DANZA 20号
DANZA 20号(2009年2、3月号)のカバーストーリーはマチュー・ガニオ。麗しいです。面白いのが、本誌内の写真は不精髭をはやしているのに表紙はすっきりきれいに髭を剃っていること。インタビューは多分エトワール・ガラの時で、その時点ではこれから演じる「天井桟敷の人々」の話をしています。「エトワール・ガラ」の「メリーウィドウ」は当初はエルヴェ・モローが踊る予定だったんですね。
古典を踊るのは得意かと聞かれ、「とんでもない!それはいつも挑戦です」と答えるところが謙虚ですね。ストーリー性のあるバレエが好きで、人物の感情を作り上げるのが自分にとっての人生経験になるとのこと。また、エトワール・ガラや「ラ・フィユ・マル・ガルデ」で共演したスヴェトラーナ・ルンキナのこと、ドキュメンタリーDVDで共演した母ドミニク・カルフーニのこと、母にプティ作品の見せ方や感情変化などについてアドバイスをもらった、印象深かった「プルースト〜失われた時を求めて」の初演のことなど、いろいろと語ってくれています。
インタビューは、他に新国立劇場の川村真樹さん。現ロイヤル・バレエの佐々木陽平さんに色々と教えてもらっていた、ロイヤル・バレエスクールでの留学のこと、そして「眠れる森の美女」でのリラの精への抜擢。去年の「白鳥の湖」では初めて32回転フェッテに挑戦したそうです。これから「ライモンダ」への主演も控えていますが、表現力を養うことが最大の課題とのこと。たおやかで美しい彼女の成長は楽しみですね。
牧阿佐美バレエ団の菊地研さんのインタビューのほか、クラウド・ゲイト・ダンス・シアターの芸術監督リン・ファイミンと勅使川原三郎の対談という面白い企画も。クラウド・ゲイト・ダンス・シアターは、Bunkamuraのサイトに特集ページができて、「WHITE」の動画を見ることができます。とても美しいですね。
「明日のエトワール」には、「ザ・レイクス・プログレス」で好演した、小林紀子バレエシアターの萱嶋みゆきさんが登場。
特集はパリ・オペラ座学校公演ですが、これはちょっととおり一遍の記事でイマイチでした。
3月15日の東京バレエ団の「白鳥の湖」で、オデットを踊る高木綾さんとオディールの田中結子さんのインタビューもありました。(田中結子さんは、「ダンスマガジン」にもインタビューが載っています)
公演レビューは新国立劇場の「アラジン」と「シンデレラ」「ニューイヤーガラ」。シュツットガルト・バレエの「眠れる森の美女」「オネーギン」やナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニー、ボリショイ・バレエなど来日公演に混じり、篠原聖一さんの「カルメン」や越智バレエ団の「新・白鳥の湖」、武蔵野シティバレエなど、ダンスマガジンではなかなか紹介しきれない国内公演、コンテンポラリー公演もあって面白いです。
パリ・オペラ座の「ライモンダ」「ベジャールへのオマージュ」も、初日特別プログラムの「さすらう若者の歌」を含め、写真入りの記事がありました。オランダ国立バレエの「くるみ割り人形とねずみの王様」のレビューもありましたが、クララ役がラリーサ・レジニナでした。筆者は新国立劇場の「シンデレラ」客演直前の12月11日の公演を見たようです。
国内ニュースでは、谷桃子さんのトークイベントとバレエ団60周年記念パーティーの模様もあり、谷桃子さんの優しげな姿の他、熊川哲也さんの写真も。他の雑誌などでは読めない貴重な情報あり、充実した号でした。
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