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2008年1月

2008/01/31

エトワールガラ2008 演目決定

エトワール・ガラの上演演目の情報をいただきました。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_08_etoiles.html

Aプログラム(予定) 8月6,7,10日
「ラ・シルフィード」 シルヴィア・アッツォーニ、イリ・ブベニチェク 
 (振付:A.ブルノンヴィル 音楽:H.ルーヴェンシュキョル) 
「椿姫」 第1幕より  エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ / ピアノ:上田晴子
 (振付:J.ノイマイヤー 音楽:F.ショパン)
「白鳥の湖」 第2幕より スベトラーナ・ルンキナ、マチュー・ガニオ 
 (振付:M.プティパ/L.イワノフ 音楽:P.I.チャイコフスキー)
「スターズ&ストライプス」 マリ=アニエス・ジロ、エルヴェ・モロー 
 (振付:J.バランシン/音楽:J.スーザ)
「ジゼル」 第2幕より  スベトラーナ・ルンキナ、マチュー・ガニオ
 (振付:J.コラリ/J.ペロー/M.プティパ 音楽:A.アダン)
「アザー・ダンス」  レティシア・プジョル、ジェレミー・ベランガール / ピアノ:上田晴子
 (振付:J.ロビンス 音楽:F.ショパン)
「アン・トレ・デュニオン Un Trait d'Union」  ジェレミー・ベランガール、バンジャマン・ペッシュ  
 (振付:A.プレルジョカージュ 音楽:J.S.バッハ) ※日本初演

他3演目予定

Bプログラム(予定) 8月8,9日
「ラ・バヤデール」 第1幕より スベトラーナ・ルンキナ、イリ・ブベニチェク
 (振付:M.プティパ 音楽:L.ミンクス)
「マーラー交響曲第5番 アダージェット」 シルヴィア・アッツオーニ、バンジャマン・ペッシュ
 (振付:J.ノイマイヤー 音楽:G.マーラー)
「ロミオとジュリエット」 第1幕より レティシア・プジョル、マチュー・ガニオ
 (振付:R.ヌレエフ 音楽:S.プロコフィエフ)
新作トリオ マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク、ジェレミー・ベランガール 
 (振付:S.L.シェルカウイ) ※世界初演
「カノン Canon in D major」  マチュー・ガニオ、バンジャマン・ペッシュ、イリ・ブベニチェク
(振付:J.ブベニチェク 音楽:J.パッヘルベル) 
「受胎告知」  エレオノラ・アバニャート、レティシア・プジョル
 (振付:A.プレルジョカージュ 音楽:S.ロイ/A.ヴィヴァルディ)  
「マノン」 第1幕第2場より スベトラーナ・ルンキナ、エルヴェ・モロー
 (振付:K.マクミラン 音楽:J.マスネ)

他3演目予定


去年のルグリと仲間たち公演で評判がよろしくなかったエレオノーラとバンジャマンの椿姫、リベンジあるでしょうか?ルンキナとエルヴェのマノン、楽しみですね!
イリ・ブベニチェク振付「カノン Canon in D major」  マチュー・ガニオ、バンジャマン・ペッシュ、イリ・ブベニチェク は、「融」で上演された素敵な作品かしら。

ミラノ・スカラ座「チャイコフスキー・ガラ」

スカラ座へ向かうと、大晦日のミラノの街は美しいイルミネーションで彩られている。中でもヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアの天井は青いイルミネーションの真ん中にミラノ市の紋章が輝き、この世とは思えないほどの美しさ。
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スカラ座広場に面した銀行の窓にも、繊細な電飾が。

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スカラ座の前には着飾った男女が群がる。私たちは天井桟敷なので、正面ではなく脇の入口から階段を延々と五階まで上らなくてはならない。大晦日の特別なガラでテレビで生中継された後にDVD化されるためプラチナチケットに。正規の値段でも平土間で240ユーロ、天井桟敷でも100ユーロくらいする。しかも正規のルートでは入手できずさらに高い値段で買ったわけで、天井桟敷でもドレスアップ度は高くダークスーツにイブニングドレスは当たり前。バレエを観にくのに着飾るのが大好きな私でも、もっと気合いを入れればよかったとちょっと反省するほど。寒いからといってノースリーブの10万円くらいのドレスではなく、もっと盛大に露出したイブニングドレスじゃないとこういう機会はダメみたい。なお、日本人は少ししか見かけなかった。服装がカジュアルで浮いている人はたいてい日本人だった。

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スカラ座の天井桟敷は五階と六階で、今回は五階のほぼ正面少し下手寄り。席は非常に狭いけど舞台は思いの他近く、東京文化会館の四階席よりも近く感じるほど。バレエはともかく、オペラだったらコストパフォーマンスもよく、非常に良席だと思う。うるさ型の常連が天井桟敷に集まるというのも納得。ただ今夜の客層はオペラがないのにオペラファン中心のようで、平気で前のめりになったり手摺りから手をはみ出させたり。拍手のタイミングも不思議なんだけど、やはりうるさ型の常連が、タイミング間違えた拍手にはシーっと言っていた。

チャイコフスキーガラと銘打ち、配られたプログラムにも白鳥の湖三幕、眠れる森の美女よりローズアダージオと青い鳥のパドドゥ、くるみ割り人形よりグランパドドゥとあるので、当然三つの演目が独立して上演されるものと思うでしょう。しかし、大晦日のガラであることを甘く見てました。

Gala Čajkovskijチャイコフスキー・ガラ

da IL LAGO DEI CIGNI「白鳥の湖」より
Coreografia e regia di Vladimir Bourmeister ウラジーミル・ブルメイステル振付
Scene e Costumi di Roberta Guidi di Bagno

Atto III 第三幕
Odette/Odile: Polina Semionova
Siegfried: Roberto Bolle
Buffone: Maurizio Licitra
Rothbart: Gianni Ghisleni
Regina: Flavia Vallone

da LA BELLA ADDORMENTATA NEL BOSCO「眠れる森の美女」より
Coreografia di Marius Petipa
Costumi di Franca Squarciapino

Adagio della Rosaローズ・アダージョ
La Principessa Aurora: Marta Romagna
Quattro Principi: Alessandro Grillo, Mick Zeni, Matteo Buongiorno, Bryan Hewison

Passo a due degli Uccelli Blu青い鳥のパ・ド・ドゥ
L’Uccellino blu: Antonino Sutera
La Principessa Fiorina: Daniela Cavalleri

da LO SCHIACCIANOCI「くるみ割り人形」より
Coreografia e regia di Patrice Bart パトリス・バール振付
Costumi di Luisa Spinatelli 衣装 ルイザ・スピナッテリ

Pas de deux dall’Atto II 第二幕のパ・ド・ドゥ
Marie: Nadja Saidakova
Il Principe Schiaccianoci: Ronald Savkovic

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指揮者のデビット・コールマンが登場し、二幕のアダージオのヴァイオリンソロが演奏される。せっかくならここも踊って欲しかった。コンサートマスターによる演奏は美しく澄んだ音色。

スカラ座の「白鳥の湖」は、DVDでもそうだけどブルメイステル版。プロローグ、花を摘んでいた人間の姿のオデットがロットバルトによって白鳥に変えられてしまうところから始まる。そして三幕へ。ゴージャスな舞台。各国の民族舞踊ダンサーたちに続き女王と王子が入場。ロベルト・ボッレはいつもに増して麗しい貴公子ぶり。白いタイツの似合うすらりとした長い脚、少年の面影を宿した美しいお顔は憂いを秘めている。花嫁候補たちが華やかに踊っても、魂はここになく、沈痛な表情。そこへオディールとロットバルトが登場。ポリーナ・セミオノワのオディールは、美しく華やかだけど、妖艶という感じではなく、友達の表現を借りれば「美少年のような黒鳥」。急にはっとしてオディールを追いかけようとする王子だけど、ブルメイステル版なので、ロットバルトの手下であるスペインのダンサーたちに行く手を阻まれる。27日にモスクワ音楽劇場バレエでブルメイステル版を観て来たばかりなので、予習はばっちり。スペインのソリストは、スカラ座の来日公演でも活躍したベアトリーチェ・カルボーネ。パリ・オペラ座のアレッシオ・カルボーネの姉妹。(←間違いでした。ベアトリーチェではないようです)メリハリの効いた、かっこいい踊り。

スペインの次には、チャルダッシュが続くと思ったのに、登場したのはピンクのチュチュを着たマルタ・ロマーニャ。そして、「眠れる森の美女」のローズアダージオが始まってしまった。しばし唖然としてしまう。4人の王子の一人は、ミック・ゼーニで、もう一人は、DVDになった「ジゼル」で変質者っぽいヒラリオンを演じていた人。それから、来日公演でエスパーダを踊っていたアレクサンダー・グリッロも。なかなか豪華なキャバリエたち。マルタ・ロマーニャは細くて長い手脚、長身とプロポーションが美しく、アティチュードもきれいな形を保ち、技術的にはなかなか安定していて良かった。スムーズにバランスもできていて美しかったと思う。そして、ロベルト王子は下手で女王様とこの一部始終を見ているのだけど、私の席がちょっと下手寄りだったため、腰掛けているロベルトは、美しい膝から下しか見えなかった。

ローズアダージオの後はまた「白鳥の湖」に戻ってナポリ。ナポリのダンサーたちと一緒に、王子を翻弄するかのようにオデットがひらひらと舞う。すると、今度は、「くるみ割り人形」のハープとチェロによる美しいアダージオが流れてきて、ベルリン国立バレエから客演しているナディア・サイダコワとロナルド・サフコヴィッチが踊り始める。バール版の「くるみ」のパ・ド・ドゥ。サイダコワはマラーホフと共演した「くるみ」のDVDで観てるけど、それから年を重ねたせいか、少しキラキラ感が足りなくて地味。でも技術があるのは良くわかるし、とても丁寧で音楽性豊かに踊り、好感が持てた。サフコヴィッチは、夏のローザンヌ・ガラで中村祥子さんと踊ったコンテンポラリーの演目の方がかっこよかったと思う。技術はしっかりしているんだけど、重そうに見えてしまった。ロベルトのような美しい人を前に踊るときには、よほどオーラがないと負けてしまうのかしら。

「くるみ」の後は「白鳥」に戻りチャルダシュ。そして、今度は「青い鳥のパ・ド・ドゥ」!青い鳥を踊るのはアントニーノ・ステーラ。「白鳥の湖」のDVDでは道化、「ラ・バヤデール」のDVDではブロンズアイドル。こういう役を踊る人は小柄な人が多いと思うのだけど、彼は小さいわけではなく、ほっそりとしていて手脚が長く、テクニックもありながら端正。特に腕の動きがとても美しく、鳥の羽ばたきを見ているようで素敵だったし、跳躍も実に軽やかで、ブリゼもきれい。ルックスもいいし、スカラ座のダンサーでは一押しで、他の一流バレエ団で青い鳥を踊るようなダンサーにも決して負けていない。フロリナのダニエラ・カヴァレッリも可愛らしくてなかなか良かった。「白鳥」のマズルカが続き、やっと黒鳥のパ・ド・ドゥへ。

ブルメイステル版の黒鳥のパ・ド・ドゥは、アダージオから、音楽がチャイコフスキー・パ・ド・ドゥに使われている曲を使っている。一般的な黒鳥PDDよりは地味だけど、よりドラマティックというかじわじわと盛り上がっていく感じ。ポリーナの黒鳥はもう何回も観ている訳だけど、あまり印象が変わっていない。美しいけど、とても筋肉質で、若くて野生の鳥のようなオディール。柔軟性もテクニックもあるけど、妖しさはない。小悪魔的でまさに美少年のよう。王子を翻弄する微笑み。アダージオの後半でオディールが後ろ向きにフィッシュダイブするのだけど、ポリーナは思い切りよく飛び込んで、見事に成功。

ロベルトのヴァリエーションも、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥの曲。美しいバットゥリー。トゥール・ザン・レールの着地もきれいだし、足音もしなくて実にエレガント。だがオデットというかオディールに出会えた幸せで、目じりの下がったスウィートな笑顔がこぼれている。ポリーナのヴァリエーションは、グリゴローヴィチ版でもおなじみの、短調を使って不穏な空気を生み出している曲。振り付けはグリゴローヴィチ版とはだいぶ違っていて、最初のアラベスクでの回転やピルエットからのアラベスクはなく、跳躍などが入ったもの。さすがに技術は素晴らしいし、オディールの邪悪さも良く表現できていた。そしてグランフェッテ。ここの曲も、おなじみのものではなく、最後は王子にリフトされてフィニッシュする。ポリーナはたいていフェッテの時には前半はダブルの連続技で持っていくのだけど、今回もその例に漏れず。強靭で軸も安定しているけど、体育会系のフェッテという感じなので、そのあたりはあまり好みではない。でも、上手ではある。ロベルトの表情の、なんと嬉しそうなことか。幸福に打ち震えていえる感じがにじみ出ている。ロットバルトの手下である民族舞踊のダンサーたちも、混沌とした舞台上を盛り上げていく。

しかしすべてはロットバルトの策略であり、裏切られたことに気がついた王子は、なんと愚かなことをしてしまったのかと慟哭し、誓うために掲げた手を下ろし、女王の膝で涙を流した後オデットを求めて走り去る。ロベルトが演じる王子像というのは、とても若く純粋でまっすぐな王子なので、素直に感情移入しやすく共感を呼ぶ。最近、屈折した王子ばかり見てきたから、かえって新鮮に感じられるし、演技もとても細かくて自然、かつ等身大なので好感が持てる。ロベルト、白鳥DVDの頃より演技にも、技術にも磨きがかかっていたので、その成長した姿を観られてすごく嬉しかった。大柄な人特有のもっさり感がすっかり消えていた。

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カーテンコールでは、まずはキャラクターダンスを踊った人たちや王女たち、貴族が出てくるという通常の展開なのだけど、ソロを踊ったダンサーたちは、男性はタキシード、女性はドレスを着用して登場。ロビーは長身美形なので、このタキシード姿はハリウッドスターのように素敵。ポリーナはもちろん可愛いし、マルタ・ロマーニャもほっそりとしていて背が高いので、モデルのよう。ダンサーたち、それから指揮者のデヴィッド・コールマンはみなシャンパンを手にして、スカラ座の総裁が乾杯。しばらくの間、シャンパングラスを持ったダンサーたちは舞台上で談笑しているので、観客席にいる私たちは、ちょっと間抜けだなと思いながらその姿をしばし見ていた。

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3幕のディヴェルティスマン(しかも、ブルメイステル版なので単なるディベルティスマンではなくドラマの担い手でもある)に、ローズアダージオやくるみのグラン・パ・ド・ドゥなどを挟み込むという構成は、ブルメイステル版のドラマティックさをすっかり殺してしまうようで、すごくもったいない使い方だし、3幕が必要以上に長くなって間延びした感じにもなってしまうけど、大晦日だからこういうお遊びは許されるってことだろうか。この上なく贅沢、華やかで盛り上がったとはいえる。でも普通にブルメイステル版白鳥全幕が観たかったな、というのが正直なところ。DVD化される予定なので、ぜひ観てみて。

夢のような時間は過ぎ去り、幕となった後、観客たちにもホワイエでシャンパンが振舞われた。私は今ドクターストップ中でお酒が飲めないのだけど、大晦日だと言うことで、せっかくなのでいただいた。久々に飲むシャンパン(イタリアなのでプロセッコ)は美味しかった♪そして、レストランへと繰り出し、年は明けて行った。(友達が予約していたレストランが、なんと閉まっているというアクシデントがあったけど、無事夕食にはありつけた) ドゥオーモ広場からはまるで爆撃のように爆竹の音が鳴り響き、花火も打ち上げられていたけどここは日本ではなくイタリアなので、花火は不発弾が多く、ぜんぜん見られなかった(笑)

2008/01/30

ABT来日公演 オールスターガラの内容

ABT オールスターガラの内容です。
http://www.japanarts.co.jp/html/2008/ballet/ABT/index.htm

7月17日(木)19:00

≪「ラ・バヤデール」 パ・ダクシオン≫
ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ 
<振付:ナターリア・マカロワ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪「マノン」 パ・ド・ドゥ≫
ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス 
<振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ>

≪シナトラ組曲≫
ミスティ・コープランド/ホセ・カレーニョ 
<振付:トワイラ・サープ 音楽:フランク・シナトラ>

≪「白鳥の湖」第2幕のパ・ド・ドゥ≫
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー
<振付:ケヴィン・マッケンジー 音楽:ピョートル・チャイコフスキー>

≪「ドン・キホーテ」 パ・ド・ドゥ≫
ニーナ・アナニアシヴィリ/アンヘル・コレーラ 
<振付:マリウス・プティパ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪トワイラ・サープの新作≫ ※日本初演
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス/ジリアン・マーフィー/デイヴィッド・ホールバーグ
エルマン・コルネホ/イーサン・スティーフェル
<振付:トワイラ・サープ 音楽:ダニー・エルフマン>

7月18日(金)19:00

≪「ラ・バヤデール」 パ・ダクシオン≫
ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ 
<振付:ナターリア・マカロワ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪「眠れる森の美女」 パ・ド・ドゥ≫
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー
<振付:ケヴィン・マッケンジー 音楽:ピョートル・チャイコフスキー>

≪「メリー・ウィドウ」 パ・ド・ドゥ≫
ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス 
<振付:ロナルド・ハインド 音楽:フランツ・レハール>

≪シナトラ組曲≫
ミスティ・コープランド/ホセ・カレーニョ 
<振付:トワイラ・サープ 音楽:フランク・シナトラ>

≪「海賊」 パ・ド・ドゥ≫
シオマラ・レイエス/アンヘル・コレーラ 
<振付:マリウス・プティパ 音楽:アドルフ・アダン>

≪トワイラ・サープの新作≫ ※日本初演
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス/ジリアン・マーフィー/デイヴィッド・ホールバーグ
エルマン・コルネホ/イーサン・スティーフェル
<振付:トワイラ・サープ 音楽:ダニー・エルフマン>

S\22,000 A\18,000 B\15,000 C\12,000 D\9,000 E\6,000


注目はニーナ&アンヘルの「ドン・キホーテ」パ・ド・ドゥと、トワイラ・サープの新作かな?

