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« イーゴリ・コールプのガラ「奇才コルプの世界」!!! | トップページ | エトワール・ガラの今度こそ?正式出演発表 »

2008/07/27

7/26 ABTオールスターガラ

という訳でABT祭のラストは関西遠征。びわ湖ホールなので大阪と大津のどちらにしようかと迷った揚句、フェスティバルホールの側に宿泊することに。しかし、梅田駅はわかりにくくてまた迷ってしまい、あまり時間的に余裕がなかった。

東京よりも気温が高くて消耗。しかし三年ぶりに訪れたびわ湖ホールは、琵琶湖を臨み開放感があって気持ちいい。相変わらず美しいホールで、大変見やすかった。

ラ・バヤデールより パ・ダクシオン

ミシェル・ワイルズ、デビット・ホールバーグ
アレクサンドル・ハムーディ、コリー・スターンズ

ミシェルに関しては東京での感想とあまり変わらず。東京ではイタリアン・フェッテの途中にバランスを入れていたけど今回はなし。ラストのフェッテも乱れ気味。デヴィッドは相変わらず麗しい。びわ湖ホールのほうが舞台が広いので、跳躍が大きかった。脇の長身美形男子二人がお気に入りなのでついつい目が行ってしまう。毎回、この演目が拍手が少ないのが気の毒だった。ミシェルが美人で技術もあるのに、決定的に何かが足りないので、目を引き付けないのだ。


マノン 第一幕のパ・ド・ドゥ

ジュリー・ケント、マルセロ・ゴメス

マルセロの甘い微笑みとパッションにメロメロ〜。ジュリーも、マノンの無邪気な中の魔性を体現していた。マルセロはジュリーのお気に入りのパートナーだけあって、ここでもパートナーシップはばっちり。交わすキスの熱いこと。圧倒的な幸福感と甘やかさ。「マノン」の全幕が観たい!


白鳥の湖 第二幕のグラン・アダージオ

イリーナ・ドヴォロヴェンコ、マキシム・ベロツェルコフスキー

東京ではコール・ドつきだったけど今回はなし。ない方がよかったと思う。ドラマティックなイリーナの踊りは、ガラというより一昨日の全幕を観ているようだった。演技の細かい彼女のオデットはマニエリズムが感じられて好き嫌いは分かれそうだけど、隅々まで計算し尽くされ、細やかな動きには身震いするほどの完成度があった。まさに芸術品。そしてその芸術品をさらに美しく磨きあげるのが、マキシムのサポート。エレガントで繊細、ロマンティックで完璧な王子。


シナトラ組曲

ミスティ・コープランド、ホセ・カレーニョ

この二人でこの演目を観るのは初めて。東京より一曲少なくしてあった。ホセにこの演目が似合うこと。エレガントで気品に溢れながらもセクシー。シルクのようなサポート。素敵。小柄でグラマーなミスティも似合っていた。ミスティは二回ほど着地でミスをしていたけど、雰囲気そのものはばっちり。プロポーション的に不利なところはあるけど、こういう演目では華を感じさせるダンサーだと思う。


海賊 第二幕のパ・ド・ドゥ

ジリアン・マーフィ、ゲンナジー・サヴェリエフ

当初イリーナ・ドヴォロヴェンコとコリー・スターンズが出演予定だったけど、さすがにコール・ドの彼に荷は重いと思われたのだろうか。ジリアンのメドーラは素敵だしテクニックもバッチリだし美しいけど、イリーナで見たかった。ゲンナジーはさすがにサポートがうまく、高いリフトや逆さまにメドーラを抱えるリフトも完璧。後はもう少し華が欲しいところ。ジリアンをこの演目に使うのは少々もったいない気もするけど、回転とテクニックだけの人ではない、ちゃんと成熟した表現もできることは証明できていた。


