ジェニファー・アレクサンダー続報
ABTでは、訃報を公式サイトに掲載し、サイトのトップにジェニファーのプロフィール写真を掲げています。
ジェニファー・アレクサンダーの悲劇的な死を悼み、The Wingerで同僚ダンサー、マシュー・マーフィがジェニファーの追悼コーナーを作りました。
http://thewinger.com/words/2007/jennifer-alexander/
先日のシティセンターでのバックステージでの写真、それから「ジゼル」のバチルド役、フリオ・ブラガド=ヤングと一緒に写っている「白鳥の湖」のチャルダッシュの美しい写真が掲載されています。追悼の言葉をどんどん書き込めることになっています。ABTに入団する前に所属していたロイヤル・ウィニペグ・バレエのプリンシパル、タラ・バートウィスルや、ABTのバレエミストレスのスーザン・ジョーンズ、「海賊」「ライモンダ」の改訂振付を行ったアンナ・マリー・ホームズなどが涙を誘う追悼文を書き込んでいます。
マシューによれば、コール・ドのダンサーはよく手入れされた機械にたとえられるとのことです。その中でもABTは最も重要な部品の一つを失ったことになり、もう二度と同じようにはならないということ、それだけの大きな損失だったということです。13年間も在籍していた彼女は、コール・ドでもリーダー的な存在で若手を指導していたとのことです。
Ballet Talkでは、ジェニファーの兄がメッセージを残しています。
なお、New York Postの記事では、新しい情報が入っています。フリオの怪我は足の骨折で、生命には別状がないとのことです。再び踊れるように回復できるよう祈るばかりです。もう一人同乗していたダンサーは、若手のNicole Granieroで、「くるみ割り人形」のゲストで踊っていたのは彼女でした。ジェニファーはフリオの付き添いだったようです。
そして悲報を聞いたダンサーたちは、ブロードウェイ19丁目のABTの本拠地の廊下で声を上げて涙に暮れていたとのことです。ダンサーはカンパニーのメンバーにとっては家族のようなものだったとのことで、計り知れない悲しみであることでしょう。
今月ワシントンDCで上演されるABTの「くるみ割り人形」はジェニファーに捧げられたものになるそうです。
私もコール・ドで踊るジェニファーは何回も観ていますし、コケティッシュな魅力に魅き寄せられていました。特に「ジゼル」の美しく優雅で少し高慢なバチルド役は非常に印象的でした。彼女の出演日は見逃してしまったのですが、昨年のシティセンターで上演されたアニエス・デ・ミル振付の「Rodeo」では、主役のじゃじゃ馬娘を踊っていたとのことです。また今年は「葉は色あせて」にも出演していました。シティセンターの楽屋裏でも、幸せそうな笑顔が印象的でした。来日公演でもう観ることができないと思うと、ちょっと耐えられないくらい悲しいです。若く美しく、そして幸せの絶頂にあった人の死は本当に悲しいことですね。フリオの心と体の傷が癒されますように。
追記:写真家のGene Schiavoneさんのサイトで、ジェニファーを追悼したギャラリーが開設されています。フリオとのリハーサルの写真、「ジゼル」のバチルド、「オテロ」、「ラ・バヤデール」(影の王国)、「白鳥の湖」(白鳥のコール・ドと花嫁候補)、「シンデレラ」(クデルカ版)の美しい写真があります。
さらに追記:New York Timesに事故と、二人についての詳しい記事が載っています。
http://www.nytimes.com/2007/12/05/nyregion/05dancers.html?_r=1&ref=nyregion&oref=slogin
医師とABTのエグゼクティブ・ディレターの話では、フリオは脚の骨折をしたものの、踊れるようにはなるだろうとのこと。ABTにも復帰する予定だそうです。なお、コメントをしたフリオのお父さんはオーケストラの指揮者をしているそうで、今年の春には父の指揮するオーケストラをバックに二人が踊ったこともあったそう。
ジェニファーの出身地、カナダのカルガリーの新聞にも記事が載りました。
http://calsun.canoe.ca/News/Alberta/2007/12/05/4708434-sun.html
12/7追記
ABTの同僚デヴィッド・ホールバーグからの追悼エントリです。どれだけ、ジェニファーが同僚たちに愛されていたかがよくわかります。
http://thewinger.com/words/2007/jenny-alexander/
ここにも、美しい写真が何枚か掲載されています。高い評価を得た「緑のテーブル」を見逃したのが本当に残念です。もう二度と彼女をこの作品で見ることができないわけですから・・・。
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コメント
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HPの写真を見ました。
謹んでご冥福をお祈りしています。
「センターステージ」の続編のお話から、不慮の事故まで、楽しい気持ちが一気に哀しくなりました。
カンパニーの方達は、なおさらでしょうから、皆さんの心が癒されるように願っています。
投稿: くみ | 2007/12/05 20:33
くみさん、
そう、ジェニファーは「センターステージ」には出ているということから、余計哀しいことですよね・・・。コールドのダンサーは、自分では気がつかなくてもどこかで見ているものなんですよね。彼女はソリスト的な役も多かったし。心からご冥福をお祈りしたいと思います。
投稿: naomi | 2007/12/06 02:15
私も「センターステージ」は大好きな映画でよく見ていました。
年齢からすれば、そろそろキャリアの総まとめを考えていたはず。
不慮の事故で突然断たれてしまい、彼女の悔しさを思うと悲しくなります。
コール・ドの中心的役割といえば、次々に後継が現れるソリスト以上より、
ある意味貴重だったのではないでしょうか。
心からご冥福をお祈りします。
投稿: F | 2007/12/06 06:54
Fさん、こんばんは。
「センターステージ」楽しい映画でしたよね。私も映画館でも見たし、DVDを持っています。後で見返さなくてはなりません。
そうですよね、結婚したばかりだったというから、色々と将来の計画もあったのではないかと思うので、本当に切ないです。フリオがおそらくまた踊れるであろうということだけが救いですね。
そうそう、コールドの中心ってソリストより重要な役割を果たしていると思います。改めて、コール・ドのダンサーってバレエ団にはなくてはならないものだと思いました。
人間の生ってはかないですね・・。改めてご冥福をお祈りします。
投稿: naomi | 2007/12/07 03:22