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2008/07/13

noon dance performance「TRIP」

noon dance performance
「TRIP」

7月12日(土) 14:00~
アサヒアートスクエア

出演:
中村恩恵  松本大樹  森本由布子  大嶋正樹  小尻健太  
首藤泉  スズキケンタロー  松崎えり
http://www.ny.airnet.ne.jp/piccolo/sche.html

noonはバレエ団ピッコロに所属しながら、中村恩恵さんのプロジェクトに参加したり、海外での経験も豊富な松崎えりさんが企画、演出、振付を手がけるプロジェクト。2000年より活動してきており、パリでも公演を行ったことがあるそうだ。今回は、元NDTで現在は振付家としても活躍し、キリアンの依頼でローザンヌコンクールの審査員を務めていたりした中村恩恵さん、現NDT1の小尻健太さん、元NDT2で現クルべり・バレエの首藤泉さん、そしてさまざまなダンス分野で活躍している松本大樹さん、森本由布子さんが出演。そして、元東京バレエ団の大嶋正樹さんが怪我からの復帰出演第一弾となる。
今回は、さらにパリ在住のコントラバス奏者スズキケンタローさんが演奏で参加した。

アサヒアートスクエアはこじんまりとしたホールで座席数も少なく、ダンサーたちを親密に感じられる場所。かのアサヒビールのフィリップ・スタルク設計の有名な建物の中にある。

1.TRIP
振付・演出 松崎えり
出演:中村恩恵 松本大樹 森本由布子 松崎えり 大嶋正樹 小尻健太 スズキケンタロー

まず舞台に登場した中村恩恵さんの表現力に驚かされる。中村さんを舞台で観るのは初めてなんだけど、身体の使い方が独特で、しかも本当に自由自在に身体をコントロールして動いている感じ。クラシックバレエのダンサーとは違った感じなのだけど、強靭さと独特の美しさがある。この人の踊りを観られて良かった、と思わせてくれる人。次に登場するのは、大嶋さん。女性三人は、薄いベージュのキャミソールドレス。男性はバラバラな服装。そして6人のダンサーが、時としてペアになり、時にはソロになる。ペアでの動きが多くて、エネルギーのぶつかり合いを感じる。時にはダンサーは会話も交わすけど、それらの会話も即興的なやり取り。コンテンポラリーダンスを表現するのって難しいっていつも思うんだけど、コミュニケートすることの多様性を感じさせる、面白い作品だった。大嶋さんは控えめながらも跳躍もしていたし、やっぱり6人の中で一番バレエ的な綺麗な動きを見せてくれた。怪我の後遺症のようなものは全然感じさせない。一番動けているな、と思ったのは小尻健太さん。この人の動きはカッコいい。男同士のカンフーというかアクションっぽい動きなんかもある。ダンサーたちは客席の中から登場したり、袖から登場したり引っ込んだりと入れ替わりたちかわり。それから、生演奏のコントラバスの音楽が底から響いてくるような深い音で、でも時にはこれってコントラバスの音なの?と思うような明るい音色の時もある。音楽のジャンルとしてはジャズなんだけど、これが実にカッコいいし振付に合っている。1時間ほどの作品だったのだけど、全然飽きなかった。

それと面白いのが、なんと「黒ひげ危機一髪」のゲームが登場して、ダンサーたちが並んで立ち、一人一人剣を黒ひげに挿していく。私が観た時は、大嶋さんが当たっちゃった。ダンサーたちがお互いの顔色を見合っているところや反応がすごく可笑しい。しかも思わぬところから、ゲーム用の剣が隠してあったりして登場するし。誰があたるのかわからない、というところが、いかにも即興的に面白い。

2.Ester
振付:Jermaine Spivey
出演:首藤泉

首藤さんのソロ作品。日本語の台詞をサンプリングした音楽を使用。スポットライトの中で立つ首藤さんが、なんと表現していいのか難しいのだけど、すごい速さで、背中を反らせたり、バットマンしたり、流れるようなのにびっくりするようなものすごい動きを見せてくれる。人間の身体ってこんな風にパーツがばらばらに動くことができるんだ、という驚愕的な体験。首藤さんは小柄でかわいらしい外見なのに、こんな風に自由に身体を動かせるところが、すごい。これが表現ってものなんだ、と思う。

3.II pluet
振付:松崎えり
出演:松本大樹 松崎えり
これは小品。この二人のダンサーも、独特の表現力があって素敵だな、と思った。

4.Given Form
concept 中村恩恵
出演:全員

これは、インプロヴィゼーション(即興)主体の振付で、両端に大嶋さんと森本さんがいて、ダンサーたちが主に二人一組になって、即興でペアで踊る。ダンスに呼応して、両端の二人が連想した言葉を発し、それに対応してまたダンサーが動きを繰り広げる。時には、演奏するスズキケンタローさんをちょっといじってみたり、これまたすごい面白いコンセプト。もちろん、スズキさんが奏でる音楽も即興である。中村恩恵さんの動きがまたすごい。手を小刻みに動かしているシーンがあったんだけど、こんなにも細かく小刻みに手を動かせる人を初めて見たと思う。他のみんなも、様々な舞踊の語彙を持っているので、観ていて目が離せなくなってしまう。

上手く表現する言葉が見つからなくて申し訳ないのだけど、とにかくとても面白い公演だった。ダンスのジャンルを越えた部分、多様性、音楽との融合、自由さ、可塑性、人間同士のやりとり。私はコンテンポラリーダンスってそんなに観ている方じゃないし、理解できる感性もないのだけど、時に単調に感じたり退屈することが今まで多かったのに、今回はずっと面白い~と思って見続けることができた。このプロジェクトは、毎年やっているようなのでまた観てみたい。即興的な部分が多いので、何回か観てみて違いを感じるのも面白そう。

そして、今回のダンサーの多くがNDTに関連していたり、ヨーロッパのバレエ団に所属していたり、海外とのかかわりが多い人がそろっているのが、この面白さの理由のひとつなんだと思う。特に、彼らに大きな影響を与えているイリ・キリアンってすごい人なんだなと改めて思った。

公演は明日15時~からもあるので、興味のある方はぜひ。全席自由で当日券の発売あり。

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