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2008/09/26

マチュー・ガニオ&カルフーニ~二人のエトワール

監督:マレーネ・イヨネスコ
2008年 フランス制作

出演マチュー・ガニオ / ドミニク・カルフーニ / ルドルフ・ヌレエフ / ジャン・ギゼリ / シリル・アタナソフ / オレシア・ノヴィコワ / アニエス・ルテステュ / ウラジーミル・ワシーリエフ / ミハイル・バリシニコフ / ミカエル・ドナール

かつてのオペラ座の大スター、ドミニク・カルフーニと、その息子であるオペラ座の星マチュー・ガニオ。親子とも、スジェからエトワールに飛び級で任命された二人。そして、同じようにバレエに情熱を燃やし、今もとても仲の良い母と息子の姿が微笑ましい。ドミニクが、自宅でマチューのトレーニングを指導しているシーンなども見られるけど、母親らしい優しさと厳しさがある。花のたくさん飾ってあるドミニクの家がとても素敵。そして今でもとても美しいドミニク。彼女の子供たちが幼い頃を過ごした家など、美しい南フランスの海沿いの町を巡っていくのもいい。

ヌレエフとの「薔薇の精」など、カルフーニがオペラ座に入団したころの映像を少しずつ紹介しつつ(彼女のオペラ座時代の映像はとても少ないよう)、様々な関係者のインタビューが入る。ロマンティック・バレエの役ばかりを踊って行き詰まりを感じていたドミニクは、「スパルタクス」のウラジーミル・ワシーリエフの踊りに魅せられて、ロシアで1年間研修をする。グリゴローヴィチにも気に入られ、オペラ座に戻って踊った「イワン雷帝」のアナスタシア役の映像がとても表現力豊かで流麗で儚く、美しい。ワシーリエフのインタビューがとても面白い。まず、ドミニクの素晴らしい目を絶賛。そして音楽の内包する微妙な感覚を表現するのがバレエであるけれども、それができるダンサーは少ない、ドミニク・カルフーニはそれができる貴重な一人だと。芸術とは想像であり、想像のないバレエはバレエではない、という言葉には、なるほど、と頷いた。友情は今も続いているようで、カルフーニ親子とワシーリエフが食事をする様子も映し出されている。

他にも、共演していたミハイル・バリシニコフ、ミカエル・ドナール、そしてピエール・ラコットらが、ドミニクについて語っている。ラコットの現役最後の舞台でパートナーを務めたのがドミニクだったのだ。バリシニコフは、マチューの舞台を観たことはないものの、リハーサルは何度か観たことがあるそうで、母と同様美しいダンサーだと絶賛している。

エトワールになったものの、もっと色々な作品を踊りたいと思ってオペラ座を退団し、ローラン・プティ率いるマルセイユ・バレエに移籍したドミニク。豪華だったガルニエに対し、マルセイユの劇場の小ささにはショックを受けたそうだ。「カルメン」を踊る彼女の脚の美しいこと。「マ・パブロヴァ」の写真でもお馴染みだけど、幼いマチューの可愛らしい写真や、バレエを習いたての頃の映像もちょっと出てくる。現役のダンサーとしては、マチューがエトワールに任命された時のパートナーであり、ドミニクの指導も受けていたアニエス・ルテステュのインタビューが登場。スジェの地位でバジル役に抜擢された時も、彼は全然緊張などしていなかったそうだ。「ドン・キホーテ」での共演のほか、ウェイン・マクレガーから「Genus」で共に振付指導、リハーサルを受けているところや、「Genus」本番の舞台の映像も出てくる。

マチューの妹で、今年オペラ座に合格したマリーヌの「ドリーブ組曲」の映像もちょっと観ることができる。オペラ座にて付き添うドミニクの前で、厳しくマチューにダメ出しをする芸術監督ルフェーブルが、すごく怖かったのも印象的。マチューはどんな時でも屈託なくニコニコしていて、性格の良さがにじみ出ているのに。

舞台の映像は思ったより少ないものの、貴重なものが多い。マチューの「ラ・シルフィード」のジェームズでは5番の位置の美しさにうっとり。サンクトペテルブルグでマリインスキーのオレシア・ノーヴィコワと踊った「ジゼル」は舞台袖からの映像だけど、それもちょっと視点が変わっていて面白い。若いダンサーが演じるアルブレヒトってそんなに観たことがないから、新鮮。マチューは、ドラマのある役が好きということで、お気に入りの役は「ラ・シル」のジェームズ、「ジゼル」のアルブレヒト、「椿姫」のアルマン、そして「プルースト」のサン=ルーなどとのこと。素晴らしい母から、そして周囲からもどんどん学んでいくマチューが、これからどんなダンサーに成長していくのか、とても楽しみ。

マチュー・ガニオ&カルフーニ~二人のエトワール~マチュー・ガニオ&カルフーニ~二人のエトワール~
マチュー・ガニオ Mathieu Ganio, ドミニク・カルフーニ Dominique Khalfouni

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