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2008年10月

2008/10/31

ABTシティセンター公演のレビューとスライドショー

ABTの秋のシティセンター公演は11月1日で終わってしまいますが、かなりの成功を収めたようです。

今年はアンソニー・チューダー生誕100周年で、「リラの園」「火の柱」「葉は色あせて」「ロミオとジュリエット」などの代表的な作品を取り上げると共に、チューダーの「暗い悲歌」にオマージュをささげたイリ・キリアンの「Overgrowth Path」 が取り上げられました。さらに、トワイラ・サープの「Baker's Dozen」「Brief Fling」、ポール・テイラーの反戦作「Company B」そして新作“Citizen,”(Lauri Stallings振付)が上演され、またバランシンの「テーマとヴァリエーション」「Ballo Della Regina」、そしてダニール・シムキンが加入したために追加された「パリの炎」もシーズンを飾りました。

http://www.nytimes.com/2008/10/30/arts/dance/30flin.html?_r=1&em&oref=slogin

ABTの古典中心のMETシーズンではいつも文句ばっかり言っている印象のニューヨークタイムズの批評家アレイスター・マコーリー氏も、シティセンターシーズンのABTについては、大絶賛モード。特に、バランシン作品を踊っている時のデヴィッド・ホールバーグを、古典バレエのために生まれた驚くべき肉体、その脚と足、その伸びやかさを称えています。しかも、このシーズン、デヴィッドは6演目に出演し、「火の柱」では踊りといえるものはなく、演技のみのヒロインの恋人役を演じているのだけど、どれもまったく違ったキャラクターを見せているとのこと。
来年の小林紀子バレエシアターでの「眠れる森の美女」が楽しみです!

サラ・レーンやコリー・スターンズといった若手の成長、そしてチューダー作品で魅力を見せたジリアン・マーフィ(残念ながらシーズン途中で怪我で欠場)やミシェル・ワイルズ。春のMETシーズンにしか出ないスターダンサーたちが、シティセンターに出ないのは観客にとっての損失ではなく、彼らスターダンサーにとっての損失なのではないかと、マコーリー氏は書いています。

もちろん、このシーズンで彼の目も捉えたのがダニール・シムキン。「パリの炎」はもちろんのこと、「Company B」の中のソロ“Tico-Tico,” でも、思わず息を呑んでしまうような角度で跳躍し、着地したとのこと。空中で跳躍しているのと同じくらいの軽やかさで着地するというのも、最高だとしています。
ただ、やっぱり11歳!くらいにしかみえない(マコーリー氏曰く)童顔が今後彼にどう課題を投げかけるか、ということでしょうね。

Ballet Talkのフォーラムでは、早くもシムキンを"ABTのサラファーノフ”になってしまうんではないかと危惧する声が聞こえていました。バジルやロミオは踊れても、アルブレヒトは踊れなくて、いつまでたっても「レ・ブルジョワ」や「パリの炎」を踊り続けなくてはならないと。彼には「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のような作品の方がふさわしいのではないかという意見もあります。
彼のパートナーのサラ・レーンは小柄で愛らしいものの、テクニックのあるほうではないので、「パリの炎」ではポアントから落ちるなどのミスが目立ったようです。「パリの炎」こそナタリア・オシポワのようなダンサーでないと、とか"牝牛のように強靭な女性ダンサーのために作られた作品"とか、ちょっと笑ってしまうような意見も見られました。
加治屋百合子さんは「テーマとヴァリエーション」「Ballo Della Regina」を踊ったのですが、代役として急遽出演することもあり、どうもうまくいかなかったようですね。

いずれにしても、チューダー作品なんて暗くて地味なものばかりだし、と思って今回のシティセンターシーズンは観に行かなかったのですが、こうやってレビューを読むと、行けばよかったなと思います(お金も休みも無いからムリなんですが)。

スライドショー
http://www.nytimes.com/slideshow/2008/10/29/arts/20081030_ABT_SLIDESHOW_index.html

2008/10/30

朝日新聞のボリショイ・バレエ特集

asahi.comにこんな記事が出ていました。

ボリショイ・バレエ来日公演 12月3日~11日に東京文化会館で
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY200810300320.html

朝日新聞社が主催している公演ということで、本紙(10月30日夕刊)には、半ページで大きく紹介されています。大き目の写真で「明るい小川」「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」が掲載されています。それから、主な出演者として、ザハロワ、アレクサンドロワ、オシポワ、フィーリン、ウヴァーロフ、ワシーリエフの写真も。ワシーリエフの写真が可愛いです。

インタビューとしては、まず芸術監督のラトマンスキーによる「明るい小川」評。
「素晴らしいスコアで、70年間も上演されなかったなんて不公平だと思った。台本の構成も実に見事で、踊りや演技を展開する上で、実に豊かな可能性を秘めていた」「おじいさん、おばあさんにはあの時代をなつかしむ人もいる。どの時代にも明暗ふたつの面があり、芸術的視点からあえて明るい面に光を当てたのです」。

アレクサンドロワも、「明るい小川」について。
「ソ連時代の集団農場は物語が展開する上での舞台設定にすぎず、主題はあくまで人間たちの関係の面白さ」
「男装して踊るに際しては、同僚の男性たちのしぐさも観察しました。リラックスして、心の底から笑える演技をするのは楽しいわ」

ウヴァーロフは、グリゴローヴィチ版の「白鳥の湖」の王子のキャラクターについて語っています。
「白鳥のオデットは男が青春時代に抱く清らかな女性、黒鳥のオディールは狡猾(こうかつ)さや誘惑と闘い自立していく時に味わう失望を象徴している。オデットがロットバルトに命を奪われ終幕を迎えるが、これは王子がすべてを理解した成人として現実の世界に戻ったということなのです」 一番の特徴は、女性への思いを通して王子の成長過程を描き出したことだそうです。

気がつけば、あと1ヶ月くらいで公演なんですね。無事皆さんが出られますように!

ジャパン・アーツのボリショイ・バレエブログも色々と更新されていて、エカテリーナ・クリサノワの動画とインタビュー、そして公演ポスターが紹介されていました。11月12日から1週間、山手線中心に駅貼りされるそうです。

新国立劇場「シンデレラ」ゲストダンサー変更、「コッペリア」ゲストダンサー決定、出演日変更

お友達に教えていただいたのですが、新国立劇場の「シンデレラ」、怪我で降板するアリーナ・コジョカルの代役がようやく決まったそうです。元マリインスキー・バレエ、現在オランダ国立バレエプリンシパルのラリッサ・レジュニナと懐かしい名前です。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000538.html

また、「コッペリア」ゲストがタマラ・ロホホセ・カレーニョと発表されました。

問題は、ゲスト日が変更になり、初日が本島美和さんになったことです。プルミエ会員の私からすると冗談じゃない、です。なんでシーズン席を買って本島さんのスワルニダを観なくちゃならないのか、ふざけるな、です。前回のコッペリアでの散々な舞台の後の、この優遇ぶりは謎です。

以下、新国立劇場サイトより。

「シンデレラ」ゲストダンサー変更、
「コッペリア」ゲストダンサー決定、出演日変更のお知らせ

■「シンデレラ」について
「シンデレラ」12月20、22、23日に出演予定のアリーナ・コジョカルが怪我のため出演できなくなりました。
代わってラリーサ・レジニナ(オランダ国立バレエ団プリンシパル)が出演いたします。

■「コッペリア」について
未定でした「コッペリア」ゲストダンサーにタマラ・ロホとホセ・カレーニョが決定しましたのでお知らせします。

なお、タマラ・ロホについては所属バレエ団の都合により6月28、29日の出演となります。当初出演が予定されていた6月26日(公演初日)には本島美和が出演いたします。

なお両公演ともチケットの払い戻しはございませんのでご了承ください。
アトレ会員の皆さまには、後日改めてご連絡させていただきます

*************

追記:払戻の件について、まずボックスオフィスに電話してみました。ゲストを見るのを前提で販売されていたセット券を買ったのに、何でゲスト出演日に振替できないのか、というのとアトレ会員には改めて連絡するというのはどういう意味か、と。

払戻や振替はいかなる場合もしない、アトレ会員には郵便物で今回の変更を知らせるということでした。ご納得いただけない場合には営業部に電話して下さい、ということなので、営業部にも電話しましたが、やはり同じ説明だったのです。上層部に、意見があったことは伝えるとのことでしたので、去年のコッペリアで酷い踊りを見せた本島さんをゲストの代役にするとはひどい対応だと伝えておきました。このような意見が集まれば、少しは考えてくれるといいんですが。

何で本島さんがコッペリアで3回も主演で、寺島ひろみさんが一回のみなのか、理解不能です。何故実力で劣る本島さんが、ファーストソリストの寺島さんや川村さんを差し置き、アラジンの初日やニューイヤーガラに起用されるのか、納得いく説明をしてほしいです。テレビCMで有名になったからって、バレエの実力とはまた別の話ですよね。国立のバレエ団なのですから、もう少しフェアなキャスティングをお願いしたいです。

K-Ballet Company 『ピーターラビットと仲間たち』&『放蕩息子』

K-Ballet Company 2009年2月公演の詳細がオフィシャルサイトで発表されました。

『ピーターラビットと仲間たち』&『放蕩息子』ってことで、発表されていた「ピーターラビットと仲間たち」に、バランシンの「放蕩息子」の再演が加わったのですね。しかも、「放蕩息子」で熊川哲也さんが復帰するようです。それから橋本直樹さんも復帰ですね。

http://www.k-ballet.co.jp/topics/performance.html#20081029

公演日時: 2009年2月25日(水)18:30、26日(木)18:30、27日(金)18:30、28日(土)14:00、28日(土)18:30、3月1日(日)14:00

会 場: Bunkamura オーチャードホール

プログラム:
『ピーターラビットと仲間たち』 出演: Kバレエカンパニー
『放蕩息子』 出演: 熊川哲也、橋本直樹(2/28 昼公演のみ)

一般問合せ先: チケットスペース  http://www.ints.co.jp/
一般発売開始: 2008年11月22日(土)

「ピーターラビット~」、日本のバレエ団ではとっても珍しい着ぐるみバレエだし、すごく観たいんですけど、どう考えてもお金がないんですよね。来年2月といえばハンブルク・バレエの来日があって、名古屋とか福岡とかも行こうと思っていたりして。発売日、ボーナス前だし。こうやって、なかなかK-Balletの公演にあまり縁がないという残念なことになってしまいます。うーん、お金がないってつらいです。

K-Balletのオフィシャルサイトのピーターラビットの着ぐるみの写真、めちゃめちゃ可愛いです。そそられるんですけどね。ロイヤルの映像もまもなく発売されますが、こちらも映像化して欲しいなって思います。

マリインスキー劇場の11月予定と、1月ワシントン公演キャスト

マリインスキー・バレエの来年1月のワシントン、ケネディセンター公演のキャストが発表されたというので、ついでにマリインスキー劇場の11月のプレイビルも見てみました。ちょっと気になったキャストを中心に、お知らせします。
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill

10月30日(木)「白鳥の湖」
Odette-Odile - Yekaterina Kondaurova
Prince Siegfried - Danila Korsuntsev
von Rothbart - Ilya Kuznetsov

10月31日(金)「ロミオとジュリエット」
Juliet - Irma Nioradze
Romeo - Ilya Kuznetsov

11月7日(金)「愛の伝説」The Legend of Love
Shyrin – Irina Golub
Ferkhad – Igor Kolb
Mekhmeneh Bahnu – Diana Vishneva

11月9日マチネ「くるみ割り人形」
Masha – Nadezhda Gonchar
The Nutcracker Prince – Vladimir Shklyarov
The Queen of the Snowflakes – Tatiana Serova

11月9日ソワレ「くるみ割り人形」
Masha – Yekaterina Osmolkina
The Nutcracker Prince – Anton Korsakov
The Queen of the Snowflakes – Tatiana Tkachenko

11月12日(水)
イーゴリ・ゼレンスキーの夕べ Gala Soiree - Igor Zelensky

「アポロ」Apollo
Music by Igor Stravinsky
Choreography by George Balanchine
Performed by: Igor Zelensky, Viktoria Tereshkina, and artistes of the Mariinsky Ballet Company

「Whispers in the Dark」
Music by Philip Glass
Choreography by Edwaard Liang
Performed by: artistes of the Novosibirsk State Academic Theatre of Opera and Ballet ノボシビルスク・バレエ

「シェヘラザード」Schéhérazade
Music by Nikolai Rimsky-Korsakov
Choreography by Michel Fokine
Performed by: Igor Zelensky, Polina Semionova (Staatsoper, Berlin) and artists of the Mariinsky Ballet Company

11月15日(土)「ロミオとジュリエット」
Juliet – Olesia Novikova
Tybalt – Andrei Yakovlev
Romeo – Leonid Sarafanov
Mercutio – Alexander Sergeyev

11月16日(日)「アポロ」「放蕩息子」「シンフォニー・イン・C」
Apollo
Apollo – Alexander Sergeyev
Terpsichore – Maria Shirinkina
Polyhimnia – Anastasia Nikitina
Calliope – Xenia Dubrovina

Prodigal Son
The Prodigal Son – Leonid Sarafanov
The Siren – Tatiana Serova

Symphony in C
Viktoria Tereshkina, Andrian Fadeyev
Anastasia Kondaurova, Daniil Korsuntsev
Yekaterina Osmolkina, Vladimir Shklyarov
Yevgenia Obraztsova, Anton Korsakov

11月19日(水)「セレナーデ」「ラ・ヴァルス」「シンフォニー・イン・C」

Serenade
Viktoria Tereshkina, Danila Korsuntsev

La Valse
Yekaterina Kondaurova, Ivan Kozlov, Soslan Kulaev

Symphony in C
Viktoria Tereshkina, Igor Kolb
Anastasia Kolegova, Danila Korsuntsev
Elena Yevseyeva, Filipp Stepin
Nadezhda Gonchar, Alexei Timofeyev

11月23日(日)マチネ「バフチサライの泉」
Maria – Anastasia Kolegova
Vaslav – Sergei Popov
Zarema – Tatiana Tkachenko
Ghirei – Nikolai Naumov

11月26日(水)「ショピニアーナ」「火の鳥」「シェヘラザード」
Chopiniana
Maria Shirinkina, Anna Lavrinenko

The Firebird
The Firebird – Irma Nioradze
Ivan-Tsarevich – Sergei Popov

Schéhérazade
Zobeide – Yulia Makhalina
The Golden Slave – Ivan Kozlov

11月28日(金)「白鳥の湖」Swan Lake
Odette-Odile – Diana Vishneva
Prince Siegfried – Igor Kolb
Rothbart – Konstantin Zverev

11月30日(日)マチネ 「ジュエルズ」Jewels
Emeralds
Maria Shirinkina, Alexander Sergeyev
Anastasia Kolegova, Denis Firsov

Rubies
Diana Vishneva, Yekaterina Kondaurova, Leonid Sarafanov

Diamonds
Viktoria Tereshkina, Yevgeny Ivanchenko

まず、10月30日は、エカテリーナ・コンダウローワが待望のオデット・オディールデビューです。長身の彼女の白鳥はさぞ美しいことでしょう。しかもパートナーは、ダニーラ・コルスンツェフ、ロットバルトはイリヤ・クズネツォフ。魅力的なキャストですね。

11月12日は、ゼレンスキーのガラ公演です。「シェヘラザード」に客演するのは、ポリーナ・セミオノワ。

16日は、12日にゼレンスキーが踊った「アポロ」役を、期待の若手アレクサンダー・セルゲイエフが踊ります。「放蕩息子」はサラファーノフ。

26日の「シェヘラザード」は、マリインスキー劇場では最近あまり踊っていなかったユリア・マハリナで、しかも黄金の奴隷役に、ロパートキナ専属のはずのイワン・コズロフ。

米国ツアー中に空き巣に入られてしまって大変だったヴィシニョーワは、11月7日の「愛の伝説」、28日の「白鳥の湖」、30日の「ルビー」に出演します。

*******


ワシントン・ケネディセンター公演「ドン・キホーテ」
http://www.kennedy-center.org/calendar/index.cfm?fuseaction=showEvent&event=BJBSD
2009年1月13日~18日

Tue., Jan. 13 & Sat., Jan. 17 at 7:30 p.m.
Kitri: Diana Vishneva
Bazil: Evgeny Ivanchenko

Wed., Jan. 14 at 7:30 p.m.
Kitri: Olesya Novikova
Bazil: Leonid Sarafanov

Thu., Jan. 15 at 7:30 p.m.
Kitri: Viktoria Tereshkina
Bazil: Andrian Fadeyev

Fri., Jan. 16 at 7:30 p.m.
Kitri: Alina Somova
Bazil: Anton Korsakov

Sat., Jan. 17 at 1:30 p.m.
Kitri: Evgenya Obraztsova
Bazil: Vladimir Shklyarov

Sun., Jan. 18 at 1:30 p.m.
Kitri: Viktoria Tereshkina
Bazil: Leonid Sarafanov

ところで、ヴィシニョーワって、1月8日、10日は東京バレエ団のマラーホフ版「眠れる森の美女」なんですよね。東京から直接ワシントン入りするんですね。なんともハードなスケジュールです。(東京バレエ団への出演のスケジュールを間違えて書いてしまったので、コメントの指摘で修正しました。ありがとうございました)

**********

ついでに、12月17日から20日までのロサンゼルス公演「くるみ割り人形」のキャストも。こちらは、マリインスキー劇場の奇抜なシェミャーキン版ではなく、伝統的なワイノーネン版での上演になるんですね。

Los Angeles, Music Center/Nutcracker

http://www.ardani.com/mariinskybtouring.htm

December 17, 2008 7:30PM Vishneva-Fadeev
December 18, 2008 2pm  Golub-Korsakov
December 18, 2008 7:30PM Novikova-Sarafanov
December 19, 2008 7

2008/10/28

ABTのMETシーズンキャスト予定発表

ABTのMETシーズンのキャストがいつの間にかアップされていました。
http://www.abt.org/performances/Calendar_Top3.asp

全部書くと大変なので、注目のものを挙げると、

ニーナ・アナニアシヴィリ
5月30日(土)ソワレ「海賊」共演:マルセロ・ゴメス、ステラ・アブレラ、ゲンナディ・サヴェリエフ、ホセ・カレーニョ
6月12日(金)「ジゼル」共演:ホセ・カレーニョ、ジリアン・マーフィ
6月16日(火)「ラ・シルフィード」共演:マキシム・ベロツェルコフスキー
6月18日(木)「ラ・シルフィード」共演:マキシム・ベロツェルコフスキー
6月27日(土)ソワレ「白鳥の湖」共演:アンヘル・コレーラ

ロベルト・ボッレ
6月11日(木)「ジゼル」共演:パロマ・ヘレーラ
6月26日(金)「白鳥の湖」共演:ヴェロニカ・パールト
7月1日(水)ソワレ「シルヴィア」共演:ミシェル・ワイルズ
7月7日(火)/11日(土)ソワレ「ロミオとジュリエット」共演:ジュリー・ケント

ナタリア・オシポワ
6月13日(土)「ジゼル」共演:イーサン・スティーフェル、ヴェロニカ・パールト
6月17日(水)ソワレ「ラ・シルフィード」共演:デヴィッド・ホールバーグ
6月20日(土)ソワレ「ラ・シルフィード」共演:デヴィッド・ホールバーグ

ダニール・シムキン
5月27日(水)ソワレ、30日(金)「海賊」ビルバント(?)

注目の演目&キャスト
放蕩息子
6月1日(月)、3日(水)ソワレ、6日(土)(マチネ):イーサン・スティーフェル、ミシェル・ワイルズ
6月2日(火)、4日(木)、6日(土)(ソワレ):アンヘル・コレーラ(パートナー未定)
6月3日(水)(マチネ)、5日(金):エルマン・コルネホ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ

白鳥の湖
6月24日(水)ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス

シルヴィア
7月1日(水)マチネ、3日(金) ディアナ・ヴィシニョーワ、イーサン・スティーフェル


ロミオとジュリエット
7月7日(月)ディアナ・ヴィシニョーワ(パートナー未定)
7月8日(水)(ソワレ)パロマ・ヘレーラ、マルセロ・ゴメス
7月9日(木)イリーナ・ドヴォロヴェンコ、コリー・スターンズ(!)
7月10日(金)シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ
7月7日(火)/11日(土)ソワレ「ロミオとジュリエット」ロベルト・ボッレ、ジュリー・ケント

一番びっくりしたのは、ロミオのコリー・スターンズ抜擢です。彼は、また「海賊」でコンラッド、それから「テーマとヴァリエーション」も予定されているので、昇進は既定路線という感じがします。

それからロベルト・ボッレ、上記4演目のうちのいくつかに出るかとは思っていましたが全部とは!でも日程が散っているので、観に行くのは大変です。

今シーズンでABTを引退するニーナ、こんなに踊りまくってくれるとは嬉しいですね。


というわけで、悩ましいことこの上ないキャスティングです。まだ未定の部分もありますし、
怪我などでのキャスト変更もありえることなのですが、悶々はあと8ヶ月くらい続いてしまいます…。

ボリショイ・バレエ 岩田守弘さん情報/メルクリエフのバジル・デビュー

ボリショイ・バレエのジャパンアーツのブログでは、公演も近づいてきて、情報が色々とアップされています。

まずは、「明るい小川」に出演する、現モスクワ音楽劇場芸術監督のセルゲイ・フィーリンのインタビュー動画。
http://bolshoi-ballet.seesaa.net/article/108544582.html

一時は降板の噂もありましたが、「皆さんの温かい気持ちを感じたくて、私たちはいつも喜んで日本に戻ってくるのです。日本には世界有数のすばらしい舞台があります。そこで私たちのバレエを最高の形でお見せしたいのです。それではお会いできる日を楽しみにしています。」とコメントしてくださっているので、きっと元気な姿を見せてくれるでしょう。ここに載っている、「明るい小川」のフィーリンの写真も最高にお茶目で素敵です。

それから、岩田守弘さんが出演する日程が決まりました。
12月5日18:30開演 「白鳥の湖」 *道化役
12月7日12:00開演 「白鳥の湖」 *道化役
12月7日18:00開演 「白鳥の湖」 *道化役
12月10日19:00開演 「明るい小川」 *アコーディオン奏者
(10月27日現在の情報)
「白鳥の湖」ではマチソワで出演するんですね!

岩田さんといえば、岩田さんのブログで、彼についての本が出たことがアナウンスされています。
本のタイトルは、
「ボリショイ・バレエ:その伝統と日本人ソリスト岩田守弘」
第1部は岩田守弘さんのバレエ人生、第2部はボリショイ劇場の伝統がテーマだそうです。私も早速注文しました。

ボリショイ・バレエ―その伝統と日本人ソリスト岩田守弘 (ユーラシア・ブックレット No. 129)ボリショイ・バレエ―その伝統と日本人ソリスト岩田守弘 (ユーラシア・ブックレット No. 129)
北川 裕子

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*****
ボリショイ劇場の予定を見ていて気がついたのですが、11月6日の「ドン・キホーテ」で、アンドレイ・メルクリエフがバジルデビューをするそうです。キトリ役のニーナ・カプツォーワもキトリ・デビュー。エスパーダを踊るのは、アルチョム・シュプレフスキーです。
http://www.bolshoi.ru/en/season/ballet/repertoire/detail.php?&id26=8&act26=info&dynact26=afisha&dynid26=1653#dyn

なお、本日(10月27日)はワシーリエフ&マキシモワ・ガラ(Gala Performance in Honor of Yekaterina Maximova and Vladimir Vasiliev)が行われています。二人の舞踊生活50周年の記念だそうです。

ミリアム・ウルド・ブラーム、エマニュエル・ティボー、アレッシオ・カルボネ(パリ・オペラ座) 、ウリヤーナ・ロパートキナ(マリインスキー劇場)、ジュゼッペ・ピコーネ(ローマ歌劇場)ほかが客演するほか、岩田守弘さんが「せむしの仔馬」で出演し、ステパネンコ、ザハロワ、ツィスカリーゼ、イワン・ワシーリエフ、ウヴァーロフ、オシポワなどが出る豪華なガラですね。前日26日の「アニュータ」には、ウラジーミル・ワシーリエフ自身が出演したようです。

ロシア・バレエニュースBlog様に、このガラについて少し紹介がありました。
http://air.ap.teacup.com/ballet-russia/83.html
「アニュータ」のヒロイン役をエカテリーナ・マクシーモワの教え子、マリアンナ・ルィシキナが初めて踊ったとのことです。

10/29追記 このガラについてのニュース映像を見ることができます。リハーサル中のワシリエフの姿も。
http://en.rian.ru/video/20081027/117974331.html

2008/10/27

DDD 2008年12月号

最近バレエネタが少なくてあまり買っていなかったDDDなのだけど、今回の号では、ファッションページで6ページも使ってミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ)のミハイル・シヴァコフのフォトセッションが掲載されていました。

モノクロのスタイリッシュな写真。横顔にベネチアン・マスクが妖しくて素敵です(素顔も見たいけど)。彼のインタビューも別に1ページプラス写真1ページ掲載。98年ワガノワ卒ってことは、アントン・コルサコフと同じ学年かしら。今はロシアも豊かになってきたようですが、かつては、食糧危機などもあって、小さなお肉の塊を家族四人で分けて食べるという日々が続いたそうです。バレエ学校での食料の配給を家に持って帰って家族で食べたとのこと。バレエ団の日本公演の出演料が、実家の修繕費になったり、現在は建築家の卵となっている弟の学費になったそうです。明るい素顔の下にも、人知れぬ苦労があり、親孝行というか家族想いの彼なんですね。彼はすでに25回も日本に来ているそうです。川が多い大阪はペテルブルグに似ていると思うそうです。来月号も、ミハイロフスキー劇場のダンサーがファッションページ&インタビューに登場するとのことですから楽しみですね。

あとは小林十市さんのインタビュー。すっかり役者として舞台出演が続いていますが、ダンサーではなくなっても、舞台に立ち続けたいという思いがあるのですね。毎回プロデュース公演で、演出家も共演者もスタッフも違うところにポーンと入っていくのは未だに怖いそうです。

シアターアイスショーの「眠れる森の美女」の主演3人のインタビュー記事もあります。もちろん、イリヤ・クリムキンも登場。あとは、ナチョ・ドゥアトのインタビューがあって、来日公演で上演される「ロミオとジュリエット」を中心に、イリ・キリアンから学んだこと、バレエ団の運営について語っています。いつもアブストラクトな作品を作っている自分への挑戦であり、プロコフィエフの音楽に魅了されて創ったそうです。精気に満ちて、南ヨーロッパ、地中海の熱気がみなぎっているとのことなので楽しみですね。
ナチョは気分転換には乗馬をしており、美男でジャンプの得意な白い馬を持っているそうです。白い馬にまたがったナチョはさぞ美しいでしょうね。

貞松浜田バレエ団の瀬島五月さんとアンドリュー・エルフィンストンのバレエレッスンは最終回。瀬島さんはおめでたなのだそうです。付録のDVDに収録されていますが、最後には「ドン・キホーテ」の音楽に乗せてフェッテ・アン・トゥールナンのレッスンも。先日教室のお稽古でちょっと挑戦してみたのですが、さすがにこれは難しいですよね~。

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「ワイルド・バレット」 Running Scared お勧め!