ラトマンスキー、ボリショイの芸術監督を退任する意向/岩田守弘さんブログ

Ballet Talkのフォーラムによると、ロシアのイズベチア紙に掲載されたインタビューにて、ボリショイ・バレエの芸術監督であるアレクセイ・ラトマンスキーが振付に専念するために、契約を更新せず今年末に退任すると表明しています。

ラトマンスキーは振付活動に忙しく、今年に入ってもNYCBのために新作、ディアナ・ヴィシニョーワの2月のカリフォルニアでプレミアされる'Pierrot Lunaire" 、そしてグルジア国立バレエに新作"Bizet Variations"、さらにボリショイには今年7月にプレミアされる「パリの炎」の改訂振付という大活躍ぶりでした。

Izvestiya Jan 29 2008"Today the problem of leaking talent is over."
と題したこの記事は、興味深い内容が満載です。若手で最も期待されているのは、やはりナタリア・オシポワ、ほかにもイワン・ワシリエフをはじめエカテリーナ・クリサノワやデニス・サーヴィン、アンナ・ニクリーナを評価しています。その上、ザハロワ、アレクサンドロワ、ルンキナといったスターもまだ20代であるということが強みと。タイトルにもあるように、人材の流出は止まり、再び黄金時代を迎えつつあると考えているようです。最近ボリショイは、クリストファー・ウィールダンやトワイラ・サープの作品を上演したりと、コンテンポラリーにも力を入れていますが、ソヴィエト時代の作品やグリゴローヴィチの作品なども引き続き重視してきたつもりであるとのこと。

古典文学をベースにしたクラシック・バレエの新作という可能性は、という質問にも、ノイマイヤーやエイフマンのアプローチを参考に、今後は作り上げていきたいとのこと。

インタビュアーは、ザハロワについて、(そしておそらくは不仲を伝えられているツィスカリーゼについて)、いろいろと突っ込んだ質問をしていて面白いです。「ザハロワは美しく才能があるけど、冷たい、といっている批評家がいますがいかがですか」という質問に対しては、「そんなことはない。彼女が最高のバレリーナであるというのは、他のダンサーにとって不公平だから言わないけど、神に与えられた美しい肉体と、最高の教育の産物。今彼女に必要なのは、ドラマティックな女優として開眼できる、ドラマティックなプロダクションだと思う。成長していくキャラクターを示すことができる、古典文学のプロダクションは彼女に必要なものかもしれない」と答えています。だから、ザハロワは新国立劇場の「椿姫」を引き受けたんだろうなって思いました。

ラトマンスキーは芸術監督としての契約は更新しないけど、引き続き作品は提供していくつもりだそうです。ラトマンスキーについては、賛否両論いろいろあったわけですが、オシポワやワシリエフを発掘し、ザハロワをさらにトップスターにし、人材流出を止めて、パリやロンドンなど海外公演でも高い評価を得た功績は大きいといえることでしょう。220人の団員と20人の教師を率いて、4年間で24作品もの新作を上演するというのも、すごいことだったと思います。


追記:けいちかさんに教えていただきましたが、ボリショイ唯一の日本人団員、第一ソリストの岩田守弘さんのオフィシャルファンブログが始まりました。ロシアでの生活について、ツアーについてなど大変面白い内容です。必見!出演予定も書いてあります。
http://ibashika.exblog.jp/

ABT&ボリショイ来日公演のキャスト/マラーホフ演目変更

めぐみの馬耳豆富さんに、いち早い情報をいただきました。ありがとうございます!マリインスキー・オペラの会場でチラシが配られていたようです。転載させていただきます。

ABT(アメリカン・バレエ・シアター)
http://www.japanarts.co.jp/html/2008/ballet/ABT/index.htm
オフィシャルにもやっと出ました!

オールスターガラについては、長くなるので別エントリを立てます。

「海賊」 (順番にメドーラ、コンラッド、アリ、ギュリナーラ、ランケデム)
7/19(土) 18:30
アナニアシヴィリ、未定、コレーラ、アブレラ、サヴェリエフ
7/20(日) 13:00
ワイルズ、ホールバーグ、カレーニョ、コープランド、マシューズ
7/20(日) 18:00
ヘレーラ、ゴメス、スティーフェル、レイエス、コルネホ
7/21(月、祝) 13:00
マーフィー、サヴェリエフ、コレーラ、リチェット、ラデッキー

「白鳥の湖」
7/23(水) 18:30
ケント、ゴメス、ホールバーグ
7/24(木) 18:30
ドヴォロヴェンコ、ベロセルコフスキー、サヴェリエフ
7/25(金) 13:00
ヘレーラ、カレーニョ、ラデツキー
7/25(金) 18:30
マーフィー、コレーラ、マシューズ

S\20,000 A\17,000 B\14,000 C\11,000 D\8,000 E\5,000

ボリショイ・バレエ
「ドン・キホーテ」
12/3(水) 18:03
アレクサンドロワ、フィーリン
12/4(木) 18:30
オーシポワ、ワシーリエフ
12/11(木) 18:30
ザハーロワ、ウヴァーロフ

「白鳥の湖」
12/5(金) 18:30
ザハーロワ、ウヴァーロフ、ベロゴロツェフ
12/6(土) 12:00
ルンキナ、グダーノフ
12/6(土) 18:00
アレクサンドロワ、フィーリン
12/7(日) 12:00
クリサノワ、グダーノフ
12/7(日) 18:00
ザハーロワ、ウヴァーロフ、ベロゴロツェフ

以上2演目は
S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

「明るい小川」
12/9(火) 19:00
ルンキナ、メルクーリエフ、アレクサンドロワ、フィーリン
12/10(水) 19:00
クリサノワ、メルクーリエフ、オーシポワ、ゴドフスキー
S¥18,000 A¥15,000 B¥12,000 C¥9,000 D¥7,000 E¥5,000

めぐみさん、ありがとうございます!

ABTでは、ニーナは「白鳥の湖」ではなく「海賊」に出演するのですね。ニーナのパートナーが未定。イーサンはアリなんですね。「白鳥の湖」にイーサンは出ないんでしょうか?「白鳥の湖」の注目キャストは、デヴィッド・ホールバーグのロットバルト。観た人の話によればそれはそれは美しく妖しいそうです。白鳥は、イリーナ・ドヴォロヴェンコがこの中では絶品なんですが。金曜日は平日なのにマチネがあるのが意味不明。前回も、平日マチネがあったんですが、ABTは必ず平日マチネを入れる契約になっているんでしょうか?

ボリショイは、気になるのが「白鳥の湖」で悪の天才=ロットバルトのキャストが、ベロゴロツェフしか出ていないこと。ほかの日は未定なんでしょうか?それとも、ニコライ・ツィスカリーゼの出演を交渉中ってことなのかしら?アレクサンドロワの白鳥がやっと観られますね。そして、フィーリンの「明るい小川」は待っていました!オーシポワ、ワシーリエフの「ドン・キホーテ」ももちろん楽しみです。どの日を買おうか、迷ってしまいますね。

しかし両方とも、公式ブログがあるのでそっちにも情報提供をしてもらいたいものです。私は日曜日にマリインスキーオペラを観にいくので、きっとそこでチラシをもらえることでしょう。

追記:やっとボリショイの方はオフィシャルに出ました。ABTはまだです。
http://bolshoi-ballet.seesaa.net/article/81068271.html

≪チケット販売情報≫
2月8日(金) 10:00a.m.~発売 夢倶楽部メール会員
2月9日(土) 10:00a.m.~発売 夢倶楽部会員
2月11日(月) 10:00a.m.~発売 ジャパン・アーツぴあメール会員
2月17日(日) 10:00a.m.~発売 一般

2008年日本公演スケジュール(東京公演以外)
●白鳥の湖  ▲ドン・キホーテ ☆明るい小川

▲11/22(土) 三重県文化会館大ホール 三重県文化会館チケットカウンター (059)233-1122
☆11/24(月) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
          びわ湖ホールチケットセンター (077)523-7136
●11/26(水) 愛知県芸術劇場大ホール 中京テレビ事業 (052)957-3333
▲11/28(金) 福岡サンパレスホール 西日本新聞社(092)711-5550
●11/29(土) iichiko総合文化センター 大分県文化スポーツ振興財団 (097)533-4004
●12/01(月) 札幌市教育文化会館  オフィス・ワン (011)612-8696
●12/13(土) フェスティバルホール フェスティバルホール (06)6231-2221
▲12/14(日) フェスティバルホール フェスティバルホール (06)6231-2221

********

それから、マラーホフの贈り物の演目の変更が出ました。ベジャールが亡くなったことで、Bプロ「これが死か」の上演許可が下りなかったこと、およびマラーホフの希望による変更です。(「パキータ」→「白鳥の湖」) あの変な振り付けの「白鳥の湖」よりも「パキータ」が観たかったです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/2008/01/post-10.html

Aプロの追加演目
「白鳥の湖」第2幕 〈全編〉
振付:レフ・イワーノフ  
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、ウラジーミル・マラーホフ、東京バレエ団

「アレス・ワルツ」
振付:レナート・ツァネラ  
音楽:ヨハン・シュトラウス
ポリーナ・セミオノワ

Bプロの追加演目
「バレエ・インペリアル」
振付:ジョージ・バランシン  
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、ウラジーミル・マラーホフ、東京バレエ団

2008/01/28

DANZA/DDDの表紙もコルプ

すごいですね。ダンスマガジンに続き、DANZAとDDDの表紙もイーゴリ・コルプが飾りました。今一番旬の男性ダンサーなんですね。彼のようなちょっと不良っぽいのと同時にアーティスティックなところもあるダンサーは、今はほかにいないからなのかもしれません。ジョニー・デップのような美形ではありませんが、正統派とちょっと外れているところがカッコいいというキャラクターは、ちょっとジョニーに通じるところがあるのかも。(実際には子供を大事にするパパであるところとかもね。クリスマスには5歳の息子さんを喜ばせるために毎年サンタの扮装をしているそうです)

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DANZAですが、大変読み応えがありました。巻頭インタビューはコルプ(表記は、イーゴリ・コールプ。どっちなんでしょうね。ジャパンアーツではコールプ、光藍社ではコルプとしているようです)。もう表紙のポーズからして、独特のコルプ・ワールドです。非常にファッションには興味があって、東京でもショッピングを楽しんだとか。この号の写真撮影でも、さまざまな着こなしを提案してくれたそうですが、ファッションを楽しむことを自分に許したのは最近のこととのこと。インタビューのページで着用しているノースリーブのベストは自身のデザインによるものだそうですが、すごくお洒落です。先日の「ドン・キホーテ」では金髪でしたが、DANZAや、DDDの前の号では、黒髪。地毛が金髪のようですが、黒くした方がシャープな感じでキマっています。さすが黒王子。「ライモンダ」に出演したときに、エレーナ・フィリピエワと役について納得がいくまでいろいろと話し合ったとか、それまでは白鳥の王子などプリンス的な役柄が多かったのに、バフチサライの泉のギレイ汗などキャラクター色の強い役柄を卒業の課題に課せられた学生時代の話とか、興味深い内容でした。日本では「白鳥の湖」と「薔薇の精」ばかり踊るけどもっといろいろな僕を見てほしい、ということで、ぜひまた違ったコルプが近いうちに観られますように。でも、これ以上コルプ中毒になったら、生活に支障がおきてしまいます!

レニングラード国立バレエの、6演目セット券を買った人が招待されたパーティの写真も。

それから、パリ・オペラ座の来日公演「ル・パルク」の特集ということで、プレルジョカージュ(振り付け)とエミリー・コゼットのインタビュー。プレルジョカージュは作品の内容についていろいろと語っています。コゼットは、今まで見た写真とちょっと違ったイメージです。この人は古典的な美貌の持ち主ですね。金髪に大きな青い目とすごく美しい。ですが「私たちは"ルフェーブル世代”と呼ぶことのできる新しいジェネレーション。ジェレミー、バンジャマン、レティシア、マリー=アニエス・・」と言っていると、ヌレエフ世代を愛している日本のオペラ座ファンの多くを敵に回すことになるかもしれません。

パリ・オペラ座といえば「エトワール・ガラ」のプロモ用の写真も載っていました。相変わらず写真写りの悪いエルヴェ。反面、いつでも麗しいのがマチュー。

ほかにインタビューは東京シティバレエ団の橘るみさん(可愛らしいですね)と谷桃子バレエ団の今井智也さん。プレビューや舞台のレビューもたくさん載っていて嬉しい限り。唯一、素晴らしかったモスクワ音楽劇場バレエの舞台写真が載っていないのが残念でした。

それと、海外情報が充実しているのが素晴らしい。ダンマガではスルーされてしまった、ABTのジェニファー・アレクサンダー事故死のニュースがトップ。彼女の代表的な役であった「ジゼル」のバチルドの写真がとても哀しいです。それから、なんといっても素敵なのがニコライ・ツィスカリーゼのベネフィス公演の記事で、ニコライさんの美しくも濃厚な薔薇の精の写真が載っています。(少女役は、ジャンナ・アユポワ)。
もうひとつザハロワのガラ公演では、ザハロワとメルクリエフが踊る「トリスタンとイゾルデ」のこれまた美しい写真。海外公演情報が充実しているのもいいですよね。ページ数と無料であることを考えると、ダンマガよりよほど充実した内容と言えます。

DDDは前の号にインタビューとファッショングラビアがあったので、この号は表紙のみ。コルプの澄んだ青い瞳と、ブルーのコートがとてもよくマッチしています。この風貌では、たしかにバレエダンサーには見えないでしょうね。

「DDD」の方は、完全にコルプのジャケ写買いだったんですが、ABTのパロマ・ヘレーラのインタビューがありました。内容は割りと優等生的でそれほど面白いわけではないですが、彼女のひたむきさが伝わってきます。日本ではあまり人気がないようですが、私は彼女のオデットは好きです。H・アール・カオスの大島早紀子さんと白河直子さん、そして指揮者の大友直人さんのインタビューは面白かったです。2月29日に予定されている「ボレロ」「中国の不思議な役人」のコラボレーションコンサート、とても楽しみにしています。

それと早くも首藤康之さん&小野寺修二さんの「空白に落ちた男」の舞台写真がたくさん載っているのが良かったです。まだこの作品は上演中ですからね。時間がなくてまだ感想が書けていないんですが、ものすごく面白い公演でした。もう一回見に行く予定なので、初日からどのように変化して行っているのか、楽しみです。早乙女太一くんの中国公演の記事も、写真がとてもきれいで楽しめました。

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2008/01/27

1/26 レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「ドン・キホーテ」

キトリ:アナスタシア・コレゴワ
バジル:イーゴリ・コルプ(イーゴリ・コールプ)
ドン・キホーテ:マラト・シェミウノフ
サンチョ・パンサ:デニス・トルマチョフ
キトリの友人:アレクサンドラ・ラトゥースカ
        :サビーナ・ヤパーロワ
ガマーシュ:マクシム・ポドショーノフ
ロレンツォ:イーゴリ・フィリモーノフ
エスパーダ:デニス・モロゾフ
大道の踊り子:オリガ・ステパノワ
メルセデス:エレーナ・モストヴァーヤ
トレアドール:アンドレイ・マスロボエフ
        :アントン・チェスノコフ
ジプシー:アンナ・ノヴォショーロワ、ニコライ・アルジャエフ
森の女王:オクサーネ・シェスタコワ
キューピッド:エレーナ・ニキフォロワ
ファンダンゴ:アリョーナ・ヴィジェニナ、アントン・チェスノコフ
ヴァリエーション:イリーナ・コシェレワ、オリガ・ステパノワ
グラン・パ:
 アンナ・スホワ、ディアナ・マディシェワ、エレーナ・フィルソーワ、
 エカテリーナ・スカーチナ、エレーナ・カシェーエワ、エレーナ・スヒーフ、
 ヴァレリア・ジュラヴリョーワ

指揮:アンドレイ・アニハーノフ
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

ついにコルプ祭りもこれで終了。しかし私、自分の席が2階L列だったのに、係員の誘導ミスもあり、間違えて3階L列に座ってしまい、気がついたのは演奏が始まってからだった。オーチャードホールの2階バルコンは、最悪なこの劇場の中では非常に観やすいのだけど、そこにいたるまでの構造が複雑なので、もう少しわかりやすい案内にしてほしい。同じフロアに2階L列と3階L列の入り口が並んでいるのだから。

「バヤデルカ」でニキヤを観て、きっとこの技術と明るい雰囲気だったら、キトリが似合うだろうなと思ったコレゴワ。しかし、こうやって観てみると、似合うかもしれなかったんだけど、まだキトリ役そのものになじんでいないんだろうなと思ってしまった。手脚が長く、顔が小さくて、目が大きくとてもキュートな美人で、柔軟性のある身体で脚も非常によく上がる。足の甲もきれい。なのに・・・。演技力があまりなく、パートナーとコミュニケーションできていないのがひとつ。せっかくコルプが一生懸命暑苦しいラブラブ光線を送っているのに、それに応えられなくて、途中でコルプも光線を送るのをやめてしまっていたようだった。それと音楽性の欠如。3幕のフェッテが、ちょっとひどかった。去年のゴールデン・バレエ・コースターで観たアリーナ・ソーモワのフェッテを思い出してしまった。32回回っているし、ダブルも入れているんだけど、軸がぐにゃぐにゃで音と全然合っていない。バランスは得意のようだし、背中も柔らかいんだけど・・。まだまだ全体的に覚束ないというか、真ん中で踊るタマではなかったというのが現時点の実力のよう。相手役のコルプがあまりにも凄いし、女性以上に美しく踊る人だから、余計にそう見えてしまったようだ。

というわけで、コルプ。昨日は最初は飛ばしていたものの、3幕で急に疲れが見えてしまってミスもあったのだけど、今日は踊りそのものは昨日よりも調子がよく、3幕での失速もなかった。演技は、ペレンの方がノリがよかったこともあり、昨日の方がいろいろとやっていて面白かったけど。

まず、1幕のキトリのお友達とのパドトロワでスパークしていた。コルプはいつもは腕の使い方の美しさに目が行くのだけど、ここではランベルセのときの伸びやかな脚の動きに魅せられた。凄いスピードで複雑なパを踊りこなしているし、おおおお!って興奮。キメのトゥールザンレール、キレ味鋭く見事な着地。その後に続くキトリのカスタネットのソロでは、コルプがまずカスタネットを鳴らしながら舞台を一周。このまま、コルプがカスタネットのソロを踊るんじゃないかって(笑)。ってゆうか、コルプのカスタネットのソロが観たいんですけど。以前バレエフェスのガラの余興で、マルセロ・ゴメスが見事なカスタネットのソロを披露したのを思い出した。コレゴワも、カスタネットのソロは柔軟性が生かされており、良かったと思う。

昨日失敗した1幕での片手リフトは今日は見事に成功。相変わらずリフトやサポートは見事で、キトリがまるで空を飛んでいるんじゃないかと思うほど。ただし、1幕のラストで二人で逃げ出すところは、昨日はアンオーに腕を広げてポーズをしているペレンをリフトしたまま、群集を掻き分け舞台を斜めに横切っていたけど、今日は普通に手に手を取って逃げていった。それにしても、人相やガラは悪いけど満面の笑顔、そこらへんのアンチャンって感じの1幕のコルプ、可愛かったな~。満面の笑みが時々、あの片頬でのニヤリとした笑いと、射抜くような鋭い視線に変身する瞬間があって、それがたまりません。ヘラヘラしたヤンキーな床屋に偽装した、黒い天使のよう。しかしピンクのシャツの裾がずるずる出てきているのはいただけないわ!あのピンクは何か狙っているのかしら?

