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« ロイヤル・バレエ 2008/2009シーズン | トップページ | ドレスデン・バレエ2009年5月来日 »

2008/03/21

3/16 新国立劇場「アイーダ」

新国立劇場のゼッフィレッリ演出の「アイーダ」は豪華絢爛なプロダクションに定評があり、オペラに詳しい友人より、ミラノ・スカラ座のゼッフィレッリによる「アイーダ」(ロベルト・アラーニャ主演、ロベルト・ボッレがバレエのシーンで出演しているDVDが出ていて、一応観ている)よりも良いと言われたので、せっかくアトレ会員になっているんでと思ってチケットを取ってみた。それほど良い席が取れたわけではないし、お金もないのでB席にしたんだけど、会員でもチケットが取れなかったほどの超人気プロダクションだったようだ。(余談だけど、初日には小泉元首相、私が観た日には福田首相が観に来ていたとのこと。福田さん、こんなところに来る暇があるんだ・・・)

休憩3回(各25分)を含めて上演時間は4時間超。一人で来ていたこともあって、なんだかぐったりと疲れてしまったわ。

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【指 揮】リッカルド・フリッツァ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【再演演出】粟國 淳
【照 明】奥畑 康夫
【振 付】石井 清子
【舞台監督】大仁田 雅彦


【アイーダ】ノルマ・ファンティーニ
【ラダメス】マルコ・ベルティ
【アムネリス】マリアンナ・タラソワ
【アモナズロ】堀内 康雄
【ランフィス】アルチュン・コチニアン
【エジプト国王】斉木 健詞
【伝令】布施 雅也
【巫女】渡辺 玲美

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
 2幕2場ソリスト:橘るみ、小林洋壱
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【管弦楽】東京交響楽団

ラダメス役のマルコ・ベルティ、写真ではかっこいいけど実物はおっさん。でも、声はふくよか、豊かで甘く艶があり、高音もきれいに出ていて声量も十分の理想的なテノール。冒頭の「清きアイーダ」を聴いてすぐに実力のほどがわかり、3階席からもブラヴォーの嵐。素晴らしかった!正直言って新国立劇場でこれだけ上手いラダメスが聴けるとは思わなくて、彼の声だけでもう大満足。機密を漏らしたかどで捕まり、アムネリスに助けてあげますと言われても断固拒否する強さも見事だったし、ラストのアイーダと弱音で切々と歌い上げるところも心を打った。機会があればぜひまた彼が歌うのを聴きたいものだと思った。アイーダ役のファンティーニも、高音がきれいで見た感じも悪くなく、良い歌手。ただ、「アイーダ」という作品は個人的には、アムネリスの方がずっと複雑な役で、役柄として面白いんじゃないかなって思うのよね。激しい嫉妬、怒りから最後には恋人たちの幸せを祈り、そして一人取り残される孤独。アムネリスのタラソワは、姫君の役が良く似合うスリムで華やかな美女。アムネリスはメゾといっても、特に4幕では高音を出したりかなり激しい表現を見せるしキャラクターも複雑なので、強い印象のパート。特に冷酷な神官たちとのやり取りは印象的だった。1幕の主役三人による重唱も聴き応えたっぷり。それから、ラダメスを愛しているアムネリスが、2幕でアイーダを問い詰めるところの迫力も凄かった。エジプト国王の斉木健詞さんは堂々としていて太い声で外国人の主役3人に負けていない存在感。
アモナズロ(アイーダの父)の堀内康雄さんは演技が達者。作品全体を引き締めていた。

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でもこのプロダクションの凄いのは、やっぱり2幕の凱旋の場面でしょう!私もそれほどオペラは何回も観ているわけではないので、比較対象はあまりないんだけど、それにしても、目の前でこれほどの大掛かりでゴージャスな舞台が繰り広げられているのを観ることができるとは!思わず隣の席の人も「凄い」と声に出していたほど。エジプトっぽさ、自然光の感じを出すために紗幕を使っていたみたいだけど、なかったほうが良かったようだ。斜めのレイアウトといい、奥行きのある新国立の舞台がさらに奥行き深く見えるのはよかった。

舞台の上は300人ほどいただろうか。古代エジプトを再現した黄金の像、頭飾りをつけた男性コーラスの大群、女性コーラスでぎっしり。広い舞台が狭く見えるほど。斜めに横切る隊列。そして、2頭の馬(本物)。そのうち1頭にはラダメスがまたがっている。そういえばボリショイの「ファラオの娘」でも本物のお馬さんが出てきたけど、道産子だったなあ、あれは。そして定評ある新国立劇場の合唱も分厚くて素晴らしい。ここは女性より男性の合唱の方がレベルが高い気がする。これぞスペクタクル!