ウェイン・クラマー監督/脚本、アメリカ/ドイツ、2006年、122分
ジョーイ:ポール・ウォーカー
オレグ・ユゴルスキー::キャメロン・ブライト
テレサ:ヴェラ・ファミーガ
刑事リデル:チャズ・パルミンテリ
アンゾ・ユゴルスキー:カレル・ローデン
http://www.wild-bullet.jp/
http://www.imdb.com/title/tt0404390/

たまたま招待券を持っていたところ、友人の熱烈プッシュもあって観に行くことに。(それに、ポール・ウォーカー好きだし)わずか2週間の上演期間で、劇場も新宿オスカーと銀座シネパトスのみ。あまり知られていないみたいだけど、これは映画館で観るべき快作!

タランティーノが「俺が待ち望んでいたのはコレだ」と絶賛していたとのことだけど、確かにタランティーノの影響は随所に感じられる。血を流し瀕死の状態で車をめちゃめちゃに飛ばすポール・ウォーカーと暗い瞳の少年。しかもこの少年は彼の息子じゃない。話はその18時間前に飛び、マフィアが麻薬の売上金を数えているところへ目出し帽をかぶった武装強盗団が乱入、超ヴァイオレントな銃撃戦という最初の展開。

また、この暗い瞳のロシア人少年オレグの極悪な継父が、ジョン・ウェインの熱狂的なファンで、昼間から彼の映画ばかり観ている。背中にジョン・ウェインの刺青まで彫っていて、彼のことを貶されると子供だろうが容赦しない。しかしながら、最後にはジョン・ウェインらしい漢気を見せるところなんていうのも、それっぽい(エンドクレジットを見ていたら、ちゃんとジョン・ウェイン財団の許可を取っていた)。彩度を極端に落としたザラザラした映像のルックも、初期のタランティーノ作品を髣髴させたりして。

悪人にも良いところがあったり、善人にもダークサイドがあったりとキャラクターに陰影があるのが良い。ポール・ウォーカーは今までは普通のイケメン的な役柄が多かったと思うけど、ここではイタリアン・マフィアの親分が殺しに使った銃を始末するのが仕事というチンピラのジョーイ。その銃を誤って隣人ユゴルスキーの息子で、ジョーイの息子ニッキーの親友でもあるオレグが手にしてしまって、虐待を繰り返す継父に向かってぶっ放しちゃう。その銃に足がついたら自分の命はない、とジョーイはまだ10歳のニッキーを連れまわして危険な場所をウロウロして銃の行方を探し回る。

この映画に登場する人物たちのクセのあること!まず、ロシア人少年オレグは、決して笑わない。大きな青く暗い瞳は、人の心の奥底まで見ているかのよう。彼を演じるキャメロン・ブライト、どこかで見たことがあると思ったら「サンキュー・スモーキング」でアーロン・エッカートの息子を演じていた。それどころか「記憶の棘」「バタフライ・エフェクト」「ウルトラ・ヴァイオレット」と活躍している天才子役とのこと。オレグとジョーイの擬似親子関係が物語のひとつの核。オレグを誘拐する変態幼児性愛サイコ夫婦の存在がものすごく怖い。張り付いたような笑顔の、一見上品な二人、怖いくらい整えられた部屋に住んでいる理想の家庭の中に潜むおぞましい狂気…。他にも娼婦やボン引き、悪徳警官、ロシアン・マフィアと子供に体験させるにはあまりにも強烈な人々とオレグは出会ってしまい、ジョーイと怪しげなニュージャージーの夜を彷徨う。オレグがこの映画の主人公と言ってもいいかもしれない。

悪徳汚職刑事にチャズ・パルミンテリ。彼が登場するとあるシーンで使われる、マスターカードのCMのパロディが秀逸。「ボストン・バッグ、XXドル、ノキアの携帯電話、100ドル、そしてXXX、プライスレス!」と。ジョン・ウェインの使い方といい、脚本も実にしゃれていて巧みだ。ちゃんとジョーイの妻テレサの活躍ポイントもある。

ポール・ウォーカー演じる下っ端チンピラのジョーイが、にっちもさっちも行かない、悪い方向へ悪い方向へと巻き込まれながらも、必死にオレグを守り、彼を母親の元に返そうと苦闘する姿。その中で見せる熱い男気、父親らしさに、彼ってこんなにいい役者だったっけと認識を新たにする。

まじ、真剣にポール・ウォーカーはカッコいい!

後半の息もつかせぬ怒涛の展開と、どんでん返しの数々!ニッキーとオレグがアイスホッケーファンであることを巧みに使った、驚愕のヴァイオレンス満載のクライマックス。ジョニー・トーの映画の世界など、香港映画にも通じるものがある。こんな作品があるから、B級映画はたまらないし、一度映画館に行き出したら、映画館通いがやめられないのだ。

エンドクレジットの最後のほうに 「ペキンパーとデパルマとウォルター・ヒルに捧ぐ」 ってあるけどまさにそんな感じ。

そうゆう映画が好きな人は、絶対に観なさい!

追記;書き忘れちゃったのだけど、この映画のエンディングタイトルがグラフィックノベル風というか、シュールな手描きの絵本イラスト風で(ちょっと「非現実の王国で」風味)、この映画の中に出てくる、オレグを襲う数々の悪夢を絵本風にイラスト化していて、アクション映画のエンディングにしては珍しいアート風味。オレグの地獄めぐりの物語だったんだな、と印象付けている。

2008/10/26

ダンスマガジン2008年12月号

巻頭速報は東京バレエ団の「ジゼル」。誰とはあえて言いませんが、ジゼル役の人の写真がおばけみたいであまりにも怖くて、夢に出てきそうです。あと、思ったのが、バレリーナにとって歯並びは命だな、と。日本のバレエダンサーでは歯並びの悪い方が多いのですが、やはり御伽噺の主人公だったり姫だったり妖精だったりするわけですから、歯くらいはきれいにしようよ、と思ってしまいます。白い衣装なども多いので、ホワイトニングもして欲しいですよね。今回私はマラーホフのアルブレヒトは観られなかったのですが、写真を見るとやっぱり彼のアルブレヒトはすごく美しいですね。
ルグリさんのインタビューは、毎回面白いのですが、今回はハンブルク・バレエでラコットの「ラ・シルフィード」を指導した話が出てきます。彼が全幕バレエを指導をするのは今回初めてなのだそうです。12月のガラでサーシャとシルヴィアが「ラ・シルフィード」を踊るのは、そういうわけなのですね。エリザベット・プラテルも一緒に指導に来たそうです。オフでも本当に忙しいルグリさんですね。1幕の狂乱の場でのアルブレヒトの、ジゼルへの態度が以前より優しくなったのでは、という指摘に対しては、やはり彼もジゼルを愛していたのだと思いたい、と語っています。

パリ・オペラ座の「ロビンスへのオマージュ」の速報が掲載されています。ジェラール・マノニ氏は、NYCBやミルピエの振付についてはすごく辛口ですね。

いつになく気合が入っているのが、「椿姫」の特集。ヒロインを踊ったバレリーナたちへのインタビューがたくさん掲載されています。ルシア・ラカッラ、ジョエル・ブーローニュ、スヴェトラーナ・ザハロワ、そしてタマラ・ロホ、アンナ・ポルカルポヴァ。さらに、パリ・オペラ座の「椿姫」で主演したアニエス・ルテステュ、オーレリー・デュポン、クレールマリ・オスタ、デルフィーヌ・ムッサン、エレオノーラ・アッバニャートにも。また、ここが素晴らしいと思うのですが、すでに引退をしているけれども、マルグリットを演じたことで強い印象を残したアレッサンドラ・フェリ、ヘザー・ユルゲンセン、ジジ・ハイヤットにもインタビューをしています。フェリは引退した今でも、マルグリットを踊りたいと思うことがあるそうです。ノイマイヤーからは、他の役は引退してもマルグリットだけは踊り続けて欲しい、と言われたそうで、世界中でそう思っている人はたくさんいるでしょうね。

アレクサンダー・リアブコと三浦雅士氏の対談も面白かったです。彼がキエフからハンブルクに行った経緯。サーシャは、キエフにいた頃から、自分とニジンスキーが何か自分に近いものがあると感じていたそうで、ノイマイヤーも同じように感じていたそうです。そして、彼がバレエ団で初めて踊った重要な役が、(「真夏~」のパックや「椿姫」のデ・グリューはあったにしても)「ニジンスキー」のタイトルロールだったとのこと。本当に特別な役のようですね。私も、ハンブルクで彼のニジンスキーを観たときの、キャラクターの憑依の仕方と純粋な狂気に驚愕と衝撃を覚えました。サーシャはまだ、「幻想 白鳥の湖のように」のルートヴィヒ2世を全幕で演じたことがないのですね。いつか、彼が演じるのを観てみたいと思います。その前に、来年の来日公演の「椿姫」が楽しみですね。
シュツッガルト・バレエの来日前の特集では、フォーゲルやバランキエビッチより日本での知名度が低いジェイソン・レイリーとマリイン・ラドマーカーのインタビューが載っていました。マリインは、ドゥミ・ソリストだったときに、初めて「椿姫」のアルマン役をスージン・カンと踊った時に、飛び級でプリンシパルに任命されたのだそうです。また去年のニジンスキー・ガラでは「ヴェニスに死す」のタッジオ役を踊り、ノイマイヤーとの縁があるようですね。彼が言うには、マリシア・ハイデ版の「眠れる森の美女」は、世界で一番の「眠り」なのだそうです。私は、マリインが主演する「眠り」を観る予定なので、ますます楽しみになってきました。

マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」の速報ということでレビューが載っているのですが、評者が明らかに内容を取り違えているようです。シリルがドッペルゲンガーではないのですが…。シリルがレディHといい仲になったのを嫉妬して彼を殺してしまう、というのではないです。違う作品を観ていたのでしょうか?写真は、宣伝にも使われていたビル・クーパーの写真で、すごくかっこいいです。

あとは、新国立劇場の小野絢子さんが、「アラジン」のプリンセスの衣装を着けた可憐な姿で登場していたり、首藤康之さんが「踊る男たち」刊行記念で著者の新藤弘子さんと対談してたり。新潟県中越沖地震チャリティガラのレポートが、1ページモノクロですが、新潟公演の批評で、フィリピエワのスタイリッシュな「カルメン」の写真が載っているのがちょっと嬉しかったです。

いずれにしても、「椿姫」特集がとにかく充実していて読み応えがありました。

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2008/10/25

ニーナのABT引退公演は6月27日!ABTのMETシーズン発表

ABTの春のMETシーズンのスケジュールが発表されました。5月18日から7月11日です。

http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=246

そしてニーナ・アナニアシヴィリのABTさよなら公演は6月27日「白鳥の湖」です。相手役はアンヘル・コレーラ。フリオ・ボッカが引退した今、ABTでのニーナのベスト・パートナーはアンヘルですよね。

目玉としては、まずはラトマンスキーによる新作「On the Dnieper」(プロコフィエフ作曲)が6月1日初日で上演されること。プロコフィエフ・プロのひとつとしての上演です。もともと、これはディアギレフの委嘱によりプロコフィエフによって作られた作品とのことで、初演は1932年パリ・オペラ座。プロコフィエフ・プロは、他にバランシンの「放蕩息子」と、クデルカの「デジレ」(音楽はプロコフィエフの「シンデレラ」)が上演されます。

また、バランシン・チャイコフスキー・プロがあり、「Allegro Brillante」が初演されます。初日5月19日はジリアン・マーフィが踊ります。他に踊られるのは「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(マルセロ・ゴメスとパロマ・ヘレーラが初日)、「テーマとヴァリエーション」(初日はデヴィッド・ホールバーグとミシェル・ワイルズ)、「モーツァルティアーナ」(初日はヴェロニカ・パルトとマキシム・ベロツェルコフスキー)。

久しぶりのリバイバルとしては、ポール・テイラーの「エアーズ」と、ブレノンヴィル版「ラ・シルフィード」のダブル・ビル。「ラ・シルフィード」の初日6月15日は、エルマン・コルネホとシオマラ・レイエスが踊ります。

5月26日より「海賊」(初日はパロマ・ヘレーラとデヴィッド・ホールバーグ)、6月8日より「ジゼル」(初日はマルセロ・ゴメスとジュリー・ケント)、6月22日より「白鳥の湖」(初日は、イリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベロツェルコフスキー)。

6月29日からはアシュトンの「シルヴィア」。初日はジリアン・マーフィとマキシム・ベロツェルコフスキー。そして最終演目はマクミランの「ロミオとジュリエット」で、7月6日が初日、主演はディアナ・ヴィシニョーワ。

カレンダーを見たところ、またキャストは入っていませんでした。

このシーズン出演する予定のプリンシパルの名前は、Nina Ananiashvili, Maxim Beloserkovsky, Roberto Bolle, Jose Manuel Carreno, Angel Corella, Herman Cornejo, Irina Dvorovenko, Marcelo Gomes, David Hallberg, Paloma Herrera, Julie Kent, Gillian Murphy, Xiomara Reyes, Ethan Stiefel, Diana Vishneva and Michele Wiles.
そして、ゲストとしてNatalia Osipova。

というわけで、ロベルト・ボッレのゲストプリンシパルは間違いないのですが、まだ演目は出ていません。多分「ロミオとジュリエット」「シルヴィア」は確実なのではないかと思います。あとは、「白鳥の湖」や「ジゼル」に出るかどうかですね。

オシポワは、噂によれば「ラ・シルフィード」と「ジゼル」に出演するようです。

来年のスケジュールを今から検討しなければ!

2008/10/24

英国ロイヤルバレエ「ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)」DVD

La Fille Mal Gardee / The Royal Ballet
振付:フレデリック・アシュトン
編曲:ジョン・ランチベリー
指揮:アンソニー・トウィナー

リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:カルロス・アコスタ
シモーヌ:ウィリアム・タケット
アラン:ジョナサン・ハウエルズ
トーマス:デヴィッド・ドリュー
雄鶏:ジャコモ・キリアッチ
公証人:アリステア・マリオット

アマゾンに在庫がありませんと一度注文をキャンセルされて、最近になってようやく入手した。いやあ、本当に楽しいバレエで、観ていて思わずニコニコしてしまうほど。主役二人のはまり役ぶりといったら、もう。

マリアネラはとても可愛らしく、お転婆で元気いっぱい。先日の来日公演の「眠れる森の美女」で観たときも思ったけど、笑顔がとろけそうにめちゃめちゃキュートな彼女には幸せオーラがあって、すっごく好感度が高い。ふくれっつらから、コミカルに脚をばたつかせる様子、恋する少女まで、くるくると変わる表情。その上、とっても難しいアシュトンのパを、何てことないような感じで軽くこなしてしまう驚異的な身体能力。彼女が踊ると、全然難しそうに見えないのだけど冷静になって考えると、あんなに軽やかに、簡単そうに踊るのは普通のバレリーナでは無理。プレパレーションなしでポーンと高くてきれいなジュッテをしたり、いろんな方向からのリボンを何本も持ってアラベスクでサポートなしのプロムナードをぐらつかずにこなす、なんてすごい。

マリアネラのリーズが、シモーヌに部屋の中に閉じ込められるくだりの演技田とても印象的。ママに閉じ込められて悲しそうにしているところから、麦俵の中に隠れているコーラスを見つけ、最初はあっけにとられておとぼけなところを見せながら、それが最後に眩しく幸せいっぱいの笑顔へと溶けていく様子が愛らしくて、抱きしめたくなってしまうほど。

カルロス・アコスタ、私は生では、ABTのゲストとして出演した「海賊」のアリと、「白鳥の湖」(マッケンジー版)のロットバルトというちょっとダークな感じの役でしか観ていなかった。わかっていたつもりだけど、彼にこんなに愛嬌があって、ちょっとコミカルな村の人気者役が似合うとは!しかも鮮やかな花柄のベストやスカイブルーのジャケットといった衣装が肌の色にすごくよく似合っている。彼も素晴らしいテクニックの持ち主なのに、それが決してこれ見よがしではなくて、どことなくエレガント、上品なので、おっとりのんびり、おおらかなこの作品にとても合っている。アントルラッセの時の後ろ脚の伸び方、アンドゥオールの見事さ。スムーズな着地と軸のぶれない回転。どれもきれい。そしてこの二人のラブラブオーラの出し方が、とっても好もしくって、可愛くてお似合いのカップルとなっている。

アシュトンの「ラ・フィユ・マル・ガルデ」といえば、絶対に欠かせないのが、女装した男性が演じる母親シモーヌと、かぶりモノのニワトリたち。シモーヌ役のタケットさんの芸達者なことといったら、もう。まず、女装姿がとても美人さんで、女の人が演じているんじゃないかと思うほど。でも、可愛さの中にも、もちろんコミカルさがあって、笑いのツボはしっかり押さえている。木靴の踊りでのはじけっぷりと大胆なステップも素敵。最後には娘の幸せを願って抱き合うところも、可愛いな~と。

冒頭の登場シーンから、しっかりと笑わせてくれるニワトリたち、最高!雄鶏のジャコモ・キリアッチ(彼は残念ながら辞めてしまったのよね)と、ニワトリたちの踊りもさすがロイヤル・バレエのお家芸って感じで、片方の足で軸足を掻いて見せたり、ちょこんと伸ばしたり、宴の最中にもウロウロしているしぐさ一つ一つがとっても笑える。本当にほのぼのとしていて、楽しい作品だな~と。

もう一人、とっても大事な役割なのがアラン。シモーヌが自分の娘リーズと結婚させたいと思っている、ちょっと頭の足りないけど愛すべき青年。現代においては、政治的にはあまり正しくないだろうキャラクター扱いを、どう見せるかがとても重要。下手すると、知的障がい者を笑いものにしているように見えてしまうから。でもさすがにこの作品については手馴れているロイヤルだけあって、そういう風には見せないで、アランは確かにちょっと足りない子だけど、みんなに愛されている人物なんだと見せている。演じているジョナサン・ハウエルズも、とても演技が上手くて、マリアネラやアコスタとの演技の合わせ方が絶妙。可愛らしく、ちょっと哀しく、愛すべき人物として描いている。ラストに、大好きな赤い傘を見つけて、嬉しそうに走り去っていく姿にホッとさせられる。ぎこちない様子をわざとらしさを微塵も見せずに、自然に取り入れた踊りのほうも、芸達者。

村人たちの中に、蔵健太さん(シモーヌに木靴を渡す役)や、小林ひかるさんが違和感なく存在してたり、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」に出ていたトーマス・ホワイトヘッドが何気に活躍したり、リーズの友達の中にローレン・カスバートソンやサラ・ラムがいたりと、なかなか見所のある映像。1幕でのリボン使いやメイポールの華やかさと牧歌的な雰囲気も楽しく、お気に入りの一枚となった。

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追記:
ロイヤル・バレエ関連では、「ピーター・ラビットと仲間たち」がアマゾンで予約できるようになりました。
11月18日発売予定です(輸入盤なので、遅れる可能性は高いと思います)
昨年収録された、新しい映像で、ギャリー・エイヴィス、スティーヴン・マッゥレー、リカルド・セルヴェラらが出演しています。

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『〜ルグリ、ペッシュ&世界のスターたちによるノエル〜』フジテレビからの案内

フジテレビから、ルグリらのクリスマスチャリティガラについて、以下の案内メールが送られてきました。
エトワール・ガラのときにまとまった企画ってことなのかしら?


◆『〜ルグリ、ペッシュ&世界のスターたちによるノエル〜』

【日時】12/20(土)・12/21(日)
【会場】グランドプリンスホテル新高輪 大宴会場 飛天 

【出演ダンサー】(予定)
マニュエル・ルグリ
バンジャマン・ペッシュ エレオノラ・アバニャート
アレクサンドル・リアブコ
シルビア・アッツォーニ
パトリック・ド・バナ

【料金】
◆プレミアム・ガラ≪限定発売≫ \50,000
◆ガラ・ディナー \40,000
※料金には、ショー、スペシャルディナー、フリードリンク、サービス料・消費税が含まれております。
※「プレミアム・ガラ≪限定発売≫」公演は、ガラ・ディナー終了後、 出演ダンサーと過ごすアフターパーティーをお楽しみいただけます。

【チケットのお申し込み/お問い合せ】
ホテルチケットセンター(10:00〜18:30)
03-3477-1121
チケット発売は、10月27日(月)だそうです。

http://www.fujitv.co.jp/events/stage/legris/index.html

【演目】(予定)

Le Lac des Cygnes ( Eleonora Abbagnato / Manuel Legris)
『白鳥の湖』、第2幕より(エレオノラ・アバニャート/マニュエル・ルグリ)
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピヨトール・チャイコフスキー

Ahmedo( Patrick de Bana)
『アーメド』(パトリック・ド・バナ)
振付:パトリック・ド・バナ
音楽:クルド民族音楽
歌手/アイヌール・ハシュハシュ

Romo et Juliette ( Silvia Azzoni / Benjamin Pech)
『ロミオとジュリエット』第3幕(シルヴィア・アッツォーニ/バンジャマン・ペッシュ)
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:セルジュ・プロコフィエフ

Bernstein Dances ( Alexandre Riabko)
『バーンスタイン・ダンス』パート1-ワンダフルタウンより(アレクサンドル・リアブコ)
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レオナルド・バーンスタイン

Herman Schmerman ( Eleonora Abbagnato / Patrick de Bana )
『ヘルマン・シュメルマン』(エレオノラ・アバニャート/パトリック・ド・バナ)
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽: トム・ウィレムス

The picture of …(Manuel Legris) *新作−世界初演 この公演のための創作
『ザ・ピクチェー・オブ…』(マニュエル・ルグリ)
振付:パトリック・ド・バナ
音楽:ヘンリー・パーセル“私が地に横たわる時”(歌:ジェシー・ノーマン)

Canzoni ( Eleonora Abbagnato / Benjamin Pech )
『カンツォーニ』(エレオノラアバニャート/バンジャマン・ペッシュ
振付:マウロ・ビゴンゼッティ
音楽:ニック・ケイヴ

La Sylphide (Sylvia Azzoni / Alexandre Riabko)
『ラ・シルフィード』(シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ)
振付:ピエール・ラコット
音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー


******
シェフのクリスマス特別メニューや特選ワインもあるそうです。
演目はエトワール・ガラに近いものの、かなり魅力的ですね。特にパトリック・ド・バナによるルグリのための新作には惹かれます。サーシャ・リアブコの「ラ・シルフィード」にも。
しかし4万円…。

牧阿佐美バレヱ団「リーズの結婚」ゲストにロイヤルのプトロフ

牧阿佐美バレヱ団の、来年3月の「リーズの結婚(ラ・フィユ・マル・ガルデ)」のキャストが発表されました。
ゲストとして英国ロイヤル・バレエのイヴァン・プトロフが出演します。

会場:ゆうぽうとホール

3月7日(土)13時〜
リーズ:青山季可
コーラス:菊地研
シモーヌ:坂爪智来
アラン:篠宮佑一

3月7日(土)17時半〜、8日14時半〜
リーズ:伊藤友季子
コーラス:イヴァン・プトロフ(英国ロイヤルバレエ)
シモーヌ:保坂アントン慶
アラン:上原大也(7)、宮内浩之(8)

ロイヤルのダンサーにアシュトンを踊ってもらうのは楽しみですね。

牧阿佐美バレエ団の「リーズの結婚」は以前、橘るみさんと逸見智彦さん、アラン役にドミニク・ウォルシュ、雄鶏に小嶋直也さん、シモーヌに保坂アントン慶さんというキャストで見ましたが、すごく楽しかったです。

パリ・オペラ座の「天井桟敷の人々」動画

パリ・オペラ座のオフィシャルサイトにて、ジョゼ・マルティネスが振付けた新作「天井桟敷の人々」の映像の一部(2つの場面で、合計5分くらい)を見ることができます。
http://www.operadeparis.fr/Saison-2008-2009/Bonus.asp?Id=723&IdS=546

バチストがマチュー・ガニオ、ガランスにイザベル・シアラヴォラ、ナタリーにミュリエル・ズスペルギー。
シアラヴォラのラインが素晴らしく美しく、大人の色香があって素敵ですね〜。こちらは、1920年代の劇場のちょっと猥雑な雰囲気が出ています。2つ目の映像の、真紅のドレスもゴージャスです。美しい二人のラブシーンに、突然別の女が割って入るという場面です。

France 2 の10月22日放映分のニュースの34分過ぎでも、ジョゼのインタビューと、ちょっとだけ映像が観られます。
http://jt.france2.fr/13h/

もうひとつあります。後で消えてしまうと思うのでお早めにどうぞ!
http://telematin.france2.fr/index-fr.php?page=vod&dateVOD=20081023

番組の最後の方の、時間で言うと02:06あたりから3分ほど。マチューがメイクをしてもらっているところなど。
ガルニエの劇場全体を巧みに使った、とても魅力的な作品のようですね。

追記:ダンソマニさんで、ARTEの動画がもうひとつ紹介されていました。これは、ジョゼのインタビューと、アレッシオ・カルボーネとイザベル・シアラヴォラのリハーサルシーンがたくさん観られます。イレールさんがジョゼの隣に座ってリハーサルを見守っていますね。本当に映画「天井桟敷の人々」の世界を忠実に表現しているようです。

http://www.arte.tv/fr/accueil/Echappees-culturelles/ARTE-culture/Avant-premiere/2227550,CmC=2274598.html

2008/10/23

パリ・オペラ座バレエのドキュメンタリー映画を撮るフレデリック・ワイズマン

以前、「アメリカン・バレエ・シアターの世界」のフレデリック・ワイズマン監督がパリ・オペラ座のドキュメンタリー映画を撮影していると書きましたが、朝日新聞に、そのワイズマンのインタビューが載っていました。

http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200810230227.html

米ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン(78)が、300年を超える歴史を誇る世界最高峰のパリ・オペラ座バレエ団を追った「THE PARIS OPERA BALLET」の制作に取り組んでいる。監督は米社会の実態をえぐる作品群で知られる一方、自ら公言するバレエの「大ファン」。

監督がバレエを扱うのは「アメリカン・バレエ・シアターの世界」に続いて2度目。今回は難交渉の末、監督が「フランス文化の縮図」と考えるパリ・オペラ座バレエ団のあらゆるリハーサル、すべての会合に出入りして自由に撮影する許可を得た。
撮影には11週間をかけ、135時間分をフィルムに収めた。これを1年近くかけて自ら編集する。最終的に、2時間45分の作品となる見通しだ。
 映像全体の約4分の3は「ロメオとジュリエット」「くるみ割り人形」「ベルナルダの家」などの演目のリハや本番などバレエの映像。残りは、管理経営についての映像が中心となりそうだ。「団は、150人のダンサーを抱える企業。オフィスであらゆる決定を下す芸術監督ブリジット・ルフェーブル氏の姿を実にスマートに感じました」
同作品は日本で09年に公開される予定。(パリ=国末憲人)

「アメリカン・バレエ・シアターの世界」も長い作品でしたが、この映画も3時間近くと長編ですね。インタビュー記事の中でも、「ナレーションもバックミュージックもないワイズマン独特の手法」とありますが、「ナレーションを入れると、逆に作品と観衆との間に壁ができる。観客は作品が描く出来事の中に身を置いて、見聞きするものとそれぞれの関係を築きながら考えてほしいのです」 という意
図なのだそうです。

賛否両論を呼んでいる現芸術監督、ブリジット・ルフェーブル女史の仕事ぶりが見られるのも、ちょっと興味があります。映画「アメリカン・バレエ・シアターの世界」でも、電話でガンガン怒りをぶつけている、当時の芸術監督ジェーン・ハーマン女史の姿が最も印象的でしたから!

