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2008年7月

2008/07/31

ABT韓国公演その2/スージン・カンのフレンズ公演

といっても、残念ながら私は観に行っていませんが!

韓国のKorea Timesで、ABTの韓国での記者会見の模様が掲載されています。日本では会見をやっていませんよね?

http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2008/07/145_28386.html

会見に出席したのはケヴィン・マッケンジーはじめ、「ドン・キホーテ」に主演するシオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ、ホセ・カレーニョ、パロマ・ヘレーラ、ミシェル・ワイルズ、そして韓国人コール・ドのヒー・セオです。ヒー・セオはとても美しく有望なダンサーなのですが、日本公演では背中を痛めてしまったようですね。マッケンジーは、我々はダンサーとして来ただけでなく、文化大使としても来ているということを強調していました。この機会に、韓国からもいろいろ学びたいとのこと。

ダンサーの皆さんはちょっと疲れて見えていたとのこと。ソウルは日本よりも暑いのでしょうか?

もうひとつ、Korea Timesで紹介記事がありました。アンヘル・コレーラの「エチュード」の写真がとてもカッコいいので、彼の降板が残念ですね。

http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2008/07/145_28048.html

******

韓国といえばスージン・カンのフレンズ公演のツアーも行われます。同じKorea Timesの記事から
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2008/07/145_27487.html

注目は、シュツットガルト・バレエの同僚であるマリイン・ラドメーカーと踊る「椿姫」のパ・ド・ドゥ、そしてジェイソン・レイリーと踊る「オネーギン」です。ラドメイカーとレイリーは、男性二人のパ・ド・ドゥ"My way'も踊るようです。

youtubeにマリイン・ラドメーカーと踊る「椿姫」の映像がありますが、本当に表現力が凄くて、素晴らしいです。

また、マリインスキー・バレエで活躍するユ・ジヨンら海外で活躍中のダンサーがたくさん出演します。

2007年の朝鮮日報のスージン・カンのインタビューでは、彼女が演じたジュリエットの美しい写真があります。限定部数の写真集が出版されたそうです。彼女の入団20周年を記念し、シュツットガルト・バレエでは彼女へのオマージュを捧げた「ロミオとジュリエット」の公演が7月7日に行われました。もちろん、スージンがジュリエットを踊りました。彼女はもう41歳で、カンパニーのダンサーでは最高齢なのだそうです。しかし今も、朝6時半からの一日6時間のリハーサルを行い、身体はますます調子が良くなっているとのこと。

http://english.chosun.com/w21data/html/news/200706/200706280009.html

11月のシュツットガルト・バレエの来日公演では、主役にはキャストされていないものの、チラシに写真は載っているので、何かは踊ってくれるものと期待します。

新潟県中越沖地震チャリティーバレエガラ、演目一部決定

新潟県中越沖地震チャリティーバレエガラコンサートブログによると、

http://niigata-gala.seesaa.net/

なかなか決まらなかった上演演目の第一弾が決まったそうです。
(上演順は未定ですが、「ドン・キホーテ」がラストを飾るとのこと)

「ライモンダ」3幕グラン・パ・ド・ドゥ
ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・メルクリエフ

「ドン・キホーテ」2幕居酒屋のシーン~3幕グラン・パ・ド・ドゥ
ガリーナ・ステパネンコ(キトリ)、アントン・コルサコフ(バジル)、アンドレイ・メルクリエフ(エスパーダ)、アンナ・パシコワ(メルセデス)、エレーナ・コレスニチェンコ他

「海賊」2幕パ・ド・トロワ
東京・桶川公演:イリヤ・クズネツォフ(コンラッド)、アリーヤ・タニクバエワ(メドーラ)、ミハエル・マルチュニク(アリ)
奈良・新潟公演:エレーナ・フィリピエワ(メドーラ)、セルゲイ・シドルスキー(コンラッド)、イリヤ・クズネツォフ(アリ)

「マノン」1幕より
ユリア・マハリナ、イリヤ・クズネツォフ

「シェヘラザード」
東京公演:イリヤ・クズネツォフ、アンナ・パシコワ
奈良・桶川・新潟公演:イリヤ・クズネツォフ、高橋晃子

「薔薇の精」
アントン・コルサコフ、さいとう美帆

「海賊」よりランケデムとギュリナーラのパ・ド・ドゥ
寺島まゆみ、芳賀望

「ロミオとジュリエット」(ワシーリエフ版)
オクサーナ・クチュルク、イーゴリ・イェブラ

「白鳥XXI」
イーゴリ・イェブラ

「ソナチーナ」(バランシン振付)
オクサーナ・クチュルク、イーゴリ・イェブラ

「Lady in Red」
オクサーナ・クチュルク

「白鳥の湖」より2幕のグラン・アダージオ
ダリア・スホルコワ、シリル・ピエール

「瀕死の白鳥」ユリア・マハリナ

残りの演目については、引き続き、芸術監督、ダンサーとの調整、および権利交渉を行っているとのこと。一人につき、2演目以上踊る計算になるようです。


*******
「ライモンダ」と「ドン・キホーテ」はガリーナ・ステパネンコの十八番なので絶対に行われると思っていましたが、「ドン・キホーテ」が3幕のGPDDだけでなく、居酒屋のシーンから行われるのはガラでは滅多にないので、とっても楽しみですね。しかも、メルクリエフのエスパーダ!カッコいいでしょうね~!

イリヤ・クズネツォフはマリインスキーの誇る名ドゥミ・キャラクテールですが、最近の来日公演は怪我でキャンセルしていて、なかなか東京で観る機会もなかったので、これも楽しみです。「海賊」のパ・ド・トロワだし!

イーゴリ・イェブラの「白鳥XXI」、これはスペイン・ガラで一度観ましたが、インパクトが強く美しい演目だったのでまた観られるのが嬉しいです。アントン・コルサコフの「薔薇の精」は3月のNYでのマリインスキー公演で観て、個人的にはサラファーノフのより良かったと思うので、こちらもまた観られるのが楽しみ。

エレーナ・フィリピエワとセルゲイ・シドルスキーが東京や桶川に出ないのが残念です。

主催者、アーツ企画のブログでは、アントン・コルサコフのキュートなスナップ写真も載っています。
http://ameblo.jp/arts-planning/entry-10111394129.html

2008/07/30

熊川哲也「海賊」怪我で降板

K-Balletのオフィシャルサイトのお知らせによると、

http://www.k-ballet.co.jp/topics/performance.html#080730

「海賊」公演にアリ役で出演を予定しておりました熊川哲也は、
リハーサル中に右膝半月板を損傷、ぎりぎりまで出演にむけた調整を図ってまい りましたが、
手術を余儀なくされる状態となり出演を断念することになりました。

とのことだそうです。膝半月板の損傷というのはかなり重症だと思われ、心配ですね。

当該公演をご覧にならない場合は、下記の要領で入場券の払い戻しをさせていただきます。
本公演の払い戻しに関しての詳細は、7月31日以降下記にてご確認ください。

http://www.ints.co.jp/k_ballet_2008summer/

ということで、払い戻しに応じるようです。去年の「海賊」での降板もまだ記憶に新しいところですが…。

熊川さんのアリの代役は、すべて遅沢佑介さんです。遅沢さんは背が高くてテクニックもあり、とてもよいダンサーだと思うんですけどね。 一日ブーベルくんのアリがあるほかは、連日アリ役っていうのは凄くハードで、心配です。

7月30日のギュリナーラに中村祥子さん(SHOKOという表記になったのでしょうか?「DDD」のインタビューでも、中村祥子さんという名前が一度も出てこなくてSHOKOとなっていました)。
8月3日のメドーラ役には、吉田都さんが登場、と代役は豪華です。

去年K-Balletの「海賊」は観に行ったので今年は観に行かない予定なのですが、熊川さんのアリが今回もキャンセルされるのは本当に残念ですね。しかし無理をされないでゆっくり治療して欲しいなって思います。

「コッペリア」公演
熊川哲也出演に関する詳細は下記の通り発表
●8月12日(火)以降 WEB:チケットスペースHP http://ints.co.jp
●8月14日(木)以降 お電話:チケットスペース03-3263-6499

とのことなのですが、ホント、無理しないでほしいです。吉田都さんのスワニルダが観たいなと思っていたのですが、何しろ今は貧乏のズンドコなので、様子見をしているところです。

ABT韓国公演

ABTの韓国公演は、木曜日からセジョン・センターで行われます。12年ぶりの韓国公演だそうで…。
オフィシャルサイトはこちらです。動画やギャラリーもあってなかなか楽しいです。アンヘル・コレーラの「エチュード」の写真がカッコいい!
http://www.abt2008.com/

31日木曜日は「Rabbit and Rogue」と「エチュード」のダブルビルです。

「エチュード」
(Michele Wiles) (Marcelo Gomes)(Cory Stearns)
「Rabbit and Rogue」
(Gennadi Saveliev)(Gillian Murphy)(Ethan Stiefel)(Herman Cornejo)(David Hallberg)(Maria Ricetto)

「Rabbit and Rogue」は東京と同じファーストキャストですが、「エチュード」はマルセロ・ゴメスとコリー・スターンズなんですね。超・羨ましいキャストです。今シーズン大プッシュのコリーくんはきっとシーズン終了と同時に昇格しそうですね。

「ドン・キホーテ」
8.1
(Paloma Herrera)(Jose Manuel Carreño)

8.2 マチネ
(Xiomara Reyes)(Herman Cornejo)

8.2 ソワレ
(Gillian Murphy)(Ethan Stiefel)

8.3
(Michele Wiles)(David Hallberg)

大阪の「海賊」のアリを降板したホセ・カレーニョですが、バジルは踊れる予定なのですね。そして、エルマン・コルネホのバジルも!さらに、デヴィッド・ホールバーグがバジルを踊るんですね。今までは彼はエスパーダを踊っていたわけですが、あのちょっと影のある美青年ぶりでバジルってなかなかイメージが湧かないというか、ちょっと怖いもの見たさで見たい気がします。前回の来日公演でキャンセルされてしまったイーサンのバジルもあるし、羨ましいです。

韓国なら週末だけで行こうと思えば行けるのですが、さすがにあまりにも散財をしてしまったので無理です。
(いくら物分りの良いわが宿六も、このままでは三行半を提出しかねない(苦笑))

ホセ・カレーニョは元気に韓国入りをしたようですね。韓国の新聞記事に(記事は英語)空港での写真が載っています。
http://english.donga.com/srv/service.php3?bicode=040000&biid=2008072986308

と思ったら、日本語版もありましたね。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008072986308

写真の真ん中に写っている美人さんは、コール・ドのメラニー・ハムリックですね。後ろに写っているホセも嬉しそうです。

しかし、記事中に「英ロイヤル・バレエ団、フランスのパリオペラ・バレエ団と共に世界3大バレエ団」ってありますけど、それはいくらなんでも違うと思います(笑)。

****

さすがに連続の鑑賞、仕事、その他雑事などで寝る時間もなく、体調を崩してしまいました。不眠症、アレルギー性皮膚炎、腹痛、足の怪我などなど…。メールのお返事等、滞っており申し訳ありません。また家事等も相当溜め込んでしまい、家人の堪忍袋の尾が切れないように今までの分の埋め合わせをしなければなりません。

でも、パリでの「椿姫」をはじめ、ロイヤル、ABTの鑑賞では、世界中からのいろいろなお友達と一緒に楽しめたのは本当に楽しかったです!皆様、本当にありがとうございました。

2008/07/29

残念なお知らせ二つ(ドロテ&アレッシオ降板、マーティン・ハーヴェイ退団)/追記あり

mizukoさんのblog
http://eugeniajournal.blog114.fc2.com/

で教えていただきましたが、

"2008 International Gala Hikasa Ballet 国際交流公演"

に出演予定だった、ドロテ・ジルベールとアレッシオ・カルボネ、エディス・エルグチとクルシャット・クルチが降板しています。

以下、東京公演用のサイトから転記:

An Creative Inc. 
http://www.ancreative.net/

出演者変更(7月25日現在)
パリオペラ座 ドロテ・ジルベール、アレッシオ・カルボーネ
 →ベルリン国立バレエ団 コリーヌ・ヴェルテル
 →ミュンヘン・バレエ団 ティグラン・ミカイ

ロバートノースダンスカンパニー エディス・エルグチ、クルシャット・クルチ
 →イスタンブール国立オペラ・バレエ劇場 エルハン・グゼル
 →イスタンブール国立オペラ・バレエ劇場 メリッヒ・メルテル
に変更とのこと。

ドロテとアレッシオの共演が楽しみだったので残念です。日本人出演者にあまり惹かれてなかったので、残る楽しみはダニール・シムキンとキューバ国立バレエペアですね。

7・31追記:
http://hikasa-ballet.com/
で今回の降板についての詳しい説明があります。ドロテが足を故障してしまい手術することになっため、来日が不可能となったとのことです。また、代役のプロフィールや、代役として出る経緯をきちんと説明してくださっているのはとても親切だと思うんです。だけど、ドロテが無理でも、アレッシオだけでも観たかったと思っている人が大半なんではないかと思うんですよね。やはり、ドロテとアレッシオが観たくてチケットを買った人が多かったと思うし、せめてアレッシオだけでも、と思うんです。
なお、その他、現在、著名なダンサーと交渉中とのことです。

さらに追記
またまた「日々これ口実」のebijiさんに教えていただきましたが(いつもありがとうございます)、プログラムが発表されており、当初出演が予定されておりながらも一旦キャンセルされたヨハン・コボーが復活しています。
しかも「牧神の午後」です。この「牧神の午後」はKings of the Danceでコボーが踊ったテイム・ラシュトン振付のものですね。これは男性ダンサー一人によるソロだそうで、面白そうな作品です。

出演者変更に合わせプログラムも一部変更となります。(7月31日現在)

●オープニング・オクテット 阿部真由美(フリー)、山本麻由、前田望友記、住友拓也(田口バレエ)エルハン・グゼル(イスタンブール国立オペラ・バレエ劇場)メリッヒ・メルテル(イスタンブール国立オペラ・バレエ劇場)高橋真之、宇賀大将

●「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ
コリーヌ・ヴェルテル(ベルリン国立バレエ団) ティグラン・ミカイェリャン(ミュンヘン・バレエ団)

●ア・ビアント 田中祐子(牧阿佐美バレエ団)逸見智彦(牧阿佐美バレエ団)

●ハレキナーデ 岩本桂(牧阿佐美バレエ団)エルハン・グゼル

●ディアーナとアクティオン ヴィエングゼイ・ヴァルデシュ(キューバ国立バレエ団) ロメル・フロメタ(キューバ国立バレエ団)

●ロミオとジュリエット下村由理恵(フリー) 山本隆之(新国立劇場バレエ団)

●ライモンダ グランパ・ド・ドウ 田中祐子(牧阿佐美バレエ団) 逸見智彦(牧阿佐美バレエ団)

●海賊 グラン・パ・ド・ドゥ岩本桂(牧阿佐美バレエ団) メリッヒ・メルテル

●ドン・キホーテ  グラン・パ・ド・ドウ ヴィエングゼイ・ヴァルデシュ(キューバ国立バレエ団)ロメル・フロメタ(キューバ国立バレエ団)

●牧神の午後 ヨハン・コーブルグ

●Bach a O'rienthal, 5 Tangos カルロス・ピニロス(The National Ballet Portugal)

*********

また、Ballet.co経由のロイヤル・バレエのプレス・リリースによると、ファースト・ソリストのマーティン・ハーヴェイが今期限りで退団するそうです。
今後の予定としては、ウエスト・エンドのミュージカル、Dirty Dancingに出演することが決まっているそうで。

来日公演での「シルヴィア」のエロス役で見せた肉体美、「眠り」のトロワのテクニック、さらにはコジョカル主演でDVD化予定の「ジゼル」のヒラリオン役での演技力。「オネーギン」のオネーギン役、さらにはバーミンガム・ロイヤルの「エドワード二世」に客演したりと活躍していた、ハンサムで身長もある素敵なダンサーでお気に入りだったので、本当に残念です。

ウェストエンドの舞台で活躍する彼も是非観てみたいですが。


なお、ロイヤルのオフィシャルに、正式な昇格、入団、退団情報が出ており、まぎらわしかった高田茜さんについては、アーティストとしての正式入団のようです。

JOINERS
James Hay is joining The Royal Ballet Company as an Artist from The Royal Ballet School. Also two Prix de Lausanne apprentices Akane Takada and Kyle Davies join as Artists.


LEAVERS

First Soloist, Martin Harvey, leaves the Company at the end of the 2007-08 Season permanently and joins the cast of Dirty Dancing in the West End as of September 2008.

2008/07/28

パリ旅行記その3 マリー・アントワネット展

パリ三日目は、いつも必ず寄るオペラ座通りのPAULで朝食。バレエダンサーの絵のついた鏡が可愛い。

今日は友達と別行動で、私はグラン・パレで開催中のマリー・アントワネット展へ。ところがちょうど最終日で、ものすごい列が。結局炎天下の元、一時間半も並ぶ羽目に。アメリカの独立記念日前ということもあり、アメリカ人観光客が多い。たまたま後ろに並んでいたアメリカ人の夫婦の奥様と話をした。彼女はアメリカのチャールストンにある大学で、美術史を教えているという。ひとしきり、ギュスターブ・モローや印象派の中のジャポニズムの話で盛り上がる。オペラやバレエもよく見るようで、ルグリのことも知っていた。イタリアでスポレート・フェスティバルという芸術祭があるのだけど、そのアメリカでの開催のスタッフもしており、オペラの招聘をしている。さらに彼女は大学のビジネススクールでも生徒をオペラに連れていくことや、歌手に特別講義してもらうことを授業でやっているという。将来経営者となるには、オペラなどの教養が必須になるという考えからだそう。また生徒が経営者として成功したらパトロンになってもらえるからという考えもある。おかげで一時間半、面白い話を聞けた。

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マリー・アントワネット展は非常に面白かった。彼女が生まれた時から処刑された時までの足跡を丹念に追っている。オーストリアでの少女時代は教養としてバレエを踊ったりハープを弾いていた。バレエを踊る愛らしい絵があった。フランスに嫁いだ時、新しい皇太子妃の顔を知らしめるため、無数の肖像画が描かれた。肖像画がパブリシティの役割を果たし、享楽的な生活が批判された時には、子供たちと連れ立った優しい母親としての姿を、そして知性の欠如が囁かれた時には本を開いて微笑む姿が描かれた。しかし、やがてどんな肖像画が公開されても、些細な口実でマリーは批判に晒されるようになる。

彼女は美的センスには非常に優れていたようで、ヴェルサイユ宮殿やプチトリアノン宮殿の調度品の素晴らしいこと!別荘の室内が再現されたり、ドレスのテキスタイルの一部も見られて贅沢な展示。オリエンタルスタイルやカントリーなど、様々な意匠を取り入れた家具は、当時の最先端を行く斬新で優れたデザインのものばかり。そして陶磁器や置物なども、贅を尽くしただけでなく、どれも高い美意識を感じさせる。肖像画の彼女が纏うドレスも、質感、繊細さ、モチーフみな美の極致。

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しかしフランス革命により彼女が投獄され、断頭台の露と消えるまでを物語る展示品は、それまでの華やかな調度品とあまりにも対照的で、残酷なほど。国王夫妻を揶揄した風刺画の数々。幽閉先の塔で着せられた粗末な木綿の服は下着のようにしか見えないし、鏡や椅子なども、牢屋にしかありえないようなもの。陰欝な塔のデッサンも。ギロチンが待つコンコルド広場に引き立てられる様子の絵画では、毅然とした美しい姿の彼女。しかし最後の展示品は、これまた処刑される直前の彼女を虚仮にした有名な風刺画のスケッチだった。

しかしながら、幽閉されてから斬首されるまでの二年間に、贅沢三昧で国民の困窮も知らなかった我が儘な王妃が、受難の聖女へと変貌し、永遠に記憶される存在となったというのが、この展覧会を通して理解できた。

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グラン・パレから灼熱のシャンゼリゼまで歩き、バーゲンを見て回るけど気に入った服は見つからず、ただ大好きなアガタでテリアをモチーフにしたシルバーのネックレスを半額で購入。それから、FNACでキューバ国立バレエのドン・キホーテのDVDとアンナ・ネトブレコのアリア集「duets」が安かったので買う。さらに歩いてオランジュリー美術館へ。

月曜日は、オルセー美術館が休館ということで、オランジュリー美術館も入場制限するという混雑振りだったけど、30分ほど並んだらなんとか入場できた。実際に入場してみるとそれほど混んでいない。実はここに行くのは初めて。何年か前にパリに行ったときには改装休業中だった。それほど大きくない美術館だけど、モネの「睡蓮」連作が8作品もあり、4作品ずつ、楕円形の展示室に円環のように展示されているため、部屋の中央にいると睡蓮と水の織り成す光と闇とめくるめく色彩の世界に浸ることができる。夜に予定があるのであまりゆっくりはできなかったけど、ここでボーっとすごすことができたら素敵だろうなと思った。

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また、ピカソ、ルノワール、ローランサン、マティスなどのキュビズムから印象派の有名な作品もたくさん揃っている。面白かったのはローランサンで、ニジンスカが振付けた「牝鹿」の元になったと思われる作品(「牝鹿」の美術はローランサンによるもの)や、ダンサーたちを描いた作品、ココ・シャネルの肖像などが素敵だった。

部屋に戻って着替えた後、ガルニエの前で日本からルグリを観に来た友達と待ち合わせてお茶。そのお友達(とそのお友達)は、パリに来る前にリヨンで、ルグリ、イレール、そしてギエムが東京バレエ団に客演した公演を観て来たという。猛暑のパリよりもさらに暑いリヨンで、野外公演ならではの様々なハプニングがあったようだけど、夜空の下で行われた公演は感動的だったようだ。ギエムの「ボレロ」が終わった時には、熱狂した観客が座布団を投げたという!とても面白い感想を聞くことができて楽しかった。

そして、夜はルグリとデルフィーヌ・ムッサンの「椿姫」。これが、ルテステュ&ボッレの公演とはまったく違うけど、それはそれは素晴らしく心を揺り動かす公演だった。デルフィーヌ・ムッサンは、登場した時には少々皺が目立って見えて一瞬引いたけど、踊っているうちにみるみる若く美しく、つややかで女らしくなっていって、高級娼婦らしい薫り高い気品と凛とした部分、そして母性的な優しさを感じさせ、しかも感情移入できる生身の人物像になっていった。彼女を輝かせることができるのが、ルグリの凄いところだと思う。そのルグリの演技の若々しさにも驚愕。この日は、前から7列目の上手寄りで、結構舞台に近かったのに、彼が若く美しく、そして純粋で可愛らしいところもある若者に見えていたのだ。詳しい感想はまた改めて書きたい。この二人のパートナーシップも最高だったし、見た感じの釣り合いも取れていた。とにかく、濃密で美しく、完成度が高くて、宝石のように磨かれた舞台を観たという感動で胸が満たされた。茫然自失になって胸の鼓動が止まらず、現実に戻れなかったのはルテステュ&ボッレの方だったけど。

終演後、たまたま真っ赤なドレスに身を包みながらもスクーターで飛ばして帰途につくデルフィーヌを見てしまって驚いちゃった(笑)

そして、またまた、ロベルトファン&モローファンの方と、同行の友達の4人で、深夜までカフェでバレエ談義に花が咲いた。楽しかった!

マニュエル・ルグリの予定

エトワール・ガラの出演予定がそろそろルグリさんのオフィシャルで更新されるかな、と思って見に行きました。そしたら、エトワール・ガラのほか、世界バレエフェスティバルの出演予定とありました。

http://www.manuel-legris.com/actualite.html

オーレリー・デュポンとの共演なのだそうですね。オーレリーはもう9月には復帰するようですし。

遅ればせながらやっと最新のダンスマガジンを読んだのですが、そこでも、ルグリさんは、世界バレエフェスティバルに出ると語っています。エトワールとしての最後の出演は、「オネーギン」になりそうですが、以降も「プルースト」などでオペラ座に出演し続けるそうで、当分引退されることはないとのこと。

来年の予定としては、ミックスプロにおけるプティの「アルルの女」、「ル・パルク」、ミックスプロのナチョ・ドゥアト「ホワイト・ダークネス」、「オネーギン」、そして「プルースト」が今のところ予定されているようです。

NBSからは、ルグリが東京バレエ団を指導する公開レッスンの案内が届いていましたが、残念ながら都合が悪くて観に行けません。「ジゼル」の公演後なのですね。(「ジゼル」も行けなくなったので、チケットを譲渡しなくては。こういう時に祭典会員は不便です)

ABT祭も大阪「海賊」で終了

昨日の大阪での海賊で、ABT祭が終了しました。ホセ・カレーニョが足の甲の炎症で降板し、アリを踊ったのがエルマン・コルネホだったのですが、彼が素晴らしかったです。日本でのアリは三回目でしたがベストパフォーマンス。気品ある佇まい、小柄ながらも鍛え上げられた厚い上半身。柔らかく高く、高速回転のトゥールザンレール、カブリオール、そしてピルエット11回転など超絶技巧を披露しながらも決してやり過ぎ感がないのは、ホセ譲りのエレガンスの賜物。不調をまったく感じさせない渾身のパフォーマンスでした。これからガラやゲストなどでも観たいダンサーです。現代のニジンスキーという人がいるとしたら、彼が一番近い存在なのでは?ニジンスキーも小柄な人だったと言います。

ニーナがABTで日本で踊るのはこの日が最後。全盛期のテクニックはないけれど、ヴェールをめくられて登場するシーンだけでその大輪の花のような華やかな魅力が伝わってきます。腕や脚をより長くきれいに見せる方法は心得ているし、一つ一つのポジショニングが美しい。かわいらしさ、ユーモアのセンスを見せたと思ったら洞窟でのパドドゥでは、しっとりと香り立つ色香と幸福感を漂わせ、魅力的でした。明るく華やかな愛らしさは、45歳となった今も健在。テクニカルな役は難しくなってくるでしょうが、ジゼルやジュリエットのような役はまだ10年くらいは踊れそう。フェッテはすべてシングルだったものの、きっちり32回回りました。何よりもニーナは、人柄の温かさが感じられ、観る者を幸せにしてくれる稀有なバレリーナ。

マルセロに関してはもう好き過ぎてまともな感想が書けそうにありません。何年か彼のファンをやってきて、毎年メトに、時にはシティセンターにも通いましたが、ついに花開いたと思いました。こんなにも素晴らしい、ワイルドさとノーブルさ、パッションと甘さ、少年らしさと成熟、セクシーさを兼ね備えた表現の豊かなダンサーがいただろうかと。ニーナへと寄せる限りない愛とリスペクトは、ジュリーへのとはまた別のもの。ニーナと舞台に立てる幸せを噛み締めているようで胸が熱くなりました。上昇してしばらく下りてこない高く柔らかいジュッテ、安定したサポート、男らしさの中の茶目っ気。二幕ヴァリエーションの後で見せた、東京とはまた別のガッツポーズと、浮き浮きと跳びはねながら走り去っていく姿が可愛かったこと!

