin
Chorégraphie: Alexeï Ratmansky

15 mars 3月15日
Le Petit Cheval Bossu 「せむしの仔馬」

16 mars 3月16日
A confirmer 未定

17 mars 3月17日
Don Quichotte「ドン・キホーテ」
Ashley Bouder (NYCB) / Léonid Sarafanov (Théâtre Mariinsky)

18 mars 3月18日
Le Lac des cygnes 「白鳥の湖」
David Hallberg (ABT) / Victoria Tereshkina (Théâtre Mariinsky)

19 mars 3月19日
La Belle au bois dormant 「眠れる森の美女」
Mathieu Ganio (Opéra de Paris) / Olesia Novikova (Théâtre Mariinsky)

20 mars 3月20日
Gala Uliana Lopatkina 「ウリヤーナ・ロパートキナ・ガラ」

21 mars 3月21日
Don Quichotte 「ドン・キホーテ」
Diana Vishneva (Théâtre Mariinsky) / Marcelo Gomes (ABT)

22 mars 3月22日
Gala d'étoiles ガラ

ABTからマルセロ・ゴメスとデヴィッド・ホールバーグ、パリ・オペラ座からはマチュー・ガニオ、そしてNYCBからアシュレイ・ボールダー。マルセロがバジルを踊るのはちょっと珍しいので観てみたいなって思いますけど、3月だから仕事が忙しくて無理ですね。でも去年と違って、演目が日替わりなのはちょっと魅力的です。ロパートキナ・ガラもあるし。

ABTのジュリー・ケントが産休に

まだオフィシャルには出ていませんが、プレスリリースが出たということでお知らせです。
(追記:オフィシャルにも出ました。PRINCIPAL DANCER JULIE KENT TO TAKE MATERNITY LEAVE
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=251

ABTのジュリー・ケントが、副芸術監督であるヴィクター・バービーとの第二子を今年6月予定で出産するために、産休にはいるとのことです。リリースによれば、2009-2010シーズンには復帰するとのこと。元気なお子さんが生まれますように。

5月に始まるメトロポリタン・オペラ・シーズンでかなりキャスティングされていたため、キャスト変更があります。ロベルト・ボッレと共演する予定だった7月7日、9日の「ロミオとジュリエット」の代役は、イリーナ・ドヴォロヴェンコになったようです。ただし、ABTのオフィシャルサイトのスケジュールでは、まだキャスト変更が反映されていません。

マキシム・ベロツェルコフスキーとイリーナ・ドヴォロヴェンコのオフィシャルサイトでは、イリーナがロベルトと共演することになっているという記述があります。なお、この二人は、2月下旬のベルリンでのマラーホフ&フレンズに出演する予定になっています。

http://irinamaxballet.com/Schedule.aspx

2008年に観た公演

ちゃんと記録をとっていたわけではないので、もしかしたら落ちや抜け、間違いがあるかもしれませんが、一応書いて見ました。自分でも尋常ではない数の公演に行っていると思います。というか、もはや頭がおかしいという領域に到達してしまっていますね。数も数えたくないくらいです。しかも、上半期にちょっとオペラに行ったくらいで、クラシック音楽も歌舞伎もストレートプレイも全然観に行っていないんですね。

今年は、もう少し厳選して数を絞り込みたいと思います。お金も体力も記憶力も持ちません!ゲストのみ海外とかの公演はなるべく減らしていきたいです。バレエはじめは明日のレニングラード国立バレエの「ジゼル」です。

【1月】
1月 6日 新国立劇場 オペラパレス・ニューイヤーガラ
1月 6日 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『美女と野獣』(佐久間/チー)
1月 7日 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『美女と野獣』(佐久間/マッケイ)
1月10日 レニングラード国立バレエ団『バヤデルカ』(コレゴワ/コルプ)
1月11日 レニングラード国立バレエ団『バヤデルカ』(シェスタコワ/コルプ)
1月13日 レニングラード国立バレエ団『白鳥の湖』(ペレン/コルプ)
1月15日 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『コッペリア』(吉田/マッケイ)
1月25日 レニングラード国立バレエ団『ドン・キホーテ』(コレゴワ/コルプ)
1月26日 レニングラード国立バレエ団『ドン・キホーテ』(ペレン/コルプ)
1月30日 『空白に落ちた男』(小野寺/首藤)

【2月】
2月 1日 マリインスキー・オペラ『イーゴリ公』
2月 2日 バットシェバ舞踊団『テロファーザ』
2月 3日 マリインスキー・オペラ『イーゴリ公』
2月 9日 『マラーホフの贈り物2008』Aプログラム
2月13日 バルセロナ・リセウ劇場オペラ『エレクトラ』(ポラスキ)
2月16日 ミラノ・スカラ座劇場オペラ『シラノ・ド・ベルジュラック』(ドミンゴ)
2月20日 『マラーホフの贈り物2008』Bプログラム
2月22日 『マラーホフの贈り物2008』Bプログラム
2月23日  NBAバレエ団 『ドン・キホーテ』 オブラスツォーワ/サレンコ
2月24日 『空白に落ちた男』(小野寺/首藤)
2月29日  H・アール・カオス 『中国の不思議な役人』 『ボレロ』