サシャ・ヴァルツ演出の「ロミオとジュリエット」やエックの「ベルナルダの家」などの本番などが見られるのも楽しみですね。

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岩田守弘さんが、NHK「プロフェッショナルの流儀」に出演

ボリショイ・バレエのソリスト岩田守弘さんが、ご自身のブログで、NHKの「プロフェッショナルの流儀」の取材を受けられていたことを書かれていました。
5週間殆んど毎日取材を受けられていたそうです。

http://ibashika.exblog.jp/9985526/

12月9日放送予定なのだそうです。詳しいことが判り次第、またブログでお知らせしてくださるそうなので、楽しみですね!

ミラノ・スカラ座「チャイコフスキー・ガラ」DVD他、DVD関連情報

ダンソマニのDVD関連のスレッドを見ていたら、以前にもご紹介したミラノ・スカラ座「チャイコフスキー・ガラ」(ロベルト・ボッレ、ポリーナ・セミオノワ、ナディア・サイダコワ他)のDVDについて、そしてDVDのジャケット画像が紹介されていました。

ゆうさんのSide B-alletでも、amazon.co.jpにジャケット画像がアップされたと紹介されていましたね。発売予定は、11月11日です。

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また、同じダンソマニのスレッドで、マリインスキー・バレエで収録されたはずがまだ発売になっていない映像についての話題が出ていました。

サラファーノフ&ノーヴィコワ主演の「ドン・キホーテ」(2006年収録)
ロパートキナが「ダイアモンド」、アユポワが「エメラルド」を踊った「ジュエルズ」(2006年収録)
ゲルギエフ指揮によるニジンスキー版「春の祭典」(2008年6月収録、ARTEで放映済み)
がDVD用に収録されているはずなのです。

本来はラコット振付、ヴィシニョーワ主演の新作「オンディーヌ」も撮影される予定でしたが、ヴィシニョーワの怪我の関係でキャンセルされたそうです。

そのスレッドの中で、オーストリアのプロモーターGerhard Rieder Promotionsのサイトが紹介されていました。
http://www.riederprom.at/englisch/index.html

このGerhard Rieder Promotionsは、過去11年間にわたり、ヨーロッパにおいてマリインスキー・バレエおよびオペラの招聘を行ってきており、またABTのイリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベロツェルコフスキー、ホセ・カレーニョ、ボリショイのスヴェトラーナ・ザハロワとセルゲイ・フィーリン、さらにはゼレンスキー、ルジマトフ、そしてゲルギエフといったマリインスキーのアーティストたちの招聘も行っています。マリインスキー劇場において98年にマッツ・エックの「ジゼル」がミュンヘン・バレエによって上演されたのも、またジョン・ノイマイヤーとマリインスキー・バレエのコラボレーションが実現したのにも貢献したとのことです。2003年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで、サンクトペテルブルグの建都300周年を記念して、ボリス・エイフマンの振付の踊りが上演されたのも、そしてその翌年のニューイヤーコンサートでホセ・カレーニョがエイフマンの作品をリッカルドムーティの指揮で踊ったのも、企画したとのこと。

また、マリインスキー・バレエの「ドン・キホーテ」「ジュエルズ」のDVDの制作にもかかわっていると書いてあるので、少なくともこの2作品については、近日中にDVD化が期待されるのではないかと思われます。他にも、収録、発売の予定があるとも書いてあります。

ニジンスキー版の「春の祭典」については、以前PBSでジョフリー・バレエとミリセント・ホドソンによる復元のドキュメンタリーが放映されていて、それは見ることができたのですが、DVD化はされていないので、DVD化が待たれるところです。

「ジュエルズ」はパリ・オペラ座による映像はありますが、パフォーマンス自体は良いのに、なぜかにじみや残像が多くて映像のクオリティが低いので、美しい映像で残したものを観たいですよね。

*******

映像といえば、残念ながら私は見逃してしまったのですが、10月10日にNHK「芸術劇場」で放映された、黒田育世率いるBATIKの「SHOKU」がかなりの反響があったようですね。
http://www.cyzo.com/2008/10/post_1095.html
その放映を見た友達も、なんだかすごいものを見てしまった、と言っていました。観ていないので、なんともいえないのですが、このように興味本位で取り上げられてしまって、今後NHKでこのような野心的・斬新な作品が放映されなくなってしまったらイヤだな、と思います。再放送を期待しているもので。mixiニュースのコメントなどを読んでいたら、コメントをしている人の大部分の、あまりのリテラシーの低さにめまいがしてきました。

なお、BATIKは、「踊りに行くぜ!」で宮崎(12/7)と長野県茅野市(11/29)での公演があります。
http://odorini.jcdn.org/modules/artist9/index.php?content_id=47

2008/10/22

「ドリアン・グレイ」のオフィシャル動画

マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」ですが、このたび、ダイジェスト映像がYouTubeのNewAdventuresチャンネルにアップされました。

ここはニューアドベンチャーズのオフィシャルのチャンネルなので、マシュー・ボーンの「Spitfire」「Town and Country」などの初期の作品なども動画で見ることができます。

http://jp.youtube.com/user/newadventures2

「ドリアン・グレイ」は9月27日に最初のツアーを終えました。作品そのものについて、批評家からは賛否両論があったものの、観客動員という点では大成功だったようです。エジンバラ国際フェスティバルの62年間の歴史で最も観客の多かったダンス公演という記録を立て、またサドラーズ・ウェルズ劇場でも、最初の週で12000人、2週目で14000人という過去最高の動員記録を作りました。さらに、すべてのチケットが売り切れたために、9月11日の深夜にチャリティ公演を行ったところ、深夜にもかかわらず発売後3時間で8割の席が売れてソールドアウトとなり、27000ポンドの寄付金が集まりました。

観客の中には、現在撮影中の映画「ドリアン・グレイ」の主役を演じるベン・バーンズ(「ナルニア国物語」のカスピアン王子役で一躍スターになった美形俳優ですね。ちなみに、この映画「ドリアン・グレイ」は監督がオリバー・パーカーで、ヘンリー卿はあのコリン・ファースが演じるんですね)、そして映画「オスカー・ワイルド」でオスカー・ワイルド役を演じたスティーブン・フライもいたとのことです。

「ドリアン・グレイ」は世界中から上演のオファーが来ているようで、サドラーズでも再演にむけて交渉中とのこと。

チャコットのDanceCubeの友谷真美さんのエッセイに、「ドリアン・グレイ」を見に行った時のことが書いてあります。「日本のみなさんも楽しみに待っていてくださいね。」って書いてあるので、日本にも来てくれそうですね。

新国立劇場会報ジ・アトレと「ムツェンスク郡のマクベス夫人」

新国立劇場のクラブ・ジ・アトレ会員にはなっているものの、オペラはあまり観ないので、毎月送られてくる会報誌「ジ・アトレ」はあまりきちんと読んでいない。ほとんどの場合、オペラにページが割かれていてバレエの話はあまり載っていないから。あげくのはてにどこかに置いてしまって、チケットの発売日を忘れるという体たらくで…。オペラを聴くのはもちろん嫌いではないのだけど、オペラを実際に観に行く時間とお金がなくて。

ところで、ジ・アトレの最新号の特集はオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」だ。これは今シーズンでも、バレエのどの作品よりも楽しみにしていたのだ。ショスタコーヴィチによるこの作品は、日本人キャストによる初演こそ昨年行われたけれども、新国立劇場で上演されるのは初めて。しかも、DVDでこのオペラを観たら、音楽も強烈だし、とっても面白いのだ。

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000059_3_opera.html

この「ムツェンスク郡のマクベス夫人」は、スターリンによる批判で有名な作品である。1936年1月、スターリンがオペラを観劇に訪れていたが、内容に激怒して途中で退席。その2日後の「プラウダ」紙に「音楽のかわりに荒唐無稽」と題した無署名の批評が掲載されて事態は急変し、作曲者の生命にも危険を及ぼしかねない事件となった(プラウダ批判)。以後20年以上にわたり、事実上の上演禁止となってしまった。(以上Wikipediaより引用)

ジ・アトレの岡部真一郎さんによる解説によると、ショスタコーヴィチは「マクベス夫人」を「ラインの黄金」に譬え、現代の女性をテーマトした四部作を書くという広大な構想を持っていたとのことだけど、結局この構想は幻となってしまった。ショスタコーヴィチは他にオペラを2作品しか書いておらず、そのうちの一作は未完である。

ストーリー自体、かなり強烈な作品なのだ。

1860年代のロシアで、裕福な商人イズマイロフ家に嫁いだ女性カテリーナ。彼女は夫のジノーヴィーとの結婚生活に満たされておらず、舅のボリスに厭味を言われる日々。新しい使用人セルゲイが、女中を手篭めにするところを見て、カテリーナは彼に関心を持ち、ついに彼と関係を持ってしまう。ジノーヴィーの不在中、嫁にやましい気持ちを抱いている好色なボリスに、カテリーナは毒をもって殺してしまう。さらに、ボリスの死を帰宅した夫に問い詰められ、彼女は夫をセルゲイに殺させる。
カテリーナとセルゲイが結婚するが、農民がジノーヴィーの死体を見つけ、警察を呼ぶ。婚礼の宴の最中に、カテリーナとセルゲイが逮捕される。そして二人はシベリアの流刑地へと送られる。セルゲイは、若い女囚のソニェートカに色目を使う。囚人仲間に嘲笑われたカテリーナは、絶望の果てにソニェートカを橋の上から突き落とし、自分も身を投げて溺死する。

ショスタコーヴィチは、美しく賢く自立心のあった女性カテリーナが、封建的な農村で自由を奪われたために犯罪に手を染める姿を描いた。しかもショスタコーヴィチは、犠牲者としてのブルジョワ妻としてカテリーナを同情的に描き、労働者であるセルゲイを悪役としたため、それが共産主義体制への批判と受け止められたと考えられている。

1幕のセルゲイたちが女中を手篭めにするところや、カテリーナとセルゲイが関係を持つところの音楽、特に打楽器の連打が高潮して爆発するという、まさに性行為を思わせる露骨ともいえるものであって、だからこそスターリンが激怒したのではないかという説がある。

私もまだ実演は観たことがなくて、今まで観たのは、DVDで発売されている、ヤンソンス指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ演奏のものだけ。これは2006年の収録で、洗練されていながらも、作品の原始的なインパクトを強めている演出。カテリーナを演じるエヴァ=マリア・ウェストブロックがマリリン・モンローのような金髪に現代風の衣装を着て、ハイヒールを大量に並べたガラスの檻のような部屋に住んでいるというセットが効果的だ。そして、コンセルトヘボウの演奏がものすごい。とにかくドラマティックで猥雑で面白い作品なので、実際に舞台で観られるのがとても楽しみ。

それから、この作品の改訂版「カテリーナ・イズマイロヴァ」の映画版のDVDもある。こちらも、ロストロポーヴィチの音源を用いた名演。

新国立劇場の今回の上演は、ロイヤル・オペラハウスの製作によるリチャード・ジョーンズのプロダクション。イギリス的な諧謔もあるというのでますます楽しみ。ジ・アトレには寝取られ夫のジノーヴィを演じる内山信吾さんのインタビューが載っている。内山さんは音大を出た後実家に帰って10年ほど家業で現場監督をしていたという異色の経歴の持ち主。経営者の息子で、現場で使用人を使うという感覚はよく理解できるとのこと。メーンキャストでは唯一の日本人で、ロシア語オペラに挑むというのは大変そうだけど、それだけに面白そうな気がする。

しかし上演時期が来年のゴールデンウィークなので、私は最終日にしか見にいけないのだ。これがちょっと残念。

2009年5/1(金)~5/10(日) ムツェンスク郡のマクベス夫人 
会員郵送受付は11月5日締め切り
会員販売:2009.1/4(日)~13(火)
一般発売日:2009.1/17(土)

****
なお、ジ・アトレのバレエ関連記事としては、まず、まもなく初演される「アラジン」。先日のデヴィッド・ビントレーの「アラジン」のトークショーの内容について。それから、ダンサーがここに注目して欲しいということで注目ポイントを取り上げています。湯川麻美子さんと中村誠さんのコメントがとても長くて、二人の気合の入り方がよくわかります。
「アラジン」2008年11月15(土)~22(土)

それから、これももう郵送受付(11月5日締め切り)となるガラ「バレエ・ザ・シック」の紹介。3月末のチケットをもう決めなくちゃいけないんですね。(他劇場の公演でも、もう4月末の作品まで先行は始まっていますが)。新国立劇場では初演となるトワイラ・サープの「プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ」が楽しみですね。トワイラが振付指導をするのか、それとも、最近彼女の代わりにサープ作品を指導することが多いキース・ロバーツ(元ABT、「ムーヴィン・アウト」)が指導するのか、どちらなんでしょうね。
「Ballet the Chic ―バランシン/サープ/ドゥアト―」
2009年3/26(木)~29(日)
会員販売:12/14(日)~2009.1/8(木)
一般発売日:2009.1/12(月)

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2008/10/21

ボリショイのナタリア・オシポワ、ABTのゲストアーティストに

寝ようと思っていたら、びっくりのニュースが飛び込んできました。

先日ボリショイ・バレエのリーディング・ソリストに昇進したばかりのナタリア・オシポワが、来年のABTのMETシーズンにゲスト・アーティストとして出演することがプレス・リリースとして発表されたそうです。多分明日あたりABTのサイトにも載ることでしょう。

ABTのレジデント・アーティスティストとなったラトマンスキーが、ロシアからのダンサーを連れてくると言っていて、オシポワが来るのではないかという噂があったのですが、実現したのですね。

彼女が出演するとしたら、やはり「ドン・キホーテ」あたりでしょうか?

追記
ABTのオフィシャルにも、オシポワがゲストアーティストとして2009年シーズンに出演すると出ました。
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=245

今までのレパートリーでABTと重なりそうなのは、「ドン・キホーテ」のキトリ、「ラ・バヤデール」
のガムザッティ、「ジゼル」のジゼルとペザント、「海賊」のメドーラとオダリスクですね。

ABTでの彼女の活躍も楽しみですね!キトリ以外にも、彼女の代表的な役柄が見つかると良いのですが。身長的なバランスで行けば、エルマン・コルネホやダニール・シムキンにぴったり合いそうです。

「犠牲の先に夢がある ~ロシア国立ペルミバレエ学校~」と再放送(11/21 BS1)

さきほどまで、NHKのBS1のドキュメンタリー「犠牲の先に夢がある ~ロシア国立ペルミバレエ学校~」を観ていました。監督によりYouTubeにも一部映像がアップされていたので、大体の内容はわかっていたのですが、改めて見るとかなりへヴィな内容です。ロシアで、どれだけプロのバレリーナになる道が大変なのかがよくわかります。

主人公のオクサナ・スコリクはマリインスキー・バレエに入団し、今年4月のNY公演にも出演していたので、来年のマリインスキーの来日公演に来る可能性も高そうですね。このドキュメンタリーの最後に、卒業を控えた2年後の彼女のインタビューがありましたが、2年間の間にすっかり大人びて美しくなっていました。びっくりするほど脚が長くてきれいなのですよね。ワガノワではなく、ペルミからマリインスキーに入団できるのですから、半端じゃないほど優秀だったということでしょう。

オクサナの日記形式のモノローグでつづられるバレエ学校の日常。寒々とした宿舎や稽古場。周囲の生徒たちになじめずに孤立し、一人だけ、苗字でしか呼んでくれない先生には嫌われていると思い込み、考えることは食べ物と痩せなくちゃいけない、ということばかり。そして遠い故郷にいる母のことを恋しく思う。拒食症になり、本当につらそうな毎日でした。生きていても何の意味もないと思ってしまうほどに。それを乗り越えて、今の彼女がいるわけですよね。大部分の生徒はプロにもなれないというのが、バレエの厳しいところです。オクサナは、本当に脚がまっすぐで長くて美しくて、その素晴らしい脚ゆえ、同級生たちにも嫉妬されているようでしたし、彼女もそのことを自覚したようでした。

それにしても、撮影されていた時の、15歳の時のオクサナの身長が165センチで体重38キロというのはさすがに痩せすぎですよね。それでも自分が太っていると思い込んでいるほど、精神的に追い込まれていたんですね。胸が痛みます。彼女だけでなくて、多くのバレリーナ志望の少女が、まだ幼いのにそういう風に思っているかと思うと。
「バレエはマゾ的傾向のある人に向いていると思います。」とペルミ・バレエのバレリーナ&教師のナタリア・モイセーエワが言っていました。バレリーナは過酷な性格になり、自分に対する要求が厳しいゆえ、他人に対する要求も厳しくなる、と。その言葉の次に、鬼のように厳しい教師ウラーノワ先生が出てくるという編集が絶妙でした。「ただのごくつぶし」「せめて死ぬまでにはその曲がった脚を直してきなさい」なんて言うんですから。

見逃した方には、再放送もあります。

<シリーズ 現代社会と子供たち>
犠牲の先に夢がある ~ロシア国立ペルミバレエ学校~(再)
BS1 11月21日 (金) 午後9:10~10:00

’A Beautiful Tragedy’
http://www.davidkinsella.com/v1/index.php?option=com_content&task=view&id=32
監督のデヴィッド・キンセラのサイトで一部見ることができます。彼のほかのドキュメンタリーも、どれもとても面白そうです。

***********

テレビの情報ということで、つけ足しです。
10月26日(日)
フジテレビ AM7時~7時30分
「ボクらの時代」

首藤康之さんがギタリストの村冶佳織さんと、小説家の平野啓一郎さんと対談するそうです。

FIGARO JAPON パリ・オペラ座バレエ物語

10月20日発売FIGARO JAPON パリ・オペラ座バレエ物語は、エトワール・ガラに出演した3人のダンサー、マチアス・エイマン、マチュー・ガニオ、バンジャマン・ペッシュのインタビューが掲載されています。
バレエ専門誌でのインタビューと違って、3人とも、かなり率直に語っているのがとても面白いです。

1ページだけですが「エトワール・ガラ」のリハーサルの写真が載っています。これがとても良い雰囲気なのです。後姿のシルヴィアに向けるバンジャマンの笑顔が素敵です。マチアスは「侍」と漢字で書いたTシャツを着ています!マチューが片脚を高く上げた美しいポーズは「カノン」でしょうか。サーシャが、ノイマイヤー作品のバレエマスター役を務めたとありますね。

初めて「リーズの結婚(ラ・フィユ・マル・ガルデ)」に主演した時の体験を語るのは、マチアス・エイマン
「君はいるべき場所にいる・そう、君はできるんだよ!自分でこう思えた瞬間に、何かが自分の中でカチッと始動し、それ以降新たな役に取り組む時のストレスが減ったんです」
そんな彼も、エトワール・ガラに参加の声がかかった時には怖気づいたそうです。スヴェトラーナ・ルンキナと、今まで踊ったことのない「ジゼル」を踊るということで。ローラン・イレールがジゼルの物語について語ってくれ、パ・ド・ドゥを指導してくれたのだそうです。(ツアーで踊る予定の全幕「ジゼル」の彼のアルブレヒトは、プレイボーイヴァージョンなんでしょうか?)

ガラに参加し、ルンキナだけでなく海外のほかのバレエ団の人々とゆっくりと会話する時間を持ち、人間関係を築くなど有意義な時間を過ごすことができたそうです。
「僕はマニュエル・ルグリと一緒に仕事をしていくうちに、少しずつ自信がついていったんです。だから彼が僕に向かってではなくても、何かしゃべっていたら、耳を澄ませるんですよ」
偉大な先輩を持ったことで、そして彼から多くを吸収することで、マチアスはますます成長できるんでしょうね。


マチュー・ガニオは今回のガラで、ラコットが彼とマリ=アニエス・ジロをイメージして創った作品「メリー・ウィドウ」を踊りました。「自信あふれる誘惑者だなんて!この手の役は初めて。まったく僕じゃない役柄で、でもそれだけに楽しかったです。暴君で知られる皇帝を題材にした『カリギュラ』の時も、最初は自分を役に重ね合わせられなくって。でもそうすると努力するでしょう。自分とは似ても似つかぬ人物像へと一種の変身をすることで、別の面へと自分をプッシュする、こうしたことで一回り大きくなれるんです」

エトワール・ガラの「白鳥の湖」で共演したルンキナの驚くほどしなやかな動きは彼を刺激したそう。ロシアのダンサーは、肩、腕も脚同様に動かせて多くを表現するので。「アドバイスをもらうとかではなく、僕は観察をするのです。その前に大切なのは、何事にもよらず興味を持つことでしょう。各人の心のあり方の問題で、興味を持って自分から学ぼうという姿勢でなければ、何も得られませんよね」
非常に勉強熱心で真面目な様子が伺えます。


今回の「エトワール・ガラ」のアートディレクターだったバンジャマン・ペッシュ。参加ダンサーのうち3人のエトワールが、身体のトラブルで来日不可能となった時、「これは本当にきつかった。神経が参ってしまいそうで…でも一度としてこのプロジェクトをあきらめることは考えず、逆にやりぬくぞという闘志がわきました」エルヴェ・モローの不参加により彼がエレオノーラ・アッバニャートと「カンツォーニ」を踊ることになったため、振付家ビゴンゼッティのいるイタリアまで教わりに行ったとのこと。

また、ハンブルク・バレエのシルヴィア・アッツオーニとの出会いが、彼を新しい世界へと導いてくれたとのこと。「シルヴィアは探究心が強く、毎回少しずつ変えてみたりとか、リハーサルで実に細かいところまで、きっちり厳密に決めるんです。面白いことに、その厳密な仕事ゆえ、舞台上では思うように自由に踊れるんです。僕は彼女と踊るとき、自分を消し去り、いかに彼女の価値を引き立たせようかと考えています」
「困難な状況を共に生き抜くのだから、護りあう関係が生まれてきます。またセルフ・プロデュースのガラですから、誰もが自分の選んだ作品と対峙するという緊張感を強いられます。必然的に、連帯意識が強まるんです」

このように、わが子のように「エトワール・ガラ」を彼がいとしんだおかげで、素晴らしい舞台を私たちは観ることができたわけですね。そして、12月のチャリティ・ガラにも、マニュエル・ルグリ、バンジャマン・ペッシュ、エレオノーラ・アッバニャート、シルヴィア・アッツオーニ、そしてアレクサンドル・リアブコという「エトワール・ガラ」に出演したダンサーがまた集結するというわけです。


なお、この号ですが、「シアター」の欄ではシュツットガルト・バレエの来日公演が紹介されています。さらに、「映画」欄ではジョニー・トー監督の傑作「エグザイル/絆」(去年の東京フィルメックスで上映)の作品紹介も。

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2008/10/20

歌舞伎座、2010年4月で閉場 全面建て替えへ

歌舞伎のメッカであり、東銀座のランドマークにもなっている、美しい造形の「歌舞伎座」が2010年4月で閉場し、建て替えられることが決定したそうです。松竹が20日に発表しました。新劇場は2013年中にもビルと劇場の複合施設として誕生するとのこと。

http://www.asahi.com/culture/update/1020/TKY200810200389.html?ref=rss

同劇場は、原型となった劇場が1925年に開場。45年の東京大空襲により焼失。1950年に建築された現在の建物は2002年、国の登録有形文化財になった。松竹は2005年に「2007年着工、2010年再開場」の計画予定を発表。これまで現状保存案なども検討されたが、「バリアフリーの不備、耐震の問題から現状維持は難しい」そうで。すごく悲しいニュースです。

建て替えを巡っては、観客から建物保存を求める声が上がっているほか、日本建築学会が2006年4月、「歌舞伎座の保存に関する要望書」を提出したそうです。登録有形文化財なのに、すぐに取り壊されてしまうのは、私もおかしいと思います。

日本の劇場の多くは、味気ない近代的なデザインばかりです。日本の伝統的な意匠や芝居小屋の雰囲気を残す歌舞伎座は、とても貴重な建物と思います。歌舞伎座で歌舞伎は10数回くらいしか観ていませんが、独特のレトロな空気と風格が、舞台の感動をさらに高めてくれていました。なんとかして残すことはできないのでしょうか。

新しい歌舞伎座はビルとの複合施設ということで、ますます味気ない建築物になってしまうことが容易に想像できます。海外のオペラ劇場などに行くと、日本にある素敵な劇場は歌舞伎座だけだ、と思います。外国から来た友達なども、歌舞伎座に連れて行くととても喜びます。

歌舞伎座では2009年1月~2010年4月の16カ月間、“歌舞伎座さよなら公演”を予定しています。劇場でのアンケートなどで観客からも希望演目を募集するそうです。せめて、この1年ちょっとの間は通わなくては、と思います。

NHKオンデマンド/本日ペルミ・バレエ学校のドキュメンタリー/バランキエビッチのカラボス

NHKが放送した番組を、ブロードバンド回線等を通じて、PCや高機能TV等に有料で配信するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが12月に始まります。
http://www.nhk.or.jp/nhk-ondemand/

販売形態としては、見逃し番組と特選ライブラリーのそれぞれを単品で販売する「単品販売」と、見逃し番組、ニュース番組を月間見放題で販売する「月額見放題パック」、特選ライブラリー番組を複数本まとめて販売する「パック」を想定。値段は未定です。配信データはDRM(デジタル著作権管理)で保護され録画・コピーはできないのが残念ですね。しかし、TV系サービスはハイビジョン画質を目指し、またPCサービスは回線状況を考慮し、低ビットレートと高ビットレートの2通りの配信を行うとのこと。

気になるラインアップですが、
http://www.nhk.or.jp/nhk-ondemand-blog//12286.html
で紹介されています。
バレエに関係のありそうなものをピックアップすると、

【見逃し番組】1日10~15番組を放送の翌日から1週間程度配信
● 定時番組
ETV特集 教育  日
プロフェッショナル 仕事の流儀 総合  火
BS世界のドキュメンタリー BS1 月~金
(※海外購入番組は交渉中)
知るを楽しむ 教育  月~木
アートエンターテインメント 迷宮美術館 BShi 月
英語でしゃべらナイト 総合  月
芸術劇場 教育  金

【特選ライブラリー】
◆ 語学・実用番組
*語学は「100語でスタート!英会話」(2003年)103本、「テレビで中国語」50本(2008年~09年)、「テレビでイタリア語」25本(2008年)などの提供を準備中
*実用番組は「おしゃれ工房」10本他の提供を準備中

◆カルチャー
・「トップランナー」(1999年~2007年)から
「書家・柿沼康二」など4本を提供、3本について提供を準備中
・「あの人に会いたい」(2004年~06年)から
「三島由紀夫」「吉田茂」「松下幸之助」など17本を提供、6本を提供の準備中
*「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」から15本を提供の準備中

◆ クラシック音楽・芸術番組
・「N響コンサート」「N響演奏会」などNHK交響楽団の演奏番組9本を提供
・「名曲アルバム」から1996年~2007年の61本を提供もしくは提供の準備中
*「日曜美術館」から1976年~97年の10本、「国宝への旅」から1986年~87年の4本などを提供の準備中

権利処理が終了して提供することが確定している番組数は、
9月17日現在 57番組(タイトル) 238本
権利処理がほぼ終了した番組を合わせると、現時点で、「特選ライブラリー」として
12月1日 スタート時には 125番組(タイトル)1,344本を提供できる見込み

とのことです。
この中では、やはり「芸術劇場」が観られるのが嬉しいですね。「特選ライブラリー」でも、バレエや音楽関係のコンテンツの権利処理を進めて、オンデマンドで観られることを期待したいです。NHKではかなりバレエ関係の番組を放送してくれているので。