2幕の冒頭でいちゃつくバジルとキトリ、すごくエロい。昼間っからこんなもの見せちゃっていいんでしょうかと思うくらい。二人が上手の方でジプシーの踊りを見ているときも、ほとんど二人羽織状態で身体密着しちゃってもう、みたいな感じなんだけど、とにかくバジルがキトリのことを好きでたまらないんだけど、キトリはちょっとクール。風車に戦いを挑むドン・キホーテを見ているバジルが、本気でオタオタと慌てていたりするという演技の細かさ、いいねえ。そして狂言自殺のシーン。また例によって狂気が覗くマジな顔で(でも、前日よりはいたずらっぽく、冗談っぽくはなってきている)刃物振り回して、このままみんな皆殺しかも、って見せかけ、マントを床に敷いて横たわる。その後に、会場に向けた投げキッスの濃ゆいこと!会場沸きまくり。やっぱりペレンと比べてラブラブ度が低いので、今回はキトリとのキスの数がちょっと少なくて、キトリの胸をおさわり、というのもほとんどなかったけど、それでもコレゴワのホッペに顔を寄せるコルプがいたずらっぽくもセクシーだった。そして伸ばしたつま先がやっぱりきれいで、やたら色っぽい。女性の美しい脚を見て興奮する親父のような心境になってしまって困った。結婚を許されて立ち上がったコルプが見せた、超高速シェネがまるで竜巻のようで凄かった!あんなに速くて正確なシェネは初めて見たかもしれない。この人は何でいちいちすべてが上手なんだろう。ゲストで呼ばれるダンサーだから、上手なのは当たり前なんだろうけど、上手という水準を軽く超えた、さらに上のモノを見せてもらうことできる。

3幕では、またまた貴公子に大変身。純白の衣装(上着は若干グレーがかっていて、華麗な刺繍がある)が似合うってキラキラ感もあるんだけど、やっぱりこの人は黒王子。彼が体現する純粋なバレエの美しさの中に、一瞬だけ黒曜石のように輝く魔性。これが、パフォーミングアーツを見る醍醐味なのだと思う。アダージオのフィッシュダイブは前日にちょっと失敗したので、慎重にやっていたけど今回は成功。肩甲骨からしっかり使っているポール・ド・ブラが滑らかな曲線を描き、女性ダンサーよりもずっと美しい。ヴァリエーションは、昨日とはちょっと変えてきていて、標準的なバジルのヴァリエーションに近いものになっていた。キメポーズで大きく後ろに背中をそらすラインが、気絶しそうになるくらい美しい。片足で着地してそのままアラベスクに持っていくという高度な技も、微塵も揺るぐことなくスムーズに美しいY字ラインへと持っていく。そこで、また片頬でにやり、野生の豹のような鋭くエロティックな視線。こんなバジル観たことない!少なくとも絶対スペイン人ではないだろう。
コーダは前日と同じ、しなやかなトゥール・ザン・レールとジュッテのコンビネーション。音にあわせるのがすごく難しそうな振り付けだと思うんだけど、前日よりずっと合っていた。床屋に身をやつしていたバジルが、遠い遠い寒い国からやってきたエキゾチックな貴公子という正体を明かして踊っているようだったけど。そしてすごいスピードのピルエット・ア・ラ・スゴンド。軸のしっかりしていること、安定しいていること。アンレールのアティチュードの角度の絶妙な美しさ。参った。「ドン・キホーテ」のバジルではないけれども、どこまでも自分らしく、純粋な美とアーティスティックさを追及し、技術的にも芸術的にも、そして娯楽的にも妥協を許さないその真摯な姿勢。これぞ真の芸術家だと確信。

バジル役がコルプに似合っているとは、やっぱり言えない。しかし敢えて似合わない役柄を、自分流の美学を通して作り上げ挑戦する心意気は良し。コルプはやはり「白鳥の湖」の浮世離れした、ロマンティックな狂気を秘めたひきこもり王子や、勇敢そうでセクシーなのに実はヘタレな「バヤデルカ」のソロル、そして、なんといってもめくるめく快楽の世界へと誘ってくれる鼻血が出そうな「ライモンダ」のアブデラクマンなどの黒王子的な役柄で観たいと思ったけど、今後このバジル役をどうやって突き進めて行くかは、ものすごく興味がある。やっぱり彼からは一瞬も目を離せない!何をやらかしてくれるんでしょう、今度は。長期の滞在で疲れたと思うけど、また日本に来てね。

それと、終演後に友達とお茶しながら出た話題としては、ぜひノイマイヤー作品、「幻想 白鳥の湖のように」のルートヴィヒ2世と、「ニジンスキー」のタイトルロールで観たいということ。それから10年後には、「ヴェニスに死す」のアッシェンバッハもいいかもしれない。いっちゃった役を演じるには、彼ほどの適任者はいないんじゃないかと思うこのごろ。スタイルとしては、コルプはもしかして、ニジンスキーの転生なんじゃないかと思うよ、マジで。ノイマイヤー先生、お願い。


ほかのキャストはというと、まずモロゾフのエスパーダはめちゃめちゃ濃かった。しかもスペイン人の濃さじゃなくてやっぱりロシア人の濃さなんだよね。前日のシヴァコフのキメキメぶりが可愛いのとは対照的で、泥臭さがあるけどテクニックはなかなかお見事。闘牛士軍団はみな、跳躍も大きくダイナミックで、マント捌きもうまい。大道の踊り子はステパノワ。しかもステパノワは3幕ではヴァリエーションでも出演と大活躍。昨日のハビブリナが女らしいほんのりとした色香が漂っていたのに対し、あくまでも男前でかっこいい姐さん。思い切りのよいテクニックがいかしていた。ここでは、剣は上向きに立てられているのよね。一方、3幕のヴァリエーションでは、音楽性が豊かで正確でありながらのびのびした踊りが素敵だった。ものすごく上手い!主役よりも上手い。もう一人、ヴァリエーションを踊ったのが可憐なイリーナ・コシェレワ。この第二ヴァリエーションは相当難しそうな振り付けだけど、すごく丁寧に踊っていて、笑顔がキラキラしていて可愛いこのこの上なし。

メルセデスは昨日に引き続きのエレーナ・モストヴァーヤ。初日は黒髪だったのに今日は金髪。プログラムを見ると地は金髪のようだ。背中が柔らかく、つややかで色っぽ~いメルセデスが素敵だった。キューピッドのエレーナ・ニキフォロワが素晴らしい。軽やかでキュートで、アラベスクがとってもきれい。しかしこの日の女性ダンサーの白眉は、やっぱり森の女王のシェスタコワだろう。音楽と一体化したこの上なく優雅な踊り。イタリアンフェッテにしても、彼女の手にかかると、あまりにもなめらかなので、ぜんぜん難しそうに見えない。優しげでおおらかで気品あふれる女王ぶり。舞台を横切るグラン・ジュッテも、足音をさせずにふわりと飛んで、高く舞い上がっているのにそれがさらりとしているところが凄い。コレゴワもジュッテは得意なようで、やはり高く足音もなく飛んでいたけど、シェスタコワの貫禄の前では分が悪い。シェスタコワ、サンクトペテルブルグではキトリ・デビューをしたようなのでぜひ来年は彼女のキトリが見たいところ。

ドン・キホーテのシェミウノフ、サンチョ・パンサのトルマチョフ、二人の至芸ぶりは言うまでもない。この版では踊るシーンこそ少ないものの、シェミウノフ君は若さに似合わない風格と、ドン・キホーテの可笑しさ哀しさを体現しているし、トルマチョフはちょこまかしていて愛嬌あるサンチョを好演。それと忘れていた、ジプシー役のニコライ・アルジャエフのワイルドな跳躍がかっこよかった!すごく背中が柔らかくてバネがあって迫力満点!「バヤデルカ」の太古の踊りでもかっこよかったアンナ・ノヴォショーロワと併せ、退屈になりがちな2幕1場を魅せてくれた。

そういうわけで、見れば見るほど楽しいレニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)の「ドン・キホーテ」。この公演が東京の最後だと思うと、ちょっと寂しい。フルーツ王が多額の資金を投入し、ルジマトフが芸術監督となったことで、いろいろな変化があったはず。マトヴィエンコ夫妻も移籍してきたし、地元サンクトペテルブルグを重視するために日本での公演回数を減らすらしいという話も聞こえてくる。しかし、今までこれだけ多くの公演回数をこなし、地道な活動で日本中にファンを作ったカンパニーが来なくなるのはあまりに悲しい。ロシアバレエの魅力を伝えてきた功績は大きいんだし、これからも、少なくとも冬には来てほしいな~と切に願うのだった。(そして、ぜひ「ライモンダ」を携えてコルプをまたアブデラクマンで呼んでね!)

今はただ、4月のマリインスキーのNY公演が楽しみで仕方ない。コルプの黄金の奴隷を観られるかと思うと、幸せで死にそう。

2008/01/26

ルジマトフのすべて2008

レニングラード国立バレエの「ドン・キホーテ」会場で、「ルジマトフのすべて2008」の仮チラシが挟み込まれていました。

7月2日(水)3日(木)新宿文化センターで、新作「カルメン」他の上演です。ルジマトフ以外の出演者は今のところ不明。3月上旬発送の光藍社さんのDMで先行予約だそうです。やっと今年もルジマトフが踊るのが見られますね!


それと会場でダンスマガジン3月号が先行して売っていました。とにかく、コルプのアブデラクマンの表紙があまりにも素敵過ぎて、鼻血が出そうです。跳躍中のお姿ですが、独特のダイナミックな腕使いもさることながら、マントの裏地が綺麗に出ているし、なによりもつま先が凄い!撮影するのも大変だったと思いますが・・。そしてトレードマークのガラス玉のような青く澄んだ瞳が美しい。本当にセクシーですね、この方。

中身もコルプのキエフバレエのゲスト出演のときの写真が満載で、インタビューもあります。アブデラクマン役は、二つ返事で引き受けたそう。それから、今は教師になるための勉強もしていたり、ゲスト出演も多いので自由時間はほとんどないそうです。ベラルーシで習っていた先生は、ボリショイのイワン・ワシリエフや、ハンブルク・バレエのイヴァン・ウルバンと同じだとのこと。

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1/25 レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「ドン・キホーテ」

キトリ イリーナ・ペレン
バジル イーゴリ・コルプ
ドン・キホーテ マラト・シェミウノフ
サンチョ・パンサ デニス・トルマチョフ
キトリの友達 タチアナ・ミリツェワ 、アナスタシア・ロマチェンコワ
ガマーシュ アレクセイ・マラーホフ
ロレンツォ イーゴリ・フィリモーノフ
エスパーダ ミハイル・シヴァコフ
大道の踊り子 エルビラ・ハビブリナ
メルセデス エレーナ・モストヴァーヤ
森の女王 エレーナ・エフセーエワ
キューピット サビーナ・ヤパーロワ
ヴァリエーション オリガ・ステパノワ、タチアナ・ミリツェワ
ファンダンゴ  アリョーナ・ヴィジェニナ、ミハイル・ヴェンシコフ
トレアドールアンドレイ・マスロボエフ 、アントン・チェスノコフ
ジプシー アンナ・ノヴォショーロワ、ニコライ・アルジャエフ

指揮:アンドレイ・アニハーノフ 演奏:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

コルプがバジルを演じるのは初めてだという。いやはや面白いものを見せていただいたと思った!陽気でひょうきん、ちょっと浮気者のバジルというのは、妖しくダークな役や、夢見がちでヒッキーな王子様など、常人離れしたキャラクターが多いコルプの持ち味とは対極な感じ。そのミスマッチ感がなんとも面白かった。最新のダンスマガジンで「誰も見たことがなかったバジルをお見せします」と言っているけど、確かに、その言葉の通り、誰も見たことがないようなバジルかもしれない。

ってわけで、明日観る人は、楽しみをとっておくために読まないほうがいいかも!

登場してきたコルプのバジルは、金髪にピンク(!)のシャツ、満面の笑顔なんだけどあの澄んだブルーの瞳は笑っていないところがポイント。しかし、目の周りが黒い悪人顔で陽気に振舞っているので、なんだか可愛い。ひょろっと背が高くちょっと斜に構え、片頬で笑うコルプは、なぜか不良というかヤンキーっぽいやんちゃバジルだ。その不良っぽくしかも顔が怖い(その怖い顔が好きなんだけど)コルプのバジルが、一生懸命父ちゃんに娘さんをくださいって頼んでいるから余計可笑しい。しかも踊りのほうはいつも通り、やたら綺麗なので、さらに不思議なことになっている。

一番強烈だったのが、2幕の狂言自殺のシーン。コルプが床屋を演じるってバジルって言うよりスウィーニー・トッドだろう!って思っていたのだけど、案の定、ナイフを振り回して自殺するぞ~って脅迫するところはマジ怖い。自殺するぞって言うよりお前らを皆殺しにするぞと言っているみたいだ。みんなおびえているし。ところが、同時にコルプのバジルは無駄にエロい。2幕の野営地でのラブラブ加減は凄くて、ペレンをがしっと抱きしめていて甘い(というかエロい)ムードを作っている。狂言自殺のところでは、あの美しい脚の片方を伸ばし、もう片方はルティレの位置で曲げているんだけど、その角度やつま先が絶妙で今にも脚が語り始めるんじゃないかと思った。そして何回も何回もチャンスをうかがってはキトリに顔を近づけチュー。1幕でもいっぱいキスをしていたね。

それが、3幕になると急に豹変し、別人のような貴公子になっちゃうから不思議なものだ。コルプの持ち味は、しなやかで猫のようなふわっと上がる跳躍と柔らかい背中そして美しい足先。容姿にはアクがあるけど、踊りそのものはとてもエレガントなのだ。少しおとなしい感じ。だから、踊りの性質からすると、やっぱり元気一杯で陽気なバジルは向いていない。だけど、それをわかっていて、自分ならではのオリジナリティを出しているところが立派。

3幕のヴァリエーションは、クペ・ジュッテ・アン・トゥールナンではなく、得意のプリエが効いたしなやかなトゥールザンレールとジュッテが交互に入るという美しいもの。バジルのヴァリエーションでこういうのは初めて観たと思う。バジルらしくない優雅さと軽やかさ。しかも出過ぎることがなく、テクニックのひけらかしは一切しない。あくまでも女性ダンサーを立てるところ、やっぱり貴公子なんだわ。ヴァリエーションもいいけど、よりアダージオのほうが見ごたえがあるタイプ。

コルプはポール・ド・ブラは美しいし、回転ひとつとっても、軸がぶれず正確でしかも速いと、テクニック的にはもちろん非常にしっかりとしているんだけど、若干お疲れだったのかもしれない。たまに不安定になるし、なんか笑顔がないな~と思ってしまった。結婚式なのに表情が暗いから、心配しちゃったよ。

コルプ、やっぱり素晴らしいな~と思ったのはリフト。1幕で逃げていくところなんか、腕を広げてポーズをとったペレンをリフトしたまま舞台を横切っていく。片手リフトは、1幕の最初のだけちょっと歩いてしまったけど、他はばっちり決まった。それ以外のところも、軽々と優しく持ち上げている。それだけに、アダージオのフィッシュダイブのところがぎこちなかったのが惜しまれる。同じカンパニーじゃないから、その辺は仕方ないのかな。

ペレンのキトリを観るのは初めてだったけど、良かったと思う。ペレンはクールビューティだし、イメージ的には白鳥なんだけど、決して感情表現は得意ではないので、キトリのように明るくおきゃんな役というのは、いつもと違う彼女の魅力を引き出せていいと思った。あんな超のつく美人がコミカルなのって、魅力倍増だもの。彼女はテクニックは抜群なだけに、力を発揮できるし、お父さんに捕まえられて手足をばたばたさせたり、狂言自殺のシーンでのコミカルな演技はなかなか達者で可愛かった。カスタネットのソロでは、柔らかい背中を見せ付けてくれたし、アレグロが得意なことも実証。3幕のフェッテは、黒鳥PDDの時と同じく軸はぶれ気味だけど、速い演奏に合わせ、扇を持つ手を上げてみたり、腰に手をやったりしても正確にくるくるとダブルを挟み込むことができていた。ドルシネアの方はのびやかかつ優雅、素敵だったし。ちょっと気の強いところもかえって役柄に合っている感じで、私は、白鳥よりキトリの方が魅力的だったと思う。

エスパーダのシヴァコフは調子がすごくよさそうで、とてもかっこよかった!ルルベで立ったり、身体を弓なりにしてポーズをとった姿勢が憎いほど決まっている。つま先や脚のラインは綺麗だし、何よりも、マント裁きがすごく上手。エスパーダは一にも二にもマント捌きなのだから。シヴァコフのワンワンのような童顔から、少年っぽいやんちゃさが覗くから、エスパーダのキメキメぶりが嫌味にならず、愛すべき2枚目半の伊達男になっている。踊りも小気味良くて、闘牛士たちのリーダーとしての存在感や色気もあるし。6月の牧でのバジルも楽しみだわ。

大道の踊り子がハビブリナというのは意外な配役だけど、すごく女らしくて可愛らしい踊り子だった。なかなかこの役を踊る人に彼女のようなタイプはいないけど、いいものだわ。森の女王のエフセーエワは女王様オーラはあばっちりだけど、今日は期待したほどではなかった。ジュッテの高さはさすがだと思ったけど、イタリアン・フェッテ、失敗はしていないんだけどもう少しキメてほしいところ。3人のドリアードがミリツェワ、ハビブリナ、ロマンチェンコワ、4人のドリアードにもコシェレワ、コチュビラ、カミロワ、ヴィジェニナとあまりにも豪華なキャストなのにびっくりしてしまった。メルセデスのモストヴァーヤが色っぽい美人だった。3幕の第一、第二ヴァリエーションは、よくあるゴールスキー版のとずいぶん違っていて、ちょっと違和感があった。1幕から出ずっぱりのミリツェワは素晴らしかったけど。ヴァリエーションの違いといえばドルシネアのヴァリエーションは音楽も振り付けも違っていて、これもちょっと不思議だった。

ガマーシュなのにとても素敵なアレクセイ・マラーホフとか、若いのにキャラクテールがすっかり板についているドン・キホーテ役のシェミウノフとか、芸達者な人がそろっているので観ていて楽しい。1幕では久しぶりにクリギン父が舞台上にいるのも見られたし。しかも、アニハーノフさんのノリノリの指揮で聴けるなんて幸せ。明日も楽しみ~。ちなみに、カーテンコールにはまたまた細くなったルジマトフが登場。やっぱり素敵。

2008/01/25

ボリショイ・バレエ昇進情報

ボリショイ・バレエの公式サイトに、プロモーションの告知が出ています。1月24日付。

Promotion in the Bolshoi Ballet
Yekaterina Krysanova and Natalia Osipova are promoted from Soloists to First Soloists; Nelli Kobakhidze, Anna Rebetskaya, Vitaly Biktimirov, Vyacheslav Lopatin and Denis Savin are promoted from Artists to Soloists

エカテリーナ・クリサノワとナタリア・オシポワがソリストからファースト・ソリストに昇格、
ネリ・コバヒゼとアンナ・レベツカヤ、ヴィタリ・ビクテイミロフ、ヴャスチェスラフ・ロパーチンとデニス・サヴィンがアーティストからソリストに昇格、です。

オシポワちゃんはまだソリスト、ネリちゃんはまだコール・ドだったんですね。おめでとうございます!年末のボリショイ公演での活躍が楽しみです。(早くキャスト出してね!)

