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« フィガロジャポン10/5号 「パリオペラ座物語013」 | トップページ | 新国立劇場ニューイヤーガラ »

2008/09/23

「デトロイト・メタル・シティ」

「デトロイト・メタル・シティ」

http://www.go-to-dmc.jp/movie

監督 李 闘士男
脚本 大森美香
原作 若杉公徳
出演:
根岸崇一(松山ケンイチ)
相川由利(加藤ローサ)
カミュ(秋山竜次)
ジャギ(細田よしひこ)
社長(松雪泰子)
アサトヒデタカ(鈴木一真)
佐治くん(高橋一生)
母(宮崎美子)
ファン(大倉孝二 、岡田義徳)
ニナ(美波)
ジャック・イル・ダーク(ジーン・シモンズ)


原作のファンでもちろん全巻(といってもまだ6巻までしか出ていないけど)持っている私は、パブリシティで見た松山ケンイチのハマリぶりにちょっと期待しつつも、なるべく情報をシャットアウトして観ることにした。ローソンで売っていたDVDつき前売り券を予約までして買ったんだけどそのDVDすら観ないで。

原作を読んでいなければ、万人ウケするような、すごく良くできた、面白い映画だと思う。テンポが良くてダレることもほとんどなく、滑るようなギャグもなく、おまけにハートウォーミングで感動的な部分もありつつも、不条理な幕切れになっている。役者の演技も良い。インストア・イベントと相川さんの待つカフェを往復する根岸の滑稽なことと言ったら、もう!

しかし、なんで"資本主義の豚"が出てこないんだ~!!!

これが最大の不満点。資本主義の豚は温水洋一に演じて欲しかったのに。

友達の台詞を借りると、社長風に言えば
「ファーック!!あたしゃこんな映画じゃ濡れねーんだよ!」
ってとこかな。

松山ケンイチの根岸&クラウザーさんは素晴らしく良い。憑依型とかカメレオン系役者と言われるのもよくわかる。根岸のナヨナヨクネクネしてちょっと気色悪い動きや、内股で両手と腰が反対方向に左右にゆれるさまが凄くって、こんな奴絶対にいないし、いたら相当キモいと思いつつも嫌いになれないキャラクターを好演。
松雪泰子の社長は、ものすごいハマりっぷりで最高。舌でタバコを消したり、高笑いしたりキックを浴びせたり、根岸の部屋を強引にデスメタル部屋に改造したり、ノリノリで演じているので観ていて気持ちよい。
大倉孝二 、岡田義徳らのDMCファンたちが、めちゃめちゃいい味を出しているし、彼らをモデルにしてキャラクターを作ったんじゃないかなって思うほど。狂言廻しとしてもうまく機能している。ジャギとカミュが原作そっくりで良かったのに、出番が少なすぎたのは残念。

鈴木一真のアサトは、寒い、寒すぎるのだけど、これもうまいキャスティング。全体的にキャスティングはとても良い線を行っている。加藤ローサの相川さんは、ちょっとイメージが違うというか、相川さんはもっと天然ボケなのでは、と思う。でも悪くはない。九州出身の宮崎美子が母親役っていうのもいいし。ただ、クラウザーさんを囲んでのシュールな朝食風景の切り取り方は、もっとやりようがあった気がした。そのへんの見せ方が、監督や撮影監督の腕の見せ所だと思うんだけど。

音楽については、カジヒデキが作曲をしているオシャレポップス(笑)は素晴らしい出来。オシャレポップスをかなり笑いものにしている作品なのに、こんなにちゃんとした音楽を作ってくれたカジヒデキは偉い。「甘い恋人」も原作のイメージにぴったりすぎて凄い。

デスメタルについては、一家言ある私からすると残念ながら全然デスメタルじゃないんだけど、全国公開東宝配給の商業映画だから、仕方ないのかな。一応バックバンドにマーティ・フリードマンが入っているんだけど、メガデス自体デスメタルじゃないし。ジーン・シモンズを引っ張り出してきたのは凄い。ジャック・イル・ダークとの対決シーンはちょっと物足りないところもあるけど、ジーン・シモンズならではの圧倒的な存在感があったのは良かった。

新幹線の運転席にいたり、他に乗客もいる電車に乗っているクラウザーさんの姿ってすごくシュールで可笑しくていい。このシュールさを、もっと映画の中で出して欲しかった気がする。

最大の問題は、原作ではなんだかんだ言っても、根岸=クラウザーさんはデスメタルへの愛があったというか、「ぼくがやりたかったのはこんな音楽じゃない!」と言いつつもデスメタルからは決して逃れられないというか、その魅惑にズブズブにはまって抜けられないでいるのに、この映画ではそれが感じられなかったことだろうか。

原作にあった過激さが足りないのは、全国公開東宝配給の商業映画だから仕方ないのだろう。あの笑えるほどの過激さ、エログロさがあってこそのDMCだと思うけど。

社長の手下の「ぐりとぐら」が犬なのでは、可笑しさ半減どころか限りなくゼロにしちゃった感じで残念。こんな設定に変えた奴はSATSUGAI。

(以下ネタばれ全開でいきます)


最後の最後でクラウザーさん=根岸というのが相川さんにはバレてしまったというのが根本的な間違い。いつ相川さんにバレてしまうのか、ドキドキしながら見守るというのが、原作の楽しみであったのに、これでは原作レイプといわれても仕方ない。それどころか、母親にまでもバレているっぽいし。

いくらなんでも「No Music, No Dream」には萎えた。DMCってそんな話ではないはずなのでは?そんな言葉をあの社長が根岸に送るとは到底思えないというかあり得ない。あたしゃそんな言葉じゃ濡れないんだよって言われるのがオチでしょう。オシャレポップスを愛する一方、意に沿わないデスメタルで生計を立てている、それどころか人気者になっちゃったという矛盾というか不条理がこの原作の肝なので、その不条理を解消して、葛藤も終わりにして終わりというのでは、やっぱり原作レイプだろうな。


やっぱり資本主義の豚がいないのがつまんない!


続編があったら絶対に観に行くと思う。が、まずは脚本家を替えて欲しい。どうやら、感動パートは脚本家が担当したようだったから…。

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コメント

>デスメタルについては、一家言ある私・・

いやnaomiさんの守備範囲も広いですねぇ(笑)
原作漫画は未読ですが、映画を見たくなります。

私も顔を白塗りして武道館に馳せ参じたKISSファンでした。
KISSは「単なる」R&Rバンドですけどね。あぁもう30年前・・・
久しぶりにジーンの姿が見たくなりましたよ。


Fさん、こんばんは!
この映画、面白かったですよ!万人に楽しめますが、ジーン・シモンズのファンだったらもっと楽しめるかも。

私も、自分が高校生の時にKISSのコンサートに行きました。その時はもう素顔になっていましたが…(多分Fさんと私は同年代じゃないかな?)そして社会人になって、再びメイクをしたKISSを観に、東京ドームにも行きましたよ。おじさんになっても相変わらずエネルギッシュな舞台でとっても楽しかったです。観客は親子連れなんかもいて、小さな子供を白塗りにさせた親もいました(笑)
DMCの映画にも、そんな親が登場します。

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