SWAN MAGAZINE 2008 春号 VOL.11
SWAN MAGAZINE 2008 春号 VOL.11は、ベジャール追悼号です。1979年にジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」を観て大きな衝撃を受けたという有吉京子さんが、愛と感謝、惜別を込めて彼を語ります。
ベジャールに触発されたという「ニジンスキー寓話」の美しいイラストや、79年にブラッセルに「春の祭典」「火の鳥」「ドン・ジョバンニ」を観に行ったり、ジョルジュ・ドンらのレッスンを見学した時のレポートを再録しています。もちろん、ベジャールを語るには欠かせない小林十市さんのインタビューも。
「ダンスマガジン」は別冊でベジャール追悼特集号を出していますが、本誌でこれだけの特集を組んだところは他にないと思います。
安珠さんによる巻頭グラビアは、ベジャール作品に定評のある東京バレエ団の中島周さん。本当に彼は麗しいですね。。。日本のバレエ界でもこれだけの美貌の持ち主はそうそういないでしょう。
エトワールに昇進したばかりのドロテ・ジルベールのインタビューがありました。昔から踊りたいと思っている「ロミオとジュリエット」を日本の観客の前でいつか踊りたいということですが、ヌレエフ版の「ロミオとジュリエット」、ぜひオペラ座に持ってきて欲しいですね。ルディエールの再来といわれるドロテなら、きっと似合うと思います。べストパートナーであるルグリが引退するため、エルヴェ・モローやニコラ・ル・リッシュ、マチュー・ガニオらと組む機会が出てきたそうで、特に経験の豊富なニコラから多くを学んでいるそうです。
それから、海外で活躍する日本人ダンサーということで、ライプチヒ・バレエの大石麻衣子さん、ボストン・バレエの倉永美沙さん、そしてアメリカ、フロリダ州のサラソタ・バレエの武市京子さん、河島真之さんのインタビューが載っています。この本の記事ではないのですが、倉永さんが所属するボストン・バレエは、経営が立ち行かなくなっており、9人のダンサーをリストラするほか、プリンシパル2人が退団するようですね。(別稿にて取り上げる予定)。レイオフされる9人はコール・ド所属らしいので、倉永さんは大丈夫だと思いますが。ついでにボストン・バレエのサイトを見ていたら、牧阿佐美バレエ団などの公演で活躍していたアルタンフヤグ・ドゥガラーがいつのまにかボストン・バレエに移籍していたんですね。しかも牧では主役も踊っていたのに、こちらではコール・ド。
2004年ローザンヌコンクールに出場したアンドレエ・ピーサレフのインタビューも。通訳は、キエフ・バレエの寺田宣弘さん。アンドレエ・ピーサレフは、往年の名ダンサー、ワジム・ピーサレフ&インナ・ドロフェーエワの息子さんで、YAGPでも1位となった21歳。甘いマスクの持ち主です。父が芸術監督を務めるウクライナのドネツク・オペラ・バレエ劇場に所属。ドネツク・バレエは、寺田宣弘さんの出身校である寺田バレエ・アート・スクールと交流を行っているのですね。DDDにも紹介記事が載っていましたが、12月の寺田バレエとの交流公演では、エレーナ・フィリピエワも出演していました。
8月24日(日)小平大ホールで開催される寺田バレエ・アート・スクール東京教室発表会、8月30日(土)びわ湖大ホールにて行われるスウツゼントクラス・コンサートに、アンドレエ・ピーサレフは出演するそうです。
有吉京子さんの連載「まいあ」では、パリ・オペラ座学校の学校公演が新国立劇場で行われるという設定になっていました。現実にはありえない話なのでちょっと笑ってしまいました。学校公演の上演演目が「二羽の鳩」で、扉絵が、「ボレロ」のシルヴィ・ギエムに良く似たイラストなので、思わずにやり。
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