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2008年3月

2008/03/31

3/28 ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 『 フルムーン 』

演出・振付:ピナ・バウシュ
美術:ペーター・パプスト
衣裳:マリオン・スィートー

ここしばらく、仕事等で相当疲れがたまっていて、精神的にもかなり参っている状態でしばらく更新が滞っている状態で申し訳ありません。

「パレルモ、パレルモ」がとても面白かったピナ・バウシュ&ヴッパタール舞踊団、もうひとつのプログラムは新作である「フルムーン」。
http://www1.ocn.ne.jp/~ncc/
で動画を観ることができるので、興味のある方はぜひ。

「パレルモ、パレルモ」では冒頭の壁の崩壊というスペクタクルがあったけど、こっちは大量の水を使ったスペクタクル。といっても、最初から水が出てくるわけではない。

舞台の中央部には、大きな隕石のような岩。そして男性ダンサーが最初は一人、次にもう一人登場して、上半身を大きく使った激しいダンスが繰り広げられる。かと思ったら、女性ダンサーがまた日本語をしゃべりだして、そのあたりはちょっと「パレルモ、パレルモ」に似ているかも。男性たちがワイングラスのようなグラスを縦に並べ、巧みにグラスを避けながら小さくジャンプして飛び越えて行ったり、グラスの上に立ってみたり。岩の上によじ登る人も。

ランダムに並べられた椅子に、長いドレス姿の女性ダンサーたちが座り、すると男性ダンサーたちが、座っている横に巧みに飛び乗る。そしてペットボトルの水を女性たちにかけてみる。女性たちのドレスが素敵。上半身はビスチェのようにぴったりしていて、裾は長くて女っぽい。

別の場面では、女性ダンサーが椅子に座ろうとして、こう言う。
「幽霊だって、ときどき座るの。
今夜は満月、酔っ払ってはだめ」

ピナの舞台で使われる台詞はなかなか素敵なものが多いんだけど、日本語を使うことについては一長一短があって、たどたどしい日本語に対して、観客が笑っちゃって興をそぐところがあるのが残念というかもったいないというか。台詞が多いと、すこし単調に感じられてしまうところもある。

雨が少しずつ降り出して、舞台の後ろにある川の水が増えていく。そして、女性ダンサーが一人、下手からこの川の中を泳いでいくではないか!岩をくぐるように泳ぎ進んだら、また一人!また一人!と都合4人が舞台の上を泳いで渡っていた。いつの間にか雨は大降り。そして休憩。

後半は、最初から水で満たされた川が存在している。水の中から出てきた瀬山亜津咲さんが言った台詞が印象的だった。
「私は若い
私の耳に、未来の約束が聞こえる
私の心に、力がみなぎる
私の目に、夢が広がる
私の志は、高い。
私のからだは、強い。
私は美しい
私は若い」

希望を与えられるような言葉たち。

激しくキスをしたまま横に動いていく男女たち。ピナの作品でよく描かれている。ディスコミュニケーション。お互いに気持ちを伝えたいのに、上手く伝わらないもどかしさ、せつなさ。それが、水と満月の魔法にかかって、解き放たれる。男たちが川の中、バケツで水を掛け合っている前で、黒髪の小柄な女性が踊ったソロが美しい。まるで儀式のような、神聖で緊張感あふれる舞。バケツから放たれる水の放物線も美しい。

水の中にジャブンと浸かって、女性が一人身体をばたばたと動かす。濡れた男性ダンサーの身体から滴る水が客席にもかかる。そうするうちに、ダンサーたちは降りしきる雨の中、舞台を横切るように勢いよく走ったかと思ったら、川の中へ。全身ずぶぬれになりながら、大音量の音楽にあわせて狂ったように踊る人たち。岩によじ登ってから、川へと飛び込む人。濡れているから滑るとか、動きが鈍くなるということが一切ないのが潔い。衣装が濡れて身体にまとわりついているというのに、特に女性たちは長いドレスを着ているのに、濡れていないかのように身体が動かせている。上半身を大きくそらし、腕を広げて美しい曲線を描いている。観ている側もすっかりトランス状態になる。まるで祝祭空間のようだ。水は天からの恵みのようで、それを全身に受ける歓びを表現してくるかのようだった。しまいには、ダンサーたちのほとんどが、川が氾濫したかのようになった舞台の上で、水に身体を浸しながら、喜びに打ち震えているかのようにばたばたと動いていて、幕。

最後の20分間のカタルシスのために、それまでの一時間半があったような舞台であった。だけど、あの圧倒的なクライマックスには、観ている側も気持ちが解放され、満月の下で水に濡れながら踊りだしたくなるような気持ちになる。あの20分間のために、また観てみたい!と思う。でも「パレルモ、パレルモ」の方が好きなんだけど。

水に濡れながら踊るシーンは、はっとするほど美しい瞬間もあれば、痙攣したような動きもあるし、疾走していく姿が美しいと思った後に、人間を縛っている理性から解放されて獣のようになっている赤裸々な姿も出てくる。美しいだけが人間じゃないけど、美、醜、さまざまな姿をしながら解放されていくのが人間なんだと、ピナは語っていたような気がした。そして、水の軌跡や飛沫は、いつでも美しい。それはいつの時代にあっても変わらない真実。

2008/03/28

DANZA2008年4-5月号

DANZAの新しい号の表紙はウラジーミル・マラーホフ。今までの22年間のキャリアで半年もの間踊れなかったことは初めてで、でもその間芸術監督としての仕事に打ち込むことができたとのこと。100%回復したとはいえないものの、身体はパーフェクトに向けて一層の進化をしているということなので、秋の「ジゼル」への客演も楽しみですね。面白かったのが、ベルリン国立バレエの公演は、自分が踊っていないときにはすべて客席から観ているのですが、どこにいるかダンサーはわかっているから、時にはわからないように別のところに隠れて観ていることもあるそうで、お茶目なマラーホフさんです。インタビューの中の写真の、身振り手振りをしている写真も素敵。

嬉しいのが、私の2大大好きダンサー、マイレン・トレウバエフとマルセロ・ゴメスのインタビューがあること!もう嬉しいっ!

マイレンは新国立劇場の女性ダンサーたちに、本当にいい人だと評判とは聞いていたのですが、本人はそう言われていること、知らなかったんですね。日本人ダンサーの中にいても違和感なく溶けこんでいる、うん、たしかにそうかもしれません。「ラ・バヤデール」のソロル役の全幕を踊るのは初めてなのだそうで、相当強い意気込みで臨んでいるようで楽しみです。息子さんとスーパー銭湯に行くのが楽しみっていうのもいいですね~。マイホームパパで有名なので。

マルセロ・ゴメスは初めてアレッサンドラ・フェリと踊ったときには、たった24時間で「オネーギン」の振りを覚えたとのこと。王子役も、マッケンジー版の「白鳥の湖」のロットバルトのようなダークな悪役も楽しんで踊れるマルセロだけど、夏の来日公演は王子だけなんですよね。ロットバルトも観たかったです。

それから、「ル・パルク」の特集があって、それぞれの出演者の美しいイメージ写真と、各演目の解説が。ピアニストの上田晴子さんと、バンジャマン・ペッシュのメールインタビューが載っています。上田さんは「椿姫」「アザーダンス」の演奏をするのですが、世界で活躍するピアニストであるとともに、パリ国立高等音楽院室内楽科の助教授をされているとのことで。こういうきちんとしたピアニストを使ってくださるのは嬉しいですよね。レッスンピアニストに弾かせている某興行主に聞かせたいところです。ペッシュは、最近パリ・オペラ座で現代的な作品が多く上演されていることについて質問されています。クラシック作品とのバランスは難しい問題ですよね。優等生的な答えをするのは致し方ないのかな?今回の公演はペッシュが中心になって企画しているとのことで、現代作品が中心ではあるけれど、かなり面白いプログラムなのでとても楽しみです。

主なバレエ・ダンス公演についてレビューと写真が掲載されているのも、毎号のことではあるけど嬉しいことです。森山開次さんの「Velvet Suite」やH・アール・カオスの「ボレロ」の写真のドラマティックで躍動感あふれる美しさといったら!新国立劇場のワシントン公演「ライモンダ」の舞台写真も早速掲載されています。本当にこれで無料なのが信じられないですね。

ダンスマガジンについても紹介しようと思ったんですが、遅くなっちゃったので日を改めます。こちらも表紙はマラーホフとポリーナ・セミオノワの「牧神の午後」(ロビンス版)。

2008/03/27

「ルジマトフのすべて2008」にコールプ出演

いつもドイツを中心としたヨーロッパ系のすばやいニュースをお知らせしてくださる「日々これ口実」さん経由で知った情報ですが、
「ルジマトフのすべて2008」のキャストが追加されました。

http://www.koransha.com/ballet/ruzisubete2008/index.html

ファルフ・ルジマトフ (レニングラード国立バレエ 芸術監督)
ユリア・マハリナ (マリインスキー劇場バレエ プリンシパル)
ロサリオ・カストロ・ロメロ (コンパニア・スイート・エスパニョーラ ディレクター)
ナタリヤ・ドムラチョワ (キエフ・バレエ ソリスト)
イーゴリ・コルプ (マリインスキー劇場バレエ プリンシパル)
リカルド・カストロ・ロメロ (コンパニア・スイート・エスパニョーラ ディレクター)
ヴィクトル・イシュク (キエフ・バレエ ソリスト)  

というわけで、去年のキエフ・バレエの来日公演で大活躍したナタリヤ・ドムラチョワ、ヴィクトル・イシュクに加え、予想はしていたものの、イーゴリ・コールプが参加してくれることになりました。やった~!!

ドムラチョワはテクニックが強く可憐なバレリーナだったし、ヴィクトル・イシュクはツアーの途中で怪我をしてしまい見られなかったので、今度こそは見られそうなのが嬉しいところです。

とはいってもこの時期、忙しいし、ラララ・ヒューマン・ステップスや、ロイヤル・バレエなど来日ラッシュがあるので行けるかどうかは不透明なのですが・・。とりあえず光藍社さんにはFAXを送りました。

「ルジマトフのすべて」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり(レニングラード国立バレエほか)」「~華麗なるクラシックバレエ・ハイライト~ with草刈民代(レニングラード国立バレエ)」「「~キエフ・クラシック・バレエ~ 「白雪姫」」は明日から一般発売です。
http://www.koransha.com/ballet/index.html

パリ・オペラ座「プルースト/Proust ou Les Intermittences du Coeur」(DVD)

1月にフランスでDVDが発売されたものの、2月に行ったバルセロナやミラノのDVDショップやオペラハウスのブックストアでも売っていなくて、結局Amazon.comで注文したのがようやく本日届いた。ドル安のおかげで、日本のアマゾンで買うより安いお値段で入手できたのはラッキー。NTSCのリージョンALL。

フィガロ・ジャポンの連載「パリ・オペラ座バレエ物語」での「プルースト」特集が非常に丁寧なので、鑑賞の助けになった。プティの振付もさることながら、音楽の使い方が実に秀逸。そして綺羅星のようなオペラ座の美しいダンサーたち!

Saint-Saens、Richard Wagner
choregraphie et mise en scene: Roland Petit○Proust ou les intermittences du coeur
musiques: Ludwig van Beethoven、Claude Debussy、Gabriel Faure、Cesar Franck、Reynaldo Hahn、Camille
decors: Bernard Michel
costumes: Luisa Spinatelli
lumieres: Jean-Michel Desire

ALBERTINE: Eleonora Abbagnato エレオノーラ・アッバニャート
PROUST JEUNE: Herve Moreau エルヴェ・モロー
MOREL: Stephane Bullion ステファン・ビュヨン
MONSIEUR DE CHARLUS: Manuel Legris マニュエル・ルグリ
SAINT-LOUP: Mathieu Ganio マチュー・ガニオ


ACTE I Quelques images des paradis proustiens 1幕「プルースト的天国」TABLEAU I 《Faire Clan》 第1場 派閥をなす、またはプルーストによる攻撃的スノビズムのイメージ
MADAME VERDURIN: Stephanie Romberg ステファニー・ロンベール
ANDREE: Caroline Bance カロリーヌ・バンセ
PROUST: Michel Pasternak
LE PIANISTE: Michel Dietlin
LE CHANTEUR: Wiard Witholt
音楽:レイナルド・アーン「恍惚のとき」

TABLEAU II 《La petite phrase de Vinteuil》 第2場 ヴァントゥイユの小楽節、または愛の音楽
Laura Hecquet et Christophe Duquenne ローラ・エケ、クリストフ・デュケンヌ 
音楽:セザール・フランク「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」

TABLEAU III 《Les aubepines》第3場「サンザシ、または夢のような言葉」
GILBERTE: Mathilde Froustey マチルド・フルステー
音楽:ガブリエル・フォーレ「ピアノと管弦楽のためのバラード 作品19」

TABLEAU IV 《Faire catleya》 第4場「カトレアをする、または情熱のメタファー
ODETTE: Eve Grinsztajn - SWANN: Alexis Renaud オデット:エヴ・グリンツテイン スワン:アレクシス・ルノー
Emmanuel Hoff、Samuel Murez、Francesco Vantaggio
音楽:カミーユ・サン=サーンス「ハープ協奏曲」断片

TABLEAU V 《Les jeunes filles en fleur》 第5場 花咲く乙女たち、または楽しい休暇
ALBERTINE, ANDREE 
音楽:クロード・ドビュッシー「海」

TABLEAU VI 《Albertine et Andree ou la prison et les doutes》 第6場 アルベチーヌ、または牢獄と疑惑
ALBERTINE, ANDREE
音楽:クロード・ドビュッシー「フルート独奏曲 シランクス」

TABLEAU VII 《La regarder dormir》 第7場 眠る女をみつめる、または相容れない現実
ALBERTINE, PROUST JEUNE
音楽:セザール・フランク「交響詩<プシシェ>」
   カミーユ・サン=サーンス「オルガン交響曲 作品3」

****

プルーストの大長編小説「失われた時を求めて」のエッセンスを、プティがバレエ化。前半(1幕)が「プルースト的天国」と称して、若き日のプルーストを主人公に、第一次世界大戦前のブルジョワの世界と女性たちを描く。後半は前半の光あふれる世界と対比し、「プルースト的地獄」と名づけられたダークパート。同性愛者のシャルリュス男爵を主人公に、彼が惹きつけられる黒天使モレル、美しいサン=ルーらの物語が繰り広げられる。

この作品の主役はプルーストの小説の世界なのだけど、もうひとつの主役は、音楽。サン=サーンス、ドビュッシー、ベートーヴェン、フォーレ、ワーグナーなどが使われていているのだけど、流麗なのに寂寥感、哀切感漂う選曲の絶妙さには舌を巻く。

****

1幕は、ヴェルデュラン夫人の華やかなサロンでのシーンから始まる。円環になっているようなカメラワークにちょっと酔う。ステファニー・ロンベールが貫禄たっぷり。第2場は、ローラ・エケとクリストフ・デュケンヌが若い恋人たちの喜びの踊りを踊る。エケはそれほど好きなダンサーではなかったのだけど、ここでの彼女は実に美しい。背が高いわけではないのだけど、プロポーションに恵まれている。デュケンヌは、去年「くるみ割り人形」で観た時にはそんなにいいと思わなかったのだけど、彼の、あまり個性がなくまっさらなところが、このパ・ド・ドゥに合っていると思った。第3場は、日傘をさした優雅な女性たちが大勢登場。優雅に舞うジルベルトを踊るのはマチルド・フルステーで、彼女の華奢で少女っぽいルックス、軽やかな踊りが愛らしい。このジルベルトという役は、後にサン=ルーと結婚するという設定になっているそう。第4場は、カトレアの花を胸に挿した元高級娼婦のオデットと、スワンのパ・ド・ドゥ。オデットを踊るのは、昨年末の昇進試験でプルミエに昇進したエヴ・グリンツテイン。まだ26歳という割には、よく言えば婀娜っぽく役柄に合っているけど、悪く言えば老けて見える。

そしてようやく5場で、1幕のメーンキャラクターである若き日のプルーストと、アルベチーヌが登場。「花咲く乙女たち」では、白いフレアワンピースの少女たちが、ポアントでパ・ド・ブレし、ドビュッシーの「海」に合わせて、あるときには波のように、またあるときには翼を広げたカモメの一群のような群舞を繰り広げる。真ん中には、エレオノーラ演じる、ひときわ美しいアルベチーヌ。その傍らを歩くのが、エルヴェ・モロー演じるプルースト。乙女たちをまぶしそうに見つめる青年。

6場では、アルベチーヌと、もう一人白い衣装を着てアルベチーヌに雰囲気の似た金髪の美少女アンドレが、身体を寄せ合い、キスをするように顔を近づける妖しい踊り。純粋なはずの少女たちなのだけど、とても危険な戯れを愉しんでいる。

そして前半最大の山場が、第7場。「囚われの女」として知られるパ・ド・ドゥ。エルヴェの長いソロから始まる。衣装が普通のパンツ(=ズボンのほうね)なので脚線美は見られないけど、とてもエレガントできれいなアラベスクを見せるエルヴェ。白い薄いカーテンの下には、眠るアルベチーヌ。やがてアルベチーヌは引きずられるように立ち上がって、二人でパ・ド・ドゥを踊る。アルベチーヌは目を軽く閉じていて、まるで眠ったまま踊っているみたい。甘く美しいパ・ド・ドゥだけど、途中でアルベチーヌの表情が曇り、苦悩しているのがわかる。若いプルーストの情熱が束縛に思えて、夢を見ながらも苦しんでいるのだ。エレオノーラはこの作品では、まるで小説から抜け出たような美しさ、儚さと透明感があってとても素敵。そして再びアルベチーヌは眠りに落ち、カーテンが滝のように緩やかに滑り落ちると、アルベチーヌの姿も奈落へと消える。白昼夢のような密やかで美しい、余韻を残した場面。なんという美しいパ・ド・ドゥなのだろう・・・。一番大切なものは、こうやって指の中をすり抜けて消えていく・・・。


ACTE II Quelques images de l'enfer proustien 2幕「プルースト的地獄」TABLEAU VIII 《Monsieur de Charlus face a l'insaisissable》 第8場 とらえどころのないものに直面するシャルリュス男爵
MOREL, MONSIEUR DE CHARLUS
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「弦楽四重奏曲 第14番 作品131」

TABLEAU IX 《Monsieur de de Charlus vaincu par l'impossible》 第9場 不可能に征服されたシャルリュス男爵
MONSIEUR DE CHARLUS, MOREL
LES PROSTITUEES: Amandine Albisson、Peggy Dursort、Christine Peltzer、Julie Martel、Ninon Raux
UN VIEIL HOMME: Emmanuel Hoff
音楽:カミーユ・サン=サーンス「ハバネラ 作品83」

TABLEAU X 《Les enfers de Monsieur de Charlus》 第10場 シャルリュス男爵の地獄
MONSIEUR DE CHARLUS
Yann Saiz、Florian Magnenet、Vincent Cordier、Aurelien Houette
音楽:カミーユ・サン=サーンス「英雄行進曲」

TABLEAU XI 《Rencontre fortuite dans l'inconne》 第11場 未知の世界の偶然の出会い
Peggy Dursort et Bruno Buche、Gregory Dominiak、Cyril Mitilian
音楽:クロード・ドビュッシー「ハープと弦楽合奏のための舞曲」

TABLEAU XII 《Morel et Saint-Loup ou le combat des anges》 第12場 モレルとサン=ルー、または天使の闘争
MOREL, SAINT-LOUP
音楽:ガブリエル・フォーレ「エレジー 第24番」

TABLEAU XIII 《Cette idee de la mort...》 第13場 死についてのこの考え、現世は墓の扉の裏側だと語り手には見える
PROUST JEUNE, ANDREE, MONSIEUR DE CHARLUS, MOREL, SAINT-LOUP, ODETTE, PROUST
LA DUCHESSE: Stephanie Romberg
LA NOURRICE: Cecile Sciaux
音楽:リヒャルト・ワーグナー「リエンツィ 序曲」