ランケデム役ゲンナジーはまたまた、ヴァリエーションでファイブフォーティ三回プラス一回で観客の度肝を抜きました。彼のランケデムは演技が細かくて楽しいです。バービーさんのパシャの演技も、凄くユーモラスで大阪人にもウケていました。サシャのビルバント、前日のびわ湖での「ラビット・アンド・ローグ」であれほど動き回ったとは思えない元気さと切れ味で好演でした。いろんな意味でしんみりしましたが。今のABTは男性ダンサー、特にソリストに関しては相当の充実度を誇っているんだなあと改めて思いました。秋からはダニール・シムキン君も加わるし。

最後に最高のパフォーマンスが見られてよかったです。残念ながら「ニーナありがとう」という垂れ幕や紙吹雪はなかったけど、再び、ニーナのダイナミックな後ろ向きフィッシュダイブが見られました。何回も繰り返されたカーテンコールで、エルマンも主役と同じ位の拍手をもらっていたのも嬉しかったです。

最後にみんなにお礼を言いたかったのに、フェスティバルホールで転んで足の甲を怪我してしまいました。誰も一目も見られなかったし、当分ポアントが履けません。でも、ABTの皆様、素敵な夏をありがとう!

指揮/オームズビー・ウィルキンス オペラハウス管弦楽団

コンラッド/マルセロ・ゴメス
ビルバント/サシャ・ラデツキー
アリ/エルマン・コルネホ
ランケデム/ゲンナジー・サヴェリエフ
メドーラ/ニーナ・アナニアシヴィリ
ギュリナーラ/ミスティ・コープランド
セイード・パシャ/ヴィクダー・バービー
海賊の女/サラワニー・タナタニット
オダリスク/マリア・リチェット、クリスティ・ブーン、ヴェロニカ・パールト
フォルバン/サラワニー・タナタニット、サッシャ・ラデツキー

AERAにマチュー・ガニオのインタビュー

本日発売のAERAに、オペラ座のマチュー・ガニオのインタビューが一ページ載っています。

「バレエ王子はサラブレッド」という微妙なタイトルで、美貌と血統にクローズアップしているのは何とも、ですが。

「普段の僕はただの男。変にスター扱いされるのは嫌だ」「たまには日本のお客さんにも、僕が普通の男だってところを見せないとね」と語っています。エトワールガラでは彼の新しい一面が見られそうですね。

エトワール・ガラの今度こそ?正式出演発表

やっとBunkamuraHPで正式に発表されました。

http://www.bunkamura.co.jp/shosai/org17_08_etoiles_03.html

”つきましては、新たにマニュエル・ルグリ、メラニー・ユレル、マチアス・エイマン、アレクサンドル・リアブコの4人が来日いたします。”

※マニュエル・ルグリの参加が可能になったのは、
NBS 財団法人日本舞台芸術振興会の協力によるものです。
 
【Aプロ】

11)「ダンス組曲」
  (振付:J.ロビンス 音楽:J.S.バッハ)
  マニュエル・ルグリ/チェロ:宇野陽子

【Bプロ】

2)「モーメンツ・シェアード」
  (振付:R.V.ダンツィヒ 音楽:F.ショパン)
  エレオノラ・アバニャート、マニュエル・ルグリ/ピアノ:上田晴子
10)「マノン」第1幕第2場より パ・ド・ドゥ
 (振付:K.マクミラン 音楽:J.マスネ)
  スヴェトラーナ・ルンキナ、マニュエル・ルグリ

やっぱりルグリはNBSが独占権を持っていたんですね。

それと、ダンスマガジンの広告では、シャルリーヌ・ジダンザネが出演とありましたが、Bunkamuraではメラニー・ユレルになっています。私はどっちかというとシャルリーヌで観たかったです。

ルグリさんのオフィシャルが更新されないのは、担当者がバカンス中だからだそうです。羨ましい(笑)→更新されました。

2008/07/27

7/26 ABTオールスターガラ

という訳でABT祭のラストは関西遠征。びわ湖ホールなので大阪と大津のどちらにしようかと迷った揚句、フェスティバルホールの側に宿泊することに。しかし、梅田駅はわかりにくくてまた迷ってしまい、あまり時間的に余裕がなかった。

東京よりも気温が高くて消耗。しかし三年ぶりに訪れたびわ湖ホールは、琵琶湖を臨み開放感があって気持ちいい。相変わらず美しいホールで、大変見やすかった。

ラ・バヤデールより パ・ダクシオン

ミシェル・ワイルズ、デビット・ホールバーグ
アレクサンドル・ハムーディ、コリー・スターンズ

ミシェルに関しては東京での感想とあまり変わらず。東京ではイタリアン・フェッテの途中にバランスを入れていたけど今回はなし。ラストのフェッテも乱れ気味。デヴィッドは相変わらず麗しい。びわ湖ホールのほうが舞台が広いので、跳躍が大きかった。脇の長身美形男子二人がお気に入りなのでついつい目が行ってしまう。毎回、この演目が拍手が少ないのが気の毒だった。ミシェルが美人で技術もあるのに、決定的に何かが足りないので、目を引き付けないのだ。


マノン 第一幕のパ・ド・ドゥ

ジュリー・ケント、マルセロ・ゴメス

マルセロの甘い微笑みとパッションにメロメロ〜。ジュリーも、マノンの無邪気な中の魔性を体現していた。マルセロはジュリーのお気に入りのパートナーだけあって、ここでもパートナーシップはばっちり。交わすキスの熱いこと。圧倒的な幸福感と甘やかさ。「マノン」の全幕が観たい!


白鳥の湖 第二幕のグラン・アダージオ

イリーナ・ドヴォロヴェンコ、マキシム・ベロツェルコフスキー

東京ではコール・ドつきだったけど今回はなし。ない方がよかったと思う。ドラマティックなイリーナの踊りは、ガラというより一昨日の全幕を観ているようだった。演技の細かい彼女のオデットはマニエリズムが感じられて好き嫌いは分かれそうだけど、隅々まで計算し尽くされ、細やかな動きには身震いするほどの完成度があった。まさに芸術品。そしてその芸術品をさらに美しく磨きあげるのが、マキシムのサポート。エレガントで繊細、ロマンティックで完璧な王子。


シナトラ組曲

ミスティ・コープランド、ホセ・カレーニョ

この二人でこの演目を観るのは初めて。東京より一曲少なくしてあった。ホセにこの演目が似合うこと。エレガントで気品に溢れながらもセクシー。シルクのようなサポート。素敵。小柄でグラマーなミスティも似合っていた。ミスティは二回ほど着地でミスをしていたけど、雰囲気そのものはばっちり。プロポーション的に不利なところはあるけど、こういう演目では華を感じさせるダンサーだと思う。


海賊 第二幕のパ・ド・ドゥ

ジリアン・マーフィ、ゲンナジー・サヴェリエフ

当初イリーナ・ドヴォロヴェンコとコリー・スターンズが出演予定だったけど、さすがにコール・ドの彼に荷は重いと思われたのだろうか。ジリアンのメドーラは素敵だしテクニックもバッチリだし美しいけど、イリーナで見たかった。ゲンナジーはさすがにサポートがうまく、高いリフトや逆さまにメドーラを抱えるリフトも完璧。後はもう少し華が欲しいところ。ジリアンをこの演目に使うのは少々もったいない気もするけど、回転とテクニックだけの人ではない、ちゃんと成熟した表現もできることは証明できていた。


瀕死の白鳥
ニーナ・アナニアシヴィリ

二回目に観ると、初めて観た時にニーナの瀕死の白鳥に感じた違和感がなくなっていた。ニーナのさざ波のような腕の細かな動きがすごいのだけど、生への懸命な意志の中にも、はかなさがあって胸を締め付けられる。そして死の前に向けた眼差しの美しいこと!大きく腕を天に向けて伸ばした時、一条の眩しい光が彼女から放たれていた。腕をぐるりと折りたたんで絶命。カーテンコールでも腕を細かく動かしながらパドブレするというサービスぶり。


ドン・キホーテ 第三幕のパ・ド・ドゥ

シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ

シオマラのキトリは本当に可憐でキュート!扇子の使い方や視線など、ヴァリエーションでの一挙一動が愛らしくて。フェッテは最初はダブルを織り交ぜ、扇子を開閉したり腰に手をあててくるくる回っていて好調だったのに、後半で失速したのが惜しい。エルマンのバジルは跳躍が高くて、回転もきれい。マネージュでのアティチュードも美しく、高い技術の中に優雅さがある。小柄ながらも、上半身が鍛えられているので、かっこいい。それでも、エルマンが好調だったらもっとやれるはずだ、と思ってしまった。アダージョでのリフトは片手ではしなかったし、ピルエットも後半で傾いたり。やはり体調は万全ではないのかと少し心配。ただしコーダでのピルエット・ア・ラ・スゴンドでの惰性を使った回転は非常に美しかった。また彼のバジル全幕が観たい!

ラビット・アンド・ローグ

ローグ (ならず者) : イーサン・スティーフェル
ラビット (紳士) : サッシャ・ラデツキー
ラグ・カップル : クリスティ・ブーン,コリー・スターンズ
ガムラン・カップル : パロマ・ヘレーラ,ゲンナジー・サヴェリエフ
カルテット : 加治屋百合子,マリア・リチェット,カルロス・ロペス,クレイグ・サルステイ.ン
アンサンブル : マリアン・バトラー,ミスティ・コープランド,シモーン・メスマー,ジャクリン・レイエス,サラワニー・タナタニット
トーマス・フォースター,ジェフリー・ガラデイ,アレクサンドル・ハムーディ,ブレイン・ホーヴェン,パトリック・オーグル,アイザック・スタッパス.

東京のキャストと微妙に変わっていた。いちぞーさんによると、この作品はファーストキャストとセカンドキャストの2つしかないのだけど、今回はファーストキャストプラスセカンドという、変則的なもののよう。

エルマンの代わりにサシャ・ラデツキーが入り、ラグ・カップルがジリアン&デヴィッドから、クリスティ&コリーに代わった。ジリアンは、この幕は客席で見ていたようだ。

サシャ・ラデツキーは、ここでも切れ味鋭いダンスを披露。肩にタトゥーが入っているので彼の方がならず者っぽい雰囲気もあるけど、音楽にも良く乗っており、小気味良い。イーサンと並んで踊るとまるで映画「センターステージ」のよう。一昨年あたりからサシャが急に良くなってきているなとおもったのだけど、今回の彼の成長振りにはさらに目を見張った。エルマンのとてつもない身体能力には及ばないけど、その分、エルマンの柔らかさよりシャープさや男らしさ、そして軽妙さが出ていて、良かったと思う。イーサンのほうは、相変わらず絶好調のよう。昨日、「白鳥の湖」の王子を踊って、関西に移動してこの元気さは凄い。やっぱり彼の場合は、音楽性が抜群なのだ。そしていたずらっ子っぽい茶目っ気ある演技、ちょっとガキ大将っぽいところが愛嬌あって楽しい。

ラグ・カップルに関しては、さすがにプリンシパルコンビのジリアンとデヴィッドの方が良かったと思う。クリスティは長身で身体能力はある人なのだけど、やや雑で大味だし、ジリアンの粋なところが出せていない。コリーはすごく動きが綺麗で、よどみなくスムーズな動きもいいのだけど、デヴィッドの華はまだまだない。コリーは本当にプロポーション、容姿がいいし(10頭身くらいだと思う)、王子さま的なところがあるので、きっとこれから伸びることでしょう。
ガムラン・カップルのほうは、パロマのきびきびしたところや可愛らしさ、ゲンナディのサポートの上手さとテクニックが、見ていて安心できる。カルテットの4人ももちろん良かった。加治屋さんは細くて手脚が長いけど、表現力の乏しさ、やや冷たい感じが古典のソリストとしては物足りない感じだけど、こういう演目の方がもしかして合っているのかもと思った。クレイグのお茶目さ、ユーモアは本当にキュートで大好き。クレイグとカルロスは多分身長は同じくらいなんだけど、カルロスの方が頭が小さくてプロポーションがいい分、クレイグがオミソっぽいのが、なんともいとおしいのだ。

作品全体としてみると、一本調子のところがあったり、ちょっと古いかな、と思うところがあったりする。ノーマ・カマリっていうとやっぱり80年代の人というイメージが強いので、衣装にしても、センスがちょっと古いかな、と思ったり。エルフマンの音楽は、映画的でとてもよいと思うんだけど、反復するところも多いので、途中で飽きてくるところもある。45分はやっぱり長い。でも、運動量が多くて、身体能力をフルに発揮できるし、登場人物=ダンサーの個性も現せるので、何だかんだ言って楽しめた。やはりキーはイーサンとサッシャのやり取りで、ボケとツッコミ的なのがなんともユーモラスで微笑ましく、元気なアメリカンボーイの組み合わせなのでますます楽しい。

カーテンコールが凄く楽しかった。カーテンから飛び出してきたサッシャのカンフー的なジャンプがカッコいいし、イーサンも相変わらずのサービス精神を発揮して笑わせてくれた。満足できるガラだったと思う。そして終演後、アメリカから来たお友達I嬢と2時間くらい、大阪に帰る終電までABT談義をできたのがまたとっても楽しかった!

2008/07/26

イーゴリ・コールプのガラ「奇才コルプの世界」!!!

いつもお世話になっている「日々これ口実」さまから教えていただきました!

なんと光藍社さんがこんな素晴らしい企画をやってくださいます。

「奇才コルプの世界」

2009年1月20日(火) 18:30 Bunkamuraオーチャードホール
チケット発売 8/23(土)

出演予定

イーゴリ・コルプ(マリインスキー劇場バレエ)
ユリア・マハリナ(マリインスキー劇場バレエ)
オクサーナ・シェスタコワ(レニングラード国立バレエ)
ナタリヤ・マツァーク(キエフ・バレエ)   ほか

予定プログラム
「白鳥」
音楽:C.サン=サーンス 振付:R.パクリタル
「グラン・パ・クラシック」
音楽:D.オーベール 振付:V.グゾフスキー 
「ブランコの二人」<世界初演作品>
音楽:J.S.バッハ 振付:R.パクリタル
「海賊」
音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパほか
「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
音楽:G.ロッシーニ 振付:C.シュプック   ほか

なのだそうで、あの強烈な作品、パクリタルの「白鳥」をやってくれるのが嬉しいですね。
しかも、バカ演目として有名な「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」も!コールプがあの怖い顔でどんなギャグをかましてくれるのでしょうか?シェスタコワとは何を踊るのでしょうか?

そして「ほか」演目が気になります。マハリナが出演するので、「シェヘラザード」などもアリなのかな、と思うんですけどどうでしょうか。いずれにしても、一日だけのこの公演、絶対に見逃せませんね。

*******
あと、1月21日には「ミハイロフスキー劇場ガラ」があります。
会場はやはりオーチャードホールです。
「スパルタクス」のアダージョが楽しみですね。誰が踊るのでしょうか?

ミハイロフスキー劇場ガラ
お待たせしました!日本で毎年公演を行う海外のバレエ団として、19年にわたり親しまれ続けているレニングラード国立バレエが、日本のファンのみなさまのために、全幕バレエに加え特別にガラ・コンサートを上演します!
今年4月に初演したばかりの新作「スパルタクス」や得意の古典作品、充実したソリストを披露します。さらに、芸術監督ルジマトフが「アダージェット」で登場。成長著しいバレエ団の今の姿を、どうぞお見逃しなく!

<予定プログラム>
「スパルタクス」よりアダージョ 音楽:A.ハチャトゥリアン 振付:G.コフトゥン
「アダージェット」 音楽:G.マーラー 振付:N.ドルグーシン <ルジマトフ出演>
「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ 音楽:L.ミンクス 振付:M.プティパ
「ダッタン人の踊り」 音楽:A.ボロディン 振付:M.フォーキン/G.コフトゥン
「海賊」第2幕より 音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ  ほか

http://www.koransha.com/ballet/leningrad_ballet2009/index.html

「American Ballet Theatre 2009 Calendar」Fabrizio Ferri

ABTが来日中に、2009年のABTカレンダーが届きました。このカレンダーも、買い続けて7年目かしら。コール・ド時代に早くもデヴィッド・ホールバーグが表紙を飾っていたんですよね。

今年のカレンダーは、アレッサンドラ・フェリの旦那様ファブリッツィオ・フェリ氏が撮影。2006年のスーベニアブックと同じ写真もかなり使われてはいますが、見たことがない写真もあるのが嬉しいです。

表紙はチュチュ姿でポーズを取るミシェル・ワイルズ。
1月は、ロットバルトの衣装に身を包んだセクシーなマルセロ・ゴメス。
2月は、スーベニアブックに掲載されていたのと同じ、サヴェリエフ、ラデツキー、ホールバーグ、ロペス、パストールの撮影当時(2006年)ソリストだった男性陣にリフトされるステラ・アブレラ。
3月は、「シルヴィア」の2幕の衣装に身を包んだジリアン・マーフィ。(ABTとロイヤルは同じプロダクションなので、衣装も同じ。ジリアンはシルヴィア役が似合いそうですね)
4月は、湖の中でキスをするジリアンとイーサン・スティーフェル。
5月は、キトリの衣装をまとってポーズを取るパロマ・ヘレーラ。
6月は、エスパーダの衣装でマントを捌くサシャ・ラデツキー。この写真を見るのは初めてかも、かっこいいです。
7月は、表紙の写真を少し遠景にしたミシェル・ワイルズ。
8月は、スーベニアブックに掲載されていたのと同じ、イーサン・スティーフェル。
9月は、「メリー・ウィドウ」のイリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベルツェルコフスキー。2008年METシーズンパンフレットの表紙に使われていた写真。
10月は、スーベニアブックに掲載されていたのと同じ、ちょっと色っぽいシオマラ・レイエス。
11月は、「ドン・キホーテ」でのシオマラ・レイエスとエルマン・コルネホ。これも初めて見る写真だけど、このペアの可愛らしさがよく出ています。
12月は、「真夏の夜の夢」のジリアン・マーフィと、ボトムの頭をかぶったフリオ・ブラガド=ヤング。去年のMETシーズンのパンフレットに使われていた写真だけど、御伽噺の中のような雰囲気で素敵です。

いずれにしてもABTファンには嬉しい美しいカレンダーです。アンヘル・コレーラがいないのがちょっと残念かしら。

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Fabrizio Ferri

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2008/07/25

エトワール・ガラ2008変更

ダンスマガジン最新号の広告によると、

エトワール・ガラ2008は、マニュエル・ルグリが追加出演、またメラニー・ユレルではなく、シャルリーヌ・ジザンダネが出演になりました。

●Aプロ
2)「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル”
  シャルリーヌ・ジザンダネ、マチュー・ガニオ
11)「ダンス組曲」
  マニュエル・ルグリ
●Bプロ
1)「眠りの森の美女」より「青い鳥」
  シャルリーヌ・ジザンダネ、アレクサンドル・リアブコ
2)「モーメンツ・シェアード」
  エレオノラ・アバニャート、マニュエル・ルグリ
10)「マノン」第1幕第2場より パ・ド・ドゥ 
  スヴェトラーナ・ルンキナ、 マニュエル・ルグリ

ロイヤル・バレエの昇進情報

Ballet.co.ukで知りましたが、恒例のシーズン末の昇進情報が発表されました。

To Principal
Lauren Cuthbertson (First Soloist), Rupert Pennefather (First Soloist).

To First Soloist
Yuhui Choe (First Artist, Steven McRae (Soloist)

To Soloist
Helen Crawford (First Artist), Laura McCulloch (First Artist), Ryoichi Hirano (First Artist), Paul Kay (First Artist), Sergei Polunin (Artist), Eric Underwood (First Artist)

To First Artist
Elizabeth Harrod, Romany Pajdak, Pietra Mello-Pitman, Liam Scarlett (all from Artist)

Gillian Revie will become Guest Principal Character Artist from next Season.

James Hay to the Artists (joining from The Royal Ballet School and also two Prix de Lausanne apprentices Akane Takada and Kyle Davies.)

昇進された皆さん、おめでとうございます!

来日公演で活躍されたチェ・ユフィさんは2階級の昇進、平野亮一さんやセルゲイ・ポルーニンも(セルゲイくんも2階級)昇進してうれしいですね。

スティーブン・マックレー君もファーストソリストに。怪我の回復を祈ります。

また研修生の高田茜さんが研修生として入団です。やはりローザンヌに出場していたジェームズ・ヘイくんはロイヤル・バレエスクールから正式入団。

追記:私の英語力の問題で、高田茜さんが研修生として入団なのか、今は研修生だけど正式入団になったのか自信がありません。詳しい方、よろしければ教えて下さい。(→研修生としての入団のようです)

7/23 ABT「白鳥の湖」(まだ途中)

よく突っ込みどころが多いとか言われているマッケンジー版の「白鳥の湖」なのだけど、私は案外嫌いじゃない。初めて観たのは、2004年のMETシーズンだったかしら。その時は、マルセロ・ゴメスとヴェロニカ・パールトが主演だった。そしてそのシーズン、マルセロが演じるロットバルトを観ることもできて、私は彼の大ファンになったというわけ。だから、マルセロのロットバルトが観たかったのだけど、今回はロットバルトはなし。代わりに、麗しきデヴィッド・ホールバーグがロットバルトを演じることになった。それはそれで、すごく楽しみであったし、実際、デヴィッドのロットバルトもこれ以上はないというくらいのはまり役だった!

デヴィッド・ホールバーグは大変な美貌の持ち主ではあるのだけど、正統派美形というよりは、ダークサイドに転んだ美青年という趣で影がある。細面で色白、サラサラの金髪に大きなアイスブルーの瞳で色素が薄い感じ。マルセロが演じていたロットバルトは、非常にセクシーで、そのセクシャルな匂いにクラクラしたお姫様たちが転んでいたわけだけど、デヴィッドはまさに魔王。妖しく鋭い瞳の魔力で姫たちを魔法にかけて、操っているのだ。無表情なのが、かえって恐ろしさを感じさせる。コミックやアニメに出てきそうな、美形悪役そのもののお姿の人が、現実に存在するとは!踊りのほうもとても良かった。4年前にMETで観た時には彼はまだコール・ドでスペインを踊っており、少年のようで華奢だった(今回スペインを踊っていたコリー君も、4年後にはプリンシパルになっているかもね)。美しい脚はそのままに、上半身が相当たくましくなった。着地は足音がしないし、ジュッテ・アントルラッセも高く上がって美しい。シェネの回り方も綺麗だった。マント捌きも鮮やか。ロングブーツを穿いているので脚の美しいラインを完全に堪能できなかったことだけが残念。

デヴィッドは悪魔とか、吸血鬼とか、狂気の王とか、そういうのがすごい似合いそう!誰か、彼にそういう役をあてがきで作品を作って欲しい!

