BlogPeople


2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« バレリーナへの道「海外で活躍するダンサー」「新潟県中越沖地震チャリティ」特集 | トップページ | デンマーク・ロイヤル・バレエ来日公演 »

2008/11/25

11/24「眠れる森の美女」シュツットガルト・バレエ団 簡単な感想

なんとか3連休を乗り切りました。軽い風邪は引いたし、体力の限界に挑戦って感じでしたが!でもまだこれからボリショイ祭りなんかもあるんですよね。あははは…。

NBSの公式ブログでは、23日の公演後のダンサーの姿がアップされています。引き続き、そのほかの公演のレポートも期待したいです。
http://www.nbs.or.jp/blog/0811_stuttgart/

兎にも角にも、マリイン・ラドメーカーの王子が美しかった~。写真で見るよりもさらに美貌で、サラサラの金髪にブルーアイ、小さな顔。長身の男性が揃っているこのバレエ団の中では、背は高い方ではないと思うけど(もちろん低いわけではない)、プロポーションが素晴らしくバランスがよく、脚のラインは美しいし、首から胸にかけてのラインもきれい。ここまで絵に描いたような王子様というのが実在したのだろうか、と思うほど。3幕のヴァリエションでは、いっぱいいっぱいのところがあったと思うけど、トゥール・ザン・レールでは毎回きれいに5番に入るし、エレガンスがあって立っているだけで気品あふれる王子様だからいいのだ。まだ若いし伸び代もありそう。早速ノイマイヤー先生のお気に入りになって、「ヴェニスに死す」のタッジオ役を踊っているくらいだもの。次はぜひ「椿姫」のアルマンで観たい!今が伸び盛りでまさに花開かんとしている若くて美しいダンサーを見ると、とてもわくわくしてしまうとともに、若さや美の持つ儚さも感じてしまう。

もちろん、バランキエビッチのカラボスは最高。前の日に観ていた友達の話では、ジェイソン・レイリーのカラボスのほうが芸が細かくて妖しかったそうだけど、バランキエビッチらしい豪快な跳躍はすごい迫力と切れ味で。長いマントを翻し、ロングドレスにロングヘア、細い描き眉でドラッグクイーン的なお姿も美しい。大げさなまでの視線の使い方、上体の切り返し方や見得の切り方、濃い演技、一つ一つが魅力たっぷりで妖艶で、素敵。カーテンコールでも、他の出演者が正面を向いたまま下がるのに、ただ一人背中を向けて下がっていくところがカラボスのへそ曲がりなキャラクターを表現していて面白かった。 

ハイデ版では、その異様なまでの存在感で、オーロラではなくてカラボスが主役になっているんだと思う。王子なんか2幕からしか出ないものだから、ほとんど出ずっぱりな上に、あのちょっと歌舞伎っぽいというか、"かぶく"という表現がぴったりのカラボスにどうしても食われてしまう。カラボスがオーロラの誕生祝に現れなかったことがすべての始まりなのだから、たしかに主役となってもおかしくない。踊っていないときも、舞台の中央で行われていることを覗き見たり様子を伺ったりしていて、禍々しい影を常に落としているのだ。舞台の一番最後を締めくくるのも、カラボスの妖艶で、愛憎が同居するような濃密な視線。嫉妬、妄想、憎しみ、執着といった人間のダークサイドを象徴させるようなこのキャラクターが、ハイデ版最大の魅力であることは間違いない。

カラボスが覗き見るのに好都合なのが、この版の回廊のような舞台装置。その2階部分にカラボスが立って、見下ろしているのだ。ハンブルク・バレエの美術でも知られているユルゲン・ローズによる装置や衣装は見事なもので、プロローグの水色、2幕の茶色のグラデーションの美しいこと。回廊の色も時の経過と共に変化し、絡まっていた緑の蔦が2幕では枯れて、3幕では再び花々が咲き乱れている。3幕の御伽噺の登場人物たちや宝石の精の衣装は目にも鮮やかでエキゾチック、2幕の茶色の世界とは対照的。その中で、小花をちりばめたような清楚なパステルカラーの、オーロラと王子が際立つというわけ。カラボスの呪いがかけられたときに、カラボス以外の世界がセピア色に褪せていく照明の使い方はドラマティックで効果的だった。

