BlogPeople


2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« サンフランシスコ・バレエのハロウィン/「くるみ割り人形」のDVD | トップページ | NHK「BS世界のドキュメンタリー」で「クワイア ボーイズ」 »

2008/11/02

新国立劇場からの言い訳の手紙/「芸術の売り方」

今日は新国立劇場から、キャスト変更についての長い言い訳の手紙が届きました。

ひとつは「シンデレラ」のキャスト変更について2枚。

まず、そもそも、アリーナ・コジョカルの首の状態が悪いという話は、夏のロイヤル・バレエの来日公演「眠れる森の美女」を降板した時から知られていたことでした。それでも、コジョカルを前面に出したチラシを最近まで(別刷りまで作って)配っていました。さらに、9月始めの時点で本拠地での1月までの公演をすべてキャンセルしたという話が伝わってきても、今まで彼女の降板を発表していなかったわけです。代役を決めるのに時間がかかるのは仕方ないまでも、今までコジョカル主演としてチケットを売ってきた行為は、言い訳のできないことだと思います。代役は未定だけどコジョカルは出られません、と断るべきでしょう。

ラリッサ・レジュニナの代役は、その言い訳手紙によれば、アシュトンの著作権者のウェンディ・サムズとの協議で決まったということで、これに関しては、どのバレエ団も12月はかきいれ時でゲストにまわす余裕もないでしょうし、問題はないと思います。

ラリッサ・レジュニナはオランダ国立バレエに移籍してからは日本に来る機会もなかったわけですが、最近、「ハンス・ファン・マーネン・フェスティバル」のDVDが発売されており、私もこれは観たのですが、相変わらず美しく、表現力もあってとても魅力的なダンサーでした。今までマリインスキー・バレエの「くるみ割り人形」や「眠れる森の美女」のDVDに主演していて、とっても愛らしく、当時は日本でもかなり人気があったはずです。ところが、(頂いたコメントにもありましたが)「知る人ぞ知るミステリアスなダンサー」って表現はいかがなものでしょうか?一流のバレエ団で活躍しているレジュニナにも、大変失礼な話だと思います。まるで、全然知名度のないダンサーであるかのような書き方ではないでしょうか。

そして、もう一枚は、「コッペリア」2009年6月26日をご購入いただいた皆様へ、という手紙です。ロイヤル・バレエのスケジュールの都合で6月26日にタマラ・ロホが「シンデレラ」に出演できないことは仕方ないことでしょう。ロイヤルにけが人が続出しているのは、上記コジョカルの出演キャンセルもあることですし。スワルニダ役を演じることを許可された海外のダンサーで、今回出演可能なダンサーはいないというのなら、26日が新国立のダンサーになることは致し方ないと思われます。

最大の問題は、なぜ、振り替え、払い戻しができないのか、という理由が一言も書いていないことです。

今回、プルミエのセット券は、「コッペリア」に関してはゲストが出演することを前提として販売しているので、それを、新国立のダンサーで賄うのは、はっきり言って詐欺です。払い戻すか、ゲスト出演日に振替えるのが筋です。まだ、一般発売どころか、アトレ会員向けのチケットも発売されていないので、振替えるのはそれほど難しいことではありません。そもそも、それほど本島さんのスワニルダ役に自信があるのだったら、振替え扱いにしても実際には振り替える人はいないだろう、と考えるでしょう。振り替えを不可能とする言い訳にはなっていません。

理由として考えられるのは、ひとつは、多くの人が払い戻し若しくは振り替えを希望してしまうということ、もうひとつは、単に振り替え、払い戻し手続きが面倒なこと。観客の気持ちをこれっぽちも考えていないってことです。

場合によっては払い戻しや日時の変更に応じるNBSの方が、会員にとってはずっと融通が利いて親切だと思います。財団長である佐々木忠次氏が、一流のインプレサリオであり、賛否はあるものの一定の信念に基づいて長年活動しておられたのが、NBSには反映されています。

それに、一日は26日、もう一日は本島さんの日、の合計2枚で買っていた人がいたとしたら、その人は2回も同じ主役で観る羽目になってしまいます。どうせ2回観るんだったら、違うダンサーで観たいと思うのは自然なことなのに、それも劇場は阻止しようとしているわけです。