1幕にも巫女の役でバレエダンサーが10人くらい登場していて、踊るというほどではないのだけど、オペラ歌手の中にいると華奢で美しいなあ、と思った。そして2幕では、東京シティバレエ団、石井清子さんの振付によるバレエ。黒人の踊りなので、男性も女性も黒塗りに黒い全身タイツ着用なのだけど、ひとつのグループだけ、黒く塗っていない女性ダンサーたちがいる。真ん中を踊るのが、ベージュの全身タイツに小さな面積の衣装をつけた橘るみさん。美人だし色っぽくてすごく華がある。奴隷たちの踊りなのだと思うのに、女王然としていて男性たちにリフトされたりする。小柄なのに踊りが大きい。パートナーは小林洋壱さん。こちらは黒塗りしているけど、長身でかっこいい。迫力ある踊りを見せてくれて、バレエパートも大満足。

2幕の絢爛豪華さも印象的だし、3幕でアムネリスが水を湛えた川の中を舟で進んでいく幻想的なシーンも美しかったけど、アイーダの白眉は4幕だと思う。捕らえられたラダメスと、愛を訴えるアムネリスのやりとりもそうだけど、裁判のところの、「ラダメース!ラダメース!ラダメース!」って呼びかけられるところの、背筋が寒くなるような恐ろしさ。罪状が読み上げるたびに絶望するアムネリス。アイーダは死んだと思って、希望を失ったラダメス。アムネリスが血も涙もない神官たちに呪詛の言葉を投げかける激しい歌の応酬、そして生き埋めにされたラダメスとアイーダが迎える(穏やかな)最期。せり上がっていき、地上で二人の冥福を祈るアムネリスと、地下の墓に閉じ込められた二人の姿を同時に見ることができる舞台装置が凄い。しかも、二人の死とともに、舞台がどんどん下がっていくところにも驚いた。

長くて疲れたけど、マルコ・ベルティをはじめ主役3人が充実していて心に残る歌を聴かせてくれたし、ゴージャスな舞台、分厚く迫力のある合唱隊、さらに東京交響楽団の演奏も素晴らしく、グランドオペラの魅力を存分に味わうことができて大満足。これで1万5千円は安い!と思ったほど。発売即完売になるのも納得!


ヴェルディ/Aida: Zeffirelli Chailly / Teatro Alla Scala Alagna Urmana

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音楽」カテゴリの記事

コメント

naomiさん、こんにちは♪
私もゼフィレッリのファンで「アイーダ」のチケットをなんとか入手しました!
ただオペラ観賞はまだまだ初心者なので見所が分からずにいましたが、naomiさんの紹介がわかりやすくすごく楽しみになりました~ありがとう♪

yolです。先日はコメントを頂きありがとうございました。

「アイーダ」観に行かれたのですね。
私はKカンパニーの公演と重なってしまい、迷ったもののやはりKをとってしまいました。
この新国「アイーダ」は数ある新国プロダクションの中でも最も観たかったものなので、「清きアイーダ」のブラボー部分を読むにつけ、身体が二つ欲しいと思うばかりです。

今年は鑑賞が思うように行かない年なので、naomiさんのレポで楽しませていただくことが多くなるかと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

jadeさん、こんにちは。先ほどはどうも♪
私はjadeさん以上にオペラ鑑賞初心者で、まだ10回も行っていないんですよねhappy02なので全然えらそうなことはいえませんが、鑑賞の助けになるなら嬉しいことです。
とにかくこれだけ豪華な舞台を日本で観られるのはラッキーですね。歌手もいいし。また再演して欲しいです。

yolさん、こんばんは。

私ももっとコメント差し上げたいと思いつつなかなか。。。ですみません。yolさんも、私以上にお仕事が多忙なようで(涙)なかなか思うように観られないのはつらいですよね。Kバレエの「第九」も関心があったのですが、3月はやっぱり忙しくて無理でした。yolさんの感想を楽しく拝読して、観に行けばよかったと思いましたよ。
そして、私は上記の通りオペラは超初心者なので、yolさんと、yolさんのお友達のNYのOpera!Opera!Opera!さまのところで勉強しています。

naomiさん、こんにちは。

お友達のyolさんを通してこちらのブログを知り、
バレエのことをはじめ、いろいろ教えていただいています。

私のブログを読んでくださっているとは、なんと嬉しいこと!
ありがとうございます!

オペラは実は新国立劇場くらいのサイズのホールで演奏されるのが、
観客には一番理想的じゃないかと個人的には思っていて、
大きな舞台にのるアイーダももちろんいいんですが、
あの新国の決して大きくはない舞台に
ぎっしりとのった合唱メンバー、舞台セットと、
あの込み合った感じもスペクタクルな感じがあって、
あれはあれで捨てがたいと思います。
(私が見たのは劇場が開場したときの記念公演でしたので、もう随分前の話になりますが、きっとほとんど変わっていないと思います。)

ヨーロッパでも素敵な公演をご覧になったようで羨ましい限り。
またこれからご覧になるオペラの感想も楽しみにしております。

Madokajpさん、こんにちは。

きゃ~いらしていただけるとは嬉しいことです!私のオペラ鑑賞の師匠に勝手にさせていただいています。

新国立劇場は、ややキャパが小さくてそのために国内の招聘屋さんともめた経緯があったようですが、観る側にとってはとても見やすいサイズです。3階席の一番後ろでも司会は良好でした。多分、開場記念公演と演出はほとんど変わっていないと思います。舞台の上にぎっしりと載った合唱メンバーはホント、壮観でしたね~。

ドミンゴの「シラノ」(METのプロダクションだし)やポラスキーの「エレクトラ」も素晴らしかったので感想を書こうと思いつつ全然できていません。金欠ゆえ、なかなかオペラは観にいけませんが、いろいろとご教示くださいね。ちなみに、木曜日からNYに3泊で行って来ますが、これはバレエのためです。もっと休めればオペラも観たいところですが・・・。

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