SWAN MAGAZINE 2008夏号 Vol.12
SWAN MAGAZINE 2008夏号 Vol.12をようやく読みました。
安珠さんによる巻頭グラビアは、ハンブルク・バレエの草野洋平さん。長身で涼やかな顔立ちの爽やかな青年です。去年、ハンブルクに行った時に「眠り」や「ニジンスキー」などに出演している彼を観ましたが、容姿に恵まれている上183センチと背が高く脚も長く、周りのダンサーに引けを取らない存在感があって、これからの成長がとても期待できそうだと思いました。
特集は「NY発、アメリカ・バレエを楽しむ!」と題して、ABTを中心に、NYCBやトロックス、グランディーバについての記事がありました。
ABTのマッケンジー版の「白鳥の湖」の紹介、ジリアン・マーフィのインタビュー、トワイラ・サープの新作のリハーサル風景の写真紹介など。うーん、正直に言うと、この特集は今ひとつ面白くなかったです。ジリアンが、「センター・ステージ2」で出演しているのは、主人公の女の子が見ているビデオで映っている「ラ・バヤデール」で、ガムザッティを踊っているシーンであることがわかったのは、ちょっと興味深かったけど。せっかくなら、もう少し、有望な若手ダンサーの紹介とかして欲しいなと思ったりして。
面白いなと思ったのは、有吉京子さんが1979年にABTとNYCB(正確には、付属学校SAB:スクール・オブ・アメリカン・バレエ)の取材でNYに行った時のレポート記事。その年は、森下洋子さんがABTにゲスト出演したそうで、愛らしい森下さんと、清水哲太郎さん、そして若くて美しい有吉さんの写真が載っていました。有吉さんが観たのは、アンソニー・ダウエルとナタリア・マカロワが出演した「アザー・ダンシズ」とバランシンの作品。なんとも羨ましい組み合わせです。その時の小さなアクシデントの話まで、なんと貴重なことでしょうか。
それから、パリ・オペラ座学校のピアニスト、土屋裕子さんのインタビューもとても面白かったです。バレエ学校の公演には、ローラン・イレールの二人の娘も出演したんですね。そして座長を務めていたのが、タケル・コスト。元シュツットガルト・バレエ団のアルノ・コストと大口純枝の息子だそうで、写真も大きく載っています。彼の弟ジュンタローもオペラ座バレエ学校に在籍しているそうで。
ワガノワ・バレエ・アカデミーの公演についての記事も、期待の生徒たちの紹介つきで、なかなか良いです。まだチケットを買っていないんですが、やっぱり観に行きたいです。
「エトワール・ガラ」は、バンジャマン・ペッシュ、マリ=アニエス・ジロ、マチュー・ガニオ、エレオノーラ・アッバニャート、レティシア・プジョルに11の質問。面白かったのが、日本の印象についての質問への答えで、マリ=アニエスは「アヴァンギャルドな国」、エレオノーラは「衝撃的な国。まるで未来にいるようです」とのこと。それから好きな食べ物について、エレオノーラはイタリア人らしく「パスタ」、マチューは「スイーツ」、そして可愛いのがレティシア。「白状すると、私の彼が作るラザニアとファルシは、想像を絶するおいしさです。(家族秘伝のレシピですが機会があれば皆さんにもお教えしたいくらい!)」教えて欲しいです。
マチューの回答が一つ一つ、とても長くて、本当に真面目で誠実な人柄の持ち主なんだなって思います。
有吉京子さんの連載「まいあ」は、「二羽の鳩」のジプシーの役をどうしても踊りたいまいあが、どうやって役を演じることをつかんでいくかというエピソード。身体で表現するということは何なのか、ということを考えさせられ、バレエを観る上でも参考になりそうで、面白かったです。
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