【3月】
3月 1日 森山開次『The Velvet Suite』
3月16日 新国立劇場オペラ『アイーダ』
3月22日 東京バレエ団『時節の色/スプリング・アンド・フォール』
3月23日 ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団『パレルモ、パレルモ』
3月28日 ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団『フルムーン』
3月29日 新国立劇場バレエ団 石井潤『カルメン』 (本島、碓井)
3月30日 新国立劇場バレエ団 石井潤『カルメン』 (厚木、貝川)

【4月】
4月 3日 マリインスキー・バレエ団『プティパ・プロ』(ヴィシニョーワ/テリョーシキナ/ソーモワ/コルスンツェフ/イワンチェンコ)ニューヨーク・シティ・センター
4月 4日 マリインスキー・バレエ団『フォーキン・プロ』(ヴィシニョーワ/コールプ/コルサコフ)
4月 5日 マリインスキー・バレエ団『フォーキン・プロ』(ロパートキナ/コルスンツェフ/コルプ/イワンチェンコ)
4月 5日 マリインスキー・バレエ団『フォーキン・プロ』(ロパートキナ/コルプ/サラファーノフ/コズロフ)

【5月】
5月 4日 ラ・フォル・ジュルネ ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲(ラドゥロヴィチ&ボルドー・アキテーヌ管弦楽団)
5月18日 松本道子バレエ団『白鳥の湖』(コルスンツェフ) 
5月21日 新国立劇場バレエ団 『ラ・バヤデール』 寺島ひ、中村、真忠
5月23日 パリ・オペラ座バレエ団『ル・パルク』(プジョル/ルグリ)
5月24日 パリ・オペラ座バレエ団『ル・パルク』(コゼット/ル=リッシュ)
5月24日 パリ・オペラ座バレエ団『ル・パルク』(プジョル/ルグリ)
5月25日 新国立劇場バレエ団 『ラ・バヤデール』 本島、トレウバエフ、西山

【6月】
6月13日 牧阿佐美バレヱ団『ドン・キホーテ』(吉岡/シヴァコフ)
6月24日 新国立劇場バレエ団 『白鳥の湖』(ザハロワ/ ウヴァーロフ)
6月28日【マチネ】パリ・オペラ座バレエ団『椿姫』(アッバニャート/ペッシュ)オペラ・ガルニエ
6月28日【ソワレ】パリ・オペラ座バレエ団『椿姫』(ルテステュ/ボッレ)
6月29日 パリ・オペラ座バレエ団『椿姫』(ムッサン/ルグリ)
6月30日 パリ・オペラ座バレエ団『椿姫』(オスタ/ガニオ)

【7月】
7月 3日 ルジマトフのすべて
7月 5日 英国ロイヤル・バレエ団『シルヴィア』(カスバートソン /マッカテリ)
7月 6日 英国ロイヤル・バレエ団『シルヴィア』(ヌニュス/ペネファーザー)
7月12日 noon dance performance 「TRIP」(松崎/中村/首藤/小尻/大嶋)
7月12日 井上バレエ団ガラ(ティボー/ルンド/クロボーグ)
7月13日【マチネ】英国ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』(ラム/サモドゥーロフ)
7月13日【ソワレ】英国ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』(ヌニェス/ソアレス)
7月14日 英国ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』(マルケス/コボー)
7月17日 アメリカン・バレエ・シアター『オールスター・ガラ』
7月18日 アメリカン・バレエ・シアター『オールスター・ガラ』
7月19日 アメリカン・バレエ・シアター『海賊』(アナニアシヴィリ/ゴメス/カレーニョ)
7月20日【マチネ】アメリカン・バレエ・シアター『海賊』(ワイルズ/スターンズ/コルネホ)
7月20日【ソワレ】アメリカン・バレエ・シアター『海賊』(ヘレーラ/ホールバーグ/スティーフェル/レイエス)
7月21日 アメリカン・バレエ・シアター『海賊』(マーフィー/サヴェリエフ/コルネホ)
7月23日 アメリカン・バレエ・シアター『白鳥の湖』(ケント/ゴメス/ホールバーグ)
7月24日 アメリカン・バレエ・シアター『白鳥の湖』(ドヴォロヴェンコ/ベルツェルコフスキー)
7月25日 アメリカン・バレエ・シアター『白鳥の湖』(マーフィ/スティーフェル)
7月26日 アメリカン・バレエ・シアター『オールスター・ガラ』びわ湖公演
7月27日 アメリカン・バレエ・シアター『海賊』(アナニアシヴィリ/ゴメス/コルネホ)大阪公演