マルセロの王子は、少年の面影を残しているけど、長身でハンサム、やはりそこはかとなくセクシー。悩める王子というよりは、育ちが良くてでイノセントで、結婚なんてまだまだ考えたくないという風情。ベンノら友達と遊んでいた方が楽しいと思っているよう。身のこなしはエレガントでまさに王子。お気に入りの娘とちょっとお戯れになっては、ベンノに持って行かれてちょっとショボンとするのがかわいい。しかし、舞踏会の途中で、自分は賑やかな中でたった一人であることに気がつき、やがては王にならなくてはならないことに気づき、ふと、取り残されたかのような孤独感をかみしめる。そんな彼が出会ったジュリー・ケントのオデットは、今までに彼がまったく知らなかった異界の生き物だった。自分とはまったく違ったオデットという夢のような幻のような存在に、彼は惹かれていくのだった。そして、それからは甘くも情熱的な彼の演技に目が引き寄せられてしまう。

ジュリー・ケントはそもそもダンサーとしてはそれほど好きではなかった。40歳近くなっても透明感のある容姿は非常に美しいと思うのだけど。テクニックがあるほうではないし、細すぎるし、柔軟性に欠けているところがある。でも、久しぶりに観た彼女の白鳥は素敵だった。アームスが柔らかいわけではないのだけど、華奢で儚い存在感、優美な姿、夢を見ているかのような表情が、彼女を人間ではない、幽玄な存在たらしめているのだ。若く健康的で純粋な王子と、魔物によって白鳥に変えられてしまった異界の女王。対照的な、別世界に暮らしていた二人だからこそ、運命的で、決して幸せな結末が待っていない悲劇的な愛を感じさせる。

世慣れていたように見えて、本当は純情で汚れを知らない王子は、年上の薄幸の美女にコロリとしてしまって、まっすぐな愛を不器用そうに捧げる、それがこの二幕。

三幕は、花嫁候補たちが自分の国の民族舞踊を献呈するというアイディアが面白いものの、ナポリ以外は振付が面白くないのが残念。せっかく、スペインにお気に入りのコリー・スターンズとロマン・ズービン、マズルカにアレクサンドル・ハムーディと有望株を起用しているのにもったいない。ナポリは、まるで光GENJIのようなイケていない衣装だけど、男性二人がシメントリーなピルエット合戦を繰り広げるのが楽しい。DVDでもこの役を踊っている、これまたキュートでお気に入りのクレイグ・サルスティーンと、今年入団したばかりのテクニシャン、ジョゼフ・フィリップス。

美しき魔王、ロットバルトがマントを翻してオディールと入場。女王の手に恭しくキスをすると、姫たちを一人ずつ誘惑。彼女たちがロットバルトの魔力で文字通り引き寄せられ、操られているのが面白い。しかも各国の民族舞踊の動きをしながらも、痴態を繰り広げられているかのよう。まるで、王子の相手にはこんな軽薄な姫たちではなく、美しく威厳と性的魅力を備えた我こそが相応しいと語っているかのよう。あ、ロットバルト自身なのかオディールなのか?とにかく一挙一動にカリスマ性とよこしまな美しき魔力を妖しく放つロットバルトは、すっかり場をさらってしまう。

そして黒鳥のパ・ド・ドゥへ。ジュリーはあの華奢ではかなげな外観だから白鳥向きかと思いきや、艶やかでとても怖い悪女役が恐ろしくはまっていた。

2008年7月23日(水) 6:30p.m~9:00p.m.
白 鳥 の 湖 プロローグと4 幕

振付 : ケヴィン・マッケンジー
原振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワーノフ
音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
装置・衣裳 : ザック・ブラウン
照明 : ドゥエイン・シューラー
指揮 : チャールズ・バーカー
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

オデット/オディール : ジュリー・ケント
ジークフリード王子 : マルセロ・ゴメス
王妃 : ジョージナ・パーキンソン
家庭教師 : クリントン・ラケット
王子の友人 : サッシャ・ラデツキー
ロットバルト : アイザック・スタッパス,デイヴィッド・ホールバーグ

≪プロローグ≫
ロットバルト : アイザック・スタッパス,デイヴィッド・ホールバーグ
オデット : ジュリー・ケント

≪第1幕≫
パ・ド・トロワ : マリア・リチェット,加治屋百合子,サッシャ・ラデツキー

≪第2幕≫
4羽の白鳥 : カリン・エリス=ウェンツ,マリアン・バトラー,アン・ミルースキー,レナータ・パヴァム
2羽の白鳥 : クリスティ・ブーン,ヴェロニカ・パールト

≪第3幕≫
式典長 : クリントン・ラケット
ハンガリーの王女 : メリッサ・トーマス
スペインの王女 : ルチアーナ・パリス
イタリアの王女 : アン・ミルースキー
ポーランドの王女 : サラワニー・タナタニット
チャールダーシュ : カリン・エリス=ウェンツ,アレクセイ・アグーディン
スペインの踊り : マリーヤ・ブイストロワ,ロマン・ズービン;ジェシカ・サ-ンド,コリー・スターンズ
ナポリの踊り : ジョゼフ・フィリップス,クレイグ・サルステイン
マズルカ : ニコラ・カリー,ツォンジン・ファン,リーヤン・アンダーウッド,ジェニファー・ウェイレン
      : アレクサンドル・ハムーディ,ヴィタリー・クラウチェンカ,パトリック・オーグル,エリック・タム
ロットバルト : デイヴィッド・ホールバーグ


追記:マルセロとデヴィッド、ABTの誇る2大美形プリンシパルのちょっといい写真をご紹介。ABTのコール・ドとして最近まで在籍していたマシュー・マーフィくんのブログから。
http://rantingdetails.typepad.com/my_weblog/2008/06/latin-fire-devo.html
特に最後の写真は…素敵ですね♪

2008/07/23

2009年5月ザハロワの「カルメン」

ABTの「白鳥の湖」の会場で速報チラシが置いてありました。

2009年5月1日、2日、3日にザハロワ・ガラがジャパンアーツ主催で開催されます。

第一部 カルメン組曲
第二部 パドドゥ集

カルメン組曲は、ホセ役にアンドレイ・ウヴァーロフ、闘牛士役にデニス・マトヴィエンコとのこと。

会場は東京文化会館です。公演の詳細は近日中に発表されるとのこと。

スヴェトラーナ・ザハロワは最近コンテンポラリー作品での評価が高く、平山素子さんの作品「Revelation」や、非常に評判の良い「BLACK」を取り上げたりしているので、どんな作品を上演するのか楽しみですね。古典とはまた違った彼女の魅力を発見できそうです。

また、ウヴァーロフやマトヴィエンコのほかに誰が出るのかも興味津々です。

パリ旅行記2008その2

ゆっくり目に起きて近くのカフェで朝食。ちょっと高かったけどブリオッシュやバターが美味。フランスって本当にパンやバターが美味しくて買って帰りたくなるほど。

そして大好きなギュスターヴ・モロー美術館へ。パリに行った際にはできるだけ寄るようにしている。ここは昼休みがあるので一時間位で追い出されてしまったけど、「レダと白鳥」「出現」など愛する絵に囲まれて対話し、神秘と夢幻の世界にしばし浸った。画家が生きていた時代のまま時が止まっているかのようだ。

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今日は公演がない日なので、初パリの友達と、市内観光のバスに乗る。屋根のない二階立てバスで、乗り降り自由、日本語イヤホンガイドつきで四コースある。もっと早い時間から出発すればお得だったんだけど。

乗った時間は曇っていたのだけど、やがてピーカンに晴れてきて暑くなってきた。顔には日焼け止めを塗りサングラスをかけていたけど、腕に塗るのを忘れ、後で日焼けで大変なことに!

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オペラ座通りからルーブルのピラミッドの横を通り、左岸を走ってシテ島のノートルダム寺院に到着、一旦降りる。ノートルダムに行くのは15年ぶりくらいかな。対をなす見事な薔薇窓のステンドグラスの美しさは言葉にできない程で息を呑む。しばし静謐な時間を過ごした後、またバスに乗る。アンヴァリッド、グラン・パレを通り抜け、シャンゼリゼを通って凱旋門をぐるり。トロカデロ宮からエッフェル塔のまわりを一周。友達と写真を撮りあいっこするので超盛り上がる。

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コンコルド広場からマドレーヌ寺院、そして出発点のガルニエに戻ると5時半くらい。

同行の友達の友達がフランス人と結婚してパリ在住なので、彼女の誘いでパリ郊外のシャトーで行われる日本人の音楽留学生たちによるサロンコンサートへ。

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このシャトーChateau de la Petite Malmaisonは、ラ・デファンスからバスで30分ほどのところにあり、ナポレオン三世の妃ゆかりという由緒あるところ。ちなみにバス停の名前はLeParc。シャトー自体は大きくはないけど、広くて素敵な庭があり、庭の一部は日本庭園のようで橋がかかった池がある。建物の内部もインテリアもシンプルながらアールデコ風で美しい。ピアノとヴァイオリン、トロンボーン、クラリネットなどの演奏を楽しんだ後軽いガーデンパーティー。主催した留学生は、このシャトーの部屋を借りて住んでいるのだという。

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バスでラ・デファンスに戻ると、夜9時過ぎでようやく日が傾き始めた。ちょうど新凱旋門に夕日が落ちて、幻想的な光景。ラ・デファンスは近未来都市のようで、SF映画に出てきそうなポストモダン的な建物が並んでおり、それが夕日に照らされているとこれが現実なのかわからなくなるほど。新凱旋門の下まで行くと、遠くに凱旋門も見えた。

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夕食を食べ、メトロで今度はエッフェル塔へ。ちょうど12時で、眩しい光の雨のようにイルミネーションが点滅して降っていた。

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エッフェル塔へは遅くて上れなかったのでタクシーを捕まえて帰ろうとするが乗車拒否続き。周りの人たちも乗車拒否に遭っている。ちょうどこの日、サッカーのEURO2008の決勝で、スペイン国旗を巻いた人たちが大騒ぎをしていて、スペインが優勝したのね、とわかった。連れの友人が東洋人女性にしては背が高く、赤っぽいシャツを羽織っていたのでスペインのサポーターに間違えられていたみたい(笑)。ようやくつかまえられたタクシーの運転手が、今日はスペインのサポーターが大暴れしているので繁華街には近づきたくないと言う。乗せた客の中には、シャンゼリゼに火を放つとか物騒なことを言っていた連中もいたようだ。

2008/07/22

パリ旅行記2008夏その1

仕事を終え、いつものエールフランス夜便でシャルル・ド・ゴールへ。この便は時間の有効活用にはいいのだけど成田発の最終便なので、免税店はじめ売店もほとんど閉まってしまう。買い物も食事もできないのが不便。

機内ではよく寝て、朝4時過ぎにドゴールに到着。ロワッシーバスの始発までガイドブックを読んで暇つぶし。バスに乗ったら、先にパリに来ていたミラノのお友達から電話。ホテルに荷物を置いて、ガルニエ近くの彼女のホテルで朝食、そして近くのカフェでお茶。

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ホテルにチェックインしようとしたら、まだ部屋が空いていないとのことで、時間潰しのために近くで買い物。ガルニエの売店で雑誌などを買い、バーゲン中のギャラリーラファイエットでレネレイズのアクセサリー、H&Mで服を買う。また先程の友達M嬢とそのお友達とカフェ・ド・ラ・ペでランチ。

ガルニエでバンジャマンとエレオノーラの「椿姫」マチネ公演を見て、バンジャマンのアルマンの意外なまでの情熱に心乱され、エレの若く美しい分憐れを誘うマルグリットに心動かされる。パドドゥのリフトもスムーズだった。

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終演後バーゲン中のレペットへ。入場制限する盛況だったけど、キラキララメのヒールつきバレエシューズを購入。本当はレオタードが欲しかったけどほとんど売切れだった。お金ないのにやっぱり買い物はやめられない(笑)。

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ホテルに戻ると、今回同行の友人J嬢とロビーで遭遇。そして着替えて再びガルニエへ。ロベルトとアニエスの「椿姫」。イタリアからも大勢のロベルトファンが来ており、熱狂的な反応。甘い熱情のまま疾走していく姿のまぶしいロベルト、知的で大人の分別ありながらも抑えられない感情が零れ落ちる脆い女性像を見事に体現したアニエス。主演二人の熱演が胸を打つ、素晴らしい公演だった。イタリアのロベルトファンクラブの皆様とご挨拶したり写真を撮った後、興奮覚めやらぬうちに六人で食事。熱いパリの夜は更けて行った。

7/21 ABT「海賊」

楽しかったABTの「海賊」シリーズも、ついに今日が最終回ということで、ちょっと寂しい。その上、さすがに5日連続観劇、しかも終わったあともいろいろな友達とご飯を食べたりして、楽しかったけどすっかり体力を消耗。

微妙にアンハッピーエンドの作品なのに、楽しいとはこれいかに?って感じだけどやっぱり楽しかった!

昨日に続いて3回連続でエルマン・コルネホが登場。今日はアンヘルの代役としてのアリ。昨日のマチネのアリ役は急遽出演で準備不足だったかな、というところも見られたけど、今日については昨日マチネよりずっと出来が良かったと思う!登場シーンでの空へ跳んでいってしまうんじゃないかという高い跳躍。ピルエットはものすごい回数回っており(最低10回)、前日と比較すると軸もしっかりしていた。見得の切り方も実に見事に決まっているし、マネージュでのアティチュードにしたままのターンも浮かび上がるかのよう。しかし小柄なこともあって、忠犬ハチ公のような、とてもかわいくて従順なアリだった。イーサンのご主人様のような尊大なアリとは大違い。

実はこの日のキャスト、前日ソワレよりも豪華なんじゃないかと思うような充実振りだった。コンラッドには、ゲンナディ・サヴェリエフ。初日のランケデムの540ジャンプで会場を沸かせた彼である。ゲンナディが主役を踊るのを見るのは実は初めてだったのだけど、どうして、堂々として立派な、男らしいコンラッドで良かった。加えて、あの華麗なテクニックである。2幕のパ・ド・トロワでアリのエルマンが凄いヴァリエーションを見せたと思ったら、今度はゲンナディが、540の3連発を入れた超絶技巧で対抗。さらに、両脚をそろえての空中回転ジャンプなど、他にもすごい技術を持っている。サポートも万全だったし、コンラッドという頼りがいがなくてはならない役に彼のキャラクターは向いている。これだけ上手いのにプリンシパルではないのが不思議なくらい。彼はダンサーとしてより、YAGPの主催者として有名だからかなのかな。

そしてテクニックといえば、忘れてはいけないジリアン・マーフィ。得意のフェッテでは、トリプルを連発。両腕アンオーでトリプルを入れてしまうのだから、本当に凄い。回転女王としては、タマラ・ロホかジリアン・マーフィか、なのではないだろか。テクニック先行と思われがちなのだけど、最近はすっかり表現の方も成熟していて、お人形のように可愛らしくも色っぽく、そして女王様的な風格もある。ヴェールを外された時にパシャが失神するのも納得の美しさ。とにかく、2幕のパ・ド・トロワは3者が対抗するかのような火花散る超絶技巧合戦で盛り上がること、盛り上がること!

主役だけでなく、脇キャストも充実していた。ギュリナーラには、マリア・リチェット。彼女は背が高い方ではないけど、手脚が長くて細く、加えて上半身の表現が非常に繊細で丁寧で美しい。回転でちょっと不安定になったほかは、ゆったりとリリカル、時にはダイナミックに、素敵な踊りを見せてくれた。3幕でパシャとふざけあう様子が楽しげだったりとお茶目な面も覗かせていたし。そのパシャ役は、若いロマン・ズービンくん。ギュリナーラのヴェールで戯れていたり、両手を招き猫のように挙げていたり、キュートなパシャだった。バービーさんの年季の入った演技には及ばないにしても、思わず主役そっちのけで見たくなる楽しさがある。

ビルバントは、今年移籍してきたばかりのミハイル・イリイン。彼はワガノワ・バレエ学校出身でジャクソンコンクールの銅賞受賞、マイアミ・シティ・バレエではプリンシパルだったとのこと。コール・ドでのABT入団だけど、すでに
「エチュード」の主役や、「白鳥の湖」のナポリなどを踊っており、有力なソリスト候補だろう。小柄だけど切れ味鋭い踊り、安定したテクニックで非常に存在感があった。ランケデムは、初日のビルバントで好演したサシャ・ラデツキー。彼も高いマネージュを見せてくれたり、テクニックのレベルが高かったのだけど、ランケデムは、エルマンやゲンナディのランケデムがあまりにも凄かったので、それと比較すると少し地味だったかもしれない。が、いずれにしても、この日の男性ダンサーのレベルは、群舞に至るまでノリノリで高かった。海賊たちの群舞には、昨日のマチネでコンラッド役のコリー・スターンズもおり、背の高さと端正な踊りでやはり目立っていた。

それと、オダリスクのキャストもなかなか豪華。「眠れる森の美女」でオーロラを踊っている小柄なサラ・レーン、さらに加治屋百合子さんとクリスティ・ブーン。サラが一番綺麗だったと思うけど、加治屋さんのプロポーションのよさと繊細さも素敵だった。よく「揃っていない」といわれる女性コール・ドだけど、花園のシーンを見ても、ABTでこれだけ揃うのはたいしたものと思ってしまった。(ロイヤル・バレエの群舞よりは揃っていたと思う)

ホント、こんなにも楽しくて盛り上がった「海賊」がこの日で終わりなんて、切ない…。キャスト全員が一丸となって、観客を楽しませようという気概が感じられた、素晴らしい公演。「白鳥の湖」はまだこれからだというのに、早くも「海賊」ロスになりそう。大阪での「海賊」のチケットを入手しておいて良かった!

指揮 : デイヴィッド・ラマーシュ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

コンラッド (海賊の首領) : ゲンナジー・サヴェリエフ
ビルバント (コンラッドの友人) : ミハイル・イリイン
アリ (コンラッドの奴隷) : エルマン・コルネホ
ランケデム (市場の元締め) : サッシャ・ラデツキー
メドーラ (ギリシャの娘) : ジリアン・マーフィー
ギュリナーラ (パシャの奴隷) : マリア・リチェット
セイード・パシャ (コス島の総督) : ロマン・ズービン
海賊の女 : マリアン・バトラー
オダリスク : サラ・レイン,クリスティ・ブーン,加治屋百合子

2008/07/21

7/20ソワレ ABT「海賊」

開演前にはケヴィン・マッケンジー、ジュリー・ケントそしてマルセロ・ゴメスのプレトークがありました。でも告知が行き届いていなかったみたいで客席はまばら。お話はほとんど「白鳥の湖」についてでした。また別途書きます。


考えてみたら、そもそもマルセロ目当てで取ったチケットだったのに、キャスト変更でいつの間にかデヴィッド・ホールバーグがコンラッドになっていた。デヴィッドも好きだからいいんだけど。

2005年のMETシーズンに「海賊」を観に行った。その時は、イーサンが怪我が多い年で、この「海賊」のアリ1回と、アマンダ・マッケローの引退公演「ジゼル」のアルブレヒトくらいしか出演していなかったと思う。そして、私が観たとき、イーサンはかなり太っていて髪が伸び、なんだか不思議なアリだった。

しかしイーサン、今回は、「ラビット・アンド・ローグ」で好調ぶりを見せた通り、この「海賊」でも踊りは絶好調の模様。1幕の飛び込んでくるところから高いジャンプを見せてくれた。パ・ド・トロワのヴァリエーションでは、ホセ・カレーニョやエルマン・コルネホはやらなかったグラン・テカールを入れていたし、最後のピルエット・ア・ラ・スゴンドでは、3回ほど空中での回転を入れるという技まで入れている。キメポーズの背中ののけぞりぶりといい、けれんみたっぷりで、これには場内も盛り上がった!奴隷というよりはご主人様のコンラッドよりも偉そうな感じがしたのだけど、そういうのも面白くていいかも(笑)。とにかく、彼の復活ぶりは嬉しい限り。

デヴィッドくんは、1幕でバンダナで金髪を覆ってしまうと魅力半減なのね。2幕でバンダナを取ってさらさらの金髪が現れるとやっぱり美青年。美形なんだけど、彼はどこか暗い影を背負っている感じがするのでヒーロー役よりも、王子向きなのだろうし、水曜日に踊る予定のロットバルトも似合っているのかもしれない。身体の方は、脚線美はそのままに、たくましくなったし男っぽさは増したと思う。踊りも、しなやかでエレガントな着地、ふわりとした大きな跳躍と技術的にもめきめき力をつけてきていると思う。ボッカが引退し、マラーホフが出演しなくなり、ホセももう40歳、アンヘルだってスペインのコレーラ・バレエで忙しくなってきている。中堅のマキシムやイーサンが怪我が多い、となると、マルセロ、デヴィッド、エルマンの3人がこれからのABTを引っ張っていかなければならないのだ。デヴィッドのような長身王子様タイプは世界的に見ても貴重なので、ものすごーく期待しているし、順調に成長しているようで安心。
洞窟でのパ・ド・ドゥでの甘い雰囲気の出し方はまだまだ、やはりちょっとダークな印象が強い彼。だけど、反面、ビルバントの反乱の時に見せた厳しい表情や、メドーラが拉致された時の怒りは非常に強くて、負の感情を出すのは得意なのだというのが判った。いつか彼には、「スパルタクス」のクラッススを演じて欲しいなって思う。きっとはまるはず。サポートは、もう少しがんばりましょう。洞窟のパ・ド・ドゥで片腕で逆立ちになったメドーラをリフトするところは省略していた。

パロマ・ヘレーラもとっても調子が良かったと思う。難しいバリエーションをこともなげにやすやすとこなしてしまうところが凄い。フェッテもくるくるくる~と2回に1回ダブルを入れながらきれいに回り、非常に安定していた。パロマはとても可愛いのだけど、少女っぽい部分がまだ残っているので、メドーラのような大人の女性を演じる時の色香が足りない気がする(と終演後友達と話した)。ジュリエットやジゼルのようなけなげな少女を演じるのには彼女の個性はぴったりなのだけど。

この公演の大金星はエルマン・コルネホ。膝の不調を抱えながらマチネはホセの代役でアリを踊り、ソワレはランケデムを踊ってしまうなんて凄い。最初のヴァリエーションでのトゥールザンレールに続き、ピルエット・ア・ラ・スゴンドで少しずつ前に進み出て、それから4回連続プレパレーションなしのトゥールザンレール。ジャンプも相変わらず猫のように軽やかでしなやか。マネージュは、体を大きく倒したクペ・ジュテ・アン・トゥールナン。小さな身体で高く跳ぶ!奴隷商人の小賢しさがよく出た演技も楽しかった。1幕しか踊りのシーンがないのがもったいない。

ギュリナーラのシオマラ・レイエスは可愛い~。手脚は長くないけど、軽やかできびきび踊っていて本当に愛らしいし、ギュリナーラのちゃっかりした部分も出ていた。音楽性もとても良いし!オダリスクのトロワでは、3番目に踊ったレナータ・パヴァムがピケで5回転というのを見せて大拍手。ビルバントのカルロス・ロペスはいかにも海賊という感じの野蛮さと、キレのあるワイルドな踊りでカッコよかった。

19日の公演があまりにも奇跡的なまでに凄かったから、そこまでの大盛り上がりはなかったにしても、やっぱり、ものすごく楽しい公演だった。

指揮 : オームズビー・ウイルキンス
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

コンラッド (海賊の首領) : デイヴィッド・ホールバーグ
ビルバント (コンラッドの友人) : カルロス・ロペス
アリ (コンラッドの奴隷) : イーサン・スティーフェル
ランケデム (市場の元締め) : エルマン・コルネホ
メドーラ (ギリシャの娘) : パロマ・ヘレーラ
ギュリナーラ (パシャの奴隷) : シオマラ・レイエス
セイード・パシャ (コス島の総督) : ヴィクター・バービー
海賊の女 : カリン・エリス=ウェンツ
オダリスク : シモーン・メスマー,クリスティ・ブーン,レナータ・パヴァム

7/20マチネ ABT「海賊」

ABTまつり4日目は「海賊」のマチネとソワレでした。開始前に芸術監督のケヴィン・マッケンジーが舞台に上がって来て、悪い予感。マチネではホセ・カレーニョが怪我のため降板(足の甲の炎症とのこと)するとのことで、アリを踊ったのはエルマン・コルネホ。

コンラッドに抜擢された新星コリー・スターンズは、長身で脚が美しく、見栄えのする容姿でテクニックもバッチリ。足先まで気を配った古典の技術がしっかりとしていて、パートナリングも良かったです。アッサンブレへの着地もきれいにキマっていました。もちろん、まだ役になじんでいなくて演技については物足りない部分もあるけれど、コール・ドのダンサーがいきなり主役に抜擢されて踊ったことを考えると、十分すぎるほどの出来です。間違いなくシーズンオフには昇格することでしょう。とても若くてちょっとだけやんちゃ、キュートなコンラッドでした。

メドーラのミシェル・ワイルズはやはり物足りなかったです。技術的に大きな問題があるわけではなく、フェッテも相変わらずダブルが入っていて上手だったんですが、背中の硬さと、ニュアンスのない平板な演技で魅力に乏しかったです。コンラッドが若手ということもあり、全体的に華に欠ける舞台でした。

ホセ・カレーニョの代役でアリを踊ったエルマン・コルネホは膝の調子が良くないとのこと。しかし、エルマンのいつもの出来からするとセーブしていると思われるものの、ピルエットは11回転くらい平気でやっているし、跳躍も高くて美しい。小柄ながら、上半身の筋肉のつき方が美しく、素敵なアリでした。小柄なエルマンが大柄なミシェルを高々とリフトして大変、とちょっと心配になりましたが。2度目のピルエットがすごく斜めってしまったのは不調ゆえかしら。

