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« 2009年5月「ザハーロワのすべて」演目決定 | トップページ | 12/7夜 ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」簡単な感想 »

2008/12/07

12/6昼 ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」簡単な感想

「白鳥の湖」のマチネとソワレの掛け持ちはめっちゃ疲れます~。しかもマチネは開演が12時とかなり早くて、朝の弱い私はつらかったです。ソワレが終わったのが9時40分ですから、本当に長い一日でした。でも、マチネとソワレの間が空いていてどうしようと思ったけど、お友達と遅いランチをして、それから服なんかも買っちゃったり、さらには国立西洋美術館の前のクリスマス・イルミネーションを見ていたらあっというまにソワレの時間でした。

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December 6th 12:00
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本・改訂振付・制作:ユーリー・グリゴローヴィチ(2001年改訂版)
原振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、アレクサンドル・ゴールスキー
指揮 : パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽 : ボリショイ劇場管弦楽団

オデット/オディール : アンナ・アントニーチェワ
王妃 (王子の母) : マリーヤ・イスプラトフスカヤ
ジークフリート王子 : ドミートリー・グダーノフ
ロットバルト : ユーリー・バラーノフ
王子の家庭教師 : アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化 : ヴァチェスラフ・ロパーティン
王子の友人たち : アンナ・ニクーリナ,アナスタシア・ゴリャチェーワ
儀典長 : アレクサンドル・ファジェーチェフ
ハンガリーの王女 : ネッリ・コバヒーゼ
ロシアの王女 : オリガ・ステブレツォーワ
スペインの王女 : アナスタシア・メシコーワ
ナポリの王女 : アナスタシア・ゴリャチェーワ
ポーランドの王女 : エカテリーナ・シプーリナ
3羽の白鳥 : ネッリ・コバヒーゼ,ユーリヤ・グレベンシチコワ
         ヴィクトリア・オーシポワ
4羽の白鳥 : チナラ・アリザデ,スヴェトラーナ・グネードワ
         スヴェトラーナ・パヴロワ,アナスタシア・スタシケーヴィチ
ワルツ : オリガ・ステブレツォーワ,ヴィクトリア・オーシポワ
      アレーシヤ・ボイコ,アンナ・オークネワ
      カリム・アブドゥーリン,デニス・サーヴィン
      ウラジスラフ・ラントラートフ,エゴール・フロムーシ

アントニーチェワの白鳥は、姿かたちが夢のように儚く、プロポーションが美しい。長い四肢、よく出た甲。そして腕使いもたおやかで、気品があります。特に指先の繊細な表現力が見事でした。派手さはないけど芯の強さを感じさせて、悲劇的なドラマの主人公として相応しい感じがしました。2幕の終わりで去っていく時に王子に向けたまなざしが強烈な印象を与えました。オディールも、余裕のある上品かつしたたか悪女ぶりで素敵でしたが、グランフェッテは32回回りきったものの、芯が通っていない感じで移動してしまい、不安定でした。グリゴローヴィチ版の「白鳥の湖」は、オディールのヴァリエーションがとても好きなのですが、アントニーチェワは自らが楽器となって奏でていく、素晴らしい音楽性を発揮していたと思います。

そして素晴らしかったのがグダーノフの王子!小柄でプロポーションには恵まれていませんが、脚のラインは美しいしピルエットの軸もしっかりとしていて確実なテクニック。きれいに5番に入るトゥール・ザン・レール、ぴたっと止まる回転、つま先もきれいに伸びている。王子としての優雅さと優しさ。その上、この悲劇版の王子としての演技が胸を打ちました。美しいながらも、徹底的に打ちのめされる悪夢によって、王子の心は容赦なく壊されます。その壊れ具合に、涙、涙。

2001年に改訂されたグリゴローヴィチの「白鳥の湖」は徹底的な悲劇、バッドエンドです。その悲劇の予兆は、2幕(1幕2場)のコーダに現れています。コーダで急速に音楽が速くなり、白鳥たちはぐるぐると円環を描くように舞うと、オデットはその中にまぎれてしまい、そしていつのまにかいなくなってしまいます。しばらく舞台の上で一人、視線をさまよわせると再びオデットは姿を現し、王子に視線を送ったかと思うと、白鳥の姿に戻り、ロットバルトに操られるように去っていきます。

ロットバルト(別名悪の天才)は、ノイマイヤーの「幻想 白鳥の湖のように」の影のような存在。ヌレエフ版の「白鳥の湖」のロットバルト像に近いところもあります。悪の天才は、王子に寄り添い、王子を操ろうとします。オデットは、この悪の天才が作り上げた幻想だと考えることができます。1幕1場と2場の間に、王子とロットバルトの二人が繰り広げられるデュオがとても印象的です。ユーリー・バラーノフのロットバルトは上手いダンサーで、技術的にはまったく問題はないのですが、王子を目くらまし、幻惑するトリックスターであり悪魔として存在するには、もう少し濃厚な存在感とカリスマ性が必要なのではないかと思いました。この役を当たり役としているニコライ・ツィスカイリーゼのように。

(微妙にネタバレ)

4幕(2幕2場)でも、王子とオデットはロットバルトの手下の黒鳥たち、そしてロットバルトに邪魔されて、引き離されます。このときの平行線を描いた群舞の隊形が秀逸です。黒鳥たちの列が、文字通り二人を阻む壁として機能するのですから。終幕では、永遠に王子とオデットは、残酷な形で引き剥がされ、王子は狂気の淵、出口のない悪夢に沈むのです。中央の透けて見える幕の向こうでは、ロットバルトが、力なく横たわったオデットを高々と掲げ、二人の姿は魔法のように消えます。グダーノフはオデットの姿を激しく求めながら、最終的に二人を引き裂いた壁に突っ伏し、そして悲嘆のあまり床に倒れこみます。救いの欠片も、カタルシスもまったくない、情け容赦のないエンディング。

(ネタバレ終わり)

岩田守弘さんの道化が見られなくて残念と思いましたが、ヴァチェスラフ・ロパーティンの道化も素晴らしかったです。鮮やかなテクニック、どこまでも高く軽やかな跳躍、だけどその中にも気品があって魅力的でした。

ワルツでの4人の男性が、みなプロポーションも容姿も美しく、テクニックもあって実に目の保養でした。その中の一人には、「ドン・キホーテ」で演技の細かいガマーシュを踊ったデニス・サーヴィンくんもいました。確信はもてないのですが、スペインの王女のバックにも、一部重複したメンバーで、同じく4人の見目麗しい男性ダンサーたちが。グリゴローヴィチ版はキャラクターダンスではなく、各国の王女たちがポアントを履いて踊るバックに群舞がいる形。キャラクターダンスが好きな私にとっては正直言ってあまり面白くなかったのですが、スペインは後ろの男性ダンサーたちばかり観てしまいました(笑)。

演奏は、もう少しドラマティックなもの、ロシア的なものを期待していましたが、バレエのオーケストラとしては十分すぎるほどのもの。「ドン・キホーテ」に続いて、真珠のようにクリアな輝きを放つハープの音色には聞き惚れました。

マチネの軽い感想だけで力尽きたので、続きはまた後で。

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