【8月】
8月 3日 ワガノワ・バレエ・アカデミーBプロ
8月 6日 『エトワール・ガラ』Aプログラム
8月 7日 『エトワール・ガラ』Aプログラム
8月 8日 『エトワール・ガラ』Bプログラム
8月 9日 『エトワール・ガラ』Bプログラム
8月10日 『エトワール・ガラ』Aプログラム
8月12日 樋笠バレエ団国際交流公演
8月14日 JJB公演(本島/トレウバエフ)
8月15日 The Proud and Hopes of Japan Gala
8月16日 東京インターナショナルバレエカンパニー「夏休み親子芸術劇場」
8月17日 東京インターナショナルバレエカンパニー『白鳥の湖』(エカテリーナ・ボルチェンコ/ピョートル・ボルチェンコ)
8月23日 小林紀子バレエ・シアター『ラ・シルフィード/マクミラン・ダイヴァーツ』(島添/ホールバーグ)
8月24日 新潟中越沖地震チャリティバレエガラコンサート奈良公演
8月30日 新潟中越沖地震チャリティバレエガラコンサート桶川公演

【9月】
9月 1日 新潟中越沖地震チャリティバレエガラコンサート東京公演
9月 3日 レニングラード国立バレエ 華麗なるクラシックバレエ・ハイライト 草刈/シェスタコワ/コールプ
9月 4日 藤原歌劇団 『椿姫』
9月12日 ニューアドベンチャーズ『ドリアン・グレイ』サドラーズ・ウェルズ
9月13日 ニューアドベンチャーズ『ドリアン・グレイ』サドラーズ・ウェルズ
9月13日 ニューアドベンチャーズ『ドリアン・グレイ』サドラーズ・ウェルズ
9月14日 ニューアドベンチャーズ『ドリアン・グレイ』サドラーズ・ウェルズ
9月16日 東京バレエ団『ジゼル』(小出/ルグリ)

【10月】
10月18日 小林紀子バレエ・シアター『ザ・レイクス・プログレス/他』

【11月】
11月14日 日本バレエ協会公演『真夏の夜の夢』『旅芸人』ほか
11月15日 新国立劇場バレエ団『アラジン』(本島/山本)
11月16日 新国立劇場バレエ団『アラジン』(小野/八幡)
11月19日 新国立劇場バレエ団『アラジン』(湯川/芳賀)
11月22日 インペリアル・アイス・スターズ『氷の上の眠れる森の美女』
11月23日 ナチョ・ドゥアト・スペイン国立ダンスカンパニー『ロミオとジュリエット』
11月24日 シュツットガルト・バレエ団『眠れる森の美女』(オサチェンコ/ラドメイカー/バランキエヴィッチ)
11月28日 シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』(イリ/アマトリアン)
11月29日 シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』(レイリー/カン)
11月30日 シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』(バランキエヴィッチ/アイシュヴァルト)

【12月】
12月 3日 ボリショイ・バレエ団『ドン・キホーテ』(アレクサンドロワ/ベロゴロフツェフ)
12月 4日 ボリショイ・バレエ団『ドン・キホーテ』(オーシポワ/ワシーリエフ)
12月 6日【マチネ】ボリショイ・バレエ団『白鳥の湖』(アントニーチェワ/グダーノフ)
12月 6日【ソワレ】ボリショイ・バレエ団『白鳥の湖』(アレクサンドロワ/シュプレフスキー)
12月 7日【ソワレ】ボリショイ・バレエ団『白鳥の湖』(ザハロワ/ウヴァーロフ/ベロゴロフツェフ)
12月 9日 ボリショイ・バレエ団『明るい小川』(クリサノワ/メルクリエフ/アレクサンドロワ/フィーリン)
12月10日 ボリショイ・バレエ団『明るい小川』(オーシポワ/ワシーリエフ/フィーリン)
12月11日 ボリショイ・バレエ団『ドン・キホーテ』(オーシポワ/ワシーリエフ)
12月19日 東京インターナショナルバレエカンパニー『くるみ割り人形』(柴田/サレンコ)
12月20日 新国立劇場『シンデレラ』(レジュニナ→さいとう/コボー→トレウバエフ)
12月21日 ルグリ&ペッシュ クリスマスチャリティガラ
12月22日 新国立劇場『シンデレラ』(さいとう/コボー)
12月23日 新国立劇場『シンデレラ』(さいとう/トレウバエフ) 
12月23日 井上バレエ団『くるみ割り人形』(島田/パストール)
12月23日 井上バレエ団『くるみ割り人形』(宮崎/パストール)
12月27日 パリ・オペラ座バレエ団『ベジャールへのオマージュ』(ガニオ/ペッシュ/パケット/ロンベール/ベザール)オペラ・バスティーユ
12月27日 パリ・オペラ座バレエ団『ライモンダ』(ジルベール/マルティネス)オペラ・ガルニエ
12月28日 パリ・オペラ座バレエ団『ライモンダ』(アレクサンドロワ/ヴォルチコフ)
12月29日 パリ・オペラ座バレエ団『ライモンダ』(コゼット/パケット)
12月30日 パリ・オペラ座バレエ団『ライモンダ』(アレクサンドロワ/ヴォルチコフ)
12月31日 パリ・オペラ座バレエ団『ライモンダ』(ルテステュ/マルティネス)