ギュリナーラの加治屋百合子さんは、とにかく華奢。手脚も長くてプロポーションは良いのですが、ABTの中では際立って細いというか細すぎるのではと思ってしまいました。彼女は、ジュッテがすごくて、3幕でビルバントから逃げるように連続してジュッテをするシーンがあるのですが、ビルバント役のクレイグ・サルステインより高く跳んでいました。股関節も200度くらいと、すごくよく開いていたけど、踊りのタイプとしては、すごく気が強そう。ランケデムとのパ・ド・ドゥで、「いやいや」とマイムをすると、とても細い彼女なだけに、なんかすごく嫌がっていてかわいそうな感じに。技術的には申し分ないので、あとは演技力かしら。

クレイグ・サルスティンのビルバントが、すごく良かったです。クレイグも5年位前から注目していたダンサーなのだけど、普段はとても人がよさそうでキュートな笑顔の青年なのに悪役をやっているのが新鮮。彼の踊りも切れ味が鋭くてメリハリがあり、見ていて気持ちよいのですが、時々人の良い憎めなさが出てくるのがいい。ジャレッド・マシューズのランケデムは、あくが足りないし、跳躍から深いプリエに降りるところなどは良いのですが、ピルエットなどにまだまだ課題がある感じです。パシャは、若手のロマン・ズービンくん。若いのに、エロ爺を細かく演じていて面白かったです。3年前にMETで見たときより相当こなれてきて、知らない人が観れば、ベテランダンサーが演じているものと思うでしょう。

しかしどうしてもセカンドキャスト的なマチネ公演で、唯一のスター、ホセ・カレーニョが欠場してしまったので全体的な華が足りなかったです。その中での収穫はやっぱりコリー君。ぜひコンラッド以外の役でも観てみたいです。とても品の良いダンサーなので、古典の王子向きでしょうね。

指揮 : デイヴィッド・ラマーシュ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

コンラッド (海賊の首領) : コリー・スターンズ
ビルバント (コンラッドの友人) : クレイグ・サルステイン
アリ (コンラッドの奴隷) : ホセ・マヌエル・カレーニョ エルマン・コルネホ
ランケデム (市場の元締め) : ジャレッド・マシューズ
メドーラ (ギリシャの娘) : ミシェル・ワイルズ
ギュリナーラ (パシャの奴隷) : 加治屋百合子
セイード・パシャ (コス島の総督) : ロマン・ズービン
海賊の女 : サラワニー・タナタニット
オダリスク : メラニー・ハムリック,マリーヤ・ブイストロワ,メリッサ・トーマス

2009年世界バレエフェスティバルの予定(タマラ・ロホ&ロベルト・ボッレ)

タマラ・ロホのオフィシャルサイトのスケジュールを見たところ、

http://www.tamara-rojo.com/actuaciones.html

2009

New Nal. Theatre Ballet Tokyo
R. Petit's Coppelia

新国立劇場「ローラン・プティのコッペリア」
June 26, 28, 29 6月26日、28日、29日


12th World Ballet Festival Tokyo
with R. Bolle

第12回世界バレエフェスティバル パートナー:ロベルト・ボッレ

Program A
August 1, 2, 3, 4 8月1,2,3,4

Swan Lake
August 6 「白鳥の湖」 8月6日

Program B
August 8, 9, 10, 11 8月8、9、10、11日

Gala
August 13 8月13日


ということで、当初新国立劇場の「コッペリア」はルシア・ラカッラの予定だったのが、パートナーの関係でタマラ・ロホに変更になったとのことですね。

また、世界バレエフェスティバルについては、タマラはロベルト・ボッレと共演するということです。しかも、8月6日には全幕の「白鳥の湖」まで。
Aプロ 8月1,2,3,4日
全幕プロ 8月6日(「白鳥の湖」)
Bプロ 8月8,9,10,11日
ガラ 8月13日

というのが、来年のバレエフェスティバルの日程ということのようです。
他に誰が出演するのでしょうか?出演しそうなダンサーのオフィシャルサイトは要チェックですね。

2008/07/20

7/19 ABT「海賊」

マルセロ素敵過ぎ♪♪♪♪

で、しばし、ぼーっとしていました。もちろん、ニーナも最高でした。奇跡的といっていいほどの、最高に楽しい公演だったわ!その上、考えられうる限りのゴージャスなキャスト!

ABTの海賊は、2005年のMETシーズンで観て以来だったかな。その間DVDでの復習もしていなかったので、1幕が終わったところで、あれ、こんなところで海賊たちの群舞があったっけ?と思うようなところがあった。K-Balletとかマリインスキーとかミハイロフスキーの「海賊」を観ていたので、いろいろと頭の中でごっちゃになっていたみたい。

ニーナのメドーラを観るのは初めてだったのだけど、ここでも太陽のように明るくて華やかで可愛いくて、時には色っぽく、実に魅力的だった。あのお年でこの可愛らしさは信じがたいほど。踊りのほうも絶好調で衰えなど全然感じさせない。フェッテはすべてシングルだけど、片腕アンオーにして、軸もぶれることなくすばやくリズミカルに綺麗に回っていた。ピケやシェネもきびきびとして速くて正確。ニーナはそんなに長身ではないと思うけど、手脚の長さもさることながら、踊りを大きく見せるのがうまい。チュチュ姿だけでなく、2幕の寝室のパ・ド・ドゥでは身体に沿ったマーメイドタイプのドレスでしっとりと甘く美しい踊りを見せてくれた。大胆なフィッシュダイブも見事に成功したし、サポートつきのピルエットもまったくぶれずに10回転。3幕のハーレムパンツにへそ出しではちょっとお腹周りが気になったものの、十分美しい。ニーナが、ABTの一員としての来日が今年で最後になってしまうなんて、なんて悲しいことなんだろう…。まだまだまだまだ踊れて、魅せるのに!

そしてマルセロ!なんて素敵なコンラッドなの♪通常、「海賊」のコンラッドって比較的見せ場が少なく影の薄い役なのに、この版だとコンラッドの見せ場が多いので、ファンとしては本当に嬉しい。彼は大柄なのにジュッテはふわっと舞い上がるように軽くて柔らかくよく伸びている、そして上半身、特に腕の使い方はエレガントで全体的なラインが美しい。そして何よりもサポートが素晴らしい!2幕の寝室のパ・ド・ドゥは、ニーナを逆さに抱えたり、ポーズを取った姿で高く持ち上げたりと難しいのがたくさんあるのに、どれも非常にスムーズで甘い雰囲気を崩さない。ヴァリエーションはあくまでも海賊の首領らしくて男らしく、パ・ド・ドゥでは真摯な愛を感じさせる。そのロマンティックな雰囲気に惚れ惚れしてしまう。2幕のヴァリエーションでは会心の出来だったのか、思わず笑顔でガッツポーズ!大好きなマルセロがますます大好きに!

アリはアンヘル・コレーラの代役でホセ・カレーニョ。昨日のガラでのホセは、今日に備えてだいぶセーブしていたのがわかった。今日の全幕のホセが本来のホセなのだ。ヴァリエーションのトゥールザンレールからのカブリオール、そして惰性で美しく回るピルエット。やっぱりホセのアリは気品と高潔さがあってとても素敵だ。奴隷らしい控えめさから覗くセクシーな野性の絶妙なバランス。もちろんアンヘルのアリも観たかったけど、今日のホセには大満足。

サヴェリエフが踊るランケデムの凄さは、METでも観たことがあって織り込み済みだったけど、あのすごいヴァリエーションには会場が沸いていた。得意の超絶技巧、ファイブフォーティ(空中ではねた脚を540度回転させる技術)4連発は初めて観るとやっぱり口をあんぐりするほど、びっくりするだろう。演技も細かく、奴隷商人らしいワルっぽさとコミカルさ、男の色気を併せ持っていて実に魅力的だった。サシャ・ラデツキーのビルバントも良かった。脚がきれいでジャンプの切れ味が鋭く、テクニックがここ数年で急に磨かれてきて、華やかに見栄えがするようになっていた。悪者っぽいメイクも良く似合っていたし。でも一番受けたのはヴィクター・バービーによるセイード・パシャ。あの美中年のバービーさんがちょっとボケたエロ親父を演じちゃうのだから強烈。クッションに倒れこんで居眠りしたり、メドーラのあまりの美しさに失神したり、おとぼけぶりが最高。

ミスティ・コープランドのギュリナーラはとても可愛いし、跳躍が高くてテクニックは申し分ない。だけど体質によるのか、前よりはだいぶ絞り込んでいるものの、胸が大きいので損をしているなあ。オダリスクは、マリア・リチェット、クリスティ・ブーン、ヴェロニカ・パールトというソリスト美女3人。上半身の美しさと鷹揚さではヴェロニカなんだけど、平均点が一番高いのはやっぱりマリア。彼女は音楽性があってすごくきれいな踊り方をするし、なんで主役を踊る機会がないのか、不思議に思えてくるほど。3幕の花園のコール・ドは意外と揃っていて綺麗だったと思うけど、振付が今ひとつなので、パシャと一緒に眠りに落ちてしまう人もいそうだ。

1幕にオダリスクの踊りがあったり、1幕のセットがいまいちだったり、海賊たちの男性群舞が少なかったりと構成上?なところがあり、またコンラッドとメドーラだけが生き残るという結末にも釈然としない部分はある。でも、楽しければいいじゃない、というプロダクション。何よりも、メーンのキャストがどれも最高のパフォーマンスを見せてくれて、本当に観ていて幸せな気分になる舞台だった。カーテンコールでは、ホセがジュッテをして飛び出してくるところから始まり、ニーナはマルセロに2回は高々とリフトされながら出てきた。さらに、もう一回は、マルセロが、ニーナを何回も呼んでもなかなか出てこなくて、そしたら、なんとニーナが後ろ向きフィッシュダイブで飛び出てきたのだ!このサービス精神の素晴らしさ。そして、マルセロがニーナに捧げる敬意が良く伝わってきて、温かい気持ちになった。最後は会場中が総立ちに。ニーナ、マルセロ、ABTのみなさん、この幸せな時間を本当にありがとう。


演出: アンナ=マリー・ホームズ
振付・台本改訂: コンスタンチン・セルゲーエフ
原振付: マリウス・プティパ
音楽: アドルフ・アダン、チェーザレ・プーニ、レオ・ドリーブ、リッカルド・ドリゴ,オリデンブルク公爵
台本: ジュール=アンリ・ド・サン=ジョルジュ,ジョゼフ・マジリエ
装置・衣裳: イリーナ・コンスタンチノヴナ・チビノワ
衣裳デザイン補足: ロバート・パージオラ
照明: メアリー・ジョー・ドンドリンガー
指揮 : オームズビー・ウイルキンス

コンラッド (海賊の首領): マルセロ・ゴメス
ビルバント (コンラッドの友人): サッシャ・ラデツキー
アリ (コンラッドの奴隷): ホセ・マヌエル・カレーニョ
ランケデム (市場の元締め): ゲンナジー・サヴェリエフ
メドーラ (ギリシャの娘): ニーナ・アナニアシヴィリ
ギュリナーラ (パシャの奴隷): ミスティ・コープランド
セイード・パシャ (コス島の総督): ヴィクター・バービー
海賊の女: マリアン・バトラー
オダリスク: マリア・リチェット、クリスティ・ブーン、ヴェロニカ・パールト

2008/07/19

7/18 ABT「オールスターガラ」2日目

ABTオールスターガラ第2夜。事前に聞いていたのだけど、加治屋百合子さんが足の怪我をして「ラビット・アンド・ローグ」を降板(怪我は大したことがなく、「海賊」のギュリナーラは予定通り踊るようです)。代役はミスティ・コープランド。パートナーのカルロス・ロペスもジャレッド・マシューズに変更。

第1部
「ラ・バヤデール」パ・ダクシオン。

キャストは前日と同じ。なんだかんだ言って、デヴィッド・ホールバーグは上手くなったと思う。何よりも足音が全然しない、猫のような着地が良い。サポートも上手。本当に上品で美しい王子様。しかしミシェル・ワイルズのほうは何年か前から全然進歩していない。ガムザッティの気の強さはよく出ているけど、せっかくプロポーションのいい美人なのに、お姫様としての品があまりないし表情が硬い。ヴァリエーションがあまり跳べていなくて良くない。フェッテはさすがに得意なのでダブルを入れていて安定していたけど、イタリアン・フェッテでは必死になっているのが顔に出ちゃって。せっかくの華やかな場面なのに舞台装置が全然ないのも、素気ない。パ・ダクシオンはあまり揃ってはいなかったけど、メラニー・ハムリック(ホセ・カレーニョの彼女ですね)が良かった。それから男子二人!彼らはやっぱりいいね。二人とも長身美形、背中が柔らかくてジュッテが大きい。日曜日のマチネで、コール・ド所属にもかかわらずコンラッドを踊るコリー・スターンズ、彼は本当にいいなあ。きっとシーズンが終わったら昇格することでしょう。
なんと、この演目だけカーテンコールなし。

「眠れる森の美女」第3幕グラン・パ・ド・ドゥ

イリーナもマキシムもとっても素敵で、ドラマティックで完成された「眠り」なのだけど、ヴァリエーションがなし。どちらかが体調悪いのだろうかと心配してしまった。

「メリー・ウィドウ」第3幕パ・ド・ドゥ

これはジュリー・ケントのゴージャスな衣装が見もの。派手なところや見せ場はあまりないのだけど、ジュリーとホセという美男美女がパ・ド・ドゥ美しく繰り広げていて、雰囲気は素敵だった。

「シナトラ組曲」

ミスティ・コープランドが「ラビット・アンド・ローグ」の加治屋百合子さんの代役に入ったので、昨日と同じルチアーナ・パリスとマルセロ・ゴメス。マルセロはタキシードがとても似合うし、カッコいいんだけど甘くてちょっとだけやんちゃなところがいい。ルチアーナもちょっと気が強そうでキュートで良い。二人の息もぴったり合っていて、よどみなく、流れるように複雑なダンスが繰り広げられて、またまた酔えた。でも、一昨年NYで観たときと合わせて都合4回も同じキャストで観ているので、一回くらい違うキャストで観てみたかった。

「海賊」

ホセ・カレーニョは今回アンヘルの代役をこなすので相当出演回数が増えてしまったためか、今日も踊りをセーブしていた。ヴァリエーションでグラン・テカールを入れないで、普通のトゥール・ザン・レールにしていたし、ピルエットはさすがに綺麗で良く回っているけど、ホセ特有の惰性で回る回転が見られなかった。シオマラ・レイエスは「海賊」の全幕ではメドーラではなくギュリナーラを踊る人なのだけど、テクニックが強いからガラではメドーラを踊っている。ものすごい高速でシェネを回るんだけど、これがとっても正確。フェッテのほうも、最初はすごく好調でダブルも入れていて、腕も片方をアンオーにして回っていたけど、最後の方でちょっと失速。

「瀕死の白鳥」

ニーナの「瀕死の白鳥」を観るのは初めて。パ・ド・ブレで入ってくるときの、ニーナ特有のくねくねと動物的に波打つ腕がすごい。でもかなり強く生きようとする意志を感じる、動物の本能を感じさせる白鳥だった。どうしても、ロパートキナの白鳥がデフォルトとしてインプットされてしまっているのでちょっと違和感。だけど、斃れる前に差し伸べた腕と視線の中に感じさせる意志、それが透明な光のようで震えるほど美しかった。カーテンコールでも、あのパ・ド・ブレのポーズを見せながら退場するという大サービスぶり。

第2部
「ラビット・アンド・ローグ」
2回目に観たら、ますます面白かった!メーンキャストは、加治屋さん&カルロス・ロペスの代わりにミスティ・コープランドとジャレッド・マシューズが入った以外は前日と同じ。主役のイーサンとエルマンが今日も凄かった!あんな激しいダンスを二日続けて踊るのは相当ハードだと思われるのに、前日よりもさらにパワーアップ。エルマンのしなやかさと身体能力、スピード感はいったい何!?イーサンも絶好調のようで、音楽性の見事さといい、身体の切れ味といい、久しぶりに見たけど怪我する前よりもパワーアップしているのではないだろうか。カンフー的な動きが特にキマっていた。クレイグ・サルスティーンのユーモラスでかわいいところ、パロマ・ヘレーラのきびきびした動き、どれも見ていて気持ちよい。マリア・リチェットの美しい肢体とスタイリッシュさも、ジリアン・マーフィの華やかさ、ダイナミックさも素敵。そして、キャスト表には入っていなかったのに、キャスト変更で今日も群舞に出ていたコリー君、やっぱり群舞の中でも際立ったラインの美しさだった。20日マチネの海賊が楽しみ!
ダニー・エルフマンの、ラグタイムとガムランを取り入れた音楽はとても面白いし、ノーマ・カマリによる女性ダンサーたちのスタイリッシュな衣装も良い。黒、白、シルバーで、レオタードやセパレーツやひらひらしたミニドレス。男性ダンサーの衣装は微妙だけど。特にジリアンが着用していたキラキラしたレオタードと、銀色のポアントがいいな~。もちろん、脚が長くて鍛えられたカッコいいプロポーションだから似合うんだろうけど。

というわけで、今日も楽しかったです。前半は昨日の方が良かったと思うけど、後半は踊りこんでいる分、今日のほうが楽しめました。明日からは「海賊」です。

(話は変わりますが、9月27日の東京文化会館のバックステージツアーのチケットを取りました。楽しみ!)

指揮:チャールズ・バーカー/オームスビー・ウィルキンス (ラビット・アンド・ローグ)
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団

第1部
「ラ・バヤデール」パ・ダクシオン
振付:ナターリア・マカロワ/音楽:ルードヴィヒ・ミンクス/衣裳:セオニー・V・オールドレッジ/照明:小川俊郎

出演:ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ
イザベラ・ボイルストン、マリアン・バトラー、アン・ミルースキー、レナータ・パヴァム、マリーヤ・ブイストロワ、メラニー・ハムリック、メリッサ・トーマス、リーヤン・アンダーウッド、アレクサンドル・ハムーディ、コリー・スターンズ
イザベラ・ボイルストン(?)、ニコラ・カリー、ツォンジン・ファン、ニコール・グラニーロ、エリザベス・マーツ、ジェシカ・サーンド、クリスティーン・シェヴチェンコ、サラ・スミス、デヴォン・トイチャー
メアリー・ミルズ・トーマス、カレン・アップホフ、キャサリン・ウィリアムズ、グレイ・デイヴィス、トビン・イーソン、ケネス・イースター、ダニエル・マンティ、アレハンドロ・ピリス=ニーニョ、アロン・スコット

「眠れる森の美女」第3幕グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/振付改訂・舞台指導:ケヴィン・マッケンジー、ゲルシー・カークランド、マイケル・チャーノフ/音楽:P.I.チャイコフスキー/衣裳:ウィラ・キム/照明:リチャード・ピルブロウ、ドーン・チャン

出演:イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー

「メリー・ウィドウ」第3幕パ・ド・ドゥ
振付:ロナルド・ハインド/音楽:フランツ・レハール/衣裳:デズモンド・ヒーリー/照明:マイケル・J・ウィットフィールド

出演:ジュリー・ケント/ホセ・カレーニョ

「シナトラ組曲」
振付:トワイラ・サープ/舞台指導:エレイン・クドー/音楽:フランク・シナトラ/衣裳:オスカー・デ・ラ・レンタ/照明:ジェニファー・ティプトン/歌:フランク・シナトラ

"夜のストレンジャー" "オール・ザ・ウェイ" "ザッツ・ライフ" "マイ・ウェイ" "ワン・フォー・マイ・ベイビー (アンド・ワン・モア・フォー・ザ・ロード)"

出演:ルチアーナ・パリス/マルセロ・ゴメス

「海賊」第2幕パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アドルフ・アダン

出演:シオマラ・レイエス/ホセ・カレーニョ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス

出演:ニーナ・アナニアシヴィリ

第2部
「ラビット・アンド・ローグ」
振付:トワイラ・サープ/音楽:ダニー・エルフマン/衣裳:ノーマ・カマリ/照明:ブラッド・フィールズ/音響デザイン:ダン・モーゼス・シュライヤー/振付補佐:キース・ロバーツ

ローグ(ならず者):イーサン・スティーフェル
ラビット(紳士):エルマン・コルネホ
ラグ・カップル:ジリアン・マーフィー、デイヴィット・ホールバーグ
ガムラン・カップル:パロマ・ヘレーラ、ゲンナジー・サヴェリエフ
カルテット:ミスティ・コープランド、マリア・リチェット、ジャレッド・マシューズ、クレイグ・サルステイン
アンサンブル:クリスティ・ブーン、マリアン・バトラー、ミスティ・コープランド、シモーン・メスマー、ジャクリン・レイエス、サラワニー・タナタニット
トーマス・フォースター、ジェフリー・ガラデイ、アレクサンドル・ハムーディ、ブレイン・ホーヴェン、パトリック・オーグル、アイザック・スタッパス、コリー・スターンズ

2008/07/18

エトワール・ガラ キャスト変更発表

Bunkamuraのサイトに、正式なキャスト変更と演目変更が発表されました。

やはりエルヴェ・モロー、レティシア・プジョル、ジェレミー・ベランガールは来ません。代役に、マチアス・エイマン、アレクサンドル・リアブコ、メラニー・ユレルとあります。また、さらに追加キャストありとのことです。

長くなりますが、サイトから引用します。

http://www.bunkamura.co.jp/shosai/org17_08_etoiles_02.html

出演を予定しておりましたジェレミー・べランガール、エルヴェ・モロー、レティシア・プジョルは怪我のため出演することができなくなりました。 ジェレミー・べランガールは、4月に受けた左足首の手術後の状況が悪化し、来日不可能となりました。 エルヴェ・モローは、6月21日のパリ・オペラ座での「椿姫」出演中に、膝を打撲、治療中でしたが完治せず、7月12日にドクターストップがかかり来日不可能となりました。 レティシア・プジョルは、7月16日のウィーン歌劇場公演出演の際に頚椎を痛め、アーノルド神経痛と診断され来日不可能となりました。 つきましては、新たにアレクサンドル・リアブコ、メラニー・ユレル、マチアス・エイマンの3人が来日いたします。 それに伴い、各プログラムが変更となります。

※追加キャスト近日発表!