******
NHKといえば、今日の夜
犠牲の先に夢がある~ロシア国立ペルミバレエ学校~」 A Beautiful Tragedy
チャンネル:BS1
放送日:2008年10月20日(月)
放送時間:翌日午前0:10~翌日午前1:00(50分)
が放送されますので、ぜひご覧ください。(一部はYouTubeで観ることができますが、全編ではありませんので)

******
未定となっていた、ボリショイ・バレエの「白鳥の湖」の大阪公演キャストがやっと決まりました。
≪大阪公演≫
【12月13日(土)17:00 「白鳥の湖」】 ※10/20出演者が決定しました。
(オデット,オディール) スヴェトラーナ・ルンキナ → マリーヤ・アレクサンドロワ
この変更に伴い、パートナーも次の通り変更になります。
(ジークフリート王子) ドミートリー・グダーノフ → アルテム・シュピレフスキー
http://www.japanarts.co.jp/html/2008/ballet/bolshoi/abstracts.htm

******
最後に、シュツットガルト・バレエの来日公演ブログから、フィリップ・バランキエビッチのカラボスの写真
http://www.nbs.or.jp/blog/0811_stuttgart/2008/10/2-1.html
ものすごく迫力があってカッコいいです。バランキエヴィッチのカラボスは、11月24日(祝・月)に登場する予定で、私もこの日観に行くので、楽しみです。

ロパートキナの近況/ベルリンでのマラーホフ&フレンズ

マリインスキー・バレエのウリヤーナ・ロパートキナが、マリインスキーのアメリカツアーで「ジゼル」に出演を予定されていながら結局はキャンセルし、そしてマリインスキー劇場での9月27日の「ラ・バヤデール」にも出演しなかったため、心配していた人も多いのではないかと思います。

Ballet Talk経由の話では、彼女はちょっとした怪我をしていた模様なのですが、現在のところ、11月11日、12日にモスクワ・オペレッタ劇場で上演されるローラン・プティのガラ(11日)、「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「ロミオとジュリエット」「ドン・キホーテ」「海賊」などの古典パ・ド・ドゥのガラ「ロパートキナ&フレンズ」(12日)には出演できるそうです。マリインスキー、ボリショイ、パリ・オペラ座、ABTからダンサーが出演するとか。

http://www.mosoperetta.ru/main/index.php?_t=224&_a=351&i_news=74

ロシア語なので他に誰が出るのか、とか具体的な演目はちょっと判らなかったのですが、大きな怪我でなかったのは幸いです。

10/22追記
コメントでほみさんに教えていただきました。
11日はロパートキナのお相手をマッシモ・ムッルが務めるようです。ムッルのオフィシャルのNewsで発表されています。
http://www.massimomurru.com/cgi-bin/news/news.cgi
演目はマ・パヴロヴァ、プルースト、Les feuilles mortes(枯葉)とのことです。
また、12日はマッシモ・ムッルはジュリー・ケントと「ジゼル」を踊るそうです。

******

他の出演ダンサーは誰なのか、あたりをつけてみようと思ってイリーナ・ドヴォロヴェンコ&マキシム・ベロツェルコフスキーのサイトを見たら、彼らは違うようでしたが、このイリーナ&マックス夫妻は10月24日からのベルリンでの「マラーホフ&フレンズ」ガラに出演するのですね。(そのため、ABTのシティセンターシーズンには出演していません)

他に出演は、以下のダンサーです。
ベルリン国立バレエ
Vladimir Malakhov  Polina Semionova
Nadja Saidakova  Shoko Nakamura
Beatrice Knop  Elisa Carrillo Cabrera
Ludmila Konovalova  Dmitry Semionov
Mikhail Kaniskin  Rainer Krenstetter
Dinu Tamazlacaru  Ibrahim Önal
Leonard Jakovina

ゲスト
Mizuka Ueno
Irina Dvorovenko  Maxim Beloserkovsky (ABT)
Yevgenia Obraztsova  Vladimir Shklyarov (マリインスキー・バレエ)

ちなみに上野水香嬢は、ベルリン国立バレエのドミトリー・セミオノフと「海賊」のパ・ド・ドゥを、同じくベルリン国立バレエ団のイブラヒム・ウェーナルと「カルメン」を踊るそうです。(東京バレエ団ブログより)

東京国際映画祭 「行け行け!インド」

何年か前まで、まだ渋谷で開催されていた頃には東京国際映画祭は毎回20本とか観ていた。なのに、六本木に移ったとたん、チケットも取りにくくなり、交通の便も悪くなってしまったこともあって、足が遠のいてしまった。東京ファンタスティック映画祭も、東急文化会館がなくなってしまい、終わってしまったし。近年では、毎年1,2本しか観に行かない体たらく。今年は唯一、このインド映画を観に行くことにした。インド映画は、滅多に劇場公開されないので、こういう機会でもないと観られない。運良くぴあのプレオーダーに当たった。

六本木ヒルズに到着する前に、乃木坂から国立新美術館を通り抜けて(時間がなかったので、ピカソ展はまた次の機会にすることに)行ったのだけど、久しぶりに来た六本木ヒルズは、いつもと違う方向からすると位置関係が全然わからなくて迷ってしまった。森美術館で現在やっている「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」がとても面白そうなので、来週あたり行きたいなと思う。

「行け行け!インド」Chakde! India. 2007年
監督:シミト・アミーン
出演:シャー・ルク・カーン、サーガリカー・ガートゲー、シルパー・シュクラ
ボリウッドの若大将シャー・ルク・カーンが女子ホッケーの鬼コーチに扮して弱小代表チームを熱血指導する、インド製スポ根映画の決定版! 
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=103
http://www.imdb.com/title/tt0871510/

インド映画界でも長くトップスターの地位を保っているシャー・ルク・カーンの主演作。ただし、インド娯楽映画にしては珍しく、踊りのシーンがない。女子ホッケー界を舞台にした正統派スポ根映画なので、確かに踊りはそぐわないかもしれない。ただ、音楽はいかにもボリウッド的だったので、インド映画を観た、という気持ちにはなった。

踊りのシーンがなくても安心して楽しめて、わかりやすく、笑って泣ける映画を作れるところがボリウッドの底力だと思う。しかも、その中にスポーツとナショナリズムの関係、インドにおける女性の地位確立、民族や宗教といった問題をきちんと取り入れているところが何気にすごい。

主人公カビールは、男子ホッケーのインド代表チームの主将だった。彼は世界選手権の決勝戦、因縁のパキスタン戦でPKを外してしまい、チームは負けてしまう。試合終了後、敵の選手と握手を交わしているところを、「わざと負けたのでは」という濡れ衣を着させられ、彼はホッケー界を追放されてしまう。パキスタンに対するインドの強烈な敵対心をここでは描いている。

7年後、弱小の女子ホッケー代表チームにはなり手がなかったところ、沈黙を破ってカビールが現れる。男子ホッケーチームはオリンピックで8回も金メダルに輝いているのに、女がスポーツを、それもミニスカートで走り回るホッケーなんて、という目で見られているのだ。女なんて炊事や洗濯をしていればいい、という意識をスポーツ推進委員すら思っている。インド中から代表選手たちが集められる。インドは多民族、多言語国家であることが現れていて面白い。みんな、最初は自分たちは州の代表であり、インドという国の代表という意識を全然持っていない。出身地の違う者、言葉や宗教の違う者、そのほか女同士の嫉妬などもあってチームはなかなかまとまらない。特にベテラン選手たちに反発されながら、カビールは女子選手にここまでやるか、というくらい厳しく指導する。彼の檄が印象的だ。「州のためでも、家族のためでもなく、インドのために戦え。それでも余裕があれば、自分のために戦え」と。そして、彼女たちを団結させるために、あえて敵役、嫌われ役を引き受ける。

保守的な部分も残っているインドで、ホッケーという激しいスポーツに取り組んでいる彼女たちなので、みんなものすごく気が強い。FWの二人の選手は、球を手にするとパスをしないで、そのままゴールに突入しようとする。ベテランの選手は、FWに配置されなかったことに腐って反抗する。そんな時に、無謀にもカビールは男子代表と戦うことを提案し、善戦する。そしてついにオーストラリアでの世界選手権出場へ。初戦は惨敗したものの、次から破竹の連勝で決勝戦まで勝ち進んだ彼女たち。さて、初戦で惨敗した相手オーストラリアと再び戦う決勝戦は?

ホッケーのチームのため登場人物も多いけど、一人一人がキャラクターが立っていて、それぞれ色々なバックグラウンドや個性を持っているので、面白く観ることができた。インドの国技であるクリケットのスター選手が婚約者の、美人FWや、嫁ぎ先の反対を押し切って参加したゴールキーパー、男の子のようなFW、すぐに怒りを爆発させてキレる選手などなど…。彼女たちの中に、インドの女性たちが抱えている問題点もあぶりだされてきている。インドのために戦え、と言われていても、実際には彼女たちは自分たちのために戦っているのだ。

とはいっても、あくまでも娯楽映画なので、実際にスポーツを観戦しているかのように、ワクワク冷や冷やしながら楽しむことができる爽やかな作品だ。ホッケーの試合のスピード感もよく伝わっている。そして、シャー・ルク・カーンという大スターが、かつて売国奴とレッテルを貼られた鬼コーチのカビールに扮しているというのが大きい。彼がつらい過去を乗り越えるために、嫌われ役を引き受け、再び立ち上がるまでの姿は感動を呼ぶ。

こういう映画を観ると、インドでは伊達に年間800本も映画を作っていないな、と思う。インドでも大ヒットを記録したという。そしてなかなか日本では映画館で観られないインド映画を上映してくれる映画祭って貴重だな、と思う。大きなスクリーンで、迫力ある試合のシーンが楽しめるのは格別だ。

2008/10/19

ボリショイ・バレエ、ヴォロチコフがプリンシパルに昇進

ボリショイ・バレエのサイトで発表されていましたが、現在ボリショイ劇場で上演中の「パリの炎」に出演中のアレクサンドル・ヴォロチコフが10月18日の舞台終了後に、リーディング・ソリストからプリンシパルに昇進したとアナウンスされたとのことです。

また、同日にナタリア・オシポワがファースト・ソリストからリーディング・ソリストに、Anna Leonova がソリストからファースト・ソリストに、Yegor Khromushinがアーティストからソリストに昇進したと発表されていました。

みなさまおめでとうございます。

******
先日友達数人とうちで、テレビで放映されたボリショイ・バレエの「スパルタクス」(オペラ・ガルニエで今年の1月に収録されたカルロス・アコスタ主演の)の録画を観ていたのですが、冒頭に登場するクラッスス役のヴォロチコフがあまりもへなちょこだったために、少々お酒の入っていた友人たちは「こんなクラッススは却下だ」ということになって、アコスタのスパルタクスが登場する前だったのにディスクが取り替えられてしまいました。アレクサンドル・ヴェトロフがこの上なくカッコよくしなやかなクラッススを踊っている、イレク・ムハメドフ主演の映像になっていました。ヴォロチコフのように、お坊ちゃま然としている少々情けないクラッススっていうのもアりかな?とは思うのですが。(早くアコスタ主演の「スパルタクス」もちゃんと観なくちゃ!)

いずれにしても、ラトマンスキーが再振付を行った「パリの炎」全幕というのは機会があれば観てみたいと思います。

アコスタ、ヴォロチコフ、カプツォーワ、アラーシュ主演の「スパルタクス」

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ムハメドフ、ヴェトロフ、セメニャカ、ブイローワ主演の「スパルタクス」

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10/18小林紀子バレエシアター「ザ・レイクス・プログレス」

小林紀子バレエシアター「ザ・レイクス・プログレス」
2008年10月18日18:00 ゆうぽうと

ゲストの出演が最後まで発表されず、しかもこのカンパニーには未だWebサイトがないために宣伝も足りていなかったようで、空席がやや目立ってしまった公演だった。せっかく非常にユニークで良い内容の公演なのに、もったいない。

指揮:フィリップ・エリス
演奏:東京ニューフィルファーモニック管弦楽団

「バレエの情景」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
高橋怜子 中村誠

中尾充宏、冨川祐樹
澤田展生、富川直樹
ストラヴィンスキーの不協和音に乗せた、アブストラクトな作品。黒と白の幾何学的な模様の上着に白タイツの男性、女性は白いチュチュに、黒い髪飾り。この髪飾りが黒くて大きいために、日本人女性の髪の色とまじってしまって、頭が大きく見えちゃったのが難。一番前の列の真ん中で観ていたら、指揮者の頭はかぶるし、フォーメーションの妙を楽しめなかったのが残念。主役の二人は非常に良かった。中村さんは五番に綺麗に入る足、しなやかな動き。高橋さんは、小柄だけどバランスがとても良い身体で、のびやかに踊りつつも単調になりがちな作品にスパイスを加えていた。

「ザ・レイクス・プログレス」
振付:ニネット・ド・ヴァロワ
音楽:ギャビン・ゴードン

レイク:後藤和雄
仕立て屋:井口裕之
旗手:佐々木淳史
ブラヴォ:冨川祐樹
ダンシングマスター:横関雄一郎
フェンシングマスター:澤田展生
ホルン奏者:冨川直樹
裏切られた少女:萱島みゆき
少女の母親:高畑きずな
ロープに取り憑かれた男:中尾充宏

18世紀イギリスを代表する画家、ホガースの連作をヒントにしたバレエ作品。もともとは、教訓話だったという。
昨年ヨハン・コボーをゲストに迎えて好評だった作品の再演。主役ペアが一新された。前回公演では「ロープに取り憑かれた男」を熱演した後藤和雄さんが、主役の放蕩児レイクを演じた。コボーのレイクが凄かっただけに、大変だろうなと思ったけど、和雄さんの演技はまたコボーとは違った、ちょっと軽薄で少し頭が弱そうだけど憎めない人物。いかにも金持ちのボンボン然としている。彼にダンスを教えるダンシング・マスターの横関雄一郎さんは白塗りも18世紀風の衣装も似合い、軽やかな脚捌きがとてもきれいだった。裏切られた少女の萱島みゆきさんは、前回の島添さんの儚げで薄幸な感じよりは、健気な少女というイメージ。メイドのような衣装がよく似合っていて、透明感があった。
売春宿での乱痴気騒ぎでの、街の娼婦たちの大胆でセクシー、はじけた演技は、なかなか日本では観られないもの。そして賭博で相続した全財産を失ってしまったレイクの、呆然と失神する時のトホホな表情が独特のもので、凄いオリジナリティがあって良かった。
圧巻はやはり最後の精神病院で、ロープに取り憑かれた男を始め、ヴァイオリニストや教皇(だと思い込んでいる男)、航海士などが半裸でそれぞれに狂った様子を見せている。あの王子様的な中村誠さんまでもが半裸にハゲヅラで狂って見せているから凄い。まさにMadhouseそのもの。この精神病院に放り込まれた、狂ってやせ衰えたレイク、その倒れっぷりが見事。そして、それぞれ動き回る狂人たちの中で一人、片隅に座り込んで虚空を見つめている。そこへ少女がやってくる。レイクは全然少女に気がつかないけど、少女の必死の呼びかけで立ち上がる。ようやく彼女へと手を差し伸べようとした時に、レイクはばったりと事切れる。
やっぱりこの作品はとても面白い。音楽が非常に美しく物悲しいのに、放蕩息子のレイクが転落していく様子が淡々と、どこか可笑しく嗜虐的に描かれている。そのユーモラスなトーンを、後藤和雄さんは見事に表現していたと思った。

「パキータ」
島添亮子
アレッサンドロ・マカーリオ

高橋怜子
大森結城
高畑きずな
大和雅美

小林紀子バレエシアターの「パキータ」は、オレンジのシフォンが天幕としても使われている舞台装置、そしてそれに合わせた淡いオレンジのチュチュが非常に美しい。舞台装置と衣装はピーター・ファーマーによるもの。3年ほど前にも上演された時に観に行ったけど、ソリストのレベルも上がっており、相当踊りこんでいるように思えた。コール・ドもよく揃っている。ヴァリエーションは4つ。高橋怜子さんのイタリアン・フェッテ、長身で美しい大森結城さん、ダイナミックなジュッテが見事な高畑きずなさん、安定感抜群な大和雅美さんと、このバレエ団の実力者がそれぞれの魅力を発揮していた。
この中では一段と小柄な島添さん。でも、看板バレリーナだけあって、真ん中に相応しい華があった。音の捉え方が良くて、腕の動かし方がすっきりとしていてとても優美だ。コーダでのフェッテは、途中で失敗するかな、とみせてちゃんと32回きれいに回った。パートナーのアレッサンドロ・マカーリオは、甘いラテン系ハンサムで、王子役にぴったり。ゲスト出演が直前に決まったようで、なかなか合わせる時間もなかっただろうに、パートナーシップにはまったく問題がなくてサポートも上手だった。

小林紀子バレエシアターには男性の団員が二人しかいないので、どうしてもゲスト頼りになってしまうけれども、新国立劇場がダンサーを一度に3人までしか出せなくなってしまって苦労しているところがあると思う。でも、ロイヤル・バレエなどイギリス人脈をうまく使って、このバレエ団にしか出せない個性は、毎回観ていてとても好ましい。引き続き期待したい。そして、ホームページを早く作ってね。

2008/10/18

韓国LGアーツセンターの2009年予定/追記

韓国・ソウルのLGアーツセンターは、主にコンテンポラリーダンスや演劇系を多く上演する劇場で、過去にはマシュー・ボーンの「白鳥の湖」、ピナ・バウシュ、ナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニー、シルヴィ・ギエム&アクラム・カーンの「セイクレッド・モンスターズ」、スージン・カン&フレンズなどを上演しています。私も行ったことがあるのですが、コンテンポラリーにはちょうどいい大きさで、とても観やすいきれいなホールです。

韓国のReinaさんのWunderkummerによると、LGアーツセンターの2009年度のダンス公演スケジュールが決まったようで、これがなかなか豪華です。

3.19~21 ジュリエット・ビノッシュとアクラム・カーン (3公演)
3.27~29 ボリス・エイフマン・バレエ <アンナ・カレーニナ> ( 3公演)
9.24~26 サシャ・ヴァルツ舞踊団

フランスのトップ女優ジュリエット・ビノッシュとアクラム・カーンという異色のコラボレーションは、先日ロンドンのサドラーズ・ウェルズで上演されて、大きな話題となりました。ロシアのボリス・エイフマン・バレエは4月にNY公演も予定されています。以前は日本公演も行われていたのですが、客の入りがよくなかったとかで、日本には来なくなっちゃいました。韓国では「赤いジゼル」がテレビ放映もされています。

そういえば、シルヴィ・ギエム&アクラム・カーンの「セイクレッド・モンスターズ」も、まだ日本では公演が行われていないのですよね。すぐ近くの韓国まで来るのだったら、日本でもやって欲しいなって思いますよね。

それから、このLGアーツ・センターでは、韓国のユニバーサル・バレエが公演を行いますが、なんとそれが「オネーギン」なのです。
9.12~20ユニバーサル・バレエ 「オネーギン」 LGアートセンター

非常に上演に関してうるさいことで有名なクランコ財団が許可をしたというのですから、すごいですよね。日本のバレエ団ではまだ実現していません。

*******
10/20追記 関連して。
韓国のKorea Timesに、http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2008/10/145_32914.html振付家ハンス・ファン・マーネンのインタビューが載っていました。

ユニバーサル・バレエがModern Ballet Projectと称して、ファン・マーネンの「Black Cake」、そしてフォーサイスの「インザミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」、クリストファー・ウィールダンの「Variations Sériesues」を10月17日~19日に上演したそうです。
http://www.lgart.co.kr/EngHome/booking/bookdetail.aspx?seq=1648

ファン・マーネンやウィールダンの作品って、日本のバレエ団ではまだ上演していないんじゃないかと思います。「Black Cake」は、上記インタビューによると、イリ・キリアンの依頼により、NDT創立30周年を記念して作られた作品だとのこと。「オネーギン」を上演したり、ユニバーサル・バレエは非常に優れた活動をしているんですね。

ファン・マネン作品のDVDは2つ出ていますが、「Black Cake」は収められていないのですよね。彼の作品で日本で有名なのは、ウリヤーナ・ロパートキナがイワン・コズロフとボリショイ・マリインスキー合同ガラで踊った「三つのグノシェンヌ」。これが入っている「ハンス・ファン・マネン・フェスティバル」のDVDは私も持っていますが、これはとても良いです。

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小林紀子バレエシアター4月「眠り」ゲストはABTのD・ホールバーグ

今日、小林紀子バレエシアターの「ザ・レイクス・プログレス」を見に行ったところ、会場で配られたチラシに12月の「くるみ割り人形」のお知らせがありました。

「くるみ割り人形」のゲストは今日も「パキータ」で踊ったアレッサンドロ・マカーリオ(サンカルロ・バレエ・シアター)です。イタリア人らしい甘いハンサムでとても素敵な王子様でした。

そして「くるみ」のチラシに、来年4月公演の速報が載っていました。

ケネス・マクミラン版「眠れる森の美女」で、ゲストはABTのデヴィッド・ホールバーグです。これは観たいですね!

マクミラン版眠りは、現在のロイヤル・バレエで上演されているメイソン版の前に踊られていた版ですよね。装置はピーター・ファーマーで、イングリッシュ・ナショナル・バレエから衣装や装置が提供されるようです。

しかもデヴィッドのデジレ王子!さぞ似合うことでしょう。今回のパキータも彼は出演したがっていたとのことですが、ABTのシティセンター公演が月曜日から始まるので無理だったようです。

2009年4月24日(金)25日(土)26日(日)と珍しく三日間の公演。パリ・オペラ座学校の公演と二日間日程がかぶっていますが見に行きたいですね。会場は新国立劇場中劇場です。

2008/10/17

「荒野へ」ジョン・クラカワー著

映画「イントゥ・ザ・ワイルド」の原作本。映画を観終わった後、すぐに同じラゾーナ川崎内にある書店で買い求めた。

アラスカの荒野に打ち捨てられたバスの中で餓死した青年、クリス・マカンドレスについて、ジョン・クラカワーが<アウトサイド>という雑誌から依頼され青年の死について取材し記事を書いた。その時の記事と、その後の話がこの本となり、そしてベストセラーとなった。多くの反響が雑誌に寄せられたけど、クリス青年への賞賛と非難の両方があったそうだ。「向こう見ずな愚か者、変り者、傲慢と愚行によって命を落としたナルシスト」との批判も多く、またクラカワー自身もそんなクリスを美化していると非難されたそうだ。

その反響の中に、一人の老人からの手紙があった。その老人こそ、映画の中でも印象的なエピソードのひとつを構成した、ロナルド・フランツである。映画の中でも、彼を演じたハル・ホルブルックの素晴らしい演技もあって、思わず涙を流さずにいられなかった。しかし、映画の中では語られていない、後日談がとても心を打った。フランツのもとをクリスが去ってしばらく後に、この生意気な青年から手紙が届いた。できるだけ早く今住んでいるところを出て、外の世界を見てみなさいと。そして、実際に、80歳を超えていたフランツは、家財道具のほとんどを倉庫に預け、アパートを出て、クリスがキャンプしていた砂地にテントを張ってそこで暮らし、来る日も来る日もクリスの帰りを待っていたというのだ。

このノンフィクションは、できるだけ中立的な立場を取り、クリスを突き放して公平に描こうとしている。彼のことを愚かだった、傲慢で未熟で、自然を見くびっていた、甘えていたと言う人は多い。そして、それは事実なのだと思う。そして、クリスがこの世の人ではなくなってしまった今、本当に彼が何を思い考えて、荒野へと分け入って行ったのかを知る由はない。
それでもなお、クラカワーは限りないシンパシーと愛を持って、この青年の生と死を見つめ、そしてその心情に寄り添った。なぜならば、クラカワー自身、父親に反発新があり、若い頃にはクリスのような無謀な冒険をした経験があったからだ。

クラカワー自身の、クリスと同じ年齢の頃にデビルズ・サムというアラスカの未踏の岩壁に挑戦した時のエピソード。「うまくいっていない私の人生を根底から変えてくれるものと思いこんでいた」けれども、命がけの冒険、多くの失敗を経て成功した後も、彼の人生は何一つ変わらなかった。それから、クリスと同じような冒険に出かけて、二度と帰らなかった多くの若者たちの生の軌跡もたどる。彼らのことを批判するのはたやすいことだ。彼らがいなくなったことで、どれほど多くの家族や友人たちが苦しみ、悲しんだことか。

あまりにも軽装備で、食料も武器も地図すらもろくに持たずに、アラスカの荒野へと旅立って行ったクリス。彼は、自ら死を選んだのではないかという説もあったほどだ。だが、彼は自分が生きている実感というものを得るために、あえて、大地が与えてくれる物のみで生きていこうと決心し、最果ての地まで出かけていったのだと思う。そして、限りなく透明で澄んだ、孤独で自由な存在になりたかったのだろう。

この本の最後に、クラカワーは、クリスの両親、ビリーとウォルトとともに、彼の終焉の地であるアラスカのバスまで出かけていく。このときのエピソードを読んで、両親の様子を思い浮かべると胸がつぶれる思いがする。また、クリスはほんの2,3の些細なミスで命を落としてしまったことも判る。気温が上がるにつれて川が増水し、渡れなくなったために彼は荒野の罠に落ちて、動けなくなったのだ。しかしながら、もう少し上流まで歩いていけば、ワイヤー伝いに川を渡ることだってできたのだ。

それでもなお、彼の冒険には意味があったのだと思いたい。平穏に日々をやり過ごしていくだけでは得られない宝物をその短い生涯の間に手に入れることができたのだと。そして、私たち自身も、新しいことに踏み出す勇気を持つべきであることを、彼は教えてくれた。何しろ、80歳の老人フランツでさえも、彼との出会いを通して、新しい人生に踏み出すことができたのだから。

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2008/10/16

シュツットガルト・バレエ「オネーギン」ハイライト映像

「眠れる森の美女」の映像に続き、2006年に収録された「オネーギン」のハイライト映像がNBSのシュツットガルト・バレエ公演サイトにアップされています。
http://www.nbs.or.jp/blog/0811_stuttgart/2008/10/post-8.html


冒頭から鏡のパドドゥ、決闘シーン、手紙のパドドゥまで見所を5分ほどにまとめています。

*オネーギン役のイリ・イェリネク、レンスキーのフリーデマン・フォーゲル、オリガのカーチャ・ヴィンシュは、11月28日(金)の東京公演、12月2日(火)の大阪公演(フェスティバルホール)に出演予定とのこと。

しかしこの映像で素晴らしい演技を見せているタチアナ役スージン・カンが出演予定がないのが残念ですよね。

それから、「オネーギン」の映像があるならDVD化して、とは誰もが思うことでしょう。クランコ財団って相当うるさいようですね。一度はタチアナ役を許可したタマラ・ロホを、今後は踊っちゃいけないって言ったようですから。
オペラの「エフゲニー・オネーギン」のDVDはたくさん発売されているのに…。

2008/10/15

ルグリの12月チャリティガラ続報

お友達S嬢がグランドプリンスホテル新高輪に問い合わせしてくださって、詳細が判明しました。

ルグリさんのチャリティガラはクローズドではなく、一般発売されます。

チケット発売日:10/27 10時から
03-3447-1121(グランドプリンスホテル新高輪)

チケット代:40000円(ディナー付き)、50000円(アフターパーティー付き)
夜のみです。

アフターパーティー付きはダンサーとのパーティーだそうです。

一般の人が入れるのはうれしいですが高くて無理です(泣)。芸能人のディナーショーだったらこんな感じなんでしょうか?