2008/01/24

牧阿佐美バレヱ団「ドン・キホーテ」にシヴァコフ、ゲスト出演

牧阿佐美バレヱ団から、「ドン・キホーテ」のキャスト決定のお知らせが来ていましたが、なんとミハイロフスキー(レニングラード国立バレエ)のミハイル・シヴァコフがゲストで出演するそうです。びっくり!見に行かなくちゃ。

去年の「眠り」に続き、牧の「白鳥の湖」でも、マエストロのアニハーノフさんが指揮をしていることからのご縁でしょうか。ミハイロフスキーの日本公演では最近あまりアニハーノフさん、振ってくれないのに。

牧阿佐美バレヱ団『ドン・キホーテ』
6月13日(金)18:30 吉岡まな美、ミハイル・シヴァコフ
6月14日(土)15:00 青山季可、逸見智彦
6月15日(日)14:30 橋本尚美、森田健太郎
[会場]ゆうぽうとホール
※一般前売発売3月12日(水)予定

その本家ミハイロフスキー(レニングラード国立バレエ)の「ドン・キホーテ」はいよいよ明日ですね。光藍社さんのレニングラード国立バレエ公式サイトでは、最近事前にキャストを発表してくれていたのですが、明日、あさっての分はまだ出ていませんね。どちらか一日にシヴァコフがエスパーダを踊る予定だと思います。

いずれにしても、コルプが、初役であるバジルをどうやって踊るのかがめっちゃ楽しみです♪彼のキャラクターにはおよそ似合わない役だけに!コルプ祭りもこれで終わりかと思うとさびしいです。4月にニューヨークで彼の黄金の奴隷が観られるから、それを支えに生きていかなくちゃ。

12/30パリ・オペラ座「パキータ」

12/30/07 Opera Garnier

Paquita Melanie Hurel
Lucien d'Hervilly Mathias Heymann
Inigo Julien Meyzindi
Don Lopez Jean-Marie Didiere
Dona Serafina Peggy Dursart
Two Spanish dancers Alexandra Cardinale, Lucie Clement
Pas De Trois Muriel Zusperreguy, Laurene Levy, Gregory Gaillard
Two Officers Audric Bezard, Gregory Dominiak

マチアス・エイマンとメラニー・ユレルのコンビ2回目。この日もとにかく日本人観光客が多かった。

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マチアスは、個人的には前日の方が勢いがあってよかったと思う。かと思えば最初のヴァリエーションで、勢いあまってフィニッシュが決まらなかったり。初役を2日連続全幕主演は、ちょっと疲れたのかしら?客の反応も前日の方が熱狂的だった。とはいっても、前の日を観ていなければ十分凄い。逆に緊張感は解けて来たみたいで余裕があったし、メラニーとのシンクロもきれいに合っていた。特筆すべきは、アントルシャ・シスの高さと、美しく伸びたつま先。それから舞い上がるようなカブリオール。この人には翼があるのかも、と思わせてくれ、最後のヴァリエーションでは前日以上の熱狂的な反応が観客席を包んだ。スウィートかつエレガントな空気をまとったマチアスには、観客が彼を愛さずにはいられなくなる独特の魅力がある。明日のスターに乾杯!

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メラニーも前日より安定感が増していたけど、やっぱりフェッテは不得意みたいで軸はぶれまくっていた。そのかわり演技は達者で、パキータのお茶目なところをかわいらしく表現していたと思う。若いマチアスと踊るとやっぱり姉さんって感じたけど。これでもう少し華があれば。。。

イニゴ役にジュリアン・メザンディ。同期のステファン・ビュヨンにプルミエ争いでは敗れたものの、技術的にも優れているし、イニゴの小悪党ぶりを、たまに三枚目っぽいところも出しながらうまく演じていた。正統派ハンサムではないのが、今後どう出るかなのだけど、ドゥミキャラクテールとして貴重な存在になりそう。愛嬌があって憎めない悪役として魅力的だった。

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バドトロワは昨日と同じロレーヌ・レヴィと、先日プルミエに昇進したミュリエル・ズズペルギー。ミュリエルは出来が良くなかった。動きがスムーズではなく美しさに欠けていた。どうやら、故障を抱えていたらしく、2幕には出演していなかった。ロレーヌは優雅で鷹揚で本当に綺麗。真ん中を踊っていたグレゴリー・ガリヤールについては、印象はあまり残っていない。

二人の将校は、昨日に続いてのグレゴリー・ドミニャックと、オドリック・ベザール。身長が同じくらいの長身でハンサムな二人が将校たちをリードして、恰好いいことこの上ない。鮮やかな足捌き、チャルダッシュもスマートで眼福。こうやって見ると、やはりルグリのガラに参加していた若手は魅力的な人が多かったというのが実感される。

アントレの一人にアリス・ルナヴァンがいたけど、東洋的な顔立ちなのに手脚が長く顔が小さく、動きも大きいので際立ってきれいに見える。「パキータ」はアントレの、ロイヤルブルーとボルドーの衣装が美しいのよね。そして純白をまとったマチアスのキラキラしていること!颯爽としたナイトの役柄を見事に踊り切った満足感と幸せでいっぱいのようだった。メラニーも、可愛い後輩のリュシアンデビューを支えられて嬉しそう。素敵な舞台だった。バレエ初心者の家人によると、作品としてはチャイコフスキーのスコアがよく、ストーリー性のある「くるみ割り人形」の方が面白かったけど(「パキータ」は2幕は延々と踊っているので飽きるみたい)、主役については今日のほうがずっと上手だったという感想だった。まあ、どう考えてもそれはあたりまえなんだけど。

残念ながら、今回3公演観て、一度もエトワールの踊りを見ることができなかった。マチアスに関して言えば、実力的にはエトワール級といってもいいと思うのだけど、エトワールって、実力だけじゃなくて、貫禄というものもあるでしょうから。(もちろん、名ばかりのエトワールも、某べランガールとか最近はたくさんいるわけなんだけど!)とにかく、マチアスの将来は本当に楽しみ。

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オペラ座の売店で売っていたエトワールのサイン入り写真。以前ガルニエに来たときには、オーケストラの入り口あたりにこれらの写真パネルが飾ってあった。

2008/01/23

エルミタージュ・バレエ劇場の米ツアーにマリインスキー&ミハイロフスキーのゲスト

エルミタージュ・バレエ・シアターというカンパニーがサンクトペテルブルグにありますが、2月8日~22日まで、アメリカ南部(フロリダ、ジョージア州、サウスカロライナ州など)のツアーを行います。ここのゲストが結構豪華で、

マリインスキー・バレエから、イルマ・ニオラーゼ、タチアナ・トカチェンコ、セルゲイ・ポポフ、アナスタシア・コレゴワ、ミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ)から、イリーナ・ペレン、エレーナ・コチュビラ、マラト・シェミウノフが参加します。

ツアー日程
http://www.hermitageballet.com/site/807174/page/907193

ダンサーのプロフィール(ゲストのプロフィールもあり。彼らの舞台写真も沢山載っています)
http://www.hermitageballet.com/site/807174/page/907546

プロフィールの写真がなかなか素敵です。特にシュミウノフ君!すごく雰囲気がありますね。そしてぺレンは、ちゃんと「日本で2005年にダンサーのベストテンに選ばれた」って書いてあるんですね(ダンスマガジンの投票で去年ベストテンに入っていたので、そのことだと思います)。

ちなみに、エルミタージュ・バレエ・シアターですが、Ballet Talkのトピによると、サンクトペテルブルグにあるカンパニーの中では8番目くらいの実力だそうです。Yuraさんのサイト「ロシアのバレエ団情報」でこのカンパニーの詳細を読むことができます。コレゴワもここに所属していたことがあるようですね。もう10年も連続して米国ツアーを行っているようです。きっと、ミハイロフスキーのぺレン、コチュビラ、シュミウノフらは、日本公演が終わったらすぐアメリカに向かうんでしょうね。

ヒース・レジャー死去

今ニューヨークタイムズを読んでいたら知りました。ショックで言葉もありません。

マンハッタンの女優メアリー・ケイト・オルセン(警察の発表で撤回されました)自宅アパートで倒れており、原因はまだこれから究明されますが、薬物の過剰摂取か自殺の疑いが濃厚とのことです。 (追記:今のところ自殺に結びつくような証拠は見つかっていないようです。また、薬物はすべて、処方箋薬だそうです)
ブラッド・レンフロも亡くなったばかりなのに。

まだ28歳でした。これからというときだったのに。

魂の名作「ブロークバック・マウンテン」での切ない名演が忘れられません。

ご冥福を心からお祈りします・・。

http://cityroom.blogs.nytimes.com/2008/01/22/actor-heath-ledger-is-found-dead/index.html?ex=1358744400&en=13b55eec181b315a&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss

追記:もう少し詳しい記事がここにあります。離婚後荒れていたという話もありましたが、近所の人にとってはとても好人物だったようです。本当に悲しいことばかり起きますね。

http://www.nytimes.com/2008/01/23/movies/23ledger.html?_r=1&ex=1358744400&en=c0703aea69ab5306&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss&oref=slogin

2008/01/22

パリ三日目〜ミラノへ

パリは実質二日の滞在で、ミラノに移動。またPAULで朝食を食べた後、オペラ座の売店で過去のプログラムやDVD、雑誌、お土産用のポストカードを買う。
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オペラ座の写真集を出しているGerald Uferas氏撮影による美しいポストカードが何枚か出ていた。それからギャラリーラファイエットのアクセサリー売り場で、Les Nereidsというブランドのピアスを購入。バレリーナがモチーフになっているこのシリーズは、日本では売っていない。貴金属ではない割には高いのだけどとても可愛い。

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ガルニエの裏には搬出用のトラックが止まっていた。今日のパキータの後はボリショイの公演なのでオペラ座もしばらくお休みなのかな。ガルニエにしばしのお別れ。また近いうちに来るからね、と言い残して。

ロワッシーバスに乗ってドゴールへ。エールフランスの窓からは雪をかぶったアルプスの山々。「キレイですね、ここから外を見ているといい気持ちですね」と日本語で話し掛けてきたのはフランス人の客室乗務員。ものすごく日本語が堪能でびっくり。

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マルペンサ空港からマルペンサ・エクスプレスでカドルナ駅まで、そこからタクシーで、ドゥオーモに程近い、高級食料品店ペックに隣接したホテルに到着。

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ミラノ在住の友達に教えてもらったこのホテル・スパダーリ・アル・ドゥオーモは、いわゆるデザイナーズ・ホテル。薄いブルーで統一されたインテリアがとてもスタイリッシュなのだけど、お洒落過ぎて落ち着かないというわけではなく、リラックスできる雰囲気でとても素敵。オーナーは現代美術のコレクターで、館内や客室には様々な美術品がさりげなく配置してある。ちょっと奮発したので、最上階の部屋でバルコニーがあり、バルコニーからはドゥオーモの尖塔が見えるという素晴らしさ。

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お風呂に入って一休みし、ヴィヴィアン・タムのドレスに着替えたら友達が迎えに来てくれた。これからいよいよスカラ座の大晦日ガラに出陣。

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パリ二日目/オルセー、シャンゼリゼ、エッフェル塔

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ヨーロッパでは日曜日はほとんどのお店が閉まってしまう。開いているのは美術館くらい、というわけで初パリの家人を連れてオルセーへ。オルセーは日曜日は入場料が割引になるので、開館時間が過ぎていてもかなりの列。気温が日本よりも高くて助かった。20分くらい並んで入場。二年前にも行ったし、マチネを鑑賞するので最上階を中心に駆け足で。オディロン・ルドンの小さな特設展をやっていて、ルドン好きの私には嬉しかった。光あふれる印象派作品より、暗く幻想的な絵画のほうが、想像力を喚起してくれて好みなのだ。作品保護のためにルドン作品のある部屋は暗くしてあるのがなおのこと嬉しい。

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オルセーはとにかく有名な印象派の絵が揃っているのだけど、私はそんなに好きじゃないのよね。一階にあったアングルは、官能的で引き付けられる。それと、とても美しい女性の肖像画があって誰だろうと思ったら、リムスキー=コルサコフ夫人だとのこと。オルセーはなんといっても建物そのものが魅力的な場所。

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お約束のオペラ・ガルニエの模型を見て、軽いランチを館内でして、ホテルへ。ガルニエでパキータ二回目。

パキータの後は、これまたお約束でシャンゼリゼを歩く。駅を下りたら、凄まじい人出に驚く。休日の渋谷や新宿よりも多いのではないかしら。軽食系の店を中心に、ここは比較的営業しているお店が多い。流石観光地。ルイ・ヴィトンも営業しており、それどころが入場制限していて、並んでいるのはもちろん日本人ばかり。残念ながらラデュレは閉まっていた。

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今年から省エネルギーのためにシャンゼリゼの電飾はすべてLEDになったという。ちょっと青みがかっていて、これはこれでとても幻想的な感じで美しい。この美しいイルミネーションと、行き交うヘッドライトを撮影しようと、カメラを抱え、横断歩道の真ん中に立ち止まる人多数。もちろん私もその中の一人(笑)。

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凱旋門まで歩いたら、次はエッフェル塔へと向かう。笑っちゃうくらいのお上りさんコース。パリに来るのは七回目くらいなんだけど。ところがエッフェル塔の最寄駅が工事のため閉鎖され、一駅余計に歩く羽目に。エッフェル塔近辺も若干の飲食店が営業していた。

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年末のパリの割には気温が高いこともあってか、エッフェル塔にも長蛇の列がとぐろを巻いていた。二年前の12月中旬はほとんど並ばずに上がれたのに。久しぶりに見たエッフェル塔はやはりデカイ。結局並ばないで、ガルニエ近辺で晩御飯を食べようってことになる。

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しかしながら、やはり魔の日曜日なので食事できるところは全然ない。マレ近辺ならやっている店もあるらしいけど、家人が面倒がっている。夕食難民と化す。しかし営業していないのに、趣向を凝らしたギャラリー・ラファイエットやプランタンのショーウインドウには人々が鈴なりになっていた。

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カラクリのおもちゃがとても楽しいのだけどあまりの人に近づけないくらい。やむなくガルニエ近くのビストロに入るが、たいしたモノも出さないのに値段はやたら高い。ビールジョッキ三杯とペリエ、一人一品しか食べてないのに一万円近いんだから!結局パリ滞在中はまともなご飯はちゃむさんといただいた一回きりだった。

「21世紀のスターたち2008」ガラ

毎年、パリやニューヨークで開催されている「21世紀のスターたち」ガラですが、今年の出演者もなかなか豪華です。2月11日に、ニューヨークのリンカーンセンターにて開催されます。

American Ballet Theatre - David Hallberg デヴィッド・ホールバーグ
Berlin Opera Ballet - Ronald Savkovic, Shoko Nakamura ロナルド・サフコヴィッチ、中村祥子
Bolshoi Ballet - Svetlana Lunkina, Nikolai Tsiskaridze スヴェトラーナ・ルンキナ、ニコライ・ツィスカリーゼ
Mikhailovsky Opera & Ballet Theatre, St. Petersburg Anastasia and Denis Matvienko アナスタシア&デニス・マトヴィエンコ 
Munich Ballet - Lucia Lacarra, Cyril Pierre ルシア・ラカッラ、シリル・ピエール
New York City Ballet - Maria Kowroski マリア・コウロスキー
Paris Opera Ballet - Myriam Ould-Braham, Emmanuel Thibault ミリアム・ウルド=ウラム、エマニュエル・ティボー
Royal Ballet - Roberta Marquez ロベルタ・マルケス
Vienna Opera Ballet - Daniil Simkin ダニール・シムキン


PROGRAM
Tschaikovsky Pas de Deux チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
Choreography: George Balanchine Music: Tschaikovsky
Maria Kowroski, David Hallberg

Delibes Suite ドリーブ組曲
Choreography: Jose Martinez Music: Delibes
Myriam Ould-Braham, Emmanuel Thibault

Moorhuhn
Choreography: Dmitrij Simkin Music: Mussorgsky
Daniil Simkin

Giselle, Act II Pas de Deux ジゼル 2幕パ・ド・ドゥ
Choreography: Coralli and Perrot Music: Adolphe Adam
Svetlana Lunkina, Nikolai Tsiskaridze

E Lucevan Le Stelle 
Choreography: Ronald Savkovic Music: Puccini (aria from "Tosca")
Tenor: Mihail Kotlyarov
Shoko Nakamura, Ronald Savkovic

Le Corsaire Pas de Deux 海賊
Choreography: Petipa Music: Drigo
Anastasia and Denis Matvienko

The Lady of the Camellias, Act III Pas de Deux 椿姫 3幕パ・ド・ドゥ
Choreography: John Neumeier Music: Chopin
Lucia Lacarra, Cyril Pierre

Don Quixote Pas de Deux ドン・キホーテ パ・ド・ドゥ
Choreography: Petipa Music: Minkus
Roberta Marquez, Daniil Simkin

La Sylphide Pas de Deux ラ・シルフィード パ・ド・ドゥ
Choreography: Bournonville Music: Hermann Lovenskjold
Myriam Ould-Braham, Emmanuel Thibault

Les Bourgeois レ・ブルジョワ
Choreography: Ben Van Cauwenbergh Music: Jacques Brel
Daniil Simkin

La Rose Malade 病めるばら(薔薇の死)
Choreography: Roland Petit Music: Gustav Mahler
Svetlana Lunkina, Nikolai Tsiskaridze

Transparente
Choreography: Ronald Savkovic Music: Fado Portugues
Shoko Nakamura, Ronald Savkovic

Thais Pas de Deux タイス パ・ド・ドゥ
Choreography: Roland Petit Music: Massenet
Lucia Lacarra, Cyril Pierre

Diana & Acteon Pas de Deux ディアナとアクティオン パ・ド・ドゥ
Choreography: Vaganova Music: Pugni
Anastasia & Denis Matvienko

Defile デフィレ
Choreography: Nadia Veselova Tencer


中でも注目は、ニコライ・ツィスカリーゼとスヴェトラーナ・ルンキナの「薔薇の死」ですね。ニカさんがこの作品を踊っているのは想像もつきませんが、それだけに興味深いです。当初はナタリア・オシポワとイワン・ワシリエフが出演する予定でしたが、ふたを開けてみたら、彼らよりもずっと大物のニカさんとルンキナになっているとは!あまりガラには出演しないニカさんなので、貴重な機会です。
ミリアム&ティボーの「ドリーブ組曲」や、ダニール・シムキンの「ドン・キホーテ」も観てみたい!中村祥子さんが並み居るスターたちの中で踊っているのも嬉しいことですよね。ポスターの白鳥も、祥子さんのように見えます。マトヴィエンコ夫妻は、所属がミハイロフスキー劇場(レニングラード国立バレエ)になっていますね。それと、ラカッラとピエールって別れたらしいんですけど、今も一緒にガラに出演したりしているんですね。

パリ・シャンゼリゼ劇場で2005年に開催された時のガラは、DVDになっています。詳しい感想はこちらをご覧ください。アリシア・アマトリアンとジェイソン・レイリーによる「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」が爆笑モノだったり、イリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベロツェルコフスキーの「パキータ」がとても華やかだったり、ゼナイダ・ヤナウフスキーの「シルヴィア」がとても素敵だったり、といろいろと見所があります。

21世紀に輝くエトワールたち-パ・ド・ドゥの魅力-21世紀に輝くエトワールたち-パ・ド・ドゥの魅力-
アリシア・アマトリアン ジェイソン・レイリー ゼナイダ・ヤノフスキー

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2008/01/21

レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「白鳥の湖」1/20ざっとした感想

今日はレニングラード国立バレエの「白鳥の湖」ペレン&コルプでした。いやはやコルプマジックは健在ですね。私はボヤルチコフ版の白鳥は終わり方に納得がいかないのであまり好きではなく、極力避けていたのですが、ラストの前までは十分楽しむことができました。ペレンの白鳥は硬質で薄味であることはわかっていたので、本当はシェスタコワが観たかったのですが、先週末は風邪がひどく、とても外に出られるような状態ではなかったので・・・。コルプがパートナーとなったことで、ペレンも、かなり感情を表に出すようになり、やや化けた感じがします。シェスタコワのときに見られたケミストリーは残念ながらなかったけど、それ以外は素晴らしかったです。(それだけに、シェスタコワとの舞台が見たかった!)