●プログラム
【Aプログラム】
1)「ラ・バヤデール」第1幕より
  (振付:M.プティパ  音楽:L.ミンクス)
  スヴェトラーナ・ルンキナ、イリ・ブベニチェク
2)「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル”★
  (振付:R.ヌレエフ 音楽:S.プロコフィエフ)
  メラニー・ユレル、マチュー・ガニオ
3)「ベラ・フィギュラ Bella Figura」
  (振付:J.キリアン 音楽:G.B.ペルゴレージ、A.ヴィヴァルディ)
  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
4)「椿姫」第1幕より
  (振付:J.ノイマイヤー 音楽:F.ショパン)
  エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ/ピアノ:上田晴子
5)「ジゼル」第2幕より
  (振付:M.プティパ、J.コラリ、J.ペロー 音楽:A.アダン)
  スヴェトラーナ・ルンキナ、マチアス・エイマン
6)「ハムレット」第2幕より パ・ド・ドゥ  (振付:J.ノイマイヤー 音楽:M.ティペット)
  シルヴィア・アッツォーニ、イリ・ブベニチェク
7)「メリー・ウィドウ」
  (振付:P.ラコット 音楽:F.レハール 衣裳:P.ラコット)※世界初演
  マリ=アニエス・ジロ、マチュー・ガニオ
8)「カンツォーニ Canzoni」
  (振付:M.ビゴンゼッティ 音楽:N.ケイヴ) ※日本初演
  エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
9)「バーンスタイン・ダンス」より“Part1 Wrong Note Rag”  (振付:J.ノイマイヤー 音楽:L.バーンスタイン)★
  アレクサンドル・リアブコ
10)「思いがけない結末 Unintended Consequence」
  (振付:J.ブベニチェク、マリ=アニエス・ジロ 音楽:E.クーパー)※世界初演
  マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク
11)「ダンス組曲」
  (振付:J.ロビンス 音楽:J.S.バッハ)
  キャスト未定
☆「フィナーレ」
  (振付・映像:J.ベランガール)

【Bプログラム】
1)「眠りの森の美女」より「青い鳥」
  (振付:M.プティパ 音楽:P.I.チャイコフスキー)
  メラニー・ユレル、アレクサンドル・リアブコ
2)「モーメンツ・シェアード」
  (振付:R.V.ダンツィヒ 音楽:F.ショパン)
  キャスト未定
3)「白鳥の湖」 第2幕より  (振付:M.プティパ/L.イワーノフ 音楽:P.I.チャイコフスキー)
  スヴェトラーナ・ルンキナ、マチュー・ガニオ
4)「ロミオとジュリエット」第3幕より 寝室のパ・ド・ドゥ
  (振付:J.ノイマイヤー  音楽:S.プロコフィエフ)
  シルヴィア・アッツォーニ、バンジャマン・ペッシュ
5)「ドリーブ組曲」
  (振付:J.マルティネス 音楽:L.ドリーブ)
  エレオノラ・アバニャート、マチアス・エイマン
6))「瀕死の白鳥」
  (振付:M.フォーキン 音楽:C.サン=サーンス)
  マリ=アニエス・ジロ  ピアノ:上田晴子
7))「カノン Canon in D major」
  (振付:J.ブベニチェク 音楽:J.パッヘルベル)
  マチュー・ガニオ、アレクサンドル・リアブコ、イリ・ブベニチェク
6)「マーラー 交響曲第5番 アダージェット」
 (振付:J.ノイマイヤー 音楽:G.マーラー)
  シルヴィア・アッツォーニ、バンジャマン・ペッシュ
9)「デュオ」
 (振付:S.L.シェルカウイ 歌:C.ブランコ)
  マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク
10)「マノン」第1幕第2場より パ・ド・ドゥ (振付:K.マクミラン 音楽:J.マスネ)★
  キャスト未定
☆「フィナーレ」
 (振付・映像:J.ベランガール)

※キャスト未定の演目に関してましては、決まり次第お知らせいたします。
※表記の出演者、演目は2008年7月18日現在の予定です。
  やむを得ない事情により変更になる場合がございますので予めご了承ください。

★印が演目もしくはキャストで変更のあったところです。
結局半分くらい内容が変わりましたね。

キャスト未定なのが、

Aプロ
11)「ダンス組曲」
  (振付:J.ロビンス 音楽:J.S.バッハ)
  キャスト未定

Bプロ
2)「モーメンツ・シェアード」
  (振付:R.V.ダンツィヒ 音楽:F.ショパン)
  キャスト未定

10)「マノン」第1幕第2場より パ・ド・ドゥ
 (振付:K.マクミラン 音楽:J.マスネ)
  キャスト未定

なんですよね。誰が踊るのか、気になります。

また、ちょっと楽しみにしていたプレルジョカージュの2作品、「アン・トレ・デュニオン」「受胎告知」がなくなってしまったのがとても残念。メラニー・ユレルかぁ…。「椿姫」のプリューデンスも地味で今ひとつだったんですよね。

ABT「オールスターガラ」初日雑感&マリインスキー、ニーナ来日予定

ABT「オールスターガラ」初日に行って来ました。日本初演のトワイラ・サープ振付「ラビット・アンド・ローグ」はどんな作品なのか、期待と不安を抱えながら行った訳ですが、楽しかったです。

幕開けは「ラ・バヤデール」のパ・ダクシオン。4人ずつの女性ソリストはまずまずだったのですが、コール・ドは見事なまでにばらんばらんでした。ABTに揃ったコール・ドを期待する方が間違っていると思いますが。男性二人のソリストが、私の個人的ひいきのアレクサンドル・ハムーディと、「海賊」でコンラッドを踊る期待の新星コリー・スターンズ。二人とも長身でルックスよく見栄えのするダンサー。跳躍もダイナミックだったし、背中も柔らかくて素敵でした。コリーはちょっとステファン・ビュヨンに似ていますね(黒髪巻き毛で、顔も少し似ている)。

ガムザッティのミシェル・ワイルズは良くなかったです。この人はテクニックを売りにしているはずなのに、なんで膝が下を向いたり下がったりするんでしょう。全体的な踊りも雑だし、ヴァリエーションも思い切りが足りないし。回転だけは得意のようで、フェッテはダブルを入れながらよく回っていました。デヴィッド・ホールバーグは、やっぱり容姿は本当に美しくて長い脚のラインともども惚れ惚れします。派手なタイプではないけど、端正で王子様なソロルでした。白鳥の王子は残念ながら金曜マチネで観られないので、耽美的であるはずのロットバルトを楽しみにします。

「マノン」寝室のパ・ド・ドゥは、とっても素敵でした。ジュリー・ケントはあまり得意なダンサーではないのですが、この1幕のマノンははまり役で、美しくてコケティッシュ。実に魅惑的でした。そして彼女のお気に入りのパートナーであるマルセロ・ゴメスが甘くて端正で温かくて、二人の息はぴったり。甘美な雰囲気に浸ることのできた6分間でした。カーテンコールの反応もとてもよかったです。

「白鳥の湖」2幕グラン・アダージオはコール・ドつきだったのですが、コール・ドはなくても良かったかも。イリーナの白鳥はとてもドラマティック。その女らしい曲線美と、雄弁な表情は、人によってはマニエリズムを感じてしまうかもしれないけど、美しく儚いだけでなく、温もりの感じられるフェミニンでほんの少し妖しさを感じさせていて素敵でした。マキシムは、この場面ではサポートに徹していたけどノーブルな王子様。

「シナトラ組曲」は、アンヘルで観るのを楽しみにしていたけど、彼の降板でマルセロに。マルセロは大好きなんだけど、この演目は彼でしか見たことがないので、違うダンサーで観てみたかった。しかし、シナトラの曲に載せて一見優雅で簡単そうに見えて、ものすごく複雑なリフトやサポート、アクロバティックな振付なので、これをスムーズにザポートできるマルセロはやっぱり凄い。あのズサーっとスライドするところも決まっていて、酔えました。

「ドン・キホーテ」GPDDは、ニーナの本領発揮。明るくて華やかで、すごく可愛い!ニーナはもう「ドン・キホーテ」の全幕を踊らないとのことだったけど、それが信じられないくらい、まったく衰えというのを感じさせませんでした。大輪のひまわりのよう。心配していたフェッテもまったく心配なく、前半は腰に手を当てての回転で、すべてシングルだったけど軸のブレもなく、とても安定していました。やはりアンヘルの降板でホセ・カレーニョのバジルだったけど、全盛期のキレは落ちたものの、こちらも安心してみていられました。ニーナもホセも、まだまだ踊って欲しい。でも、ニーナがABTで来日するのはこれが最後かと思うと、ちょっと涙も出てきちゃいました。

「ラビット・アンド・ローグ」は、45分とけっこう長い作品で、音楽はダニー・エルフマンのオリジナル。ティム・バートンの監督作品の音楽担当として、映画音楽で活躍してきたエルフマンの曲だけあって、ちょっと映画的で面白い音楽でした。「ガムラン・カップル」という役名があるように、ちょっとエキゾチックでガムラン調のメロディも出てきます。ダンスの方はトワイラ・サープの、「イン・ジ・アッパー・ルーム」の流れを汲むような、ノンストップ・アクションもので、女性は銀色のポアントを穿き、バレエのテクニックをメーンにしながらもちょっとカンフーっぽいところがあったり、フィギュア・スケートっぽかったり、ピルエットやリフトがたくさん出てきます。入れ替わり立ち代りダンサーたちが入っては出てきます。

主役のラビット(エルマン・コルネホ)とローグ(イーサン・スティーフェル)以外のダンサーは、2回くらい着替えています。ちょっと遅くなっちゃったし、明日観る人もいると思うので細かいことは書きませんが、主役の二人のテンションが凄く高くて、大変なことになっていました。やっぱりエルマン・コルネホの身体能力は半端じゃなくて、跳ぶ、回る、走る!彼は本当に凄い~!それから、イーサンは、バランシンで鍛えられているものだから音楽性がすばらしく、細かいステップや回転もシャープでお手の物。張り切りすぎているかな、と思うところもあったけど元気いっぱいに楽しそうに踊っているのが、観ていて嬉しかったです。二人の掛け合いも楽しい。準主役の2つのペア、ジリアン・マーフィ&デヴィッド・ホールバーグ、それからパロマ・ヘレーラ&ゲンナディ・サヴェリエフもとてもよかったです。パロマやデヴィッドは、こういう作品の方が本領が発揮できているんじゃないかって思いました。それと、もうひとつ主要な役として男女二人ずつのカルテットがありますが、これが、クレイグ・サルスティンとカルロス・ロペス、加治屋百合子さんとマリア・リチェットでした。クレイグがお茶目でとてもキュートでした。男性二人で女性をリフトしたり、このあたりはかなりアクロバティック。加治屋さんも、カッコよかったです。ユーモラスなところも多い作品で、ラビット(紳士)とローグ(ならず者)が対決しながらも、最後には和解するというもの。メリハリがないというかずっと高いテンションが続きっぱなしで、見ていて疲れる部分もあったけど、ノンストップ・ハイパーテンションで観ていて気持ちよく楽しかったです。いかにもABT向きの作品。明日は、また違ったキャストで観られるのが楽しみ!


指揮:デイヴィッド・ラマーシュ/オームスビー・ウィルキンス (ラビット・アンド・ローグ)
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団

第1部
「ラ・バヤデール」パ・ダクシオン
振付:ナターリア・マカロワ/音楽:ルードヴィヒ・ミンクス/衣裳:セオニー・V・オールドレッジ/照明:小川俊郎

出演:ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ

イザベラ・ボイルストン、マリアン・バトラー、アン・ミルースキー、レナータ・パヴァム、マリーヤ・ブイストロワ、メラニー・ハムリック、メリッサ・トーマス、リーヤン・アンダーウッド、アレクサンドル・ハムーディ、コリー・スターンズ

ニコラ・カリー、ツォンジン・ファン、ニコール・グラニーロ、エリザベス・マーツ、エリーナ・ミエッティネン、ジェシカ・サーンド、クリスティーン・シェヴチェンコ、サラ・スミス、デヴォン・トイチャー

メアリー・ミルズ・トーマス、カレン・アップホフ、キャサリン・ウィリアムズ、グレイ・デイヴィス、トビン・イーソン、ケネス・イースター、ダニエイル・マンティ、アレハンドロ・ピリス=ニーニョ、アロン・スコット

「マノン」寝室のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ/衣裳:ニコラス・ジョージアディス

出演:ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス

「白鳥の湖」第2幕グラン・アダージオ
振付:ケヴィン・マッケンジー/音楽:P.I.チャイコフスキー/衣裳:ザック・ブラウン

出演:イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー

カリン・エリス=ウェンツ、レナータ・パヴァム、アン・ミルースキー、ジャクリン・レイエス、ヒー・セオ、クリスティ・ブーン、マリーヤ・ブイストロワ、カレン・アップホフ

ユン・ヨン・アン、ジェマ・ボンド、イザベラ・ボイルストン、ニコラ・カリー、ツォンジン・ファン、ニコール・グラニーロ、イサドラ・ロヨラ、アマンダ・マグウィガン、シモーヌ・メスマー

エリーナ・ミエッティネン、ローレン・ボスト、サラ・スミス、サラワニー・タナタニット、デヴォン・トイチャー、メアリー・ミルズ・トーマス、リーヤン・アンダーウッド、ジェニファー・ウェイレン、キャサリン・ウィリアムズ

「シナトラ組曲」
振付:トワイラ・サープ/舞台指導:エレイン・クドー/音楽:フランク・シナトラ/衣裳:オスカー・デ・ラ・レンタ/照明:ジェニファー・ティプトン/歌:フランク・シナトラ

"夜のストレンジャー" "オール・ザ・ウェイ" "ザッツ・ライフ" "マイ・ウェイ" "ワン・フォー・マイ・ベイビー (アンド・ワン・モア・フォー・ザ・ロード)"

出演:ルチアーナ・パリス/マルセロ・ゴメス

「ドン・キホーテ」グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/音楽:ルードヴィヒ・ミンクス/衣裳:サント・ロクァスト

出演:ニーナ・アナニアシヴィリ/ホセ・カレーニョ

第2部
「ラビット・アンド・ローグ」
振付:トワイラ・サープ/音楽:ダニー・エルフマン/衣裳:ノーマ・カマリ/照明:ブラッド・フィールズ/音響デザイン:ダン・モーゼス・シュライヤー/振付補佐:キース・ロバーツ

ローグ(ならず者):イーサン・スティーフェル
ラビット(紳士):エルマン・コルネホ
ラグ・カップル:ジリアン・マーフィー、デイヴィット・ホールバーグ
ガムラン・カップル:パロマ・ヘレーラ、ゲンナジー・サヴェリエフ
カルテット:加治屋百合子、マリア・リチェット、カルロス・ロペス、クレイグ・サルステイン

アンサンブル:クリスティ・ブーン、マリアン・バトラー、ミスティ・コープランド、シモーン・メスマー、ジャクリン・レイエス、サラワニー・タナタニット
トーマス・フォースター、ジェフリー・ガラデイ、アレクサンドル・ハムーディ、ブレイン・ホーヴェン、パトリック・オーグル、アイザック・スタッパス

【序曲】~【1.浮かれ騒ぎ】ローグ、ラビット、アンサンブル、カルテット~
【2.ラグ】ラグ・カップル、カルテット、アンサンブル、ローグ~
【3.リリック】ラビット、カルテット&アンサンブル、女性、ローグ~
【4.ガムラン】ガムラン・カップル、カルテット、アンサンブル、ラビット、ローグ~
【5.フィナーレ】ラビット、ローグ、ラグ・カップル、ガムラン・カップル、カルテット、アンサンブル

****************

さて、プログラムの方ですが、嬉しいことにプリンシパルやソリストだけでなく、コール・ドまで全員分の写真が載っています。そして、巻末には、2009年11月マリインスキー・バレエ来日公演「白鳥の湖」「眠れる森の美女」の広告がありました。マリインスキーは毎回「白鳥の湖」を上演しますが、たまには別の作品も観たいです。

それと、2010年2月にはニーナ・アナニアシヴィリとグルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」他とありました。ニーナがジュリエット役を踊るということで、こちらも楽しみですね。

7/13マチネ ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」

DVDで発売されたアリーナ・コジョカル主演のこのプロダクションは、BBCで放映された時の映像を流し見はしていたんだけど、実際の舞台で観るのは初めて。映像で見たときは、アリーナの可憐さと、濃い4人の王子ばかりが印象に残っていて、なんだか地味なプロダクションだと思ったのだけど、実際の舞台で観ると面白かった!そもそも、私は「眠り」は、新国立劇場でザハロワ主演で観たときに、なんて退屈で子供っぽくてダラダラしてつまらないんだろうと思ったし、東京バレエ団のプロダクションも冴えないので、あんまり最近は観ていなかった。オーストラリア・バレエの、スタントン・ウェルチによる熱帯っぽいプロダクションはユニークで面白かったけど。

さて、ロイヤル・バレエのプロダクションは、復元版ということで、映像で見ると古典的な感じで地味なのだけど、ピーター・ファーマーによる装置は重厚で凝っており、また衣装はパステルカラーを使っていて美しい。特に貴族や国王、お妃、そして4人の王子の衣装が、テキスタイルの高級感も含めて素晴らしい。

非常に演劇的な演出で、バレエというより舞台を観ているような気がしてしまうほどだ。マイムが多用されているし、特にあまり踊らない役のダンサーたちの演技が、まるで台詞が聞こえてくるかのようだ。前回の来日公演「マノン」でのマダム役も印象的だったエリザベス・マクゴリアンは長身で美貌、その中に母の優しさ、寛容さがにじみ出ている。国王のクリストファー・サウンダースもとても品がよいのだけど、カタラビュットをいじめたりと、ちょっと陰険なところもあって面白い。カタラビュットは、「シルヴィア」ではエロス役だった美形のジョシュア・トゥイファ。若くてハンサムなのに、カツラをむしりとられたりする気の毒な役にキャスティングされちゃって。美形なだけにかえって憐れな感じ。


<プロローグ>
プロローグでは、オーロラの誕生を祝ってリラと五人の精、それぞれのお付きの騎士が踊る。精たちのソロは結構バタバタした振り付け。特に歌鳥の精は忙しそうな振り付けでダンサーは大変そう。その中で、ユフィさんのたおやかで、柔らかくニュアンスのある踊りが目を引く。リラの精のお付きの平野亮一さんが長身でなかなかかっこいい。

ロイヤル得意のカブリモノ、ネズミたちが飛び込んで来て、カラボスが入場。派手なおばさんという風情なんだけど、高笑いする様子といい、身振り手振りが芝居がかっていて面白い。招待者のリストにカラボスの名前が載ってないのはカタラビュットのせいだと王様が言ったおかげで、哀れカタラビュットはカツラをむしられただけでなく、残り少ない髪までむしられてしまう。
オーロラの赤ちゃん人形が口をポカンと開けていてなんだかホラーな感じ。

<一幕>
一幕はオーロラの16歳の誕生日。サラ・ラムはまるで少女漫画から抜け出て来たような美しい容姿。背はあまり高くないけど、輝く金髪に白い肌、大きな瞳、華奢な体型。絵に描いたような初々しくキラキラしたお姫様だ。ものすごいテクニックがあるわけではないけど、難しいヴァリエーションもローズアダージオも難無く踊り終わった。ローズアダージオはバランスの時間がやや短かったけど、アティチュードの曲線がとても美しい。細すぎるくらい細くて、とにかく綺麗だし絵になる!それに対して四人の王子の濃ゆいこと。マーティン・ハーヴェイやトーマス・ホワイトヘッド、ヨハネス・ステパネクとハンサムを取り揃えているけど、みんな髭つきだし、もったいぶった演技で笑える。もちろん一番濃いのは、唯一髭のないフランス王子のギャリー・エイヴィスで、他の王子たちを仕切ること!

オーロラの友人たちの踊りは笑っちゃうくらい揃っていない。一人音楽性のよさでユフィさんが際立っている。カラボスが変装して登場し、糸巻きの針で指を刺してしまったオーロラが眠りにつく。四人な王子たちがやる気満々で刀を持ってカラボスを追いかけていくのがまたすごい。そういえば肝心のリラの存在感が薄い。リラはあまり踊るところがなくてマイムが多い。マイムはもちろんすごく上手いわけだけど。

<2幕>
打って変わって、森の中の狩場。さっきのカタラビュットと同じようなカツラをかぶった、偽カタラビュットみたいなおつきを連れた伯爵夫人ご一行。赤い上着を着ているのが王子だと認識するのにしばらくかかってしまう。この衣装は地味で、ひと目で王子だとわからないのでちょっと難ありなのでは?それに、サモドゥーロフ(スラーヴァ)は、優雅なしぐさはともかく容姿があまり王子っぽくないというか、ちょっと貫禄がつきすぎた感じ。憐れな偽カタラビュットは目隠しをされていて鬼ごっこをしているけど、スラーヴァ王子は所在なげで憂い顔。貴族たちとちょっと踊る。さすがに、ここでのスラーヴァの何気ない踊りは気品があって王子そのもの。

一行がいなくなって独りになり、物思いに沈んでいる王子。、まるで「白鳥の湖」の王子が踊るような、ゆっくりとした憂いのソロ。スラーヴァは身体がちょっと重そうだけど、きれいに入る五番、伸びたつま先、アンドゥオールなどは実に美しくて、基本に忠実かつアカデミックな踊り。そこへリラが現れ、「あなたの見る夢はこんな夢ですか」と眠るオーロラの幻影を見せてくれる。「なんて美しいんだ」という王子のマイムも優雅そのもの。そして、今度はチュチュ姿のオーロラの幻影が登場する。オーロラを追いかけても、なかなか追いつけない。王子の手をすり抜けていくようにオーロラが行ってしまおうとする。華奢で儚いサラは、幻影にぴったり。やっと王子は追いついて、オーロラをサポートし、オーロラはピルエットをする。しかし、幻影は幻影で、過ぎ去ってしまう。王子は「オーロラと結婚したい」というマイムをすると、船が現れ、リラと王子が船に乗ると、深い深い森の中へと二人は進んでいく。

やっとたどり着いた眠るオーロラの城の門には、カラボスの手下のねずみどもが。リラがねずみ、そしてカラボスを追い払って、二人はオーロラの元へ。眠るオーロラを前にして、王子はちょっと躊躇するけどオーロラにくちづけると、魔法が解けて、オーロラが目覚める。ところで、私はこの日は左サイドの席だったので、オーロラのベッドの上の鏡の仕掛けに気づかなくて、いつカラボスが退治されたのかが全然わからなかった。私の席の位置からだと、鏡が見えなかったのだ。残念!

<三幕>
休憩なしで3幕に突入。キャラクターダンスが比較的多いのが特徴。通常は宝石の精の踊りのところが、フロレスタンと姉妹たちという役名のパ・ド・トロワになっている。フロレスタンと国王ってどういう関係なのかしら?マーティン・ハーヴェイの立派な太ももは、エロス役だから目立ったのであって、白タイツを穿くと案外目立たない。彼はいいダンサーだと思う。国王とお妃すら歩いて入場するのに、唯一輿に担がれてちょっと高慢な感じの白い猫は、首をかしげて、招き猫のような手つきをしてしなを作る様子がとてもセクシー。長靴をはいた猫を演じるのはリカルド・セルヴェラなのに、マスクを着用しているのでかわいらしい顔が見えなくて残念。でも跳躍がとってもきれい。青い鳥は蔵健太さん。長身でプロポーションがよく、軽やかに跳躍していてなかなかお見事。ブリゼの角度もきっちりとついていて、ラインが美しい。そこらへんのイギリス人などよりよほど見栄えがするのだ。メイクはちょっとパンクな感じ。そして、彼女を目当てでこの日のチケットを取った、チェ・ユフィさんのフロリナ姫は、繊細で愛らしく、森を通り抜ける風のように軽やかで素敵だった。絶やさない微笑みも可愛らしいし、人を惹きつける魅力と輝きを持っている。赤頭巾ちゃんと狼などを見ると、やっぱりロイヤルのダンサーは演技が達者だなって思う。赤頭巾ちゃんのちょっとわざとらしい怯えた表情がとにかく鬼のようにキュートだし、全身着ぐるみなのによく動いてダイナミックな狼に捉えられて、足をばたばたさせるところも、お約束通りで笑える。

そしてグラン・パ・ド・ドゥ。フィッシュダイブ3連発はスムーズに決まる。美しいサラ・ラムはお姫様姿が本当に似合っていて、控えめながらもキラキラしている。サモドゥーロフのヴァリエーションは、やや重めながらも丁寧で、非常に上品で正確。包容力のある大人の王子という風格。コーダでのサラの身体の倒し方は、背中の柔らかさを感じさせるもの。その後に、ヴァリエーションを踊らなかったシンデレラと王子(王子はトーマス・ホワイトヘッド)や、人食い鬼なども交えてのコーダ、そしてアポテオーズ。最後のポーズのサラのアラベスクのラインがとてもきれい。というわけで、大満足で終わった「眠り」1回目だった。指揮者がよかったのか、オーケストラの演奏もなかなか良くて、聞き応えたっぷり。

国王フロレスタン24世: クリストファー・サウンダーズ
お妃: エリザベス・マクゴリアン
オーロラ姫: サラ・ラム
フロリムント王子: ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ
式典長/カタラビュット: ジョシュア・トゥイファ
カラボス: ジリアン・レヴィ
リラの精: ローラ・マカロッチ

―プロローグ―
澄んだ泉の精: 崔 由姫
お付きの騎士: トーマス・ホワイトヘッド
魔法の庭の精: ローレン・カスバートソン
お付きの騎士: フェルナンド・モンターニョ
森の草地の精: ベサニー・キーティング
お付きの騎士: 蔵 健太
歌鳥の精: カロリン・ダプロット
お付きの騎士: セルゲイ・ポルニン
黄金のつる草の精: サマンサ・レイン
お付きの騎士: エルンスト・マイズナー
リラの精のお付きの騎士: 平野 亮一
妖精のお付きたち、貴族、伝令官、カラボスの手下: 英国ロイヤル・バレエ団

―第1幕―
フランスの王子: ギャリー・エイヴィス
スペインの王子: マーティン・ハーヴェイ
インドの王子: ヨハネス・ステパネク
ロシアの王子: トーマス・ホワイトヘッド
オーロラ姫の友人: 崔 由姫、リャーン・コープ、
セリーサ・デュアナ、カロリン・ダプロット、
エリザベス・ハロッド、エマ・マグワイヤー、
ヘレン・クロウフォード、ロマニー・パジャク
編み物をする女たち、ガーランド、ワルツ、貴族: 英国ロイヤル・バレエ団

―第2幕―
伯爵夫人: イザベル・マクミーカン
王子の側近: ジョナサン・ハウエルズ
王子の随員、狩りの一行、妖精たち: 英国ロイヤル・バレエ団

―第3幕―
フロレスタンと姉妹たち: マーティン・ハーヴェイ、ベサニー・キーティング
ヘレン・クロウフォード
長靴を履いた猫と白い猫: リカルド・セルヴェラ、イオーナ・ルーツ
フロリナ王女と青い鳥: 崔 由姫、蔵 健太
赤ずきんと狼: エマ・マグワイヤー、ヨハネス・ステパネク
グラン・パ・ド・ドゥ: サラ・ラム、ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ
おとぎ話の主人公たち、妖精のお付きたち、小姓たち: 英国ロイヤル・バレエ団

協力: 東京バレエ学校
指揮: ワレリー・オブシャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2008/07/16

アンヘル・コレーラのABT来日公演降板/ABT関連追記

ジャパンアーツのblogに、アンヘル・コレーラが怪我のために来日公演を降板するお知らせが載っていました。楽しみにしていたので残念ですが、早い回復を祈ります。

http://abt2008.seesaa.net/article/102947457.html

以下引用です

★アンヘル・コレーラは怪我のため来日ができなくなりました。
 そのため以下の通り出演予定に変更がございます。

≪オールスター・ガラ公演≫
●7月17日(木)19:00
「シナトラ組曲」 ホセ・マヌエル・カレーニョ → マルセロ・ゴメス
「ドン・キホーテ」 アンヘル・コレーラ → ホセ・マヌエル・カレーニョ

●7月18日(金)19:00
「メリー・ウィドウ」 マルセロ・ゴメス → ホセ・マヌエル・カレーニョ
「シナトラ組曲」 アンヘル・コレーラ → マルセロ・ゴメス


≪海賊≫ アリ役
●7月19日(土)18:30 ホセ・マヌエル・カレーニョ

●7月21日(月・祝)13:00 エルマン・コルネホ

≪白鳥の湖≫ ジークフリート王子役
●7月25日(金)18:30 イーサン・スティーフェル

『びわ湖公演≪オールスター・ガラ≫』
●7月26日(土)18:00
  「ドン・キホーテ」 アンヘル・コレーラ → エルマン・コルネホ
  「ラビット・アンド・ローグ」 エルマン・コルネホ → サッシャ・ラデツキー
『大阪公演≪海賊≫アリ役』
●7月27日(日)15:00 ホセ・マヌエル・カレーニョ

(引用終わり)

なお、いちぞーさんのBeyond the Spotlight
http://blog.livedoor.jp/ichizo31/
によると、9月にマドリッドで行われるコレーラ・バレエの『ラ・バヤデール』のチケットが本日発売になったとのことです。(購入先はテアトロ・リアルのサイトを参照。)

アンヘルの出演日は9月4日、6日及び11日とのことです。

また、7月11日、12日の二日間に渡り、コレーラ・バレエのPre-Premier(旗揚公演)が行われました。こちらは悪天候に見舞われながらも大成功したそうです。詳しくはいちぞーさんのサイトでレポが載る予定です。

アンヘルが旗揚げ公演の九月には回復されるよう、そしてコレーラ・バレエの来日公演も行われることを期待したいです。

****
追記:ニーナ・アナニアシヴィリは無事来日したとのことです。
http://abt2008.seesaa.net/article/103005644.html

グルジア国立バレエが昨年来日した際、会場に「「ニーナ・アナニアシヴィリ財団」の募金箱が設置されていましたが、その資金でグルジアでバレエを学ぶ子供たちの発表会を開くことができたそうです。そして、その発表会の映像をニーナが持参したとのことで、上記ブログで動画を見ることができます。民族衣装っぽい衣装が可愛いですね。

それから、チャコットのDancecubeで、
http://www.chacott-jp.com/magazine/topics/67_4.html

ABTのイリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベロツェルコフスキーによるバレエ・ワークショップのお知らせが載っていました。

日時:7/27(日)
バレエ基礎 11:00~12:30
バレエ初級 12:45~14:15
場所:渋谷Bスタジオ
(チャコット渋谷本店6F)
受講料:¥6,000(1レッスン)
要予約
★カルチャースタジオ会員以外の受講可

だそうです。基礎や初級なので、一瞬受けてみようかと思ったのですが、この日はABTの大阪公演がある日でした。この二人は、びわ湖のガラ公演も不参加なんですね。

いずれにしても、明日からのABT来日公演、私は平日マチネ以外は全部参加します。体力を貯めなければなりません。が、そのために連日残業したり、しばらく行けないのでみっちりバレエのレッスンを受けたり、かなりズタボロです(苦笑)

追記
コメント頂いた通り、いちぞーさんのblogにアンヘルの最新独占インタビューが載りました。旗揚げ公演のこと、日本公演降板と怪我のことなど。ぜひお読み下さい。
7月14日に行ったインタビューです。

http://www.beyond-the-spotlight.com/archives/440139.html

エトワールガラのキャスト変更?