2009/01/07

ABTのコリー・スターンズCory Stearnsがソリストに昇進

ABTからプレスリリースが出て、去年の来日公演でも「海賊」のコンラッド役で活躍したコリー・スターンズがソリストに昇進したとのことです。
CORY STEARNS PROMOTED TO SOLOIST WITH AMERICAN BALLET THEATRE
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=250

発売中のダンスマガジンでも、ジュリー・ケントを相手に「リラの園」の恋人役を演じるコリーの写真が載ってます。この役における批評家の評価も高いです。長身で脚が長く美しく、美形のコリーはABTの次世代スター候補の最右翼でしょうね。

YAGP入賞からロイヤル・バレエスクール卒業、カイリー・ミノーグのビデオにも相手役として出演と経歴も華やかで、来シーズンはロミオ役も予定されています。

久々のノーブルな逸材に私も注目して応援していました。


さて、昨年来日していたとあるカンパニーのソリストからは、プリンシパル昇格が決まったと聞きました。応援していた人なのですごく嬉しいです。オフィシャルサイトに発表されたらお知らせしますね。

2009/01/06

ダンスマガジン&NBSニュース情報による今年の公演

帰国してから洗濯物の山と格闘したり、大魔王の実家で長男の嫁してきたり、年賀状書いたりクリスマスカードやメールの返事を書いたり、iPod Touchを買ったのでセットアップしたり、そして5日から仕事始めということで息をつく暇もありません。新国立のニューイヤーガラも絶対マイレンが出るから行きたかったのですが、やっぱり行けませんでしたし、この分ではマラーホフの「眠り」も見送りになりそうです。

昨年末に届いていたダンスマガジン2月号で、2009年の公演予定が書いてありました。基本的には知っている情報が多かったのですが、キエフ・バレエが11月に来日するというのと、レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)が今年の冬は12月から来るということがちょっと新しかったです。

M's daily life様のエントリによると、レニングラード国立バレエのプログラムに載っていたキエフ・バレエの来日公演は、

白鳥の湖
 11月15日(日)15:00 オーチャード・ホール
    20日(金)18:30 東京国際フォーラムA
くるみ割り人形
 11月21日(土)15:00 東京国際フォーラムA
眠りの森の美女
 11月27日(金)18:30 オーチャード・ホール
    28日(土)15:00 オーチャード・ホール

来日予定ソリスト:エレーナ・フィリピエワ、ヴィクトル・イシューク、セルゲイ・シドルスキー

ということです。国際フォーラムとオーチャードという会場はイヤンですが、フィリピエワ、そしてシドルスキーが来てくれるのは嬉しいです。万難を排して観に行かなくちゃと思います。

なお、ジャパンアーツの会報誌に載っていたマリインスキー劇場の東京公演は11月29日~12月11日でした。

世界バレエフェスティバルに関しては、NBSニュースにもダンスマガジンにも、まだざっとした概要しか出ていなくて、誰が出るのかも日程も不明です。ダンサーのオフィシャルサイトや、伝聞情報では、マニュエル・ルグリ、オーレリ・デュポン、ディアナ・ヴィシニョーワ(多分マラーホフがパートナーですよね)、タマラ・ロホ、ロベルト・ボッレ、ジョゼ・マルティネス、アニエス・ルテステュといったところです。

そして「今年の顔」と題されたNBSからのDMの封筒に、レオニード・サラファーノフとフリーデマン・フォーゲル(この二人は東京バレエ団45周年記念公演に出演しますね)、加えてポリーナ・セミオノワとマリアネラ・ヌニェスの写真も載っていました。後者二人は、バレエフェスティバルへの出演なのでしょうか?「ラ・バヤデール」のマカロワ版に二人とも今まで出演しているので、東京バレエ団の「ラ・バヤデール」のゲストという可能性もありますね。

球面三角さまのエントリによると、よこすか芸術劇場の2009年のラインアップ(pdf)にも東京バレエ団の「ラ・バヤデール」が入っており、舞台装置や衣装はミラノ・スカラ座のを使用するとのことです(10ページ目をご覧ください)。したがって、ゲストもひょっとしたらスカラ座から(ロベルト・ボッレを!?)呼ぶのかもしれませんね。ロベルトはポリーナともマリアネラとも共演していますし。

****

さて、ダンスマガジンの方は広告で二つ面白い発見があって、一つは、NHKのハイビジョンで2004年に放映されたジョン・ノイマイヤーのドキュメンタリーのDVD化。「ジョン・ノイマイヤーの世界 バレエの未来そして愛」として新書館から1月下旬発売で、5880円の予定だそうです。ハイビジョンでは観られない人が多かったので、朗報ですね。ノイマイヤー作品の映像がたくさん盛り込まれた、素晴らしい番組でした。