国際フォーラムAもなるべく避けたい会場ですが、2階席の前方なので距離をそれほど感じることはなく、よく見えました。(実感としては、新国立劇場の3階席くらいなので、これがS席ってやっぱり納得いきませんけど、ぴあの割引チケットなので文句は言えません)

うわさに聞いていた、恋愛小説に読みふけるコルプ王子が見られました。あのチョイ悪オーラを封印し、物静かでちょっとおたくっぽい、しかしながらノーブルな白王子でした。お気に入りの恋愛小説の中身をめぐって、家庭教師に議論を吹っかけるところなんか、とても面白かったです。友人たちにまで本を薦めてウザがられたり。情景の音楽が流れ、ひとり物思いにふけるときにも、本を離しませんでした。まるで「オネーギン」のタチアーナのような王子。しかしひとたびオデットに出会ってしまえば、熱い思いをあふれさせ、端正な佇まいながらも積極的にアプローチしていきます。黒王子の姿がちらちら見えます。2幕コーダの後には、オデットにキスまでしちゃうのですから。

すごく印象的だったのは3幕の終盤、王子がオディールに愛を誓い、花束を渡すとそれを受け取ったオディールが嘲笑い、花束をばらばらにして投げるところ。これはセルゲイエフ版と同じ演出だと思うのだけど、ペレンの華やかな高笑いが艶やかで実に楽しそう。それと、ぱらぱらと落ちてくる花束の花を何本か受け止め、そのまましばし呆然とするコルプ。いったい何が起こったのか、あまりの衝撃で身動きできない。それからしまった、と激しく慟哭する。愛を誓うポーズをもう一度してみて、それから痛恨の表情で、高々と上げた右腕を左手で下ろす。なんという愚かな自分、と激しく自分の行いを責めたて、母親の膝で涙を流した後に、オデットの元へとものすごいスピードで駆けて行く。とても情熱的な王子でした。2幕でも、コルプの愛情たっぷりの、ジェントルなサポートを見ていると思わずこちらまで夢見心地になりそうでしたわ。予想通り、コルプの愛情が一方通行で、なかなか王子を受け入れないオデットではあったけど、彼の熱い情熱に、ペレンの氷の心も少しは融けてきました。

3幕のヴァリエーションはコルプ、お疲れ気味のようで着地が決まらなかったり珍しく不安定なところがあったけど、相変わらず高くまっすぐ後ろに伸びたアラベスクの美しさ、ワガノワの教科書通りの見事なアティチュード、しなやかでプリエの効いた柔らかな着地と素晴らしいテクニック。ペレンのフェッテも、後半に入ってもダブルを挟み込み、非常に速い演奏に合わせて安定した回転を見せてくれました。軸はちょっとぶれてはいたけど。しかしやっぱりこの二人の見せ場はアダージオでしょう。オディールにたちまち夢中になってしまっているコルプのサポート、指先から情熱があふれていてかなりエロいです。王子からそういう感情を引き出すことを、オディールも楽しんでおり、妖艶さをどんどん増して行きます。

それから、パ・ド・トロワのプハチョフがとてもよかったです。彼の白鳥王子もとてもノーブル&美脚で好きなんですが。今年から、舞台上にいるときにはカツラを着用していて、そのカツラについては賛否両論あるみたい。でも、ぐっと若返って、とても二枚目に見えていいんじゃないかしら。プハチョフは脚の美しさ、つま先のきれいさが天下一品なのですが、今回はアントルラッセのときに、脚がパッときれいに180度開いていて、うわ~素敵、と思いました。パ・ド・トロワを固めるのがエフセーエワとコシェレワですから、出来が悪いはずはなく、この3人の織り成す美しいワガノワ・ラインを堪能しました。

ボヤルチコフ版の「白鳥」は民族舞踊もちょっと凡庸なのですよね。東京バレエ団の採用しているゴールスキー版と同じく、悪魔の手先として登場するスペインは本当に素晴らしかったです。アンナ・ノヴォショーロワ、エレーナ・モストヴァーヤ、アレクセイ・マラーホフ、ミハイル・ヴェンシコフ、4人が4人ともキャラクターダンスというのを凄くよく理解していて、メリハリがあってかっこよかったです。

群舞は、「バヤデルカ」の壊滅的な状況を考えれば大健闘していると思いました。2階席から見ても、きれいにそろっているように見えます。小さな4羽がぜんぜん小さくないのが笑えました。

コルプが出ている舞台は、たとえちょっと苦手な演目でも、良くない会場や席でも、見に行く価値が十二分にあるということが実感できました。この人の引き出しはいったいいくつあるんでしょうか?ますますハマりそうです。とりあえず、4月にちゃんとお休みがもらえるように交渉しなくちゃ。

1月20日(日)13時半~
東京国際フォーラム ホールA 

オデット/オディール:イリーナ・ペレン
ジークフリート王子:イーゴリ・コルプ
パ・ド・トロワ:エレーナ・エフセーエワ、イリーナ・コシェレワ、アルチョム・プハチョフ
ロットバルト:マラト・シェミウノフ
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:パーヴェル・ノヴォショーロフ
スペイン:アンナ・ノヴォショーロワ、エレーナ・モストヴァーヤ、アレクセイ・マラーホフ、ミハイル・ヴェンシコフ
ハンガリー:マリア・リフテル、マクシム・ポドショーノフ
ポーランド:ユリア・カミロワ、マリーナ・フィラートワ、アリーナ・ロパティナ、オリガ・ラヴリネンコ、ニコライ・コリパエフ、アレクサンドル・オマール、アルチョム・マルコフ、ニキータ・セルギエンコ

小さい白鳥:マリーナ・ニコラエワ、エレーナ・ニキフォロワ、アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、サビーナ・ヤパーロワ
大きい白鳥:タチアナ・ミリツェワ、エルビラ・ハビブリナ、ディアナ・マディシェワ、ユリア・カミロワ
2羽の白鳥:タチアナ・ミリツェワ、エレーナ・コチュビラ

2008/01/20

情報いろいろ(ボリショイの「スパルタクス」、ソフィアン・シルヴ、フィガロのオペラ座連載

ダンソマニさんほかの情報で、オペラ・ガルニエで上演中のボリショイ・バレエの「スパルタクス」がFrance2によって収録され、テレビ放映、DVD化されるらしいとのことです(追記:TV放映、DVD発売の時期についてはまだはっきりした予定が発表されているわけではありません)。キャストですが、

スパルタクス:カルロス・アコスタ
クラッスス:アレクサンダー・ボロチコフ
フリーギア:ニーナ・カプツォーワ
エギナ:マリア・アラーシュ
剣闘士:ユーリ・バラノフ
三人の羊飼い:デニス・メドジェーエフ、ヴャチェスラフ・ロパーチン、イワン・ワシリエフ

だそうです。アコスタのスパルタクス、たしかに凄そうですが、せっかくならボリショイのダンサー主演で収録されれば良かったですよね。スパルタクス役といえば、ベロゴロフツェフとマトヴィエンコぐらいなのでしょうか、現在の布陣では。フリーギアのカプツォーワもあまりイメージじゃないし、エギナといえばグラチョーワの当たり役と多くの人が思っているような気がします。(ザハロワがエギナ役に挑戦するという話もありました)
いずれにしても、DVD化はありがたいことです。過去の素晴らしいスパルタクスの映像を超えることができるのでしょうか?

このパリ公演の別キャストは、ベロゴロフツェフ(スパルタクス)、ネポロージニー(クラッスス)、アントニーチェワ(フリーギア)、アレクサンドロワ(エギナ)なのだそうですが、どうせならこっちを収録してほしかったというのが正直なところ。

***********

先日、ソフィアン・シルヴがNYCBのプリンシパル一覧から消えたという記事を書きましたが、サンフランシスコ・バレエに移籍したのですね。サンフランシスコ・バレエのプリンシパルのゴンサロ・ガルシアがNYCBに移籍したので、交換トレードっぽいです。

***********
フィガロ・ジャポンの2月5日号は、パリ・オペラ座の連載でプティ振り付けの「プルースト」の特集をしています。全4ページで、各章ごとに、かなり詳細に作品の内容や音楽について解説。実際の作品を見ているような気持ちになります。プティの下でも活躍したドミニク・カルフーニのインタビューつき。一つ一つの写真が小さいのがちょっと惜しい感じです。それでも、とても倒錯的で美しい世界観が伝わってきます。それから、「プルースト」のDVDですが、まだ発売日は決定していないものの、日本発売が決まったという嬉しい記事がありました。

オペラ座がらみの情報をもうひとつ。マニュエル・ルグリの公式サイトで、去年夏の「素晴らしき仲間たち」の写真が32枚掲載されています。「オネーギン」「ドニセッティ・パ・ド・ドゥ」「ビフォー・ナイト・フォールズ」「さすらう若者の歌」など。最後の一枚には、佐々木忠次氏と高岸さんも写っていますね。

http://www.manuel-legris.com/japon.html

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レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「バヤデルカ」1/11 その1

ニキヤ(バヤデルカ):オクサーナ・シェスタコワ
ソロル:イーゴリ・コルプ
ガムザッティ:オリガ・ステパノワ
大僧正:マラト・シェミウノフ
ドゥグマンタ(藩主):アレクセイ・マラーホフ
マグダヴィア(苦行僧):ラシッド・マミン
アイヤ(ガムザッティの召使い):ナタリア・オシポワ
奴隷:ドミトリー・シャドルーヒン
隊長・ミハイル・ヴェンシコフ
ジャンペー:エレーナ・コチュビラ、ユリア・カミロワ
黄金の偶像:アントン・プローム
マヌー(壷の踊り):エレーナ・ニキフォロワ
インドの踊り:アンナ・ノヴォショーロワ、アンドレイ・マスロボエフ
太鼓の踊り:アレクセイ・クズネツォフ
グラン・パ:
 イリーナ・コシェレワ、エレーナ・コチュビラ、タチアナ・ミリツェワ、ユリア・カミロワ
 アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、エレーナ・シャリコワ、サビーナ・ヤパーロワ、マリア・リフテル
 デニス・モロゾフ、ニコライ・コリパエフ
幻影の場面 ヴァリエーション:
 エレーナ・エフセーエワ、タチアナ・ミリツェワ、エレーナ・コチュビラ

指揮:ミハイル・パブーシン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

「バヤデルカ」2日目は、去年ルジマトフ相手に素晴らしいニキヤを踊ったシェスタコワと、コルプの競演。コルプのインタビューによれば、これが初顔合わせになるとのことだったけど、化学作用とでもいうべきだろうか、相性がとてもよく、二人の演技の相乗効果で昨日の舞台がすっかり霞むほどの、濃厚なドラマが繰り広げられる舞台となった。

登場のところでは鋭いジュッテで飛び込んでくるコルプのソロル。弓を片手に、勇壮な戦士そのもの。虎狩りからj帰ってきたところだけど、彼自身が優雅なベンガルタイガーのようだ。

シェスタコワのニキヤは儚げで幸薄そうな中にも、芯の強さが感じられる凛とした神の巫女。ほっそりとした腰、優美な姿態。ヴェールを外したときのニキヤの慎ましやかでいながらも神々しい美しさにくらりと来た大僧正が、立場もわきまえずに迫ってきたとき、一度目は軽く交わすが、二度目は「いけませんわ」と毅然と断る姿からも、それは伺える。

苦行僧(マミンさんの踊りも素晴らしい)の合図で密会するソロルとニキヤ。二人に現れた歓喜の表情の幸福感といったら。初々しく頬を赤らめるニキヤ、そして先ほどまでの勇ましさはどこへやら、一人の恋する男になって想いのすべてをニキヤへと注ぎ込んでいるソロル。お互いを、自分の失われた欠片であるかのように感じて、激しく求め合い、熱く舞い上がっているのが伝わってくる、陶酔感あふれるパ・ド・ドゥでは、コルプが見事なサポートを見せてくれた。このスパークするような二人を覗き見てしまった大僧正が、嫉妬の炎をたぎらせるのももっともなこと。シェミウノフの大僧正は、自分の身分を忘れ、激しいジェラシーに気も狂わんばかり。

このように濃ゆいキャラクターが入り乱れる中、ガムザッティが登場する。ステパノワのガムザッティを見るのは初めてだけど、なるほど、ガムザッティ役が良く似合う華やかさを持っている。ボリショイのアレクサンドロワタイプで、藩主の娘としてどこに出しても恥ずかしくないようにきちんと育てられた、姫としての風格を備えている堂々たる美女。ラジャに娘を紹介すると言われて気が進まない様子のソロルも、ひとたびヴェールを外したガムザッティのゴージャスな美貌を見るや、くらりときてついついOKしてしまうけど、一方で「あっちゃ~これはまずいことになったぞ」と頭を抱えてしまう。この「しまった・・・」という演技をコルプは明確に演じていて、ソロルという男の優柔不断さを体現していた。彼のそういった一面が、悲劇を招く原因となってしまうわけだ。

大僧正が、ラジャにソロルとニキヤの関係を耳打ちする。そんな小娘は消してしまえ、とニキヤ殺害を持ちかけるラジャに、大僧正は動揺。え、殺すんですか!何も殺さなくてもとうろたえる。大僧正はニキヤに恋焦がれているのだ。そしてこのやり取りを立ち聞きしていたガムザッティは、ソロルとニキヤの関係を知って、やはり衝撃を受けて、苦しむ。誇り高い娘がプライドを傷つけられたということもあるけど、勇ましく立派な戦士である、愛する婚約者がほかの女を想っているという事実にも傷ついたのだ。ガムザッティも、ソロルを真剣に愛しているのだ。

1幕のクライマックス、ガムザッティとニキヤの対決。ステパノワのガムザティは、大人の分別もあって、ややニキヤに理解がある優しい女性。ソロルを私に譲ってと言えば、きっとニキヤは身を引いてくれるわと思って説得を試みる。ところが、シェスタコワ演じるニキヤは、一途で芯の強い女。神に仕える巫女ならではの潔癖さを持ち合わせており、ガムザッティが優しい言葉や宝石で翻意を試みても、耳を貸そうとはせず、彼は聖なる火の前で愛を誓ったのよと言い張るニキヤに困り果てる。その強情な様子にガムザッティはついかっとなってニキヤを問い詰め、追い詰められたニキヤがナイフを振り上げてしまったときに、ようやく、この女はやはり消さなければならないとガムザッティは思ったのだ。そしてソロルへの一途な愛情のあまり我を忘れてナイフを、位の高い姫に向けてしまったニキヤは、アイヤに止められてようやくことの重要性に気がつき、なんてことをしてしまったのと走り去る。誇り高く賢い姫が、修羅に変貌し、ニキヤをこの世から消すことを誓う。今までの、強さの中にも分別と優しさを秘めたガムザッティは消えうせ、殺意がドレスを着たように仁王立ちし、燃えるような瞳で立ち尽くしていた。


2幕の婚約式。キャラクターダンスやイリーナ・コシェレワ、エレーナ・コチュビラ、タチアナ・ミリツェワ、ユリア・カミロワという豪華なパ・ダクシオンは眼福。それから、プロームくんのブロンズ・アイドルは、後半ちょっと疲れが見えたものの、跳躍などは大きく、脚もとても高くまっすぐ上がっていて、とてもきれいだった。ガムザッティのステパノワによるヴァリエーションは見事。彼女の踊りは大きく、胸がすくように気持ちよい。イタリアン・フェッテも堂々としていてアティチュードのポーズも輪郭がはっきりとしている。婚約の喜びを全身で表現しているのだ。フィニッシュのフェッテの安定感もさすが。ソロルも、複雑な心境であるはずなのに、ここでのヴァリエーションはまさにヴェルトゥオーゾというような、美しく男らしく勇壮な舞だ。弓を片手に持って踊るのでバランスをとるのもそんなに簡単ではないだろうに、彼自身の身体が弓のように美しく反り、山なりに高く上昇しては柔らかく着地するジュッテ、足の裏が頭上に見えるほど高く上がるしなやかなジュッテ・アントルラッセ、そして下手へとはけていく前の、長い時間静止したルルベでのアラベスク・バランスの絶対的な美。シンクロして踊るときに女性ダンサーよりも後ろ脚が高く上がるのだもの。こんなにも雄雄しく勇ましい戦士だけど、その心は情けないチキンであるというのが、なんともバヤデルカの奥深いところで。

ガムザッティとソロルの前で、悲しみに沈んだニキヤが舞を奉納するシーン。シェスタコワの佇まいは、ニキヤという女性が実在していたらこんな姿かたちをしているのではないかと思わせるようだった。愛する男性を奪われる苦しみで引き裂かれそうな心を必死で取り繕って、哀しみを湛えながらも心を込めて踊っている。滑らかなパンシェ、深々と反らした背中。柳のようにしなやかで儚げな腕からは、まるで涙が伝って流れ落ちていくように見えている。そんな恋人ニキヤの姿を、小心者で、自責の念でいっぱいになりながらも優柔不断なソロルはとても正視などできない。彼女に背中を向けて、自分の心を押し殺して無になって座っている。隣のガムザッティは、ソロルが上の空なのをしきりに気にしていて、自分の方を見てほしいと話しかけている。ガムザッティも、この情けない男の犠牲者なのだな、と思わせた。見た目は迫力があるステパノワなのだけど、その堂々たる風格の下で、いじらしい女心も持ち合わせているのだ。ソロルは落ち着かない様子で、知らん顔で斜め上を所在無げに見たり、手で口を隠したり、顔を覆ってみたり立ち上がったり。しかしそれでも、ニキヤの姿は正視できない。

花かごを手渡しされたニキヤは、それがソロルからの贈り物であると聞いて喜ぶ。踊りながらソロルの方へと駆けていく。それに呼応するかのように、思わずニキヤの方へとソロルは腕を伸ばす。彼は、毒蛇の存在に気がついていたのだろうか?「だめだ、そこには毒蛇がいるんだ」と言っているかのようだ。それを見ていたガムザッティが少し傷つき、「私のほうもちゃんと見てよね」とにらみ付ける。そしてソロルはガムザッティの手を取り、口づける。その姿を踊りながら見ていたニキヤは、自分の中で何かが壊れるのを感じて、どんどん激しく踊っていく。それは、自分の中の愛が殺されたのを見た瞬間であり、愛する人に踏みにじられた断末魔の苦しみを、毒を盛られる前から感じていたかのようだった。そして毒蛇がニキヤの首に噛み付く。ニキヤは、あなたがやったのね!とガムザッティを指差す。ガムザッティは、そうよ、わたしがやったのよと堂々と頷く。しかしその姿には、罪の意識も見え隠れする。そんなときでも、毒に苦しむニキヤの姿を正視できず、思わずその場を逃げ出そうとして、隊長に阻止されるソロルって本当に最低な男だ。ニキヤの心がばらばらに砕け散っていく。大僧正が解毒剤をニキヤに渡し、ほかの人たちは、それを見ないように顔を背ける。ニキヤはソロルのもとへと駆け寄る。ソロルは、「だめだ、それは飲んじゃいけない」という表情をしてニキヤへと近づこうとするが、ラジャらに阻止される。ついに毒がまわって事切れるニキヤは、彼女を抱き止めようとしたソロルの腕の中で、するりと崩れ落ちる。ニキヤの亡骸を強く抱きしめ、泣き崩れるソロル。あの柔らかい背中を大きくそらしたままの姿で、幕が下りるまで静止。死んでからこんなに激しく慟哭しても、もう遅い・・・。