お友達にいただいた情報です(感謝!)

バンジャマン・ペッシュのサイトに出演予定があるのですが、
http://www.benjaminpech.com/web/index.htm

エトワール・ガラの出演予定者が変更されています。

主催者からも間もなく正式発表があるかもしれませんね。

エルヴェが出られなさそうなのは本当に残念ですが、怪我を治すためには仕方ありませんよね。来シーズンの活躍を祈ります。

追記
まだ正式情報ではないので、一部記述を削除しました。ご了承ください。

ABT来日&「Rabbit and Rogue」の写真/マトヴィエンコ・ガラの写真

ジャパン・アーツのアメリカン・バレエ・シアター2008ブログで、いよいよメンバーが来日したという報告が載っていました。土曜日の「ジゼル」でMETシーズンが終わり、月曜日には現地を出発して木曜日から公演、というのはハードですよね。

http://abt2008.seesaa.net/article/102936134.html

Gene Schiavoneさんのギャラリーで、木曜日、金曜日のオールスター・ガラで上演されるトワイラ・サープによる新作「Rabbit and Rogue」のリハーサルと舞台写真がアップされています。

http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/hgf/

一部は、現在発売中のダンスマガジンにも掲載されているものですが、イーサン・スティーフェル、デヴィッド・ホールバーグ、ジリアン・マーフィのリハーサル中の写真が素敵ですね。

The Wingerではデヴィッド・ホールバーグ君が東京に向かうまでのエントリを書いてくれています。
8月24日、25日の小林紀子バレエシアターの「ラ・シルフィード」(ヨハン・コボー振付)にも彼はゲスト出演するんですよね。こちらも楽しみです。ヨハン・コボーも、再度振付のために来日するとのことです。
http://thewinger.com/words/2008/on-my-way-to-work-airport-edition/
http://thewinger.com/words/2008/tokyo-x-4/

********

さて、同じGene Schiavoneさんのギャラリーには、デニス・マトヴィエンコ・ガラの舞台写真およびリハーサル写真もアップされています。
http://www.geneschiavone.com/gallery/v/Principal-Dancers/gft/

マトヴィエンコ夫妻のほか、スヴェトラーナ・ザハロワとアンドレイ・メルクリエフ、バンジャマン・ペッシュとイザベル・シアラヴォラの「アルルの女」や、アレクサンドル・リアブコとシルヴィア・アッツオーニの「椿姫」、イーゴリ・コールプとキエフ・バレエのナタリア・マッツァクの「白鳥の湖」、レオニード・サラファーノフとオレシア・ノーヴィコワの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」、ニーナ・カプツォーワとイワン・ワシリエフの「パリの炎」、エレーナ・フィリピエワ、ラスタ・トーマス、エカテリーナ・オスモルキナらの写真があります。ラストの全員でのリハーサル着での集合写真が楽しげでいいですね。それと、花束を持ったザハロワの写真があまりにも美しすぎます。

リハーサルの写真も、マトヴィエンコ、ザハロワ、コールプ、ペッシュ&シアラヴォラなどがあって、とても面白いです。コールプは、リハーサル中もなんだかとても怪しい感じで、とても白鳥の王子には見えません(笑)彼の方が騙しているように見えます。しかも、「ルジマトフのすべて」の時と同じ、後ろでぱっつんと切りそろえた髪型が不思議です。

2008/07/15

ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」祭り終了

始まる前はテンションが下がっていた英国ロイヤル・バレエ来日公演でしたが、終わってみれば本当に楽しかったです!昨日はマチネとソワレ、今日の最終公演と「眠れる森の美女」は3回観ましたが、どの回も本当に楽しめました。オーロラはやっぱり断然マリアネラ・ヌニェスの幸せキラキラオーラに包まれながらも、ものすごいテクニックをさりげなく入れ込んだのが素晴らしかったです。でも、姫に相応しい愛らしさ、美しさはサラ・ラムがダントツだったし、ロベルタ・マルケスのキュートさ、技術の高さも見事でした!王子は意外にもティアゴ・ソアレスが良かったですね。やっぱりラブラブなマリアネラとの共演だったからか、テンションが高かったし、意外にもノーブルで古典の王子が似合っていました。長身で脚がきれい、技術もバッチリだし。この二人は、来年の世界バレエフェスティバルにも呼ばれそうな予感がします。

それと、やっぱりロイヤルのダンサーは演技が素晴らしい。美しいエリザベス・マクゴリアンや上品なクリストファー・サウンダースはもちろん素敵でした。ジェネシア・ロサートのカラボス、邪悪で芝居がかっていてかっこよかった!それとお約束のカツラをむしりとられるカタラビュットにも爆笑。王様に「カラボスが招待されていなかったのはお前のせいだ」といじめられ、カラボス軍団にボコボコにされてかわいそうなんだけど…。アリステア・マリオットの芸達者ぶりはお見事だったし、すごく美青年なのにハゲヅラになってしまう憐れなジョシュア・トゥイファも可笑しかったです。

4人の王子の細かい演技も見ていて楽しかった!フランス王子で出演していたギャリー・エイヴィスの仕切ること仕切ること。王子たちを見ているのがあまりにも面白いので、ローズアダージオを観そびれそうになるくらい(嘘)。本当は金髪なのに茶色のカツラと髭をつけていたロシア王子のトーマス・ホワイトヘッドの演技も渋かった~。カブリモノがお見事なのもさすがロイヤルならではで、カラボスの手下のネズミたち(目が光る)はじめ、長靴を履いた猫のマスクの精巧さや、全身着ぐるみ状態の狼のかっこよさたるや、しびれるほど。狼と赤頭巾ちゃんの小芝居も楽しくって、特に赤頭巾ちゃんの悪乗り暴れっぷりにもウケました。6人の騎士たちの、わざとやっているとしか思えない揃わないアントルシャ・シスもロイヤルらしくて面白かったです。(あれ?見方がちょっと邪道?)

そして同じく揃わない群舞にいても、その柔らかく詩的で爽やかな踊りが目に付くチェ・ユフィさん、きっと次回の来日公演では彼女の主役があるんじゃないかと思いました。彼女のフロリナ王女は、森を通り抜ける風のようでした。もう一人のホープは、フロレスタンや騎士でひときわ高いアントルシャが美しかったセルゲイ・ポルーニン。2年前のローザンヌコンクール1位の彼ですが、年末には早速くるみ割り人形の王子役が控えています。とても美形ですし、将来のスター候補でしょうね。蔵健太さんも、青い鳥、フロレスタンと大活躍で、西洋人に負けない長身に美しい脚で軽やかに舞っていました。

ロイヤル祭りが終わったら、次はABT祭りです。なかなかちゃんとした感想を書く時間が取れませんが、パリ・オペラ座の「椿姫」はじめ、ぼちぼち書いていきますので、しばしお待ちを。

2008/07/14

ABT夢倶楽部会員直前割引

今週木曜日からABT来日公演が始まりますが、アンヘル・コレーラの日(25日)以外の「白鳥の湖」と、「海賊」20日夜は夢倶楽部直前割引が出ました。

http://www.japanarts.co.jp/html/japia/majika.htm

アメリカン・バレエ・シアター
《7月14日10:00より受付 開始!》

≪海賊≫:2008年7月20日18時

≪白鳥の湖≫:2008年7月23日18時30分
          2008年7月24日13時・18時30分
          2008年7月25日13時

20日夜の「海賊」はパロマ・ヘレーラ、デビット・ホールバーグ、イーサン・スティーフェル、エルマン・コルネホとキャストは豪華です。

またニーナ主演白鳥のマチネ公演も対象。いくら人気のニーナでも、平日昼公演は厳しいですよね。
今回は「海賊」以外は平日公演、「白鳥の湖」のソワレは6時半始まりなのがネックです。欧米並みに7時半や8時は難しいのかもしれませんが、せめて7時開演にして欲しいっていつも思います。

なおチャコットのメールマガジンにも割引案内が載ってました。

今年の夏は公演が多くどこの主催者も苦労していますね。

しかし苦戦が予想されていたロイヤル・バレエも、マリアネラ・ヌニェスの踊りが素晴らしかったため、彼女が主演した昨日ソワレの「眠れる森の美女」はほぼ満席でした。リピーターがかなり来たようです。私もその一人で、幸せがあふれる素敵な舞台を楽しみました。

ABTも口コミなどで席が埋まりますように!

7/12井上バレエ団『3 Choreographers+Peter Farmer』

ロイヤル・バレエの「眠れるもりの美女」のタマラ・ロホの出演日と重なっていて、どっちにしようと思っていたけど、オペラ座のエマニュエル・ティボーを観られる機会と思ってこっちに行くことにした。で、コジョカルの日を取ったら、あんなことに(><)。
でも結局「眠り」は13日マチソワと14日に行くのだ。無謀…。(感想はしばらくお待ちください)


2008年7月 バレエ団創立40周年 財団設立25周年 井上博文没後20年記念公演
『 3 Choreographers+Peter Farmer』
関直人振付- ■ピーター・ファーマー美術による「グラン・パ・エスパニョール」
セルジュ・リファール振付- ■「ヴァリアシオン」
オーギュスト・ブルノンヴィル振付- ■「コンセルヴァトワール」 ■「ジェンツァーノの花祭り」

コンセルヴァトワール
オーギュスト・ブルノンヴィル振付
2人の女生徒 島田 衣子、宮嵜万央里
バレエマスター トーマス・ルン
4人の男子生徒 S.クロボーグ、荒井成也、横関雄一郎、秋元康臣

本来は2幕ものなのだけど、現在は1幕のみが上演されることの多い作品。バレエスクールを舞台に、バレエマスターが少女たちと4人の男子生徒にバレエを教える様子を描いたもの。女生徒たちは、ピンクの衣装、首に黒いリボンを巻いているのが可愛らしい。しかしここでの群舞は全然揃っていなかったのが残念。バレエマスターの トーマス・ルン (デンマーク・ロイヤル・バレエのプリンシパル)は長身細身で、先生らしい威厳を持っている。教鞭を取る姿はなかなか素敵。そして、いかにもブルノンヴィル的な華麗な脚さばきのソロを見せてくれる。続いて4人の男子生徒。デンマークロイヤルのセバスチャン・クロボーグはじめ、山本禮子バレエ団の横関雄一郎さん、NBAバレエ団の秋元康臣さんという生きのいいダンサーを配置。横関さんのブルノンヴィル・ステップも、非常にテクニカルだった。

ジェンツァーノの花祭り
西川知佳子
セバスチャン・クロボーグ

発表会等でもお馴染みのブルノンヴィル作品。単にヴァリエーションというより、物語性が感じられていて、クロボーグのちょっとした芝居もキュート。彼は「コンセルヴァトゥール」ではちょっと精彩を欠いていたけど、ここではテクニックも冴えていて、軽やかな跳躍を決めていた。

ヴァリアシオン
ダルソンヴァル 田中りな
ラフォン 田川裕梨
バルダン 鶴見未穂子
ボサール 宮嵜万央里
ダイデ 小髙絵美子
ラフォン 藤井直子

これはセルジュ・リファールの作品。ラフォン役の藤井直子さんは、このバレエ団の看板だけあって、とても美しいバレリーナ。特に腕の使い方のたおやかさは、うっとりさせられるほどきれい。ほかの5人も、とにかく上半身がとても素敵で、おおらかで音楽性豊か、流れるような動き。ストーリー性があるわけではないし、照明も暗めなので、少し退屈な部分もあるけど、おっとりとして上品な井上バレエ団のバレリーナの長所は非常に生かされていて全体的にとても美しかった。

グラン・パ・エスパニョール
キトリ 島田衣子
バジル エマニュエル・ティボー
キトリの友人 藤井直子
友人たち 宮嵜万央里、西川知佳子、田川裕梨、田中りな
街の人々 鶴見未穂子、小髙絵美子、他
街の若者 横関雄一郎、秋元康臣、中尾充宏他

「ドン・キホーテ」全編にあるバジルとキトリのヴァリエーションを、他のダンサーに振り当てたり、群舞にしたという構成の作品。グラン・パ・ド・ドゥのみ、「ドン・キホーテ」の通常の全幕と同じというわけである。ストーリー性を排したシンフォニック・バレエなのほ亜、なんとなく「ドン・キホーテ」の楽しさや華やかさも排除されちゃって、なんだかな、というところがある。美術をピーター・ファーマーが担当する予定が、ファーマーの怪我で、ラフスケッチを元に製作。パステルカラーの色合いがきれい。たくさんのダンサーが主役二人の踊りを踊るというわけで、期待していたバジル=ティボーの踊る部分がグラン・パ・ド・ドゥ以外は少なかったのが残念。しかも、最初の方はキトリをサポートするばかりでもったいないこと。

1幕のキトリとバジルの掛け合い、じらし合いのユーモラスな演技は、さすがにパリ・オペラ座でもバジルを踊っているティボーは非常に達者でユーモラス。彼の全幕の「ドン・キホーテ」を観たいという願いが募るばかり。男性ダンサーのほとんどいない井上バレエ団では無理だろうなあ。ティボーは膝を痛めていてしばらく舞台に出ていなかったこともあり、絶好調ではない様子。片腕リフトはしていなかったし、ヴァリエーションでの跳躍も控えめ。ただ、彼はバジルを躍らせてもどこかノーブルさがあるし、サポートも非常に上手。跳躍を抑え目にしていたとはいえ、アントルシャ・カトルは高く跳んでいたし、いつもきれいな5番に着地しているし、つま先もとても綺麗。ピルエット・ア・ラ・スゴンドも勢いがあって軸がぶれずに美しい。思ったより背も高いし。キトリの島田衣子さんは、藤井さんと並ぶ看板だけあって、華があるし、背中は柔らかいし、グラン・フェッテも難なく決めていた。横関さん、秋元さん、中尾さん(小林紀子バレエシアター)はそれぞれ活躍していて、横関さんのマネージュはとてもきれいだったし、若い秋元さんのぴちぴちと勢いのある軽やかで華麗なテクニックが印象的だった(彼はオブラスツォーワ相手にバジルを踊っているのよね)。中尾さんは演技がうまいしいつもながら丁寧な踊り。

でもやっぱりティボーくんがもったいなかったな~。元気そうな彼を観られたのは良かったけど。今度ゲストに呼ばれる時には、全幕の主演だといいね。9月にはオペラ座のロビンス・プロ「アザー・ダンシズ」に出演する予定なので、きっと素敵でしょう。

2008/07/13

noon dance performance「TRIP」

noon dance performance
「TRIP」

7月12日(土) 14:00~
アサヒアートスクエア

出演:
中村恩恵  松本大樹  森本由布子  大嶋正樹  小尻健太  
首藤泉  スズキケンタロー  松崎えり
http://www.ny.airnet.ne.jp/piccolo/sche.html

noonはバレエ団ピッコロに所属しながら、中村恩恵さんのプロジェクトに参加したり、海外での経験も豊富な松崎えりさんが企画、演出、振付を手がけるプロジェクト。2000年より活動してきており、パリでも公演を行ったことがあるそうだ。今回は、元NDTで現在は振付家としても活躍し、キリアンの依頼でローザンヌコンクールの審査員を務めていたりした中村恩恵さん、現NDT1の小尻健太さん、元NDT2で現クルべり・バレエの首藤泉さん、そしてさまざまなダンス分野で活躍している松本大樹さん、森本由布子さんが出演。そして、元東京バレエ団の大嶋正樹さんが怪我からの復帰出演第一弾となる。
今回は、さらにパリ在住のコントラバス奏者スズキケンタローさんが演奏で参加した。

アサヒアートスクエアはこじんまりとしたホールで座席数も少なく、ダンサーたちを親密に感じられる場所。かのアサヒビールのフィリップ・スタルク設計の有名な建物の中にある。

1.TRIP
振付・演出 松崎えり
出演:中村恩恵 松本大樹 森本由布子 松崎えり 大嶋正樹 小尻健太 スズキケンタロー

まず舞台に登場した中村恩恵さんの表現力に驚かされる。中村さんを舞台で観るのは初めてなんだけど、身体の使い方が独特で、しかも本当に自由自在に身体をコントロールして動いている感じ。クラシックバレエのダンサーとは違った感じなのだけど、強靭さと独特の美しさがある。この人の踊りを観られて良かった、と思わせてくれる人。次に登場するのは、大嶋さん。女性三人は、薄いベージュのキャミソールドレス。男性はバラバラな服装。そして6人のダンサーが、時としてペアになり、時にはソロになる。ペアでの動きが多くて、エネルギーのぶつかり合いを感じる。時にはダンサーは会話も交わすけど、それらの会話も即興的なやり取り。コンテンポラリーダンスを表現するのって難しいっていつも思うんだけど、コミュニケートすることの多様性を感じさせる、面白い作品だった。大嶋さんは控えめながらも跳躍もしていたし、やっぱり6人の中で一番バレエ的な綺麗な動きを見せてくれた。怪我の後遺症のようなものは全然感じさせない。一番動けているな、と思ったのは小尻健太さん。この人の動きはカッコいい。男同士のカンフーというかアクションっぽい動きなんかもある。ダンサーたちは客席の中から登場したり、袖から登場したり引っ込んだりと入れ替わりたちかわり。それから、生演奏のコントラバスの音楽が底から響いてくるような深い音で、でも時にはこれってコントラバスの音なの?と思うような明るい音色の時もある。音楽のジャンルとしてはジャズなんだけど、これが実にカッコいいし振付に合っている。1時間ほどの作品だったのだけど、全然飽きなかった。

それと面白いのが、なんと「黒ひげ危機一髪」のゲームが登場して、ダンサーたちが並んで立ち、一人一人剣を黒ひげに挿していく。私が観た時は、大嶋さんが当たっちゃった。ダンサーたちがお互いの顔色を見合っているところや反応がすごく可笑しい。しかも思わぬところから、ゲーム用の剣が隠してあったりして登場するし。誰があたるのかわからない、というところが、いかにも即興的に面白い。

2.Ester
振付:Jermaine Spivey
出演:首藤泉

首藤さんのソロ作品。日本語の台詞をサンプリングした音楽を使用。スポットライトの中で立つ首藤さんが、なんと表現していいのか難しいのだけど、すごい速さで、背中を反らせたり、バットマンしたり、流れるようなのにびっくりするようなものすごい動きを見せてくれる。人間の身体ってこんな風にパーツがばらばらに動くことができるんだ、という驚愕的な体験。首藤さんは小柄でかわいらしい外見なのに、こんな風に自由に身体を動かせるところが、すごい。これが表現ってものなんだ、と思う。

3.II pluet
振付:松崎えり
出演:松本大樹 松崎えり
これは小品。この二人のダンサーも、独特の表現力があって素敵だな、と思った。

4.Given Form
concept 中村恩恵
出演:全員

これは、インプロヴィゼーション(即興)主体の振付で、両端に大嶋さんと森本さんがいて、ダンサーたちが主に二人一組になって、即興でペアで踊る。ダンスに呼応して、両端の二人が連想した言葉を発し、それに対応してまたダンサーが動きを繰り広げる。時には、演奏するスズキケンタローさんをちょっといじってみたり、これまたすごい面白いコンセプト。もちろん、スズキさんが奏でる音楽も即興である。中村恩恵さんの動きがまたすごい。手を小刻みに動かしているシーンがあったんだけど、こんなにも細かく小刻みに手を動かせる人を初めて見たと思う。他のみんなも、様々な舞踊の語彙を持っているので、観ていて目が離せなくなってしまう。

上手く表現する言葉が見つからなくて申し訳ないのだけど、とにかくとても面白い公演だった。ダンスのジャンルを越えた部分、多様性、音楽との融合、自由さ、可塑性、人間同士のやりとり。私はコンテンポラリーダンスってそんなに観ている方じゃないし、理解できる感性もないのだけど、時に単調に感じたり退屈することが今まで多かったのに、今回はずっと面白い~と思って見続けることができた。このプロジェクトは、毎年やっているようなのでまた観てみたい。即興的な部分が多いので、何回か観てみて違いを感じるのも面白そう。

そして、今回のダンサーの多くがNDTに関連していたり、ヨーロッパのバレエ団に所属していたり、海外とのかかわりが多い人がそろっているのが、この面白さの理由のひとつなんだと思う。特に、彼らに大きな影響を与えているイリ・キリアンってすごい人なんだなと改めて思った。

公演は明日15時~からもあるので、興味のある方はぜひ。全席自由で当日券の発売あり。

2008/07/12

キューバ国立バレエ「ドン・キホーテ」DVD

パリのシャンゼリゼにあるFNACで、キューバ国立バレエの「ドン・キホーテ」を購入。28ユーロと、定価よりほんの少し割引をしていたけど、ユーロ高なので5000円くらいかな。リージョンALLでNTSC、普通のDVDプレイヤーで観られます。

キューバ国立バレエ Ballet Nacional de Cuba 「ドン・キホーテ」 Don Quijote
振付:アリシア・アロンソ
キトリ:ヴィエングゼイ・ヴァルデス
バジル:ロメル・フロメタ
メルセデス:Sadais Arencibia
エスパーダ:Miguel Angel Blanco
ジプシー:Taras Domitro
ドリアードの女王:Yanela Pinera
発売元:BelAir Classiques

2006年の世界バレフェスティバルで観客を沸かせた、キューバ国立バレエのスーパーテクニック・ペア、ヴィエングゼイ・ヴァルデスとロメル・フロメタが主演した「ドン・キホーテ」。2007年7月にパリのグラン・パレで収録されたもの。グラン・パレは、先日私がパリに行った時にはマリー・アントワネット展を開催していた会場で(最終日に行ったものだから1時間半も炎天下で待つ羽目に)、バレエ専用ではない。セットはほとんどなく、舞台の上のスクリーンにコンピュータで背景を映し出していていささか寂しい。音楽も生演奏ではなく、録音。お国事情を反映してか、衣装もセンスが悪くてちょっと気の毒になるくらいであったけど、ダンサーたち、特に男性ダンサーのクオリティは非常に高い。そして、いかにもラテン的な、生き生きとした熱い息遣いが伝わってくる。

この映像に出演しているMiguel Angel Blanco(エスパーダ)と、Taras Domitro(ジプシー)は昨年末に米国へと亡命した。まだ21歳というTaras Domitroは、この映像の中でも、思わず開いた口がふさがらないほどの凄まじいテクニックを見せてくれているけど、なんとプリンシパルでサンフランシスコ・バレエに入団したとのことだ。
http://www.sfballet.org/newsfeatures/newspress/pressreleases/view.asp?id=10193102

長さはわずか96分というコンパクトなもの。1幕では、いきなり街のシーンから始まるし、通常はキトリの友人たちを含めたパ・ド・トロワになっているところが、バジルのソロになっている。2幕には居酒屋のシーンがなく、3幕では、キトリがガマーシュと無理やり結婚させられそうになっている結婚式に、バジルが乱入して狂言自殺を企てる。そしてグラン・パ・ド・ドゥには、女性ダンサーによる2つのヴァリエーションもなし。3幕の流れはユニークだと思うけど、ヴァリエーションが少ないのがちょっと物足りないかな。

ヴィエングゼイ・ヴァルデス(ちょっとディアナ・ヴィシニョーワ似)とロメル・フロメタがすごいテクニックの持ち主なのは折込済みなのでさほど驚かないけど、まずびっくりしたのが、1幕に登場する闘牛士軍団の踊り。コール・ドなのに、なんでみんな揃いも揃ってあんなに高く跳躍し、空中で静止するがごとく浮かび、足先も綺麗に伸びているんだろう!コール・ドのダンサーがこれほどまでにスーパーテクニックを持っていることにびっくり。エスパーダのMiguel Angel Blancoは背が高く、脚も長くて甘いマスクの持ち主。背中が非常に柔らかい。彼に限らず、ここのダンサーは柔軟性も非常に優れている。難点をいえば、上半身が柔らかすぎて、安定していない人が見受けられることだろうか。プロポーションも様々で、良い人もいれば、筋肉質すぎる人も。女性ダンサーは、コール・ドはとても揃っていて、同じメソッドを学んできた人ばかりなので特にポールドブラはぴたりと合っている。ただ、非常に残念なのが、女性の衣装が致命的といっていいほどダサく、スカートが中途半端な長い丈なので、脚の美しさがわからないこと。

通常キトリの友人たちとのトロワになるところでのバジルのソロ、まずここでのロメル・フロメタがすごい。トゥール・ザン・レールして、片脚ルルベで着地してまたトゥール・ザン・レールを繰り返す。風を切るような回転。それに続くキトリのカスタネットのソロ。ヴィエングゼイ・ヴァルデスの背中が非常に柔らかく、本当に両脚と両手がくっつくんじゃないかと思うほど。とにかくすごい!

