日本経済新聞「大型ホール2館、年内に休館」
日本経済新聞の関西版にこんな記事が載っていました(Googleのアラートで飛び込んできました)。2月26日夕刊掲載の記事とのことです。
大型ホール2館、年内に休館──文化公演 大阪離れも
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news002771.html
大阪市内の大型文化ホール2館が年内に活動を休止することになり、舞台や音楽の公演企画者らが頭を抱えている。フェスティバルホール(北区、2700席)と大阪厚生年金会館(西区、大ホール2400席)で、いずれもバレエやオペラなど大規模な公演が可能な施設。2つのホールの休館で、大阪での文化活動が停滞する懸念も出てきた。
大阪フェスティバルホールが閉館することは以前から聞いていたのですが、大阪厚生年金会館もそうなんですね。フェスティバルホールは2005年のABT来日公演でガラを観に行きましたが、横幅が広く、1階前方がフラットで見づらい劇場だと思いました。何よりも、お手洗いの前に喫煙所があって、ホール全体がタバコくさくてたまりませんでした。(嫌煙家の私にはつらい環境)建て替えることはとても良いことだと思うんですけどね。あと、楽屋口がリーガロイヤルグランドホテルのロビーの中なので、出待ちする人たちがホテルを利用する人の迷惑になっている感じだったんですよね。大阪のホール事情に関しては非常に疎いので、あまりたいしたことは言えませんが。
大阪厚生年金会館の方は行ったことがないのですが、今年の夏のBBLの大阪公演やロイヤル・バレエのガラが行われるところなんですよね。ダンスマガジンに載っていた読売テレビの広告によれば、12月のボリショイまではフェスティバルホールを使い、来年3月の東京バレエ団の公演は梅田芸術劇場で開催されるようです。
追記:厚生年金会館は国の年金給付問題に絡んで整理合理化対象となり売却されるとのことですね。こういうところにしわ寄せが・・・。
朝日新聞のサイトには、こんな告知が出ています。
http://www.asahi.com/shimbun/release/20070402.html
朝日新聞社とグループ企業の朝日ビルディングは4月2日、フェスティバルホールや朝日新聞大阪本社の入る両社所有のビル3棟(大阪市北区中之島2~3丁目)を、二つの超高層ビルに建て替える「大阪・中之島プロジェクト」を発表しました。建て替えに伴い、フェスティバルホールは08年秋ごろに一時閉館し、いまと同じ2700席の規模で、最新鋭の音響・舞台設備を導入して、13年度完成予定のビル内に新装オープンします。
世界に誇れるホールへ 新フェスティバルホールの概要
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802280093.html
で、日経の記事に戻りますと、
「大阪市内でフェスティバルホールの代わりとなる会場を探してきたが……」。毎年6、10月に同ホールで定期公演を開いてきた法村友井バレエ団の法村牧緒代表は嘆く。法村バレエ団の定期公演は、約100人の出演者が待機したり、舞台セットの入れ替えがスムーズにできたりする舞台袖の広いスペースが欠かせない。大阪市内でそれが可能な施設はほかになく、来年は兵庫県尼崎市のアルカイックホールに会場を移すという。
ということで、バレエ公演にはかなりの支障があるようです。
外来ミュージカルに関しても、
海外との契約は「1週間8回公演が基本で、その契約に見合う人数が集められるのはフェスティバルだけ。会場が狭くなれば、料金を上げなければ採算が合わない」と困惑している
そうです。
全国コンサートツアー事業者協会の鏡孝彦常任理事は「平日夕方の公演で会場が神戸や京都となると、大阪の会社勤めの客が公演を見にいけないケースも考えられる。大阪国際会議場など大阪の人気ホールは来年の予約がほとんど埋まっていて、新たに割り込める余地は小さい。内外の人気アーティストの公演は大量の集客がないと採算が合わず、関西公演を見送るケースも出るのではないか」と危惧する。
まあ、平日夕方の公演が観に行けないといっても、今のように6時半始まりの公演が多いのでは、なかなか社会人は平日に舞台を観にいけませんよね。東京に住んでいても、毎回思うことです。NBSの公演の一部と、新国立劇場が7時始まりにしてくれているのは本当にありがたいです(個人的なことですが、6時半に東京文化会館には、定時に出ても間に合いません)。欧米並みに7時半とか8時だったらもっとありがたいけど、日本は公共交通機関の終電が早いですからね。
兵庫県芸術文化センターは素晴らしいホールがあり、西宮北口駅に直結しているなど交通の便も良いのですが、なかなかバレエ公演をやりませんね。フェスティバルホールが休館になったらバレエも増やすのかしら?びわ湖ホールも、これまた素晴らしい劇場ですがちょっと遠いし。いい代替劇場も思いつかないので、しばらくは関西在住のバレエファンは我慢しなければならないかもですね。
東京も、東京文化会館が石原都知事のせいでバレエ公演に以前ほどあまり貸してくれなくなってしまったようですし(東京文化会館の予算はこの4年間で、5億9036万円から3億4374万円と4割以上減らされたそうです)、老朽化しています。実際バレエを観るのに良いホールってなかなかないですよね。新国立劇場オペラパレスと、やはりちょっと(かなり)古いですがゆうぽうとくらい?
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日本経済新聞の夕刊といえば、今(2月25日~29日)吉田都さんの文章が連載されていますね。
http://www.nikkei.co.jp/honshi/yukan/
こころの玉手箱 バレリーナ 吉田都さん(夕刊文化面)
都さんの美しいポートレートと、記事の見出しはサイトで読めます。真面目で優しい人柄が感じられる素敵な文章ですね。
吉田さんは子どもたちにバレエの楽しさを教える活動に熱心だ。幼稚園のとき、友達の発表会でバレエの魅力に取りつかれた。だから、心が柔らかい子どもたちに本物のバレエを見せたいと考えているのだ。
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