ダークで倒錯した2幕の「プルースト的地獄」は、第8場でシャルリュス男爵が若き美貌のヴァイオリニスト、モレルに魅せられるところから始まる。シャルリュスを演じるのはルグリ。老けメイクをしているけど、さすがに身のこなしはエレガントでいかにも貴族である。が、初老に差し掛かった男の哀れさ、滑稽さも見事に表現できているのがルグリたるゆえん。モレル役のステファン・ビュヨンは、まさに黒天使。素肌に黒い衣装、すらりとした立ち姿、黒い巻き毛に薔薇色の頬の美青年。少年の純粋さと残酷さ、傲慢さを体現。顎を少し上げて、片頬で妖しく微笑むと、もうシャルリュスは彼の魔力に取りつかれている。ヴァイオリンの音色に合わせてステファンがソロを踊る。トゥールザンレールの着地も美しく、脚捌きもきれいだ。もっと悪魔的なところがあればもっと良いのだろうけど、若さゆえの天然の残酷さには、シャルリュスなど簡単に翻弄されてしまうだろうって思った。

モレルに惑わされてヘロヘロになったシャルリュスがたどり着く場末の売春宿が、第9場。娼婦たちに小突かれからかわれたシャルリュスは、そこで女たちを従えた悪魔モレルに出会う。モレルは後ろ向きになったと思ったら、ついにガウンを落とし全裸になってシャルリュスを挑発。しっかりとした筋肉のついたステファンの裸体はもちろん美しい。そしていつのまにか彼は裸のままカウチに腰掛け、艶然と微笑む。背中と太もものラインは男性的なのに、少年のような顔がアンバランスでたまらない。

10場では、カード遊びをしている男たちの間に、シャルリュス登場。男たちのキャストがけっこう豪華で、ヤン・サイズやフロリアン・マニュネがいる。シャルリュス男爵は後ろ手に縛られ、転がされたり鞭を打たれたりいたぶられる。あのルグリ様がこんな目に遭ってしまうなんて!中でも屈強なスキンヘッドのハードゲイ風の男が怖い~。それでもなお優雅なルグリというのも凄い。オペラ座の若いダンサーたちはみんな美しいんだけど、毒気はちょっと足りなくて、売春宿でも、怪しげなアパルトマンでも、退廃的な雰囲気は出し切れていないのが惜しい。その中で、一人ルグリだけが、変態だけどエレガントな男爵という役を生きている。

うってかわって、11場はそれまでの暗い背景ではなく、光で満たされた白い背景の中、ほとんどシルエット状態の4人の男女が踊る。戦時下のパリで、地下鉄の通路で繰り広げられる見知らぬ同士の快楽の宴。4人はほとんど裸体で、そのうちの女性ダンサーもバストを露わに踊っているが、シルエットなのでまるで彫刻のようだ。官能的な振付ではあるのだけど、それよりも神秘的で幻想的な世界。ドビュッシーの音楽も美しい。

12場は、白天使、サン=ルーの長く美しいソロで始まる。輝くような美貌のマチューは、しかしここでまた黒い天使モレルの毒牙にかかる。破滅が待っているからこその最後の繊細な輝き、究極の美の体現者はマチューにしかできない役かもしれない。モレルに魅入られた彼は、抗うものの、いつしか光から闇の世界へと連れて行かれる。美しい二人の若者のパ・ド・ドゥは眼福。この「失われた時を求めて」のイメージ写真でも使われている、ステファンがマチューを抱えて天に向けて腕を伸ばしているシーンは、男性をサポートしなければならないとこともあり、非常にハードな振付。しかし、それがモレルの持つ暗黒面のフォースなのだ。光と闇が戦い、闇がすべてを支配する。そうやって、サン=ルーは破滅へと導かれる。フォーレのエレジーの響きの美しく悲しく痛ましいことよ!そしてその音楽と一体化した振付は圧巻。

最後の13場は、大きな鏡が背景に。ステファニー演じるヴェルデュラン夫人が再び登場。あでやかなヴェルデュラン夫人は貴族の生活を享受しているが、死者の群れが舞台を支配し始める。上半身が雄弁なステファニーの表現力は成熟していて見事なもの。死者たちは目の周りを真っ黒に塗っていてゾンビのようで不気味なんだけど、一方で椅子に座ったまままったく動かなくてうつろな表情のマルセル・プルーストもすごく怖い。いろいろな登場人物が走馬灯のように現れては消える。

******

第一次大戦という時代背景の切り取り方、光と闇の戦い、天国と地獄が表裏一体となった構成、そして底知れぬアンダーグラウンドの世界。何よりも音楽の使い方の巧みさ。同性愛的な描写、性描写を思わせるところもあり好き嫌いは分かれると思うけど、完成度は高く、時を超えてほの暗い光を放ち続ける美しい作品だと思う。暗い時代の中で葛藤する人間の機微、心の襞と暗黒、苦しみは、現代にも通じるテーマ。


ProustProust
Roland Petit Ballet De L'Opera National De Paris

2008-03-11
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バレエ&ダンス/Proust: S.romberg Abbagnato Paris National Opera Ballet

2008/03/25

ロパートキナのインタビュー@TimeOut

ニューヨークのTimeOut誌にウリヤーナ・ロパートキナのインタビューが載っていますが、大変興味深いものです。あとで、詳細を載せます。

http://www.timeout.com/newyork/articles/performances/27688/a-swans-way

芸術監督になりたいか、というずばりの質問に対しては、「興味はあるし、自分のキャリアの行き着く先とも考えている」とのこと。ただし、「芸術監督にならなくても、カンパニーの何かを変えることは可能です」。

イワン・コズロフをどのように発見したのか、どう思うのかについても、なかなか意味深な答えをしていますね。「ステージの上でいつも私に対して的確に反応できるパートナーを求めていた」とのことです。「私の物語を表現するために舞台に上がる、その理由を探すことが重要です。それは私だけの物語でもありません。愛の物語を表現するためには、単に私とパートナーがいればいいというものではありません(笑)。だから私と彼はより多くの舞台をともにしているのです」

とても面白い記事なので、残りは後ほど翻訳します。来週からいよいよニューヨーク公演ですね。

2008/03/24

ジリアン・マーフィのサイン会/マリインスキー国際フェスティバル/マリインスキー昇進情報

マリインスキー国際フェスティバルでの「白鳥の湖」も大好評だったABTのジリアン・マーフィがプロモーションのために来日し、4月2日に渋谷のチャコットでサイン会を開くそうです。サイン会だけでなくトークも聴けるとか。詳しくは下記サイトで。

http://abt2008.seesaa.net/article/90719676.html

ABT来日公式ブログには、ジリアン・マーフィ&アンドリアン・ファジェーエフの「白鳥の湖」のレポートも掲載されています(写真入)
http://abt2008.seesaa.net/article/90354141.html
同じABTのアンヘル・コレーラとヴィクトリア・テリョーシキナのレポートも、どうせなら掲載して欲しかったですよね。それともこれから載るのかしら?

なお、
http://www.sptimes.ru/index.php?action_id=2&story_id=25423
において、マリインスキー・国際フェスティバルの批評(ヴィシニョーワ&コールプ、マーフィ&ファジェーエフ)を読むことができます。

話はずれますが、ダンソマニさん情報によれば、テリョーシキナはマリインスキーのプリンシパルに昇進したとのことです。彼女の実力からすれば当然のことですけど。また、ロベルト・ボッレの代役でロパートキナの相手役を務めたエフゲニー・イワンチェンコもプリンシパルに昇進しました。そのほか、下記の通り、ノーヴィコワ、オブラススツォーワ、ソーモワ、ゴールプ、シクリャーロフらがファーストソリストに昇進しています。

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=1073&start=660&sid=e0cbe676ae5e23b4695031ccb8cc9635


Principaux

Viktoria Tereshkina
Evgeny Ivanchenko

1ers solistes

Olesia Novikova
Evgenia Obraztsova
Alina Somova
Irina Golub
Vladimir Shklyarov
Nikita Scheglov

2nds solistes

Yulia Bolchakova
Maxim Zyuzin
Anton Pimonov
Alexander Sergeev

ローザンヌコンクール放映予定

今年のローザンヌコンクールの放映日が決まりました!

今年はコンテンポラリーヴァリエーションがすべてノイマイヤー作品なのが楽しみです。スカラシップ賞の高田茜さんが見られますね。

二時間枠なので基本的に演技のみで、コメント少々という感じだと思いますが。ノイマイヤーさんもちょっとでも登場してくれたらよいですよね。

第36回ローザンヌ国際バレエコンクール 2008
2008年4月27日(日) 15:00〜17:00
NHK教育テレビ

新潟県中越沖地震チャリティガラコンサート、キャスト変更等

芳賀望さんのサイトに掲載されている、「平成19年新潟県中越沖地震チャリティガラコンサート」ですが、キャスト変更のお知らせがありました。レオニード・サラファーノフが出演できなくなったとのことです。「ご予約頂いた皆様には、今一度、ご確認のメール・お電話を差し上げています」ということで、どこかの呼び屋さんには見習って欲しい、丁寧な対応ですね。

キャストの追加として、オクサナ・クチュルク(ボルドーバレエ劇場) イーゴリー・イェブラ(ボルドーバレエ劇場)が加わっています。クチュルクは言うまでもなく、もともとレニングラード国立バレエのソリストで、ボルドーにレンタル移籍になったのがいつのまにかエトワールに昇進して、本移籍になってしまったんですよね。ファジェーエフとの「ドン・キホーテ」を以前見たのですが、素敵でした。そしてイーゴリー・イェブラは、「スペイン情熱のガラ」で「海賊」と「白鳥」(瀕死の白鳥の曲にあわせて踊るソロ)に出演した美形ダンサーです。なかなか日本では観られなくなってしまった二人なので、嬉しいですね。桶川公演は日曜日なので、こっちを観ようかしらと思っています。

それから、演目もアップされています。まだ誰が踊るかは発表されていませんが。
「白鳥の湖」第2幕より/ 「カルメン」より/ 「シェラザード」より/ 「海賊」第3幕より/ 「マノン」より/「バヤデルカ」より/「ロミオとジュリエット」より/ 「ジゼル」2幕より/ ガウチョ/ 「瀕死の白鳥」/ グラン・パ・クラッシック/ 「ライモンダ」より/「くるみ割り人形」より/「ドン・キホーテ」より/ 「イン・ザ・ミドル・オブ・サムホワット・エレベイティッド」
以上の中から会場により、変化します。

ということだそうです。(後日、専用ホームページが開設されます)とのことで楽しみですね。


今日はこの下にもエントリ(ピナ・バウシュ)がありますので、良かったらご覧ください。

3/23 ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団「パレルモ、パレルモ」

演出・振付 ピナ・バウシュ
美術 ペーター・パプスト
衣裳 マリオン・スィートー
共同制作 パレルモ黄金市立劇場
アンドレシュ・ノイマン・インターナショナル

http://www1.ocn.ne.jp/~ncc/pina08/program_a.html

ピナ・バウシュの作品を見るのは、大変恥ずかしいことにまだ2回目なのである。そして、長いこと見ていなかったことに今激しく後悔をしている。上手く口で説明するのはすごく難しいんだけど、この世界観、大好き!

実は恐ろしいことに今朝は大寝坊をしてしまって、起きたら昼の1時だったのだ!前夜にフィギュアスケートの世界選手権の男子フリーを見ていたせいだったのかしら(夢中になって見ちゃった)。新百合ヶ丘まで電車で1時間以上かかるということは調べてあったので、真っ青になった。起きて5分で家を飛び出して、タクシーでJRの駅まで急いだら、なんとかぎりぎりに到着。テアトロ・ジーリオ・ショウワは、昭和音楽大学のキャンパス内にあるので、たどり着くまで結構不安だった。しかも、2階席の2列目を取ったら、手すりがひどく邪魔。最前列だったらもっと最悪だっただろう。新しいホールなのに、この設計は欠陥としか言いようがない。「パレルモ、パレルモ」の舞台機構や演出を許可してくれるホールがあったから、この作品が上演することが可能になったということだけど、次回からは、この劇場の2階1列、2列は絶対に避けなければならない。

舞台の上に大きな壁。これが、轟音を立ててドーンと崩れ落ちる。そしてその瓦礫の間を、ハイヒールで歩く金髪のスリムな美女。花柄のワンピース。舞台の中央に立って、二人の男に、私の手を取って、ハグして、もっとハグしてと大きな声で悲痛に叫ぶ。それから、トマトをぶつけて、顔にぶつけて、と命令する。粛々と黙って従う男たち。美女は顔がトマトまみれになっても美しい。それから、いろいろな寸劇が繰り広げられる。瓦礫の中に置いてあるお皿にある食べ物めがけて走りぺろりと平らげて走り去る犬。口に砂糖を塗りたくり、砂糖をなめてもらうようにキスを要求する女。「これは私のスパゲッティ。絶対にあなたには渡さないわ」とずっと語り続ける女。男たちに支えられて、股間からボトルの水をこぼし続ける女。長い髪の毛で床を掃除する女。みんな、痛いほど人との関係性を求めている。台詞の多くは日本語。先ほどの金髪の女が、飛び降りようとする若い男と群がる野次馬たちが「ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ!」「そして彼はそうしました」と語る話には寒気がした。ただ、さまざまな語りは、思い出を語るものが多かったと思う。雪が素敵だったので冷蔵庫に仕舞った話、もうすぐ死ぬ老犬が、いなくなったと思ったらゴミ箱に入って死んでいた話、花の冠を娘たちが作ってろうそくに火をつけ川に流した話・・・。

とても怪しい男性がいて、アイロンの裏で肉を焼いて食べたかと思ったら服を脱いで水を自分にかけ、泳ぐポーズをする。そして、片目の下に痣を作ったまま、赤いボクシングガウンをまとっている。そのガウンを脱いだら、裸体に羽のストールをかけ、赤いマニキュアを塗り、妖しくしなを作ってトランスセクシュアルな感じ。前半のクライマックスは、アフリカっぽいノリのいい音楽にあわせて、男性、女性がそれぞれバトンタッチしながら踊りまくる。このダンスの動きはすごく速くて激しいけど、見ていて楽しい。それを傍目に、下手に腰掛けた男は羽扇子と戯れ、しなを作り続ける。休憩時間の案内が面白くて、例の妖しい男がまたしなしなと横歩きしながら「休憩」と書いたプラカードを掲げて舞台を横断するのだ。休憩と書いてあるのに、ダンサーたちは疲れを知らないがごとく、次々に激しく踊り続ける。

ここの女性ダンサーたちはすごく魅力的だ。若くはない女の持つ魅力、というか。若いダンサーももちろんいるんだけど。みんなすらりとした体、ワンピースにハイヒールを穿いている。ハイヒールの上のふくらはぎがとてもきれい。ワイングラスを持つさまも素敵。ワンピースもとても可愛い。あんなワンピースを着てみたくなった。机の上にハイヒールを並べた女なんて、すごく絵になる。たくましくて、かっこよくて、でも孤独を抱え、うまくいかないコミュニケーションに苦しみ、弱いところも持っていて、不器用で夢見がちな女たち。こんな女にあこがれる。男たちはみんな優しい。白いシャツとパンツがまた似合う、いい男たち。

後半では、のろのろしないで!写真を撮って!と怒鳴り続ける瀬山亜津咲さんのシークエンスが面白かった。ワイングラス片手、男性にくるっと回されながら写真を撮るの。瓦礫の上で水浴びをしながら裸になっているなぞの男性。ストッキングをかぶって銃を構えた金髪美女。女たちが4人x3列で踊るパワフルなダンスには、鼓舞されるような気がする。それからピアノがたくさん並べられての連弾。男女が一列に並んで連なり、上半身を床に落として進んでいくダンス。イスラム系の男性が、グリム童話のキツネとガチョウの話を日本語で語る。天井からは桜の木が逆さに降りてくる。頭にりんごを載せたダンサーたちが並ぶ。


こうやって舞台の様子を語ってはいるけど、合理的な説明を行うのは難しい。前半では今までの秩序が崩壊し、瓦礫の中の、調和の乱れたまったく新しい世界の中で、苦しみぶつかりあい不器用に葛藤しながらも生きていく人間を描き、後半では、連綿と連なっていく人々の営みと希望を描いている、のかな?2階席だったのでわからなかったけど、舞台に近い席だったら、食べ物の匂い、コーヒーの匂い、瓦礫の砂埃、と五感を刺激されたのだと思う。作品を貫く独特の空気感は2階席までも伝わってきた。

生きる力を与えられる舞台だと思う。壁が崩れた後の瓦解した世界に生きる、あのかっこよく、たくましく魅力的な女たちを心の中に抱えて生きていくことができれば、もうすこし前向きになれるのではないかしら。

次は金曜日に「フルムーン」。楽しみ!

2008/03/23

ジョン・ノイマイヤー トークショー

東京バレエ団の公演が終わってしばらくしてからのトークショー開始。ノイマイヤー氏は翌朝早くに帰国してしまわれ明日の公演は観られないということで、今のうちにダメ出しをしていたとのこと。

聞き手は三浦雅士氏。しかし、三浦氏、自分が聞き手であることを忘れてずいぶんと出しゃばっていた印象。みんなノイマイヤーの話が聞きたくて残っているのに。ノイマイヤーのことが好きで仕方ないっていうファン心理は可愛いともいえるけど。ノイマイヤーは非常にわかりやすい英語でゆっくりと話すので、聞き取りやすかった。

Q)最初の日本文化との出会いは?

N)大学の教授が牧師だったのですが、日本に詳しく、大学で舞台もやっており、ちょうど私も振付を始めたころでした。この教授が日本に3,4ヶ月滞在して研究していたのです。彼は日本について熱心に学び、歌舞伎や能に感激して、特に能には熱狂し、彼によって私の創造的な想像力の中に種がまかれました。

日本文化に関心を持ち、特に文学の中で俳句に関心がありました。大昔だからちゃんと覚えていないのですが、シュツットガルト・バレエで最初に作った作品が日本に関係あるものなのです。日本文学に取り付かれていたので、三島由紀夫の「近代能楽集」からバレエを作りました。バレエの主題として能を使おうと思い、ドビュッシーの10分か12分くらいしかないけど美しい曲を使って振付を始めました。(後で場内で流れますが、「神聖舞曲と世俗的舞曲」という曲だそうです)そして、そこからもうひとつの物語を発明して、発展させていきました。素朴で貧しい女の子が魔法の扇を持っていて、その後ろに隠れると、理想の自分になれて、現実の世界を離れることができるという夢も出てくる、現実も出てくる物語です。最後に彼女は扇を閉じて、現実に直面しなければなりません。ダンスのみでなく強い印象を与えることができた作品で、作品がかもし出す情感に観客が感動してくれたと思います。

Q)どんな風にして音楽を選んだのですか?

N)このバレエは、日本食のレストランにいるときに作ろうと思いました。季節の食材だけでなく、皿で季節を表現していて、日本の感性、ユニバーサルな世界、アートを日常生活のひとつとしてまとめていく感性に感銘を受けました。季節の詩でもって食を表現している。人間と季節の関係についてのバレエです。飾り立てるのではなく、季節で、人生の中で経験する四季を味わうことを表現してみたいと思いました。

音楽についての169曲のリストがありました。ピアニストとともにいろいろな組み合わせを作って行きました。日本の音楽もあったけど、自分が日本人ではないし、日本人のフリはできません。西洋と日本をつなぐような12のセットを作って、最終的に東京に到着したとき、バレエの流れに沿って作りました。理論で作るものではありません。合理的な順番はありますが、生のダンサーと触れ合って、リアクションによって作っていくので変わっていきます。12つのリストも、振付の作業中に変化しました。

Q)音楽を聴いただけでも身体の動きを見ることができるのでしょうか?

N)音楽が振付の中で最も重要なパートナーです。音楽が私を動かしてくれない限り、振付を行うことはできません。自分が動けて初めて振付ができるし、椅子から立ち上がれるかどうかが基準となります。実際に私は音楽を聴いて立ち上がるのです。

Q)東京バレエ団のダンサーと仕事をして最初に感じたことは何ですか?