2幕は、やはりジプシーのTaras Domitroのテクニックに驚く。こんなことをやってのけるのか!と口をあんぐり。「海賊」のアリのヴァリエーションなどで、両脚を前後に入れ替える技があるけど入れ替えた後にそのまま真横に脚を開いて浮かんでいるのである。凄過ぎ。ピルエットのスピードも凄い。さすが、いきなりサンフランシスコ・バレエにプリンシパルで採用されるだけのことはある。顔もハンサムでプロポーションも良く、これから大いに活躍することだろう。

夢のシーンで残念なのが衣装。アロンソ版では、キトリ=ドルシネアではなく、Kバレエなどと同じで、トウシューズを穿かない女性がドルシネアとして登場。キトリはなんだかジゼルみたいな衣装を着ているし、ドリアードの女王やコール・ドも丈の長い垢抜けない衣装で、せっかく良く揃っているしテクニックも優れているのに、美しく見えない。キューピッドのソロすらないし…全体的にアロンソ版の演出は良くない。

3幕では、無理やりガマーシュと結婚させられそうで厭々している花嫁姿のヴァルデスが可愛い。集まった人たちも、結婚式用の服装をしている。そこへ「ちょっと待った!」と乱入してきたバジル。この狂言自殺のシーンは、スイートな魅力を持っている主役二人が、愛らしいカップル振りを見せてくれて微笑ましい。フロメタのヴァルデスへの胸のタッチの仕方も凝っている。

そしてグラン・パ・ド・ドゥは、世界バレエフェスティバルの再現とばかりに凄いことになっていた。ヴァルデスの長~いバランスは、バレエフェスの時の方が安定していたと思うけど、それにしてもこれほどまで長いバランスをできる人が世界に何人いるんだろうか。アダージョでは、アチチュードからサポートなしでパッセを通りドゥヴァンまで脚を滑らかに移動させる。そしてルティレからまた、サポートなしでポアントでバランスしたまま、アチチュードアラベスクまで移動。やっぱりすごい。アダージオの最後は、ピルエットも途中からサポートなしでのトリプル、バジルもキトリを空中に放り出してキャッチ。バジルのヴァリエーション、フロメタは身体を45度に傾けてのクペ・ジュテ・アン・トゥールナンだけど、これも空中で静止する瞬間が見える。脚も非常にきれいに伸びていて観ていて気持ちよい。そしてキトリの32回転フェッテは、トリプルを織り交ぜているけど、4回転も間違いなく2回は入っていて、本当に凄いとしか言いようがない!一歩間違えれば、たしかにバレエというより体操競技のようではあるんだけど、二人とも心底楽しそうに、踊れる喜びを表現しているので好感が持てて、観ている側も思わずニコニコしちゃう。この凄すぎるパフォーマンスがこうやってDVDに残って良かった。

カーテンコールには、アリシア・アロンソも手を引かれて登場した。

そして、映像特典が30分ほどある。アリシア・アロンソのインタビューを中心に、主演の二人のインタビューも。ヴィエングゼイ・ヴァルデスはバレエを始める前は新体操をやっていたとのこと。黒いドレスを着ていてとても可愛い。それから、アリシア・アロンソとアザーリ・プリセツキーが踊った「ジゼル」の映像、アロンソがウラジミール・ワシリエフと踊った「ドン・キホーテ」の映像も挿入される。さらには、グラン・パレでのリハーサルの模様も。アロンソは80歳をとうに過ぎていて目も見えないというのに、非常にかくしゃくとして、ダンサーを指導しているのですごいなあ、と思った。これはまたとても貴重な記録。

DVDはFNACのサイトで買えます。
http://video.fnac.com/a2260308/Don-Quichotte-DVD-Zone-2?PID=3&Mn=-1&Ra=-3&To=0&Nu=8&Fr=0

追記:フランスのアマゾンで買ったほうが少し安いようです。
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ヴィエングゼイ・ヴァルデスとロメル・フロメタは2008 International Gala Hikasa Ballet 国際交流公演似出演します。二人の出演演目は以下の二つ。
●ドン・キホーテ  グランド・パ・ド・ドゥ 
●ディアナとアクティオン     
http://www.ancreative.net/
楽しみですね!

2008/07/10

ボリショイ来日公演キャスト変更

ジャパンアーツのボリショイ・バレエ2008に、キャスト変更のお知らせが載りました。
http://bolshoi-ballet.seesaa.net/

誰もが心配していたセルゲイ・フィーリンは「明るい小川」には出演してくれます。

悪の天才ことロットバルトにニコライ・ツィスカリーゼを期待していたのですがやはり無理でしたか…。残念。

フィーリンが「明るい小川」に出てくれるのは嬉しいですがやはり他の二演目は無理でしたね。

また「明るい小川」へのメルクリエフの出演がなくなってしまったのも残念。

以下、同blogよりコピペです。

7月10日現在、以下の通り変更がございますので、お知らせいたします。
★セルゲイ・フィーリンは、8月末を持ってボリショイ・バレエを退団し、モスクワ音楽劇場バレエ(ダンチェンコ劇場)の芸術監督に就任することになりました。そのため日本公演には一部日程のみの参加となります。その中で一つでも多くの公演に出演したいという希望で、「明るい小川」には両日とも出演することになりました。

【ソリスト出演予定日変更】
≪ドン・キホーテ≫
12月3日(水)18:30
セルゲイ・フィーリン → デニス・マトヴィエンコ≪白鳥の湖≫
12月6日(土)18:00
セルゲイ・フィーリン → アルテム・シュピレフスキー
≪明るい小川≫
12月10日(水)19:00 
エカテリーナ・クリサノワ → ニーナ・カプツォーワ
アンドレイ・メルクーリエフ → デニス・マトヴィエンコ
ヤン・ゴドフスキー → セルゲイ・フィーリン

【追加出演者】
≪白鳥の湖≫ ロットバルト役
12月6日(土)12:00 ユーリー・バラーノフ
12月6日(土)18:00 ドミートリー・ベロゴロフツェフ
12月7日(日)12:00 ユーリー・バラーノフ

以上、ご了承をいただきますよう、お願い申し上げます。

なお、予定キャスト表はホームページを参照してください。

新国立劇場・シーズンエンディングパーティと新芸術監督人事

昨日は、新国立劇場のシーズンエンディングパーティに行ってきました。場所はホワイエで、参加者は300人くらいとのことですが、バレエファンは比較的少なかったのではないかと思いました。お友達3人+友達の小学生の娘さんが一緒。遠山理事長、オペラ部門の若杉弘芸術監督、そしてバレエ部門の牧阿佐美芸術監督の挨拶あり。若杉さんは、腰を痛められたとのことで、壇上の横までは車椅子だったのですが、壇上には支えられながらも歩いて上がりました。

それから乾杯の挨拶ということで新国立劇場のスタッフの方が、今シーズンの簡単な総括を。去年は、とある顧客のおば様が乾杯の挨拶なのに30分以上も延々と話し込んで大顰蹙だったので、身内の方が発声されたのですね。観客動員は上々で、販売可能な座席数に対する有料入場者数比率が、オペラが97%、バレエが95%とのことです。なお、予算に対する国庫負担率は年々低下しており、現在は開場時の48%とのこと。

そして新国立劇場オペラ研修所の研修生(9期生)であるバリトンの近藤圭さんと、ソプラノの山口清子さんによるミニコンサート。素敵な歌声を聴くことができてとても満足できました。近藤さんは長身でとてもハンサム、声も良かったですし、山口さんも華のあるソプラノ。

次にダンサー紹介。今回は、厚木三杏さん、寺島ひろみさん、さいとう美帆さん、本島美和さん、そしてマイレン・トレウバエフが出席。去年と同じメンバーは本島さんとマイレン。それから、別に寺島まゆみさんも出席していました。ダンサーが自己紹介している間に、あっというまにお食事が消えてしまって、結局ほとんど何も食べられませんでした。でも、ダンサーの皆さんと歓談できたのは楽しかったです。新国立劇場は、来年9月にボリショイ劇場で牧阿佐美版の「椿姫」を上演するとのことで、マイレンもとても張り切っていました。(しかし、やっぱりこの作品は微妙ですよね。牧氏はどうも、人間関係を淡白に描きすぎる傾向があります)
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000429.html

*********
さて、2010年9月より、3部門とも新しい芸術監督に代わりますが、その人事をめぐってはいろいろと批判も寄せられているようです。バレエ部門の場合には、デヴィッド・ビントレーがバーミンガム・ロイヤル・バレエと兼務であり、フルタイムではないことだけが問題になっていますが、他部門に関してはもっと問題が大きいようですね。

代表的なのは、朝日新聞のこの記事
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY200807090066.html
や毎日新聞のこの記事
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080708dde012040050000c.html

若杉さんの健康問題もあり、指揮者の尾高忠明さんがオペラ部門の次期芸術監督に決まったようですが、本人が就任についての新聞記事を読んで驚いたということだそうです。そもそも、尾高さんはオペラの指揮は現在はほとんどしていないし、納得のいく説明を得られなければ辞退の可能性もあるとのこと。

また演劇部門は07年9月に就任したばかりの演出家の鵜山仁監督の退任が問題にされているようです。鵜山さんが就任してから、演劇部門に関しては「三つの悲劇」シリーズの動員率が4割前後と低迷していたようですが、その後の「焼肉ドラゴン」などは大好評。1年もたたないうちに退任というのは、芸術上の成果をまったく見ていないということになります。理事会でも、小田島雄志氏や永井愛氏はじめ多くの理事から、疑問が出されていたようです。また、毎日の記事では蜷川幸雄氏も、この件について「。(入場率4割などを問題にするなら)野球の監督と同じで、そんなことで切り捨てられてはたまらない。国立の舞台は、芸術的成果こそ問われるのであって、興行面であれこれ言われる筋合いはない」と批判しています。

私ももともと演劇が好きだったのに最近はバレエにかまけていてなかなか観に行く暇がありませんでした。せっかくアトレ会員なので、演劇もたまには観に行かなければと思います。

2008/07/09

ザハロワ&マトヴィエンコ出演新国立劇場「ラ・バヤデール」8月1日放送

新国立劇場でのザハロワ主演「ラ・バヤデール」放映予定が、NHK芸術劇場のサイトに載りました。

芸術劇場
http://www.nhk.or.jp/art/

NHK教育テレビ
8月 1日 (22:50〜01:05) (コメントでご指摘いただき、修正しました。ありがとうございます)
案内役:中條誠子アナウンサー
ゲスト:牧 阿佐美(新国立劇場 舞踊芸術監督)

★ 情報コーナー

新国立劇場公演 
バレエ『ラ・バヤデール』 みどころ紹介
番組では今回、改訂振付・演出を行った、新国立劇場 舞踊芸術監督の牧阿佐美をスタジオ・ゲストに迎え、みどころを紹介する。

★公演コーナー 

新国立劇場公演 
バレエ「ラ・バヤデール」全幕

<出演>
スヴェトラーナ・ザハロワ(ニキヤ)
デニス・マトヴィエンコ(ソロル)
湯川麻美子(ガムザッティ)
ゲンナーディ・イリイン(大僧正) ほか

<収録>
2008年5月20日、24日 
新国立劇場 オペラ劇場(オペラパレス)


このキャストでの公演のチケットを持っていたものの、観に行けず、評判もよかったのでテレビで見られるのが楽しみです。
しかも情報コーナーでも扱われるとのことで、リハーサルやインタビューなどあったら、なおうれしいですよね。

2008/07/08

「物語ること」についての作品考察―ジョン・ノイマイヤーの「椿姫」と映画「つぐない」

パリ・オペラ座で観た「椿姫」の感想を書く前に、4回、この作品を観てふと思ったことを簡単にまとめてみた。少し前に観た映画「つぐない」と構造的に類似した部分のある、メタ物語であるという思い付きから、下の雑文を思いついてみた。ジョン・ノイマイヤーの意図とはかけ離れているかもしれないけど、こんな解釈も可能だということで軽くお読みいただければ幸いです。

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ジョン・ノイマイヤーによるバレエ「椿姫」は、亡くなったマルグリットの部屋から遺品が運び出され、駆けつけたアルマンが遺品の中からマルグリットの日記を見つけて読み始めるところから始まる。

マルグリットの遺した日記の中でつづられている二人の出会いと別れを、アルマンが振り返るという語り口になっている。物語の語り手は、アルマンであり、彼の語り口を媒介にして、日記に記されていたマルグリットの心情が綴られていく。

さらにこの作品を面白くしているのは、マルグリットが、劇中劇である「マノン・レスコー」の物語の中に引き込まれ、中でもマノンというヒロインに自分を重ねているというメタ物語性である。いつしか、マルグリットの中にはマノンが住み着いてしまい、離れられなくなり、マノンが辿った悲しい運命を彼女自身も辿り始める。

象徴的なのは、3幕で瀕死のマノンとマルグリット、そしてデ・グリューが踊るパ・ド・トロワ。マノンという物語上の人物に現実のマルグリットが飲み込まれていく様子が残酷なまでに描かれている。

「椿姫」が「マノン・レスコー」と違っているのは、マノンは愛する男性の腕の中で亡くなったけど、マルグリットはたった一人で寂しく死んでいったということ。

ノイマイヤーは、マルグリットとアルマンの物語を描きたかったというよりは、このメタ物語という語り口で、舞踊による物語を描きたかったのではないかと思われる。
だから、物語そのものをとってみると、この上なく美しく悲劇的だけど、空虚なところも感じられる。これは、愛についての物語というよりは、「物語ることについて」のバレエなのだ。

さて、物語ることについての物語といえば、キーラ・ナイトレイが主演した「つぐない」という映画がある。
(「つぐない」を未見の方は、以下は読まないでください)

小説家志望の少女ブライオニーが、美しい姉への嫉妬と思春期特有の想像力の逞しさから嘘をつき、姉と恋人である使用人の息子の間を引き裂いてしまう。恋人は戦争に出征し、二人はその後、結ばれることはなかったという話だ。
ブライオニーはその後大人になって作家になり、最後の作品として、姉とその恋人の物語を書く。しかし、その物語は、現実のような永遠の別れはなく、幾多の障害を乗り越えて恋人たちは結ばれるという虚構の入ったストーリーで、その虚構が事実として、この映画そのもののストーリーとして終盤まで展開する。自分のせいで現実では結ばれなかった恋人たちを、せめて小説の中では結ばせたいという少女の贖罪の気持ちが、その小説の中で現れているのだ。そして、映画を観ている観客も、その虚構のストーリーが本当の話だという仕掛けにまんまと引っかかっている。
少女の叩くタイプライターのリズミカルな響きが、何よりも象徴的である。物語ること、小説というフィクションと現実の物語との関係を巧みに描きながらも、「現実にはかなえられなかった二人の幸せな姿」をラストシーンに持って
くることで、切ない余韻を残した作品だ。

(ネタバレ終了)

「つぐない」のブライオニーが書いた小説と、マルグリットの遺した日記、「椿姫」の語り手であるアルマン、そしてバレエ「椿姫」の中に登場する「マノン・レスコー」の劇中劇は類似性のあるモチーフである。

アルマンは、マルグリットの心変わりは、彼の父に説得された彼女が自ら身を引いたということを知らず、彼女を公衆の面前でひどく侮辱してしまう。その結果、マルグリットは一層病み、彼に二度と会わないまま、孤独と貧窮の中で息を引き取る。

「マノン・レスコー」で最後にマノンがデ・グリューの腕の中で息を引き取るという結末を、アルマンも「椿姫」の中で実現させたかった。マルグリットが亡くなる時には、自分の腕の中で亡くなってほしかった。そのアルマンの願望と贖罪の気持ちがこめられているからこそ、マルグリットとアルマンの物語よりも、劇中劇であり、「現実にはかなえられなかった二人(=マルグリットとアルマン)の幸せな姿」でもあるマノンとデ・グリューの物語のほうが、より一層心をかきむしるような強い悲劇性とドラマを帯びているのだ。

マルグリットが必要以上にマノンに感情移入してしまうのも、虚構における恋愛の方が、現実の愛よりもずっと純粋で美しいものであるからであり、マノンのような結末になることを恐れながらも、いつしかマノンと同一化したいと渇望し、さらにマノンよりも悲しい終わりを遂げてしまうというのが、この「椿姫」の最大の悲劇である。そして、作品の終わりは、マルグリットの死と、アルマンが彼女の日記を閉じるのが同時に行われているということで、さらにメタ物語性が強調されているというのは、考えすぎだろうか?

ヴィシニョーワ、ABTジゼル降板、代役にニーナ・アナニアシヴィリ

ABTの公式サイトを見たら、ディアナ・ヴィシニョーワが7月11日の「ジゼル」を降板し、代役としてニーナ・アナニアシヴィリが踊るというアナウンスがありました。

四月のマリインスキーのニューヨーク公演で怪我をしたヴィシニョーワは、結局ABTのオープニング・ガラで「瀕死の白鳥」を踊っただけで、METシーズンはほぼ全休。どれほど重傷だったかということですね。特に彼女はニューヨークでは大人気なのでファンの嘆きも大きいようです。

しかしヴィシニョーワの代役の多くをニーナが務めているのがすごい。ニーナは来シーズンにABTを去るので、今のうちにできるだけ多く舞台に立ちたいということなのでしょうね。ファンにとってはうれしいことです。

ところでロシアのイズベチヤ紙のインタビューでニーナは、キトリはもう踊らないと語っていました。華やかなニーナのキトリ、好きだったのに。加えて、グルジア国立バレエのダンサーが育って来たら踊る回数も減るでしょうとのこと。いつかはそんな日も来るでしょうが、残念です。ただしABT退団を表明した途端、彼女に世界中からゲストのオファーが舞い込んでいるそうです。

2008/07/07

大嶋正樹さんがアサヒアートスクエアに出演/大嶋さんのバレエスタジオ

元東京バレエ団の大嶋正樹さんが、今週末、アサヒアートスクエアで開催される
noon dance performance TRIP 
に出演されます。

アサヒアートスクエア(浅草・アサヒビールビル4F)
<7月11日> 3:00PM, 7:00PM
<7月12日> 2:00PM, 6:00PM
<7月13日> 3:00PM

演出・振付:松崎えり、共演は中村恩恵、松本大樹、森本由布子、小尻健太、首藤泉
スズキケンタロー
http://www.ny.airnet.ne.jp/piccolo/sche.html

お問い合わせは、バレエ団ピッコロ TEL:03-3972-1476 まで。

なお、新潟県中越沖地震チャリティガラでも、大嶋さんは松崎えりさんと共演し、松崎さんの作品を踊る予定です。両公演で、元気な姿を観られるのを楽しみにしています。


なお、大嶋正樹さんは、ご自身のスタジオを愛知県豊田市に開設されました。

Balletstudio Angelique  Tel 0565-47-8688 Fax 0565-88-5006
http://www7b.biglobe.ne.jp/~balletstudio-angelique/

ボーイズクラスやコンテンポラリー・クラスがあるのが、大嶋さんらしいですよね。


****
昨日のウィンブルドンの決勝は、結局朝3時半で力尽きました。タイブレークでラファがフェデラーに追いつかれたときにはもうだめかと思ったのですが、朝起きて、結果を知って嬉しかった!去年の雪辱を見事に果たしましたね、ラファ!でも、フェデラーという素晴らしいライバルが同時代に存在していたからこその、すさまじい決勝戦となったわけですよね。後で録画を見るのを楽しみにしています。それにしても、途中で脱落して寝てしまったというのに今日は一日中眠かったです。

7/6ロイヤル・バレエ「シルヴィア」簡単な感想と「眠り」のミニキャスト変更

今日はロイヤル・バレエの「シルヴィア」2回目。やはりマリアネラ・ヌニェスはプリンシパルの貫禄というか、プリマオーラがばっちりあって、テクニックも演技も素晴らしかったです。今回の来日公演で3回目のシルヴィアというのに、あんなに踊りまくるのに、疲れなど微塵も見せずに強靭な技術を見せてくれました。笑顔もキラキラしていたし、とても可愛らしくて、強くて、バランスもよくて、理想的なバレリーナだと思いました。私は、映像で「ジゼル」のミルタとか、「眠り」のリラしか観たことがなかったので、こんなにも明るい魅力を持った人だとは思わなくて、すっかり魅せられました。特に3幕のアダージオでの後方へのフィッシュダイブ2回の思い切りの良さが良かったですね!

ルパート・ペネファーザーは、プリンシパルに昇格したばかりということもあり、そのプリンシパルオーラはまだなかったです。金髪で大変な美形、長身で足も細くて美しいのですが、線が細いので、頼りなく見えてしまうのですよね。でも、アミンタは頼りないキャラクターでもいいかな、と思ったりして。でもこの素材の良さからして、今後に期待できそうです。

特筆すべきは、ティアゴ・ソアレスで、定評のあるテクニックは磐石。見せ場がちょっと少ないのがもったいないのですが、空中で止まるがごとくの跳躍。長い腕と大きな手で、カッコよかったです。マリアネラと婚約中のラブラブカップルだけあって、オリオンがシルヴィアに寄せる愛はとても熱くて濃く、思わずオリオンに感情移入しそうになるほど。オリオンは乱暴者なだけで、シルヴィアのことを純粋に愛しているんだなあ、って思いました。

エロスのマーティン・ハーヴェイは、DVDと同じキャストなんだけど、太ももの太さが印象的。その立派な筋肉だけあって、テクニックは昨日のジョシュアよりずっと上。高く伸び上がるような跳躍が印象的。存在感ももちろんずっとありました。

奴隷に蔵健太さんと、ヨハネス・ステパネク。これも昨日の奴隷よりずっとキレのある踊りでしたし、蔵さんの回転はとても綺麗でした。どうやら、昨日の二人は初役だったようで。3幕のディヴェルティスマンのイアセイオンは、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」でザ・スワン/ザ・ストレンジャーのトーマス・ホワイトヘッド。彼の脚を見るのが初めてだったので新鮮。しかし踊りが短くてもったいない。サポートはとても上手だったし、相変わらずの金髪とアイスブルーの瞳が美しいです。アポロ、キャスト表ではヴァレリー・ヒリストフだったけど、実際に踊ったのはエリック・アンダーウッド。彼もとても上手いダンサー。

そんなわけで、今日は大満足の公演でした!