本島さんの代役はプティのご指名だそうです。おまけに3回も踊ります。しかし、前回の「コッペリア」公演に、プティは来ていませんでした。

書面の中に、どうか皆様のご理解とご寛容をお願いもう上げますと共に、今後も新国立劇場バレエ団公演をお楽しみ頂きたく…。 と締めくくられていますが、釈然としません。納得はてきない内容です。というか、とても講演を楽しみにするような気分にはなれません。このように(シーズンセット券を購入するようなロイヤリティの高いはずの)顧客を蔑ろにした劇場のバレエ自体、観に行くことが気分が悪くなります。

少なくとも、このような仕打ちを受けたシーズンセット券購入者は、もう来シーズンはシーズンセット券を買わないと思います。

************

今、私は「芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング」という本を読んでいます。オペラ、バレエ、クラシック音楽や演劇などを中心に、いかにしてチケットを売るか、インターネットの活用など新しい動向も織り込みながら、アメリカやイギリスを中心とした具体例を紹介している本です。読了したら改めてご紹介するつもりです。バレエでは、特にサンフランシスコ・バレエの実例が出てきて面白いです。たとえば、チケットの値段というのは、必ずしも観客にとって最優先事項ではないので、チケットの値段を下げたから売れるというものではないようなのです。

本業がマーケッター/リサーチャーの私にとっては、本業にとってもとても勉強になりました。いかにしてその劇場を観客に愛してもらうか、ということが大事なのです。この本に書かれている例ではないのですが、たとえばアメリカン・バレエ・シアターの場合、サブスクライバー(定期会員)は、自分の予定と合わなくなったなどチケット購入者自身の都合でも、一定回数チケットを別の日時に交換することができます。この本の中でも、手数料ありでいいから指定日時の交換が直前までできることが重要だとしています。ぜひ、劇場関係者の方には読んでいただきたいな、と思います。

芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング
山本章子

英治出版 2007-09-04
売り上げランキング : 26849
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

« サンフランシスコ・バレエのハロウィン/「くるみ割り人形」のDVD | トップページ | NHK「BS世界のドキュメンタリー」で「クワイア ボーイズ」 »

バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

naomiさん、おはよーございます。

コッペリアは当事者ではないので、お気の毒としか言いようがありません。
私は昨年観たラカッラの印象が強く、新国ではもういいかなと思ってしまいました。
どのカンパニーでも団がイチオシするダンサーと、観客がいちばん観たいダンサーが
ずれていると悲劇です。

コジョカル・・・
私はもう何度も観ているのでいいのですが、冥〇の土産に母親に観せたかったのです。
夏のロイヤルもそれでダメでしたし、縁がないのかなぁ。

ご紹介の書籍、自身の本業には全く関係ありませんが、とても興味があります。
早速ポチッとしました。

こんにちは。
プルミエセットの件、ご愁傷さまです。
本島さんが前回のコッペリアで滑ったのは、シャンパン
が舞台上にまかれていた、ということからの不可抗力
かもしれませんが、全体を通じてみてもエスプリ感はなく、
スワニルダ向きでないことに同意です(本島さんの
フォローをするなら、カルメンはよかったと思いますが)。

さてサブスクライバー(定期会員)の別の日時への交換ですが、
日本でも、オーケストラでは認めるのが主流です。
例えばNHK交響楽団、東京都交響楽団、東京フィルなどでは、
サブスクライバーは、都合が悪くなった場合、同一月の別の
日時に開催される定期演奏会への振替が可能です。
事務局からすれば、結構な手間だと思いますが、上得意客の
便宜を考えれば、当然だと思います。
新国立劇場の事務方は、NHK(交響楽団)や東京都(交響楽団)
以上に、官僚的なのでしょうか。

新国立劇場の最近の演目は、オペラもバレエも好感をもてるもの
が多く、リーズナブルな値段でみられるだけに、とても残念です。

Fさん、こんばんは。

本当に今回のアリーナの降板は残念ですね。お母様にも見ていただけるチャンスだったのですね。親孝行で立派ですね。私は母と歌舞伎やクラシック音楽は行きますが、バレエは大人になってからは一度しか行ったことがなくて、それも実家のそばのホールで観たキエフのくるみだけ。

ラカッラのスワルニダは本当にキュートでしたね~!彼女の印象は凄く強いです。10数年前にNHKで放映された、アスイルムラートワとピエール、コッペリウスにプティが出演した「コッペリア」も素敵でした。アスィルムラートワも脚がきれいで美人ですからね。今活躍しているダンサーでプティといったらやっぱりラカッラですよね。あの脚とキュートな小顔!

