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« 2009年世界バレエフェスティバルの予定(タマラ・ロホ&ロベルト・ボッレ) | トップページ | 7/20ソワレ ABT「海賊」 »

2008/07/21

7/20マチネ ABT「海賊」

ABTまつり4日目は「海賊」のマチネとソワレでした。開始前に芸術監督のケヴィン・マッケンジーが舞台に上がって来て、悪い予感。マチネではホセ・カレーニョが怪我のため降板(足の甲の炎症とのこと)するとのことで、アリを踊ったのはエルマン・コルネホ。

コンラッドに抜擢された新星コリー・スターンズは、長身で脚が美しく、見栄えのする容姿でテクニックもバッチリ。足先まで気を配った古典の技術がしっかりとしていて、パートナリングも良かったです。アッサンブレへの着地もきれいにキマっていました。もちろん、まだ役になじんでいなくて演技については物足りない部分もあるけれど、コール・ドのダンサーがいきなり主役に抜擢されて踊ったことを考えると、十分すぎるほどの出来です。間違いなくシーズンオフには昇格することでしょう。とても若くてちょっとだけやんちゃ、キュートなコンラッドでした。

メドーラのミシェル・ワイルズはやはり物足りなかったです。技術的に大きな問題があるわけではなく、フェッテも相変わらずダブルが入っていて上手だったんですが、背中の硬さと、ニュアンスのない平板な演技で魅力に乏しかったです。コンラッドが若手ということもあり、全体的に華に欠ける舞台でした。

ホセ・カレーニョの代役でアリを踊ったエルマン・コルネホは膝の調子が良くないとのこと。しかし、エルマンのいつもの出来からするとセーブしていると思われるものの、ピルエットは11回転くらい平気でやっているし、跳躍も高くて美しい。小柄ながら、上半身の筋肉のつき方が美しく、素敵なアリでした。小柄なエルマンが大柄なミシェルを高々とリフトして大変、とちょっと心配になりましたが。2度目のピルエットがすごく斜めってしまったのは不調ゆえかしら。

ギュリナーラの加治屋百合子さんは、とにかく華奢。手脚も長くてプロポーションは良いのですが、ABTの中では際立って細いというか細すぎるのではと思ってしまいました。彼女は、ジュッテがすごくて、3幕でビルバントから逃げるように連続してジュッテをするシーンがあるのですが、ビルバント役のクレイグ・サルステインより高く跳んでいました。股関節も200度くらいと、すごくよく開いていたけど、踊りのタイプとしては、すごく気が強そう。ランケデムとのパ・ド・ドゥで、「いやいや」とマイムをすると、とても細い彼女なだけに、なんかすごく嫌がっていてかわいそうな感じに。技術的には申し分ないので、あとは演技力かしら。

クレイグ・サルスティンのビルバントが、すごく良かったです。クレイグも5年位前から注目していたダンサーなのだけど、普段はとても人がよさそうでキュートな笑顔の青年なのに悪役をやっているのが新鮮。彼の踊りも切れ味が鋭くてメリハリがあり、見ていて気持ちよいのですが、時々人の良い憎めなさが出てくるのがいい。ジャレッド・マシューズのランケデムは、あくが足りないし、跳躍から深いプリエに降りるところなどは良いのですが、ピルエットなどにまだまだ課題がある感じです。パシャは、若手のロマン・ズービンくん。若いのに、エロ爺を細かく演じていて面白かったです。3年前にMETで見たときより相当こなれてきて、知らない人が観れば、ベテランダンサーが演じているものと思うでしょう。

しかしどうしてもセカンドキャスト的なマチネ公演で、唯一のスター、ホセ・カレーニョが欠場してしまったので全体的な華が足りなかったです。その中での収穫はやっぱりコリー君。ぜひコンラッド以外の役でも観てみたいです。とても品の良いダンサーなので、古典の王子向きでしょうね。

指揮 : デイヴィッド・ラマーシュ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

コンラッド (海賊の首領) : コリー・スターンズ
ビルバント (コンラッドの友人) : クレイグ・サルステイン
アリ (コンラッドの奴隷) : ホセ・マヌエル・カレーニョ エルマン・コルネホ
ランケデム (市場の元締め) : ジャレッド・マシューズ
メドーラ (ギリシャの娘) : ミシェル・ワイルズ
ギュリナーラ (パシャの奴隷) : 加治屋百合子
セイード・パシャ (コス島の総督) : ロマン・ズービン
海賊の女 : サラワニー・タナタニット
オダリスク : メラニー・ハムリック,マリーヤ・ブイストロワ,メリッサ・トーマス

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コメント

私もこの回見ました。

キャスト変更で、コールドが主役?とびっくりしましたけど、掘り出し物(失礼^^* )に違いないとクロスマイフィンガーズ! あたりましたね〜、私の願い☆

ほんとに足が綺麗で踊りも「これでコールド??!!」の見事さ。

性格も良さそうで、「海賊の首領」はちょっと無理があったかもしれないけど、ほんと今度は地で行けそうな王子さま役を見たいです。

先日のロイヤル、ルパート君に引き続き、若くて背が高くて足の綺麗なダンサーがまた一人「彗星のごとく現れ、、、」うれしいです♪

ずずさん、こんばんは。
ホント、コリーくんはあたりでしたね!プロポーション良し、ルックス良し、テクニック良しでコール・ドとは思えないです。きっと次回の来日公演でも主役を踊ることでしょう。たしかに王子様向きという感じですよね。
ロイヤルのルパートくんも可愛かったですよね。(コリーくんもロイヤルバレエスクール出身)

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