FIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」エトワール・ガラ特集
隔号連載のFIGARO JAPONの「パリ・オペラ座バレエ物語」、今回は「エトワール・ガラ」特集ということで、3人のダンサーのインタビューが載っています。
エレオノーラ・アッバニャートは「私は太陽と海が大好きなシチリア女よ!いつの日か、子供を連れて故郷に戻るわ」と語っています。7月末には、オペラ座の仲間たちと、そのシチリアの、風光明媚な観光地として名高いアグリジェントの「神殿の谷」でガラ公演を開催するそうです。ここ数年、故郷で講演を行っているそうで。
エトワール・ガラでは同じイタリア人のビゴンゼッティの作品「カンツォーニ」を、学校時代からの親友であるエルヴェ・モローと踊ります。ビゴンゼッティの作品をガラ用に選び、許可などの交渉を自分で行ったとのこと。
「なぜダンスがすきかというと、自分以外の人物を演じるのが楽しいからだって最近気がついたの。だからオペラ座では、来期に「オネーギン」(のタチアナ)を踊りたい。少女から一人の女性へと成長するヒロインの役なので」
エルヴェ・モローはリラックスした表情で写っています。今回踊るのは、まず「マノン」。オペラ座で上演された時、たっぷり稽古したのだけど代役だったので出演の機会がなかったそうです。ぜひとも観客の前で踊ってみたいという夢が今回の公演でかないます。相手役は、スヴェトラーナ・ルンキナ。
それから、マリ=アニエス・ジロとバランシンの「スターズ&ストライプス」を踊ります。マリ=アニエスが提案した時には、「最初はええっ?」って思ったんだそうです。兄と妹のように仲の良いエレオノーラとは、ビゴンゼッティの「カンツォーニ」。一緒にビゴンゼッティの公演を観に行って、二人で同時に「これを踊りたい!」と顔を見合わせたそう。
そしてイリ・ブベニチェクの「カノン」は、イリ、そしてマチュー・ガニオの3人で踊ります。「音楽、照明、振付のすべてが美しい作品。これを踊れるのは本当に嬉しいですね」。確かに、とても音楽的で素敵な作品でした。
最近はコンテンポラリーな振付にも興味が沸いてきた彼は、バレエを本格的に学ぶきっかけが、ベジャールの「ボレロ」を観たこと。その「ボレロ」がオペラ座の来期のプログラムにあると知った時、芸術監督のルフェーブルに話したところ、生前のベジャールに彼が踊る許可を取り付けてくれたとのことです。エルヴェが「ボレロ」を踊るのってなかなかイメージ湧かないと言うか、意外な感じですが、素敵かもしれませんね。
バンジャマン・ペッシュは今回のガラのアートディレクター。将来、彼はこれを職業として手がけて行きたいと考えているのだそうです。バレエ団を率いたり、講演をオーガナイズするのに十分なエネルギーを持っており、人をまとめる統率力にも自信があるそうです。
ダンサー自身に踊りたい作品を選ばせていますが、たとえば「マノン」を踊ったことがないスヴェトラーナ・ルンキナにこの作品を薦めたのは彼だそう。「エルヴェ・モローとは素晴らしいカップルになることが僕には見えたので」。また、「マチュー・ガニオはコンテンポラリー作品にも優れていることを日本の観客にも見せたいので、イリ・ブベニチェクの「カノン Canon in D major」を…というように。
彼が情熱を傾ける「エトワール・ガラ」の開催は、ジェレミー・ベランガールとの友情が実現させたという背景があり、今回、バンジャマンはその象徴としてプレルジョカージュの「アン・トレ・デュニオン」を彼と踊ることに決めたそうです。それと平行して女性二人のパ・ド・ドゥがプログラムにあったらいいだろうと、プレルジョカージュから「受胎告知の公演許可ももらい、エレオノーラとレティシア・プジョルが踊ります。
そんな彼も、来期のオペラ座では、「オネーギン」が踊れたらと希望しているそうです。
3本のインタビューは非常に読み応えがあり面白かったです。
さて、この号のFIGAROですが、フェラガモの新コレクションの紹介があり、その中で、上海で行われたブランド創設80周年イベントの記事があります。とても小さな写真ですが、ロベルト・ボッレのパフォーマンスの写真が載っています。トニー・レオンとチャン・ツィイーが銅鑼を鳴らす写真も。
そして、パリへ旅行した人ならお馴染みの、ラデュレ。7月26日に、待望の日本進出ということで銀座三越にオープンします。パリの3つのお店、カラフルなマカロンだけでなく、可愛らしいマカロンの箱や、それ以外の美しいスイーツたち、さらにはブティックのグッズまで紹介されています。マカロンは日持ちしないので、パリに行ってもお土産に持って帰れないんですよね。以前、超貧乏旅行だったので、シャンゼリゼのお店で買って帰り、晩御飯代わりに友達とホテルの部屋で食べたことがあります。日本でこの味が味わえるのは嬉しいですよね!
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コメント
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エルヴェのボレロ!これはものすご~~く観たいですね。どんな感じになるのか想像がつかない辺りがそそります。やはりどんなに困難でも12月のパリ行きを画策しなくてはならないかしら。
それにしてもエトワールガラ、本当に楽しみです。こういう豪華な内容が楽しめるのも日本ならでは、ですよね。
ところで30日の椿姫、諸事情により行くことができなくなりました。せっかくnaokoさんとお会いできる機会だったのに。1日夜にもしお時間があるようでしたら、メールをくださいませ。でも帰国前でお疲れでしょうし、ご無理はなさらず。
今夜は待ちに待った椿姫の初日。一足お先に観に行ってきます~。
投稿: mariko | 2008/06/21 19:51
marikoさん、こんばんは。
エルヴェのボレロ、私もぜひ見てみたいです。きっと美しいでしょうね~
年末のパリはライモンダもあるし、一方でベジャールプロと豪華です。
エトワールガラもとっても楽しみで、私は4回も観に行っちゃうんです(苦笑)
30日は残念ですね…1日はガルニエなんですが、それ以外の時間は予定はないので、ぜひお会いできればと思います。メールしておきました!
初日のレポートも楽しみにしています!
投稿: naomi | 2008/06/22 00:54