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2008/10/08

6/28 マチネ パリ・オペラ座「椿姫」La Dame aux Camelias(まだ途中)

舞台を観てからもう3ヶ月以上経ってしまって、忘れてしまった部分も多々あるので(今まで全然書く余裕がなくて)覚えているところだけ、備忘録として書いておきます。

La Dame aux Camelias John Neumeier
Palais Garnier

Marguerite Gautier Eleonora Abbagnato
Armand Duval Benjamin Pech
son Pere, Monsiuer Duval Andrei Klemm

pianos Emmanuel Stosser, Frederic Vaysse-Knitter

Prologue
Prudence Duvernoy Muriel Zusperreguy
La Duc Laurent Novis
Nanine Beatrice Martel
Le Comte de N Simon Valastro
Un Pianiste Frederic Vaysse-Knitter

Acte 1
Manon Lescaut Laura Hecquet
Des Grieux Christophe Duquenne
Trois Soupirants de Manon Audric Bezard, Vincent Chaillet, Alexis Renaud
Olympia Mathilde Froustey
Gaston Rieux Josua Hoffalt Karl Pacqeute

パリに朝4時に到着して、先に来ていた友達と延々と朝食、買い物、昼食をした後に休まずにマチネ公演。なので、眠くなってしまったらどうしよう、しかも席も1階席のサイドのボックス2列目と舞台には近いもののあまり良くないし、と不安だった。が、この「椿姫」という作品の前では、そんなのは杞憂だった。

エレオノーラ・アッバニャートのマルグリットとバンジャマン・ペッシュのアルマンといえば、去年のルグリと仲間たち公演で「椿姫」2幕の「白のパ・ド・ドゥ」を踊った二人だけど、このときの踊りが大不評だった。エレオノーラをよっこらしょと荷物を抱えるように持っていたバンジャマンのへっぴり腰が、なんて言われていたりして。ところが、さすがに全幕なので気合の入り方が違っていたのか、それとも1年足らずの間に大進歩したのか、この二人はとても魂のこもった、素晴らしい「椿姫」を見せてくれた。

バンジャマンのアルマンは、とにかく情熱的というか、熱い男だ。プロローグで、亡くなったマルグリットの遺品が運び出されていく中、悲報を聞いて駆け込んでくるアルマン。遺されたマルグリットの青いドレスの残り香を嗅ぎ、そしてバッタリと倒れこむ。アルマンはこの舞台で何回も走るのだけど、走る時の勢いがすごくてスピードが一番速かったのが、バンジャマンだったのだ。並々ならぬ気迫が感じられる。本来バンジャマンってチョイ悪男の雰囲気があるのに、ここではそれを封じ込めようと真面目で堅物っぽいイメージを作っていて、だからこそ、まっすぐで走り出したら止まらないというイメージ。

エレオノーラのマルグリットは、ノイマイヤーの「椿姫」のマルグリットのイメージからすると若い。デュマ・フィスの原作によれば、実際にはマルグリットは高級娼婦とはいえ、20歳そこそこと若いという設定になっているのだが、どうしてもマリシア・ハイデの映像の印象が強いので、美しいけどやや年嵩の女性と思い込んでしまう。金髪に猫っぽい雰囲気のエレオノーラは、時分の花という感じで、華やかで美しく、しかし高嶺の花らしいオーラと、若いのに似合わない仄かな倦怠感を漂わせている。彼女の美しさを讃える崇拝者に囲まれていても、決して本心は見せないし、うまくはぐらかせるところに、かえってどこか憐れさも感じさせる。

そんな彼女に言い寄るのが、シモン・ヴァラストロ演じるN伯爵。ヴァラストロのN伯爵は可愛らしくて、全然マルグリットに相手にされていない、鼻も引っ掛けてもらえないのにプレゼントを手に一生懸命に言い寄っていて、とてもかわいそうなキャラクター。その哀しさを絶妙に表現しているのがヴァラストロ。途中でピエロの格好までして踊るんだけど、その衣装も似合うこと似合うこと。3幕で見るからに病み衰えたマルグリットに最後まで優しくするのが彼なのよね。優しくて、哀しいそんなN伯爵を、実にヴァラストロは好演していたと思う。まさにはまり役。

(続く)

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