新国立劇場・シーズンエンディングパーティと新芸術監督人事
昨日は、新国立劇場のシーズンエンディングパーティに行ってきました。場所はホワイエで、参加者は300人くらいとのことですが、バレエファンは比較的少なかったのではないかと思いました。お友達3人+友達の小学生の娘さんが一緒。遠山理事長、オペラ部門の若杉弘芸術監督、そしてバレエ部門の牧阿佐美芸術監督の挨拶あり。若杉さんは、腰を痛められたとのことで、壇上の横までは車椅子だったのですが、壇上には支えられながらも歩いて上がりました。
それから乾杯の挨拶ということで新国立劇場のスタッフの方が、今シーズンの簡単な総括を。去年は、とある顧客のおば様が乾杯の挨拶なのに30分以上も延々と話し込んで大顰蹙だったので、身内の方が発声されたのですね。観客動員は上々で、販売可能な座席数に対する有料入場者数比率が、オペラが97%、バレエが95%とのことです。なお、予算に対する国庫負担率は年々低下しており、現在は開場時の48%とのこと。
そして新国立劇場オペラ研修所の研修生(9期生)であるバリトンの近藤圭さんと、ソプラノの山口清子さんによるミニコンサート。素敵な歌声を聴くことができてとても満足できました。近藤さんは長身でとてもハンサム、声も良かったですし、山口さんも華のあるソプラノ。
次にダンサー紹介。今回は、厚木三杏さん、寺島ひろみさん、さいとう美帆さん、本島美和さん、そしてマイレン・トレウバエフが出席。去年と同じメンバーは本島さんとマイレン。それから、別に寺島まゆみさんも出席していました。ダンサーが自己紹介している間に、あっというまにお食事が消えてしまって、結局ほとんど何も食べられませんでした。でも、ダンサーの皆さんと歓談できたのは楽しかったです。新国立劇場は、来年9月にボリショイ劇場で牧阿佐美版の「椿姫」を上演するとのことで、マイレンもとても張り切っていました。(しかし、やっぱりこの作品は微妙ですよね。牧氏はどうも、人間関係を淡白に描きすぎる傾向があります)
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000429.html
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さて、2010年9月より、3部門とも新しい芸術監督に代わりますが、その人事をめぐってはいろいろと批判も寄せられているようです。バレエ部門の場合には、デヴィッド・ビントレーがバーミンガム・ロイヤル・バレエと兼務であり、フルタイムではないことだけが問題になっていますが、他部門に関してはもっと問題が大きいようですね。
代表的なのは、朝日新聞のこの記事
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY200807090066.html
や毎日新聞のこの記事
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080708dde012040050000c.html
若杉さんの健康問題もあり、指揮者の尾高忠明さんがオペラ部門の次期芸術監督に決まったようですが、本人が就任についての新聞記事を読んで驚いたということだそうです。そもそも、尾高さんはオペラの指揮は現在はほとんどしていないし、納得のいく説明を得られなければ辞退の可能性もあるとのこと。
また演劇部門は07年9月に就任したばかりの演出家の鵜山仁監督の退任が問題にされているようです。鵜山さんが就任してから、演劇部門に関しては「三つの悲劇」シリーズの動員率が4割前後と低迷していたようですが、その後の「焼肉ドラゴン」などは大好評。1年もたたないうちに退任というのは、芸術上の成果をまったく見ていないということになります。理事会でも、小田島雄志氏や永井愛氏はじめ多くの理事から、疑問が出されていたようです。また、毎日の記事では蜷川幸雄氏も、この件について「。(入場率4割などを問題にするなら)野球の監督と同じで、そんなことで切り捨てられてはたまらない。国立の舞台は、芸術的成果こそ問われるのであって、興行面であれこれ言われる筋合いはない」と批判しています。
私ももともと演劇が好きだったのに最近はバレエにかまけていてなかなか観に行く暇がありませんでした。せっかくアトレ会員なので、演劇もたまには観に行かなければと思います。
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