瀕死の白鳥
ニーナ・アナニアシヴィリ

二回目に観ると、初めて観た時にニーナの瀕死の白鳥に感じた違和感がなくなっていた。ニーナのさざ波のような腕の細かな動きがすごいのだけど、生への懸命な意志の中にも、はかなさがあって胸を締め付けられる。そして死の前に向けた眼差しの美しいこと!大きく腕を天に向けて伸ばした時、一条の眩しい光が彼女から放たれていた。腕をぐるりと折りたたんで絶命。カーテンコールでも腕を細かく動かしながらパドブレするというサービスぶり。


ドン・キホーテ 第三幕のパ・ド・ドゥ

シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ

シオマラのキトリは本当に可憐でキュート!扇子の使い方や視線など、ヴァリエーションでの一挙一動が愛らしくて。フェッテは最初はダブルを織り交ぜ、扇子を開閉したり腰に手をあててくるくる回っていて好調だったのに、後半で失速したのが惜しい。エルマンのバジルは跳躍が高くて、回転もきれい。マネージュでのアティチュードも美しく、高い技術の中に優雅さがある。小柄ながらも、上半身が鍛えられているので、かっこいい。それでも、エルマンが好調だったらもっとやれるはずだ、と思ってしまった。アダージョでのリフトは片手ではしなかったし、ピルエットも後半で傾いたり。やはり体調は万全ではないのかと少し心配。ただしコーダでのピルエット・ア・ラ・スゴンドでの惰性を使った回転は非常に美しかった。また彼のバジル全幕が観たい!

ラビット・アンド・ローグ

ローグ (ならず者) : イーサン・スティーフェル
ラビット (紳士) : サッシャ・ラデツキー
ラグ・カップル : クリスティ・ブーン,コリー・スターンズ
ガムラン・カップル : パロマ・ヘレーラ,ゲンナジー・サヴェリエフ
カルテット : 加治屋百合子,マリア・リチェット,カルロス・ロペス,クレイグ・サルステイ.ン
アンサンブル : マリアン・バトラー,ミスティ・コープランド,シモーン・メスマー,ジャクリン・レイエス,サラワニー・タナタニット
トーマス・フォースター,ジェフリー・ガラデイ,アレクサンドル・ハムーディ,ブレイン・ホーヴェン,パトリック・オーグル,アイザック・スタッパス.

東京のキャストと微妙に変わっていた。いちぞーさんによると、この作品はファーストキャストとセカンドキャストの2つしかないのだけど、今回はファーストキャストプラスセカンドという、変則的なもののよう。

エルマンの代わりにサシャ・ラデツキーが入り、ラグ・カップルがジリアン&デヴィッドから、クリスティ&コリーに代わった。ジリアンは、この幕は客席で見ていたようだ。

サシャ・ラデツキーは、ここでも切れ味鋭いダンスを披露。肩にタトゥーが入っているので彼の方がならず者っぽい雰囲気もあるけど、音楽にも良く乗っており、小気味良い。イーサンと並んで踊るとまるで映画「センターステージ」のよう。一昨年あたりからサシャが急に良くなってきているなとおもったのだけど、今回の彼の成長振りにはさらに目を見張った。エルマンのとてつもない身体能力には及ばないけど、その分、エルマンの柔らかさよりシャープさや男らしさ、そして軽妙さが出ていて、良かったと思う。イーサンのほうは、相変わらず絶好調のよう。昨日、「白鳥の湖」の王子を踊って、関西に移動してこの元気さは凄い。やっぱり彼の場合は、音楽性が抜群なのだ。そしていたずらっ子っぽい茶目っ気ある演技、ちょっとガキ大将っぽいところが愛嬌あって楽しい。

