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2008/11/21

FIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」2008 12/5号 No.377

FIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」も15回目。今回の特集は、例年12月下旬に開催される昇級コンクールです。

普段バレエ雑誌ではなかなか読めない、まだスターではないダンサーのインタビューが読めるのがとても面白いですね。

http://madamefigarojapon.hankyu-com.co.jp/con/index.html

今年はプルミエに空きがないため、スジェがコンクールに参加できないのですよね。しかも、プルミエで引退しそうな人もいないため、誰かがエトワールにならない限り、来年もスジェは受けられないことになります。

コンクールの採点方法なんですが、1階客席に並ぶ審査員は、オペラ座の総監督、芸術監督、バレエマスター、他のカンパニーからのゲスト、そして団員によって選ばれた6年以上経験のある団員が5人という構成。

そして知らなかったのですが、30点満点で、当日の審査員の持ち点が20点で、あと10点は日常の勤勉性・プロ意識についてであるとのこと。

15年近くコンクールを見ているジャーナリストによれば、クラシック作品を踊れる背の高いダンサーが足りないといったバレエ団の必要性という点も勘案されているから、去年のような番狂わせが起きるのだそうです。今オペラ座になりないと彼女が個人的に思うのは、テクニックだけでなく表現という点でも優れているアーティスト、ということだそうですが、これはオペラ座に限った話ではなくて、世界的にそういう傾向になってしまっていますよね。マリインスキーに代表されるロシアでもそうだし。

その、予想外の結果でプルミエール・ダンスーズに昇級したエヴ・グリンシュタインのインタビューが載っています。コンクールを見ていたドロテ・ジルベールが感嘆したほどのパフォーマンスだったそうで。でも、そのコンクール直後の「パキータ」にしても、6月の「椿姫」にしても、同時にコンクールを受けて昇級できなかったローラ・エケ、アリス・ルナヴァン、マチルド・フルステ、サラ・コヤ・ダヤノヴァらのほうがずっと目を惹きつけられたのですよね。どうもエヴとミュリエルは地味で冴えなかったのです。

ジョゼ・マルティネスの新作「天井桟敷の人々」で、エヴはセカンドキャストながらヒロインのガランス役に抜擢されました。そのときの写真も載っています。でも、ファーストキャストのイザベル・シアラヴォラが古典的な美貌と美しい脚で魅惑的だったのに、やっぱりエヴは化粧が濃いだけであまり美しくないのですよね(実際の「天井桟敷~」の舞台は観ていないから、なんともいえない、実はとてもよかったりするのかも知れませんが)。オペラ座の稽古の後、24時まで開いている演劇学校に通っていたそうで、大変な努力家ではあるようです。

一方、17回目の挑戦でコリフェに昇進した35歳のジスレーヌ・レイシェーのインタビューはとても面白かったです。「天井桟敷の人々」では肉襦袢をつけて、準主役級のマダム・エルミーヌを踊り、そのときの写真も載っているのですが、迫力がありますね。毎年落とされてもずっと挑戦し続けたというのは本当に凄いと思います。1年間オペラ座を休んでマドリッドのカンパニーでネオ・クラシックを踊っていたそうで。戻ってからも、コンテンポラリー作品に興味を持ち、フォーサイスがオペラ座のために創った「パスパーツ」の初演キャストに抜擢されたとのことです。長い間チャレンジ精神を持ち続けている彼女は、きっといろいろと新しい道を切り開いていけそうですね。

最後に、今年のカルボー賞に輝いた、日本でもお馴染みのスジェ、オドリック・ベザールのインタビュー。この賞は本来24歳までの若手ダンサーが対象とのことですが、例外的に受賞したとのこと。背が高くて男前の彼は、舞台の上でもよく目立ちますが、192センチもあるのだそうです。しかも、オペラ座の最終学年で25センチも伸びて、身体のバランスの取り方が急に変わったので苦労したようです。背中の筋肉の成長が追いつかなかったそうで。だから、ちょっと猫背に見えることがあったのですね。しかし、「椿姫」などで観た彼は、その欠点もだいぶ解消されてきて、持ち前の華のある雰囲気もあってとても素敵でした。2年前にNYCBのプリンシパルでもあるベンジャミン(バンジャマン)・ミルピエの「アモヴェオ」で抜擢され、今年のミルピエの新作「トライアド」ではマリ=アニエス・ジロの相手役を務めました。また、ルグリが彼を応援し続け、彼の主催するガラへ参加させ、指導したことも(日本での「ルグリと素晴らしき仲間たち」公演もそうですね)、良い経験になったようです。ルグリの1時間の稽古は、一人でする2か月分の稽古に相当するそうで。

カルボー賞の授賞式の写真が載っていますが、ルグリをはじめ、去年の受賞者マチアス・エイマン、オーレリー・デュポン、アリス・ルナヴァンらも写っています。オーレリーは彼のプティット・メールなんですね。その中でも、やっぱりオドリックはひときわ背が高いです。やはり人一倍稽古熱心であることを、ルフェーブルも評価しているようです。


この号のフィガロでは、オペラ座連載の次のページに6ページを割いて載っている、秋からの映画特集が面白いです。すごく興味を惹かれる映画がたくさん公開されるんですね。

madame FIGARO japon (フィガロ ジャポン) 2008年 12/5号 [雑誌]madame FIGARO japon (フィガロ ジャポン) 2008年 12/5号 [雑誌]

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パリ・オペラ座バレエ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、お久しぶりです。
オドリックの話が出ていたのに嬉しくなって、御礼がてらコメントを。
先日職場にフィガロジャポンが置いてあったので(誰かの差し入れ?)、興奮してわくわくしながら目次を開いたのですが、残念ながら隔号の「パリ・オペラ座バレエ物語」の回ではなかったようで…。
今号を是非読みたいものですが、naomiさんのレポで満足することにします(^^)。

そうそう、リンクに入れていただいている前ブログですが、もう更新していませんし、邪魔だったら削除していただいて構いませんので。どうか私にお気遣いなく。

marikoさん、お久しぶりです。ちょうど昨日部屋の片づけをしていたときに、6月のパリの写真が出てきて懐かしく思ったところなんです。
フィガロの連載、もう15回目でまだ続いているので、そのうち本になるのではないかなって思います。あと、東京だと大きな本屋さん(特に阪急系のブックファースト)でフィガロのバックナンバーが買えるんですよね。

前ブログですが、たしかに更新は終了されていても、オペラ座の貴重なレポートがたくさん載っているので、引き続きリンク集のほうには載せておきますね。新ブログも楽しく読んでいます!

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