(つづく)

2008/01/19

新国立劇場バレエ団2008/2009シーズンラインアップ

アトレ会員のプルミエ購入者宛の案内と、新国立劇場のサイトで発表がありました。
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season2

■『アラジン』〈2008/11/15~22〉
【アラジン】
山本隆之(11/15、21)、八幡顕光(11/16、20)、未定(11/19、22)
【プリンセス】
本島美和(11/15、21)、小野絢子(11/16、20)、湯川麻美子(11/19、22)

■『シンデレラ』〈2008/12/20~27〉
【シンデレラ】
アリーナ・コジョカル(12/20、22、23ソワレ)、酒井はな(12/21、24)、
さいとう美帆(12/23マチネ)、寺島まゆみ(12/26)、西山裕子(12/27)
【王子】
山本隆之(12/21、24)、マイレン・トレウバエフ(12/23マチネ)、
貝川鐵夫(12/26)、中村誠(12/27)、未定(12/20、22、23ソワレ)

■『ライモンダ』〈2009/2/10~15〉
【ライモンダ】
スヴェトラーナ・ザハロワ(2/10、12、14)、寺島ひろみ(2/11)、
本島美和(2/13)、川村真樹(2/15)
【ジャン・ド・ブリエンヌ】
デニス・マトヴィエンコ(2/10、12、14)、貝川鐵夫(2/11)、
山本隆之(2/13)、未定(2/15)
【アブデラクマン】
森田健太郎(2/10、12、14)、山本隆之(2/11)、冨川祐樹(2/13、15)

■Ballet the Chic〈2009/3/26~29〉
キャスト未定
(演目はバランシン『セレナーデ』、サープ『プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ』〈新制作〉、ドゥアト『ポル・ヴォス・ムエロ』)

■『白鳥の湖』〈2009/5/19~24〉
【オデット/オディール】
スヴェトラーナ・ザハロワ(5/19、21,23)、寺島ひろみ(5/20)、
厚木三杏(5/22)、真忠久美子(5/24)
【ジークフリード王子】
アンドレイ・ウヴァーロフ(5/19、21,23)、山本隆之(5/20)、
未定(5/22、24)
【ルースカヤ】
湯川麻美子(5/19、21)、西山裕子(5/20)、本島美和(5/22)、
川村真樹(5/23)、小野絢子(5/24)

■ローラン・プティの『コッペリア』〈2009/6/26~30〉
【スワニルダ】
寺島ひろみ(6/27マチネ)、本島美和(6/27ソワレ、30)、
小野絢子(6/28マチネ)、未定(6/26、28ソワレ、29)
【フランツ】
山本隆之(6/27マチネ)、江本拓(6/27ソワレ、30)、
八幡顕光(6/28マチネ)、未定(6/26、28ソワレ、29)
【コッペリウス】
ルイジ・ボニーノ(6/26、27ソワレ、28ソワレ、29、30)
ゲンナーディ・イリイン(6/27マチネ、28マチネ)

一応ラインアップだけは情報は入手していたのですが、楽しみなのは新作「アラジン」と、ミックスプロですね。ミックスプロはあともう一作品あるそうですが、「アンド・ワルツ」ではありませんように。「白鳥の湖」のルースカヤは蛇足だしわざわざ発表する意味が良くわかりません。正直言ってあまりそそられるラインアップではないのですが、新国立劇場は劇場も装置も衣装も美しいし、オーケストラの演奏もいいし、コール・ドは素晴らしいので見に行けばたいてい満足しちゃうんですよね。

ダンサーでは、川村真樹さんのライモンダ抜擢が嬉しいニュースです。新人の小野絢子さんも、アラジンのプリンセスと「コッペリア」のスワルニダに抜擢とは、期待の大きさが伺えますね。八幡さんも、「コッペリア」フランツで初の主役。主演の回数では本島美和さんが圧倒的に多く、酒井はなさんの出演が「シンデレラ」のみになってしまったのが残念です。マイレンも主演は「シンデレラ」だけだし。
ゲストは・・・たまには違う人が観たいです。プログラム数がオペラ10回と比較して少ないですよね。

ちなみにオペラの方はこちら。
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list01.cgi#season2

トゥーランドット 2008年10/1(水)~15(水)
リゴレット 2008年10/25(土)~11/6(木)
ドン・ジョヴァンニ 2008年12/5(金)~15(月)
高校生のためのオペラ鑑賞教室 蝶々夫人 2009年1/12(月・祝)~24(土)
こうもり 2009年1/27(火)~2/1(日)
ラインの黄金 2009年3/7(土)~18(水)
ワルキューレ 2009年4/3(土)~15(水)
ムツェンスク郡のマクベス夫人 2009年5/1(金)~5/10(日)
ラ・チェネレントラ 2009年6/7(日)~6/20(土)
修禅寺物語 2009年6/25(木)~28(日)

もちろん、ショスタコーヴィチフリークとしては、新制作「ムツェンスク郡のマクベス夫人」がものすごく楽しみです。


それとコンテンポラリーのラインアップが何気に豪華です。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/dance/index.html

2008年9/6(土)〜8(月)〈Aプロ〉 13(土)〜15(月・祝)〈Bプロ〉
DANCE EXHIBITION 2008 ―Dance meets Music―

2008年11/15(土)〜16(日) 
古楽とストラヴィンスキー 木佐貫邦子×平山素子(仮題)

2009年2/9(月)〜15(日)
森山開次作品集(仮題)

2009年6/17(水)〜21(日)
金森 穣 Noism09

2008/01/17

ボリショイ・バレエ来日情報/マラーホフのメッセージ

すでにあちこちで話題になっていますが、ボリショイ・バレエの来日情報とともに、来日公演公式ブログがスタートしましたね。
http://bolshoi-ballet.seesaa.net/

ジャパン・アーツさんはボリショイ&マリインスキー合同ガラのときにとても楽しいブログを作ってくださったので、今後のボリショイ来日ブログの更新が楽しみです。

2008年2.17(日)一斉前売開始!

ボリショイの十八番!見所満載!情熱のステージ!!
「ドン・キホーテ」DON QUIXOTE <プロローグと3幕>
ミンクス作曲 
振付:アレクセイ・ファジェーチェフ
原振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー

12月3日(水) 18:30開演
12月4日(木) 18:30開演
12月11日(木) 18:30開演
S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000


永遠の古典!バレエの代名詞。あふれる叙情。
「白鳥の湖」 <全2幕>
Tchaikovsky SWAN LAKE Ballet in two acts 
チャイコフスキー作曲
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2001年版) 
原振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ

12月5日(金) 18:30
12月6日(土) 12:00
12月6日(土) 18:00
12月7日(日) 12:00
12月7日(日) 18:00
S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

4人のスターが競い合うエンターテインメント・バレエ!
ラトマンスキーの代表作、日本初演!!
「明るい小川」 ブライト・ストリーム~ある田園の風景 <全2幕>
Shostakovich THE BRIGHT STREAM Ballet in two acts
ショスタコーヴィチ作曲 
振付:アレクセイ・ラトマンスキー

12月9日(火) 19:00
12月10日(水) 19:00
S¥18,000 A¥15,000 B¥12,000 C¥9,000 D¥7,000 E¥5,000


<主な来日予定ソリスト>
マリーヤ・アレクサンドロワ/スヴェトラーナ・ルンキナ/エカテリーナ・クリサノワ
ナターリヤ・オシポワ/スヴェトラーナ・ザハーロワ/セルゲイ・フィーリン
ドミートリー・グダーノフ/アンドレイ・メルクーリエフ/アンドレイ・ウヴァーロフ/イワン・ワシーリエフ

主催:朝日新聞社/ジャパン・アーツ
後援:ロシア大使館/日ロ音楽家協会
特別協賛:日興コーディアルグループ

気になるのが、やはり来日メンバーにニコライ・ツィスカリーゼの名前がないこと。「白鳥の湖」の悪の天才は彼以外には考えられないのに・・・。来てほしいです。グラチョーワの名前もありませんね。
「明るい小川」を上演してくれるのはとってもうれしいです。きっとフィーリンの素敵なロマンチック・チュチュ&ポワント姿が見られることでしょう。しかこの演目だけ2000円安いのもうれしい。ワシーリエフ君とオシポワちゃんの「ドン・キ」ももちろん観たいな~!

ところで、チケット発売が夏のABTの公演と同時なんですけど、マリインスキーのときと同じで、キャスト発表なしで売り出すつもりなんでしょうかね。キャスト決まらないとチケットも買えないのに。「白鳥の湖」以外は全部平日なのも会社員にはつらいです。ただでさえ忙しい12月なので。それと夢倶楽部会員向けの発売日も早く教えてくださいね。

いろいろ文句を言いつつも、とっても楽しみにしています。「スパルタクス」「海賊」「スペードの女王」などボリショイで見たい演目はいっぱいあるんですよね。

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イープラスでは、マラーホフの動画メッセージがありました。メッセージの前にバーレッスンをするマラーホフの映像があるんですが、足先や脚を中心に映していて思わずうっとり。タンデュやパンシェをするお姿はやはり女性のように美しいですね~。

http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/78835640.html

私は2月の中旬に仕事でバルセロナに行かなくちゃいけないので、マラーホフの贈り物のAプロは、1枚チケットを手放すことになってしまいました。残念。

2008/01/16

ピナ・バウシュテレビ放映/「プルースト」映像ほか情報

今日はバーミンガム・ロイヤル・バレエの「コッペリア」でした。吉田都さんのスワルニダの可愛らしいことといったら!もう犯罪的ですらあります。浮気者のフランツの行動に見せるふくれっ面がまたやばいくらい愛らしいのです。いまだかつてあんなに可愛いふくれっ面を見たことがないかもしれません。スワルニダのキュートな演技、雄弁なマイム。そして、踊りはあくまでも軽やかで音楽性豊かでどこまでも正確。12月の怪我の影響は微塵も感じさせない安定感で、いつまでも観ていたかったです。本当に都さんは日本が世界に誇れる至宝だとしみじみ。可能な限り観たいな、と思いました。コッペリウスのマイケル・オヘアといい、フランツのイアン・マッケイといい、ダンサーたちの演技も達者で、楽しい舞台でした。セットも非常に凝っていて美しい。ただ、私の席の位置が悪くて、かなり前方の端だったために、2幕の人形たちがほとんど見えなかったのが残念。

立見席も出ているようなので、できればもう一日見たいのですが、年初からの風邪がなかなか治らず、体力的にちょっと厳しそうです。ミハイロフスキーの「バヤデルカ」2日目の感想も、首藤康之さんの「空白に落ちた男」(面白い!)も、パリやミラノの話も早く書きたいのですが、仕事もまだ忙しく、体調も良くないため、今しばらくお待ちください。情報系のエントリは軽く書けるので、そのあたりの更新はしていきます。


3月の来日公演も待ち遠しいピナ・バウシュですが、「京都賞トークサロン ピナ・バウシュをかこんで」 が今週末にテレビ放映されるそうです。

放映日  2008年1月20日(日)  12:15~13:00
放送局  NHK BS2  
番組名  ピナ・バウシュ ダンスも演劇も超えて

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1月10日にフランスで発売されたばかりの、パリ・オペラ座「失われた時を求めて」の映像を、発売もとのBel Air Classiquesのサイトで2分くらい観ることができます。美しい作品ですね~。マチュー・ガニオ、マニュエル・ルグリ、エルヴェ・モロー、エレオノーラ・アッパニャート、ドロテ・ジルベール、ステファン・ビュヨンらの姿を確認することができます。まだamazonなどでの扱いはないのですよね。
http://www4.fnac.com/shelf/article.aspx?PRID=2167467&SID=0151735e-7151-95ab-ea20-e8579a675fcb&UID=08E52097B-50AF-CE11-F60C-513C858DAFF3&Origin=FnacAff&OrderInSession=1&TTL=100720080517

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Googleから配信されるニュースで興味深いものがありました。
「韓国人が多数進出、オランダ国立バレエ団」という朝鮮日報の記事で、
「クラシック・バレエを基準とすれば、ロシアのキーロフ・バレエ団とボリショイ・バレエ団、フランスのパリ・オペラ座バレエ団、英国のロイヤル・バレエ団、米国のアメリカ・バレエ・シアター(ABT)、ドイツのシュツットガルト・バレエ団、オランダ国立バレエ団、米国のニューヨーク・シティ・バレエ団、フィンランド国立バレエ団、英国国立バレエ団(イングリッシュ・ナショナル・バレエのことですね)がトップ10に入る」「コンテンポラリー・バレエではモナコのモンテカルロ・バレエ団、オランダ・ダンス・シアター(NDT)、ドイツのフランクフルト・バレエ団とハンブルク・バレエ団などがトップレベル」という韓国の評論家の談話があります。
(注:フランクフルト・バレエはすでに存在しておらず、フォーサイス・カンパニーとなった)

「クラシック作品を公演できる団員規模(80人以上)やレパートリーなどを見ると、そのバレエ団のレベルが分かる」というのは納得です。日本で80人以上の団員がいるところはなかなかないような気がするのですが、どうなんでしょう。新国立劇場は、準コール・ドまで入れてシーズン契約ダンサーが65人です(シーズン・スペシャルゲスト2名を除く)。登録ダンサーが20人なので、登録まで入れれば80人は超えていますね。東京バレエ団はコール・ドが68人、プリンシパルとソリストで21人。合計89人です。ボリショイやマリインスキー、パリ・オペラ座は200人規模の団員がいるとのことです。

10大バレエ団で韓国人の団員が多いのは、オランダ国立バレエで4人在籍中とのことです。日本人が多いのは、英国ロイヤルバレエですね。そのオランダ国立バレエのカンパニーリストを見ていて気がついたのですが、ゲスト・プリンシパルとして、ABTのマルセロ・ゴメス、それからイナキ・ウルレサーガとソフィアン・シルヴの名前があります。もともとオランダ国立バレエの団員だったソフィアン・シルヴは、NYCBのプリンシパルだったのですが、先日NYCBのプリンシパルのリストから名前が消えており、Ballet Talkで話題になっていました。

このオランダ国立バレエの方のプロフィールを見ていたら、2005年シーズンよりNYCBとオランダ国立の両方のゲストになったとあります。ソフィアン・シルヴといえば、素晴らしい「スーパーピルエット」の映像で有名になりましたね。彼女の名前は知らなくても、この映像を見たことがある人は多いはずです。フォーサイスの「精神の不安定なスリル」と、くるみ割り人形の金平糖のGPDDで、フェッテの中にアチチュードがトリプルで、ピルエットで7回も回っています。68万回も再生されているんですよね。

そのソフィアン・シルヴが主演したオランダ国立バレエの「眠れる森の美女」はピーター・ライト版。彼女の素晴らしいテクニックを堪能でき、ゴージャスで見ごたえたっぷりです。特典映像がディスク1枚ついていますが、これも面白いです。また後でレビューを書きます。

眠れる森の美女(プロローグ付全3幕 ピーター・ライト版)眠れる森の美女(プロローグ付全3幕 ピーター・ライト版)
マリウス・プティパ エルマンノ・フロリオ ピーター・ライト

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2008/01/14

レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「バヤデルカ」1/10

ニキヤ(バヤデルカ):アナスタシア・コレゴワ
ソロル:イーゴリ・コルプ
ガムザッティ:エレーナ・エフセーエワ
大僧正:マラト・シェミウノフ
ドゥグマンタ(藩主):アレクセイ・マラーホフ
マグダヴィア(苦行僧):ラシッド・マミン
アイヤ(ガムザッティの召使い):ナタリア・オシポワ
奴隷:ウラジーミル・ツァル
隊長・ミハイル・ヴェンシコフ
ジャンペー:エレーナ・コチュビラ、ユリア・カミロワ
黄金の偶像:デニス・トルマチョフ
マヌー(壷の踊り):エレーナ・ニキフォロワ
インドの踊り:アンナ・ノヴォショーロワ、アンドレイ・マスロボエフ
太鼓の踊り:アレクセイ・クズネツォフ
グラン・パ:
 イリーナ・コシェレワ、エレーナ・コチュビラ、タチアナ・ミリツェワ、ユリア・カミロワ
 アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、エレーナ・シャリコワ、サビーナ・ヤパーロワ、マリア・リフテル
 デニス・モロゾフ、ニコライ・コリパエフ
幻影の場面 ヴァリエーション:
 イリーナ・ペレン、タチアナ・ミリツェワ、イリーナ・コシェレワ

指揮:ミハイル・パブーシン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

今シーズン初レニングラード国立バレエ(正しくはミハイロフスキー劇場)は、「バヤデルカ」。もともと、バヤデルカ(ラ・バヤデール)はその華やかさ、ドラマティックさ、濃厚な人間関係の描写、音楽の美しさととてもお気に入りの演目。去年、同じバレエ団で観たときも見ごたえたっぷりで、大いに楽しんだのだった。しかも!愛するコルプがソロルを演じるのだから、もう。少なくとも今年前半の舞台の中ではもっとも楽しみにしている公演だったのだ。(次に楽しみなのは、もちろん、マイレン・トレウバエフがソロルを演じる新国立劇場の「ラ・バヤデール」)

まず、最初に思ったのが、大僧正が若い。長身のシェミウノフ君が大僧正なのだもの。長い腕による感情表現がとても美しい。大僧正の持つ威厳を表わすのには苦労していたようだったけど、演技はたいそう力が入っていた。シェミウノフの大僧正は、ニキヤに本気で恋焦がれていて、「恋する若者」となっていた。ラジャにニキヤ暗殺計画を持ちかけられたときにも狼狽している。その上、2幕では、陰謀を知っているためにいてもたってもいられない状態。ニキヤが毒蛇に噛まれてからの一つ一つのリアクションがすごくて、第3の目がほしいと思ったほど。彼が渡した解毒剤をニキヤが落としたときの嘆きようといったら・・・ソロルよりもはるかに激しいんだから。

初めて日本の観客の前にお目見えするアナスタシア・コレゴワ。プロフィール写真では金髪だけど、ニキヤを演じるために黒く染めていた。(シェスタコワもニキヤを演じるときには髪を黒くしている) 長身ではないけど、顔が小さく、手脚は長く、細いけど女らしい体型、理想的なプロポーション。小さな顔に、小鹿のようにクリッとした大きな目をしていて、童顔でとても可愛い。ただし、ニキヤを演じるにあたっては、この可愛いお顔が災いしているかもしれないと思った。テクニックは非常に強くて、安定している。背中も腕も柔らかいし、「影の王国」でのヴェールを使った非常に難しいヴァリエーションも実に見事だった。足の甲もとてもよく出ているし、足音もしない。さすがルジマトフが目をつけただけのことはある。2000年ワガノワ卒業というからまだ若手かな?