N)最初は難しかったです。創造は会話のようなもの。ダンサーと話したり対話をしたりして振付を行うことはしません。即興で創り、自分自身が動いて作ります。ダンサーがそれを見て、私を動かしている心の動機を見て欲しいと思います。私の鏡になって欲しいのです。鏡が私に質問をして欲しくはありません。振付を発見して欲しいのです。創作とは、レシピを読むものではありません。何が入っているのかわからないからです。振付とは、何も知らないということです。知らないからこそ、振付を行うのです。多くの日本のダンサーにとってそれは難しいことのようです。
高岸、斎藤は「月に寄せる7つの俳句」で一緒にやっているので経験があって、どういう風に対話をしていくのがわかっているので助かりました。生きている限り、私のバレエも生きていなければならない。書かれた本ではなく、現在形に生きているのであり、このパフォーマンスに生きているのです。ダンサーは一つ一つのパフォーマンスを再生しなければなりません。このバレエを再発見した人もいれば新しいと思う人もいます。再び命を吹き込むこと、張り詰めた、研ぎ澄まされた息を吹き込むのがダンサーの仕事です。3人のプリンシパル、木村、高岸、斉藤は経験があったので覚えていたよりも深く円熟して美しかったので驚きました。

ハンブルク・バレエは来年2月に来日します。まだプログラムは決まっていませんが、デンマーク・ロイヤル・バレエのためにつくり、2007年の夏にハンブルク・バレエのために修正して上演した「人魚姫」を上演したいと思います。この作品には、日本のシアターの要素があります。もうひとつは何も決まっていませんが、ハンブルク・バレの古典かもしれません。(ここで三浦氏、個人的には「椿姫」が観たいという。ノイマイヤーでないと見られない作品なので、彼がいるうちに絶対に観たいと。別に彼がすぐ死んでしまうと言っているわけではありませんが、と。大きなお世話だと思いますが) 

東京バレエ団に創る新作については、長いことプロジェクトがあって話し合っていますが、正確なことはまだ言えません。

*****

英語と日本語の両方を聞きながら書き取ったので、間違っているところもあるかもしれませんが、大体こんな内容でした。面白かったです。特に、創作の過程の話はとても興味深かったです。東京バレエ団のダンサーさんによると、ノイマイヤーさんは今でも、自分で身体を動かして踊って見せてくれるし、自分の作品に対する愛情がとても強いので、厳しいけどきちんとやる方なのだそうです。

2008/03/22

ハンブルク・バレエ2009年2月来日

今日、東京バレエ団のノイマイヤー・プロを見て来ました。終わった後のトークショーで、ノイマイヤーが、来年2月にハンブルク・バレエが来日すると話していました。

演目は未定ですが2007年の新作「人魚姫」になる可能性が高いとのこと。他の演目については、ハンブルク・バレエの古典になるかも、ということだそうです。

トークショーの内容は面白かったので後ほど記事にしますね。

去年ハンブルクでの初演のチケットを取ったのに仕事が休めず、泣く泣く無駄にした「人魚姫」が日本で見られるとしたら嬉しいです!

ドレスデン・バレエ2009年5月来日

ドレスデン・バレエの日本人ダンサー、浅見紘子さんのブログがなかなか面白いのですが、すごいお知らせがありました。

ドレスデン・バレエが2009年5月に来日するのだそうです。東京がオーチャードホール、名古屋・大阪は未定。演目はAプロが「眠れる森の美女」または「ジゼル」、Bプロがフォーサイス、バランシンなどのミックスプロでとのことです。

ドレスデン・バレエは元ハンブルク・バレエのイリ・ブベニチェクや、元マリインスキーのドミトリー・セミオノフ(ベルリンに移籍したらしいけどまだ名前が残っている)、ナタリア・ソログーブ、そして竹島由美子さんが去年移籍して一気に豪華なメンバーになったカンパニーですね。浅見紘子さんをはじめ、木本全優さんなど、日本人ダンサーも多数所属しています。
http://www.semperoper.de/en/ballett/company.html

「ジゼル」はレジデント・コレオグラファーのデヴィッド・ドーソン振付作品で、来シーズンの新作。ギャラリーの美しい写真は、竹島由美子さんです。
http://www.semperoper.de/en/ballett/premieren_20072008/giselle/giselle_galerie/from/53201.html

楽しみですね~。イリ・ブベニチェクが観られるのも嬉しいし、竹島さん、そして身長177cmの浅見紘子さんの踊りももちろん楽しみです。

2008/03/21

3/16 新国立劇場「アイーダ」

新国立劇場のゼッフィレッリ演出の「アイーダ」は豪華絢爛なプロダクションに定評があり、オペラに詳しい友人より、ミラノ・スカラ座のゼッフィレッリによる「アイーダ」(ロベルト・アラーニャ主演、ロベルト・ボッレがバレエのシーンで出演しているDVDが出ていて、一応観ている)よりも良いと言われたので、せっかくアトレ会員になっているんでと思ってチケットを取ってみた。それほど良い席が取れたわけではないし、お金もないのでB席にしたんだけど、会員でもチケットが取れなかったほどの超人気プロダクションだったようだ。(余談だけど、初日には小泉元首相、私が観た日には福田首相が観に来ていたとのこと。福田さん、こんなところに来る暇があるんだ・・・)

休憩3回(各25分)を含めて上演時間は4時間超。一人で来ていたこともあって、なんだかぐったりと疲れてしまったわ。

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【指 揮】リッカルド・フリッツァ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【再演演出】粟國 淳
【照 明】奥畑 康夫
【振 付】石井 清子
【舞台監督】大仁田 雅彦


【アイーダ】ノルマ・ファンティーニ
【ラダメス】マルコ・ベルティ
【アムネリス】マリアンナ・タラソワ
【アモナズロ】堀内 康雄
【ランフィス】アルチュン・コチニアン
【エジプト国王】斉木 健詞
【伝令】布施 雅也
【巫女】渡辺 玲美

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
 2幕2場ソリスト:橘るみ、小林洋壱
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【管弦楽】東京交響楽団

ラダメス役のマルコ・ベルティ、写真ではかっこいいけど実物はおっさん。でも、声はふくよか、豊かで甘く艶があり、高音もきれいに出ていて声量も十分の理想的なテノール。冒頭の「清きアイーダ」を聴いてすぐに実力のほどがわかり、3階席からもブラヴォーの嵐。素晴らしかった!正直言って新国立劇場でこれだけ上手いラダメスが聴けるとは思わなくて、彼の声だけでもう大満足。機密を漏らしたかどで捕まり、アムネリスに助けてあげますと言われても断固拒否する強さも見事だったし、ラストのアイーダと弱音で切々と歌い上げるところも心を打った。機会があればぜひまた彼が歌うのを聴きたいものだと思った。アイーダ役のファンティーニも、高音がきれいで見た感じも悪くなく、良い歌手。ただ、「アイーダ」という作品は個人的には、アムネリスの方がずっと複雑な役で、役柄として面白いんじゃないかなって思うのよね。激しい嫉妬、怒りから最後には恋人たちの幸せを祈り、そして一人取り残される孤独。アムネリスのタラソワは、姫君の役が良く似合うスリムで華やかな美女。アムネリスはメゾといっても、特に4幕では高音を出したりかなり激しい表現を見せるしキャラクターも複雑なので、強い印象のパート。特に冷酷な神官たちとのやり取りは印象的だった。1幕の主役三人による重唱も聴き応えたっぷり。それから、ラダメスを愛しているアムネリスが、2幕でアイーダを問い詰めるところの迫力も凄かった。エジプト国王の斉木健詞さんは堂々としていて太い声で外国人の主役3人に負けていない存在感。
アモナズロ(アイーダの父)の堀内康雄さんは演技が達者。作品全体を引き締めていた。

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でもこのプロダクションの凄いのは、やっぱり2幕の凱旋の場面でしょう!私もそれほどオペラは何回も観ているわけではないので、比較対象はあまりないんだけど、それにしても、目の前でこれほどの大掛かりでゴージャスな舞台が繰り広げられているのを観ることができるとは!思わず隣の席の人も「凄い」と声に出していたほど。エジプトっぽさ、自然光の感じを出すために紗幕を使っていたみたいだけど、なかったほうが良かったようだ。斜めのレイアウトといい、奥行きのある新国立の舞台がさらに奥行き深く見えるのはよかった。

舞台の上は300人ほどいただろうか。古代エジプトを再現した黄金の像、頭飾りをつけた男性コーラスの大群、女性コーラスでぎっしり。広い舞台が狭く見えるほど。斜めに横切る隊列。そして、2頭の馬(本物)。そのうち1頭にはラダメスがまたがっている。そういえばボリショイの「ファラオの娘」でも本物のお馬さんが出てきたけど、道産子だったなあ、あれは。そして定評ある新国立劇場の合唱も分厚くて素晴らしい。ここは女性より男性の合唱の方がレベルが高い気がする。これぞスペクタクル!

1幕にも巫女の役でバレエダンサーが10人くらい登場していて、踊るというほどではないのだけど、オペラ歌手の中にいると華奢で美しいなあ、と思った。そして2幕では、東京シティバレエ団、石井清子さんの振付によるバレエ。黒人の踊りなので、男性も女性も黒塗りに黒い全身タイツ着用なのだけど、ひとつのグループだけ、黒く塗っていない女性ダンサーたちがいる。真ん中を踊るのが、ベージュの全身タイツに小さな面積の衣装をつけた橘るみさん。美人だし色っぽくてすごく華がある。奴隷たちの踊りなのだと思うのに、女王然としていて男性たちにリフトされたりする。小柄なのに踊りが大きい。パートナーは小林洋壱さん。こちらは黒塗りしているけど、長身でかっこいい。迫力ある踊りを見せてくれて、バレエパートも大満足。

2幕の絢爛豪華さも印象的だし、3幕でアムネリスが水を湛えた川の中を舟で進んでいく幻想的なシーンも美しかったけど、アイーダの白眉は4幕だと思う。捕らえられたラダメスと、愛を訴えるアムネリスのやりとりもそうだけど、裁判のところの、「ラダメース!ラダメース!ラダメース!」って呼びかけられるところの、背筋が寒くなるような恐ろしさ。罪状が読み上げるたびに絶望するアムネリス。アイーダは死んだと思って、希望を失ったラダメス。アムネリスが血も涙もない神官たちに呪詛の言葉を投げかける激しい歌の応酬、そして生き埋めにされたラダメスとアイーダが迎える(穏やかな)最期。せり上がっていき、地上で二人の冥福を祈るアムネリスと、地下の墓に閉じ込められた二人の姿を同時に見ることができる舞台装置が凄い。しかも、二人の死とともに、舞台がどんどん下がっていくところにも驚いた。

長くて疲れたけど、マルコ・ベルティをはじめ主役3人が充実していて心に残る歌を聴かせてくれたし、ゴージャスな舞台、分厚く迫力のある合唱隊、さらに東京交響楽団の演奏も素晴らしく、グランドオペラの魅力を存分に味わうことができて大満足。これで1万5千円は安い!と思ったほど。発売即完売になるのも納得!


ヴェルディ/Aida: Zeffirelli Chailly / Teatro Alla Scala Alagna Urmana

2008/03/20

ロイヤル・バレエ 2008/2009シーズン

ロイヤル・バレエ 2008/2009シーズンが発表されました。

10/4~、2/27~ Swan Lake (Dowell's Prod)
10/11~ Manon (McMillan)
10/28~ Serenade/L'invitation au voyage/Theme & Variations (Balanchine Corder/Balanchine)
11/13~ The Lesson/Voluntaries/New McGregor (Flindt/Tetley/McGregor)
11/29、,5/27~ Ondine[/i] (Ashton)
12/15~ The Nutcracker (Peter Wright's Prod)
1/13~ La Bayadère (Makarova's version)
1/31~ Seven Deadly Sins/Carmen/DGV (Tuckett/Ek/Wheeldon)
3/11~ Isadora/Dances at a Gathering (McMillan/Robbins)
4/6~ Giselle (Peter Wright's Prod)
5/4~ Les Sylphides/NewMarriott/The Firebird (Fokine/Marriott/Fokine)
6/9~ Jewels (Balanchine)

全幕では白鳥、マノン、くるみのみキャストが発表されています。

注目のキャストとしては、まず、12月15,19日吉田都さん&ボッネリの「くるみ割り人形」です。 都ちゃんが現役のうちに一度はロイヤルでくるみが見たいんだけど、この時期は難しいかなあ・・。
それから、チェ・ユフィさんの金平糖の精デビュー!しかも相手役は王子デビューのスティーヴン・マックレーです。
まだ入団してそんなに経っていないセルゲイ・ポルーニンくんもくるみの王子デビューです。
マノンでは、モレーラ/ペンファーザー/マックレーというトリオのデビューや、マルケス/プトロフのマノン&デグリューデビュー。ワトソンのデグリューデビュー。白鳥ではアンサネッリのオデット/オディールデビューなど、新人の起用が目立ちますね。

しかし新作は少ないです。マクレガーとマリオットが各1作ずつのみ。

http://info.royaloperahouse.org/News/Index.cfm?ccs=1200

******

全然話は変わりますが、マリインスキー・フェスティバル、21日にロパートキナとの共演が予定されていたロベルト・ボッレが降板して代役にイワンチェンコ。ロビーに何があったのか、とても心配です。
http://www.mariinsky.ru/en/afisha/20080321-1-1900

フィガロ・ジャポン「秘密のパリ観光案内」

フィガロ・ジャポン4月5日号の特集は「秘密のパリ観光案内」。「この街に暮らす37人のクリエイターに、超プライベートな旅の案内役をお願いしました」というわけで、とっておきのパリを案内してくれるメンバーの中に、オペラ座のマチュー・ガニオがいました。

http://madamefigarojapon.hankyu-com.co.jp/

マチューは、パザージュと呼ばれる、ガラス屋根で覆われた商店街を紹介。なかでもお気に入りの3つのパサージュを案内してくれています。モザイクや石でできた床、ガラス屋根から差し込む自然光、レトロな雰囲気が素敵なパザージュに、マチューはとても似合います。本や建築にとても関心があるようですね。彼が写っている写真は2枚だけですが、エルメスのシックなジャケットを着ていて、とても知的で絵になっています。

知られざるパリを知ることができるのと同時に、別冊の地図やホテル、レストランの案内もあるので、パリに行く予定がある人や、予定はなくてもいつかはオペラ座を現地で観たいと思っている方にお勧めです。

また、隔号で連載されている「パリ・オペラ座バレエ物語」はオペラ座学校をフィーチャー。プラテル校長のインタビューをはじめ、ここでもマチューが登場。彼は今は7人の生徒のプティ・ペール(代父)なのだそうです。5年生の時にはもう"子供"を持ったそうで、「オーロラ」に主演したマルゴ・シャトリエもその一人だったそうです。

オペラ座学校の厳しい一日、学校公演の写真、そして来年予定されているオペラ座学校の来日公演で上演される「スカラムーシュ」「ヨンダリング」そしてジャン=ギョーム・バールが振付けた「青春の扉」の作品紹介も。ガルニエでの学校公演は、4月の12~14日、そして19日に行われるとのこと。さらに、生徒たちの健康管理に重要な食事の話も。しっかりとした栄養指導を受けられるのがいいですね。

それにしてもこの連載は充実した内容です。いずれ一冊の本にまとめて欲しいですよね。

*****
オペラ座のサイトで、正式に2008年/2009年シーズンの演目発表がありました。
http://www.operadeparis.fr/Saison-2008-2009/Ballets.asp

来シーズンから、チケット代が値上げになってしまうそうですね。ユーロ高に加えて値上げとはまたお財布に厳しいことを・・・。

*****
ついでなので。ダンソマニさんで紹介されていましたが、フランス3で3月15日にヌレエフ版の「白鳥の湖」を放映したときに一緒に放映された、ローラン・イレールとアニエス・ルテステュのインタビュー動画を観ることができます。フランス語なので何を言っているのか全然わかりませんが。

ローラン・イレール
http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=opera&id_rubrique=43&id_video=162

アニエス・ルテステュ
http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=opera&id_rubrique=43&id_video=163

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2008/03/19

夏ガラいろいろ/ファジェーエフ、法村友井バレエ団「眠り」に客演

球面三角のunoさんより教えていただきましたが、

芳賀望さんのサイトより
http://www.nozomu-haga.net/bn-news.html
こんな豪華な出演者のガラの予定がアップされています。

◆「The 1st Prouds and Hopes of JAPAN Gala 2008」      
公演日:8月13日(水)横浜関内ホール
     8月15日(金)目黒区目黒パーシモンホール

開演時刻、チケット料金、チケット発売日は、決まり次第、お知らせします。
      
【出演予定ダンサー】
酒井 はな(新国立劇場)・中村 祥子(ベルリン国立バレエ)・芳賀 望・
寺島 まゆみ(新国立劇場)・山本 帆介(サンフランシスコ・バレエ)・中村 恩恵
秋山 珠子(スペイン国立ダンスカンパニー)・Jason Reily(シュツットガルト・バレエ) ・
Gennadi Saveliev(ABT) ・加治屋 百合子(ABT)・門 沙也香

クラッシック、コンテンポラリー、Hip Hopなどジャンルをこえた舞踊家の祭典です。
芸術監督には、レイモンドレベック氏(エッセンバレエ団・バレエマスター)を招き、
若手ダンサーには、クリスチャンスプーク氏(シュトゥットガルトバレエ団振付家)が、
新しい作品を振付けます。ぜひ、ご期待下さい。
     
問い合わせ先:Amazing Arts  川西 080‐3207‐3132 後日、専用電話が設置。

芳賀望さんといえば、もう一つガラが予定されていますね。

◆「平成19年新潟県中越沖地震チャリティガラコンサート」
      8月24日(日) 奈良県百年会館 (奈良県)
      8月27日(火) 新潟テルサ   (新潟県)
      8月30日(土) 桶川市民ホール (埼玉県)
      9月1日 (月)  新宿文化センター(東京都)

【出演予定ダンサー】New)3月15日現在
 ガリーナ・ステパネンコ (ボリショイ劇場) 
 アンドレイ・メルクリエフ(ボリショイ劇場)
 イリヤ・クズネツォフ  (マリインスキー劇場)
 レオニード・サラファーノフ (マリインスキー劇場)
 シリル・ピエール (ミュンヘン・バレエ)
 リサ=マリー・カラム (ミュンヘン・バレエ)
 デニス・マトヴィエンコ (ミハイロフスキー劇場) 
 アナスタシア・マトヴィエンコ (ミハイロフスキー劇場)
 アンナ・パシコワ (インペリアル・ロシアバレエ団)
 エレーナ・コレスニチェンコ (インペリアル・ロシアバレエ団) 
 キリル・ラデフ (インペリアル・ロシアバレエ団)
 高橋晃子(ロシアクラッシック・バレエアカデミー)
 大嶋正樹 (東京バレエ団)
 さいとう美帆(新国立劇場)
 芳賀望(フリー)
芸術監督:ゲジミネス・タランダ(アーツ企画招聘アーティスト)
企画・制作:アーツ企画   お問い合わせ: arts_planning_2008@yahoo.co.jp

********

◆井上バレエ団の夏公演の情報も掲載されました。
http://www.inoueballet.net/news/
【日時】2008年7月12日(土)午後6時開演/13日(日)午後3時開演
【会場】文京シビックホール
【演目】
『コンセルヴァトワール』、『ゼンツァーノの花祭り』(A.ブルノンヴィル振付)
『ヴァリアシオン』(セルジュ・リファール振付)
『グラン・パ・エスパニョール』(関直人振付)

【出演】
エマニュエル・ティボー(パリ・オペラ座)トーマス・ルン(デンマーク王立バレエ団)セバスチャン・クロボーグ(デンマーク王立バレエ団)
藤井直子/島田衣子/井上バレエ団

【チケット】
S席9,000円/A席7,000円/B席5,000円/C席3,000円 キトリ席16,000円/バジル席13,000円
☆キトリ・バジル席はそれぞれS席・A席に相当するチケットを2枚1組で販売するお得なチケットです。
(すべてのチケットは5月7日より前売開始!)