カラボスの異様で強烈な存在感は素晴らしいと思うのだけど、全体的な振付は今ひとつだったと思った。土曜日にスピーディなシアターアイスショーの「眠り」を観たばかりだと、やっぱり古典バレエの「眠れる森の美女」は長いって思う。このハイデ版もプロローグがとっても長く感じた。5人の妖精たちの踊りの振付が今ひとつで、女性ダンサーたちの技量もそれほどではないから余計に長く感じたのかもしれない。2幕のパノラマのシーンでは、コール・ドがチュチュではなく茶色系の長いドレスを着ていて、シックで美しいのだけど振付が地味に感じられてしまった。王子がカラボスと戦うところも、布のようなものにからめとられていたりするのだが、ちょっと判りにくい。

女性ダンサーの振付がどうもピンと来ない分、男性ダンサーの踊りは増やしていて、4人の王子も踊る踊る。総じてこのカンパニーは、男性ダンサーに関してはとても充実していて、背が高くて男前が多い。4人の王子は1幕でそれぞれソロはあるし、4人揃っての踊りもある。北の王子を踊ったエヴァン・マッケイが一番マネージュがきれいだった。(彼は、岩国公演で「眠り」の王子デビューをするそう。「オネーギン」ではオネーギンとレンスキーのアンダーなので観られない可能性が高い)しかし、金髪のカツラのポニーテールが踊っている最中にほどけてしまって、髪を垂らしている状態で踊る羽目になってしまっていた。4人の王子は、3幕にも登場してきて、宝石の精のお付として踊ったりして、出番が相当多いし、上手い人を揃えてきた。

ちょっと面白かったのが、宝石の精たちと一緒に、アリ・ババというキャラクターが出てくること。このアリ・ババ、衣装も踊りも「海賊」のアリにすごく似ている。アレクサンドル・ザイツェフは背中が柔らかいし、なかなか良かった。ここの男性ダンサーはみんな、トゥールザンレールの着地を5番にちゃんと入れている。(いや、ロシア系のバレエ団なら当たり前のことなんだろうけど…)もう一つキャラクターで面白かったのが、長靴をはいた猫と白猫のところ。二人はまるでけんかをしているかのようで、猫パンチをし合っていて、大体最後には白猫が長靴をはいた猫のおでこをパコって殴っちゃうのだ。これは可笑しかった。それから、白雪姫役のダンサーが、タマラ・ロホにとてもよく似ていて可愛かった。

オーロラのアンナ・オサチェンコはアレグロは得意だけどアダージオは苦手なのかもしれない。1幕の登場のところのヴァリエーションは、とても軽やかできびきびしており、音楽にもとてもよく乗っていてすごく良かった。でも、ローズ・アダージオではとても緊張しているのが伝わってきていて、バランスがいつ崩れてしまうのか冷や冷やした。ミスはなかったけど。せわしない振付の問題もあったと思うけど、音を引っ張らずに短めに取っていて、しなやかさといったものが感じられなかった。若い姫らしい、溌剌としていてフレッシュな魅力はあったし、これからに期待できそう。

なんだかんだいっても、すごく楽しめたのは間違いない。マリイン・ラドメーカーとフィリップ・バランキエビッチ、魅力的なこの二人を堪能できただけでなく、姿かたちのきれいな男性ダンサーたちと豪奢な美術、これだけでももう大満足。

あーまた簡単な感想じゃなくなっちゃった。明日は会社なのに!