会場となる「飛天」は芸能人の派手婚で有名な会場で、コンサート形式だと2000人以上入りますね。

ちなみに、クリスマスイベントのページです。おそらく、こちらのサイトに、お知らせが掲載されるのではないかと思います。20日、21日のスケジュールは今のところ空いていますね。
http://www.princehotels.co.jp/takanawa-area/christmas/dinnershow/

10/17追記:写真家のKYOKOさんに、さらに詳しい情報を教えていただきました。

主催:グランドプリンスホテル新高輪
協賛:日本赤十字協会

バレエの時間は1時間20分
本格的な照明が入ります。
お席は2名席もしくは4名席とゆったりです。

ドレス・コードが付きますがあまり厳しいものではないそうです。
ちょっとお洒落、ぐらいで大丈夫です。

アフターパーティですが先着順、約100名様まで
ダンサーさん達を交えて、カクテル・パーティ形式で行われます。

演目等詳細は今月発売のダンスマガジン、DANZAに載ります。

2008/10/14

K-Ballet Company2月公演は「ピーター・ラビットと仲間たち」

K-Ballet Companyのオフィシャルによると、
http://www.k-ballet.co.jp/topics/performance.html#081014

次回公演は、
バレエ ピーターラビットと仲間たち』公演開催
開催期間:2009年2月25日~3月1日
会場:Bunkamuraオーチャードホール

※公演詳細は追って発表致します。

とのことです。

『バレエ ピーターラビットと仲間たち』って、日本のバレエカンパニーでは初めての上演かしら?フレディック・アッシュトン振付、いかにもロイヤル的な、カブリモノを使ったとても可愛らしく、楽しい作品です。ちょっと惹かれますね。
新国立劇場の本島美和さんが「DAKARA」のCMで、ピグリンのかぶりものをかぶって踊っていましたが、ピグリンももちろん登場人物です。

去年の冬にも、ロイヤル・バレエで上演されて、観客動員も大変よかったようです。
チャコットのdance cubeのレポート
http://www.chacott-jp.com/magazine/around/uk_62_2.html
男性ダンサーもトウ・シューズでバレリーナに負けじとポアント技術を披露するそうです!K-Balletでもそうするのかしら?

ちなみに、去年のロイヤル・バレエの『バレエ ピーターラビットと仲間たち』公演は、BBCで放映され、Opus ArteからDVD化されました。10月1日発売だから、もう出ていますね。まだアマゾン等では見当たらないのですが。スティーヴン・マックレー、ギャリー・エイヴィス、リカルド・セルヴェラ、ラウラ・モレラとなかなかキャスティングも良いです。Opus Arteのサイトでは、映像も少し観られます。

K-Balletで上演されるのを機に、日本でも発売されると良いですね。

Tales of Beatrix Potter
http://www.opusarte.com/pages/product.asp?ProductID=261

Mrs Tittlemouse: Victoria Hewitt
Johnny Town-Mouse: Ricardo Cervera
Mrs Tiggy-Winkle: Jonathan Howells
Jemima Puddle-Duck: Gemma Sykes
The Fox: Gary Avis
Pigling Bland: Bennet Gartside
Pig-Wig: Laura Morera
Aunt Pettitoes: David Pickering
Mr Jeremy Fisher: Zachary Faruque
Tom Thumb: Giacomo Ciriaci
Hunca Munca: Iohna Loots
Peter Rabbit: Joshua Tuifua
Squirrel Nutkin: Steven McRae

Recorded live at the Royal Opera House, Covent Garden, London on 23rd & 27th December 2007.

10/25追記
昨年収録された「ピーターラビットと仲間たち」ですが、日本のアマゾンでも予約できるようになりました!11月18日発売予定です。

Tales of Beatrix Potter (Ws Sub Dts)Tales of Beatrix Potter (Ws Sub Dts)
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こちらは、バレエ映画で、1971年に製作されたちょっと古い作品です。多分リージョン1です。

Tales of Beatrix PotterTales of Beatrix Potter
Frederick Ashton, Alexander Grant, Julie Wood, Ann Howard (III), Reginald Mills

Starz / Anchor Bay 2004-02-10
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マニュエル・ルグリPOB引退公演/ルグリとエレオノーラ・アッバニャート、12月のスケジュール@東京

エレオノーラ・アッバニャートのMySpaceにあるオフィシャルを観ていたら、スケジュールがこう書いてありました。

2008/12/18 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo
2008/12/19 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo
2008/12/20 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo
2008/12/21 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo
2008/12/22 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo
2008/12/23 19:00 japon tours gala di danza @ tokyo

あれれ?と思っていたところ、友達S嬢から、関連する情報を頂きました。

マニュエル・ルグリのスケジュール
http://www.manuel-legris.com/actualite.html

Tokyo : Christmas gala (Charity gala)
Grand Prince Hotel New Takanawa Hiten
le 20 et 21 Décembre 2008 (Matinée et Soirée)
Avec Éléonora Abbagnato, Sylvia Azzoni, Benjamin Pech,
Sacha Riabko et Patrick De Bana.
"Sylvia" (Neumeier) avec Éléonora Abbagnato
"The picture of..." (création de ce solo par Patrick de Bana )

東京でクリスマスのチャリティ・ガラ
12月20日、21日 マチネとソワレ 新高輪プリンスホテル飛天の間
エレオノーラ・アッバニャート、シルヴィア・アッツオーニ、バンジャマン・ペッシュ、アレクサンドル・リアブコ、パトリック・ド・バナ
「シルヴィア」エレオノーラ・アッバニャート
"The picture of..."パトリック・ド・バナ振付によるソロ作品

10月になって、何も情報がないのにいきなり出現してびっくりです。

ちなみに、ルグリさんのアデュー(引退公演)ですが、こうあります。
Paris Opéra Garnier :
du 16 Avril au 20 Mai 2009
"Onegin" (dates à déterminer plus le 15 Mai)
avec Laëtitia Pujol

During these performances, one evening will be held on the 15 of May
for the official Farewell of Manuel Legris as Etoile of Paris Opera.
I have to notice that it will be absolutly a non definitive farewell
as a performer, and i will continue to perform as a guest
「これらのパフォーマンスのうち、5月15日は、パリ・オペラ座でのエトワールとしてのマニュエル・ルグリのオフィシャルなフェアウェルとして開催されいます。これは、パフォーマーとしてのフェアウェルではなく、私はゲストとして出演を続けます」
アデューの「オネーギン」、相手役(タチアナ)はレティシア・プジョルなんですね。

パトリック・ド・バナは、元ベジャール・バレエ・ローザンヌのダンサーで、ナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニーにも所属していました。以前、2006年の「ルジマトフのすべて」にも出演していましたね。
わかり次第情報を追加していきます。クローズドのイベントじゃないといいんですけどね。

また、ルグリさんは、
4月28日、30日、5月1日、2日には、ニューヨークのブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(BAM)にて、
"O Zlovony O Composite"トリシャ・ブラウン振付
共演 オーレリー・デュポン、ニコラ・ル・リッシュ
 だそうです。
GWにルグリさんの「オネーギン」を観に行こうと計画していた方も多いと思いますが、残念ですね(それは私のことです(苦笑)) ルグリさんをGWに観に行くなら、NYが良さそうです。ニコラ&オーレリーというキャストも豪華。

なお、現在(10月14日現在)、バンジャマン・ペッシュのサイトには何も関連する予定はありません。
****

ココログがここ数日不調で、記事をアップするのにも何回もはねられています。イヤになっちゃいます…。おまけに風邪を引いてしまいました。つらい…。

ボリショイ・バレエ来日公演のキャスト変更/追記

ボリショイ・バレエ来日公演のキャスト変更が、やっとジャパンアーツのサイトに出ました。
マトヴィエンコは、ルジマトフ・ガラなどの予定が重なったためと聞いています。

ベロゴロツェフとアントニーチェワが代役なのは、ちょっと嬉しいです。

以下引用です。
http://www.japanarts.co.jp/html/2008/ballet/bolshoi/abstracts.htm

【キャスト変更・追加のお知らせ】(10月14日現在の予定です。)
スヴェトラーナ・ルンキナが妊娠により、
デニス・マトヴィエンコが劇場の事情により、
それぞれ来日ができなくなりましたため、以下の通り出演予定に変更がございます。
なにとぞ、ご了承をいただきますよう、お願い申し上げます。

≪東京公演≫
【12月3日(水)18:30 「ドン・キホーテ」】
(バジル) デニス・マトヴィエンコ → ドミートリー・ベロゴロフツェフ

【12月6日(土)12:00 「白鳥の湖」】
(オデット,オディール) スヴェトラーナ・ルンキナ → アンナ・アントニーチェワ

【12月9日(火)19:00 「明るい小川」】
(ジーナ) スヴェトラーナ・ルンキナ → エカテリーナ・クリサノワ

【12月10日(水)19:00 「明るい小川」】
(ピョートル) デニス・マトヴィエンコ → イワン・ワシーリエフ

≪びわ湖公演≫
【11月24日(月)14:00 「明るい小川」】
(ジーナ) スヴェトラーナ・ルンキナ → エカテリーナ・クリサノワ

≪大分公演≫
【11月29日(土)14:00 「白鳥の湖」】
(オデット,オディール) スヴェトラーナ・ルンキナ → アンナ・アントニーチェワ

≪札幌公演≫
【12月1日(月)18:30 「白鳥の湖」】
(ロットバルト) ドミートリー・ベロゴロフツェフ → アルテム・シュピレフスキー
出演ローテーションの関係により


追記
≪大阪公演≫
【12月13日(土)17:00 「白鳥の湖」】
(オデット,オディール) スヴェトラーナ・ルンキナ → マリーヤ・アレクサンドロワこの変更に伴い、パートナーも次の通り変更になります。
(ジークフリート王子) ドミートリー・グダーノフ → アルテム・シュピレフスキー

<さらに追記>
うちにもやっとDMが届きました(光藍社のはまだです)。
ボリショイ公演の、新しいキャストでの新チラシが同封されていました。10月14日現在の予定、とのことです。
また、「ザハーロワのすべて」のチラシも同封されていました。

スペイン国立ダンスカンパニー『ロミオとジュリエット』ドゥアトのトークショー追加

11月22日~24日に彩の国さいたま芸術劇場で上演されるスペイン国立ダンスカンパニー『ロミオとジュリエット』ですが、23日にのみ開催予定だったナチョ・ドゥアトによるポスト・パフォーマンス・トークが、24日にも追加されたとのことで、案内のメールが来ました。

http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2008/d1122.html

11月23日、24日公演終了後には、
ナチョ・ドゥアトによるポスト・パフォーマンス・トークを行います。)
(当初23日のみの予定でしたが、24日にも追加されました!

◆ナチョ・ドゥアト『ロミオとジュリエット』
◆2008年11月22日(土)18:00開演/23日(日)&24日(月・祝)15:00開演
◆会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
◆振付:ナチョ・ドゥアト
◆音楽:セルゲイ・プロコフィエフ ※音楽は録音テープを使用します
◆出演:スペイン国立ダンスカンパニー
◆チケット(税込)S席7,000円/A席5,000円/学生A席3,000円
-------------------------------------------------------------------------------------
★ナチョ・ドゥアト振付作品を学ぶレパートリー・ワークショップ開催決定!
詳細は → http://www.saf.or.jp/

■申込方法  
インターネットによる申込み→→→
https://yoyaku.saf-ticket.jp/cultosji/reserve/gin_init
(※携帯からはご利用いただけません)

詳細はこちら→ http://www.saf.or.jp/ (インターネット予約)
お問い合わせ:彩の国さいたま芸術劇場 tel. 048-858-5511(10時~19時)


シュツットガルト・バレエの「眠れる森の美女」の23日のマチソワをあきらめて、24日に観ることにして、ナチョのトークショーに行く予定なのですが、24日にも追加されちゃったんですね。ううう。
この公演は、やはりシュツットガルト・バレエと重ならない22日が一番チケットが売れているようなのです。

ナチョ・ドゥアトの全幕作品といえば見逃せないし、当代の振付家の中でも、非常に美形かつ自分でも踊ってしまうナチョなので、とっても楽しみです。

2008/10/13

ミラノ・スカラ座「チャイコフスキー・ガラ」DVD発売

バレエのDVD情報では日本一早くて詳しいゆうさんのSide B-allet様で、教えていただきました(いつもありがとうございます!)。

2007年の大晦日に開催されたミラノ・スカラ座の「チャイコフスキー・ガラ」がBelAirClassiquesからようやく発売されます。BelAirClassiquesのサイトでは、以前から予告だけはあったような気がしますが、とにかくこのサイトは更新が遅く、しかもとってもわかりにくいので…。

Amazon.comでは、11月11日に発売されるとのことです。そのうち日本のアマゾンにも出るかもしれませんね。

私はこのガラを観ることができたのですが、こういう機会でもなければ観ることのない、とても変わったガラでした。ブルメイステル版「白鳥の湖」の3幕に、ローズ・アダージオ、青い鳥のパ・ド・ドゥ、そしてくるみ割り人形のグラン・パ・ド・ドゥが挟まっているというものです。(感想はこちら

出演は、王子にロベルト・ボッレ、オディールにポリーナ・セミオノワ、ローズ・アダージオはマルタ・ロマーニャ、そして「くるみ割り人形」はベルリン国立バレエのナディア・サイダコワとロナルド・サフコビッチです。

私は席が天井桟敷のやや左よりだったので、ディヴェルティスマンの時には、ロベルトの足先しか見えませんでした。DVDになることによって、やっとロベルトの全身が観られます(笑)

また、Blu-Rayのディスクも出るようです。最近OpusArteから発売されるディスクは、Blu-Ray版も出るようになってきましたが、BelAirClassiquesも今後はそうなるんでしょうか。「プルースト」などはぜひBlu-Ray版も出して欲しいです。といっても、私はまだハードを持っていませんが(笑)

Tchaikovsky GalaTchaikovsky Gala
Roberto Bolle, Polina Semionova, Nadja Saidakova, Ronald Savkovic, Denis Caiozzi

BEL AIR CLASSIQUES 2008-11-11
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******
ところで、世間では、光藍社さんのDM(プティ・ガラの先行予約つき)や、ジャパンアーツ夢倶楽部のDM(ボリショイのキャスト変更やザハロワ・ガラの情報付)が送られてきているようなんですが、DM会員で、夢倶楽部会員のうちにはまだ届いていないので、ちょっとご機嫌斜めな私です。もうひとつ、待っている郵便物があるんだけど、それも来ていないし、郵便事故でもあるんじゃないかと心配です。

サンクトペテルブルク・バレエ・シアター「白鳥の湖」DVD

日本では現在入手しづらいサンクトペテルブルク・バレエ・シアター(タッチキン・バレエ)の「白鳥の湖」のDVDが、ロイヤル・オペラ・ハウスの売店に売っていたので買ってきた。ちょうどポンド安になっていたので、お値段的にもお得だったと思う。

サンクトペテルブルク・バレエ・シアターは今年の3月に来日公演が予定されていたのに、看板プリマのイリーナ・コレスニコヴァが妊娠したため、中止になってしまった。しかし、けっこう直前まで踊っていたし、しかも5月ごろにはもう踊っていたので、本当にそうだったの?とちょっと思ってしまった。
http://www.irinakolesnikova.com/intro/

オデット / オディール:イリーナ・コレスニコヴァ(Irina Kolesnikova)
ジークフリート王子:Dmitry Akulinin
ロットバルト:ディムチク・サイケーエフ(Dimchik Saykeev)
道化:ドミトリー・シェフツォフ(Dmitry Shevtsov)
パ・ド・トロワ:Andrey Yakhnuk、Olga Ovchinnikova、Sabina Yapparova

振付は、マリインスキーのセルゲイエフ版とほぼ同じ。道化が出てきて、3幕では黒い白鳥たちが出てくるヴァージョン。

王子のDimchik Saykeevは長身で長い脚、プロポーションがよく容姿も悪くない。端正でおっとりとした王子様。テクニシャンというわけではないけど、白鳥の王子にはそれほどテクニックも必要ないので、これくらいあれば十分かと思われる。サポートは上手だし。

キャストを見れば判るように、アンドレイ・ヤフーニクとサビーナ・ヤパーロワは最近ミハイロフスキー劇場に移籍し、主演でも踊っている二人。ヤフーニクはプロポーションも容姿もいいのだけど、着地が全然5番に入らないので、どうなんでしょう…この間のミハイロフスキー劇場の「華麗なるクラシック・バレエ・ハイライト」にも出ていたけど、特に印象にも残らなかった。多分来年1月のミハイロフスキー劇場のツアーで観られることでしょう。ミハイロフスキーの他の男性陣と比較すれば、容姿には華があるので、出番も多いのではないかと。ヤパーロワもプロポーションは良いけど、可もなく不可もなし。時々膝が下がる?

そしてコレスニコヴァの白鳥。とにかく、表現が濃厚で胸焼けしそうなほど。遠景でもかなり表情を作っているし、溜めを効かせたりと大仰でアクセントのある動き。時々クローズアップになっていると、あまりにも顔芸がすごいのにびっくりしてしまうほど。オデットの時ですら、かなり妖艶なイメージで、かつ悲壮感も漂わせており、少々やりすぎ感がある。オフィシャルサイトを見たら、現在の彼女の教師は、かつてのマリインスキーのスター、リューボフィ・クナコワだそう。たしかに、脚が高く上がるし、背中が柔らかく、技術的にはかなりレベルは高いし、もちろんプロポーションも美しいし、顔立ちも華やかな美女で表情が映える。でもオデットはもう少し抑え目の表現の方が私の好みである。

その点、オディールはさすがにハマり役で、悪女らしい不敵なな表情や押し出しの強い踊りが光っていた。フェッテは音楽のテンポが変わる時にダブルをひとつ入れた以外は全部シングルだけど、腕を2番ポジションに大きく広げての回転で難易度を上げていた。騙されたと王子が気がついた時の高笑いも、本当に嬉しそうで、これくらい悪い女を前面に出したオディールはあまりいないかもしれないけど、いい、と思った。

ロットバルトは、踊りに関してはそれほど上手いわけではないのだけど(やっぱり膝が落ちる)、演技がコレスニコヴァとタメを張るくらい濃厚で表現力があり、4幕などは思わずロットバルトに釘付け。明らかにロットバルトはオデットのことを愛していて、4幕はロットバルトと王子が、お互いの愛を賭けて戦っているのがオリジナルな感じで面白かった。しかもどう考えてもロットバルトの方が愛が強そうだし。ロットバルト、顔はすごいメイクだけど、上半身の使い方も演劇的で大きくて、カッコよかったと思う。なんで王子が勝つのか、意味がわからないほどだ。

コール・ドは24人で人数的にはちょっと物足りない。しかし、プロポーションは皆揃っていて美しいし、レベルは高いと思った。プロポーションがみんな美しい分、日本のバレエ団のコール・ドよりはずっと良い。2幕の民族舞踊は、決して悪くないけど、マリインスキーやボリショイを観ていると物足りないかな。衣装などお金がかかっている感じで豪華だし、もちろんソリストにはテクニックもあるのだけど、最終的には「見せ方」の問題だと思った。

カメラワークはあまり良くない。特に、2幕の黒鳥のパ・ド・ドゥのアダージオがずっと遠景なのはいただけなかった。その割りに、時々無駄なクローズアップがあるし。演奏もときどき?と思うことがあった。

コレスニコヴァの華やかさやロットバルトとのドラマでとても楽しめたDVDだったのだけど、これを観終わった後、ロパートキナ主演のマリインスキーの「白鳥の湖」DVDをすぐに再見してしまった。技術的には大きな差はないけど、やっぱり全体的な面白さはマリインスキーの方が上なのは、長年の伝統が息づいているからだろうか。特に2幕の民族舞踊はマリインスキーが見ごたえがあったなと。

ロイヤル・オペラ・ハウスのオンラインショップで購入可能。同じ主演キャストによる「ジゼル」も発売中。
http://www.rohshop.org/acatalog/info-2380.html

ロイヤル・バレエ「マノン」のフォトシュート

ロイヤル・バレエの「マノン」は、10月11日に初日を迎えました。
初日のキャストは、
マノン リアン・ベンジャミン
デ・グリュー ヨハン・コボー
レスコー ヴャチェスラフ・サモドゥーロフ 
レスコーの愛人 ローレン・カスバートソン
看守 ギャリー・エイヴィス
だったとのことです。

そして、John Rossによるフォトシュートがballet.coに公開されています。頽廃的な雰囲気がよく伝わってくる写真の数々です。
http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_royal_ballet_manon_roh_1008
こちらは、
マノン ロベルタ・マルケス
デ・グリュー イヴァン・プトロフ
レスコー ブライアン・マロニー
ムッシュGM ギャリー・エイヴィス
看守 トーマス・ホワイトヘッド
マダム ジェネシア・ロサート
というキャストですね。
ロベルタ・マルケスのマノンがとても愛らしくて、小悪魔的なマノンの雰囲気にとても似合ってます。

「マノン」は大好きな作品なのに、日本では今上演しているバレエ団がなくて、ロイヤルかABTの来日公演でもないと観る機会がないのですよね。こういう写真を見ると、猛烈に観たくなってしまいます。

タマラ・ロホ、サラ・ラム、アリーナ・コジョカルなど本来ならマノン役を踊るダンサーが多く怪我で抜けてしまっていますが、それでも、やっぱりコヴェントガーデンで観たい!次の6公演のうち4公演のマノン役がマーラ・ガレアッツィなのはちょっと微妙な感じがしなくもありませんが(こんなに集中して踊って、怪我などしなければいいですよね)。

24日にはタマラ・ロホが復帰するようです(もちろん、キャストは流動的だと思いますが)。

2008/10/11

NBAバレエ団「BALLETS RUSSES GALA」 にパリ・オペラ座サラ・コラ・ダヤノヴァ

日々これ口実」のebi-jiroさんに教えていただきましたが、NBAバレエ団「BALLETS RUSSES GALA」 にパリ・オペラ座の注目の若手スジェ、サラ・コラ・ダヤノヴァと、オペラ座元プルミエ・ダンスーズのカリン・アヴェルティがゲスト出演するそうです。

NBAバレエ団「BALLETS RUSSES GALA」の演目は、

ブロニスラヴァ・ニジンスカ振付、マリー・ローランサンの美術による「レ・ビッシュ」(牝鹿)
「ショピニアーナ」
「ボロヴェッツ人の踊り」
です。

「牝鹿」は日本では初演なんですね。知りませんでした。この作品、コヴェントガーデン(ロイヤル・オペラハウス)の新装記念ガラで一部をゼナイダ・ヤノウスキーが踊っている映像は観たことがあるのですが、もちろん生で観たことはありません。いかにも1920年代的なファッションが印象的でした。

そして、ゲストがサラ・コラ・ダヤノヴァというのも、ちょっと注目です。マチアス・エイマンと同時に AROP賞を受賞した注目の若手で、年末の「ライモンダ」でもクレマンス役の代役に配役されています。スイス出身で、2001年のローザンヌ・コンクールでスカラシップを受けてオペラ座学校に入ったのですよね。去年「パキータ」でドンナ・セラフィナ役を踊っているのを観ましたが、とてもチャーミングで美しいダンサーです。

また、カリン・アヴェルティはヌレエフ世代の名花として知られている方ですね。エリザベット・モーランの同期で、2005年に「ロミオとジュリエット」のジュリエットを踊って引退しました。
こうやって舞台で観られるのは嬉しいですね。

http://www.nbaballet.org/html/event.html

公演日 2009年2月21日(土)22日(日)
開演時間 18:30/15:00
会場 ゆうぽうとホール
SS席\12,000 S席¥10,000  A席¥8,000B席¥7,000 学生席 ¥5,000 

ちょうどハンブルク・バレエの来日公演の谷間です。(2月22日は「人魚姫」の愛知公演がありますが)

「ベスト・バレエ100」EMIクラシックスから発売予定

EMIクラシックスから発売されている、決定版のクラシック・コンピレーション・アルバムである『ベスト・クラシック100プレミアム』が、9月26日に発売となって、10/5付週間クラシック・チャートで堂々1位を獲得したそうです。

同日付のチャートでは『ベスト・ピアノ100』(19位)、『ベスト・クラシック100』(26位)など、『ベスト・クラシック」シリーズが100位以内に計7作品同時にチャートインするという成績を修めたとのことで。カラヤン、ラトル、アルゲリッチら、超一流の音楽家によるクラシック・ベスト・オブ・ベストな内容を、高音質CDであるHQCDで楽しめ、しかも6枚組みで3500円という破格の価格設定が人気を呼んだとのことです。
http://www.barks.jp/news/?id=1000044067

というわけで、このシリーズから、バレエ音楽編である「ベスト・バレエ100」が11月26日に発売されるとのことです。

[主要収録曲]

CD1 ・バレエ
♪「白鳥の湖」より 情景(第2幕)、ワルツ(第1幕)、パ・ド・ドゥ、マズルカ(第3幕)♪「眠れる森の美女」より ローズ・アダージョ、パノラマ、ワルツ
♪「くるみ割り人形」よりこんぺい糖の踊り、葦笛の踊り、花のワルツ 他

CD2 ロシアン・バレエ
♪ロミオとジュリエット(プロコフィエフ)より ♪スパルタクス(ハチャトゥリアン)より、♪バヤデール(ミンクス)より ♪シンデレラ(プロコフィエフ)より 他

CD3 フレンチ・バレエ
♪ジゼル(アダン)より、♪コッペリア(ドリーブ)より、♪シルヴィア(ドリーブ)より ♪パリの賑わい(オッフェンバック) ♪ボレロ(ラヴェル)他

CD4 ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)
♪ペトルーシュカ(ストラヴィンスキー)より♪レ・シルフィードより♪牧神の午後(ドビュッシー)より♪春の祭典♪火の鳥(ストラヴィンスキー)♪パラード(サティ)より

CD5 ブリティシュ・バレエ
♪ファサード(ウォルトン)より♪ピーター・ラビットと仲間たち(ランチベリー)より♪エニグマ変奏曲(エルガー)より♪スケートをする人々(マイヤーベーア)他

CD6 アメリカン・バレエ
♪シンフォニー・インC(ビゼー)♪ファンシー・フリー(バーンスタイン)♪ウェスト・サイド・ストーリー(バーンスタイン)♪アパラチアの春(コープランド)他全100曲

チャイコフスキーの3大バレエ曲やプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」、「シェヘラザード」「春の祭典」などの有名曲だったら、誰でも持っていると思いますが、それ以外の曲はなかなか入手するのが難しかったりしますよね。

ロシアン・バレエ、ディアギレフのロシア・バレエ団、アメリカン・バレエといった分け方はなかなか面白いですよね。6枚組で3800円というお値段は確かにお得です。クラシックだと、メジャーな楽章だけのブツ切りに違和感を感じないこともないのですが、バレエ音楽だったら、ガラもあるわけですし、こういう企画は良いですよね。

◆『ベスト・クラシック100』シリーズ公式サイト
http://www.emimusic.jp/st/best100/

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(クラシック)

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バレエ・ミッケリ(ザハロワ、マラーホフ、マトヴィエンコ夫妻)の写真

先日フィンランドのバレエ・フェスティバル、バレエ・ミッケリの紹介をしましたが、写真家Gene Schiavoneさんから、フェスティバルの写真がアップされたというお知らせメールを頂きました。

ウラジーミル・マラーホフ&インペリアル・ロシア・バレエの「眠れる森の美女」
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/bhg/
ひょっとしたら、リラの精は新潟中越沖地震チャリティガラに出演したアンナ・パシコワかしら。マラーホフもとても麗しく、来年1月の東京バレエ団での「眠れる森の美女」が楽しみになってきました。パートナーの Ludmila Konovalova は、ベルリン国立バレエのダンサーです。

