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« 『バレエの歴史』佐々木涼子著 | トップページ | ABTのMETでの「白鳥の湖」、二人のバレリーナがオデット/オディール踊る! »

2008/06/01

パリ・オペラ座「ル・パルク」DVD

ずいぶん前にオペラ・ガルニエの売店でDVDを買って、帰国してからざっと観て、そのままにしてあった映像。生の舞台を観た後、また観てみたいと思いつつも、舞台の記憶を上書きしたくないとも思い、悩んでいた。結局観てしまったのだけど、ローラン・イレールとマニュエル・ルグリ、ニコラ・ル=リッシュはまったく異質のダンサーだったので、上書きされることはなかった。

ちなみに、会場でもDVDが売っていた。会場で売っていたのは、どうやらNTSCのようなのだけど、私が持っているのはPAL盤。アマゾンのuk、フランス、ドイツおよびFNACでも扱っているけど、すべてPAL盤なので、ご注意を。発売もとのBel Air Classiqueは最近NTSCで出すことが多いので、NTSC盤も探せばどこかで買えるはず。面白い作品だし、今回の来日を機会に国内発売すればよかったのに。(なお、amazon ukを見たら、今年の7月8日に再発売される予定があるようである)

→追記:Side B-alletのゆうさんに教えていただきましたが、NTSC盤がamazon.co.jpでも買えるようになるようです。

さて、この映像なんだけど、もーイレール様に尽きる!先日のオーチャードホール客席で見かけたイレールはさすがに年を重ねた感じだったけど、この映像の中のイレール様の美しく、色気漂うさまは奇跡的と言ってもいいほどで、テレビの前でクラクラと酔いそうになった。椅子取りゲームでクローズアップになったときに眉毛をぴくっと上に上げるところには、あまりの色香にもうノックアウト!映像の良いところは、こういう細部が観られること。舞台を観た時は、2階席や3階席だったので、細かい表情までは見ていなくて。(だって、オーチャードのホールの1階席は、足先が見えないし)イレールは、ものすごく役に入り込んでいて、基本的にはプレイボーイなのだろうけど、セクシーな大人の遊び人であるからこそ、後半の熱情をまっすぐに捧げている姿やすれ違う想いに苦しむ姿が、ロマンティックで切なく見えて胸に迫る。まるで俳優のように細やかな表情を使い分けていて見ごたえアリ。踊りのほうは、ルグリのような優雅さやエレガントさはさほどないけど、キレキレでダイナミック、しかも柔軟性もある。エトワールの踊り。

イザベル・ゲランは、最初の男装は冴えない感じなのに、作品が進んでいくにつれてどんどん綺麗になっていくから不思議。「解放」のパ・ド・ドゥでの心震える姿がなんとも美しい。2幕の、赤いドレスをまとって上半身を傾けるフォルムもしなやかで、プジョルやコゼットとは格の違う、成熟した美しさがある。指先にいたるまでの細かい表現力もさすがだし、庭師たちに眠りながらぐるぐるリフトされるところ、そして「解放」での身体のコントロール力もすごい。彼女の足の筋肉は、ムキムキだったけど、これだけの身体能力があるのだから、無理もない。

「解放」のパ・ド・ドゥの最後の方で、「抵抗」で見られた頭突きが繰り返されているところが、なんともうまいなあ、と思った。本当にこの二人は息が合っていて、一つ一つのパ・ド・ドゥの作り上げ方が凄い。ふたりとも、今のオペラ座にはいないタイプの、演技力・表現力も技術も備えた稀有なスターダンサーだ。

それと、この作品は、衣装がものすごく重要な役割を果たしているのだと改めて思った。「解放」の前に、ゲランが庭師たちにドレスを脱がされてパジャマのようなもの一枚になるところが最も象徴的だけど、2幕、下着のようなコルセット姿の女の子たちの間を、一人ドレスをまとって心にバリアを張ってさ迷い歩いているゲラン。オーガンジーのような黒いスカートを顔にかけている女性たち、など衣装の使い方の巧みなことよ。少しずつバリアを外していき、「解放」で二人は服も脱ぎ去って、心も裸になって解放されるということだ。

他のキャスト名が明記されていないのが非常に残念なのだけど、一人、カール・パケットに似ている金髪の男性が出演していた。全体的に、先日の来日公演より踊れる人たち、音楽性の豊かな人たちが配置されていたように思えた。来日公演は、若手が多かったしルグリ(そしてニコラ)が別世界のように突出していたから。でも、来日メンバーの方が容姿が麗しい人が多かったと思うけど。2幕で、夜這いのように地面を男性タンサーたちが這って入ってくるところは、何回観ても笑っちゃう!