********

豪華なゲストが出演する公演には、こんなものもあります。

◆法村友井バレエ団 眠れる森の美女 
6月14日(土)大阪フェスティバルホール
http://www.homuratomoi.com/nextinfo3.html
デジレ王子役をアンドリアン・ファジェーエフ(マリインスキー劇場)が踊ります。オーロラは法村珠里さん。

◆松本道子バレエ団 白鳥の湖
5月18日(日)18時 愛知県立芸術劇場
http://www.balletmm.jp/2008_swan.htm
王子役をダニーラ・コルスンツェフ、道化を東京バレエ団の大嶋正樹さんが踊ります。

麗しいファジェーエフ王子や誠実なダニーラ王子が見られるのはいいですよね~。時間とお金さえあれば観にいきたい公演です。東京のバレエ団は最近なかなかこれという魅力的なゲストを呼ばないですよね。

ヨハン・コボーのインタビュー/ゼナイダ・ヤノウスキー

オペラ座のシーズンラインアップ発表に続き、19日には、ロイヤル・バレエのシーズンラインアップが発表される予定です。それに関連してか、イギリスのTelegraph紙に載っていたヨハン・コボーのインタビューがとても面白かったです。

http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=/arts/2008/03/17/btkobborg117.xml

現在のロイヤルの芸術監督であるモニカ・メイスンの任期は2010年までだったのですが、これがオリンピックが開催される2012年まで延長されたそうです。その頃には、もうメイスンも70歳近くになっており、ロイヤル・バレエも近年レパートリーの冒険が少ないという批判も受けておりました。シルヴィ・ギエムがロイヤルを去ったのも、保守的なレパートリーに嫌気が差したからということです。現状では、古典演目は20回ずつ上演され、演目の数はかつての14から今シーズンの11に減らされています。そして、今まで5、6演目あった新作も今シーズンは2つしかありませんでした。2012年までメイスンの任期が延長された真意はどこに、という時に、それは次期芸術監督を誰にするかという話に関連しているのではないかという推測が成り立っています。そして、その最有力候補が、ヨハン・コボーというわけです。

知らなかったのですが、コボーは実はバレエは10代後半に学び始めたのであって、それまでは子役として、そして歌手として活動していたそうです。彼は本格的にオペラを学んでおり、素晴らしいテノールの歌声の持ち主なのだそうで。バレエを学び始めてからわずか1年でデンマーク・ロイヤル・バレエに入団するという天才振りを発揮したのですね。

コボーはアシュトン作品での品格や洗練もさることながら、マクミランのドラマティックな作品での役柄への没入に多くの観客は魅せられて来ました。英国人ではないのに英国好きのテイストを持つ彼は、英国バレエレパートリーの理想的なダンサーとなり、パートナーのアリーナ・コジョカルとともに、世界中の劇場にゲスト出演を重ね、よそ者に厳しい目を持つボリショイやマリインスキーでも好評を勝ち得てきました。そんなコボーも6月には36歳となり、怪我をすることも多くなってきたのです。

ロイヤル・バレエとボリショイ・バレエでコボーが振付けた「ラ・シルフィード」は、観客だけでなくダンサーたちにも絶賛されました。さらに、ニコライ・ツィスカリーゼ、アンヘル・コレーラ、イーサン・スティーフェルとの「Kings of the Dance」では、5つの新作を引っさげてツアーを行いました。

モスクワでのインタビューで、コボーは、この「Kings of the Dance」では、ひとつのショーでロイヤル・バレエのここ10年間における1年間のプログラムよりもずっと創造性が発揮されたと語っています。そして、ロイヤル・バレエがいますぐに必要としているのは、創造性を注入することであると。「パリ・オペラ座を別にすれば、ロイヤル・バレエほどやりたいことができる劇場はない。多くの人たちが運営したがっているし、世界で最も安定した劇場だ。「くるみ割り人形」ばかり上演して生き延びる必要はないんだ」と語ったコボーは、「メイスンの後継者になりたいのか」との質問に対して、「もし、運営して欲しいと聞かれたら、間違いなくイエスと答えるだろう」と明言しました。

実はコボーは、デンマーク・ロイヤル・バレエの芸術監督というオファーを断ったばかり。小さな国の、250年の伝統があるバレエ団ではなく、ロイヤルで違ったことがやりたいと。それは「遺産」ではない。「ロイヤル・バレエはまだ設立されて75年の若いカンパニーで、創立者はまだ生きている。ロイヤルの伝統は創造的であることで、新しい振付や新しい才能を見つけることこそがロイヤルの伝統だ」

ロイヤルのメジャーな作品は他のカンパニーで踊られており、たとえばマクミラン作品はABTでも踊られており、ABTは外国人のダンサーによって構成されたカンパニーなのでロイヤルと何も違っているところはないと。

近年、ロイヤル・バレエにおいて英国の才能が伸びてきていないという意見に対しては、ロイヤル・バレエが英国産の才能を捉えられるほど、時代に追いついていないことこそが問題であるとコボーは考えているそうです。カルロス・アコスタが自身のプロデュース公演を行ったり、シルヴィ・ギエムとバレエ・ボーイズのプロジェクトといい、新しいことをやろうとしているダンサーはたくさんいるのに、今のロイヤルにそれを受け止められる度量がない。コボーは、年間7作品の新作を上演しているサドラーズ・ウェルズ劇場でもプロジェクトに取り組む予定とのこと。

良いダンサーは、短い現役時代を退屈に過ごしたくないわけであり、ロイヤルが抱えている問題は、一刻も早く解決されなくてはならず、何よりもメイスンの後継者は早いうちに決めなければならない。それに、2012年にはオリンピックが開催されるため、ロイヤル・バレエに差し向けられる予算が大幅にカットされる可能性も高いのです。

バレエは、生きている芸術であり、コンスタントに新しい燃料を供給されなければならない、とこの記事は結んでいます。2012年までメイスンが芸術監督を続けることは、理にかなったことではなく、ロイヤルを再び活性化させる機会が失われてしまう可能性が大きいと。

**********

さて、そのロイヤルを代表するバレリーナであるゼナイダ・ヤノウスキーですが、オペラ界のスターであるサイモン・キーンリーサイドと結婚しています。めでたくご懐妊されたそうで、現在11週なのだそうです。ロイヤルでゼナイダ主演の「シルヴィア」を観て来たGromitさんに教えていただきました。

http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/columnists/columnists.html?in_article_id=536274&in_page_id=1772&in_author_id=230

A ballerina's pregnant pause

As a principal dancer at the Royal Ballet, Zenaida Yanowsky knows that every step on stage has to be carefully rehearsed.

So when on Saturday night she decided to tell her dance partner David Makhateli she was pregnant, she waited until the curtain came down.

The pair are starring in the technically challenging Sylvia at the Royal Opera House. And Zenaida, 32, who is married to the opera singer Simon Keenlyside, has kept her 11-week pregnancy secret to all but a handful of people in the company.

"She didn't want to put David off with so many lifts in the show, so it was all kept hush-hush," an Opera House insider tells me. "She told him as the curtain fell, which was why David gave her such a big kiss as they took their curtain calls."

というわけで、喜ばしいニュースです。しかし、ロイヤル・バレエの7月の来日公演、ゼナイダは「シルヴィア」に主演する予定ですが、難しそうですね。まだNBSから発表は何もありませんが。ゼナイダの日のチケットを取っているので、気になるところです。

2008/03/18

パリ・オペラ座2008/2009ラインアップ発表

AROP会員向けの発表がありました。
取り急ぎダンソマニさんよりコピペします。
http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=3463&start=15&sid=813bea895e6aea73519d020bbcc69634

New-York City Ballet NYCBパリ公演

- 1er programme:
George Balanchine: Divertimento n°15, Episodes, Valses de Vienne
11 et 13 septembre

- 2ème programme
George Balanchine: Sérénade, Symphonie en 3 mouvements
Jerome Robbins/Twyla Tharp: Brahms/Haendel
10 et 12 septembre

- 3ème programme
George Balanchine: Duo concertant
Peter Martins: Hallelujah Junction
Christopher Wheeldon: After the Rain
Jerome Robbins: Dances at a Gathering
13, 16 et 20 septembre

- 4ème programme
Christopher Wheeldon: Carousel (A Dance)
George Balanchine: Tarentella
Peter Martins: Barber Violin Concerto
Jerome Robbins: West Side Story Suite
19, 20 et 21 septembre

- Gala NYCB/Ballet de l'Opéra de Paris
George Balanchine: Apollo, Sonatine
Jerome Robbins: Suite of Dances
George Balanchine: Symphonie en ut
18 septembre

9月18日のガラには、オペラ座のダンサーも出演します。
***

Soirée-hommage à Jerome Robbins ジェローム・ロビンスへのオマージュ(ミルピエの新作あり)
En Sol
Triade (création mondiale de Benjamin Millepied)
In The Night
The Concert
du 20 au 30 septembre

***

José Martinez ジョゼ・マルティネスの新作
Les Enfants du Paradis (Création mondiale)
du 21 octobre au 8 novembre

***

Rudolf Noureev ヌレエフ ライモンダ
Raymonda
du 1er au 31 décembre

***

Soirée-hommage à Maurice Béjart モーリス・ベジャールへのオマージュ これが死か/火の鳥/春の祭典
Serait-ce la mort?, L'Oiseau de Feu, le Sacre du Printemps
du 9 au 31 décembre

***

Démonstrations de l'Ecole de Danse パリ・オペラ座学校
30 novembre, 7 et 20 décembre

***

Spectacle de l'Ecole de danse
Péchés de Jeunesse
La Somnambule
Yondering
du 2 au 9 avril

***

Compagnie invitée: Ballet National de Chine 中国国立バレエ

- 1er programme
Le Détachement Féminin Rouge 赤軍女子分遣隊
5, 6 et 7 janvier

- 2ème programme
Sylvia (Louis Mérante) シルヴィア
9 et 10 janvier

***

Soirée Lifar/Petit/Béjart リファール/プティ/ベジャール 白の組曲・アルルの女・ボレロ
Suite en Blanc
L'Arlésienne
Boléro
du 31 janvier au 14 février

***

Angelin Preljocaj ル・パルク
Le Parc
du 6 au 19 mars

***

John Neumeier ノイマイヤー マーラー交響曲第3番
3ème Symphonie de Malher
du 13 mars au 11 avril

***

Soirée Jeunes Danseurs 若いダンサーの夕べ
26, 27 et 28 mars

***

John Cranko クランコ オネーギン
Onéguine
du 16 avril au 20 mai

***

Programme Emanuel Gat/Nacho Duato/Angelin Preljocaj  Emanuel Gat/ドゥアト/プレルジョカージュ 新作/ホワイト・ダークネス/MC14/22
Hark! (création mondiale)
White Darkness
MC14/22
du 29 avril au 17 mai

***

Roland Petit プティ プルースト
Proust ou Les Intermittences du Coeur
du 27 mai au 8 juin

***

Frederick Ashton アシュトン ラ・フィユ・マル・ガルデ
La Fille mal gardée
du 27 juin au 15 juillet

純粋な古典はライモンダだけ、半古典がラ・フィユ・マル・ガルデとオネーギンですね。オネーギンにはきっとルグリさんが出ることでしょう。

ライモンダとオネーギンはきっと日本から見に行く人が多いでしょうね。コンテンポラリーもあまり奇抜な作品はなく、新作もジョゼの作品とミックスプロのミルピエ、Emanuel Gatくらいです。私はプルーストが観たいですけど観にいけるかな?Emanuel Gatさんはイスラエルの振付家なのですね。2006年のリンカーンセンターフェスティバルに出演しています。
http://www.emanuelgatdance.com/
http://www.gatgat.com/EgatEN.asp

SWAN MAGAZINE 2008 春号 VOL.11 

SWAN MAGAZINE 2008 春号 VOL.11は、ベジャール追悼号です。1979年にジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」を観て大きな衝撃を受けたという有吉京子さんが、愛と感謝、惜別を込めて彼を語ります。

ベジャールに触発されたという「ニジンスキー寓話」の美しいイラストや、79年にブラッセルに「春の祭典」「火の鳥」「ドン・ジョバンニ」を観に行ったり、ジョルジュ・ドンらのレッスンを見学した時のレポートを再録しています。もちろん、ベジャールを語るには欠かせない小林十市さんのインタビューも。

「ダンスマガジン」は別冊でベジャール追悼特集号を出していますが、本誌でこれだけの特集を組んだところは他にないと思います。

安珠さんによる巻頭グラビアは、ベジャール作品に定評のある東京バレエ団の中島周さん。本当に彼は麗しいですね。。。日本のバレエ界でもこれだけの美貌の持ち主はそうそういないでしょう。

エトワールに昇進したばかりのドロテ・ジルベールのインタビューがありました。昔から踊りたいと思っている「ロミオとジュリエット」を日本の観客の前でいつか踊りたいということですが、ヌレエフ版の「ロミオとジュリエット」、ぜひオペラ座に持ってきて欲しいですね。ルディエールの再来といわれるドロテなら、きっと似合うと思います。べストパートナーであるルグリが引退するため、エルヴェ・モローやニコラ・ル・リッシュ、マチュー・ガニオらと組む機会が出てきたそうで、特に経験の豊富なニコラから多くを学んでいるそうです。

それから、海外で活躍する日本人ダンサーということで、ライプチヒ・バレエの大石麻衣子さん、ボストン・バレエの倉永美沙さん、そしてアメリカ、フロリダ州のサラソタ・バレエの武市京子さん、河島真之さんのインタビューが載っています。この本の記事ではないのですが、倉永さんが所属するボストン・バレエは、経営が立ち行かなくなっており、9人のダンサーをリストラするほか、プリンシパル2人が退団するようですね。(別稿にて取り上げる予定)。レイオフされる9人はコール・ド所属らしいので、倉永さんは大丈夫だと思いますが。ついでにボストン・バレエのサイトを見ていたら、牧阿佐美バレエ団などの公演で活躍していたアルタンフヤグ・ドゥガラーがいつのまにかボストン・バレエに移籍していたんですね。しかも牧では主役も踊っていたのに、こちらではコール・ド。

2004年ローザンヌコンクールに出場したアンドレエ・ピーサレフのインタビューも。通訳は、キエフ・バレエの寺田宣弘さん。アンドレエ・ピーサレフは、往年の名ダンサー、ワジム・ピーサレフ&インナ・ドロフェーエワの息子さんで、YAGPでも1位となった21歳。甘いマスクの持ち主です。父が芸術監督を務めるウクライナのドネツク・オペラ・バレエ劇場に所属。ドネツク・バレエは、寺田宣弘さんの出身校である寺田バレエ・アート・スクールと交流を行っているのですね。DDDにも紹介記事が載っていましたが、12月の寺田バレエとの交流公演では、エレーナ・フィリピエワも出演していました。

8月24日(日)小平大ホールで開催される寺田バレエ・アート・スクール東京教室発表会、8月30日(土)びわ湖大ホールにて行われるスウツゼントクラス・コンサートに、アンドレエ・ピーサレフは出演するそうです。

有吉京子さんの連載「まいあ」では、パリ・オペラ座学校の学校公演が新国立劇場で行われるという設定になっていました。現実にはありえない話なのでちょっと笑ってしまいました。学校公演の上演演目が「二羽の鳩」で、扉絵が、「ボレロ」のシルヴィ・ギエムに良く似たイラストなので、思わずにやり。

SWAN MAGAZINE スワン・マガジン vol.11 2008 春号SWAN MAGAZINE スワン・マガジン vol.11 2008 春号
有吉 京子

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2008/03/17

ミハイル・バリシニコフによる写真展

あのミハイル・バリシニコフは、写真が長年の趣味だったのですね。そして、彼の写真展がニューヨークで開催されます。

http://www.nydailynews.com/entertainment/arts/2008/03/16/2008-03-16_mikhail_baryshnikov_has_a_lens_on_dance.html

25年前に写真を始めたというミーシャは、ダンスを撮影しようとは思っていなかったのだけど、2006年にドミニカ共和国に旅した時に初めてダンスの写真を撮り、個展を開いたそうです。そして、今度は、振付家マース・カニンガムと彼のカンパニーを撮影したとのこと。何ヶ月もの間、ドレスリハーサルに密着したそうです。「マースの振付は難しいよ、若い人向けのものさ」と60歳になったミーシャは語っています。伝説的なバレエダンサーが撮影していると思うとダンサーも緊張しそうですが。

上記サイトでミーシャ撮影作品のスライドショーが見られます。光を巧みに使い、ぶれ方もユニークな効果をあげていて躍動感が伝わってきます。

写真展は3月18日から5月4日まで開催。401 Projects, 401 West St.にて見ることができます。
http://www.401projects.com/

ちょうどNYに4月の頭に行くので、見にいこうと思っています。


追記:New York Timesにミーシャのインタビューと、作品の美しいスライドショーが載っています。ミーシャのインタビューを聴くこともできます。ミーシャは還暦過ぎても素敵ですね。
http://www.nytimes.com/2008/03/23/arts/dance/23maca.html?_r=1&ref=arts&oref=slogin

2008/03/16

びわ湖ホールの危機続報

読売新聞の3月15日の記事が、びわ湖ホール休館についての続報を掲載しています。日本の新聞社のサイトは、一定期間を経過すると記事を消してしまうために、内容を引用します。

「びわ湖ホール」オペラ事業、存続求め全国から署名
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080315p302.htm

国内有数のオペラハウスとして音楽ファンから高い評価を得ている滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」(大津市)が、財政難を背景に、県議会から事業の見直しを迫られている。「自主制作オペラへの助成打ち切り」などの内容に、愛好家らが反発。事業存続を求める署名が全国から5000件以上寄せられた。17日、代表者が嘉田由紀子知事あてに提出する。

(中略)

愛好家らが今月4日、「びわ湖ホールを応援する会」を結成。「世界に誇れるオペラハウスなのに」「県民の負担を思うと心苦しいが考え直して」などのメッセージが東京や北海道などからも寄せられた。

 同ホールは1998年の開館以来、海外オペラの招請のほか、出演者やオーケストラの確保から舞台装置の製作まですべて自前で行う自主制作オペラを年1回、約1億円をかけて開催。2006年のベルディ作曲「海賊」は文化庁芸術祭大賞(音楽部門)に輝いた。来年度は「サロメ」など2作を予定している。

一方で17億円の年間予算のうち県の助成は11億円にのぼり、自主制作オペラもチケット収入は制作費の3分の1程度。地元では「本当に県民に必要な施設か」との批判も根強い。

オペラを自主制作しているのは東京・新国立劇場、兵庫県立芸術文化センターなどわずかで、同センター元芸術顧問で、評論家の山崎正和氏は「オペラは大変なのは確かだ。ただ、質の高い文化は〈社会の宝物〉。行政や県民の気構えが試される」と話している。

■びわ湖ホール■

 4面舞台を備えた大ホール(1848席)と中ホール、小ホールがあり、2006年度は25演目44回の自主公演を行い、4万7000人が来場した。


一方、毎日新聞にはこのような記事が載っています。
びわ湖ホール:半年間の休館、一部報道を否定--県議会で家森議員 /滋賀
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20080311ddlk25010176000c.html

県議会は10日、予算委員会を開き、08年度予算案で管理運営費が約11億円から約10億円に削減される「びわ湖ホール」(大津市打出浜)について質疑があった。利用者らが長期休館しないよう求める署名活動をしている点について、自民党・湖翔クラブの家森(やもり)茂樹議員が言及。「半年間休館(を求める)と誰も言った訳ではない」と述べて一部報道を否定し、会派として同ホールの長期休館は求めないことを表明した。

 一方、同議員は「福祉医療への1億円と、びわ湖ホールのオペラへの1億円、どちらを取るかというのが政策判断だ」とも発言。嘉田由紀子知事が提案した予算案に対し、最大1億円規模の修正案の提出に含みを残した。

福祉という、反対を表明しにくい理由をつけての予算削減というやり方が汚いと私は思います。福祉の予算を減らさないために削れるところは他にもあるのではないかと思うのですよね。閉館、休館という可能性は遠のいたようですが・・。

fringeという演劇関係のサイトには、こんな記事が載っています。
「自民党・湖翔クラブ」の論調が福祉医療費との天秤になっていることについては、ネット上でも疑問の声がある。跡見学園女子大学の曽田修司教授は個人ブログ「ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。」で、08年度当初予算案における滋賀県の県民文化生活費が65億円(07年度90億円から27.4%減)、健康福祉費が675億円(同649億円から3.9%増)であることを指摘。なぜ福祉医療費4億円を全く異なる費目、しかも予算規模の桁が違う県民文化生活費から復活させないといけないのか、合理的な説明がなされていないとしている

私も友達の分と合わせて署名はFAXしました。ついでに、ってわけではないのですが7月のABTのオールスターガラのチケットも買ってしまいました。東京公演よりチケットがかなり安いんですよね。チケットセンターの係員の方の対応も非常に丁寧でした。
ABTびわ湖公演のチラシPDF
http://www.biwako-hall.or.jp/topics/pdf/080726_chirashi.pdf

ABT以外にも、ボリショイの「明るい小川」やシュツットガルト・バレエの「オネーギン」、ナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニーの「ロミオとジュリエット」と、通好みの良い演目を上演することになっているんですよね。時間があってキャストしだいではこれらも観たいな、と思っています。多分時間もお金もないと思うけど・・。


追記:朝日新聞に記事が載りました。
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200803170065.html

