英国ロイヤルバレエ「ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)」DVD
La Fille Mal Gardee / The Royal Ballet
振付:フレデリック・アシュトン
編曲:ジョン・ランチベリー
指揮:アンソニー・トウィナー
リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:カルロス・アコスタ
シモーヌ:ウィリアム・タケット
アラン:ジョナサン・ハウエルズ
トーマス:デヴィッド・ドリュー
雄鶏:ジャコモ・キリアッチ
公証人:アリステア・マリオット
アマゾンに在庫がありませんと一度注文をキャンセルされて、最近になってようやく入手した。いやあ、本当に楽しいバレエで、観ていて思わずニコニコしてしまうほど。主役二人のはまり役ぶりといったら、もう。
マリアネラはとても可愛らしく、お転婆で元気いっぱい。先日の来日公演の「眠れる森の美女」で観たときも思ったけど、笑顔がとろけそうにめちゃめちゃキュートな彼女には幸せオーラがあって、すっごく好感度が高い。ふくれっつらから、コミカルに脚をばたつかせる様子、恋する少女まで、くるくると変わる表情。その上、とっても難しいアシュトンのパを、何てことないような感じで軽くこなしてしまう驚異的な身体能力。彼女が踊ると、全然難しそうに見えないのだけど冷静になって考えると、あんなに軽やかに、簡単そうに踊るのは普通のバレリーナでは無理。プレパレーションなしでポーンと高くてきれいなジュッテをしたり、いろんな方向からのリボンを何本も持ってアラベスクでサポートなしのプロムナードをぐらつかずにこなす、なんてすごい。
マリアネラのリーズが、シモーヌに部屋の中に閉じ込められるくだりの演技田とても印象的。ママに閉じ込められて悲しそうにしているところから、麦俵の中に隠れているコーラスを見つけ、最初はあっけにとられておとぼけなところを見せながら、それが最後に眩しく幸せいっぱいの笑顔へと溶けていく様子が愛らしくて、抱きしめたくなってしまうほど。
カルロス・アコスタ、私は生では、ABTのゲストとして出演した「海賊」のアリと、「白鳥の湖」(マッケンジー版)のロットバルトというちょっとダークな感じの役でしか観ていなかった。わかっていたつもりだけど、彼にこんなに愛嬌があって、ちょっとコミカルな村の人気者役が似合うとは!しかも鮮やかな花柄のベストやスカイブルーのジャケットといった衣装が肌の色にすごくよく似合っている。彼も素晴らしいテクニックの持ち主なのに、それが決してこれ見よがしではなくて、どことなくエレガント、上品なので、おっとりのんびり、おおらかなこの作品にとても合っている。アントルラッセの時の後ろ脚の伸び方、アンドゥオールの見事さ。スムーズな着地と軸のぶれない回転。どれもきれい。そしてこの二人のラブラブオーラの出し方が、とっても好もしくって、可愛くてお似合いのカップルとなっている。
アシュトンの「ラ・フィユ・マル・ガルデ」といえば、絶対に欠かせないのが、女装した男性が演じる母親シモーヌと、かぶりモノのニワトリたち。シモーヌ役のタケットさんの芸達者なことといったら、もう。まず、女装姿がとても美人さんで、女の人が演じているんじゃないかと思うほど。でも、可愛さの中にも、もちろんコミカルさがあって、笑いのツボはしっかり押さえている。木靴の踊りでのはじけっぷりと大胆なステップも素敵。最後には娘の幸せを願って抱き合うところも、可愛いな~と。
冒頭の登場シーンから、しっかりと笑わせてくれるニワトリたち、最高!雄鶏のジャコモ・キリアッチ(彼は残念ながら辞めてしまったのよね)と、ニワトリたちの踊りもさすがロイヤル・バレエのお家芸って感じで、片方の足で軸足を掻いて見せたり、ちょこんと伸ばしたり、宴の最中にもウロウロしているしぐさ一つ一つがとっても笑える。本当にほのぼのとしていて、楽しい作品だな~と。
もう一人、とっても大事な役割なのがアラン。シモーヌが自分の娘リーズと結婚させたいと思っている、ちょっと頭の足りないけど愛すべき青年。現代においては、政治的にはあまり正しくないだろうキャラクター扱いを、どう見せるかがとても重要。下手すると、知的障がい者を笑いものにしているように見えてしまうから。でもさすがにこの作品については手馴れているロイヤルだけあって、そういう風には見せないで、アランは確かにちょっと足りない子だけど、みんなに愛されている人物なんだと見せている。演じているジョナサン・ハウエルズも、とても演技が上手くて、マリアネラやアコスタとの演技の合わせ方が絶妙。可愛らしく、ちょっと哀しく、愛すべき人物として描いている。ラストに、大好きな赤い傘を見つけて、嬉しそうに走り去っていく姿にホッとさせられる。ぎこちない様子をわざとらしさを微塵も見せずに、自然に取り入れた踊りのほうも、芸達者。
村人たちの中に、蔵健太さん(シモーヌに木靴を渡す役)や、小林ひかるさんが違和感なく存在してたり、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」に出ていたトーマス・ホワイトヘッドが何気に活躍したり、リーズの友達の中にローレン・カスバートソンやサラ・ラムがいたりと、なかなか見所のある映像。1幕でのリボン使いやメイポールの華やかさと牧歌的な雰囲気も楽しく、お気に入りの一枚となった。
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追記:
ロイヤル・バレエ関連では、「ピーター・ラビットと仲間たち」がアマゾンで予約できるようになりました。
11月18日発売予定です(輸入盤なので、遅れる可能性は高いと思います)
昨年収録された、新しい映像で、ギャリー・エイヴィス、スティーヴン・マッゥレー、リカルド・セルヴェラらが出演しています。
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