オーロラ姫:アンナ・オサチェンコ
デジレ王子:マリイン・ラドメイカー
カラボス:フィリップ・バランキエヴィッチ
リラの精:ミリアム・サイモン

王:ヘルマー・ポーロカット
王妃:メリンダ・ウィサム
カタラビュット:トーマス・ダンヘル
乳母:ブリギット・デハルデ

<プロローグ>
澄んだ泉の精:オイハネ・ヘレーロ
黄金のつる草の精:ヒョー=チャン・カン
森の草地の精:ダニエラ・ランゼッティ
歌鳥の精:カタジナ・コジィルスカ
魔法の庭の精:マグダレーナ・ジギレウスカ
お付きの騎士:
 ローランド・ハヴリカ、ウィリアム・ムーア、
 ペトロ・テルテリャーン、ディミトリー・マギトフ、
 ダミアーノ・ペテネッラ、ローラン・ギルボー

<第1幕>
~オーロラの誕生日~
東の王子:ディミトリー・マギトフ
北の王子:エヴァン・マッキー
南の王子:ダミアーノ・ペテネッラ
西の王子: アレクサンダー・ジョーンズ
オーロラ姫の友人:
 ナタリー・グス、マリア・アラーティ、
 アレッサンドラ・トノローニ、ダニエラ・ランゼッティ、
 クリスティーナ・バーネル、カタジナ・コジィルスカ

<第2幕>
~狩りの場、幻を見るデジレ王子、オーロラの目覚め~
伯爵夫人:オイハネ・ヘレーロ

<第3幕>
~オーロラの結婚式~
グレーテル:ナタリー・グス
ヘンゼル:ウォン・ヤオスン
シンデレラ:アンジェリーナ・ズッカリーニ
王子:オズカン・アイク
青ひげ公:マキシム・キローガ
王女:アレッサンドラ・トノローニ
シェヘラザード:エリザベス・ヴィセンベルク
アラジン:ペトロ・テルテリャーン
コロンビーヌ:アナベル・フォーセット
アルルカン:ルドヴィコ・パーチェ
カエルの王子:チャールズ・ペリー
王女:ビリャナ・ヤンチェヴァ
お姫さまとえんどう豆:へザー・チン
王子:ブレント・パロリン
中国の王女:ジュリア・ムニエ
官吏:デヴィッド・ムーア
白雪姫:レネ・ライト
アリ・ババ:アレクサンダー・ザイツェフ
ルビー: マグダレーナ・ジギレウスカ
サファイア:オイハネ・ヘレーロ
エメラルド:ダニエラ・ランゼッティ
アメジスト: ミリアム・カセロヴァ
長靴を履いた猫:アルマン・ザジャン
白い猫:カタジナ・コジィルスカ
青い鳥:ウィリアム・ムーア
王女:ローラ・オマリー
赤ずきん:クリスティーナ・バーネル
狼:ミハイル・ソロヴィエフ

協力:東京バレエ学校、東京バレエ団
指揮:ウォルフガング・ハインツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

« バレリーナへの道「海外で活躍するダンサー」「新潟県中越沖地震チャリティ」特集 | トップページ | デンマーク・ロイヤル・バレエ来日公演 »

バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

こんにちわ!!
とても楽しい舞台でしたね。
カラボスの毒気にあてられて、そういえばオーロラ以外の女性陣の
印象が希薄なことに気付きませんでした。
やはりF嫁の目がハートになったように、男性ダンサーを愛でるのが
正解でしょうか。
それからお身体お大事に・・・ 「オネーギン」の感想も楽しみにしてます。

Fさん、こんばんは。

この版のカラボスは強烈でしたね~あのキャラクターは私は大好きですhappy01
Fさん好みの女性ダンサーはいなかったですか(笑)シュツットガルト・バレエは長身の美形男子が多いですからね~。普段長身の素敵な旦那様と接している目の肥えたF嫁様のおめがねにもきっとかなったことでしょう。

いやはやしかし体力の限界です。今日は無謀にも風邪を押してバレエのレッスンに行ってしまいました。年末なかなかいけそうにないので。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« バレリーナへの道「海外で活躍するダンサー」「新潟県中越沖地震チャリティ」特集 | トップページ | デンマーク・ロイヤル・バレエ来日公演 »