1億円、福祉?トゥーランドット? びわ湖ホールに波風
2008年03月17日

 滋賀県の財政難のあおりを受け、国内有数のオペラハウス、県立芸術劇場びわ湖ホール(大津市)が揺れている。県が提案した福祉医療費助成金の大幅カットを見直す財源として、県がホールに拠出する管理・運営費(指定管理料)の削減幅を拡大できないか、県議会で議論されているためだ。更なる削減は公演縮小につながりかねないとして、全国の音楽ファンから寄せられた署名が17日、提出された。

(中略)
新年度は国内外の劇場との連携や積立金の取り崩しなどで対応し、例年並みの事業を維持する。ホールの芸術監督・沼尻竜典さんは「世界のびわ湖ホールなのに、赤字を生むだけの施設、という悲しいとらえ方をしないで」と訴える。

 「休館」「売却」。県議会などでそんな言葉も飛び交う状況に、ファンらが事業存続を求める全国規模の署名活動を展開し、知事らに約2万6千人分の署名を提出した。うち7割が県外から寄せられた。メンバーの一人、大津市の主婦神野直子さん(48)は言う。「ホールは滋賀県の自然、歴史、文化の豊かさの象徴。私たちの暮らしに欠かせないものなのです」

また、京都新聞の記事によれば、2万6000人超の署名が集まったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080317-00000045-kyt-l25

びわ湖ホールの公演継続を 応援する会、知事らに要望書
3月17日20時29分配信 京都新聞

 音楽関係者や劇場サポーターらでつくる「びわ湖ホールを応援する会」は17日、滋賀県立びわ湖ホール(大津市)の既存通りの公演の維持などを求めて、2万6000人超の署名付きで要望書を県知事や県議会議長らあてに提出した。
 同会は、自民党系会派が2008年度当初予算案修正案の提出を予定し、同ホールでの事業費削減も検討する動きに対して、結成した。
 要望書では、びわ湖ホールが「自主制作オペラなど創造的な活動を行う滋賀を象徴する文化施設」として、これら公演の維持と、専門能力を備えた公的団体による運営の継続を求めている。署名は4日から15日にかけて、音楽関係者を中心にインターネットや知人関係を通じて募った。県内からが3割、県外からが7割だった。

イーゴリ・コールプ公式サイト、ギャラリー更新

韓国のReinaさんのサイトで教えていただきましたが、イーゴリ・コルプの公式サイトのフォトギャラリーが更新され、キエフ・バレエでの「ライモンダ」「白鳥の湖」、レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)での「ラ・バヤデール」「ドン・キホーテ」、そしてヴィシニョーワの「Beauty In Motion」での「Pierrot Lunnaire」の写真が追加されています。彼の美しく伸びやかな身体のライン、柔らかい背中に惚れ惚れします。「ライモンダ」のアブデラフマンのドラマティックで台詞が聞こえてきそうな表情も素晴らしい。「ドン・キホーテ」は舞台写真ではなく、コレゴワと撮影した、パンフレット用のスタジオ撮影写真です。

http://www.igorkolb.ru/eng/photogallery.php

Kバレエ・カンパニー「白鳥の湖」(DVD)

Kバレエ・カンパニーのDVD作品がCSのTBSチャンネルで放映されることは知っていたんだけど、うちはスカパーが観られない(アンテナを南側に立てられない)ので、観られないと思っていた。そうしたら、ケーブルテレビのオプションの中にTBSチャンネルが入っていたことに気がついた。気がついたときには「ジゼル」は放映が終わっていたんだけど、これは前に友達にDVDを見せてもらったことがあって、あまり好みではなかったので、まあいっかと。

Kバレエ・カンパニー「白鳥の湖」
振付/演出:熊川哲也
収録:2003年6月
オデット:ヴィヴィアナ・デュランテ
オディール:モニカ・ペレーゴ
王子:熊川哲也
ロットバルト:スチュワート・キャシディ
ベンノ:ジャスティン・マイスナー
王子の友人たち:長田佳世/ 榊原有佳子/ ヒューバット・エッソー

冒頭と終わりに人間の姿をしたオデットが登場するのと、3幕の構成、音楽の使い方がブルメイステル版風味。でも、1幕は比較的標準的な演出の「白鳥の湖」になっている。カメラワークも、演出も王子中心の視点となっていて、物語と、演出は非常にわかりやすい。私はKバレエって今まで3回しか観たことがなく、「白鳥の湖」は舞台では観ていないので実際の演出はどうかわからないのだけど、この映像では、3幕のキャラクターダンスがナポリとスペインしか登場しない。ちょうど2時間の尺に収めるために、DVDではマズルカやチャルダッシュを割愛したのかな?

熊川さんの王子は、一般的な「白鳥の湖」のへたれ王子的なところが微塵もなく、自信にあふれている若者で、オデットに恋をしたり、オディールに裏切られたりで初めて挫折を知り、人間的に成長するところが描かれている。1幕からかなり威厳があって、それでいてやんちゃなところもあったりで人間味があり、熊川さんらしい王子だな、と。熊川さんのことだから1幕から踊りまくるのかなと思っていたのだけど、そんなことはなく、踊りは抑え目ったのが意外だった。感情移入しやすいキャラクター作りをしているので、わかりやすい作品に仕上がっているのだと思う。演技力に疑問符がつくこともある熊川さんだけど、この作品に関しては、彼のやりたい方向と演技がぴったり合っていてとても良い。テクニックは、さすがに素晴らしい。3幕のバリエーションは白眉で、トゥール・ザン・レールもきれいに5番に着地しているし、アティチュードでのトゥールも胸がすくようでありながら、ちゃんと優雅さも残しているのがいい。3幕コーダのピルエットも、すごい勢いで回っているし。オディールとのアダージオでソテを何回も繰り返すというのは初めて観た振付だけど、彼じゃないとできない高度な振付のように見受けられる。5月の「白鳥の湖」公演のチケットを取っても良かったと思った。(でも、今深刻な財政難なので、お高いK-Balletは都ちゃんが出ない限り、なかなか観に行こうとは思わないのだ)

ヴィヴィアナ・デュランテのオデットは、表情などの演技は素敵だし、プロポーションも悪くないんだけど、腕の使い方が私の好みと外れている。ばたばたと激しく動かしていることが多いし、流れるようなしなやかさに欠けている。ヴィヴィアナはドラマティック・ダンサーだと思っていたのだけど、マイムやいわゆる演技の部分は良くても、腕による表現が粗雑なので白鳥に見えないし、情感も叙情性も出ない。うーむ残念。登場したところから、ロットバルトとのからみ、アダージオまで全部腕がばたばたともがいているのだもの。

一方、3幕のみに登場するオディールのモニカ・ペレーゴは非常に良かったと思う。フェりの「エトワール達の花束」公演で「エクセシオール」をロベルト・ボッレと踊った人だ。上半身が筋肉質なので、強そうに見えてしまうのだけど、テクニックがしっかりしており、ダイナミックな跳躍、妖艶で邪悪そうなところなどが強烈で素敵だった。ヴァリエーションは、ブルメイステル版のものに近く、ボリショイのグリゴローヴィチ版の短調の音楽で、高度なテクニックを使っているわけだけど、ピルエットも、デヴロッペも安定している。グランフェッテは、最初のようでちょっと軸が傾いたけど持ち直し、トリプルまで入れて、しっかりと回っていた。カッコいい!さすがの熊川さんも、ペレーゴには食われているなと思うほどだった。

ロットバルトのスチュワート・キャシディは、衣装がお仕置きさせられているかと思うほど、気の毒だった。男性の衣装で、アリやアラブ以外でお腹の部分だけが出ているのって初めて見た気がするんだけど間抜けだし、3幕では顔にへんなメイクを施してしていたりで、笑いそうになった。でも、彼のような踊りも演技もできる重厚なダンサーがロットバルトを演じると、作品が締まる気がする。

あと良かったのは、パ・ド・トロワや大きな白鳥、花嫁候補と大活躍していた長田佳世さんと榊原有佳子さん。特にパ・ド・トロワでの長田さんの切れ味のいい、細やかさとダイナミックさが同居した踊りは素晴らしい。長田さんは、オディールもレパートリーに入っているんだけど、5月の「白鳥の湖」ツアーではオデット/オディールを同じダンサーが踊ることになったためか?オディールに入っていないのが残念。私の数少ないKバレエ観劇体験の中でも、毎回突出していい踊りを見せているので、もっといい役で踊るところが観たい。

「ジゼル」を観たときには、コール・ドのレベルはとてもほめられたものではないと思ったのだけど、この「白鳥の湖」のほうは、揃っていないところが見受けられるものの、決して悪くはない。ただ、白鳥達の衣装が、膝下丈と長めでボリュームがあり、まるで腰蓑のようなので、脚がよく見えないのが不満。ロイヤル・バレエもこの腰蓑チュチュを採用していると思うので、真似しているのだろう。プロポーションも悪く見えるし、動いているときにふわっと広がってきれいなときもあるけど、静止しているときにダボっとしているように見えてしまう。特に、このチュチュで小さな四羽の踊りを踊られると、合っていなくて非常に滑稽だ。

この腰蓑スカートを除けば、ヨランダ・ソナベントによる衣装と装置はゴージャスで美しい。特に1幕、3幕とエピローフが豪華で、湖畔から一転してのエピローグの、今までに観たことがないような世界観(ちょっとキッチュだけど)には圧倒されたし、花嫁候補の衣装も、女王や貴族達の衣装も大変凝っている。カメラワークは熊川さん中心なので、時々オデットやオディールのほうを映して、と思うことがあった。エピローグの照明が明るすぎて、主役二人の顔がハレーションを起こしてしまって表情が全然わからなかったのも残念。

しかし熊川さんの凄さはよくわかる映像だし、エンターテインメント性を重視したわかりやすい演出、ペレーゴの魅力的なオディールにゴージャスな美術と、見ごたえはたっぷりあって商品として優れていると思う。熊川さんの古典改訂は、「ドン・キホーテ」といい、「海賊」といい、オリジナリティと才覚があるので、今後も手がけて欲しいなと思った。やはり次は「ラ・バヤデール」や「ライモンダ」あたりが観てみたいものだ。

熊川哲也 白鳥の湖熊川哲也 白鳥の湖
熊川哲也

ポニーキャニオン 2003-11-19
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追記;熊川哲也さんの特番があるようです。
(miyaさんの「ちょこっと劇場へ行ってきます」より情報をいただきました)
「熊川哲也 復帰への300日」 (仮題)
TBS(関東ローカル)|3月29日(土)15:00〜16:24
MBC|4月05日(土)15:30〜16:54

「第九」はなかなか良くできた作品のようですし、熊川さんも怪我から見事な回復を見せたようですね。3月は忙しいので観に行けず、残念です。

また、今後のK-Ballet作品の放映予定です。
TBSチャンネル
3月22日(土)20:00「コッペリア」
3月29日(土)20:00「ドン・キホーテ」
4月05日(土)20:00「くるみ割り人形」

2008/03/14

NYCBのロンドンツアー映像

NYCBは3月12日から22日まで、ロンドンのコロシアムで公演を行います。NYCBのロンドン公演はなんと25年ぶりなのだそうです。90人という大所帯で、4つのプログラムを引っさげての公演です。

このNYCBのロンドンツアーの模様ですが、特設サイトにて、動画がたくさんアップされています。カンパニーがNYを出発してからバスや飛行機の中、そしてクラスレッスンまで、9日にNYを発ってから3日間の間に13本も映像クリップがアップされています。ライブ感があって、とても面白いです。The Wingerのクリスティン・スローンが撮影しているようです。これからどんな映像が投稿されていくのか、楽しみです。

http://www.nycballet.com/nycbontour/london/index.html

そうそう、NYCBといえば、オフィシャルYouTubeチャネルもオープンしました。
http://www.youtube.com/nycballet
こっちには、すでにロンドンツアーの映像が23本も投稿されています。すごい時代になったものです!いながらにして、まるでカンパニーに密着取材しているような気分になります。

http://www.eno.org/whats-on/whats-on.php?id=0006

Programme 1 - Essential Balanchine
Serenade
Agon
Symphony in C

Programme 2 - Jerome Robbins: An American Icon
The Four Seasons
Moves
The Concert

Programme 3 - Four Voices: Wheeldon, Martins, Bigonzetti, Ratmansky
Christopher Wheeldon: Carousel (A Dance)
Peter Martins: Zakouski
A ballet by Mauro Bigonzetti
Alexei Ratmansky: Russian Seasons

Programme 4 - Ballet and Broadway: A Musical Celebration
Peter Martins: Thou Swell
George Balanchine: Tarantella
George Balanchine: Western Symphony
Jerome Robbins: West Side Story Suite

このプログラムですが、2004年の日本公演のプログラムに比較的似ている感じですね。プログラム3が新作中心なので、観たことがない作品が多いわけですが、2004年来日公演でウィールダンの「ポリフォニア」を観て、素晴らしい才能だと思ったのでした。プログラム1が、あまりにも超有名作品ばかりなのですが、プログラム4などは面白そうですよね。「ウェストサイド物語組曲」は、ダンサーがおなじみの「ウェストサイド物語」からの歌を歌うというミュージカルのような作品でしたね。そういえば、NYCBはもう4年間来ていませんが、日本には来ないのでしょうか。そうこうするうちに、ニコライ・ヒュッベが引退し、ダミエン・ワーツェルも引退予定、ソフィアン・シルヴがサンフランシスコに、アレクサンドラ・アンサネッリがロイヤルに移籍とかなりメンバーも変わってしまいました。

2008/03/13

中島美嘉「SAKURA~花霞~」のビデオクリップ

3月12日にリリースされた中島美嘉のニューシングル「SAKURA~花霞~」のプロモーションビデオが、中島美嘉さんがチュチュを着用してバレエのレッスンをする様子を描いたものということで話題になっていましたが、ソニー・ミュージックネットワーク(SMN)が、ビデオクリップを3月13日正午より14日24時まで36時間限定で無料配信するということで、見てきました。

http://www.sonymusic.co.jp/

中島美嘉さんがバレエをどれほど習っていたかは判りませんし(まだ習い始めたばかりとか)、ひょっとしてボディダブルかもしれませんが、ほっそりとした上半身がとてもきれいですね。ポアントは立ちきれてはいないけど、でもパドブレはなかなかのものです。和風民家でのロケーション&モノクロームの雰囲気のこのビデオ、とても素敵です。チュチュ以外の、昭和モダンって感じのレトロなドレスも美しいですね。

今回の作品のために1日3時間の集中レッスンを10日間続けたのだそうです。曲の宣伝のCMも時々流れているので、たまたま目にすることができました。

「SAKURA~花霞~」は、パナソニックのデジタルビデオカメラ・カード 愛情サイズの「おまかせキレイ」編CM曲でもあるそうです。

追記:
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00100/v03959/v0395900000000443287/
でも見ることができます。

バーミンガム・ロイヤル・バレエのツァオ・チー、映画「Mao's Last Dancer」に出演

バーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演「美女と野獣」の野獣役で活躍したツァオ・チーは、元バレエダンサーLi Cunxin(李存信)のベストセラー自伝「Mao's Last Dancer」の映画化作品に、成人したLi役で出演するのだそうです。「Mao's Last Dancer」は、2003年に出版されベストセラーとなり、現在では20カ国で出版されており、オーストラリアで「今年の一冊」賞に輝いた作品だそうで。

http://www.brb.org.uk/4433.html

バーミンガム・ロイヤル・バレエから出たプレスリリースによると、ツァオ・チーは6ヶ月間バレエ団を休んで、撮影に入るとのことです。デヴィッド・ビントレーのコメントつき。

この Li Cunxinさんは、11歳の時、文化大革命のため政府の役人に見出されて北京舞踊アカデミーで学んだ後、アメリカに渡りました。16年間ヒューストン・バレエで活躍した後、中国への帰国を拒んで亡命、オーストラリアに移住してオーストラリア・バレエのプリンシパルとなったそうです。主なキャストとしては、Liの弁護士役にカイル・マクナクラン(「ツイン・ピークス」)、母親役に、「ラストエンペラー」や、「ラスト、コーション」でトニー・レオンが演じたイーの妻を演じたジョアン・チェン、ブルース・グリーンウッド(「ナショナル・トレジャー」)、そして「センターステージ」のヒロインを演じたアマンダ・シュルもLiの最初の妻役で出演するようです。Liの少年時代は、2007年のローザンヌ・コンクールに出場してコンテンポラリー賞を受賞したオーストラリア・バレエ学校のChengwu Guoが演じます。さらに、オーストラリア・バレエからマデリン・イーストー、スティーヴン・ヒースコートも出演する上に、香港バレエ団からもダンサーが出演するとのこと。オーストラリア映画として、撮影は主にオーストラリアで行われる模様です。

監督は、「ドライビング・ミス・デイジー」のブルース・ベレスフォード、脚本は「シャイン」のジャン・サルディ、プロデューサーは「シャイン」「クロコダイル・ダンディー」のジェイン・スコット、「HERO」「LOVERS」のGeng Lingだそうで、スタッフも豪華ですね。原作も面白そうなので、注文してみようと思います。子供向けの易しい版も出ているみたいです。

「中国人の天才バレエダンサーの映画、撮影開始」(ヴァラエティ・ジャパン)
http://www.varietyjapan.com/news/business/u3eqp3000002qcmz.html

http://www.if.com.au/PR/View.aspx?newsid=798

http://www.hollywoodreporter.com/hr/content_display/international/news/e3ibebff426749f11d6cd125e8db80d41ba

佐久間奈緒さんのパートナーとして素晴らしいパフォーマンスを見せたツァオさんがしばらく舞台を離れるのは残念ですが、このような映画の主役級で出られるのは嬉しいですよね。しかも、オーストラリア・バレエのダンサーも多数出演するようで、本格的なバレエ映画になりそうです。日本でも公開されますように。

なお、イアン・マッケイがアンヘル・コレーラのバレエ・デ・エスパーニャに参加するために退団し、ツァオ・チーも半年間離れてしまうバーミンガム・ロイヤルですが、一昨年の世界バレエフェスティバルや、去年のオーストラリア・バレエの来日公演に出演したマシュー・ローレンスが移籍したとのことです。BRBとオーストラリア・バレエは浅からぬ縁があるようですね。

Mao's Last DancerMao's Last Dancer
Li Cunxin

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2008/03/12

ラスト、コーション Lust、Caution(色、戒)

しばらく忙しかったり体調を崩したりで、なかなか映画を見に行く時間もなかったのだけど、あまりにも参っていたので、出張の代休を取って映画を観に行った。今年に入って観たのは、「俺たちフィギュアスケーター」「バレエ・リュス~踊る歓び、生きる歓び」「エリザベス・ゴールデン・エイジ」そして「ライラの冒険~黄金の羅針盤」

で、やっと観にいけたのが、「ラスト、コーション」。アン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」は言うまでもなく2006年の個人的ベストワン映画だし、トニー・レオンのファンなので楽しみにしていた。そして、期待は裏切られるどころか、すっかり打ちのめされて帰ってきた。

ネタバレです。

麻雀卓を囲む4人の美しい上流婦人たち。その中でもひときわ、若く美しく華やかなマイ夫人。ほっそりとした長身にぴったりと沿ったチャイナドレスに身を包んだ、匂い立つような妖艶な姿態よりも、そして日本軍の傀儡となって権力を握る男イーに激しく抱かれ、上気した肢体よりも、はにかみながら憧れのリーダー、クァンを見つめているすっぴんの純情な女子学生のチアチーの表情が心に残る。チアチーの青春とその終焉が、この作品の裏テーマなのではないかと思った。

青臭く幼い大学生たちのレジスタンスごっこが、こんな結末で終わるとは、あのときの、青春を謳歌している彼らは思わなかっただろう。でも、悲劇的な結末が透けて見えるからこそ、ほんの一瞬、革命劇の成功で舞い上がって、バスの中ではしゃいでいた彼らの姿が、まぶしくいとおしく思えてくるのだ。

イー役のトニー・レオン、チアチー(マイ夫人)役のタン・ウェイも、決して台詞が多い役ではない。この二人がこの役に選ばれたのは、ひとえに、まなざしの持つ力にほかならない。トニー・レオンは、「悲情城市」で聾唖の役を演じたことからも、どんな役者よりもまなざしで演技ができる人。同胞を裏切っている残酷な権力者、誰も信じない猜疑心の塊のような男がふと見せる孤独、哀しみを目だけで表現できるのは彼しかいない。