スヴェトラーナ・ザハロワ・ガラ
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ert/
来年の5月の「ザハロワのすべて」公演の予習にちょうど良いですね。

アンドレイ・ウヴァーロフ&デニス・マトヴィエンコとの「カルメン組曲」
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ert/fd/
それにしてもザハロワの脚のしなり具合は驚異的ですね。最近は視線も相当妖艶になってきています。

「Revelation」平山素子振付
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ert/ggg/
この作品、ザハロワは裸足で踊っているんですね。ちょっと外反母趾ぎみなのに気がつきました。

「ドン・キホーテ」アンドレイ・ウヴァーロフと
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ert/sss/

「海賊」デニス・アナスタシア・マトヴィエンコ
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ert/uyt/


10/11追記
インペリアル・ロシア・バレエのアンナ・パシコワのアルバムも追加されました。やはりリラの精は彼女でしたね。リハーサルの写真もありますが、ほぼ素顔でもとても美しい人です。子供たちにサインしている微笑ましい写真も。
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ytr/kjh/

少女ファンたちと記念撮影するザハロワ
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ytr/_DSC0930+c.jpg.html
北欧なので、金髪の子が多いですね。

デニス&アナスタシア・マトヴィエンコによる「ロミオとジュリエット」
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/ytr/gfr/

パリ・オペラ座「ライモンダ」「ベジャール・プロ」プレキャスト

お友達に、ダンソマニさんにパリ・オペラ座「ライモンダ」「ベジャール・プロ」プレキャストが載っていると教えていただきました。

ボリショイから、マリーヤ・アレクサンドロワがライモンダ役でゲスト出演します。また、ジャン・ド・ブリエンヌも一人ゲストで出る予定ですが、誰なのかは現時点では未定です。ほかのキャストも変更の可能性が大有りなのですよね。

マチュー・ガニオは「火の鳥」「これが死か?」だけで、「ライモンダ」への出演はありません。ルグリさんも、「これが死か?」だけです。エルヴェ・モローとマリ=アニエス・ジロの出演が全くないのが気になるところです。(あ、ジロさんは「ライモンダ」入っていましたね!) ベジャール・プロは、やはり食指が湧かないんですが、「ライモンダ」はホントに観たいですね~。

「ライモンダ」でステファン・ビュヨンとマチアス・エイマンという有望な若手二人がジャンを踊るのが楽しみですね。ステファンはアブデラムも踊ります。また、ニコラ・ル=リッシュがアブデラムというのがとても興味を惹きます。男性陣の充実に比較して、なんとなくライモンダ役が冴えない気がするのは、気のせいでしょうか。マリ=アニエス・ジロなどはライモンダ役が似合いそうなのに←出演します(訂正)。

それでも、「ライモンダ」は今シーズン数少ない古典演目なので、若手の抜擢あり、将来のエトワール候補ありと、男性ダンサーがすごく魅力的なキャストです。年末に観に行けそうにないのが残念です。

また、アレクサンドロワのライモンダも楽しみですが、男性ゲストが誰なのかも気になりますね。やはりロシア系のダンサーを呼んで来るのでしょうか?
*****

★『モーリス・ベジャールへのオマージュ』12月9日から29日まで
Hommage à Maurice Béjart, du 9 au 29 décembre 2008

○「L'Oiseau de feu 」=「火の鳥」

火の鳥 L'Oiseau de feu : Ganio ou Pech ou Paquette ou Heymann, remp. NN
マチュー・ガニオ、バンジャマン・ペッシュ、カール・パケット、マチアス・エイマン 代役未定
フェニックス L'Oiseau phénix : Heymann ou Paquette, remp. Bouché, Chaillet, Kim
マチアス・エイマン、カール・パケット 代役ブルーノ・ブシェ、ヴァンサン・シャイエ、キム・ヨンゴル

○「Serait-ce la mort 」=「これが死か」

L'Homme : Ganio ou Legris ou Le Riche, remp. Paquette, Paul
男 マチュー・ガニオ、マニュエル・ルグリ、ニコラ・ル=リッシュ、代役カール・パケット、ニコラ・ポール
Moussin + Gilbert + Pujol + Osta ou Ciaravola + Daniel + Grinzstajn + Hurel
デルフィーヌ・ムッサン&ドロテ・ジルベール&クレールマリ・オスタもしくはイザベル・シアラヴォラ&エヴ・グリンズタジン&メラニ-・ユレル

○「Le Sacre du printemps 」=春の祭典

L'Elu : Bélingard ou Le Riche ou Pech, remp. Bridard, Bullion, Bezard
生贄(男)ジェレミー・ベランガール、ニコラ・ル=リッシュ、バンジャマン・ペッシュ 代役ヤン・ブリダール、ステファン・ビュヨン、オドリック・ベザール
L'Elue : Pujol ou Osta ou Abbagnato ou Romberg, remp. Renavand
生贄(女)レティシア・プジョル、クレールマリ・オスタ、エレオノーラ・アッバニャート、ステファニー・ロンベール 代役アリス・ルナヴァン
Deux jeunes gens : Carbone + Thibault ou Bellem + Gaudion, remp. Stokes, Couvez, Le Roux, Vantaggio
二人の若者 アレッシオ・カルボーネ&エマニュエル・ティボー、ベルトラン・ベレム&マロリー・ゴディオン 代役Stokes, Couvez, Le Roux, Vantaggio
Deux chefs : Bridard + Phavorin ou Bezard + Chaillet ou Paul + Kim, remp. Cordier, Renaud
二人のシェフ ヤン・ブリダール&ステファン・ファヴォラン、オドリック・ベザール&ヴァンサン・シャイエ、ニコラ・ポール&キム・ヨンゴル、ヴァンサン・コルディエ&アレクシス・ルノー


★『ライモンダ』12月1日から30日
Raymonda [Palais Garnier, du 1er au 30 décembre 2008]

Raymonda : Cozette ou Dupont ou Gilbert ou Gillot ou Letestu ou Alexandrova, remp. Ciaravola, Grinzstajn
ライモンダ エミリー・コゼット、オーレリー・デュポン、ドロテ・ジルベール、マリ=アニエス・ジロ、アニエス・ルテステュ、マリーヤ・アレクサンドロワ(ゲスト) 代役イザベル・シアラヴォラ、エヴ・グリンツスタジン

Jean de Brienne : Martinez ou Bullion ou Duquenne ou Heymann ou Paquette ou invité à déterminer, remp. Hoffalt, Magnenet
ジャン・ド・ブリエンヌ ジョゼ・マルティネス、ステファン・ビュヨン、クリストフ・デュケンヌ、マチアス・エイマン、カール・パケット、ゲスト(未定) 代役ジョシア・オファルト、フロリアン・マニュネ

Abderam : Bélingard ou Le Riche ou Bridard ou Bullion ou Carbone ou Phavorin, remp. NN
アブデラム ジェレミー・ベランガール、ニコラ・ル=リッシュ、ヤン・ブリダール、ステファン・ビュヨン、アレッシオ・カルボネ、ステファン・ファヴォラン、代役未定

Henriette : Gilbert ou Hurel ou Ould-Braham ou Grinsztajn, remp. Bellet, Boulet, Froustey
アンリエット ドロテ・ジルベール、メラニー・ユレル、ミリアム・ウルド=ブラム、エヴ・グリンツスタジン 代役オーレリア・ベレ、マリー=ソレンヌ・ブレ、マチルド・フルステ

Clémence : Cozette ou Ciaravola ou Daniel ou Zusperreguy, remp. Dayanova, Hecquet
クレマンス エミリー・コゼット、イザベル・シアラヴォラ、ノルウェン・ダニエル、ミュリエル・ズスペルギー 代役サラ・コラ・ダヤノヴァ、ローラ・エケ

Béranger : Thibault ou Hoffalt ou Bodet ou Gaillard, remp. Ibot, Révillion
ベランジェ エマニュエル・ティボー、ジョシュア・オファルト、エイドリアン・ボデ、グレゴリー・ガリヤール 代役アクセル・イボ、ファビアン・レヴィヨン

Bernard : Carbone ou Isoart ou Meyzindi ou Valastro, remp. Marc Moreau
ベルナール アレッシオ・カルボネ、ジル・イゾアール、ジュリアン・メザンディ、シモン・ヴァラストロ、マルク・モロー

なお、「ライモンダ」は録画撮りが予定されています。エトワールのノミネもありそうですね。(やはり有望なのは、マチアスやステファン・ビュヨンでしょうか??)
ああ、いても立ってもいられません!


ニコラとオスタの夫婦生贄はちょっと勘弁して欲しいかも…ニコラの生贄は良いでしょうけどね。

2008/10/10

「ザハーロワのすべて」の詳細発表

ジャパンアーツのサイトに、「ザハーロワのすべて」の詳細が出ていました。
美しいチラシ画像もあります。
 
 
古典作品では知ることのできなかった新しいザハーロワ
「ザハーロワのすべて」
 
2009年 日本公演スケジュール   <日時>    <ホール> <問合> 
 4月29日(水・祝)16:00   神奈川芸術協会 【Aプロ】 神奈川芸術協会 045-453-5080          
 5月1日(金)18:30   東京文化会館 【Bプロ】 ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711           
 5月2日(土)18:00   東京文化会館 【Aプロ】 ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711           
 5月2日(土)18:00   東京文化会館 【Bプロ】 ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711  
 ※Aプログラム/Bプログラムでは、第2部の演目が一部変わります。
 
ボリショイ・バレエからの予定来日ダンサー 
 
[出演]
スヴェトラーナ・ザハーロワ Svetlana Zakharova 
アンドレイ・ウヴァーロフ Andlei Uvarov
ニーナ・カプツォーワ Nina Kaptsova
アンドレイ・メルクーリエフ Andlei Merkuriev
アルテム・シュピレフスキー Artem Shupilevsky
イワン・ワシーリエフ Ivan Vasiliev  
   
[主催] 朝日新聞社 / ジャパン・アーツ 
[後援] ロシア大使館 / 日ロ音楽協会
 
 [第1部]
≪カルメン組曲≫
(音楽:ビゼー/シチェドリン 原振付:アロンソ 改定演出:A&A.プリセツキー)
出演:ザハーロワ、ウヴァーロフ、シュピレフスキー、キエフ・バレエ
 
 
[第2部]
≪Revelation≫(振付:平山素子)ザハーロワ
≪ヴォイス≫(振付:パストール)ザハーロワ
≪「ドン・キホーテ」からパ・ド・ドゥ≫
≪「海賊」からパ・ド・ドゥ≫ 他
 
[料金]
S\16,000 A\13,000 B\11,000 C\9,000 D\7,000 E\5,000 
ジャパン・アーツ夢倶楽部会員 S\15,000 A\12,000 B\10,000 C\8,100 D\6,300 E\4,500 
 
発売予定
10月24日(金) 10:00a.m.〜発売  夢倶楽部ネット会員 
10月25日(土) 10:00a.m.〜発売  夢倶楽部会員 
10月27日(月) 10:00a.m.〜発売  ジャパン・アーツぴあネット会員 
11月09日(日) 10:00a.m.〜発売  一般  
 
なお、ザハロワのインタビューの第2弾も載っています。
 
****
とても面白そうな内容で、特に絶賛された平山素子さん振付の「Revelation」はぜひ見たかったので、今回私は観にいけない予定なのがとても残念です。
また、キエフ・バレエから出演する人もいるとのことですし、メルクリエフやワシリエフ君も出るし。
最初は「カルメン」はマトヴィエンコ出演の予定だったのが変更になったんですね。
ゴールデンウィークですからね…ううう。
 
 

マリインスキー・バレエのオレンジ・カウンティ公演/ロンドン公演とゲルギエフのインタビュー

マリインスキー・バレエは現在米国ツアー中です。オレンジカウンティのコスタ・メサでの公演は、10月7日より9日までが「ドン・キホーテ」、10日から12日までが「ジゼル」です。

オレンジカウンティ・パフォーミングアーツセンターのサイトでは、ちょっとだけ動画が観られますが、このジゼルはロパートキナですね。

10/7「ドン・キホーテ」Novikova-Sarafanov
10/8「ドン・キホーテ」Vishneva-Lobukhin
10/9「ドン・キホーテ」Tereshkina-Fadeev
10/10「ジゼル」Vishneva-Fadeev
10/11マチネ「ジゼル」Osmolkina-Sarafanov
10/11ソワレ「ジゼル」Nioradze-Korsakov
10/12「ジゼル」Osmolkina-Ivanchenko

というわけで、早速ロサンゼルス・タイムズに初日の批評と、写真のスライドショーが載っていました。メーンの写真がドリアードの女王(と街の踊り子)のエカテリーナ・コンダウローワであるというのが、彼女のアメリカでの人気を物語っているのかな?記事の中でもまるでこの夜の主役だったかのように絶賛されています。
ノーヴィコワのキトリは1幕は長いバランスを入れたり、片手リフトされながらタンバリンを鳴らすなど絶好調だったようですが、3幕になると、サラファーノフのバジルともども、慎重になってしまったようです。サラファーノフはリフトも跳躍や回転も正確で端正だったようですが、バジルらしい情熱に欠けていたところがあったようですね。

批評
http://www.latimes.com/entertainment/news/arts/la-et-kirov9-2008oct09,0,2136425.story?track=rss

スライドショー
http://www.latimes.com/entertainment/news/arts/la-et.1009.kirov-pg,0,1850259.photogallery?1


ロパートキナの「ジゼル」の動画は、シカゴ公演(「ジゼル」)が行われた Auditorium Theatreのサイトでちょっと観ることができます。(ロパートキナは、このアメリカ公演には参加していないようです)
http://www.auditoriumtheatre.org/wb/pages/home/performances-events/performances.php?event_id=198

こちらのキャストは、

Thursday, October 2, 2008 at 7:30PM: Diana Vishneva-Igor Kolb
Friday, October 3, 2008 at 7:30PM: Irma Nioradze-Evgeny Ivanchenko
Saturday, October 4, 2008 at 2:00PM: Olesia Novikova-Vladimir Shklyarov
Saturday, October 4, 2008 at 8:00PM: Irma Nioradze-Evgeny Ivanchenko
Sunday, October 5, 2008 at 2:00PM: Diana Vishneva-Igor Kolb

初日のヴィシニョーワとコルプの批評はこちら
http://www.chicagotribune.com/features/booksmags/chi-giselle-kirov-ovn-1004oct04,0,6452683.story

ヴィシニョーワは当代一のバレリーナとアメリカでも絶大な人気を誇っていますが、コルプのアルブレヒトも、完璧で息を呑むばかりに素晴らしかったようです。そしてここでも、ミルタを踊ったコンダウローワが絶賛されています。長身で美しい彼女は、ゴージャスかつリリカルだったそうです。

********
ところで、マリインスキー・バレエは同時にロンドンのサドラーズ・ウェルズでも公演を行います。マエストロ、ワレリー・ゲルギエフもこちらのツアーに同行するようで、タイムズ紙にインタビューが掲載されていました。

http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/stage/dance/article4876572.ece

ゲルギエフがオペラだけでなくバレエにおいても芸術監督を務めていることは、賛否両論を呼んでおり、バレエについて無知であることで彼はバレエ団に悪影響を与えており、バレエで得られた利益をオペラにつぎ込んでいるという批判も出てきているということは、この記事にも書いてあります。そのような批判に対して、ゲルギエフは「私の劇場においては、バレエはオペラと対等のパートナーである」とはねつけています。バレエについて、バレエ部門の芸術監督の仕事を、詳細に至るまで管理して、決定を下す裁量をほぼ与えずに監督しているのではという投げかけも否定しています。新しいバレエ部門の芸術監督、ユーリ・ファチェーエフは彼の意図に従う存在ではあるけれども。「私の役割は、このカンパニーが伝統を保ちながらも新しいものを創造するのに役に立つことをすることです」とのこと。

ただし、この「新しいこと」への挑戦は、2年前のロンドン公演での災難-「黄金時代」の再振付と、ショスタコーヴィチ・プログラムの不評と興行的な失敗を生んでしまいました。「ワジーエフ前芸術監督の、『黄金時代』における振付家の選択が失敗の元でした。振付家Noah Gelber にとって作品の荷は重すぎて、私は非常に気分を害しました。あの時に干渉をしなかったことについて、自責の念を抱いています。二度と、あのように行き過ぎた実験的な作品をやることはありません」

今回のロンドン公演は、前回よりもずっと規模が小さく、ロイヤル・オペラ・ハウスやコロシアムではなく、サドラーズ・ウェルズ劇場で、ダンサーも、国際的に有名なダンサーは抜きで若手中心です。エカテリーナ・コンダウローワ、オレシア・ノーヴィコワ、エレーナ・シェシナ、エフゲーニャ・オブラスツォーワはその中でも注目されるべきだとこの記事は書いています。(コンダウローワとノーヴィコワは、オレンジカウンティの公演にも出ていますよね?)

しかも古典作品ではなく、ウィリアム・フォーサイス、ジョージ・バランシン、そしてアレクセイ・ラトマンスキーと20世紀、21世紀の振付家の作品から構成されています。ゲルギエフは、過去の栄光がどんなに輝かしくても、カンパニーが過去にのみ生きていることを観るのは耐えられないと言います。
「私たちには、二つの「ラ・バヤデール」や「眠れる森の美女」は必要だろうか?」と彼は言い、暗にワジーエフ時代に行われた二つの作品の復元を批判しています。

「バランシンは実に私たちのカンパニーに似合っています。彼が自分の振付で何を語ろうとしているのかはよくわかります。彼は、私たちと同じ伝統から生まれており、決して離れることはなかったから」
そしてラトマンスキーについては、「我々が11年前にラトマンスキーをマリンスキーに招いた時、誰も彼のことを知らなかった。でも、私が信頼していた人々は、彼がとても面白くて芸術に造詣の深い人だと言ってくれたよ」 と、早くから目をつけていたことを誇りに思っているようです。

ゲルギエフ自身、10月15日の「アポロ」と「放蕩息子」の指揮を行う予定です。しかしながら彼がまだ無名だった24歳の時にサンクトペテルブルグで初めて指揮をしたときのことを思い出すと、今でも震えあがるそうです。それは「ロミオとジュリエット」でした。「プロコフィエフが作曲した時のテンポとまったく違っていたから、ひどいパフォーマンスだった」と彼は言う。「音楽の自然な流れこそが、指揮者がもっとも責任を負うべきものであり、ダンサーが要求しているものと必ずしも一致しているわけではない。翌日には、私は有名になっていた。なぜなら、誰もが、『ダンサーのために待たないこの指揮者の名前は?』と聞いて回っていたから」

*****
ゲルギエフの指揮が、必ずしもバレエダンサーにとって踊りやすいものではないのは、衆目の一致することでしょう。

フォーサイス・プロ 10月13日、14日

Steptext 「ステップテクスト」
Chor. Willam Forsythe
1 Ekaterina Kondaurova
2 Igor Kolb
3 Mikhail Lobukhin
4 Alexander Sergeyev

Approximate Sonata 「アプロキシメット・ソナタ」
Chor. Willam Forsythe
1st Pas de Deux Elena Sheshina
Andrey Ivanov
2nd Pas de Deux Ryu Ji Yeon
Islom Baimuradov
3rd Pas de Deux Anastasia Petushkova
Anton Pimonov
4th Pas de Deux Ksenia Dubrovina
Alexey Nedviga
Pianist (Solo) Liudmila Sveshnikova

Vertiginous Thrill of Exactitude 「精密の不安定なスリル」
Chor. Willam Forsythe
1 Elena Androsova
2 Olesya Novikova
3 Evgenya Obraztsova
1 Vladimir Shklyarov
2 Maksim Zyuzin

In the Middle, Somewhat Elevated 「インザミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」
Chor. Willam Forsythe
1 Irina Golub
2 Ekaterina Kondaurova
3 Olesya Novikova
4 Elena Sheshina
5 Evgenya Obraztsova
6 Ksenia Dubrovina
1 Mikhail Lobukhin
3 Alexander Sergeyev
2 Anton Pimonov

15日、16日
バランシン・プロ

Apollo アポロ
Chor. George Balanchine
Apollo Igor Zelensky
Terpsichore Ekaterina Osmolkina
Calliope Nadezhda Gonchar
Polyhymnia Irina Golub
Leto Anastasia Petushkova

Middle Duet ミドル・デュエット
Chor. Alexey Ratmansky
1st couple Ekaterina Kondaurova
Islom Baimuradov
2nd couple Ksenia Dubrovina
Alexander Sergeyev
White Angel Ivan Sitnikov
Dark Angel Andrey Ushakov

Tchaikovsky Pas de Deux チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
Chor. George Balanchine
Vladimir Shklyarov
Olesya Novikova

The Prodigal Son 放蕩息子
Chor. George Balanchine
The Prodigal Son Mikhail Lobukhin
Siren Ekaterina Kondaurova
Friends Anton Pimonov Grigory Popov
Father Petr Stasyunas
Sisters Anastasia Petushkova Ryu Ji Yeon

追記:Orange County Registerの記事、写真スライドショーです。
記事
http://www.ocregister.com/articles/kirov-ballet-many-2184416-kitri-old
スライドショー
http://www.ocregister.com/slideshow/kirov-ballet-many-2184416-kitri-old?pos=0

こちらも一枚目は、エカテリーナ・コンダウローワでした。エスパーダの Konstantin Zverev って知らないダンサーなのですが、写真を見る限りでは長身でとてもカッコいいですね。コリフェです。
Ballet Talkのフォーラムでは、相変わらずアリーナ・ソーモワのドリアードの女王が「グロテスク」って書かれていました(笑)

2008/10/08

ボリショイ・バレエ来日公演プレトーク

ボリショイ・バレエ2008blogからのお知らせです。

http://bolshoi-ballet.seesaa.net/article/107724987.html

以下引用です

12月3、9、10日の開場時に、プレトークを行います!
会場(東京文化会館)のステージ上から、芸術監督のラトマンスキー氏とダンサーが、公演のみどころなどをお話する予定です。
どのダンサーが登場するかは当日のお楽しみです。
プレトークは、公演チケットをお持ちの方でしたら、どなたでもお聞きいただけます。

★12/3「ドン・キホーテ」 17:50ごろから  「今年の公演はここに注目!」
★12/9「明るい小川」 18:20ごろから  「明るい小川」のみどころ
★12/10「明るい小川」 18:20ごろから  「明るい小川」のみどころ

******
プレトークは面白い企画ですし、特に「明るい小川」を振り付けたラトマンスキーの話は聞きたいのですが、平日のこの時間は厳しいです…師走ですし。頑張って走って行きますが。ダンサーは誰が出るか楽しみですね!

6/28 マチネ パリ・オペラ座「椿姫」La Dame aux Camelias(まだ途中)

舞台を観てからもう3ヶ月以上経ってしまって、忘れてしまった部分も多々あるので(今まで全然書く余裕がなくて)覚えているところだけ、備忘録として書いておきます。

La Dame aux Camelias John Neumeier
Palais Garnier

Marguerite Gautier Eleonora Abbagnato
Armand Duval Benjamin Pech
son Pere, Monsiuer Duval Andrei Klemm

pianos Emmanuel Stosser, Frederic Vaysse-Knitter

Prologue
Prudence Duvernoy Muriel Zusperreguy
La Duc Laurent Novis
Nanine Beatrice Martel
Le Comte de N Simon Valastro
Un Pianiste Frederic Vaysse-Knitter

Acte 1
Manon Lescaut Laura Hecquet
Des Grieux Christophe Duquenne
Trois Soupirants de Manon Audric Bezard, Vincent Chaillet, Alexis Renaud
Olympia Mathilde Froustey
Gaston Rieux Josua Hoffalt Karl Pacqeute

パリに朝4時に到着して、先に来ていた友達と延々と朝食、買い物、昼食をした後に休まずにマチネ公演。なので、眠くなってしまったらどうしよう、しかも席も1階席のサイドのボックス2列目と舞台には近いもののあまり良くないし、と不安だった。が、この「椿姫」という作品の前では、そんなのは杞憂だった。

エレオノーラ・アッバニャートのマルグリットとバンジャマン・ペッシュのアルマンといえば、去年のルグリと仲間たち公演で「椿姫」2幕の「白のパ・ド・ドゥ」を踊った二人だけど、このときの踊りが大不評だった。エレオノーラをよっこらしょと荷物を抱えるように持っていたバンジャマンのへっぴり腰が、なんて言われていたりして。ところが、さすがに全幕なので気合の入り方が違っていたのか、それとも1年足らずの間に大進歩したのか、この二人はとても魂のこもった、素晴らしい「椿姫」を見せてくれた。

バンジャマンのアルマンは、とにかく情熱的というか、熱い男だ。プロローグで、亡くなったマルグリットの遺品が運び出されていく中、悲報を聞いて駆け込んでくるアルマン。遺されたマルグリットの青いドレスの残り香を嗅ぎ、そしてバッタリと倒れこむ。アルマンはこの舞台で何回も走るのだけど、走る時の勢いがすごくてスピードが一番速かったのが、バンジャマンだったのだ。並々ならぬ気迫が感じられる。本来バンジャマンってチョイ悪男の雰囲気があるのに、ここではそれを封じ込めようと真面目で堅物っぽいイメージを作っていて、だからこそ、まっすぐで走り出したら止まらないというイメージ。

エレオノーラのマルグリットは、ノイマイヤーの「椿姫」のマルグリットのイメージからすると若い。デュマ・フィスの原作によれば、実際にはマルグリットは高級娼婦とはいえ、20歳そこそこと若いという設定になっているのだが、どうしてもマリシア・ハイデの映像の印象が強いので、美しいけどやや年嵩の女性と思い込んでしまう。金髪に猫っぽい雰囲気のエレオノーラは、時分の花という感じで、華やかで美しく、しかし高嶺の花らしいオーラと、若いのに似合わない仄かな倦怠感を漂わせている。彼女の美しさを讃える崇拝者に囲まれていても、決して本心は見せないし、うまくはぐらかせるところに、かえってどこか憐れさも感じさせる。

そんな彼女に言い寄るのが、シモン・ヴァラストロ演じるN伯爵。ヴァラストロのN伯爵は可愛らしくて、全然マルグリットに相手にされていない、鼻も引っ掛けてもらえないのにプレゼントを手に一生懸命に言い寄っていて、とてもかわいそうなキャラクター。その哀しさを絶妙に表現しているのがヴァラストロ。途中でピエロの格好までして踊るんだけど、その衣装も似合うこと似合うこと。3幕で見るからに病み衰えたマルグリットに最後まで優しくするのが彼なのよね。優しくて、哀しいそんなN伯爵を、実にヴァラストロは好演していたと思う。まさにはまり役。

(続く)

2008/10/07

ESPRIT~エスプリ~ Les Ballets de Roland Petit~ローラン・プティの世界~

イープラスを見たら、Esprit~エスプリ~の発売情報が載っていました。

ESPRIT~エスプリ~ Les Ballets de Roland Petit~ローラン・プティの世界~

http://eplus.jp/sys/T1U90P0101P006001P0050001P002025062P0030002P0030004P0030001P0007

神奈川県民ホール 09/4/17(金) 7時開演
グリーンホール相模大野 大ホール 09/4/21(火)7時開演
Bunkamura オーチャードホール 09/4/23(木)、09/4/24(金)7時開演
※音楽は特別録音テープを使用します