ただし、演技はまだまだのようで、コルプのソロルとの気持ちの通じ合いはなかった。ニキヤの持つ情念や激しさ、内に秘めた女の怖さは感じられなかった。ニキヤは神に身を捧げた巫女なので、自分を抑えている部分というのはあっていいと思うんだけど、ね。1幕のソロルとの逢瀬では、恋にわが身を忘れて舞い上がっている様子がよく出ていたけど、こっちのほうは、ちょっと舞い上がりすぎな感じだったし。影の王国では、完全に無表情で淡々と踊ってしまっている。したがって、残念ながら、二人の魂の通じ合いというのは感じられず、ニキヤにラブ~状態のコルプ=ソロルに対して、淡々と受け止めているニキヤという一方通行になってしまっていた。いずれにしても、素材は大変恵まれているし、技術もあるのでこれからは大いに期待できるのではないかと思う。きっと「ドン・キホーテ」のキトリ役はぴったりだろうと思われ、とても楽しみにしている。

そしてコルプ。「ラ・バヤデール」といえば、グラチョーワとヴェトロフが主演したボリショイの映像が大好きで何回も見ているんだけど、コルプってちょっとヴェトロフ系なのかもしれないと思った。「ライモンダ」でのコルプのアブデラクマンが、チョイ悪どころか大悪セクシーダイナマイトだからどうなるかな、と思ったらチョイ悪なのは顔だけだった。腰に巻いた虎の皮やターバン、そして例のチョビひげがよく似合っていてセクシー&かっこいいんだけどね。ソロルって基本的にどうしようもないへたれ男なので、コルプのアプローチは正しいといえる。そして、彼の演技は、ヘタレ度も最高ながら、濃厚この上なくて、見ごたえたっぷり。すっかりその毒に当てられてきた。

ニキヤとの密会シーンでの喜び方がすごい。あの悪人顔に満面の微笑みがミスマッチで面白い。ラブラブ光線炸裂しちゃって、もう。だけどそんな彼も、ラジャに、美しいガムザッティと結婚するようにと言われて思わずグラリ。一瞬躊躇しながらもOKしちゃう。この一瞬の躊躇の演技がとてもわかりやすくてツボ。そして、演技としてみていて一番面白かったのが、もちろんガムザッティとの婚約シーン。もうニキヤのことをとても直視できなくて、背中をあからさまに向けて、ガラス玉のような青すぎる目で、どこを見ているのかわからないような、死んだような表情をしている。かと思えばそわそわと立ち上がって顔を背けたり、手で顔を覆ったり。でも、ニキヤから、目の前で花かごを差し出されたときには、つい自分も手を差し伸べちゃったり。なのに、ニキヤが薬瓶を持ったときには、弱気になってまた顔を背けちゃったり。さまざまな思いが錯綜して、心が乱れまくっているのがわかる。情けねえ男だ。ニキヤの死の時には、これでもかときつく抱きしめて、背中を大きく反らしたポーズを長い間キープ(駆け寄るタイミングがちょっとずれてしまったけど) でも、ここのあたりについては、11日のほうがずっとすごかったので、11日の感想に書くとする。

婚約式の時の青い衣装はちょっとイケていなかった。胸のところに肌色の布があって、出し惜しみするな!とちょっと思っちゃった。アヘンを吸うところは、怪しく身もだえしてくれるのかな、と思ったらそれはなくて、なんだかやさぐれていて、とろろんとした表情で、まるで自分の家で吸っているみたいでちょっと受けた。(でも、苦行僧=蛇使いの笛の音にあわせて蛇がくねくねするのにはもっと笑った。ソロルを慰めるためのものだとか)。へたれ状態のコルプって今まで見たことがなかったからすごく新鮮で面白かった。

終幕の結婚式で、亡霊状態のニキヤが花を落とし、誰かの差し金で花かごが届けられることで陰謀に気がつくソロルの怒り炸裂ぶりが凄かった。その場面での、人がたくさんいて狭い舞台でのジュッテ・アントルラッセのあまりの高さと鋭さ、後ろ脚の上がり方にも驚いたけど!今までコルプの技術的なことは何も書いていなかったけど、毎度のことながら、この人の完璧なまでの美しい踊りと正確なテクニックには目からうろこが何枚も落ちる思い。猫のようなしなやかさ、正確で端正な着地、女性以上に繊細でゆるやかに美しい軌跡を描く腕、つま先、手。ヴァリエーションの最後に決めのポーズをしたときの背中と、広げた両腕が弓なりに作る曲線は、究極の男性美のひとつといっていい。山なりのジュッテの弧も、うっとりするほど。ああ、うつくしい~。セクシー。影の王国のヴァリエーションで、トゥール・ザン・レールを6回入れてマネージュするところがあるんだけど、これが一回一回、ふわりと舞い上がりながら柔らかくプリエを使って着地していて、うっとり。さらにサポートも高くて完璧で・・・。あんなにほっそりとした身体のどこにそんな筋肉があるんだろう。

忘れてはいけないのがエフセーエワのガムザッティ。去年も彼女のガムザッティ像が鮮烈だったのだけど、さらに一回り成長した感じ。去年は、一見虫も殺さないような可愛くワガママなお嬢様の、内に秘めた恐ろしさが印象的だったけど、今回は女としての強さやしたたかさがアップしたようだった。エフセーエワのガムザッティ、ビジュアル的には完璧に可愛い。少しオレンジがかった金髪を縦ロールにして、真っ白な肌。澄んだブルーの瞳。ガムザッティの衣装はヘソだしなのだけど、くびれたお腹もしみひとつない真っ白さなので、見ているとどきどきしちゃう。彼女のガムザッティは、ソロルの肖像画を見たときから一目ぼれしていて、実物を見て完璧に恋に落ちてしまっている。恋する私の邪魔をする人は絶対に許せないわ!とニキヤを呼びつける。ニキヤの顔をよく見て、あら、この娘卑しい舞姫のくせに美しいわ!しかもわたしの言うことを聞かない、と高いプライドをズタズタに傷つけられてしまう。今まで一人として、わたしの言うことを聞かなかった人はいなかったのに。「ほら御覧なさい、わたしと婚約したのよ」と肖像画を見せ付けても「でも彼が本当に愛しているのはわたしよ(アンタみたいなワガママ女なんか彼は好きじゃないわ)」とニキヤに反撃され、ガムザッティが窮地に追い込まれ、宝飾品を与えようとする。でも信念を動かさないゆるぎないニキヤに、女の強さや怖さを感じてしまう。「この女、殺してやる」と美しい顔で誓ったときの表情の恐ろしさ。
でも、蝶よ花よと育てられたお嬢様であるから、悪人にはなりきれない。ニキヤが蛇に噛まれるところでは、自分の意思とはいえ、「わたしはなんてことをしてしまったのかしら」とその結果に顔面蒼白になっているし、ニキヤに「あなたがやったのね」と指差されたときには、そうよ、と頷きながらも顔を背けてしまう。そして、倒れたニキヤのところへソロルが駆け寄ろうとするときに、「この人はやっぱりあの女のほうが・・・・」と悲しげな表情。素晴らしい演技を見せてもらった。

エフセーエワは、踊りのほうも成熟してきて、イタリアンフェッテにもゆるぎない自信が感じられて、とても素敵だったと思う。存在自体に華があるので、ガムザッティにはぴったり。でもいつか、彼女のキトリ全幕も観てみたいな。

2幕のキャラクターダンスは凄く楽しかった。中でもノリノリの太鼓の踊り(インドの踊り)が最高!アンナ・ノヴォショーロワのキレのある動きは見ていて気持ちがよい。これをやってくれるのはロシア系のカンパニーだけだから、貴重。トルマチョフのブロンズ・アイドルも、いかにも仏像らしくて名人芸。可愛い壷の踊りでも登場する高木バレエスクールの子供たちの踊りも達者。

大長文になってしまったので、残りはざっと。非常に残念だったのが、影の王国のコール・ド。スロープを降りてくるところから、タイミングがぜんぜん合っていないので美しく見えない。下に下りてからは、エカルテでデヴロッペするところ、後ろのほうにいるダンサーがキープし切れなくて脚を下ろしてしまっているのが見えてしまった。さらに、アラベスクするところでも、脚がぶるぶるしたり、ぐらついている人が多数。去年から比較すると相当なレベルダウン。かなりコール・ドはメンバーを入れ替えたようなので、その影響なのだろうか。32人という大人数を投入してくれるのはうれしいのだけど。その代わり、影の王国のヴァリエーションは、ミリツェワ、ペレン、コシェレワと豪華版。ミリツェワのヴァリエーションの後半は素晴らしかった。ペレンも良かったんだけど、ヴァリエーションじゃないところで、おっとととよろけてしまってちょっと心配。

ニキヤを裏切ったソロル、そしてニキヤを死に追いやった人々の行いに神の怒りが炸裂し、神殿は崩壊してすべての人々に天罰が下る。ニキヤの魂が白いヴェールとともに天に昇っていき、神殿の跡に大僧正。冠を火にくべて、もはやこの地位に何の意味があろうと立ち尽くす姿に、万感の思い。

2008/01/12

パリ・オペラ座バレエ「くるみ割り人形」バスティーユ、12/29ソワレ

Paris Opera Ballet Nutcracker (Casse-Noisette) 12/29/07
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Claraクララ Nolwenn Daniel
Drosselmeyer/the Princeドロッセルマイヤー/王子 Christophe Duquenne
Luisaルイーザ Charline Giezendanner
Fritzフリッツ Gil Isoart→Axel Ibot
Father父 Vincent Cordier
Mother母 Nathalie Aubin
Grandfather祖父 Ludovic Heiden
Grandmother祖母 Cecile Sciaux
Le Roi des Ratsねずみの王様 Yann Chailloux / Alexandre Labrot
Le Petit Hussard Casse Noisette 小さな胡桃割り人形 Mallory Gaudion
Deux Flocons 雪の精 Geraldine Wiart, Charline Giezendanner
Danse Espagnole スペイン Axel Ibot, Charline Giezendanner
Danse Arabe アラブ Isabelle Ciaravola, Nicolas Paul
Danse Chinoise 中国 Sebatien Bertaud, Aurelian Houtte, Alexis Renaud
Pastorale パストラル Celine Palacio, Pauline Verdusen, Adrien Bodet

ちゃむさんと楽しい食事をし、家人と合流してオペラ・バスティーユへ。バスティーユは、どこから観ても見やすいように設計されている劇場で、私が取った1階6列目センターも、前の人の頭が邪魔にならずに非常によく見えた。チケットを取った時には、ミリアム=ウルド・ブラムとジェレミー・ベランガールがキャスティングされていて、ジェレミーは好きじゃないけどミリアムのクララはさぞ可愛いだろうと思って楽しみにしていたのに、ストや怪我などでキャストが玉突きのように変更され、ノルウェン・ダニエルとクリストフ・デュケンヌという地味~なプルミエ同士の主演になってしまった。同じ時間に、ガルニエではルグリとドロテというエトワールコンビの「パキータ」が上演されているというのに・・・うう。

ヌレエフ版の「くるみ」は、ローラン・イレールとエリザベット・モーラン主演のビデオは観ていたけど、これはスタジオ撮りのようで、しかもかなり映像が暗い。そういうこともあって新しく収録しなおすのだと思うけど。とかく世間的にはあまり評判のよろしくないヌレエフ版くるみで、今回も、批評などは軒並み辛口。たしかに、やたらとせわしないヌレエフ特有のパは、ダンサーに負担をかけるばかりで、視覚的にもあまり美しくないのよね。

主役の二人、ノルウェンとクリストフは、やっぱりすごく地味だった。ちょうど今チャコットのダンスキューブのパリ編でクリストフがメラニー・ユレルと共演した「くるみ」についての辛口批評が載っている。ちょっとこのライターさんはあまりにも辛口すぎるというか、「パキータ」とは手のひらを返したような、厳しすぎる見方だとは思う。記者が書いているようにメラニー・ユレルは「パキータ」では太っていなかったし。でも、デュケンヌは主役を踊るようなダンサーには見えなかった。ヌレエフ版では、ドロッセルマイヤーと王子は同じダンサーが踊るという設定なのだけど、ドロッセルマイヤーは単なる老人にしか見えなくて迫力は皆無だし、王子の時は、王子らしい気品も全然ない。足がなかなか5番に入らない、マネージュの時に脚がきれいに伸びないヴァリエーションも全然感心しなかった。デュケンヌはスジェが長く、35歳でやっとプルミエに昇格したということで、主役オーラがないのだ。脇で見ているときには悪くないと思ったのだけど・・。

ノルウェン・ダニエルは来日公演の「白鳥の湖」でパ・ド・トロワを踊っているのを観て、なかなかよいダンサーだと思った。彼女も30台半ばということもあり、クララを演じるには少々トウがたった感じ。美人なのだけど華はあまりない。ただし、ヌレエフ版の「くるみ」は、かなりダークでホラー的な要素があり、後半は、少女クララの持つ恐怖とかを表現しなければならないので、単なるかわいらしいだけのダンサーには演じられない役なのだと思う。演技的には、クララの不安感や恐怖などをなかなか良く演じていたし、踊りそのものも、テクニックは正確で安定しており、音楽性もあってデュケンヌよりはずっとよかったのではないかと思う。緊張していたのは伝わっていたけれども。金平糖の精を踊った時も、ピケやフェッテはきれいに回っていた。それと、実はクララ役のダンサーは、1幕ではコロンビーヌ人形の役も踊るのだけど、この踊り、ノルウェンはめちゃめちゃ人形っぷりが上手く踊っていた!すごいメイクで本人だとはわからない。

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そして、この時に兵隊人形を踊るのがフリッツ役、ムーア人人形を踊るのがルイーザ役のダンサー。このコンビは、2幕ではスペインの踊りも踊ったりと大活躍するわけだけど、これを踊ったのが、アクセル・イボとシャルリーヌ・ジザンダネという「ルグリと輝ける仲間たち」で夏に来日していた若手の二人。もともとフリッツ役はジル・イゾアールが踊ることになっていたのだけど、この日のマチネの「パキータ」でイニゴ役を踊り、ソワレはバスティーユに移動してフリッツで大変だなあ、と思っていたら、アクセルが舞台の上にいてびっくり。そしてアクセルのフリッツはものすごいいたずらっ子で可愛いのなんのって!すぐに女の子のスカートの下にもぐりこんだり、スカートめくりをしたり。ルイーザとはとっても仲良し。彼から目が離せなかった。兵隊人形も見事だったけど、一番鮮やかだったのがスペインの踊りで、彼のしなやかな身体を生かした柔軟性あふれる躍動感は、とても素敵だった。今回の試験では昇進できなかったけど、期待しているよ。さらに頑張ったのがシャルリーヌで、トルコ人=ムーア人(そう、ヌレエフ版ではムーア人は女性が踊るのだ)とスペインに加え、雪の精のソリストまでこなしているというから本当にお疲れ様だ。雪の精では堂々としたリードっぷりで、高い跳躍、凛とした雰囲気、しっかりとしたテクニックはとても素敵。ムーア人も、かなりのテクニックを要求される役だけど、人々を沸かせていて見事だった。今回の収穫は、この二人に尽きる。

1幕では、パリ・オペラ座学校の子ネズミちゃんたちが大活躍。人形劇を観ているときに子供同士が大喧嘩を繰り広げる様子は、大人が子供役を演じているのではなく、子供ならではのリアリティがあってとても面白かった。ねずみ軍団は容赦なくクララに襲い掛かっているし、おもちゃの兵隊たちとの戦いもすごく生々しく激しい。子供だというのに、みんなすごい演技力!
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2幕のディヴェルティスマンの設定も変わっていて、スペインをフリッツとルイーザが踊るのをはじめ、アラブではクララの祖父母が登場し(踊っているのは別のダンサー)、ロシアの踊り(トレパック)では両親が踊る。それが、クララの家族が更なる恐怖の象徴として恐ろしげな巨大化した頭部として登場する伏線になっているわけだ。

この中で印象的だったのが、アラブを踊ったイザベル・シアラヴォラとニコラ・ポールのアダルトで妖しげな雰囲気。通常のくるみ割り人形よりも、相当音楽のテンポをゆっくりとさせて、まったりと踊るのだけど、スローで官能的な動きの中に、大人の魅力を振りまいたイザベル・シアラヴォラの美しさは強烈だった。柔らかくしなやかで強靭な彼女を的確にリフトするニコラ・ポールも渋くて素敵だった。

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中国の踊りは、男性ダンサー3人が全員弁髪ドジョウひげで、区別がつかないけど、脚を大きく広げての跳躍が多く、身体能力の高さを印象付けた。ロシアの踊りはあまり振付が印象に残らなかったが、葦笛の曲で踊る「パストラル」では3人のダンサーが白いカツラをつけて、典雅な雰囲気を出していた。

もうひとつ印象に残ったのは、雪の精のシーン。振付は、女性コール・ドに一斉にパドシャを踊らせたり、あまり優雅ではなくて好きになれないところもあるのだけど、凍てつく氷を思わせる衣装は美しいし、しきりに降りしきる雪も、冬らしくて冷たい空気が伝わってきそうだった。コール・ドに藤井さんじゃない東洋人がいる、と思ったら、井原由衣さんという契約ダンサーが入っていたとのことである。

それにしても、やっぱりヌレエフ版は相当クセがある演出なので、好き嫌いが分かれるのもよくわかる。2幕の前半、ディヴェルティスマンまでもがクララの悪夢として描かれており、頭部は両親やフリッツ、ルイーザ、祖父母ら家族の顔を恐ろしくしたグロテスクなかぶりものをつけた、ヴァンパイアというかこうもりがいっぱい登場して、クララに次々と襲い掛かる。この演出は恐怖映画のようである。クララがお姫様となって王子と踊った後、夢から醒めると、くるみ割り人形を抱えたクララは未だ混乱しており、ドロッセルマイヤーが歩き去るというブラックなエンディング。思春期の少女のおののきや異性への関心のめざめを、心理学的なアプローチで描いたということだろうか。むむむ。子供向けではない、一味違ったくるみ割り人形として、こういうのがあってもいいとは思うし、面白く観られたと思う。それから、オーケストラの演奏がとても良かった。バレエ素人の家人も楽しんだと言っていた。

以前にも紹介したけど、テレビ局フランス3と、オペラ座が共同で「くるみ割り人形」の特設サイトを開設。色々なダンサーのインタビューやメイキング映像が観られて、とても面白い。幻のレティシアやジョゼの映像も。DVD用に収録された「くるみ割り人形」がDVD化された折には、ぜひ映像特典として加えて欲しいと思った。

http://toowam.france3.fr/test/casse-noisette/

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バスティーユ広場

2008/01/10

バットシェバ舞踊団チケット譲ります

2月2日土曜日18時30分開演 神奈川県民ホールで開催されるバットシェバ舞踊団「テロファーザ」、友達が行けなくなったので一枚譲ります。一階15列センターで定価5000円です。

私も見に行く予定で、楽しみにしている公演です。振付家オハッド・ナハリンの作品はパリ・オペラ座やNDTで踊られており、今最も注目されていると言っても過言ではありません。

お問い合わせは、プロフィールのところにあるメールからお願いします。

しばらくは、この記事をトップにおいておきます。新しいエントリはこの下にありますので、スクロールしてご覧ください。

→譲渡先が見つかりました。ありがとうございました。

バーミンガム・ロイヤル・バレエ「コッペリア」のキャスト

エリシャ・ウィリスが「美女と野獣」を怪我で降板したことから、バーミンガム・ロイヤル・バレエ「コッペリア」のキャストが気になっている方も多いかと思います。友達に教えていただきましたが、16日は「美女と野獣」ワイルド・ガールが素晴らしかったアンブラ・ヴァッロが、エリシャ・ウィリスの代わりに踊るようです。吉田都さんは予定通りの出演です。

バーミンガム・ロイヤル・バレエ公式サイト
http://www.brb.org.uk/masque/index.htm?act=WhatsOn&urn=12168&tsk=fullcast
によると、