タン・ウェイも、女スパイとしての決意を持ってクァンへの恋心を葬り去ったまなざしの強さ、その中に揺らめく情念を見せながらも、使命を遂行することを決心した強さを、最後まで彼女は瞳の中に輝かせていた。帽子の縁から覗く、射るようなまなざしの強さが忘れがたい。マイ夫人という人妻に扮するために、チアチーはクアンではなく、愛してもいない同胞相手に処女を捨てなければならなかった。なのに決して泣き言は言わず、抱かれながら運命を強いまなざしで受け入れていたチアチー。

まなざしというのが、この映画の中でひとつのキーワードになっている。何よりもクラクラしたのが冒頭の麻雀のシーン。麻雀卓を囲む4人の女たちの、交錯する視線。何気ない会話の中に見える、探り合い、羨望、嫉妬。濃密な空気。そこに登場し一瞬だけ顔を見せるイー。30年代の上海へと引きずりこまれた一瞬だった。

最初の作戦が失敗し、上海に渡ったチアチーは、華やかなマイ夫人の影を微塵も感じさせない、貧しさに疲れた地味な女子学生になっていた。それなのに、再びイーに近づく任務を帯びたときには、チアチーは再び、あでやかな、だけど少し生活に疲れたマイ夫人に化けていた。「痩せたのね」「君も変わったよ」という台詞のやりとりに、敵同士であるはずのイーとチアチーの心が通じ合ってしまっているのが現れている。

チアチーは、香港での学生時代、抗日劇に主演した女優だった。そしてその女優としての素質を見込まれて、マイ夫人に化け、イーを誘惑して暗殺する使命を負っていた。自分を偽り、女優のようにマイ夫人を演じて、役柄に没入した。チアチーが映画を愛し、しばしば映画館に行くのも、女優だから。そのターゲットであるイーは、日本軍の手先として拷問を行っている冷徹な男だが、その仮面の下に悪になりきれない優しさや弱さが隠されている。そして、世界で唯一人、彼が信じられる、と思ったのがマイ夫人ことチアチーだったという皮肉。そして、その告白を聞いたことで、チアチーの心の中にイーという存在が踏み込んでいったのだった。

こんな二人が、本当に信じあえるもの、それは肉体の交わりだけであった。だからこそ、この映画の中ではベッドシーンが重要な役割を担っている。初めてイーがチアチーを抱いたとき、彼はじらそうとするシアチーを殴ってドレスを引き裂き、目を背けたくなるほどのあまりにも暴力的な情欲を噴出させる。コートを投げつけて彼が冷たく去って行った後、チアチーが目を潤ませて笑みを浮かべ、余韻に浸っていたのはなぜか。そして二度目のベッドシーンで延々と続く、激しいアクロバティックなまでの交わりは、あまりにも痛々しかった。こうすることでしか、真実の姿を見せることができない偽りのふたりが、哀しい。生きている実感を得るために、すべてをぶつけ合い、激しく愛し合う。だけど、エロスはそこにはなくて、ただただ哀しい。3度目のベッドシーンも激しく、暗闇が苦手というイーの目をチアチーはシーツで覆い、そして傍らには彼の拳銃。死と隣り合わせのぎりぎりの性愛。

組織のボスとクアンを前に、チアチーは、イーの心の奥底深くに入りこむために、どれほど心が血を流し叫び声をあげているか、赤裸々に告白する。彼女の心が血を流しているのと同様に、イーの心も踏み込まれた苦しさのあまり離れられなくなっていることも。別れ際にキスをしたクアンに「どうして3年前にしてくれなかったの」と言うチアチーの台詞は、彼らの青春の終わりを告げるものだった。チアチーがあんなに強い決意を持って任務についているのに、彼女にはレジスタンスって意識は微塵もない。ただ憧れのリーダーに従うまま没入した、大学生の革命ごっこの続きだった。それなのに。

宝石店でイーに6カラットのダイヤモンドの指輪を贈られ、一瞬喜びの表情を浮かべながらも「逃げて」と強いまなざしで告げたチアチー。そこに、与えられた運命から逃げずに受け入れる彼女の強さを感じた。宝石店から人力車に乗って、車夫に笑いかけられ、夕食の支度の話をする人々の日常の営みの声を聞きながら、思い起こすのは香港の大学で初めて舞台に立ち、客席にいた革命ごっこの仲間たちに笑いかけられた日。自決用の毒薬を握りつぶす。もうマイ夫人を演じる必要はない、その安堵は、石切り場の処刑場でクアンと交わした最後の微笑みのときにも続いていた。彼らが処刑された朝の10時、チアチーがいなくなった部屋でそっと涙を流すイーも、自分の先が長くないことを悟っていたはずだ。

※イーって野郎は、もっと極悪人であって欲しいなんてちょっと思ったんだけど、これくらいの甘さは、トニーだから許すかな。

20代後半とは思えない幼い素顔と純粋さの中に潜む色香、長身でほっそりとしているのに柔らかそうで、程よく肉のついた腕。少女と人妻、強い決意を秘めた革命家と、危険な誘惑者、愛欲に溺れる女。その両極端の魅力を併せ持ったタン・ウェイの起用なくては、この作品の成功は得られなかったに違いない。そして、その天使のような儚い、一瞬の夢のような、でもたしかな肉体を持つ魅力は、日本料理店でイーに彼女が聞かせた美しい歌を歌うところで最高潮に達していた。

そして、この作品のテーマは、「ブロークバック・マウンテン」と重なりあう。

つらく厳しい生の中で、誰からも決して理解されない、一瞬だけきらめいた愛、そして死。

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(リージョン1です)

2008/03/11

バレリーナへの道 72号

あちこちのブログで、
★新潟県中越沖地震 チャリティー・バレエガラコンサート

●公演日程
8月24日 奈良 百年会館
8月27日 新潟 新潟テルサ
8月30日 桶川 桶川会館
9月01日 東京 新宿文化会館

●芸術監督
ゲジミナス・タランダ

●出演予定ダンサー
ガリーナ・ステパネンコ /アンドレイ・メルクリエフ/ユリア・マハリナ/イリヤ・クズネツォフ/レオニード・サラファーノフ/シリル・ピエール /リサ=マリー・カラム/デニス・マトヴィエンコ/アナスタシア・マトヴィエンコ /アンナ・パシコワ /エレーナ・コレスニチェンコ/キリル・ラデフ/高橋晃子/大嶋正樹/さいとう美帆/芳賀望

という豪華な公演が話題になっていたのですが、その発端となったのが「バレリーナへの道72号」に載っていた広告。この公演自体は、ちょっとわからない点が多くて、知人が会場に問い合わせても、はっきりとした答えは返ってきていないのが現状です。

出演者の一人である元K-Balletの芳賀望さんが、ちょっとだけブログでこの公演について書かれています。
http://nozomu720.blog22.fc2.com/blog-entry-9.html

でもこの「バレリーナへの道」、キエフ・バレエ&モスクワ音楽劇場バレエが特集になっていることもあり、目を通してみたいと思っていたんですが、大きな書店かバレエ専門店でしか売っていないのでまだ見ていませんでした。

そしたら、今日バレエの教室にお稽古に行ったら、何冊も置いてあるのでなぜだろう、と思ったらこの教室の紹介記事が載っていたのです。バレエスタジオレポートというので4ページも使って紹介してあって、よく知っている先生や生徒たちが写っていたのでちょっと面白かったです。子供向けのクラスしか紹介していないので、当然私は載っていません(笑)。割引で買えるということで買っちゃいました。

なんてことはみなさんそんなに興味のある話ではないと思うので置いておいて。

キエフ・バレエ&モスクワ音楽劇場バレエの特集は、それぞれ写真はたくさん載っていたのが嬉しかったです。他の雑誌と比べて、コールプの写真は少なめなんですが、「ライモンダ」で絶命する直前の、情熱的な視線をライモンダに向けながら地を這う姿の写真があったのが良かったです。やはり特殊メイク状態で、コルプの素の顔が想像できないほどになってしまっていますが。モスクワ音楽劇場は、「白鳥の湖」はクラピヴィーナとスミレスキの日の写真です。

バレエを学んでいる人対象の本ということで、両バレエ団のクラスレッスンやリハーサルの模様を取材していました。キエフ・バレエの今回のツアーは、23歳以下のダンサーは全員参加だったそうで、若手主体だったのですね。リハーサルでもポアントは穿かないまま、シューズカバーをつけたままでの確認作業だったようです。

モスクワ音楽劇場の方は、東京国際フォーラムCの床が硬かったようですね、一人だけ日本人の団員(江口紅葉さん)がいるのですが、今回は留守番組だったようです。日本ツアーは60人が参加。センターレッスンもきっちりと行い、団員はみなかなり身体能力に優れているようです。セルゲイ・フィーリンを芸術監督に迎え、どのように変わっていくのでしょうか。

(これはこの本の記事ではないのですが)最近はノイマイヤーの「かもめ」をレパートリーに加え、4月にはハンブルク・バレエのエレーヌ・ブシェー、アンナ・ポリカルポヴァ、イヴァン・ウルバン、オットー・ブベニチェクが客演するとのことです。先日のエッセンでのノイマイヤー・ガラへの参加、そして7月のハンブルクでの「バレット・ターゲ」に参加と、ノイマイヤーとはずいぶんと交流していますね。さらに、今年からマクミランの「マノン」もレパートリー入りします。演劇性に優れているので、見ごたえたっぷりだった日本公演。次も早いうちに来日して欲しいなって思います。プロモーターにも、もう少し日本のバレエ事情を理解してもらって、お客さんがもっと入るようにがんばって欲しいです。

他にも、巻頭では新国立劇場の「椿姫」をザハロワの美しい写真をたっぷり使っての紹介、牧阿佐美バレエ団の「ダンスヴァンテアン」に出演した若手男性ダンサー6人へのインタビューなど、国内バレエ団の公演記事がかなり充実していて、バレエを学ばない人にとっても面白い一冊となっています。

バレリーナへの道 72 (72)バレリーナへの道 72 (72)

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2008/03/10

2/29 H・アール・カオスx大友直人x東京フィル「中国の不思議な役人」「ボレロ」

中国の不思議な役人
構成・演出・振付:大島早紀子
音楽:ベーラ・バルトーク
出演:白河直子 木戸紫乃、小林史佳、斉木香里、泉水利枝、横山博子、池 成愛

シグナルズ・フロム・ヘブン
Ⅰデイ・シグナル Ⅱナイト・シグバル
音楽:武満徹

ボレロ
構成・演出・振付:大島早紀子
音楽:モーリス・ラヴェル
出演:白河直子 木戸紫乃、小林史佳、斉木香里、泉水利枝

指揮:大友直人 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

配られたパンフレットに目を通して気がついたのは、チラシに出演予定と掲載されていた前田新奈さんの名前がないこと。特にパンフレットやアナウンスで前田さんの欠場についての知らせはなかった。去年のバレエ協会「ジゼル」での前田さんのミルタが凄くかっこよくて、そんな彼女がH・アール・カオスに出演するというのだから楽しみにしていたので残念。

「中国の不思議な役人」
H・アール・カオスといえばアクロバティックな宙吊り。ってわけで、「中国の不思議な役人」が、ならず者たちに何回も刺されても、吊るされても死なない役人ってストーリーなのでぴったりなモチーフともいえる。冒頭から、暗い照明の中、ならず者たちの一対が宙吊りになってサーカスのブランコ乗りのように左右に大きく揺れているという鮮烈なオープニング。ここのダンサーが凄いのは、吊り下げられた状態でも、ただぶら下がっているのではなく、体操の選手のようにその状態で自在に身体をコントロールできること。

ベジャールがあまり好きではない私だけど、ベジャール振付の「中国の不思議な役人」は、少女役を女装した男性が演じるという倒錯性が大好き。それも、「地獄に堕ちた勇者ども」のヘルムート・バーガーばりで。で、女ばかりのH・アール・カオスでは、当然役人を演じるのは白河直子さん。最初はなかなか白河さんの姿は登場しない。ならず者の頭の人がすんごくかっこいい。ここは女性ダンサーが男装しても宝塚の男役みたいにならないのがいい。そして例によって女たちの衣装が、洗練されたゴシック風味の長いドレスで、わざと穴を開けていたりぼろぼろになる加工をしているのが、デカタントで素敵。ソファの上になまめかしく横たわる女たちと男たちは、時々からみあう。どかっと座っている首領。テーブルが、あるときはベッドにも変身し、戯れあう女たち、男たち。そして、白いスーツ姿の白河さんが登場。よく観ると、このスーツにもところどころ穴が開いている。女たち、男たちは舞台の中心から外れたところに立っているが、四角い檻のようにスポットライトが彼女たちに当たっていると思うと、それからワイヤーで吊り下げた板が降りてくる。この板は、枠のようになっていて、ダンサーたちにすぽっとハマったかと思うと上下する。そして、またダンサーたちは吊り下げられて浮遊する。椅子を使ったエロティックなダンス。

白河さんは相変わらず、何かに取り憑かれたかのように踊る。大島さんの振付は、上半身の動きがすごく大きい。彼女の背中の柔らかさと、鞭のような強靭なムーヴメントに目を見張る。そして、役人は、ならず者たちに吊り下げられる。まるでSMの緊縛のように、ぐるぐる巻きにされて吊るされてしまう。あの強くて凛とした白河さんにこんなことしちゃっているよ。かと思うと、今度は首吊り。これは観ていてけっこう怖い。しかし、役人は吊るされた状態でもがき、死なないでロープから抜け出す。役人は横たえられていると、今度は、天井から、槍のように細い棒が何本も、役人の身体を取り囲むように降ってきては床に突き刺さる。これも相当怖い。最後に、少女は自分の方から、テーブルの上に横たわる役人に身を預ける。役人が立ち上がると、真っ白なスーツに血の染みが広がって行き、役人は絶命。

東京文化会館という会場が、この作品を上演するにはちょっと大きかったかな、という気が少しした。いつもH・アール・カオスが作品を上演している世田谷パブリックシアターとか、東京芸術劇場中ホールくらいの規模がよかったかもしれない。照明が暗いので、席が遠いともしかしてちょっときついかも。私は7列目とけっこう前の方で見ていたんだけど、これくらいがちょうどいい距離かなと思ったほど。大島さんが作る舞台は、アクロバティックさとか、宙吊り、さらには上から落ちてくる棒など、立体的なものであるから、ちょっと大きめの会場でもいいと思うんだけど、「中国の不思議な役人」の淫靡でひそやかなイメージは、やっぱり小さいところで見たいかな。それから、ギミックの使い方や振付はすごく秀逸だったと思うし、いつもながら白河さんは凄いんだけど、白河さんの凄さに依存していて、物語の部分があまり浮かび上がってこなかったようなところも感じられた。いかにもフェミニンな世界観は、大島さんらしいんだけど、「中国の不思議な役人」という作品の解釈としては面白い。初演ということなので、上演回数を重ねていくことで、より濃密な世界ができ上がって来る予感はさせる。大友さんの指揮による東フィルの演奏は、後半の盛り上がり方がうねりのようで、凄かった。


休憩の後の、武満徹の「シグナルズ・フロム・ヘブン」は、舞台の両脇に金管楽器が左右に分かれて立ち、大友直人さんは客席の真ん中にある通路に立ち指揮をしたようだ。(私は前の方の席だったので見えず、2階席にいた友人から聞いた)左右二つのグループが交互にファンファーレを演奏するもので、一回聴いただけでは、どんな曲なのか上手く表現はできない。ちょっとだけ、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」に似ているかもしれない。

さらに、2作品の過酷な振付を踊るダンサーたちを休ませるために、大友さんと鈴木晶さんのトークショーがあった。大友さんは声がよく通るし、話も上手。「中国の不思議な役人」も「ボレロ」も編成が大きいため、オーケストラピットをいつもより深く大きく取っているとのこと。また興味深いのは、実は「中国の不思議な役人」はバレエとして振付けられた回数がずいぶん多い作品で、プティやラヴロフスキーも振付けているのだそうだ。モスクワ・クラシック・バレエからはDVDも出ているらしい。しかし演奏会で演奏されるときは、全曲を使うことは珍しいとのこと。「中国の不思議な役人」は日本ではもちろんベジャールでよく知られているわけだが、生演奏でバレエとして上演されることはこの日が初めてだったそうだ。


そして「ボレロ」。ここで観られたことの至福に震え、魂が高揚する、唯一無二の体験となった。これもまたベジャールの「ボレロ」に似ていると聞いていたのだけど、赤い円卓の中央にメロディ役のダンサーがいて、周りに他のダンサーたちがいるという構図は確かに一緒。でも、作品自体の印象は全然違う。ベジャールの「ボレロ」はもっとストイックでモノクロームな印象。メロディを踊るギエムは、戦士のように凛々しかった。しかしこちらは、生命と性と死を鮮やかに、あでやかに陶酔的に描くものだ。

赤い輪は、赤い花びらを敷き詰めてできている。そして、壁は赤い発泡スチロールなのか、赤くて柔らかそうなものでできている。中央に、上半身裸で身体を客席に向けて横たわる白河さん。音楽が少しずつ盛り上がるにつれて、踊り始める。壁に沿って、女性ダンサーが4人、一人一人離れて最初は椅子に座っているけど、やがて立ち上がって踊っている。足を下に固定して、うんと前に体を倒す。楽器が増えるにつれて、白河さんのダンスも激しくなる。細くてしなやかな上半身。赤いパンツと対照的に、真っ白で筋肉質の裸体。しかし白河さんの強靭な肉体は両性具有的で、乳房の存在も気にならないほど。ありえないような形に腕が、脚が上がり、すみずみまで緊張感が、力がみなぎっている。大きく反らした上半身。きっと白河さんはそんなに大柄ではないはずなのに、身体の使い方、特に上半身の動きが大きいので、輪の中が狭く感じられるほど。ものすごい空間の支配力。こんなオフバランスでよく立っていられるなと思うようなポーズも。さっきまで「中国の不思議な役人」でも踊っていたのに、最後まで決して衰えることも、ぶれることもない強さも奇跡的である。

そして後半からが圧巻。一瞬、四人のダンサーたちは消えて、舞台上は白河さんだけに。ところが、しばらくすると、今度は4人のダンサーが5人になっていて、そして、彼女たちは、真っ赤な紙ふぶきを撒き散らしながら、赤い輪の中に入っていくのだ。真っ赤な紙ふぶきなのか、霧なのか、赤が白河さんの肉体に張り付くと、それは生命そのものの象徴となる。動きが激しくなるにつれて、赤い輪を構成していた花びらたちも踏み荒らされて舞い上がる。血飛沫のように赤が乱舞する舞台に。白河さんと、他の5人のダンサーたちの動きがシンクロする。その陶酔感、高揚感たるや!極楽浄土にいるようだ。音と踊りに身をゆだねる。金管をはじめ、東フィルの演奏がかなり音を外してしまっていたのが興ざめで残念。うねりのように押し寄せる深紅の嵐。赤い霧のようなダストが放物線を描いて東京文化会館中を赤く染めていく。神々しいまでに輝く白河さんに魂を奪われる。エクスタシーというのは、こういう瞬間を言うのかもしれないし、そして、それはまた、エクスタシーの別名でもある「小さな死」と言える体験だ。性と死というのは隣りあわせだというのがよくわかる。でも、頭で考えるのではなく、感じて陶酔する、そんな舞台だ。涙がぼろぼろとこぼれていく。最高潮に達したときに突然に音楽が途切れ、踊りも終わって暗転。しばらくの沈黙の後の、怒涛のようなブラボーと拍手。いつまでも拍手は続き、晴れやかな白河さんの、素に戻って嬉しそうな笑顔が素敵だった。

この作品、機会があれば万難を拝して、絶対に観たいと心から願った。ここまで魂を奪われる経験は、めったに得られるものではない。

2008/03/09

「ジョルジュ・バルビエ画集 永遠のエレガンスを求めて」

バレエ・ファンにはニジンスキーのアートワークで知られているジョルジュ・バルビエ。昨年開催された「舞台芸術の世界~ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン」展に、「ワツラフ・ニジンスキー」の版画シリーズが展示されていたのでお馴染みだと思う。