一般発売は 11/7(金)10:00 からだそうです。チケットの値段は、
S席:\12,000
A席:\9,000
B席:\6,000

予定プログラム:「白鳥の湖」第2幕より【日本初演】 音楽:チャイコフスキー/「アルルの女」より 音楽:ビゼー/「プルースト~失われた時を求めて~」より 音楽:フォーレ/他 多数
出演ダンサー:草刈民代/ルイジ・ボニーノ/マッシモ・ムッル/リエンツ・チャン/イーゴリ・コルプ 
振付:ローラン・プティ プロデュース:草刈民代

だそうです。

で、コメントで「草刈民代さんは5演目踊られる」ということを教えていただきました。

MSN産経ニュースで、草刈民代さんの記者会見が詳しく載っていて、そこで5演目踊るとおっしゃっていますね。無理してそんなに踊らなくてもいいのに…。会見の中で出てきたプティ作品の名前は「若者と死」「ノートルダム・ド・パリ」ですが、それを踊るとは限らないわけだし。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/081007/tnr0810071705025-n1.htm

「4月5日、愛知県芸術劇場を皮切りに、24日の東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールまで、全国11カ所で12公演を行う。」とありますので、他の会場の情報もそのうち載るでしょう。

まだ光藍社さんのサイトには何も出ていません。そのうちDMが来ることでしょう。


<10月8日追記>
4月12日(日曜日)16時開演 宇都宮文化会館 の公演がイープラスに追加されていました。
また、現在載っている横浜、相模大野、渋谷公演はいずれも7時開演です。

光藍社さんのサイトでも詳細が出ました。
http://www.koransha.com/ballet/esprit2008/index.html

草刈民代プロデュース
『Esprit~エスプリ~ ―ローラン・プティの世界―』

2009年4月5日(日) 愛知県芸術劇場
2009年4月7日(火) 岡山シンフォニーホール
2009年4月8日(水) 静岡市民文化会館
2009年4月11日(土) 青森市文化会館
2009年4月12日(日) 宇都宮市文化会館 16時開演(eプラスによれば 11/15一般発売)
2009年4月14日(火) 東京エレクトロンホール宮城
2009年4月16日(木) 新潟県民会館
2009年4月17日(金) 神奈川県民ホール19時開演 11/7(金) 一般発売
2009年4月19日(日) 兵庫県立芸術文化センター
2009年4月21日(火) グリーンホール相模大野19時開演 11/7(金) 一般発売
2009年4月23日(木) Bunkamuraオーチャードホール 19時開演 11/7(金) 一般発売
2009年4月24日(金) Bunkamuraオーチャードホール 19時開演 11/7(金) 一般発売

バレエ一色」のほみさんが詳しいエントリを上げてくださっているので、そちらもご覧ください。
http://homiahitoiro.blog60.fc2.com/blog-entry-377.html

10/14追記
イープラスに特設サイトができていました。
http://eplus.jp/sys/web/s/esprit/index.html

予定演目と、出演者のプロフィールが載っています。

※振付はすべてローラン・プティ作品

● ジムノペディ
音楽:エリック・サティ

【日本初演!】
● 「白鳥の湖」 第2幕より
音楽:P.I.チャイコフスキー

● オットー・ディックス~切り裂きジャック~
音楽:アルバン・ベルク ルル組曲

● コッペリウスと人形「コッペリアより」
音楽:レオ・ドリープ ● 「アルルの女」より
音楽:ジョルジュ・ビゼー

● モレルとサン=ルー侯爵 パ・ド・ドゥ
「プルースト ~失われた時を求めて~」より
音楽:ガブリエル・フォーレ

● 小さなバレエ「ダンシング・チャップリン」より
音楽:チャーリー・チャップリン

● チーク・トゥ・チーク
音楽:アーヴィング・バーリン

※上記は2008年10月6日現在の予定です。演目が変更する場合もございますので、予めご了承ください。

NBSニュース(パリ・オペラ座バレエ学校、佐々木忠次氏コラム最終回)/ダーシー・バッセル「Viva La Diva」

今日NBSニュースが届いていましたが、バレエ関係は、パリ・オペラ座バレエ学校来日のニュースと、シュツットガルト・バレエのジェイソン・レイリーのインタビューくらいでした。それから、佐々木忠次氏の毒舌が炸裂していた「起承転々」が今回で連載終了ということで、毎月の楽しみがひとつ減ってしまいました。不定期で掲載していくそうですが。最近、NBSの公演で見かける佐々木氏が急に老け込んでいて、身体の具合も良くなさそうなので、とても心配です。日本のバレエ界のためにも、長生きして欲しいですよね。なお、「起承転々」は来月、新書館より書籍化されるそうです。

パリ・オペラ座バレエ学校の公演サイトもいつの間にかできていましたね。
http://www.nbs.or.jp/stages/0904_paris-opera/index.html
上演作品「ペシェ・ド・ジュネス」「スカラムーシュ」「ヨンダリング」の紹介、そして生徒たちのとても可愛らしい写真の数々や、エリザベット・プラテル校長の指導する姿が見られます。

******
韓国のReinaさんのブログで教えていただきましたが、ダーシー・バッセルとメゾソプラノのキャサリン・ジェンキンスが2007年12月と2008年5月に出演したミュージカル・ショー「Viva La Diva」がDVD化されて、amazon.co.ukで11月10日に発売されます。実はこの「Viva La Diva」に、先日ロンドンのサドラーズ・ウェルズで観たマシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」でバジル役を演じたアーロン・シルズが出演しているそうなのです。アーロンはとても魅力的なダンサーだったので、彼も観られるんだったらこのDVD欲しいな。他にも、ロイヤルのギャリー・エイヴィス、そしてマシュー・ハートも出演していたようです。DVDに入っているかは判りませんが、ジョナサン・コープも!

http://www.vivaladivashow.com/

なお、このamazon.co.ukのサイトでは、短いですが、ダーシーとキャサリンのコメント映像が観られます。でもダーシーは今は完全に引退してしまって、今は家族とオーストラリアに移住されてしまったんですよね。オーストラリア・バレエの「白鳥の湖」を振付けたグレアム・マーフィが最近まで芸術監督を務めていた、Sydney Dance Company.のボードメンバーとなったそうです。まだまだ踊れそうだったのにもったいないですよね。

http://www.reuters.com/article/lifestyleMolt/idUSSP20517420080727

Viva La Diva - Darcey Bussell and Katherine JenkinsViva La Diva - Darcey Bussell and Katherine Jenkins
Various

Warner Music Entertainment 2008-11-10
Sales Rank : 2333
Average Review

See details at Amazon
by G-Tools
Live at the 02 ArenaLive at the 02 Arena
Viva La Diva

2008-11-18
Sales Rank :

See details at Amazon
by G-Tools

2008/10/06

ジャパンアーツのボリショイ・バレエブログにザハロワのインタビュー

ジャパンアーツのボリショイ・バレエ2008ブログに、スヴェトラーナ・ザハロワのインタビューが掲載されています。第一弾のようで、まだ続くみたいですね。

ザハロワのポートレートがもう美しい~です。海外など外部で踊る場合でもボリショイの稽古場を使うことができるのだそうですね。ボリショイ劇場といえば来年新国立劇場の「椿姫」がザハロワ主演で上演される予定ですが。

彼女は往年の名プリマ、リュドミラ・セメニャカの指導を受けているのですが、実際に動いて教えてくれるのだそうです。体の構造や感情の流れについても教えてもらったり、現役時代の話も参考になるとのこと。そういえばセメニャカには「ライモンダ」の素晴らしい映像がありますが、ザハロワのボリショイでの映像って「ファラオの娘」しかないんですよね。ボリショイは最近は新しい作品しか映像に残していないので、ザハロワ主演の古典を収録して欲しいって思います。ミラノ・スカラ座での映像は色々出ていますが…。

ザハロワといえば、現代最高の白鳥の一人とされていますが、最初に『白鳥の湖』に主演したのは、20歳の時で、以来、10年近く踊っているけれど、未だに難しいそうです。グリゴローヴィチの指導を直接受けたのは今年の4月の「スパルタクス」が初めてだったとのこと。ザハロワはエギナを踊ったんですよね。ザハロワのエギナってなかなか想像がつかないので、観てみたいです。「自分のイメージ通りだ」とグリゴローヴィチに褒めていただけて、嬉しかったそうです。ますます興味しんしんですよね。次回のボリショイの来日公演は「スパルタクス」でお願いしたいです。ボリショイのオーケストラつきで。

******

このボリショイ・バレエ・ブログのちょっと前の記事には、「明るい小川」の作品紹介が載っています。写真入でストーリーを詳しく紹介しているので、予習にぴったりですね。楽しい雰囲気が伝わってきます。2日間とも観に行くので今から楽しみなのですが、ルンキナの出演はどうなるんでしょうか?

それから、マリーヤ・アレクサンドロワのインタビューも載っています。またこの前髪パッツンのヘアスタイルが可愛らしいですね。主に「明るい小川」について語っています。ユーモアのある楽しい作品なので、子どもも楽しめる、ファミリー向けの作品とのことで、ますます楽しみになってしまいます。役作りについては、マーシャは徹底的に考える方だそうで、自分が踊る作品の題材となったものがあれば、その資料や文献には必ず目を通し、美術館に行って徹底的に研究することもあるとのことです。どの作品も舞台に立つ前のメイクは自分でするし、ヘアスタイルなども指示されたままではなく、役を考えて自分の意思を担当に伝えて、役になりきるそうです。一応、彼女が出演する公演は全部見る予定なので、3つの演目で、それぞれどんなマーシャが見られるのか、ワクワクしますね。

「アイアンマン」Iron Man

バレエのシーズンオフで、すっかり映画ブログとなってきた感じだけど…。

「アイアンマン」
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニーJr.
   テレンス・ハワード
   グウィネス・パルトロー
   ジェフ・ブリッジス

http://www.sonypictures.jp/movies/ironman/
http://www.imdb.com/title/tt0371746/

観た人の評判がいいのもよくわかる、面白い映画だった!

オープニングが、アフガニスタンでラジカセ?から流れるAC/DCの「バック・イン・ブラック」、エンディングがお約束のブラック・サバスの「アイアンマン」という選曲がまずツボ。

アイアンマンが巨大軍需企業の社長なんだもの。大金持ちで、天才科学者で、女性にモテモテで、チョイ悪系イケメンで、ギャンブル好きで、スピード狂で、社長。こういう陽性のヒーロー、いいな~。 アメ込みの主人公はダークヒーローが多いので、彼の明るさ、ちょっと能天気でやんちゃなところが余計気持ちよい。

しかも、ロバート・ダウニーJrが社長。クスリでたびたび捕まって、「アリーmyラブ」を降板させられた時には、この人も終わっちゃったのかと思ったら、華麗なる復活。キャンペーンで来日したと聞いた時には感慨深かったですわ。そこらへんのイケメンじゃなくて、身長が本当は173cmで、グウィネス・パルトロウより絶対に背が低いので底上げしている。だけど睫の長いパッチリしたお目目が可愛いのに、渋くてチョイ悪の彼なのがいい。 (というか、彼が主役だから観に行ったようなもの)

シャチョーなのに、自分で手作りでアイアンマンを組み立てるところが職人みたいでカッコいい。自分で何回も実験して、失敗して消火剤かけられたり、壁にぶつかったりするのが可愛い。自分の会社が輸出した兵器が人々を傷つけているのを見つけてすぐに兵器製造をやめますって一瞬で悔い改めて転向するところがまたナイーブでいいわ。モテモテなのに、ドレスを着た秘書嬢に急にときめいたり、告白できなかったりするところもキュートだし。 きわめつけは、あの記者会見のアドリブと、大喜びする記者連中!

手作りアイアンマン1号でアフガニスタンを脱出する時に、あんなにボコボコにされたり、弾があたっているのに全然平気そうなところは、中の人(=社長)もアイアンマンなのね。

ありえないスピードで急上昇したり、村に降り立って人々を一瞬で助けたり、すんごい爽快感があるし、装着する時のガチャンガチャンする音が渋い。大人が見ても楽しい、なんともいえない洒落心をくすぐる映画だった。

ところで、ジェフ・ブリッジスが出ていたのは、エンドクレジットが出るまで気がつかなかった(大汗)。まだまだ甘い私。


初めて「007 慰めの報酬」の予告編を観たんだけど、前の日に観た「愛の悪魔」でフランシス・ベーコンの繊細なヒモ愛人を演じていたダニエル・クレイグのボンドがえらく渋くていかしていて、これが同じ人かと思うほど。

2008/10/05

ジョン・エヴァレット・ミレイ展

大好きなミレイの回顧展がBunkamuraザ・ミュージアムで開催されるということで、絶対に観に行かなくちゃと思っていた。ようやく観に行けて良かった!先月のロンドン行きでテート・ブリテンに行ったものの、もちろん「オフィーリア」と「マリアナ」は無かったわけで。土曜日の夜に行ったのだけど、遅い時間の割には人は入っていた。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_jemillais/index.html

1枚目に展示されていた、ミレイ10歳の時の「ギリシア戦士の胸像」のチョーク画で、彼の光と影を捉える才能のすごさに驚く。初期の作品からして、ドラマを描く早熟な視線を感じさせる。「オフィーリア」は、彼がまだ23歳の時の作品だったというので驚きだ。この絵の吸引力はやはり尋常ではない。テート・ブリテンでもっとも絵葉書が売れている作品なのだそうだ。オフィーリアの周囲に点在する花々は、「ハムレット」の中の彼女の台詞の中に登場するものであり、一つ一つに花言葉があって、オフィーリアの運命を象徴している。植物学の講義に使われたほど正確に描かれているそうだ。まだ血の気がほんのりと残る、白く柔らかそうな肌、半開きの口、そして少し閉じられた目。殉教者のように広げられた手。オフィーリアが流れていった深い森と川の深さが感じられる。モデルのエリザベス・シダル(のちのロセッティ夫人)を実際に浴槽に入れて描いたため、彼女がひどい風邪を引いてしまったそうだ。

ミレイは家族をモデルに描いた作品も多く、特に娘たちをモデルにした作品は微笑ましい。5歳の長女エフィーをモデルにした「初めての説教」と「二度目の説教」の表情の違いが愛らしくも面白い。初めての説教では緊張してきりっとした顔をした女の子が、二度目ではスヤスヤ。

「どうかご慈悲を!1572年のサン・バルテルミの虐殺」「しゃべってくれ!」などのドラマを感じさせる作品の冴えはさすがだ。登場人物たちの心情や、動きが手に取るようにわかる。

「安息の谷間 疲れし者の安らぎの場」の墓場に佇む若い尼僧の崇高な表情と黄昏時の空の色、水平線がかもし出す生と死と美のハーモニーも印象的。

「ベラスケスの思い出」の金髪の少女の沈んだ表情と鮮やかなスペイン風の衣装、暗い背景の作り上げる雰囲気には、ひきつけられてやまない。フランシス・ベーコンといい、ベラスケスが後世の画家のインスピレーションの果てしない泉であったことを思い知らされる。ミレイは、少女をモデルにした作品を多く描いているけど、一部を除いてどの少女も、表情が大人びていて、内面の思慮を感じさせる。表情を捉える達人だったに違いない。

人気作家となったミレイは、多くの上流階級の人々の肖像画を描いているが、「ハントリー公爵夫人」はオーレリー・デュポンを思わせる、華やかながら凛とした美しい女性だ。これらの作品群はどれも、流行のファッションを取り入れていて、美しいながらも、その背景に何があるのか、思わず詮索したくなってしまう。

そして最後の風景画がどれも素晴らしい。「露にぬれたハリエニシダ」の、木立の中で朝露がキラキラ光る様子と、乱反射するあめ色の光、秋を思わせる色合い。中央に漂い天に抜けていく光に思わず吸い込まれそうだ。風景画のイメージがあまり無いミレイだけど、「オフィーリア」に描かれていた森のディテールを思うに、自然を描くのも卓越した力を感じさせる。

Bunkamuraザ・ミュージアムでのミレイ展は10/26まで。

テート・ブリテンの「オフィーリア」特設サイトも面白いです。
http://www.tate.org.uk/ophelia/

井上バレエ団の「くるみ割り人形」に元ABTのヘスス・パストール

球面三角」のuno様に教えていただきましたが(いつもお世話になっております)、井上バレエ団の「くるみ割り人形」に元ABTのヘスス・パストールがゲスト出演するようです。

井上バレエ団のサイトにはまだ出ていませんが、ぴあの発売情報に出ていたとのことです。

■井上バレエ団『くるみ割り人形』全2幕

12月23日(火・祝)17:00
12月24日(水)18:00
会場:文京シビックホール

S席:8,000円 A席7,000円 B席:5,000円 C席:3,000円
一般発売:10月11日(土)

http://ent.pia.jp/pia/event.do?eventCd=0843465

ABTを昨年退団してから、故郷スペインの公演に出演したり、自分のプロデュース公演はやっていたようですが、基本的に普段何をやっているのかまったく不明だったので、びっくりのニュースですね。しかも「くるみ割り人形」の王子なんて踊ったことあるの?と思ってしまうのですが。

ちょうどこの時期って、公演が重なりまくり、の時期で、私も12月23日は大好きなマイレンが主演の新国立劇場「シンデレラ」が2時からのマチネなので、23日には開演時間に間に合うか微妙、その上24日の公演はまだ仕事があるというのに6時開演、という鬼のような時間設定です。

井上バレエ団の「くるみ割り人形」は去年も観に行きました。去年のゲストは、元オーストラリア・バレエ、現在香港バレエ団の藤野暢央さんでした。フリッツを演じたアクリ瑠嘉くんが可愛かったです。それにピーター・ファーマーの美術も素敵でした。

<追記>
井上バレエ団のサイトにも出ました。
http://www.inoueballet.net/information/

           23日    24日
金平糖の精     島田 衣子  宮嵜 万央里
王子         ヘスス・パストール
雪の女王      小髙 絵美子 西川 知佳子
雪の王子      小林 洋壱
ドロッセルマイヤー 堀 登
花のワルツ     西川 知佳子 田中 りな

「愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」 Love is the Devil: Study for a Portrait of Francis Bacon

監督:ジョン・メイブリィ
出演:デレク・ジャコビ、ダニエル・クレイグ、ティルダ・スウィントン

http://www.imdb.com/title/tt0119577/

(この感想は、1999年2月に劇場で観たときの感想に、DVDで再見した時の感想を加筆修正したものです)

20世紀を代表する現代美術家の一人として著名なフランシス・ベイコンと、その愛人ジョージの関係を描いた作品。ベイコンの作品といえば、手近に観られるものとして花村萬月の芥川賞受賞作品「ゲルマニウムの夜」の表紙が挙げられるが、独特の強烈な作風で知られている。わたしも何度か美術館で見たことがあるが、痛切な痛みを感じさせる、叫びのような絵だ。

残念ながら、ベイコンの実際の作品は映画化を遺族に賛同してもらえず、この映画には登場しない。しかしながら、彼の芸術の世界は、映像の工夫で随所に現れている。食器や窓ガラスに映る歪んだ表情、乱雑なアトリエの中の丸い鏡やテーブル、ジョージの悪夢の中に現れる無間地獄のようならせんや全身から血を流しながら飛び降りようとする人物・・・。

何しろ、ベイコンという人物は強烈だ。彼を演じるサー・デレク・ジャコビは本当にそっくりの外見をしているのだが、見るからに変態である。どういう変態かというと、映画「戦艦ポチョムキン」の有名な、乳母車が階段を落ちていくシーンを見てマスターベーションしてしまうのだ。もちろん、ホモセクシャルであることを公言している。彼は常に自分が中心でなければ気が済まず、傲慢で、ジョージにはサディストのように振る舞いながらも、性的にはマゾヒストである。とても身なりに気を使っていて、街に出かけるときには化粧までして歩いている。この映画の舞台となった1964~71年頃にはすでに50代であったのに、だ。彼は、まわりの人間からエネルギーを吸い取って自分のパワーにしてしまう、ブラックホールのような人物である。それに対し、ジョージという人間は小悪党で平凡で、ベイコンの作品のモデルとしてもっとも多く登場しているにもかかわらず、どのような人物であったかの記録もほとんど残っていない。凡人は天才にそのエネルギーを吸い取られるよう運命づけられていたのだ。

そんなベイコンとジョージ・ダイアーが知り合ったきっかけというのは、なんと、ジョージが泥棒としてベイコンのアトリエに侵入したことであった。「ベッドにくれば、ほしいものをやろう」とベイコンに誘われ、若くてハンサムでありながらも、何回も懲役刑をくらっているチンピラであったジョージは、この怪物のような芸術家の愛人としてともに暮らし、愛の地獄を味わうことになる。演じているのは、いまやジェームズ・ボンド俳優として大スターになった若き日のダニエル・クレイグ。本来の金髪を黒く染めて、ダイアーに似せようとしている。顔立ちそのものは似ていないのに、有名なダイアーの横顔の写真や肖像と似ているのが面白い。見るからに居心地が悪そうで、ハンサムな外見とは裏腹に落ち着きがなく、常に不安に苛まれている様子、心がどんどん蝕まれていく様子が見えて、心が痛くなる。ベイコンと沿い寝するするときの無垢な寝顔、ベルトで彼を鞭打ってから「ごめんなさい」と謝る様子、そして不器用な愛の告白。この作品は、ジョージの心情に寄り添って、フランシスという人間を描いているのだ。

ベイコンは、ジョージの無教養だが無垢な面を愛し、それを自分の創造活動の源とした。実際、ジョージをモデルにした作品はかなり多く存在しており、ベーコンの作品の中でも強い印象を残す作品ばかりである。ジョージにいいスーツを着せ、仲間と入り浸っている酒場やカジノ、瀟洒なレストランに連れていき社交活動にいそしむ。しかし、教養のないジョージはそこに入り込むことができず、侮辱される思いをする。そして、麻薬や酒におぼれていき、自分自身をも見失ってしまう。夜毎見る悪夢。

酔っぱらったジョージをカジノに放置し、他の男性を部屋に引っ張り込んで彼を閉め出してしまうベイコンの仕打ち。ジョージは自殺未遂をしたり、麻薬があることを警察に密告したりして、彼の元を離れようとする。しかしながら、ベイコンの言葉の通り「一度磨かれた原石は二度と元には戻らない」。ジョージは結局ベイコンの元を離れられない。離れようとしたら、死を選ぶしかなかった。

デレク・ジャコビの演技は強烈だ。本当に狂気と変態性を併せ持った天才にしか思えない。中でも、3面の鏡の前でまるで娼婦のように婉然と微笑み化粧するシーンにはゾクッとする。カオスを表現した坂本龍一のスコアも素晴らしい。意外とわかりやすい作品になっていて、ベイコンという人間のすさまじい業を感じさせてくれる。

DVDを観るにあたって、特典映像のひとつ、1998年にこの作品がカンヌ映画祭の「ある視点」部門に出品された時のインタビューを見た。監督ジョン・メイブリィは、将来ダニエル・クレイグは必ずやスターになるだろうと予言しており、実際にその予言が当たっていたのには驚いた。このときのダニエルは若く、ほっそりとして、ナイフのように切れ味鋭い感じ。まだこのときにはほとんど映画に出ていなかったのに、その後の活躍は広く知られることになるわけだ。

2008/10/04

「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」In the Realms of the Unreal

先週末に実家に帰ってテレビを見ていたら、NHKの「迷宮美術館」で、ヘンリー・ダーガーの「非現実の王国で」を取り上げていた。彼についてのドキュメンタリーが映画化されたのは知っていたし、とても興味があったけど映画館で観に行きそびれてしまった。その独特の色彩感覚、「ヴィヴィアン・ガールズ」という7人の少女たちの愛らしい造形、独創性と残酷さはものすごいインパクトがあり、思わず引き込まれてしまった。ちょうど、映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」がDVD化されたというタイミングだったので、早速購入して観てみた。

http://henry-darger.com/

孤独な人生を送った一人の貧しい老人。50年以上病院の雑役夫として働いていた彼が老人ホームに引っ越す際にアパートに残された荷物の中から、家主が見つけたのは、自分ひとりのために綴った「非現実の王国で」という15,000ページを超える大長編小説の原稿と、数百枚に及ぶ挿絵。家主夫妻が芸術家だったことこともあり、彼らは、この作品の独創性に驚愕する。そして、彼らは、ヘンリーの作品を世に出すために奔走する。死後、彼の作品は急速に評価を得るようになって、多くのアーティストのインスピレーションを刺激し続けている。

この映画では、ダーガーが19歳から81歳で亡くなるまでの60年以上をかけて、仕事を終えてアパートに帰ると、彼の頭の中で繰り広げられていた物語を綴った結果作られた「非現実の王国で」の美しくも残酷な世界を、アニメーション化した映像で表現しながら、生前の彼を知る大家のキヨコ・ラーナー(名前や容貌からしても日本人もしくは日系人?)ら近隣の人々の証言を交え、そして彼の生涯を振り返って、なぜこのような作品が生まれたのかを追っている。

ヘンリー・ターガーという人は、貧しい生まれから孤児院で育ち、しかも実際にはとても賢かったのに知的障害児と間違った診断をされて施設に入れられ、虐待を受ける。孤児院の農場で働かされた後、脱走。もちろんまともな教育を受ける機会もなかった彼は、病院の雑役夫として働きながら、一度は徴兵される。が、軍隊が耐えがたかった彼は、目が悪いふりをして除隊。以降、74歳で仕事を引退させられるまで引き続き病院の雑役夫として働き、退職した後までも、ほとんど誰とも交流することなく、アパートの部屋に引きこもって、誰にも知られることなく壮大な大叙事詩を創り上げていた。

この作品の正式な題名は、『非現実の王国として知られている国の、ヴィヴィアンの少女たちの物語。あるいは子供奴隷の反乱が引き起こしたグランデーコ=アンジェリニアン戦争の嵐の物語』という長い題名の戦争記。平和国家「アビエニア」を率いるのは、ヴィヴィアン・ガールズと言われる7人の幼い姉妹達。彼女たちは乗馬と射撃、変装の名人で、子供を奴隷にして虐待の限りを尽くす極悪国家「グランデリニア」と勇敢に戦う。

かくのごとく、日の当たらない生活をしていたダーガーが創り上げた世界は、カラフルでポップで美しく、ヴィヴィアン・ガールズという女の子たちもとても愛らしい。ダーガーは女性のイラストや写真が載っている新聞広告、ちらしなどを集めて切り取り、少女の絵の輪郭をトレースして着色するという独特なコラージュ方法を取って作品を描いた。同じモデルを使ってトレースするため、同じ顔をした少女たちが何人も登場して、独特の効果を上げている。

女の子たちは、時には翼が生えたりしているし、可愛い服を着ているけど、裸でいることもある。胸がなくて、ペニスが生えている女の子たち。ダーガーは生涯女性を知ることがなかったので、女の子にもペニスがあるものだと思い込んでいたらしい(別の説もあり)。ヴィヴィアン・ガールズが画面の上で動いている!その姿を見られただけでも、このDVDを購入してよかったと思う。ヴィヴィアン・ガールズによく似ているダコタ・ファニングがナレーションをしているというのも素晴らしい。

極彩色の花が咲いている美しい田園風景の中で、戦争が繰り広げられる。子供たちは裸で縛られ、吊り下げられ、磔にされ、拷問され、首を絞められる。時には、女の子たちが腹を切り裂かれて内臓まで撒き散らしている地獄絵図が展開する。美しく残酷な物語は、孤児院で虐待された彼の心の傷を反映したものだという。否応なく現実の残酷さが現れてしまっているのだ。また、徴兵された彼の戦争体験の影響もあったという。 子供たちを虐待する者は許さないという彼の強い思いが反映されている。ヘンリー・ダーガー自身が、アビエニア軍の将軍などとして登場しているのだ。

