ラ・フォル・ジュルネ316 5/4 ネマニャ・ラドゥロヴィチ&ボルドー・アキテーヌ管弦楽団 ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 二長調 作品61
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
フランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団
クワメ・ライアン(指揮)
ラ・フォル・ジュルネは初参加。今まで、人出がやたら多くチケットもすぐ売り切れると聞いて敬遠していたのだけど、3月に井上道義指揮のオーケストラアンサンブル金沢のフランス小品集公演に出演していたネマニャ・ラドゥロヴィチの演奏が素晴らしかったので、チケットを取ってみた。東京国際フォーラムAという会場だったので不安でいっぱいだったのだけど、前から16列目と席もまずまず。
さすがに夜9時半からの公演なので、フォーラムAの1階席でも3分の2くらいしか埋まっていなかったけど、とても良い公演だったと思う。ネマニャ・ラドゥロヴィチは、1985年10月生まれというからまだ23歳。ユーゴスラビア出身でエキゾチックな風貌、すらりとした長身に長髪でヴァイオリン奏者というよりはロックミュージシャンのよう。イケメン若手ヴァイオリニストとして売り出し中のようだけど、イケメンというよりは愛嬌がある感じで終始ニコニコ、演奏の方はとても熱く、髪を振り乱して大きな振りで弾く姿は確かにすごくカッコいい。テクニックも冴えていた。
http://www.lfj.jp/lfj_2008/artist/detail_artist/violin_11.php
危惧していた音の方は、たしかにフォーラムAというでかい会場なので、こもっていたり拡散していたところもあったけど、ヴァイオリンの音は非常にクリアに鮮やかに聴けて良かった。ラドゥロヴィチのつむぎ出す音の多彩さ、豊かさに惹きつけられる。終盤のカデンツァには、なんともいえない冴えと凄みがあったし、第2楽章の最初の方の柔らかく美しい響きにも息を詰めて聴き入ってしまった。とにかくラストに駆けていくテンションが爽快な演奏だったと思う。それなのに、弾むような軽やかさがあって気持ちよい。終わるや否やブラボーがたくさん飛び、スタンディングオベーションも登場するほどの大喝采。アンサンブルの方との掛け合いも、よく息が合っていたし、音の重なり方もきれいだった。
楽しかった~年末にまたラドゥロヴィチの演奏会があるのよね。その前に、明日もラ・フォル・ジュルネに登場するんだけど、また9時半からで、明日は飲み会があるからどうしよう。
一応ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を予習していこう、とワディム・レーピン(Vn)、リッカルド・ムーティ指揮のウィーン・フィルハーモニー演奏(ついでに、アルゲリッチとレーピン共演の「クロイツェル・ソナタ」も収録した)盤を買って聴いていた。レーピンも、一昨年ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲をサンクトペテルブルグ・フィルとの共演で聴いていて、技巧派の天才だと思った凄い人。この豪華なメンバーで整然とした演奏、すごく聞き応えのある一枚。でも、クラシック音楽も、どんな名盤でも生の感動には敵わないなあ、とLFJに行って思った。
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