ところで、
実はバルビエはファイン・アートをほとんど手掛けず、グラフィック・アートのみで才能を発揮したがために、美術史からは黙殺され、また、多くの作品(本)はコレクター向きのレアアイテム(限定出版本)であったために、ほとんど人の目に触れることなく今日に至っているからなのです
(「ほぼ日刊イトイ新聞」より、担当編集者のコメント)ってことで、意外とマイナーな存在だったんですね、バルビエは。しかも、彼の作品は非常にレアだといううことなのです。「舞台芸術の世界」で展示されていた薄井憲二さんのコレクションも、本当に貴重なものなのですね。

そんな貴重なバルビエの作品を200点、鹿島茂さんのコレクションを中心に集めたのが、この「ジョルジュ・バルビエ画集 永遠のエレガンスを求めて」。本邦初公開の作品も多数収録されています。

ロシア・バレエ
ギリシャ趣味
モード
ロココ趣味
ジャポニズム・シノワズリ
エロティシズム
エキゾチズム
カーニヴァル
モダン・ライフ
トランスセクシャル

という10のキーワードでバルビエの作品を再構成。もちろん、バレエファンとしては、ニジンスキーやタマラ・カルサヴィナの作品に最も興味を覚えるわけですが、モード作品のモダンでデカダンス漂うエレガントで洗練されたデザイン、なんともうまく表現できない、鮮やかなだけど繊細なニュアンスのある色彩美にも惹かれました。
この時代は、バルビエらアーティストが描いたデザイン・プレートにインスピレーションを得て、ファッションデザイナーがモードのデザインを行うことも多かったようです。このアール・デコの時代にタイムスリップするような快い感覚を味わうことができます。それでいて、決して古くないというか色褪せないモダンな魅力が、バルビエの作品にはあります。

「ロシア・バレエ」以外のテーマでも、「カーニヴァル」ではもちろんフォーキンの「カルナヴァル」、「エキゾチズム」では「シェヘラザード」が登場します。また、「モダン・ライフ」に登場する作品はみな、「青列車」でココ・シャネルとニジンスカが描いた世界を思わせます。面白いのは、「モード」や「ロココ趣味」「ジャポニズム」では圧倒的な色彩美のめくるめく世界が表現されているのに、「ロシア・バレエ」では色使いはきわめて少なく、淡色による表現であること。実際には、バレエ・リュスの作品は「薔薇の精」「シェヘラザード」にしても極彩色のエキゾチズムが存在しているのに。しかしながら、色をあまり使っていないところが、想像力を掻き立て、ニジンスキーらの肉体の存在を際立たせていて、写真以上にバレエ作品の世界を伝えているところが凄いわけです。

本のサイズも大きいわけではなく、しかし印刷はとても美しく、手軽に手にとってはバルビエの世界に浸ることができる贅沢。バレエに関心がある人も、なくても本物の洗練とエレガンスを味わいたい方にも、お勧めの一冊です。

なお、現在、東京・銀座「ハウス オブ シセイドウ」ギャラリーで
「香りと恋心 バルビエのイラストレーションと香水瓶 展」が開催されていて、鹿島氏のバルビエコレクション=オリジナル作品をじかに見ることができるそうです。入場無料ですし、ぜひ行ってみたいです。
期間:3月23日(日)まで
時間:平日11:00~19:00まで(入館は18:30まで)
   休日11:00~18:00まで(入館は17:30まで)
定休日:毎週月曜日
入館料:無料
http://www.shiseido.co.jp/house-of-shiseido/html/exhibition.htm

鳥酉Ballet日記さんで、この展覧会と画集の素敵な感想が書いてあります。
http://diary.jp.aol.com/gq24gmseeh/361.html

永遠のエレガンスを求めて―ジョルジュ・バルビエ画集永遠のエレガンスを求めて―ジョルジュ・バルビエ画集
ジョルジュ・バルビエ 鹿島 茂 鹿島 直

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2008/03/07

アンヘル・コレーラの新カンパニー/ヴェロニカ・パルトABTを退団

先日、アンヘル・コレーラが故郷のスペインにバレエ・カンパニー、バレエ・デ・エスパーニャを設立しましたが、お友達のいちぞーさんが、このバレエ・デ・エスパーニャの取材にスペインのセゴビア州、ラ・グランハまで出かけられて、素晴らしいレポートを書いておられます。まだレポートは始まったばかりですが、アンヘル・コレーラのファンには必見の渾身のルポです。

http://blog.livedoor.jp/ichizo31/archives/cat_50240572.html

バレエ・デ・エスパーニャは2008年4月に正式に旗揚げされ、旗揚げ公演は2008年9月と発表されています。アンヘルは、このカンパニーの立ち上げのために、リハーサルや公演で忙しいさなかにも、芸術監督として走り回っているとのことです。このカンパニーに参加するために、ABTのソリストだった姉のカルメン・コレーラ、それからバーミンガム・ロイヤル・バレエの先日の来日公演にも参加していたイアン・マッケイとシルヴィア・ヒメネス夫妻もカンパニーを退団してきました。さらに、ABTから何人かの若手のダンサーが移籍し、日本人の大森和子さんもソリストとして参加することになっています。いちぞーさんのレポート、楽しみに待っています。

*******

ABTといえば、「ロンドン発バレエ・ブログ」さん経由で知ったのですが、Ballet.co.ukに掲載されたヴェロニカ・パルトのインタビューの中で、彼女がMETシーズン限りでABTを退団すると発言しています。絶世の美女で、マリインスキー仕込みの美しい上半身、叙情的でたおやかな表現が素敵だった彼女ですが、ここ一番に弱く、結局ABTを去ることになってしまったのは非常に残念です。昨年も新作の「眠れる森の美女」の初演オーロラに抜擢されているなど、プリンシパル候補と期待されていたのに。

2003年のMETシーズンで彼女が踊ったオデットは、その繊細で儚くドラマティックな表現で、今まで見たオデットの中でも非常に印象的なものでした。最近ペルミ・バレエのツアーにオデット/オディール役で客演していたりして、あれ?と思っていたのですがそういうことだったのですね。「ロミオとジュリエット」のキャピュレット夫人や、「ジゼル」のドゥ・ウィリなど、明らかにもったいない使われ方もされていました。身長が高いため、パートナーがほぼマルセロ・ゴメスに限られており、マルセロは、ジュリー・ケントが彼をお気に入りのパートナーとして「彼としか踊らない」と公演していたために、ヴェロニカの主演のチャンスが少なかったというのもあります。「マクミラン作品が踊りたい」と言っている彼女の、これからの活躍を祈ります。

セルゲイ・フィーリンがモスクワ音楽劇場バレエの芸術監督に

残業でぼろぼろになっていたときに、mixiのコミュから飛び込んできたショッキングなニュース。そして、けいちかさんのサイトで、それが本当にあることを確認して大ショックです。信憑性のある噂は今までも耳にしていたんですが・・・。

ロシア国立スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ=ダンチェンコ記念モスクワ音楽劇場(モスクワ音楽劇場)は3月6日、ロシア人民芸術家、セルゲイ・フィーリン氏の新芸術監督就任を発表しました。
http://www.stanislavskymusic.ru/news.html?NewsId=65

どうやら、フィーリンは、ボリショイでのダンサーとしての活動は今シーズン限りとのことです。ダンチェンコで引き続きダンサーとして活動するのか、それとも芸術監督業に専念するのかはまだわからないようです。

それにしても、12月のボリショイ・バレエの来日公演で彼が踊ることは、このような状況では望み薄ですね。「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」そして何より「明るい小川」でのポアントを穿いて踊るフィーリンを楽しみにして、がんばって張り込んで良い席を取ったのに・・・。まだ正式発表がジャパンアーツから出ていないから、様子は見たいですが。

これからの彼のダンチェンコでの芸術監督としての成功をお祈りします。ダンチェンコは、去年の来日公演でも、素晴らしいカンパニーだと思いました。そして、できることなら、ダンサーをまだまだ続けて欲しいです。まだ30代でまだまだ踊れるし、王子としてのエレガンスも、バジルでのはじけたひょうきんさも、「ファラオの娘」での素晴らしいアントルシャ・シスのつま先や肉体美も、まだまだたくさん観たいのに。「マラーホフの贈り物」での「シンデレラ」の王子がダンサーとしての彼を観る最後だったとしたら、それはあまりにも悲しすぎます。

ジャパンアーツでこんなにも早い時期にチケットを売り出したとばっちりがここにも来ましたね。万が一フィーリンが出ない場合の「明るい小川」の代役は、ニコライ・ツィスカリーゼでお願いします。

名古屋で平成中村座&バレエガラ

朝日新聞の記事から。

名古屋でも「平成中村座」 来年9月、30回上演予定

東海テレビの浅野碩也社長は5日、開局50周年記念事業として来年9月に歌舞伎俳優中村勘三郎さんらによる「名古屋平成中村座」公演を1カ月間開き、約30回上演する計画を明らかにした。

 平成中村座は、江戸時代の雰囲気そのままの芝居小屋を再現して歌舞伎を上演する公演。00年秋の東京・浅草を皮切りに大阪や米国ニューヨークでも上演した。名古屋では06年9月、中村区の同朋高校体育館を芝居小屋に改装しての「名古屋平成中村座」を4日間公演しているが、専用劇場を建設しての開催は初めて。場所や演目、共演者などの詳細は未定。

歌舞伎も好きなので、専用劇場まで建設しての上演というのには惹かれます。去年コクーン歌舞伎の「三人吉三」のチケットが取れなくて残念だったんですよね。

 また、来年3月に「グラン・ドリーム・バレエ・フェス」(仮称)を開催することも発表した。3日間の日程で、東海圏のダンサーらによる創作バレエの上演や内外の一流ダンサーを招いてのガラ・コンサートも行う。このフェスは、93年以来3年に1回の割で開催してきた「世界バレエ&モダンダンスコンクール」に代わるイベント。

世界バレエ&モダンダンスコンクールが残念ながら終了してしまったのは聞いていたのですが、代わりにガラを上演するんですね。東京でもメダリスト・ガラと題して上演されたものですよね。私は観に行けなかったのですが、ポリーナ&ゼレンスキーの「シェヘラザード」がすごく話題になっていたのを覚えています。東京でも開催してくれるんでしょうか。

実は私は名古屋出身で、実家は今は東京なのですが親戚は名古屋に大勢いるので、出る人によっては名古屋まで観に行ってもいいかも。

****

名古屋といえばもうひとつ、H・アール・カオスの「中国の不思議な役人」「ボレロ」の上演のときに配られていたチラシの内容も魅力的でした。

ダンスオペラ「神曲」
2008年8月2日(土)17時開演
愛知県芸術劇場大ホール
原作:ダンテ「神曲」より
音楽:リストほか
構成・演出・振付:大島早紀子
ダンス:白河直子、辻本知彦、群青、木戸紫乃、小林史佳、斉木香里ほか
ソプラノ:佐々木典子
合唱:名古屋少年少女合唱団
チケット発売予定:5月上旬 愛知県文化情報センター

同時上演
モダンバレエ「ロルカのイエルマ」
原作:ガルシア・ロルカ「イエルマ」より
演習・構成・振付:川口節子
音楽:ショパン
出演:オーディションによる地元のダンサー
ゲスト出演:小出領子、後藤晴雄(東京バレエ団)

「神曲」のみ、8月9日(土)静岡グランシップ中ホールでの公演もあります。

8月のこの時期、エトワールガラとか、ワガノワアカデミーとか、いろいろあってスケジュールが錯綜していますが、すごく惹かれます。
っていうか早く「中国の不思議な役人」「ボレロ」の感想を書け、ですよね。ごめんなさい。

2008/03/06

東京バレエ団と光藍社サイトリニューアル/読売テレビバレエシリーズ/フリオ・ボッカ

皆様ご存知かと思いますが念のためにお知らせです。

東京バレエ団のサイトが移転・リニューアルされました。検索すると前のサイトしか引っかからず、しかもNot Foundになってしまっているというのが不便なので、新サイトをお知らせします。

http://www.thetokyoballet.com/

デザインがすっきりと洗練されて見やすくなりましたが、携帯で読めなくなりました。ブログも新しいものが始まったんですが、RSSリーダーでも携帯でも読めません。今の時代、携帯で読めるようにして欲しいものです。
ダンサー紹介が新しくなり(古川さんがいなくなっているのがさびしい)、プリンシパルやソリストのプロフィールも詳しくなっています。

追記:
東京バレエ団のノイマイヤー・プロのキャストが変更になっています。大嶋正樹さんの出演がなくなってしまいました。怪我からの回復が間に合わなかったようです。早く良くなりますように。
http://www.thetokyoballet.com/schedule/

********

光藍社さんのサイトも、デザインがすっきりしたものになりました。レニングラード国立バレエ公式サイトと同じような感じです。
http://www.koransha.com/

こちらに、
・親子で楽しむ夏休みバレエまつり
・ルジマトフのすべて2008
・レニングラード国立バレエ~華麗なるクラシックバレエ・ハイライト~with草刈民代
・キエフ・クラシック・バレエ「白雪姫」
の4公演が、3月6日(木)より先行で発売されるとありますので、1000円安くよい席を確保されたい方はGOですね。

「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」は、関東地方でかなり多くの公演が行われます。出演は、イリーナ・ペレン (レニングラード国立バレエ)、マラト・シェミウノフ (レニングラード国立バレエ)、アナスタシア・イサエワ、アレクサンドラ・バディナ、アレクセイ・ペトロフ  ほか (以上 サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ)だそうです。

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読売テレビが今年からバレエ公演に力を入れるそうですが、ytvバレエシリーズのスタッフコラムが、読み物として大変面白いです。公演が始まれば、いろいろと裏話も読めそうですね。

http://www.ytv.co.jp/ballet/column/index.html

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アルゼンチンで、フリオ・ボッカの伝記が発売されたようです。その作者の方のブログだと思うのですが、ボッカの引退公演や前後のところの写真がたくさん載っていてとても面白いです。
http://biografiajuliobocca.blogspot.com/

引退公演の後、なんとボッカはいきなりボウズになっちゃったんですね~。顔が濃いから似合いますが、ちょっと笑っちゃいました。公演のYouTube映像のリンクもいっぱいあります。

ボッカの近況としては、3月4日から8日までブダペストで開催されているルドルフ・ヌレエフコンクールの審査員を務めているということがわかりました。面白いのは、このコンクールの審査員の一人に薄井憲二さんがいるんですが、奇しくも18歳のボッカが金賞を取った85年のモスクワコンクールの審査員も、薄井さんだったそうなんです。

2008/03/05

びわ湖ホールの危機

先日、大阪の劇場が2館閉館し、大阪でのバレエやミュージカルの公演を行う劇場が不足しているという話を紹介しましたが、今度は、びわ湖ホールにも危機が迫っているというニュースです。

びわ湖ホールは、私は一度しか行ったことがありませんが、これが日本にある劇場なのか、と思うほど美しく、音響・舞台設備も完璧で観やすい、素晴らしいホールです。大津の駅からタクシーに乗ったときに、タクシーの運転手さんも、この劇場を地元の人々が誇りに思っているという話をしてくれました。劇場でも、東京から来たと係員の方に言うと、とても喜んでくれた上で、音響の良さから、遠いところからわざわざ来るお客さんも多いと話していました。

ロビーやホワイエは広く、明るく、開放感があり、さらに琵琶湖を臨むこともできます。オペラ用に設計されて舞台に奥行きがある馬蹄形の座席配置。だけどサイドの席は斜めに向いているためどこの席からでも見やすくなっています。そして、上演作品も、クラシック・バレエやコンテンポラリー・ダンス、オペラやコンサートなど多岐にわたっています。

以下、引用させていただいた内容です。

32年ぶり、滋賀県予算に修正案 「福祉が不十分」自民会派提出へ(京都新聞)

滋賀県議会の最大会派「自民党・湖翔クラブ」は29日までに、開会中の2月定例会に提出された新年度一般会計予算案を「福祉が不十分で承認できない」として、一部修正する案を3月下旬の予算特別委員会に提出する方針を固めた。滋賀県議会で予算修正案が提出されるのは32年ぶり。委員会で可決されれば、同24日の最終本会議に提出される。

 関係者によると、修正案は、県が財政構造改革プログラムで削減した乳幼児などの福祉医療費約4億円を増額し、前年度と同水準に引き上げる。その財源として、びわ湖ホール(大津市)を約半年間休館し、その間に民間会社も含めた管理者を公募して自主運営費を削減することなどを検討している、という。

滋賀県の平成20年度予算案では、びわ湖ホールの運営予算が、 前年度より1億1千万円削減されています。
更に2日(産経新聞)、1日(京都新聞)の新聞報道によると、 福祉医療費削減を修正して前年度と同じ水準に戻し、 その増額分4億円の財源として、びわ湖ホールを半年休館し、その間に民間も含めた新たな管理者を公募して自主運営費を削減するという修正案が検討されているそうです。

この修正案は今月19日の特別委員会に提出され、もし可決されると、24日の最終本議会で採決ということになります。 万が一、このような案が通ってしまうと、たちまちびわ湖ホールで公演が鑑賞できなくなるという事態になるでしょうし、 今回は否決されたとしても、来年、再来年、 同じような意見が出ることも考えられます。

そこで、びわ湖ホールがこれまで通り、創造的で個性的な運営ができるよう、 急遽「びわ湖ホールを応援する会」を結成、署名活動を始めることになったとのことです。

びわ湖ホールを応援する会 署名サイト
http://biwako.e-message.jp/

(引用終わり)

琵琶湖ホールは、館長はじめ職員の皆様がより良い舞台を より多くの方々にご提供できるよう、とても努力されているようです。もちろん、ホール側も赤字を良しとしているわけはなく、どうにかして一人でもお客様を増やそうと努力しています。ロビーで無料のコンサートをしたり、稽古の見学会、本番前のプレトーク。子供向けの青少年オペラ劇場などの企画を立てて、長期的な観点で文化を理解する人を増やそうとしています。

滋賀県議会の日程によれば、3月19日(水)には予算特別委員会の採決が、3月24日(月)には本会議での採決が行われるため、速やかに署名活動を行わなければならないそうです。私も署名はしようと思います。

ピナ・バウシュ「フルムーン」、ABTのオールスターガラ、ボリショイの「明るい小川」、ナチョ・ドゥアトのスペイン国立ダンスカンパニーの「ロミオとジュリエット」などの公演も今年、びわ湖で開催されます。これ以上、関西の観客からバレエを観る機会を奪ってはいけませんね。

ムジカクリハラのオフタイム
http://musicakuri.exblog.jp/7439183/
平井洋の音楽旅
http://yohirai.asablo.jp/blog/2008/03/05/2694305
Ballet Foyer◆Blog
http://blog.livedoor.jp/ballet123/archives/51429712.html

ニーナ&グルジア国立バレエ、ヴィシニョーワの舞台写真

Gene Schiavoneさんのサイトで、ニーナ・アナニアシヴィリ率いるグルジア国立バレエのNY公演と、ディアナ・ヴィシニョーワのBeauty In Motionの美しい舞台写真がアップされています。

http://www.geneschiavone.com/gallery/Principal-Dancers

Beauty In Motionのギャラリーは、ヴィシニョーワのほか、イーゴリ・コールプ、ミハイル・ロブーヒンなど他のダンサーたちの写真もあり、どんな感じのステージだったかが良くわかって面白いですね。

そしてニーナ・アナニアシヴィリ率いるグルジア国立バレエのNY公演は、大変好評だったようです。

New York Timesでも、うるさ型の批評家アレイスター・マコーリー氏に絶賛されています。
http://www.nytimes.com/2008/02/29/arts/dance/29geor.html?scp=2&sq=&st=nyt

http://www.nytimes.com/2008/03/03/arts/dance/03fest.html?_r=2&scp=1&sq=ballet&st=nyt&oref=slogin&oref=slogin

バランシン作品(“Chaconne”、 “Duo Concertant”)が上演されたのは、バランシンがもともとグルジア出身だということがあるようです。
ラトマンスキー振付の“Dreams About Japan”は、鼓童の演奏を使っているんですね~日本でもしばしばニーナによって上演されてきたようですが、私は見ていないのです。
また、ポソポフ振付の“Sagalobeli” は、グルジアの民族音楽に振付けられているのですが、いくつか読んだレビューの中でも、音楽が素晴らしく、グルジア的な衣装や振付、剣闘士のような甲冑姿の男性ダンサーたちが評判良く、非常に興味を惹かれます。日本を愛しているニーナのことだから、またグルジア国立バレエを率いて日本に来てくれることでしょう。