いずれにしても、また上演される機会があれば観たい作品。来シーズンのオペラ座のレパートリーにも入っているんだけど、さすがにパリまでは観に行けないなあ…。

振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
主演:イザベル・ゲラン/ローラン・イレール
収録:1999年4月 パリ・オペラ座バスティーユ
指揮:ステファン・ドゥネーヴ
ピアノ:エレナ・ボネ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団

追記:キャストを教えてもらいました。

庭師:ブルーノ・コアベ、ピエール・ダルド、エリック・カミョ、ニコラ・ノエル
女性:ファニー・フィアット、ミュリエル・ズスペルギ、ミュリエル・アレ、ロール・ミュレ、ヴェロニク・キャピアック、レティシア・ピュジョル、セリル・ソー、リーズマリー・ジュルダン
男性:グザビエ・ルージテール、パスカル・オーバン、リシャール・ウィルク、カール・パケット、ジャン・クリストフ・ゲリ、ギョーム・シャルロ、アレクシス・ルノー
1幕バリエーション:アレ、フィアット-ミュレ、キャピアック

序曲 交響曲第36番ハ長調「リンツ」K.425
   第1楽章から「アダージョ」

第1幕
1、庭師
2、異性間の視察
   アダージョとフーガ ハ短調 K.546
3、アプローチ・ゲーム
   6つのドイツ舞曲 K.571 から
   第1番 ニ長調
   第2番 イ長調
   第4番 ト長調
   第5番 変ロ長調
   第6番 ニ長調
4、出会い
   ピアノ協奏曲 変ホ長調 K.449 第2楽章

第2幕
5、庭師
6、柔らかな色香
   セレナード K.525 第4楽章
7、欲望
   ディヴェルティメント ニ長調 K.251 第3楽章
8、征服
   音楽のたわむれ「村の音楽家の六重奏」K.522 第4楽章
9、抵抗
   ピアノ協奏曲 変ロ長調 K.450 第2楽章

第3幕
10、夢/庭師
11、嘆き
   6つの3声フーガ K.404aから アダージョ ヘ長調
12、熱情
   ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 第2楽章
13、失神
   セレナード ニ長調 「ハフナー」K.250 第8楽章
14、解放
   ピアノ協奏曲イ長調 K.488 第2楽章

エピローグ/庭師

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コメント

こんにちは~

naomiさんの詳細なDVD解説を拝読したら、私もまた見たくなってしまいました~。(この映像、後をひくんでできるだけガマンするようにしてるんですけど・笑)

カメラワークがほんと秀逸で、確かこの作品はダンス映像の何かの賞を受賞していたはずですが・・・まるで映画を見てるような気分にさせられますよね。

で、イレールですが(笑)、生の舞台は私はゲランとのペアでは見ていないんですが、そりゃ~もう~、上演前に厳戒注意警報を発すべきではないかと気を揉むぐらいの大変な大人の色気で・・・毎回90分後には立ち上がれなくなっていた私です(笑)。naomiさんにも見ていただきたかったですわ イレールのル・パルク・・・。

ところで、別記事の件で恐縮ですが、ヴェロニカ・パルトはABTに残留する可能性濃厚・・・との情報をballet.coで読みました。投稿者の方はNY在住で最近パルトの白鳥をご覧になっていて、「(パルトは)ロパートキナ・クラスの名演を見せた。これで彼女がプリンシパルに上がらなければ正義はない!」みたいなことを書き込まれてました。どうなるのでしょうね・・・?(既にご存知でしたら失礼~~)

Naoko Sさん、こんばんは。

そうそう!この映像、後を引くので、生の舞台を観る前に見るのは控えておこうと思ったんです。改めて、イレール様って本当に色っぽくて、テレビの画面で見てもふらふらになってしまったので、生で見たらさぞかし腰が砕けたことでしょう(笑)残念ながらイレール様の全幕は観ていないのですよね。「ル・パルク」は「解放」のみ、ルグリのガラでオーレリと踊ったのを観ましたが、感動的でした。
そうそう、映像も良くできていますよね。全景を写してくれているし、切り取り方が上手いです。

ヴェロニカ・パルト、辞めないかもって話はBallet Talkの方では見たのですが、ballet.coの方では見ていなかったので、そっちも見てみますね。NYにはかなり彼女の熱狂的なファンがいるようで。ABTでダメだったらロイヤルでもダメでしょうしね。たしかに、5年位前に観た彼女のオデットは素晴らしかったです。

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