ラグ・カップルに関しては、さすがにプリンシパルコンビのジリアンとデヴィッドの方が良かったと思う。クリスティは長身で身体能力はある人なのだけど、やや雑で大味だし、ジリアンの粋なところが出せていない。コリーはすごく動きが綺麗で、よどみなくスムーズな動きもいいのだけど、デヴィッドの華はまだまだない。コリーは本当にプロポーション、容姿がいいし(10頭身くらいだと思う)、王子さま的なところがあるので、きっとこれから伸びることでしょう。
ガムラン・カップルのほうは、パロマのきびきびしたところや可愛らしさ、ゲンナディのサポートの上手さとテクニックが、見ていて安心できる。カルテットの4人ももちろん良かった。加治屋さんは細くて手脚が長いけど、表現力の乏しさ、やや冷たい感じが古典のソリストとしては物足りない感じだけど、こういう演目の方がもしかして合っているのかもと思った。クレイグのお茶目さ、ユーモアは本当にキュートで大好き。クレイグとカルロスは多分身長は同じくらいなんだけど、カルロスの方が頭が小さくてプロポーションがいい分、クレイグがオミソっぽいのが、なんともいとおしいのだ。

作品全体としてみると、一本調子のところがあったり、ちょっと古いかな、と思うところがあったりする。ノーマ・カマリっていうとやっぱり80年代の人というイメージが強いので、衣装にしても、センスがちょっと古いかな、と思ったり。エルフマンの音楽は、映画的でとてもよいと思うんだけど、反復するところも多いので、途中で飽きてくるところもある。45分はやっぱり長い。でも、運動量が多くて、身体能力をフルに発揮できるし、登場人物=ダンサーの個性も現せるので、何だかんだ言って楽しめた。やはりキーはイーサンとサッシャのやり取りで、ボケとツッコミ的なのがなんともユーモラスで微笑ましく、元気なアメリカンボーイの組み合わせなのでますます楽しい。

カーテンコールが凄く楽しかった。カーテンから飛び出してきたサッシャのカンフー的なジャンプがカッコいいし、イーサンも相変わらずのサービス精神を発揮して笑わせてくれた。満足できるガラだったと思う。そして終演後、アメリカから来たお友達I嬢と2時間くらい、大阪に帰る終電までABT談義をできたのがまたとっても楽しかった!

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ABT(アメリカン・バレエ・シアター)」カテゴリの記事

コメント

うわー、遠征ですね。
暑さに負けずフットワークの軽いnaomiさん、たくさん感想を拝見できてうれしいです。
私はABTは「海賊」しか見られなかったのですが、コルネホとホールバーグのファンになりました。
ゴメスが怪我で見られなかったのがとても心残りで、「白鳥」のDVD買いました。

こんにちは。結局、びわ湖には行けなかったOdetteです。予想外にベルリン・フィルのチケットが取れてしまったので、お財布がやばいことになってしまったのでした。

>梅田駅はわかりにくくてまた迷ってしまい、あまり時間的に余裕がなかった。

あら…。慣れない場所はそうですよね。私も三月に東京に行った時、思いっきり迷いました。来週はKの『海賊』を観に行くのですが、ちゃんとたどり着けるか心配です…。
さて、そろそろフェスティバルホールに向けて動きだすことにいたします!

ogawamaさん、こんばんは。

私はあまり国内遠征はしないのですが、マルセロのためなら行きますってことで、猛暑の大阪に行ってきました。
そう、エルマンもデヴィッドもとっても素敵なダンサーで、私は大好きです。
ABTの白鳥DVDは、マルセロのロットバルトがとってもセクシーで素敵ですよ♪

odetteさん、こんばんは。フェスティバルホールでは楽しまれたようですね♪

ベルリン・フィルももちろん興味があったのですが、チケット代を見てあきらめました。びわ湖のガラは、東京よりチケットが安いんです。なので、交通費とかの経費のことは忘れてチケットを取ってしまいました(笑)
もちろん、お財布はとってもやばいことになってしまっています。もうボーナスもほとんど残っていません。今回のABT来日公演にいくらつぎ込んだんだろう、と考えると真っ青です。

東京も、地下鉄などとてもわかりづらいですよね。Kの海賊が行われる文京シビックホールも、春日駅には直結しているけど、地下鉄の乗換えが大変だと思います。

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