さて、コヴェントガーデンの後の中国公演、そして日本公演と過酷なツアーのため、けが人がかなり出ているようです。NBSのサイトにアップされているキャスト表とかなり変わっているようです。会場で正解が張り出されているようなのですが、休憩時間に見る余裕がなく、正確なキャストがわからなくてご迷惑をおかけしています。今日のキャスト表はまた後ほど。昨日のキャストも、メールで変更のご指摘を頂いたので、修正しておきます。(ありがとうございます)

蔵健太さんがブログをお持ちなのですが、そこで、「眠れる森の美女」のキャストの変更が書いてあります。
http://kentakura.exblog.jp/8226540

13日(日)13時の回、青い鳥役が、ブライアン・マロニーから蔵健太さんに変更になります。

さて、今日はウィンブルドンの決勝をテレビ観戦しているので、簡単ですみません。私はナダルのファンで、ローラン・ギャロスも彼の試合はずっと観ていました。このままストレート勝ちかと思ったら、雨による中断を経て、第サンセットはタイブレークでフェデラーが取りました。ナダルがんばれ!(あ、明日は仕事です…)

2008/07/06

NYCB来日2009年10月

今日、ロイヤル・バレエで配布されたチラシの中で、NYCB来日の特報がありました。

2009年10月で、招聘元はキョードー東京。会場、演目は未定のようです。

チラシには、バランシン、ロビンスの作品を中心にラトマンスキー、ストローマンなどの作品を上演するとあります。

詳細を希望の方はnycb2009@kyodotokyo.comまで空メールをお送り下さいとのことです。

前回の来日公演は楽しかったし、オーケストラも連れて来てよかったので期待します。

ニコライ・ヒュッベ、ダミアン・ワーツェルらが引退してしまいましたが、ウェンディ・ウェーランを観るのも最後のチャンスかもしれません。

追記:キョードー東京のサイトにはまだ何も出ていません。
http://www.kyodotokyo.com/index.cfm

7/5ソワレ 英国ロイヤル・バレエ団「シルヴィア」

度重なるキャスト変更でちょっとテンション落ち気味。しかも、さすがに木曜日の朝に帰国して仕事行ってルジマトフ、金曜日は与野本町のさいたま芸術劇場まで出かけていったので、疲労困憊。会場までたどり着けるのか心配になるほど。でもまあ、短い作品だったし、セットは豪華だし音楽はきれいだし、思ったより楽しめたんじゃないかと思う。

降板したゼナイダ・ヤノウスキーの代役は、これが初役で、来日前にプリンシパルに昇進したばかりのローレン・カスバートソン。前回の「シンデレラ」では四季の精の一人で出ていたというが記憶になく、BBCで放映された「白鳥の湖」マスタークラスで、ルパート・ペネファーザーとダウエル&シブレーに指導されていたけど、どうにももっさりしていてあまり印象がよくなかった。

今回は、初めての役ということもあって相当緊張していたのだと思う。1幕はかなり不安定で、一度はバランスを崩しポアントから落ちてしまったし、いっぱいいっぱいになってしまって、体力ももたなくなっているんじゃないかと思うほどへろへろになっていた。でも、2幕からはかなり持ち直したように、リラックスしてきたように思える。ちょっと雑なところが見受けられていたけど、アシュトンの細かいステップはやっぱりすごく難しいんだろうな。3幕のピチカートも、やや苦戦。手脚は長くプロポーションも比較的いい方で、のびやかな印象があるのは良い。華はまだなく派手さもないけど、おっとりとした可愛らしい顔をしている。全体的に鷹揚な感じで、シルヴィアのような強い女性が向いているかは疑問のところもあるけど、一生懸命踊っていたし、笑顔は絶やさなかったので、印象は悪くない。ロイヤルが、ダーシーに続くイギリス人スターとして育てて行こうとしているのは良くわかったし、素材としてはなかなか。ひょっとしたら、将来はスターになるのかもしれないな、と思った。おっとりとしてお嬢さんっぽいローレンは、オーロラの方が役柄としては合っていそうというか、素敵なオーロラを見せてくれそうなので、これから彼女で「眠り」を観る人は期待してもいいかも。

マッカテリは、以前からぼろくそ言われているダンサーなのだけど、私は案外嫌いじゃないというか、保護者モードで観てしまうダンサー。今回はちょっと生え際注意報?額にソリが入っていた(苦笑)。でも、この人はプロポーションは本当にいい。背が高くて脚が長くてきれい。それだけで相当得をしているなあ。テクニックは確かに弱いと思うんだけど、サポートは上手い方だと思うし、「シルヴィア」ではアミンタはそんなに活躍しないので、これくらい容姿がよければ問題ないんじゃないかと。

でもDVDはダーシーとロベルト・ボッレという大スターの超美男美女だったんだよね。どうしてもこのキラキラした二人の幻影を求めてしまう私。あーあ、なんで今回この二人はいないんだろう。

オリオン役はギャリー・エイヴィスということで、実は一番期待していたんだけど、思っていたほど濃い演技ではなかった。でも、この人はすごくキレのある踊りをしていて、見せ方も心得ていてやっぱりかっこいいし、主役3人の中では一番スターらしい(当たり前か)。カーテンコールでは、派手なジャンプを見せてくれたし!

エロスのジョシュア・トゥイファは、すごくハンサムでかわいいし、筋肉質のナイスな身体をしているんだけど、ちょっと重そう。3幕では、かなり難しそうなソロがあるんだけど、全然跳べていなかった。でも、エロスは1幕ではほとんど彫像状態(しかも、前は葉っぱ一枚。きゃ~)で動かないままずっとポーズしているんで、大変な役だと思うし、彫刻のような肉体の持ち主じゃないとだめなんで、そういう意味では合っているのでは。(DVDのマーティン・ハーヴェイも筋肉がすごかったけど、彼はテクニックもあったと思う)

シルヴィアのお付きの中には、チェ・ユフィ(崔 由姫)さんや小林ひかるさん。ユフィちゃんはやっぱりすごく可愛い。3幕の方には出ていなかった。小林さんは、踊りのほうはとても綺麗だし、かわいらしいのだけど歯の矯正をして欲しい。それから、村人の中に平野亮一さんも出ていた。長身で容姿は外国人にまったく引けを取らない。

ディアナのマーラ・ガレアッツィはちょっとしか出番がないのに、ものすごい存在感。女神としての威厳があってかっこ良かった。エンディミディオン役の人が美形~。誰なんだろう。

でも、一番美味しい役は、山羊の二人でしょう。振付も衣装も可愛い!そして二人とも、細かいパを踊りこなしていて、とても上手い!こういうキャラクターダンスはロイヤルのお家芸。(j女性の方、ユフィちゃんに似ていると思ったらやっぱりそうだった!)なんだかんだいって、上演時間が短い割には、スター不在の割には、ゴージャス感があって、楽しめた舞台であった。明日は、評判の良いマリアネラ・ヌニェスと、若手美形のルパート・ペネファーザー、DVDでの好演が光っていたティアゴ・ソアレスなのでそれも楽しみ。


シルヴィア(ディアナのニンフ): ローレン・カスバートソン
アミンタ(羊飼い): デヴィッド・マッカテリ
オリオン(邪悪な狩人): ギャリー・エイヴィス
エロス(愛の神): ジョシュア・トゥイファ
ディアナ(狩り、純潔の女神): マーラ・ガレアッツィ ラウラ・モレーラ

第1幕
シルヴィアのお付き:
崔 由姫、ヘレン・クロウフォード、フランチェスカ・フィルピ、ヴィクトリア・ヒューイット クリステン・マクナリー、
小林ひかる、ローラ・マカロッチ、イザベル・マクミーカン ララ・ターク、サマンサ・レイン
水の精、木の精、森の精、
牧神、農民: 英国ロイヤル・バレエ団

第2幕
オリオンの女官: ヘレン・クロウフォード、サマンサ・レイン
奴隷: エルンスト・マイズナー、ジョナサン・ワトキンス

第3幕
山羊: ベサニー・キーティング 崔由姫、ミハイル・ストイコ
シルヴィアのお付き: 崔 由姫、ヘレン・クロウフォード、
フランチェスカ・フィルピ、ヴィクトリア・ヒューイット
小林 ひかる、ローラ・マカロッチ、サマンサ・レイン、ララ・ターク
ケレスとイアセイオン: イザベル・マクミーカン セリーヌ・デュアナ、エルンスト・マイズナー
ペルセフォネとプルート: カロリン・ダプロット、ヨハネス・ステパネク
テレプシコーラとアポロ: シンディ・ジョーダン、ブライアン・マロニー
ミューズ、春の使い、夏の使い 
ラッパ手、シルヴィアのお付: 英国ロイヤル・バレエ団

追記:
→変更後のキャスト(メールでご指摘してくださった方、ありがとうございました!)

ディアナ:マーラ・ガレアッツィ→ラウラ・モレーラ

第1幕
シルヴィアのお付き:

ヴィクトリア・ヒューイット→クリステン・マクナリー
イザベル・マクミーカン→ララ・ターク

第3幕

山羊:
ベザニー・キーティング→チェ・ユフィ
シルヴィアのお付き:チェ・ユフィとヴィクトリア・ヒューイットの出演は無し
ケレスとイアセイオン:イザベル・マクカーミン→セリーヌ・デュアナ


指揮: グラハム・ボンド
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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2008/07/05

パリ・オペラ座の入団試験結果

7月2日に女子のバレエ学校最高学年生徒、4日に外部と男子生徒の試験があり、結果がダンソマニに出ていました。

女子生徒
1. Mlle Barbeau (engagée)
2. Mlle Baulac (engagée)
3. Mlle Saint-Martin (engagée)
4. Mlle Hilaire (engagée)

外部(女子)
1. Mlle Ganio (engagée)

男子
1. M. Labrot (engagé)
2. M. Gasse (engagé)
3. M. Vigliotti (engagé)
4. M. Coste (engagé)
5. M. Chavignier (engagé)

というわけで、女子生徒4位は、イレールの娘さんジュリエット・イレールで、晴れて入団となりました。また、契約団員だったマチューの妹マリーヌ・ガニオも合格です。さらに、男子の4位合格は、日仏ハーフ(両親は元シュツットガルト・バレエのアルノ・コストと、コンセルヴァトゥール教師大口純枝)のタケル・コストです。残念ながら、井原由衣さんは今年はだめだったようですね。

合格された皆様、おめでとうございます!

7/3 ルジマトフのすべて2008

朝7時に成田空港に到着してそのまま出勤、そして終業後荷物を持って「ルジマトフのすべて」を観に新宿文化センターへ。我ながら、狂気の沙汰だと思う(苦笑)
しかし、友達より、大好きなマイレン・トレウバエフが急遽出演することになったと聞き、しかもトップバッターとのことで、必死になって会場まで走った。

第1部
「海賊」よりパ・ド・ドゥ
ヴィクトリア・クテポワ、マイレン・トレウバエフ

マイレンのアリって、以前「題名のない音楽会」に新国立劇場が出演した時にちょっと流れたのよね。しかしルジマトフ夫人のお守りですか。クテポワがプロポーションがいいだけに、スタイル悪く見えちゃって気の毒なんだけど、エキゾチックな容姿なのでアリは向いていると思う。新国立では「海賊」をやることなんてあるんだろうか。

で、クテポワはプロポーションが良くて華はあるんだけど、マリインスキーではまだコール・ドだけあって、こういうガラに出演するレベルのダンサーではない。フェッテなんかぐらぐらだし、ピケもなあ。マイレンは、やはりルジ夫人のお守りでちょっと緊張気味だったようだけど、キメるべきところはしっかりキメた、端正で堅実な踊り。


「ゾルバ」
イルギス・ガリムーリン

新国立での「カルメン」は彼の出演日を観なかったので、久しぶりのガリムーリン。しばらく観ないうちに、ますますどすこい体型になっていた。しかし、そのどすこい体型(この間の森田健太郎さんといい勝負)で、踊りは、脚捌きをはじめ、ちゃんとキレがあるから大したもの。このガラのために作ったというギリシャ風の作品だけど、ちょっと牧歌的で楽しげでなかなか良かった。

「メディア」
ロサリオ・カストロ・ロメロ
リカルド・カストロ・ロメロ
ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ
エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス
ホセ・カストロ・ロメロ
ホセ・トレス・ムレーロ

ロサリオ・カストロ姐さんが、前回見たときよりちょっとスリムになって、でも豊満なバストはそのままで女っぷりに磨きがかかっていた。本当にこの人は美しくセクシーな人。私はフラメンコも結構好きなので、この作品も楽しんだ。クラシックバレエの作品の中に、たまにこういうのがあるのは変化がついていいと思う。ただ、フラメンコはやっぱり生演奏で聴きたい。生だったら、きっと何倍も楽しめただろうと思う。

「ゴパック」
ヴィクトル・イシュク

去年のキエフ・バレエの来日公演ツアーの途中で怪我したために、観られなかったダンサー。若くてなかなかハンサムで、活きがいい。トゥール・ザン・レールではすごく高い跳躍を見せてくれて場内は盛り上がること。「ゴパック」はウクライナの踊りなのね。ウクライナ男子の心意気!

「シエスタ〜Siesta〜」
ユリア・マハリナ

これも、このガラのために用意された新作とのこと。マハリナは以前観た時よりスリムになっていて、特に脚が細くて、そして相変わらず妖艶で美しい~。エレガントな雰囲気だけど、とても悲しい感情を表現していた。腕の使い方が非常に綺麗。やっぱり上半身は、マリインスキーのダンサーが世界一だと改めて実感。(オブラスツォーワを観て、ますますそれは確信に)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ
イーゴリ・コルプ

いつも怪しげなコールプが、珍しく爽やかな雰囲気で登場しちゃってかえって不審な感じ。髪型は金髪をオールバックで後ろでぱっつり切りそろえていてこれもまた不思議。しかも、パートナーは、めちゃめちゃ可愛らしいオブラスツォーワなのだ。なんとも釣り合わないカップルというか、赤ずきんちゃんと狼って感じ。しかしそれでもきっちりとサポートしているのがコールプの素晴らしいところ。ただし、滑らかさが足りず、いつもより若干不調だったかもしれない。着地は全然音がしないし、高くきれいにあがるアラベスクの後ろ脚には相変わらずうっとりなんだけど。オブラスツォーワの踊りは音符と戯れるようでとても音楽的で、軽やかで観ていて心地よく、この演目にぴったり。カーテンコールでは、コールプより拍手が多かった。

「阿修羅」
ファルフ・ルジマトフ

ルジマトフ先生、赤パンで登場。この作品を見るにつけ、振付の岩田守弘さんってとても生真面目な人なんだろうな、というのが伝わってくる。とてもストイックな雰囲気が、ルジマトフにマッチしている。外国人の振付家が作った日本的な作品にはいつも抵抗を感じてしまうのだけど、岩田さんの作品には日本人としての矜持が感じられる。あまりにも生真面目すぎる作風なので、ルジマトフ以外のダンサーでは退屈してしまうかもしれないけど。


第2部
「カルメン」
ドン ・ ホセ : ファルフ・ルジマトフ
カルメ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミカエラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー: ヴィクトリア・クテポワ、イルギス・ガリムーリン、マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー :ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ、エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス、ホセ・トレス・ムレーロ

長かった…

でも、しっかりクラシックな動きは今までどおりの端麗さを保っているルジマトフと、マイレンのキレキレのスパニッシュ風な踊りが観られたのでよしとしよう。やはり、見得の切り方が世界一美しいのはルジマトフなんだなあ。ほっそりとした脚、きゅっと締まった腰、そして傷ついた獣のような表情。私はルジマトフのファンではないけど、やっぱりこうやって観ると、彼はすごく素敵だし、セクシーだし、おば様方が夢中になるのも当然だと思った。シルエットだけでも、悶絶するほど美しいのだから。

それから、冒頭にはバーレッスンやセンターレッスンのシーンもあったので、ルジマトフやマイレンのバーレッスンが観られて、得をした気分。

いくらなんでもこれは長すぎるだろう、途中で相当だれてしまったけど、ルジマトフの美しいソロ、そして最後の、ロサリオ姐さんとルジマトフの濃厚な渾身のデュエットが素晴らしくて、それが観られたのは良かったと思う。一流のアーティストの魂のぶつかり合い、パッションは感じられた。マハリナが演じたミカエラの動きも本当に素敵。女性ダンサーたちの衣装がすごく凝っていて美しかった。次回やる時には、もうすこしコンパクトにしてくれたら、もっといいんだけどなあ。私はカストロ姉弟とルジマトフのコラボレーションは嫌いじゃないし、特にロサリオ姐さんは美しいし舞踊家としても素晴らしいと思うので、続けて欲しいと思うんだけど。

2008/07/04

7/4ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス 「アムジャッド」トーク再録

ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス「アムジャッド」Amjad
エドゥアール・ロックのトークショー

すごく面白い作品でした。空間を切り裂くようなシャープな振り付け、チャイコフスキーの「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」をアヴァンギャルドにアレンジし、チェロやヴィオラ、ピアノで生演奏した音楽も、エッジが効いてかっこよかったです。そして暗闇をベースに、光を巧みに当てた陰影あふれる照明がもたらす緊張感。男性ダンサーにもポアントを穿かせてエシャッペやアントルシャ、高速でピルエットさせたり、白鳥を思わせる柔らかい腕使いをさせたり。突き刺すようなポアント使い、まるで闘争のような激しいパドドゥは鮮烈。回転しながら飛び込んだり、挑みかかったり、でもダンサーたちは男女問わず強靭な中にオデットのポーズや柔らかいポール・ド・ブラがあったり、男同士のパ・ド・ドゥありと、性差を軽く超越していて、クラクラしてしまいました。

エドゥアール・ロック自身は、あまりトークは好きではないということだったのですが、いざ話し始めると非常に面白いお話をしてくれました。

Q.アムジャッドというタイトルにこめた思いは?

アムジャッドとは、自分の出生地であるモロッコの人の名前だ。女性にも男性にも使われる。
二十世紀の変わり目の間に起きたオリエンタルな影響を表しているタイトルだ。

この作品のモチーフとなっている「眠れる森の美女」や「白鳥の湖」などロマンチックバレエの時代は、制約の多い時代。オリエンタルとはセクシャルでエキゾチックな場所として連想されていた。その時代に活躍した様々な芸術家たちは、セクシャルなものをオリエンタリズムとして表現した。登場した映像はその時代を表現したデコールである。

Q.球体の映像は何を象徴しているのか?

宝石のようなパーフェクトな形を表している。円形のものは生物とは異なった完璧さである。その時代のバレエのコスチュームにも言及している。エレガントなパールのイメージだ。

振り付けと音楽は関係ない。そういうことを言ったのは僕が最初ではない。カニンガムも言っている。振り付けは冷たいメディア。音楽はホットだけど。音楽は繋げれば人は何かを感じ取ってくれる。デビット・ラングら作曲家とは別々に作業する。音楽と振り付けは別物でありお互いを必要とはしていないから、別に作って問題ない。

Q.ジャック・ラカンの影響は受けてますか?

人間的には影響されたけど振り付けには影響されていない。

Q.振り付けにあたって注意することは?

前にやったことを拒絶すること。それにより先に進むことができる。
はっきり自分が何を作っているかわからないときにいい作品を作れる。

Q.ルイーザ・ルカバリビエとの仕事はもうないのか?

彼女は別のカンパニーで今は活動している。でも可能性はある。今彼女は双子のお母さんで、彼等は悪魔だ(笑)

Q.過酷な動きが多いが、ダンサーとディスカッションして作品を作るのですか

彼等は僕より強い。ダンスは速いけど、リハーサルはゆっくりやる。ディスカッションはやっている。彼等はダンスの新機軸を定義していきたいという気持ちがある。テクニックの中には、クラシックだけでなく、ウェイトシフティングなど、コンテンポラリーの技術を使っている。ゆっくり作るので、過激な動きもゆっくり、ビールを飲んだりしながら作る。ゆっくりした動きは自分が踊って見せるけど、ダンサーに影響を与えることには興味はない。ダンサー達の方が上手だし。できるだけニュートラルに作っていて、ダンサーが持っている地理感覚を生かしている。自分のクローンは作りたくない。

世の中は今とても奇妙であり、それを意識しながら作品を作っている。ダンスは体の動きの中でも特殊である。不可解なもの不思議なもの複雑なものは頭の中にあると思ってしまいがちである。しかし不思議なものは私たちの体の中にある。特に動いている時にあり、それが与えられた恩恵である。

ダンスは光と関係がある。あからさまに映すことがよいとは思わない。隠す方が面白いし、そのほうが観客との関係を面白くする。ダンサー二人の関係も変える。光を当てる方向を変えたり強さを変えることにより、生物の知覚を変えられる。心理的、知覚的な距離は変えられるものであり、そうしたいと思う。

彩の国さいたま芸術劇場のサイト
http://www.saf.or.jp/p_calendar/geijyutu/2008/d0704.html
で、「アムジャッド」の動画と、エドゥアール・ロックのインタビューが読めます。

追記:コメントでチコラさんに教えていただきましたが、ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスのサイトで、あの超カッコいい「白鳥の湖」をアレンジした音楽が聴けます。
http://www.lalalahumansteps.com/

ハンブルク・バレエ来日公演のサイト

民音の公式サイトに、ハンブルク・バレエ来日公演のサイトができており、チラシ内容よりももう少し詳しいことがアップされていました。
入場料とチケット発売日が決定したようです。

一般発売日 2008年9月20日(土) 予定
※ 但し、兵庫県立芸術文化センター公演のみ、9月14日(日)を予定しております。

http://www.min-on.or.jp/hamburg2009/

「人魚姫」
(オーケストラによる演奏)

2/12(木)18:30 NHKホール
2/15(日)13:00 18:00 NHKホール
2/22(日)13:00 18:00 愛知県芸術劇場・大ホール
2/28(土)18:30 兵庫県立芸術文化センター
3/ 1(日)14:00 兵庫県立芸術文化センター

入場料金: (税込)
S席23,000円 
A席20,000円 
B席17,000円 
C席14,000円 
D席11,000円

「椿姫」
(テープによる演奏)

2/18(水)18:30 神奈川県民ホール
2/19(木)14:00 神奈川県民ホール
2/26(木)18:30 兵庫県立芸術文化センター
3/4(水)18:30 広島厚生年金会館
3/7(土)14:00 福岡サンパレスホテル&ホール

入場料金: (税込)
S席22,000円 
A席19,000円 
B席16,000円 
C席13,000円 
D席10,000円

そして、「人魚姫」はオーケストラ演奏ですが、「椿姫」はテープだそうです…この値段で、椿姫で、テープとは非常に残念ですね。しかも、2月19日木曜日は、マチネのみですし、18日も神奈川県民ホールなのに18時半開演です。率直に言って、ひどい日程ですね。なんでこんな招聘元を使っているのか、理解に苦しみます。

パリ・オペラ座で「椿姫」のショパンの素晴らしい演奏を聴いてきたばかりなので…もちろんハンブルクのダンサーは最高なのですが、やはり音楽の息遣いがあっての作品だと思うのです。

2008/07/03

オペラ座より帰ってきました

これから出勤なのでリムジンバスの中から速報です。

パリ・オペラ座の「椿姫」、無事四公演観ることができました。blogで知り合った方にもたくさん会えて楽しかったです。

観客が最も盛り上がったのはアニエス・ルテステュとロベルト・ボッレ組。アルマンを演じるために生まれてきたようなロベルトの情熱的で繊細な演技、知的で優雅、しかし赤裸々な心情も描き出したアニエス、このふたりは息もぴったりで、理想的な美しくドラマティックなカップル。三つのパドドゥのあまりの切なさと美しさにに胸の高鳴りが止みませんでした。

マニュエル・ルグリとデルフィーヌ・ムッサンはまたまったく違ったアプローチでしたが、上品でエレガントながらも、若々しくロマンティックなルグリ、年上の女の持つ母性、優しさ、艶やかさを持ったムッサンも適役で、素晴らしいパートナーシップ。ルグリさんの可愛い一面も観ることができました。

また、バンジャマン・ぺベッシュとエレオノーラ・アッバニャート組も、予想よりずっとよかったです。ペッシュはサポートもスムーズでしたが、誰よりも熱くてパッショネイト。一番若々しく激しいアルマンでした。アッバニャートは華やかで、パドドゥの時のほんのり上気した肌が美しく、後半のやつれ方と対照的なのがせつなかったです。

マチュー・ガニオとクレールマリ・オスタ組ですが、マチューは甘く美しく初々しくて素敵だったのですが、オスタは酷かった。観たことを後悔するほどでした。顔に険があって気が強く品がなくて高級娼婦にはまったく見えない。アルマンへの愛も見えない。一方的に愛を捧げているマチューが気の毒でした。技術的にも、身体が重く硬く、黒のパドドゥでのリフトもスムーズとは程遠くずり落ちそうで。ひとつひとつの形が美しくない…。最初に出演した日は悪くなかったらしいので、不調だったのかしら。
しかしこの日のマノン役が、驚異の美脚に美貌のシアラボラだったから、見劣りすること甚だしくて。

最初の出演予定日をキャンセルしたローラン・イレールですが、二回目は出演。想像していたよりずっと渋く落ち着いた父でした。

他のキャストで光っていたのは、せつな過ぎるN伯爵を演じていたシモン・ヴァラストロと、マチューの日に登板したデ・グリューのマチアス・エイマン。他の三回のデグリュー役、そして一日ガストン役とフル回転のクリストフ・デュケンヌはサポートがうまく、去年のくるみの時よりずっと良くなっていて敢闘賞。

オリンピアではミリアム・ウルド・ブラム、マノンではデルフィーヌ・ムッサンとドロテ・ジルベールが光ってました。

二人のピアニストを擁した演奏も素晴らしかったです。

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