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« ダンスマガジン2008年12月号 | トップページ | DDD 2008年12月号 »

2008/10/27

「ワイルド・バレット」 Running Scared お勧め!

ウェイン・クラマー監督/脚本、アメリカ/ドイツ、2006年、122分
ジョーイ:ポール・ウォーカー
オレグ・ユゴルスキー::キャメロン・ブライト
テレサ:ヴェラ・ファミーガ
刑事リデル:チャズ・パルミンテリ
アンゾ・ユゴルスキー:カレル・ローデン
http://www.wild-bullet.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0404390/

たまたま招待券を持っていたところ、友人の熱烈プッシュもあって観に行くことに。(それに、ポール・ウォーカー好きだし)わずか2週間の上演期間で、劇場も新宿オスカーと銀座シネパトスのみ。あまり知られていないみたいだけど、これは映画館で観るべき快作!

タランティーノが「俺が待ち望んでいたのはコレだ」と絶賛していたとのことだけど、確かにタランティーノの影響は随所に感じられる。血を流し瀕死の状態で車をめちゃめちゃに飛ばすポール・ウォーカーと暗い瞳の少年。しかもこの少年は彼の息子じゃない。話はその18時間前に飛び、マフィアが麻薬の売上金を数えているところへ目出し帽をかぶった武装強盗団が乱入、超ヴァイオレントな銃撃戦という最初の展開。

また、この暗い瞳のロシア人少年オレグの極悪な継父が、ジョン・ウェインの熱狂的なファンで、昼間から彼の映画ばかり観ている。背中にジョン・ウェインの刺青まで彫っていて、彼のことを貶されると子供だろうが容赦しない。しかしながら、最後にはジョン・ウェインらしい漢気を見せるところなんていうのも、それっぽい(エンドクレジットを見ていたら、ちゃんとジョン・ウェイン財団の許可を取っていた)。彩度を極端に落としたザラザラした映像のルックも、初期のタランティーノ作品を髣髴させたりして。

悪人にも良いところがあったり、善人にもダークサイドがあったりとキャラクターに陰影があるのが良い。ポール・ウォーカーは今までは普通のイケメン的な役柄が多かったと思うけど、ここではイタリアン・マフィアの親分が殺しに使った銃を始末するのが仕事というチンピラのジョーイ。その銃を誤って隣人ユゴルスキーの息子で、ジョーイの息子ニッキーの親友でもあるオレグが手にしてしまって、虐待を繰り返す継父に向かってぶっ放しちゃう。その銃に足がついたら自分の命はない、とジョーイはまだ10歳のニッキーを連れまわして危険な場所をウロウロして銃の行方を探し回る。

この映画に登場する人物たちのクセのあること!まず、ロシア人少年オレグは、決して笑わない。大きな青く暗い瞳は、人の心の奥底まで見ているかのよう。彼を演じるキャメロン・ブライト、どこかで見たことがあると思ったら「サンキュー・スモーキング」でアーロン・エッカートの息子を演じていた。それどころか「記憶の棘」「バタフライ・エフェクト」「ウルトラ・ヴァイオレット」と活躍している天才子役とのこと。オレグとジョーイの擬似親子関係が物語のひとつの核。オレグを誘拐する変態幼児性愛サイコ夫婦の存在がものすごく怖い。張り付いたような笑顔の、一見上品な二人、怖いくらい整えられた部屋に住んでいる理想の家庭の中に潜むおぞましい狂気…。他にも娼婦やボン引き、悪徳警官、ロシアン・マフィアと子供に体験させるにはあまりにも強烈な人々とオレグは出会ってしまい、ジョーイと怪しげなニュージャージーの夜を彷徨う。オレグがこの映画の主人公と言ってもいいかもしれない。

悪徳汚職刑事にチャズ・パルミンテリ。彼が登場するとあるシーンで使われる、マスターカードのCMのパロディが秀逸。「ボストン・バッグ、XXドル、ノキアの携帯電話、100ドル、そしてXXX、プライスレス!」と。ジョン・ウェインの使い方といい、脚本も実にしゃれていて巧みだ。ちゃんとジョーイの妻テレサの活躍ポイントもある。

ポール・ウォーカー演じる下っ端チンピラのジョーイが、にっちもさっちも行かない、悪い方向へ悪い方向へと巻き込まれながらも、必死にオレグを守り、彼を母親の元に返そうと苦闘する姿。その中で見せる熱い男気、父親らしさに、彼ってこんなにいい役者だったっけと認識を新たにする。

まじ、真剣にポール・ウォーカーはカッコいい!

後半の息もつかせぬ怒涛の展開と、どんでん返しの数々!ニッキーとオレグがアイスホッケーファンであることを巧みに使った、驚愕のヴァイオレンス満載のクライマックス。ジョニー・トーの映画の世界など、香港映画にも通じるものがある。こんな作品があるから、B級映画はたまらないし、一度映画館に行き出したら、映画館通いがやめられないのだ。

エンドクレジットの最後のほうに 「ペキンパーとデパルマとウォルター・ヒルに捧ぐ」 ってあるけどまさにそんな感じ。

そうゆう映画が好きな人は、絶対に観なさい!

追記;書き忘れちゃったのだけど、この映画のエンディングタイトルがグラフィックノベル風というか、シュールな手描きの絵本イラスト風で(ちょっと「非現実の王国で」風味)、この映画の中に出てくる、オレグを襲う数々の悪夢を絵本風にイラスト化していて、アクション映画のエンディングにしては珍しいアート風味。オレグの地獄めぐりの物語だったんだな、と印象付けている。

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コメント

見てきました!
面白かったです〜♪
やっぱりアクション映画は派手でないと。
そしてスピード感とスリル、バイオレンスシーンを美しく映すこと。
naomiさんのおっしゃる通り、エンディングタイトルが秀逸でした。

ogawamaさん、こんばんは!
お楽しみいただけましたか!良かった~。
ogawamaさんがバイオレンスモノや、タランティーノがお好きとは意外でした!そしてあのエンディングタイトル、変わっていて良かったですよね。やっぱりたまには映画館に行かなくちゃと思った次第です。

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