もう一つは、NBSの佐々木忠次氏のコラムの書籍化。書籍化の話は前にもお知らせがありましたが、タイトルが傑作です。
起承転々 怒っている人、集まれ!ーオペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて162」で、とにかくそそられます。もちろん、NBSニュースに連載されていた佐々木忠次氏のコラムは毎回の毒舌がとても面白かったわけですが、それが162回分もあるというのは凄いですよね。本当は、できれば今でも続けていただいて、今の新国立劇場などについて言いたい放題斬って欲しいところなのですが、健康第一で長生きしていただきたいので。

この号のダンスマガジンは、巻頭のシュツットガルト・バレエ特集が写真は多いけど記事の中身はあまりなくて残念でした。ただ、カバーストーリーとなったことで、シュツットガルト・バレエの本国オフィシャルサイトにも紹介されていましたね。レンスキーの衣装のフォーゲルのグラン・ジュッテは脚がきれいに伸びていて、確かにとても美しいです。

それから、1年の締めくくりということで、海外レポートの総括がイギリス、フランス、ロシア、ドイツ、アメリカとあるのと、ART EXPRESSという毎月恒例の海外レビューがプレルジョカージュの「白雪姫」、ABTのチューダー特集上演、ロイヤルのウェイン・マクレガー作品ということで読み応えがありました。いつもロシア・バレエのレポートが少ないのですが、今回はワシーリエフ&マクシーモワの記念ガラの紹介記事がとても良かったです。オペラ座からアレッシオ・カルボーネに加え、エマニュエル・ティボーとミリアム・ウルド=ブラムが出演したのですね。ボリショイの来日公演には来なかったニコライ・ツィスカリーゼとその愛弟子アルチョム・オフチャレンコも、注目されていたので様子を知ることができてよかったです。

評論家の先生による今年のベスト舞台やダンサーを見ると、シュツットガルト・バレエの来日公演、ピナ・バウシュとヴッタパール舞踊団、オペラ座の「ル・パルク」、小野寺修二の「空白に落ちた男」、新国立「アラジン」、振付家ではナチョ・ドゥアトと勅使川原三郎、そしてダンサーでは小野絢子さんの評価がとても高いようですね。その小野さんが主演デビューした新国立劇場「アラジン」ももちろん今回は大きく取り上げてあります。

そんなわけで、去年のベストはなんだったのかを私も考えなくちゃとは思うのですが、目下のところ振り返る余裕もありません。もう少し考えたいと思います。

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2009/01/04

12/27 パリ・オペラ座「ライモンダ」Raymonda 3幕のみ

バスティーユでのベジャールプロ終了が9時半、ガルニエでの「ライモンダ」終了が10時45分。バスティーユから移動すれば、「ライモンダ」の3幕に間に合うかもしれないジャン、と思いガルニエに向かうことに。というのも、日本にいるお友達に、今日のジャン役はジョゼが出ているというメールを送ってきてもらったから(パリではインターネットを見ていなかったので、日本にいる人のほうが情報が速い)。それにこの日の「ライモンダ」のチケットも持っていたし。

なんとか10時ちょうど、休憩時間の終了を告げるブザーが鳴っている間に駆け込むことができた。席は3階サイドのcote(ボックス)。しかし私の席に別の人が座っていたので、係りに頼んで空けてもらうことに。しかも2列目で、1列目の人が例によって身を乗り出して見ているので、ものすごく邪魔である。キャスト表は入場時にはもらえなくて、終演後やっと入手。キャストを知らないで見るというのもちょっと新鮮で面白いかも。

P1020926ss


RAYMONDA Dorothée Gilbert
JEAN DE BRIENNE Christophe Duquenne→José Martinez
ABDERAM Jérémie Bélingard
HENRIETTE Mélanie Hurel
CLEMENCE Muriel Zusperreguy
BERANGER Emmanuel Thibault→Julien Meyzindi
BERNARD Fabien Révillion
LA COMTESSE Béatrice Martel
SARRAZINS Charline Giezendanner, Marc Moreau
ESPAGNOLS Sarah Kora Dayanova, Gil Isoart
LE ROI Emmanuel Hoff

GRAND PAS CLASSIQUE
Aurelia Bellet, Marie-Solene Boulet, Sarah Kora Dayanova, Laura Hequet
Joshua Hoffalt Florian Magnenet, Julien Meyzindi, Gregory Dominiak

Mathilde Froustey, Charline Giezendanner,Lucie Clement, Juliane Mathis
Gil Isoart, Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

VARIATION
HENRIETTE (Mélanie Hurel)

PAS DE QUATRE Gil Isoart Alistar Madin, Marc Moreau, Fabien Revillion

TRIO
CLEMENCE (Muriel Zusperreguy) et Mathilde Froustey, Charline Giezendanner

チャルダッシュの中には、藤井美帆さんが一番前の列にいた。昇進試験で昇進はできなかったものの、ダンソマニなどのコメントを見るとかなり評価は高かったようで、自信に満ちた踊り。今年入団したばかりのタケル・コストくんもいた。ハーフだけどかなり日本人寄りの容姿なのですぐにわかる。

