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2008/01/21

レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)「白鳥の湖」1/20ざっとした感想

今日はレニングラード国立バレエの「白鳥の湖」ペレン&コルプでした。いやはやコルプマジックは健在ですね。私はボヤルチコフ版の白鳥は終わり方に納得がいかないのであまり好きではなく、極力避けていたのですが、ラストの前までは十分楽しむことができました。ペレンの白鳥は硬質で薄味であることはわかっていたので、本当はシェスタコワが観たかったのですが、先週末は風邪がひどく、とても外に出られるような状態ではなかったので・・・。コルプがパートナーとなったことで、ペレンも、かなり感情を表に出すようになり、やや化けた感じがします。シェスタコワのときに見られたケミストリーは残念ながらなかったけど、それ以外は素晴らしかったです。(それだけに、シェスタコワとの舞台が見たかった!)

国際フォーラムAもなるべく避けたい会場ですが、2階席の前方なので距離をそれほど感じることはなく、よく見えました。(実感としては、新国立劇場の3階席くらいなので、これがS席ってやっぱり納得いきませんけど、ぴあの割引チケットなので文句は言えません)

うわさに聞いていた、恋愛小説に読みふけるコルプ王子が見られました。あのチョイ悪オーラを封印し、物静かでちょっとおたくっぽい、しかしながらノーブルな白王子でした。お気に入りの恋愛小説の中身をめぐって、家庭教師に議論を吹っかけるところなんか、とても面白かったです。友人たちにまで本を薦めてウザがられたり。情景の音楽が流れ、ひとり物思いにふけるときにも、本を離しませんでした。まるで「オネーギン」のタチアーナのような王子。しかしひとたびオデットに出会ってしまえば、熱い思いをあふれさせ、端正な佇まいながらも積極的にアプローチしていきます。黒王子の姿がちらちら見えます。2幕コーダの後には、オデットにキスまでしちゃうのですから。

すごく印象的だったのは3幕の終盤、王子がオディールに愛を誓い、花束を渡すとそれを受け取ったオディールが嘲笑い、花束をばらばらにして投げるところ。これはセルゲイエフ版と同じ演出だと思うのだけど、ペレンの華やかな高笑いが艶やかで実に楽しそう。それと、ぱらぱらと落ちてくる花束の花を何本か受け止め、そのまましばし呆然とするコルプ。いったい何が起こったのか、あまりの衝撃で身動きできない。それからしまった、と激しく慟哭する。愛を誓うポーズをもう一度してみて、それから痛恨の表情で、高々と上げた右腕を左手で下ろす。なんという愚かな自分、と激しく自分の行いを責めたて、母親の膝で涙を流した後に、オデットの元へとものすごいスピードで駆けて行く。とても情熱的な王子でした。2幕でも、コルプの愛情たっぷりの、ジェントルなサポートを見ていると思わずこちらまで夢見心地になりそうでしたわ。予想通り、コルプの愛情が一方通行で、なかなか王子を受け入れないオデットではあったけど、彼の熱い情熱に、ペレンの氷の心も少しは融けてきました。

3幕のヴァリエーションはコルプ、お疲れ気味のようで着地が決まらなかったり珍しく不安定なところがあったけど、相変わらず高くまっすぐ後ろに伸びたアラベスクの美しさ、ワガノワの教科書通りの見事なアティチュード、しなやかでプリエの効いた柔らかな着地と素晴らしいテクニック。ペレンのフェッテも、後半に入ってもダブルを挟み込み、非常に速い演奏に合わせて安定した回転を見せてくれました。軸はちょっとぶれてはいたけど。しかしやっぱりこの二人の見せ場はアダージオでしょう。オディールにたちまち夢中になってしまっているコルプのサポート、指先から情熱があふれていてかなりエロいです。王子からそういう感情を引き出すことを、オディールも楽しんでおり、妖艶さをどんどん増して行きます。

それから、パ・ド・トロワのプハチョフがとてもよかったです。彼の白鳥王子もとてもノーブル&美脚で好きなんですが。今年から、舞台上にいるときにはカツラを着用していて、そのカツラについては賛否両論あるみたい。でも、ぐっと若返って、とても二枚目に見えていいんじゃないかしら。プハチョフは脚の美しさ、つま先のきれいさが天下一品なのですが、今回はアントルラッセのときに、脚がパッときれいに180度開いていて、うわ~素敵、と思いました。パ・ド・トロワを固めるのがエフセーエワとコシェレワですから、出来が悪いはずはなく、この3人の織り成す美しいワガノワ・ラインを堪能しました。

ボヤルチコフ版の「白鳥」は民族舞踊もちょっと凡庸なのですよね。東京バレエ団の採用しているゴールスキー版と同じく、悪魔の手先として登場するスペインは本当に素晴らしかったです。アンナ・ノヴォショーロワ、エレーナ・モストヴァーヤ、アレクセイ・マラーホフ、ミハイル・ヴェンシコフ、4人が4人ともキャラクターダンスというのを凄くよく理解していて、メリハリがあってかっこよかったです。

群舞は、「バヤデルカ」の壊滅的な状況を考えれば大健闘していると思いました。2階席から見ても、きれいにそろっているように見えます。小さな4羽がぜんぜん小さくないのが笑えました。

コルプが出ている舞台は、たとえちょっと苦手な演目でも、良くない会場や席でも、見に行く価値が十二分にあるということが実感できました。この人の引き出しはいったいいくつあるんでしょうか?ますますハマりそうです。とりあえず、4月にちゃんとお休みがもらえるように交渉しなくちゃ。

1月20日(日)13時半~
東京国際フォーラム ホールA 

オデット/オディール:イリーナ・ペレン
ジークフリート王子:イーゴリ・コルプ
パ・ド・トロワ:エレーナ・エフセーエワ、イリーナ・コシェレワ、アルチョム・プハチョフ
ロットバルト:マラト・シェミウノフ
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:パーヴェル・ノヴォショーロフ
スペイン:アンナ・ノヴォショーロワ、エレーナ・モストヴァーヤ、アレクセイ・マラーホフ、ミハイル・ヴェンシコフ
ハンガリー:マリア・リフテル、マクシム・ポドショーノフ
ポーランド:ユリア・カミロワ、マリーナ・フィラートワ、アリーナ・ロパティナ、オリガ・ラヴリネンコ、ニコライ・コリパエフ、アレクサンドル・オマール、アルチョム・マルコフ、ニキータ・セルギエンコ

小さい白鳥:マリーナ・ニコラエワ、エレーナ・ニキフォロワ、アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、サビーナ・ヤパーロワ
大きい白鳥:タチアナ・ミリツェワ、エルビラ・ハビブリナ、ディアナ・マディシェワ、ユリア・カミロワ
2羽の白鳥:タチアナ・ミリツェワ、エレーナ・コチュビラ

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