ハチローさん、こんばんは。

ハチローさんも前回のコッペリアをご覧になったのですね。プティ作品ってやっぱり独特のおしゃれな感じ、まさにエスプリが必要なので、日本人にはなかなか難しい演目ですよね。スワルニダのお友達役を踊っていた女性ダンサーたちはすごく健闘していたと思うけど。ミスがあることが問題、というより全体的にどうやって役を演じていたか、ちゃんとパを踊っているか、音楽性などが問題なんですよね。
カルメンは、たしかに本島さんの個性に合っていたと思います。作品としては、ちょっといただけなかった、と思いますが。

私はクラシック音楽の定期会員は詳しくないのですが、教えてくださってありがとうございます!やはりそういうことになっていたのですか。親切ですよね。クラシックの演奏会に行くと、男性の観客が比較的多くて、忙しいビジネスマンでもちゃんと足を運べているのはなぜか、と考えるとそういう制度もひとつの理由なのかもしれません。開演時間も、7時開演が多かったりと少し遅めなのもいいですよね。
新国立劇場は、民間ではなく国立の劇場なのですから、もう少し観客のことを考えてほしいですよね。文化功労者に選ばれた芸術監督の公私混同振りも最近は目に付きます。

naomiさん、こんばんは。

かつて某交響楽団の奏者だった父を持つ私が推測するに、日本のオケは観客を動員するのに、イエ、オケの存続自体、並々ならぬ苦労をしてきているのですよ。昔はメセナなんて考えもなかったですからね。せっかく自分達も努力して、海外から高名な指揮者やソリストを呼んでも、空席が目立つようでは困るので、それこそサクラでもいいから座っていて欲しいという想いが事務局にあると思います。だから都合で行けなくなったと言われれば振り替えてでも、会場に足を運んでもらいたい、お客さん来てくれてこそオケが存続出来ることが骨身にしみていると思います。(N響は知らないけど)。
それと比べて新国立劇場は、お客の土壌も劇場も予算も整った上での運営ですからねエ。まあ、バレエの場合は主役ダンサーの人気でチケットが売れる訳だから、オーケストラと同じシステムはとれないのかもしれないけれど。
今回は、前例をつくってしまうと今後の対応にも響くから、「払い戻しや振り替えはいっさい応じない」と逃げたのでしょうか?公務員は異動がありますものね、後々の評価に響きかねない余計な事はしたくないのが心情でしょうし、動員率が下がると予算も減るかもしれないし。
いずれにせよ、これを機会に対応の仕方を考えて頂きたいものです。
ご紹介の本は私も読んでみますね。長くなってすみません。

クロードさん、こんばんは。

そういえばお父様がオーケストラにいらっしゃったとおっしゃっていましたね。実際に芸術に携わっているクロードさんの言葉は重みがあります。大阪で、芸術愛好家は変質者と言っているあほな知事のせいで、大阪センチュリー交響楽団の補助が打ち切られたり、いろいろと厳しい世の中ですよね。特に、スポンサーとして寄付してきてくれた金融関係や自動車関係の会社が、軒並み経営が悪化していますからね。
ホント、新国立劇場はお役所仕事ですよね。セット券を購入している会員向けのパーティに参加した時にも、内容よりも動員率の話ばかりしていたし、理事長はオペラの名前もきちんと知らないようでした。バレエもオペラも動員率は9割を超えていると胸を張っていましたよ。(世間を騒がせている演劇部門の芸術監督交代問題も、動員率の低さが問題にされていたようです)

実は以前は新国立劇場は、キャスト変更の場合には払い戻しを認めていたんですよね。それがいつの間にか、不可に変更になってしまいました。私の希望としては、払い戻しじゃなくてもいいから振り替えにして欲しい、ということです。長い時間をかけて劇場のファンを作り上げていくということが、一番必要なことなのですよね。たとえアクシデントがあったとしても、それを逆にチャンスにしていくくらいのことをしなくてはならないと思うのです。真剣に考えているのか、疑いたくなってしまうことがあります。一生懸命やっているダンサーにも気の毒な話ですよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« サンフランシスコ・バレエのハロウィン/「くるみ割り人形」のDVD | トップページ | NHK「BS世界のドキュメンタリー」で「クワイア ボーイズ」 »