ヴァリエーションはアンリエットのメラニー・ユレル。このヴァリエーションはものすごく良くて、ユレルをすっかり見直してしまった。動きがとてもクリアだし、パドシャの高さも申し分なくて、きびきびと音楽によく乗っている。

パ・ド・カトルは、ヌレエフ版に限らずたいていの「ライモンダ」で挿入される振付だけど、ここのトゥール・ザン・レールの着地でそのバレエ団の男性ダンサーの実力が試されると言っていい。たとえば新国立劇場での「ライモンダ」は、トゥール・ザン・レールできちんと5番に降りられるのはマイレン・トレウバエフだけだ(中村誠さんも成功率は高い方だけど)。

で、オペラ座はというと、4人中大体2人が成功、あとの二人もうまくごまかすことに成功していた。この後も毎日サラセン役とグランパ・クラシックを踊って大活躍のマルク・モローの着地が毎回とても綺麗だった。ジル・イゾアールもさすがベテランだけあって、このあたりはきれい。しかも、このあたりの振付はかなり鬼のように跳躍が多くて大変!

クレマンスのほうはソロではなくて、グランパに出演している女性ダンサー二人を引き連れて踊る。マチルド・フルステーは以前の自己アピールがだいぶ減って、自然体で美しいラインを見せていたし、コリフェに昇格したシャルリーヌも強靭さを見せていながら可愛らしく良かった。

さて、ライモンダとジャンのペアが登場。ジョゼをガルニエで観るのは実は初めて。「椿姫」ではデ・グリューを踊る予定でキャスト表にも名前が出ていたのに一回も登板していなくて。そのジョゼのジャンはさすがのエレガンスと優雅さ。改めて脚のラインの美しさ、気品のある佇まい、的確なサポートに惚れ惚れ。これぞエトワール。ドロテはとにかく華やかで、あのキラキラのゴージャス衣装も似合ってとっーても綺麗なんだけど、ただこの華やかさの押し出しがあまりにも強くて、残念ながら私の好みとは違っていた。同じ華やかさのある姫役でも、ガムザッティだったらぴったりなんだろうけど、ライモンダはもうすこしおっとりとしているキャラクターだと思っているので。

ライモンダのヴァリエーション、オペラ座なので、手をバシっと叩く音が大きく響く。やはりロシア系の「ライモンダ」の映像ばかりを観てきたせいか、私はここは音を出さない方が好きだし、手を叩く音をさせたとしても、ここまで大きいのはちょっと、せっかくの素敵な音楽を乱すようで好みに合わない。
ドロテは、テクニック的には文句がつけようがないほどでまったく乱れがない、とにかく脚が強靭だし引き上げも強くて、上手い。ただ、あまりにも強すぎて、お姫様の優雅さに欠けている上に、私は上手いし余裕ありますわよ、と言わんとしているのがくどいというか、そういうのって自分でアピールするんじゃなくて自然と醸し出されなくてはならないと思うの。柔らかさや余裕が加わったら、これだけ華があることだし、本物のスターの輝きを身につけられるのではないかと思った。

そしてコーダ。このコーダの時の音楽がもう大好き。コール・ドの動きも好き。ライモンダが片脚ずつパッセするときの前半の音のゆっくりさ加減と、微動だにしないドロテの上半身に感心。後半に音楽のスピードが上がってもしっかりとついてきている。本当に彼女はテクニックは素晴らしい。そしてジャンがカブリオールで飛び込んでくるラスト。鮮やかな弧を描くバットゥリーのカブリオールで、踊りも最高潮に。ところが、ここで終わらないのがヌレエフ版の大変なところで、この後もしっかりパ・ド・ドゥが続く。3幕を観ただけでも心臓破りのようなダンスの饗宴というのが「ライモンダ」なのだと実感。そしてこの日一番印象に残ったのは、やはりジョゼのエレガンスだった。

***
ところで「ライモンダ」の魅力の一つには、エキゾチズムの香りを盛り込みながらも、真珠のようなきらめき、輝きのある旋律を聴かせるグラズノフによる音楽があります。バレエ音楽の中でも、最高傑作のひとつだと思います。このモスクワ交響楽団盤は、オペラ座で上演されている「ライモンダ」のほとんどの曲が収録されているので、お勧めです。指揮はアレクサンドル・アニシモフで、「ダンサーズ・ドリーム」のライモンダ編にも出演しています。

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12/27 パリ・オペラ座「モーリス・ベジャールへのオマージュ」Hommage a Maurice Bejart

Hommage à Maurice Béjart
27 décembre 2008 à 19h30

P1020353s


SERAIT-CE LA MORT ? 「これが死か?」

musique:Richard Strauss Quatre derniers Lieder「4つの最後の歌」
soprano Anne-Sophie Duprels