彼は意図的に自分のためだけの別世界「非現実の王国」を作り上げたのだった。人は想像の力だけで生きていくことができるのだろうか?心の中に作り出した虚構の人間関係やコミュニティーを、現実世界のそれと置き換えてしまえるのだろうか?ということがテーマになったと監督は言う。

しかし映画を観て感じたのは、このような貧しく一人ぼっちで過ごしている変わった老人(彼の部屋からは毎晩のように二つ以上の話し声が聞こえてきていたと言う)を気にかけている地域の人々がいたということ。人間関係が不得手でほとんど誰とも交流を持たなかったという彼だけど、家主のキヨコ・ラーナーも、周囲の人々も少しではあるけれど接点を持ち、ダーガーは彼女の犬を可愛がっていたそうだ。彼が老人ホームに引っ越す時には手伝った。が、隣人であるアーティストが、発見された彼の作品を観て「素晴らしかった」という感想を彼に述べた時に、「もう遅すぎる」と彼は答えた。老人ホームに引越しし、彼自身の「非現実の王国」を奪われた彼は、急速に衰弱してすぐに亡くなってしまった。

キヨコ・ラーナーの言葉が印象的だ。「彼は貧しかったけれども、心の中は本当に豊かだったのよ」。現実の人間関係が薄くても、豊かな人生を送ることができるということだ。彼女の、ダーガー、そしてその作品に寄せる深い愛情も伝わってきた。

映画「イントゥ・ザ・ワイルド」でクリスが言った、「人間関係だけが人生ではない」「幸せは、誰かと分かち合うことで本物となる」と併せて、いろいろと考えさせられた作品だった。ダーガーは、あの凄まじい内的世界を創り上げたことに満足した人生を送ったのだろうか?それとも、本当はもっと早く世間に認められたかったのか?人とのかかわりを求めていたのか?ラーナー夫妻が彼を発見することがなければ、彼の作品は埋もれたままであっただろう。人と人がかかわることについての問いを投げかけている作品だ。

彼の墓銘碑には「子供達を守り続けた芸術家」という言葉が刻まれているそうだ。

ワタリウムでの回顧展

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『エスプリ~ローラン・プティの世界~』と草刈民代の引退公演

Yahoo!ニュースのトップにも配信されたビッグなニュース(笑)だったので、皆様とっくにご存知かと思いますが。朝日、読売、毎日や日刊スポーツにも出ていました。

オリコンのニュース記事
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/58628/full/

各種報道をまとめると、引退公演である『Esprit エスプリ~ローラン・プティの世界~』公演は、

4月5日(日)愛知芸術劇場を皮切りに、全国11ヵ所で行われ、4月24日(金)オーチャードホールが最後。

とのことです。パリ・オペラ座学校の公演と重ならなくてちょっとホッとしています。コールプさん、そしてマッシモ・ムッルさん、本当にお疲れ様です。草刈さん、「若者と死」の死などは似合いそうですよね。

出演
マッシモ・ムッル/イーゴリ・コールプ
ルイジ・ボニーノ /ワン・チーミン
リエンツ・チャン / リー・チュン
草刈民代 

光藍社さんからは、DM登録者には、10月上旬~中旬にDM送付予定とのことなので、まもなく送られてくるんじゃないかと思います。私はもちろん、コールプとマッシモが出るので観ると思います。


草刈さんの引退について。日本を代表する国際的なバレリーナ、というのはいくらなんでも嘘でしょう、というのがバレエを観たことがある人の感想なんじゃないかと思います。バレエを一般の人に広めた功績は大きいと思いますが、日本を代表するバレリーナという名称は、森下洋子さんと吉田都さん以外に相応しいひとはいないのではと思います。

「これ以上はプロとして納得いく演技ができないと判断」って、ずっと前からそうだったわけですし。何しろ、9月の頭に観たレニングラード国立バレエの「華麗なるクラシック・バレエ・ハイライト」での「パキータ」を観て、草刈さんが下手なのは知っていたけど、まさかここまで、とは思わなくて衝撃を受けたほどでしたから。下を向いた膝、軸足に巻きつくピケ、飛べない、回れない、フェッテ省略、パキータのハープのヴァリエーションは他のダンサーが踊る。そして愛しのコールプの苦しそうな顔…。

昔、若かりし頃の小嶋直也さん、堀内元さん、志賀三佐枝さん、斎藤友佳理さんといった錚々たるメンバーに混じって草刈さんがよれよれの「ライモンダ」を踊るテレビ放映を見ましたが、あの頃から進歩していませんね。

ミハイロフスキーの、ワガノワ出身者もたくさんいて、理想的なX脚、アンドゥオールした長い脚のバレリーナたちを後ろに従えて踊るというのは、なかなかの肝の座り方だと思いました。

草刈さんは、あの美貌ですし、上半身はきれいですし、身長も日本人にしてはあるほうなので、立ち役だったら良いのではないかと思いましたが。「ア・ビアント」の冥界の女王はとても似合っていたし。トーク番組などで観ると、さっぱりした気持ちの良い性格で、頭の回転も速いようですから、そういう方面でも活躍できそうですね。

このサイトに来る方の検索ワードを見ていたら、「草刈民代」「米原万里」「藻刈富代」で検索してくる方が必ず一定数いるんです。何のことかわからない方には、ぜひとも米原万里さんの「オリガ・モリソヴナの反語法」という本を読んでいただければと思います。この本は、その話は抜きにしてもめちゃめちゃ面白いです。私の感想はこちら。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2006/02/post_ceb2.html

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ロンドン旅行記 3日目 フランシス・ベーコン展

滞在3日目は、実質的には最終日。地下鉄の広告で見つけた、フランシス・ベーコン展を観に、テート・ブリテンまで行く。

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この週末は、地下鉄のヴィクトリア線が丸ごと運休。ホテル最寄のラッセル・スクエア駅も、テート・ブリテン最寄のピムリコ駅も閉鎖。そういうわけで、ビッグベンのふもとにあるエンバンクメント駅で降りて、テムズ川の湖畔をてくてく歩いてテート・ギャラリーまで。お天気も良くて暖かく、ビッグベンの写真なんか撮りながら向かう。

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フランシス・ベーコン展は9月11日に始まったばかりで、最初の週末ということでかなり混雑していた。多分に漏れずテート・ブリテンは入場無料なのだけど、その分特別展の入場料が高くて、12ポンド(およそ2400円)もする。しかし、大変充実した展覧会で、この代金を払って観に行って良かったと思った。

http://www.tate.org.uk/britain/exhibitions/francisbacon/default.shtm

このテイト・ブリテンによる展覧会サイトの完成度も素晴らしく、代表的な作品を観ることができるだけでなく、関連性のある作品同士を連動させたり、テーマごとに再構築して見ることができたりするのが良い。

P1010907s

フランシス・ベーコンといえば映画「愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」の印象が強いのだけど、ベーコン役を演じたデレク・ジャコビが、本人そっくりに演じていたことがよくわかった。そして、この映画で彼の恋人ジョージ・ダイアーを演じたのが、いまやジェームズ・ボンド俳優のダニエル・クレイグ。ダニエル・クレイグ自身はダイアーには似ていないのだけど、この展覧会に展示してあった本人の写真は、ハンサムな男性であった。と同時に、ベーコンが描いたおびただしい数のダイアーをモデルにした絵画が、彼の特徴を的確に捉えていたことにも驚かされる。

ベーコンという人は、なるほど映画になるほどのエキセントリックな人生を歩んだ。哲学者フランシス・ベーコンの子孫にあたる彼は、裕福な軍人の家庭に育つものの、17歳の時に母親の服を着ているのを見つかって勘当される。正規の絵画の教育を受けず、インテリア・デザイナーとして出発。裕福な政治家の恋人となり、そしてアーティストとして次第に名を成していく。だが第二次世界大戦の惨禍、同性愛者としての苦悩が彼に影を落とす。54歳ですでに著名なアーティストとなっていた彼の家に窃盗に入ったのが、若いジョージ・ダイアーだったという出会い方が凄い。美しい肉体を持つ彼をモデルにした作品をたくさん描くものの、著名な芸術家と貧しく教養のない青年という違った世界の二人の関係は、サディスティックなベイコンによって支配され、そしてダイアーは心を病み、パリのグラン・パレでベーコンの展覧会が開かれる2日前に、パリのホテルで自らの命を絶った。それまでも何度も自殺を試みたという。

展覧会は、ほぼ年代順に10の部屋に分けられているが、「MEMORIAL」と題された、ダイアーを追悼した作品を展示している部屋が非常に印象的である。彼の死後すぐに着手され、完成された作品群である。ベーコンはひとつのモチーフを3つの絵画に分割しているトリプティクスと呼ばれる作品を好んで描いているが、ダイアーに捧げられた作品の中には、たしかに、彼の肉体から生命が漏れ出している様子が伺え、そしてダイアーに対する贖罪の感情が感じられる。ダイアーの死の前に描かれた作品の中にも、たくましい肉体の中にある苦悩や孤独がにじみ出ていて、なんともいえない寂寥感と悲痛さがある。立派で美しい裸体の男が、ぽつんと便器の上に腰掛けている無防備な後姿を見せていたり、ソファに腰掛けていたり鏡に映っていたり、というダイアーの姿は静謐で、たとえようのない悲劇性をまとっている。

ベーコンの作品でやはり印象的なのは、人間の中の獣性を動物の中に表現した初期の作品、そしてヴェラスケスが描いた作品をモチーフにした『「インノケンティウス10世像」による習作』という、叫ぶ男の顔の作品群。彼は、このヴェラスケスの教皇像に執着して何枚もの作品を描いている。「Figure with Meat」といって、ぶら下げられた肉の前で叫ぶ男も、『「インノケンティウス10世像」による習作』のバリエーションだ。檻の中に入れられた人間や動物、マッチョな肉体が絡みあうホモセクシャル的な作品、磔をモチーフにした作品。対峙するのにもものすごいエネルギーが必要だが、歪み、よじれ、血を流し、叫ぶ肉体の数々を見ていると、逆に浄化される気分になるから不思議だ。彼がモデルを目の前にして作品を描くのではなく、それを写した写真を元に製作を行うという創作過程ゆえ、同じモチーフの変奏曲が多く作られ、より強靭な表現としてなっており、また静物画を目にしているような、純化された静謐さを帯び、悲劇性を感じさせるのではないかと思う。

ギリシャ悲劇「オレステレス」、親しい友人や恋人までを肉の塊として描いた作品群、映画「戦艦ポチョムキン」で殺される看護婦の叫ぶ顔や「ヒロシマ私の恋人」などの映画、暴力、戦争の惨禍や恐怖の絵画化(決して戦争そのものや暴力そのものを描いているわけではないのに、世界に存在する戦争や暴力を見事に映し取っている)、どれも決して明るくも美しくもなく、人間の暗黒面を描いているが、まさにギリシャ悲劇を目のあたりにしているかのようで、心に突き刺さっていくようだ。

これほどまでにオリジナルで、人間の存在を抉り出し、まっすぐに人の心に刺さる画家というのは他に存在し得なかったのではないかと思う。来年1月9日まで開催されているので、ロンドンに行く人にはぜひ立ち寄って欲しい。

*****

もちろん、テート・ブリテンはターナーの素晴らしいコレクション、そしてラファエル前派の傑作も揃っている。時間が足りなくて、本当に主要な作品しか見ることができなかったけど、それでもターナーを浴びるように観て、大好きなバーン=ジョーンズの大作「アーサー王の眠り」も観られて、ウォータハウスの「レディ・シャーロット」も観られて、行くたびに幸せになれる場所だ。ミレイの「オフィーリア」はもちろん、現在はBunkamuraのミュージアムでのミレイ展に出展されているので、不在だったわけだけど。2008年のターナー賞作品も展示されていたけど、時間がなくて観られず残念。

これらの傑作群を無料で観られるロンドンは素晴らしい!コドモの時にウィンブルドンに住んでいた時に、ナショナルギャラリーやナショナル・ポートレート・ギャラリー、そしてテイト・ギャラリーにはよく通ったものだと懐かしく思う。

タクシーでウォータールー駅まで行く。ユーロスターは、ドーバー海峡のトンネルが火事になってしまって不通になっているのは知っていたけど、地下鉄の路線でヴィクトリア線以外も運休になっていたのにはちょっと参った。サドラーズまで何回も乗り換えて、必死に走ってようやく間に合う。「ドリアン・グレイ」のマチネを観た後、さすがにベーコンと併せておなかいっぱいで(しかも、「ドリアン・グレイ」のドリアンの部屋には、フランシス・ベーコンの作品が2点飾られているのだ!)、ソワレまでは近くのパブで一休みして、お茶をして、ソワレを観る。

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千秋楽は本当に凄い舞台だった。リチャードの入魂の演技には、ぞくぞくした。客席に、元ロイヤル・バレエのマーティン・ハーヴェイを見かける。男性率の高い客席の中でも、ひときわ素敵だった。終演後はホテルに戻って荷造り。朝4時半に起きて帰国するために。朝が早すぎて地下鉄が走っていないため、パディントン駅までタクシーで行って、そこから特急でヒースローへ。CDG行きの飛行機が30分遅れて、乗り継ぎが大変だったけどなんとか間に合い、また飛行機の中でぐっすりと寝て成田へ。そしてそのままリムジンバスに乗って出勤。なんともハードなロンドン行きだったけど、行ってよかった。今度はもう少しゆっくりしたいし、ロイヤル・バレエも観たい。

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2008/10/03

バレエ・ミッケリのサイトにマトヴィエンコ夫妻「スパルタクス」動画

10月1日より5日まで、フィンランドのミッケリにて、バレエフェスティバル「バレエ・ミッケリ」が開催されています。
http://www.balletmikkeli.com/

出演者は非常に豪華で、ウラジーミル・マラーホフ、スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドレイ・メルクリエフ、デニス&アナスタシア・マトヴィエンコ、そしてインペリアル・ロシア・バレエの面々です。ザハロワはザハロワ・ガラとして「カルメン組曲」他を、デニス&アナスタシア・マトヴィエンコは「ロミオとジュリエット」を、そしてマラーホフはベルリン国立バレエのLudmila Konovalova と「眠れる森の美女」のそれぞれ全幕を2回ずつ踊ります。(当初はアリヤ・タニクパエワの予定だったようですが、変更になってしまったようですね)

このフェスティバルのサイトから、ミハイロフスキー・バレエの「スパルタクス」を中心とした動画が4分弱ほど観られます。「スパルタクス」の映像が非常にきれいで画面も大きめなので、どんな雰囲気の作品かちょっと判る感じです。虎もいるし、コーラスも入っていて非常に勇壮な感じですね。デニスのピルエットはさすがに迫力があります。
http://www.tapahtuma.tv/trailerit/ballet_mikkeli/

もうひとつの映像は、マトヴィエンコ夫妻の「グラン・パ・クラシック」となっています。相変わらずアナスタシアさんの踊りはとても大味な感じですが。
http://www.tapahtuma.tv/trailerit/balletmikkeli_video1/

なお、
http://www.classiclive.com/
のサイトで、10月10日以降、マトヴィエンコ夫妻によるラヴロフスキー版「ロミオとジュリエット」の全幕が5ユーロにて有料配信されるそうです。1週間、無料でお試しができるそうなので、10日以降に試してみる価値があるかもも知れませんね。(システム用件などを確認の上、試聴用映像で見られることを確認してからにした方が良いと思います)

ミッケリは、フィンランドの首都ヘルシンキから車で2時間。まるでおとぎ話に出てきそうな、湖畔のとても美しい街なのだそうです。バレエ・フェスティバルは毎年開催されているそうなので、一度行ってみたいなって思います。

ABTの「パリの炎」はダニール・シムキンが出演/Grand Gala avec les Etoiles de Ballets Russes

ちょっと前にABTのシティセンターシーズンのカレンダーの演目に、唐突に「パリの炎」が出演者未定で登場していたのですが、シティセンターのチケット販売サイトを見て、疑問が解決しました。ほぼ全部のキャストが決定しているようです。

http://www.citycenter.org/tickets/productionNew.aspx?performanceNumber=3727

10月28日(火)と、11月2日(土)のマチネの「パリの炎」はサラ・レーンとダニール・シムキンが踊ると出ていました。サラは身長が155cmと小柄なので、ダニールのパートナーにちょうど良いんでしょうね。この二人の「パリの炎」が観られるのは羨ましいです~。

あと、「リラの園」にコリー・スターンズが出るんですね。ジュリー・ケントのパートナーとして。

*****

「パリの炎」といえばボリショイのナタリア・オシポワとイワン・ワシリエフが「ボリショイ・マリインスキー合同ガラ」で踊ったのが印象的、ってことで強引に話をつなげます。

ナタリア・オシポワとイワン・ワシリエフ、アンドレイ・メルクリエフ、マリインスキーのエカテリーナ・オスモルキナ、エレーナ・エフセーエワ、ミハイロフスキーのキリル・ミャスニコフ、ダンチェンコのオクサーナ・クズメンコらが出演した、Grand Gala avec les Etoiles de Ballets Russes というガラがフランスのリヨンで、9月3日に開催されたと言うことを、MさんのM's daily lifeで知りました。新潟中越沖地震チャリティガラの翌々日にメルクリエフが出演じゃん!と思った記憶があります。

その記事が、サンクトペテルブルグ・タイムスに載ったのです。メルクリエフのエスパーダが大絶賛されていて、彼の写真も載っていた記事だったんですよね。ballet.co.UKでもお馴染みのKevin Ng氏が書いた記事です。

そのガラなのですが、フランスのケーブルテレビ局mezzoで放映されたんですね。

http://www.mezzo.tv/programme.php?_pro=6259

しかも、Advantage StudioというところからDVDが出るそうです。サイトを見ると、たしかにリリース予定って書いてあります。
http://www.advantage-studio.com/en/index

http://www.balletpassion.com/
でちょっとビデオクリップを見ることもできます。見るたびにランダムに映像が登場していてちょっと面白いことになっていますが。

詳しい内容については、M's daily life様のエントリでお読み下さいね。

2008/10/02

本島美和さん出演のニベア花王「アトリックス」CM

新国立劇場の本島美和さんのブログで告知がありましたが、出演している ニベア花王 《アトリックス ビューティーチャージ》 というハンドクリームのCMが、今日(10月1日)からオンエアーされています。

サイトでも観ることができます。本島さんは、もちろん、とてもきれいな方ですが、手そのものもとても美しいですね。バレリーナにとって手の表現というのはすごく大事なんだな、と思わせてくれるCMです。

http://www.kao.co.jp/nivea/atrix/

10月上旬は、番組と番組の間(スポット枠)で放映されるそうです。

下記の番組の前後で見ることができるかもしれないそうです。

06:10~08:00「めざましテレビ第2部」

19:00~19:57「クイズ!ヘキサゴン」

22:00~22:54「爆笑レッドカーペット」

24:15~24:45「正直しんどい」

23:58~25:13「スポパラ」

パリ・オペラ座バレエ学校 2009年日本公演

NBSのサイトに10月1日付けで出ていたお知らせです。

パリ・オペラ座バレエ学校 
2009年日本公演

◆公演日
2009年4月25日(土)  15:00
2009年4月26日(日)  15:00
2009年4月28日(火)  19:00
2009年4月29日(水・祝)15:00

◆会場 東京文化会館

◆予定される演目
「ペシェ・ド・ジュネス」 
振付:ジャン=ギョーム・バール
音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ
「スカラムーシュ」 
振付:ジョゼ・マルティネス
音楽:ダリウス・ミヨー、カミーユ・サン-サーンス、ルドヴィク・ミンクス
「ヨンダーリング」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:スティーヴン・C.フォースター

◆入場料(税込)
S¥13,000 A¥11,000 B¥9,000 C¥7,000 D¥5,000 E¥3,000
学生券¥2,000(2009年3月27日(金)よりNBSのみで受付)

○ペア券 [NBSのみで受付]
S席ペア券¥25,000 A席ペア券¥21,000  B席ペア券¥17,000

○親子ペア券 [12月6日(土)よりNBSのみで受付]
親子S席ペア券¥21,000 親子A席ペア券¥18,000 
親子B席ペア券¥14,000
(*お子様は高校生以下が対象。日にちによってはチケットをご用意できない場合があります )

◆前売開始日:2008年11月1日(土) 10:00a.m.~

◆お問い合わせ:NBSチケットセンター 03-3791-8888

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/2008/10/2009.html

ジョゼ・マルティネスの「スカラムーシュ」やノイマイヤーの「ヨンダーリング」、さらにはジャン=ギョーム・バールの作品と、演目が魅力的ですね。

しかし、え~と私、4月28日夜~5月6日までパリに行っている予定なので、このオペラ座学校公演後半と、ザハロワ・ガラは観にいけません。パリに行っていて、オペラ座学校の公演が観られないなんてギャグみたいですねーー;

ロンドン旅行記 二日目

二日目と三日目は、マチソワともサドラーズだったので、それほど書くこともないのだけど一応、ね。

ホテルの朝食はボリューム満点で満足。時間もないので、ランチの分まで食べてしまう。

午前中は買い物デーと決めていたので、友達とオックスフォードストリートまで歩いて、まずはお約束のH&M。途中にあるドミニオン・シアターではミュージカル「We Will Rock You」を上演中。これは、6年前にここへ観に行ったのだ。立派なフレディ・マーキュリーの像も健在。

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6月のパリのHMVはソルド中だったのであまりピンとくるようなものがなかったけど、なぜかロンドンの品揃えがものすごく好みだった。私はピンクが大好きなんだけど、ピンクの素敵な服がいっぱい!結局カットソー2枚にブラウス1枚、手袋とニットの帽子を買う。それから、コスメも始まっていて、なぜかキティちゃんマーク入りのコスメが売っていた。これがまたすごくかわいい。入浴剤などまであったりして、値段は安いのに思いっきり散財しちゃった。それからすぐ隣のユニクロ(!)に入る。ロンドンで見るユニクロは日本で観るよりかなりおしゃれな感じ。マネキンのコーディネートなども、どこかロンドンっぽいテイスト。日本と同じ商品ももちろんあるんだけど、無いものも多い。友達がコートを買ったんだけど、このコートも日本では売っていないデザインだった。そしてTOPSHOPへ。ここもかわいい服やバッグがいっぱいあって、私はケイト・モスのコラボの、フライングハート柄のワンピースを買った。今から着るにはちょっと薄手だけど、まじかわいいし、お値段も手ごろ。このケイト・モスコラボは他にもかわいいドレスやジャケットなどがいっぱいあったけど、今回持ってきたスーツケースは小さいし、もちろんお金もないのでここらへんで断念。

並びにあるHMVに入る。最初は何も買うつもりなかったし、イギリスだからPALだし(もちろんPALも観られるんだけど)、バレエのDVDはROHのショップで買うし、と思って見ていたけど、映画のコーナーで思わぬ掘り出し物を見つけた。キシェロフスキの「デカローグ」全10話が30ポンド。安い~♪さらにデレク・ジャーマンの「カラヴァッジオ」が10ポンド。ポンドが下がって190円くらいなので本当にお得。

時間もあまりなかったけど、ナショナル・ギャラリーまで地下鉄で。1時間弱で、18世紀~19世紀絵画と、フェルメールの作品2点を観る。ナショナル・ギャラリーは前回ロンドンに行った時もあまりゆっくりと観る時間がなかったけど、やっぱりすごい作品がたくさんある。「LOVE」という特別展もやっていて、文字通り「LOVE」をテーマにした作品群が集められていた。フェルメールの「A Young Woman standing at a Virginal」とか、ロセッティの(ロセッティが友人ウィリアム・モリスの夫人でかつての恋人ジェーンをモデルにした)Astarte Syriaca、ラファエロのThe Madonna of the Pinks、ムリーリョのThe Infant Saint John with the Lamb、ターナーのThe Parting of Hero and Leander from the Greek of Musaeus、ホックニーのWe Two Boys Together Clingingなど、古今のものすごく素晴らしい絵画が揃っている。特にターナーの作品は鮮烈で、前景の恋人たちを引き裂かんとする荒れ狂う海と雲、嵐のコントラストが凄い。ほんの少ししかいられなくても、ここに来て良かったと心から思った。この隣のNational Portrait Galleryや現代美術のICA Gallery も大好きなので時間があれば行きたいところだけど、ロンドンにはまたすぐ行けるはずと信じて。

サドラーズでマチネを観た後、バスで一旦ホテルに戻り、それからまたコヴェントガーデンに行ってWhittardで紅茶を大量に買い込む。土曜日の夕方なのでコヴェントガーデンはすごい混雑。その荷物を持ったまま再びサドラーズへ!ソワレが終わったあとは、友達とラッセルスクエアのパブで乾杯。
(この写真は、そのパブの昼間の姿。昼間からビールが飲める!そして外観はかわいい)
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ようやく最近お酒を少しなら飲んでもいいという許可が出たので、フルーティなベルギービールを飲んだけど美味しかった!おつまみで頼んだポテトチップスも、そこらへんで売っているようなものなのに、オニオンとビネガーの味が効いていてものすごくおいしかった。ロンドンは物価が高いけど、パブのビールだけはめっちゃ安いので、ビール星人にとっては天国だろう。私はビール星人じゃないけど(笑)。

P1010883s

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2008/10/01

ABTのシティ・センターシーズンのキャスト

10月21日から始まるABT秋のシティセンターシーズンですが、まだ正式なキャストのリリースは出ていないものの、おおよそのキャストがカレンダーに出ています。

http://www.abt.org/performances/calendar_index1.asp

今年はアンソニー・チューダーの生誕100周年ということで、チューダー特集上演が中心です。特設サイトも作られていて、アマンダ・マッケローとジョン・ガードナーが踊る「葉は色あせて」のYouTube映像にリンクするなど、インターネット対応に力を入れています。
http://www.abt.org/tudor/
「葉は色あせて」「火の柱」「リラの園」「ロミオとジュリエット」などのチューダー作品が中心なのですが、当初予定に無かった「パリの炎」がキャスト未定で、10月28日と11月2日のマチネに予定されています。ひょっとしたら、ダニール・シムキンが踊るのかもしれません。

また、注目のキャストとしては、10月22日と25日の「テーマとヴァリエーション」。「海賊」で主演はしたものの、まだコール・ドのコリー・スターンズがミシェル・ワイルズと踊ります。コリーくん、ソリストへの昇進があるかもしれませんね。バランシンの「バロ・デラ・レジーナ」を加治屋百合子さんがエルマン・コルネホと踊るのもちょっと注目したいと思います。

とはいっても、もちろん今回のシティセンターシーズンは観に行けないわけですが…先立つものが無さ過ぎて…。チューダーの作品をまとめて観る機会なんて無いので、行きたいのですけどね。


ちなみに、ballet.coによると、ABTは2009年3月25日~4月4日、ロンドン公演が予定されているとのことです。劇場は、コロシアムです。
25 - 31 March. Swan Lake. Matinées on 26, 28,29 March.
2 - 4 April. Le Corsaire. Matinée 4 April.
「白鳥の湖」と「海賊」と、今年の来日公演と同じ演目なんですね。

また、エルマン・コルネホのオフィシャルサイトによると、その前の週、3月16日~22日にマンチェスターでもABTのレパートリープログラム(詳細不明)があるようです。
http://www.hermancornejo.com/calendar.html

なお、エルマンくんのサイトでは、彼の「ディアナとアクティオン」「ジゼル」「海賊(ランケデム)」などの動画を見ることができます。

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