あくび@NYさんのレビューが面白かったので、ご紹介します。
http://blog.livedoor.jp/tribeca1/archives/647763.html

******
そういえば、話題を提供しておいて結局フォローしていなかったのですが、ボリショイの新芸術監督がようやく決まったと、あちこちで話題になっておりましたね。リバイバルされた「海賊」をラトマンスキーと共同で再振付されたユーリー・ブルラカさん(39歳)になったそうですね。アレクセイ・ラトマンスキーのモスクワ舞踊学校での学友でもあるようですね。(Yuraさんの「ロシアのバレエ団情報」からの情報) ラトマンスキーは結局NYCBのオファーを断り、ゲスト主任振付家としてボリショイで新作と自分の作品の監修を行うようです。

http://www.nytimes.com/2008/03/04/arts/dance/04bols.html?scp=3&sq=ballet&st=nyt

2008/03/03

森山開次/ハイファッション/DDD/熊川哲也さん復帰

土曜日は森山開次さんの「the Velvet Suite」観てきました。素晴らしい公演でした。前の日に観たH・アール・カオスの白河直子さんと、森山さんは通じるところがあると思いました。贅肉のひとかけらもない、研ぎ澄まされた肉体だけがもつ確かな存在。人間の身体って凄いって思いました。ものすごく濃密な時間を味わうことのできる贅沢。舞台美術も、音楽も美しすぎました。赤く染めた髪が白く光る裸体に絡まり、舞台をぐるりと取り囲んでいた赤いロープを走りながら巻きつけ、そして最後には空から降ってきた真っ赤な紙ふぶきも体に絡まるさまは、生命とか、血流を思わせました。もう一度、観たいです、絶対に。カーテンコールで床に手をつき、ひざまづくように礼をする森山さんの佇まいの美しさにも震えました。

最近週末になると体調を崩すので、自分の体調が万全でなかったことだけが悔やまれてなりません。

******

さて、紹介しておいた手前、ちゃんと読まなくちゃと思って「ハイファッション」買いました。イーゴリ・コールプのページは2ページ。インタビューは桜井多佳子さん。モノクロのスタイリッシュなグラビアで、ランバンのシャツが素敵。モデルのようです。ここでもファッション談義。本当におしゃれが好きみたいで、若手のデザイナーのファッションショーにも出かけるそう。日本では知られてないデザイナーというのが渋いです。インテリアにもこだわっているそうで。

それから、サシャ・ヴァルツと後藤繁雄さんの対談4ページ。サシャ・ヴァルツはきれいな人ですね。対談の内容もとても面白く、彼女のインテリジェンスが伺えるですが(肉体の役割など)、残念ながら「ケルパー」を観ていないので、観ていたらきっともっと面白く読めたのではと思います。

純粋なファッションのページでは、上野水香さんが春らしいミニドレスをまとった姿が4ページ。すごく可愛らしくピュアな感じで撮れています。脚が長く、身体に厚みがあるのでこういう服が似合いますね。1枚目の、バレリーナらしく腕を高く上げて交差させた写真が一番いいかな。

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「DDD」は新国立劇場バレエ団の「カルメン」関連で、山本隆之さんと本島美和さんが登場。美男美女の二人ですが、とにかく写真の雰囲気やスタイリングがとても美しく、ドラマティックです。特に本島さんは大きな瞳が妖艶でファムファタルって感じですね。

それからルジマトフのインタビュー。芸術監督の仕事は大変だけど、面白いのこと。「コルプは、世界で最も興味深いダンサーです。アーティストとしても、人間としても」という言葉が嬉しいです。7月の「ルジマトフのすべて」の公演は4月からリハーサルを始めるそうです。ロメロ姉弟との新作「カルメン」そして岩田さんによる「阿修羅」が再演されるとのこと。そして4歳半の息子さんはミハイロフスキー劇場の舞台は全部観ているそうです。シェスタコワとリハーサル中の写真がありますが、指導とはいえ、やはり腕や佇まいは美しいです。

コールプとシェスタコワの美しい「白鳥の湖」の写真も。これは風邪を引いて見逃しちゃったんですよね。

ローザンヌバレエコンクールの記事では、準決勝に進んだ日本人全員の写真が掲載されています。16人も準決勝に進んだのに、決勝に出場できたのが、スカラシップ賞を受賞した高田茜さん一人だったのですね。ダンスマガジンの記事にもありましたが、日本人はコンテンポラリーの表現が苦手な人が多いようです。

ホセ・カレーニョのインタビューは、ホセ様の甘くセクシーな笑顔のポートレートが素敵。古典のイメージが強いホセ様ですが、キリアンも好きで、コンテンポラリーにも出演していきたいとのこと。バレエ作品を観に、海外まで出かけていくのは日本人だけ、というのにはちょっと笑いました。ホセ様出演の「海賊」、観たいのだけどお金がなくてまだ買っていません。

面白かったのがグランディーバの瀬川哲司さんのインタビュー。グランディーバでは、バランシン作品はちゃんとバランシン財団の公認教師で、Kバレエの「放蕩息子」の指導をしているポール・ボーズさんがバレエマスター。さらに、「パ・ド・カトル」の指導はエヴァ・エフドキモア、「ゼンツァーノの花祭り」はニコライ・ヒュッペが指導しているという贅沢さで、非常に本格的ですね。

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そして熊川哲也さんが、3月14日に開幕する「ベートーヴェン 第九」で舞台復帰されるというニュースが大々的に報じられましたね。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20080302-OYT1T00218.htm
復帰は喜ばしいことですが、無理はされないで欲しいですよね。月曜日に発売される「読売ウィークリー」の表紙を飾りインタビューも4ページ掲載されるそうです。
読売新聞のサイトで、PopStyleブログという編集部ブログがエンターテインメント情報や裏話満載でなかなか面白いのです。編集長がバレエ好きのようで、バレエネタも結構出てきます。そこで、「読売ウィークリー」の記事の内容がちょっと紹介されています。
http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2008/03/post-ab84.html

熊川さんといえば先週出演した「チューボーですよ」も面白かったですね。彼の負けず嫌いの性格がよく出ていました。お料理はひょっとして苦手?しかし立っていたり座っている姿もさまになっているところがさすがです。

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今日、夢倶楽部カードの引き落とし通知が来て倒れそうになりました。友達の分までチケットを取っているとはいえ、自分の一ヶ月の給料(そんなにもらっているわけではありませんが)より多かったです。これでも、安い席で妥協したし、観たい公演を全部とったわけではないんだけど。こんなに早く引き落としが来ると思わなかったので、めちゃめちゃびびっています。ジャパンアーツ、一緒に売り出した方がバレエファンに都合が良いと思って発売日を一緒にした、って言い訳をしていますが、それは絶対ありえないです、本当に。次のお給料日まで、外食は禁止にしなくては。

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2/23 NBAバレエ団「ドン・キホーテ」

キトリ/ドルシネア エフゲーニャ・オブラスツォーワ(マリインスキー劇場)
バジル ヤロスラフ・サレンコ
ドン・キホーテ マキシム・グージェレフ
サンチョ・パンサ 岩上純
ロレンツォ 中村一哉
ガマーシュ スタニスラフ・ブロフ(マリインスキー劇場)
エスパーダ:ビクトル・コスタコフ
キューピット:米津 舞
メルセデス:鷹栖千香
3人のドリアード:田口 麻衣、小山 真貴子、佐藤 香織  
(セルゲイ・ヴィハレフ演出・再振付 4幕構成)

Ballerina マリインスキー・バレエのミューズたち」でとても可愛らしかったエフゲーニャ・オブラスツォーワが初めて日本のバレエ団に客演するというので行くことにした公演。私が通っているバレエ教室の先生がNBAの団長と親しいのでチケットを割引で購入。実際に行ってみたら、ゆうぽうとのいわゆるササチュー席(通路に面したセンターの席)で、周りがいかにもバレエの先生って方たちばかりで少々びびる。最高の席かな、と思ったけど、実は通路前の列の人の座高が高くて、かなり邪魔だったし、「ドン・キホーテ」を見るんだったらもう少し前の方が好み。「白鳥の湖」や「ジゼル」だったら申し分ない席だけど。

今回の「ドン・キホーテ」は古典の復元で著名なセルゲイ・ヴィハレフ氏による振付で、非常に長かった。6時開演で終わったら9時だったし、休憩は3回入るし。観終わったら、かなり疲れた。まず1幕1場が長く、キトリやバジルが登場するわけでもなかったので余計長く感じてしまった。

1幕2場でエフゲーニャが勢いよく飛び込んできた。エフゲーニャって、「ロミオとジュリエット」や「愛の伝説」「ジゼル」のイメージが強いので、どんなキトリかなと思っていたのだけど、飛び込んでくるジュッテも高くてきれいだし、可愛らしい中にも元気いっぱいでお茶目、いい感じ。浮気なバジルにふくれる表情がキュート。アティチュードやアラベスクがものすごくきれいで、さすがマリインスキーの実力。安定感も抜群だった。白地の衣装に赤い水玉が可愛い。金髪を黒く染めていた。Yuraさんの「ロシアのバレエ団情報」によれば、これはエフゲーニャの持ち衣装のようだ。

バジルのヤロスラフ・サレンコは、やや斜に構えたバジル。バジルはもう少しひょうきんな方が好き。でも、さすがモスクワバレエコンクール1位の実力で、テクニックはとても冴えている。何よりも印象的なのがつま先の美しさと、女性顔負けのよく出た甲。ちょっと小柄なので日本にいるのかなあ。妹のヤーナ・サレンコも小柄だし。ジャンプもピルエットも得意のようで、ピルエットは9回くらい回っているし、細かいパの足捌きもきれい。ややサポートは苦手な感じがして、サポートつきピルエットのときにジェーニャがぐらつくところがあった。でも、キトリを高々とリフトするときにはパッと手を離し、ジェーニャもその辺は信頼していたよう。片手リフトは、1回目はちょっと歩いてしまったけど、2回目はばっちりキマった。

エスパーダは、衣装がまるで「海賊」のビルバント?って感じで闘牛士には見えなかったけど、エスパーダ役のヴィクトル・コスタコフはマント捌きが非常に上手く、実力派だと思った。彼は元ダンチェンコ所属だったのですね。ガマーシュ役の人がやけに上手で、容姿は優れているのに笑わせるのが上手いと思ったら、演じていたスタニスラフ・ブロフはマリインスキーのコール・ドの方だった(これもYuraさんからいただいた情報)、。問題は大道の踊り子で、うーむかなり頂けない踊り。メリハリがなく、アラベスクが美しくない。。。パンフレットを買いそびれたので名前はわからず。サンチョ・パンサの岩上さんも、とっても演技が上手。NBAバレエ団は、キャラクターダンサーはなかなか良いのではないだろうか。
幕の終わりは、バジルがキトリを高々と掲げて舞台を横切るパターン。ここのサポートは上手くいっていた。

2幕でいきなり居酒屋のシーン。メルセデス役は、NBAバレエ団で私が一番気に入っている鷹栖千香さん。背中が柔らかく、とても妖艶な演技で大人の魅力を発揮して素敵だった。フィッシュダイブは、ジェーニャが勢いよく飛び込んでいくけど、受け止めるサレンコのほうは若干危なっかしい。でも、その前のサレンコのピルエットはなかなかすごかった。そして狂言自殺のところは。ジェーニャの演技がまたとてもキュートで良かったと思う。すっと伸ばしたサレンコのつま先がやっぱりすごくきれい。ここで休憩が入るというのがちょっと珍しい構成。

3幕1場が、ジプシーの野営地でドン・キホーテの人形が風車に引っかかってなかなか落ちてこなかったのでひやひや。2場は、初めて観る「恐怖の夢」という場面で、ドン・キホーテの悪夢の中に、白い巨大な蜘蛛が登場するというもの。この白い蜘蛛を、蜘蛛の巣のような紗幕と、ダンサーたちの白い衣装で表現していたのだけどあまりにも唐突で最初はちょっと意図がわからなかった。

3幕3場が、夢の場面。ここでのジェーニャがまた素晴らしかった!キトリとはすっかりキャラクターを変えて、お姫様らしいお澄ましぶりで、堂々たる風格。丁寧なポールドブラと、柔らかい背中を生かした美しく伸びやかなアラベスク。そしてグラン・ジュッテで舞台を横切るときの、跳躍の高さと飛距離に驚かされる。こういうテクニックを持っている人とは思わなかった。ドルシネアのヴァリエーションでの片脚ポアントもきれいに引きあがっていて安定している。キューピッド役の米津舞さんが、非常に小柄だけどキュートで元気がよく、アティチュードもきれいで良かったと思うし、3人のドリアードも上手だったし、群舞は良く揃っている。子供キューピッドたちが、とっても可愛い。森の女王は、そこそこ。ドリアードたちの衣装がクラシックチュチュではなく、少し下がり気味のスカートだったのに違和感。

そして4幕のグラン・パ・ド・ドゥ。ファンダンゴでまた鷹栖千香さんが登場。ヴァりエーションの二人も上手だった。グラン・パ・ド・ドゥは見事の一言。アダージョは滑らかで堂々としていた。マリインスキーでは、キトリのヴァリエーションは扇子を使わないそうで、扇子を使っていた方が可愛くて好きなんだけど、ジェーニャの歯切れのよく正確なポアントは観ていて気持ちが良かった。とにかく引き上げが見事なので、小柄さもまったく気にならない。サレンコのバジルも素晴らしく、トゥールザンレールは高いし、最後には540°をビシっと決めて会場を沸かせた。ジェーニャのフェッテは全部シングルだけど、音に良く合っており、軸もまったくぶれずに正確できれいに決めた。最後だけ、半回転ずれたけどこれくらいはご愛嬌。フィニッシュのサレンコのグランピルエットもやはり正確で緩急自在、お見事だった。

長い舞台で見る側も疲れたけど、これがまだ2回目のキトリとは到底信じられないジェーニャの素晴らしさに興奮。これからもいっぱい日本に来て欲しいなって思った。若くても堂々としていて、自信にあふれていてキラキラしている。かといってこれみよがしなテクニックの見せびらかしもなく、相手役とのコミュニケーションもバッチリで一人浮くこともない。これからもずっと応援したくなるバレリーナだった。

2008/03/01

バルセロナの写真など

バルセロナはお仕事で行ったので、観光はあまりしなかったのだけど、カンファレンスに出かける前に早起きして、街の中をお散歩しました。ネットのない生活だと早寝早起きできるんですよね。写真は結構いっぱい撮りました。写真はクリックすると拡大します。

これは見本市の会場。とにかくばかでかい。入場するのにすごく並びました。警察もいっぱい出ていたけど、馬に乗った警官もいました。そして思いっきり落し物をする馬。

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カタルーニャ美術館から、会場を見下ろす。広々としています。

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カタルーニャ美術館は宮殿を改装した場所みたいで、華麗な建物。残念ながら時間がなく、美術は見てません。

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夜になると噴水のライトアップがきれいです。音楽に合わせて噴水の形や色が変わります。


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建物の内部。中でロバート・レッドフォードのトークセッションがありました。

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会場から歩いて15分くらいの高台にあるミロ美術館。入って15分で閉館になって追い出されちゃいました。

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リセウ劇場でオペラ「エレクトラ」を観る。休憩時間がなかったので、劇場内で最も美しい鏡の間には行けず。 それでもエントランスや劇場内は華やかで素敵でした。デボラ・ポラスキーの歌唱も圧倒的でした。

最終日の午後だけ、ちょっと観光しました。
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サグラダ・ファミリア。最終日の午後に行ったので、見本市帰りの人がいっぱい。


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サグラダ・ファミリア内部。工事現場そのもの。


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カサ・ミラ。ガウディ作の世界遺産なんだけどこの中に住んでいる人もたくさんいる集合住宅。

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エントランスを内部から見る。こんなところに住むって生活はどんな感じなんでしょうか。

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同じくガウディによるカサ・バトリョ。世界遺産なのに、初日には中国の携帯キャリアが貸し切ってパーティをやったらしい。

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中もすごく素敵。お掃除は大変そうだけど。吹き抜けがあることで、内部も比較的明るいのです。何枚でも写真を撮りたくなります。

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ピカソの落書き壁画

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ランブラス大通り。


バルセロナは治安はすごく悪いみたいだけど(見本市に来た日本人でもスリの被害に遭った人がいるみたい)、観光で見るところはとてもたくさんあるし、建築物はどれも素敵だし、お花屋さんも多く街は美しく、レストランもいっぱいあっていいところでした。ただし、夜レストランが開くのが8時半と遅いので、その間にお腹がすくと困ります(笑)。
お仕事でなければ、タブラオなど行って本場のフラメンコも見たかったし、美術館も行きたかったです。今度はプライベートで行くべしと思いました。

マリーヤ・アレクサンドロワの公式サイト

実は作ったきりほとんど放置状態だった英語ブログを持っているんですが、そちらにマラーホフの贈り物の公演情報を書いたところ、ボリショイ・バレエのマリーヤ・アレクサンドロワのマネジメントの方より、公式サイトと日本語ページのご案内をいただきました。

日本語サイト
http://mariaalexandrova.com/jp/
ロシア語サイト
http://mariaalexandrova.com

素晴らしいことに、日本語サイトの方も、バイオグラフィーなどの基本的な情報はもちろん、スケジュール、レパートリーなどもちゃんと日本語に翻訳されています。フォトギャラリーは中身を観るとロシア語にはなっているけど、作品のタイトルは日本語なので大丈夫。写真の数々も本当に素敵で、ますますマーシャのことが好きになります。

もちろん、12月のボリショイ・バレエの来日公演のチケットはマーシャ中心で押さえました。白鳥、明るい小川、ドン・キホーテ各1回ずつですが。

H・アール・カオス/ボリショイの新バレエマスターにグリゴローヴィチ/イーゴリ・コールプ

今日は、東京文化会館で、H・アール・カオスと大友直人指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の「中国の不思議な役人」「ボレロ」のコラボレーションコンサートに行ってきました。震えが出るほど素晴らしかったです。白河直子さんは本当に凄い。改めて、今の日本の女性ダンサーの中でも、もっとも凄い人だと思いました。こんなにも激しく、強く、しかししなやかに踊る人がいるなんて。「ボレロ」の熱演では、あまりの凄絶さ、研ぎ澄まされた美しさに最後には涙が出てくるほどでした。真っ赤な花びらで作られたセットと効果の鮮烈な美しさも印象的。東フィルの演奏が、特に「ボレロ」でミスが多くてちょっと残念でしたが。新作の「中国の不思議な役人」は、宙吊りあり、天井から降ってくる棒あり、照明で作られた光の檻ありと頽廃美とギミック満載の大島早紀子ワールド全開で、妖しく耽美的な世界が展開しました。やっぱりH・アール・カオスの世界観は最高!次の舞台が待ち遠しいです。

明日は昼1時から森山開次さんの「The Velvet Suite」を観に行くので、また感想は後で(こればっかりでごめんなさい)

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さて、ダンソマニ経由の情報ですが、アレクセイ・ラトマンスキーが芸術監督を退任すると表明し、後任は誰になるか噂で持ちきりでしたが、なんと3月1日より新バレエマスターにユーリ・グリゴローヴィチが就任するそうです。奥様のナタリア・ベスメルトノワを亡くされたばかりで大変な時期でしょうが。

グリゴローヴィチは、旧レパートリー(要するにグリゴローヴィチ作品)の指導を担当し、ラトマンスキーが新作などコンテンポラリー作品を担当するとのことです。新芸術監督は3月3日に発表されるとのことです。二人の元芸術監督をバレエマスターとして抱えて、大変な仕事でしょうね!

http://www.kommersant.ru/doc.aspx?DocsID=857505

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レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)の光藍社さんのサイトを見たら、こんなお知らせが。

high fashion(ハイ・ファッション)【2008年4月号(2月28日発売)/㈱文化出版局】
レニングラード国立バレエのゲスト・ソリスト、イーゴリ・コルプが写真及びインタビューで登場します。(原文ママ)

ついにコールプさん、ハイ・ファッションにも登場されるのですか!早速明日確認しなくちゃ。ハイファッションの編集長さんはルジマトフの大ファンなので、コールプも琴線に触れたんでしょうかね。オシャレ大好きなコールプがどんな素敵ないでたちで登場しているか、楽しみです。

high fashion (ハイファッション) 2008年 04月号 [雑誌]high fashion (ハイファッション) 2008年 04月号 [雑誌]

文化出版局 2008-02-28
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