L'Homme(男): Mathieu Ganio
La Mort(死): Ludmila Pagliero
La Jeune(若い女): Fille Myriam Ould-Braham
L'Experience(経験): Nolwenn Daniel
La Sophistiquee(教養人): Eleonora Abbagnato

席は前から20列目のパルティーレ(カテゴリ1)。若干舞台から遠いけど、全体がよく見渡せる。バスティーユの広い舞台の上には、白い幕が空中に浮いているように配置。ソプラノ歌手と共に登場するマチュー。ソプラノ歌手も、ただたって歌っているだけではなく、舞台の上を歩き回ったり、横たわったり、後ろを向いていたり。
マチューは美の化身のように美しい。でもユニタードからは、胸毛が思いっきり出ているんですが(笑)。ここでのマチューは、とても繊細。身体のラインも美しい。ピルエットではちょっとぐらつくというミスがあったが、そこですら、儚さに結びつき、悲劇的なまでの美しさに酔わせてくれた。

水色のレオタードのミリアムは、クラシックラインがとても美しい。この演目の4人の女性ダンサーの中ではダントツの美しさ。若さの中にあるちょっとした残酷性を表現しているようだった。濃いピンクのレオタードは、エレオノラ・アッバニャード。目を惹き付ける存在感は人一倍ある。しなやかで小悪魔的で、彼女のキャラクターによく合っている。臙脂のレオタードのノルウェン・ダニエルはベテランらしい安定感。白いレオタードの「死」役のリュドミラは、デルフィーヌ・ムッサンイザベル・シアラヴォラが降板しての代役。このキャストの中で唯一のスジェが、一番重要な役に抜擢。アルゼンチン人の彼女はいかにもラテン系の顔立ちで、目が大きく目力がある(が頬骨が張っていてちょっと老けて見える?)。脚のラインもきれいだし、最後に男を手にかける不吉さをかもし出していて雰囲気があった。男は最後に横たわり、「死」にキスされながら息絶える。4人の女性ダンサーの粒も揃っていたし、ソプラノ歌手による音楽も美しい。テクニック的にはオフバランスが多少出てきたとはいえ、古典バレエの技術がメーン。でも、一度観ただけでは完全に理解するのは難しい演目。


L'Oiseau de Feu 「火の鳥」

L'OISEAU DE FEU: Benjamin Pech
L'OISEAU DE PHENIX: Karl Paquette

Les Partisans: Caroline Bance, Alice Renavand, Vanessa Legassy
Vincent Chaillet, Aurelien Houette, Nicolas Paul, Sebastian Bertaud, Daniel Stokes

実はこの作品、東京バレエ団で一度観たきりだった。それもまだ首藤さんが在籍していた時。火の鳥役は木村和夫さんだった。もう何年前になることだろう?というわけで初めて観るような気持ちで観た。

最初はパルチザンたちの中にまじっていたペッシュが、火の鳥の赤い衣装へと変わる。序盤はペッシュの動きがやや思いように感じられたが、途中から絶好調に。何者かに取り憑かれたような熱演。波のように寄せては返す激しい動きを、よどみなく繰り出していく。彼の素晴らしいところは、一つ一つのポジションが正確で、ぴたっと止まっているところ。プロポーションには恵まれていないけれども、アティチュードのポーズなどは実に美しい。すっかりエトワールの貫禄が身についたといえる。(翌日、たまたまガルニエのホワイエでペッシュを見かけたところ、向こうから話し掛けてくれて、前日の「火の鳥」は今まで踊ったこの演目の中でも最高の出来だったとやや興奮気味に語ってくれました)
斃れた火の鳥の後ろから、フェニックスが誕生する。カールのフェニックスがまた、光り輝く金髪(サラサラで少し長め)とブルートパーズのような澄んだ青い瞳で、神々しいほどの美しさ。動き一つとってもとてもきれいで、なるほど、これは神によって誕生させられた不死鳥だと思わせてくれた。パルチザンの中では、断然シャープな動きのアリス・ルナヴァンと、要としてしっかりと踊っていたニコラ・ポールが素晴らしかったと思う。

P1020398s

LE SACRE DU PRINTEMPS 「春の祭典」

L'Elue: Stéphanie Romberg
L'Elu: Audric Bezard

Deux Jeunes Gens: Bertrand Belem, Mallory Gaudion
Deux Chefs: Yong-Geol Kim, Alexis Renaud

Vincent Chaillet, Guillaume Charlot, Aurelien Houette, Nicolas Paul, Pascal Aubin,Sebastain Bertaut Mathieu Botto, Vincent Cordier, Daniel Stokes, Adrien Couvez Julien Cozette, Yvon Demol, Alexandre Gasse, Mickael Lafon,
Samuel Murez, Francesco Vantaggio, Mike Derrua

Quatre Jeunes Filles :Laurence Laffon, Ludmila Pagliero, Alice Renavand, Vanessa Legassy