Kani-Hoken Hall - 14 - 17 January 2008

14 January 2008 5:00 pm
Dr Coppélius: David Morse
Swanilda: Miyako Yoshida
Franz: Iain Mackay
Dawn: Carol-Anne Millar
Prayer: Silvia Jimenez
Betrothal: Momoko Hirata, Jonathan Caguioa
Call to Arms lead: Kosuke Yamamoto

15 January 2008 6:30 pm
Dr Coppélius: Michael O'Hare
Swanilda: Miyako Yoshida
Franz: Iain Mackay
Dawn: Lei Zhao
Prayer: Natasha Oughtred
Betrothal: Momoko Hirata, Jonathan Caguioa
Call to Arms lead: Kosuke Yamamoto

16 January 2008 6:30 pm
Dr Coppélius: David Morse
Swanilda: Ambra Vallo
Franz: Tyrone Singleton
Dawn: Lei Zhao
Prayer: Jenna Roberts
Betrothal: Natasha Oughtred, Feargus Campbell
Call to Arms lead: Alexander Campbell

17 January 2008 6:30 pm
Dr Coppélius: Jonathan Payn
Swanilda: Miyako Yoshida
Franz: Iain Mackay
Dawn: Angela Paul
Prayer: Jenna Roberts
Betrothal: Natasha Oughtred, Feargus Campbell
Call to Arms lead: Alexander Campbell

2008/01/09

ロイヤル・バレエのDVDリリース予定

YouTubeに公式チャネルを開設するなど、活発な動きを見せているロイヤル・オペラ・ハウス。SNSのFacebookにもアカウントを作成し、独自の情報発信を行っています。

そのFacebookの情報によると、 ROMEO & JULIET「ロミオとジュリエット」 (Universal label)、 GISELLE「ジゼル」そして SLEEPING BEAUTY「眠れる森の美女」のDVDが、遅くとも半年以内にDVDとして発売されるとのことです。ロイヤル・オペラ・ハウスはOpusArteを買収したのに、ユニヴァーサルからDVDが出るのが不思議ですが、いずれも、英国内で放映された作品と思われます。

「ロミオとジュリエット」はタマラ・ロホとカルロス・アコスタ、「ジゼル」はアリーナ・コジョカルとヨハン・コボー、「眠れる森の美女」はアリーナ・コジョカルとフェデリコ・ボネッリの主演によるものですね。「眠り」だけでも、来日公演前に日本で発売されるといいな。「ジゼル」はテレビ放映されたものを観ましたが、素晴らしいパフォーマンスです。

パリ・オペラ座バレエ「パキータ」@オペラ・ガルニエ 12/29(マチネ)

Paquita
Adaptation and choreography Pierre Lacotte after J Mazillier (1846) and M Petipa (1881)
Music E Delvedez and L Minkus
Music orchestration and supervision David Coleman
Décor and costumes Luisa Spinatelli
Lighting Philippe Albaric

12/29/07
Paquita Melanie Hurel
Lucien d'Hervilly Mathias Heymann
Inigo Gil Isoart
Don Lopez Jean-Marie Didiere
Dona Serafina Sarah Kora Dayanova
Two Spanish dancers Alexandra Cardinale, Lucie Clement
Pas De Trois Mathilde Froustey, Laurene Levy, Simone Valastro
Two Officers Julien Meyzindi, Gregory Dominiak

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オペラ座の公式サイトでは、まだこの日のキャストはローラ・エケとステファン・ビュヨンになっていたのだけど、パンフレットに挟まれていたキャスト表では、ダンソマニにあったとおりマチアス・エイマンとメラニー・ユレルになっていた。ステファン・ビュヨンのリュシアンが観たかったし、30日のキャストもマチアス&メラニーだったので少々残念。

私の席は最前列の左端の方だったのだけど、自分の席には知らない紳士が座っている。連れと隣同士になりたいから代わってくれと言われて代わった席は、2列目のセンター。1幕では前に誰も座っていなかったので視界良好だったけど、2幕で、その隣の席に座っていた座高の高いオバサンがずれてきてしまったのでかなり邪魔だった。ガルニエのオーケストラ席は段差がないのだ。そして、自分の周りの観客の、日本人率の高さに驚く。ここは日本か!と思うほど。

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さて本題。この上演は、なんといってもマチアスに尽きる!20歳、プルミエに昇格したばかりのマチアスが大変テクニックに優れたダンサーであることは、当然わかっていたわけだけど、こうやって全幕の主役を演じているのを観ると、それだけの人ではないのが実感できる。決して背が高いわけではないのだけど、周りをパッと明るくする華があるのだ。テクニシャンだとえてして踊りが雑になったり、体操やサーカスっぽくなってしまいがちなのだけど、マチアスは間違ってもそうはならない。動きの一つ一つに気品があり、指先まで丁寧な動きなので、育ちの良い将校に見える。そして、どことなく甘くロマンティックな雰囲気が出せるところも素敵。リュシアンはこの日が初役だったようで、最初のうちは緊張しているのがわかってしまったけど、1幕の最初のヴァリエーションでいきなり観客を味方につけてしまった。軽やかで優雅、でも元気いっぱいの跳躍。この時点で、観客は大騒ぎ。キャーという叫び声と怒涛のようなブラボー。その前のメラニーのヴァリエーションとの拍手の差がありすぎてちょっとメラニーが気の毒になったほどの熱狂振り。

メラニー・ユレルは、基本的には技術はしっかりしており、演技も達者。1幕2場でのコミカルな演技もとても上手いし、パ・ド・ドゥではお姉さんらしくマチアスをリードしていた。しかしジプシーの娘としてのおてんばな演技はしっくりきても、2幕のキラキラなお姫様を演じるには、どうしても華がないのが残念。エトワールとプルミエールの差はここにあるんだろうなって思った。2幕ラストのフェッテは非常にゆっくりで、腰に手を当てて時々ダブルを入れ混ぜていたけどやや不安定だった。スタミナが切れてしまったのかな、と思わせた。それに対してのマチアスのヴァリエーションといったらもう!まさにヴェルトゥオーゾというべき、ピチピチとはじけるような爽快なジャンプ。舞い上がるようなアントルラッセ。美しいつま先。観客全員が彼に恋した瞬間を感じた。今まで体験したことがないほどの熱狂振り。ブラボーと叫び声が怒涛のようにガルニエを満たす。

憎まれ役のイニーゴは、やはり当初予定されていたオドリック・ベザールではなく(オドリックは、将校やジプシーのコール・ドに配置されており、長身ゆえ目立っていた)、ジル・イゾアール。テクニック面では精彩を欠いていたものの、ベテランらしく演技はとてもうまく、乱暴ものらしさをよく出していた。ドナ・セラフィナ役のサラ・コラ・ダヤノヴァはマチアスと同時に AROP賞を受賞した注目の若手。セラフィナ役は踊りではあまり見せ場がないのがもったいないところだけど、サラはとっても美人。

パ・ド・トロワは当初エマニュエル・ティボーが予定されていたところ、ティボーが怪我なのかしばらく出演していないようで、代役にシモン・ヴァラストロ、それからロレーヌ・レヴィとマチルド・フルステーというこれまた美少女コンビ。ヴァラストロはとてもうまいし、軽やかだし顔だちもとてもきれいな人なのだけど、意外と小柄なのでちょっともったいない感じ。2幕では将校に入っていたけど身長の小ささゆえ埋もれてしまっていた。マチルドはアクセントや溜めを入れるクセに好き嫌いがでるダンサーなのだけど、何しろ腕の動きが柔らかく美しいので非常に印象に残る。ロレーヌは首が長くて優雅な感じ。二人ともとても素敵だった。

2幕は、DVDの演出と違っていて、子供たちではなく将校たちがハンガリー風味の踊りを踊る。オペラ座の見目麗しい男性陣が凛々しく踊りまくってくれたので、大変な目の保養。リードするのは、ジュリアン・メザンディとグレゴリー・ドミニヤック。メザンディはもともとテクニックに定評があるわけだけど、先日の昇進試験でコリフェに昇格したばかりのグレゴリーが、夏に観た時よりずっと上手くなっていて、特に脚捌きが美しく、その美貌もあり思わずうっとり。ダンサーにとっては鬼のような振付だと思うけど、大変さを微塵も感じさせない。

パキータの2幕は延々と踊りが続く。女性コール・ドのアントレ。ルイザ・スピナッテリによる衣装は、ロイヤルブルーとボルドーのシックな色の取り合わせといい、美しいな~と思う。でも群舞はあんまり揃っていなかったような。その群舞の中には藤井美帆さんもいた。華麗に繰り広げられる踊りの数々でクラクラしてしまうけど、やはり〆はマチアスの胸のすくような踊り。メラニーとの息もぴったりの、幸福感が感じられるパ・ド・ドゥ。彼は手脚が長いので、純白の衣装も颯爽と着こなす。若さの中に潜む甘く優しい雰囲気。彼は必ずや遠くない将来、エトワールになることだろう。それまですくすくと育ってほしいな~って思った。今でもこんなに踊れるのに、無限の伸びしろがあるように感じられる。マチアスのキラキラと輝く笑顔を観ていると、しあわせ~って心の底から感じた。

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2008/01/08

パリ一日目

効率的にヨーロッパに旅行するためによく利用しているのが、エールフランスの夜便。9時55分に成田を飛び立つため、仕事帰りに行ける。仕事納めで午後は大掃除と納会のため、早く仕事が上がれると思っていたのに、誰も帰らないので職場をなかなか出られなかった。成田エクスプレスの便に間に合わせるために東京駅で走る。しかも、年賀状が書ききれていなかったので、成田エクスプレスの中で一筆書き加える。電車が揺れるため、字が汚くなってしまってごめんなさい!

成田はこの便が多分最終のため、免税店なども早々に閉店してしまうのが不便。ユーロ高で海外の免税店は極力使いたくないために、友達に頼まれた化粧品などを慌てて買う。そして飛行機に乗り込み、目覚めたら朝4時版で、シャルル・ド・ゴール空港に到着。ロワッシーバスの始発6時まで時間を潰すけれども、始発時間になっても全然バスが来ない・・・6時40分ごろようやくやってくる。7時半ごろにガルニエの横に到着。まだ真っ暗。ガルニエの近くのホテルに荷物を置いて、ルーヴル方面へと歩き、PAULで朝食。2年前にパリに来たときと同じパターン。このPAULの鏡がバレエをイメージしていて素敵。PAULはパンも美味しいし、あちこちにあるし本当にいつも重宝している。

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そして9時から開館するルーヴルに行くべく、8時45分ごろ行ったら、もう列ができていた。ルーヴルに向かう道の途中で見かけたのは日本人ばかり。写真を見ればわかるように、9時前でもまだ薄暗い。

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朝のルーヴルは空いていて気持ちが良い。初パリ、初ルーヴルの家人のために、まずはモナリザへと案内し、ルーヴルのホームページにあった「ダ・ヴィンチ・コードを辿るツアー」の順路に沿って絵を見る。ちなみに、私は「ダ・ヴィンチ・コード」は本も読んでいなければ映画も観ていないんだけど。2年前に行った時には「モナリザ」の周りは厳戒で、バックに手を入れただけで係員が飛んできて撮影禁止!と言われたのだけど、今回は写真を撮っていても注意する人が全然いないものだから、来場者はみんな写真を撮りまくり。「モナリザ」はガラスに収められているし、朝早くからここだけはすごい人なので、ゆっくり見るってわけにはなかなかいかない。

個人的に面白かったのは、ルイ15世の王冠。こんなに大きな宝石がごろごろといっぱいくっついたものを見るのは初めてだった。フランス国王の王冠としては唯一保存されているものだそうで・・・。

大好きなルーベンスの間とか、ルネッサンス期のイタリア絵画、フェルメールなどフランドル絵画、そしてミロのヴィーナスやプシュケなどの彫刻を観た後、ルーヴル内のカフェで軽いランチを済ませ(ここで食べたワッフルがかなり美味しかった)、ちゃむさんに電話してホテルに一旦戻る。昼ごろにはルーヴル内はものすごい人出で、きっとまともに鑑賞もできないだろうと思われた。着替えて、「パキータ」を観る前にレペットrepettoに立ち寄る。残念ながら、「生命のダンス」プロジェクトの展示は終わっていて、ベジャールさん追悼のため、ベジャールヴァージョンだけコーナーを設けてショーウィンドーに飾ってあったのだけど、別のウィンドウに飾ってあった白いチュチュが雪をイメージさせていてとても美しい。

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レペットでは、バレエ用のピンクのカシュクールと、黒いエナメルのバレエシューズを購入。黒エナメルのシューズは人気があって、私のサイズはこれが最後だったとのこと。親切な日本人の店員さんが探してきてくれた。靴も色々な種類があったし、時間があればレオタードとかも買いたかったけど、今日はバレエ二本立て、明日は日曜日でお休み。レペットの袋を持ってガルニエへ。ガルニエの前は人でごった返しており、ダフ屋さんも多数。

新春の舞台いろいろ(新国立劇場ガラ、バーミンガムロイヤル「美女と野獣」)

帰国して6日に新国立劇場の新春ガラと「美女と野獣」のダブルヘッダー、7日に「美女と野獣」2回目を観ました。感想を書きたいところですが、時差ぼけによる睡眠不足や、寒い気候もあって風邪を引いてしまったので、しばらくお待ちください。

新国立劇場のニューイヤー オペラパレス ガラ公演は、10月の創立10周年記念ガラの方がお得感があったと思います。「こうもり」のグラン・カフェは、愛するマイレン・トレウバエフをはじめ、バリノフくんと江本拓さんがノリノリだったし、新春に相応しい華やかでとっても楽しい演目で、堪能しました。が、北米公演でも上演するという「アンド・ワルツ」ははっきり言って駄作。北米公演では「セレナーデ」「ドゥエンデ」との上演だそうだけど、この二つが傑作ながら、ややまったり気味のところへ、この退屈なコンテもどき作品を持っていくと、新国立劇場の魅力が全然伝わらない感じがしてしまいます。散漫で中途半端な作品。新国立劇場には素晴らしく美しいコール・ドがあるのだから、たとえば「ラ・バヤデール」の影の王国を上演するとか、「パキータ」「ドン・キホーテ3幕」などの華麗なグラン・パ・ド・ドゥを上演するとかすればいいのに。オペラファンも、「アンド・ワルツ」には確実に退屈していたように見えました。朝日舞台芸術賞を受賞した牧芸術監督は、振り付けには手を出さないで、芸術監督業に専念して欲しいです。これを見ると「椿姫」が傑作に見えるくらいなので。

オペラについては、佐野成宏さんの「トスカ」より「星は光りぬ」と、圧倒的な歌唱力の天羽明惠さんの「椿姫」より「ああそはかの人か」が特に素晴らしかったと思いましたが、他の演目も良かったし、定評のある合唱団も素晴らしかったです。最後2演目を見ないで中座しなければならなかったのが残念。


「美女と野獣」については、後で詳しい感想を書きますが、バレエというよりは、とても上質の舞台作品で、楽しめました。ゴシックでゴージャスな舞台装置や繊細な衣装も素晴らしいし、着ぐるみやマスクもセンスがよかったです。そして、イギリスのバレエ団ならではのキャラクターダンスは最高に可笑しかったです(おばあちゃん、最高!)。ブタ鼻のコションも笑えました。

そしてエリシャ・ウィリスの降板によりベル役を2日間に渡って踊った佐久間奈緒さん、素晴らしかったと思います。日本人には珍しく、はっきりした顔立ちで華があるし、ドラマティックな演技力も見事、さらに技術も確実で特に脚が強靭なようでした。ベルの揺れ動く心が手に取るようにわかって、最後に野獣が美しい王子に戻った時の戸惑う演技が素敵でした。野獣役、6日のイアン・マッケイ、7日のツァオ・チー も熱演でした。マスクですっぽり頭を覆い、分厚い着ぐるみを着て踊るのは大変だったと思いますが、身体を使っての感情表現が二人とも豊かで、孤独な野獣の哀れな気持ちが良く伝わってきて、思わず涙しました。イアン・マッケイは長身で顔が小さくプロポーションが美しい。ツァオ・チー は演技力が見事。二人ともハンサムなので、最初と最後しか顔が出ないのはちょっともったいないけど。あと、初日のワイルド・ガールを踊ったアンブラ・ヴァッロがとても生き生きとした表現力があり、動物的でちょっとセクシー、ちょっとせつなさを感じさせる魅力があって素敵でした。ワイルド・ガールというキャラクターがこの作品のツボなのではないかと思います。

あと一日ありますので、まだの方はぜひ観てください。照明が全体的に暗いのと、ダンスというより演技の部分が多いので、席は前の方が良いかと思います。初日は、祭典席であるにもかかわらず、席が非常に悪くて、1幕の照明が暗いので時差ぼけの頭にはつらかったです。しかもプログラムの引換券を持ってくるのを忘れてあらすじを読んでくるのを忘れちゃったので、何が起きているのか理解できなかったのです。筋を踏まえた上で見れば非常に面白いです。キャラクター紹介を読んでいくとさらにいいかもしれません。惜しいのは、最後のパ・ド・ドゥの振付がちょっと凡庸だったところ。王子が裸足なので難しい振付ができないのかしら。

佐久間奈緒さんのインタビューが毎日新聞に載っていました。
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20080106ddm003070078000c.html
堂々としたプリマぶりで、とても美しかったし、感情表現も繊細でいろいろな舞踊語彙を持っている人だと思いました。

2008/01/07

あけましておめでとうとざいます&帰国しました

1月5日の夜に日本に無事帰ってきました。パリは暖かかったけど日本人だらけで、ミラノは滅多に降らない雪が降って寒かったです。でも、とても楽しく充実した年末年始を過ごすことができました。パリでもミラノでもお友達に会うことができて、それも楽しかったです(本当にありがとう)。そして、素晴らしいバレエの公演を4回。無理やり同行させた家人も楽しんだようです。ぼちぼち報告などをして行きたいと思います。

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(ミラノのスカラ座広場)

今年もどうぞよろしくお願いいたします。いつも訪問しコメントしてくださる皆様の存在は本当に励みになります。皆様にとって素晴らしい一年でありますよう、平和な一年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。


2008/01/03

Happy New Year from Milan

Happy New Year to all the readers of this blog.

I am in Milan right now.
I saw 2 performances of Paquita and one of Casse Noisette (The Nutcracker) of Paris Opera Ballet and "Tchaikovsky Gala" of Teatro alla Scala.

As for Paquita, Matthias Heyman was so great! His bravura technique, his elegance, the sweet character... All the audience went crazy with his leaps and pirouettes.
I am sure he will become Etoile in the near future.
And young dancers of POB, Audric Bezard and Gregory Dominak as two officers of Paquita were also fine with polished technique and grace. Axel Ibot was a very cute Fritz in Casse Noisette with a good solo of Spain too. Laurenne Levy and Mathile Froustey were also vey beautiful in the Pas de Trois in Paquita.

The gala at Teatro alla Scala, Roberto Bolle was just gorgeous! So fine acting and elegant polished technique. He was so beautiful to be true. Polina Seminova was also vey beautiful. It was a unique gala...during the divertissments of act 3 of Swan Lake there was a Rose Adagio and Bluebird PDD, Nutcracker grand PDD and I think you will be seeing this on DVD.

So, wish you a very happy year 2008. Best Wishes.

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