Caroline Bance, Christelle Garnier, Myriam Kamionka, Sabrina Mallem, Alexandra Cardinale, Eleonore Guerineau, Amelie Ramoureux, Charlotte Ranson, Calorine Robert, Severine Westermann, Amandine Alibisson,
Laure-Adelaide Boucuad, Leila Dihac, Noemie Djiniadhis, Natasha Gilles, Christine Pelzer, Ninon Raux, Gwenaelle Vauthier

こちらの作品は東京バレエ団でもお馴染み。さすがにパリ・オペラ座での上演ともなると、やや品が良い印象があるが、それゆえ、かえって作品の残酷性、容赦のなさが浮かび上がってくるところが面白いと思った。東京バレエ団のを観ても、あまりそういうところを感じなかったのだ。

伏せている男性ダンサーたちの中で、一番最初に手をついて上半身をあげ起き上がるのが、マロリー・ゴディオン。力強くて野性的、シャープな動きで終始非常に印象に残った。生贄を決める過程は、すごく暴力的。その中で選ばれたのは、オドリック・ベザール。際立った長身とは裏腹に、激しく怯え、見えない恐怖と戦っているようだ。動きも、その恐怖の感情を込めた、あえて乱れを出したような激しい動きで、非常に説得力があったと思う。熱演。ステファニー・ロンベールも長身でクールなダンサー。その冷静さは、オドリックとは対極にあるようだった。運命と堂々と対峙し、それを受け入れようとする姿勢が感じられる。

身体をぶつけ合う荒々しい群舞にはとてもインパクトがあり、激しさのなかにもどこか気品、清潔感が感じられるのはオペラ座ならではか。その中で、恐怖に支配されて正気を失っているかのようなオドリック、そして4人の男性ソリストの中でも、際立って力強いマロリーが強い印象を残した。

でもやっぱり「春の祭典」はオリジナルのニジンスキー版と、ピナ・バウシュ版が古さを感じさせないのに対して、やっぱり古びてしまっている作品だと改めて思ってしまったのだった。古びてしまっていることを除けば、面白い作品だと思うのだけど。パリ・オペラ座管弦楽団による演奏は非常に迫力があり、素晴らしいものだった。

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会場内ではオペラ座で過去に上演されたベジャール作品の写真展示をしていた。裏面から光を当てたスライド形式で、物販カウンターの上や天井近くに配置されたものもあり、ちょっと見づらかった。

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2009/01/02

パリから帰国しました/パリ・オペラ座ライモンダ速報

成田空港から取り急ぎご報告です。

皆様あけましておめでとうございます♪今年も不肖私をよろしくお願いいたします。

さてパリ・オペラ座でベジャールプロ一回、ライモンダ四回(+一幕)を無事観られて、どれも素晴らしい公演だったのですが、大晦日にローラン・イレールは踊りませんでした。会場で配布されたキャスト表にも名前が載っていたのですが、開幕前にアナウンスが入り、ジョゼ・マルティネス、アニエス・ルテステュ、ステファン・ビュヨンというキャストに。

敢闘賞を、四日連続アブデラムを踊ったステファンにあげたいと思います。とてもセクシーで、生真面目な彼らしいところもある情熱的な演技でした。期待されたエトワール・ノミネがなかったのが残念。ベジャールプロと掛け持ちで大活躍のカール・パケットのジャンも貴公子らしくて美しく、良かったです。

ライモンダ役はやはり、マリーヤ・アレクサンドロワの姫オーラの強烈さが印象的でした。パリ・オペラ座の女性ダンサーは上半身が硬い人が多いので、柔らかいマーシャの腕の使い方が優雅で、とても美しく感じられました。踊りにも余裕が感じられて、生まれながらのお姫様だと思わせてくれました。

アニエス・ルテステュのライモンダも、凛とした気品と揺るぎないスターの輝きで眩しかったです。ジョゼ・マルティネスとのパートナーシップも完璧でした。ジョゼもとてもエレガントで素敵な貴公子でしたね。27日の3幕と大晦日を観たのですが、3幕に関しては、27日の方が良かったと思います。31日は急遽の出演だったからか、ちょっと跳躍が重かったのと音に合っていないところがありました。それでも、オペラ座を代表するエトワールに相応しい、風格と優雅さがあって、おもわずうっとりでした。

怪我人が多いようで、脇もほぼシングルキャスト。ベルナールとベランジェはフロリアン・マニュネとジョシュア・オファルトがほぼ毎日。サラセンはシャルリーヌ・ジザンダネとマルク・モローが四日連続。27日のジャンを降板したクリストフ・デュケンヌが29日から三日連続スペイン、と皆様本当によく働いていました。特にベルナールとベランジェは出ずっぱりで踊りも多いので大変だったと思います。

また後ほどそれぞれの感想を書きますね。

追記:おまけ情報です。

ジョゼ・マルティネスは、2009年はパリ・オペラ座学校公演と、世界バレエフェスティバルで来日するそうです。また、客席で元気そうなマチアス・エイマンを見かけました。

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