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2007年12月

2007/12/28

12/27モスクワ音楽劇場「白鳥の湖」(ブルメイステル版)/ダンマガ/DDD

今日はモスクワ音楽劇場の「白鳥の湖」(ブルメイステル版)を観てきました。

素晴らしかったです。タチアナ・チェルノブロフキナのオデット/オディールは見事なものでした。細かいテクニックがどうこうということではなくて、そこに確かにオデットがいて、オディールが存在していて、というドラマ性。チェルノブロフキナは、オデットでは悲劇的ではあるけれども愛らしく、しかし高貴でたおやかな姫として、オディールではその魅力で誰もを虜にする妖艶な小悪魔として、この上なく魅力的でした。柔らかでなめらかな腕の動き、凛とした美しさ、上半身のポジショニングの見事さ、目線の使いかた。演技というよりは、肉体全体で役柄を演じ、役を生きているのがわかって、とても新鮮で目から鱗が何枚も落ちるようなオデットそしてオディールでした。もう40歳ということですが、年齢を感じさせない可愛らしさがまたいいのですよね。テクニックも、2回ほどひやりとしたところはあったものの、安定しており、アンドオールもしっかりしていて、ラインが美しかったです。予定があいていれば土曜日マチネでもう一度観たいと思いました。

王子のゲオルギー・スミレフスキは、顔がアンヘル・コレーラにとても似ていて甘いマスク、黒髪のエキゾチックなダンサーなのですが、非常に背が高くて脚が長く顔も小さく、プロポーションに恵まれていました。生まれついての気品があり、踊りはとてもエレガントで高貴な王子そのものなのですが、演技がとても細かくて、観ていて面白かったです。2幕で王子は去っていくオデットの白い羽根を拾い、大切に持っています。3幕でも、花嫁候補たちの踊りをよそに、ずっとオデットの羽根を握り締めては見つめていて、メソメソしているので笑ってしまいました。王妃役のインナ・ブルゴーコワがまた大変な美人なのですが、その王妃と手を握り合ったりしていて、ものすごいマザコン王子なのです。気品のある貴公子的ルックスだからこそ、情けないマザコン振りが際立っているのですよね。オディールにはすっかり参ってしまって、切ないほど吸い寄せられています。それをじらすように、ロットバルトや手下たちのマントの陰に隠れたり、現れたりとオディールは王子を翻弄し、それに操られて一喜一憂する王子の姿には、ハラハラしました。嘆き悲しむオデットの姿を見ての王子の動揺っぷりといったら、かわいそうなことこの上なし。4幕のロットバルトとの戦いも、大熱演でドラマティックでした。この「白鳥の湖」は演出が王子の目線で描かれていて、彼の心の揺れ動きがダイレクトに伝わってくるのです。最後も王子はたった一人で、何回も倒れながらもロットバルトと戦うのです。マザコン王子からの脱皮物語として感じられて、王子がんばれ!と応援モードに。そう、これは王子の物語なのですよね。「白鳥の湖」なんて王子は単なる添え物、オデット/オディールのバーであることが多いのですが、この演出で、王子役ダンサーの演技力あってこその作品に仕上げていました。

ドラマティックといえば、1幕、そして特に3幕のドラマ性は本当にすごかったです。舞台上の一人一人が演技をしていて、台詞のある演劇の舞台を観ているようでした。ブルメイステル版は以前にザハロワ&ボッレのスカラ座のを見ていて、そのときは主役二人はめちゃめちゃ美しいけれど、作品としてあまり面白くないと思ったのですが、認識を改めなければと思いました。民族舞踊なども、いかにもディヴェルティスマンとして余興として存在しているのではなく、一つ一つの踊りに意味があるのです。マズルカからオディールのアダージオへの流れの見事なこと!ひとつとして無駄な踊りがありません。オディール、ロットバルト、そして王子の踊りがパズルのように巧みに組み込まれているのです。なにしろ民族舞踊組は全員ロットバルトの手下で、ナポリなんかも可愛い顔して邪悪なこと!カッコいい!正体を明かして高笑いするオディールは、花嫁候補たちの前をぐるりと歩み「勝ったわ」と勝ち誇りながら去っていくのです。3幕の舞台装置は非常に豪華だし、衣装もゴージャス&繊細で美しいし・・・・3幕だけでも大満足でした。チャイコフスキー・パ・ド・ドゥの曲でアダージオを踊るのに違和感があるのではないかと観る前は懸念していましたが、この作品のドラマ性に良く合ってて、静かにドラマが進行し、少しずつ高まって行く緊張感を伝えていて良かったです。

ラスト、人間の姿に戻ったオデットが、自分の腕などを見て「私、人間に戻っているわ」と喜んで王子と結ばれるところ、観客としても幸福感に包まれます。娘姿のチェルノブロフキナの可憐なこと!身体の線に沿った白いドレスがとても似合います。

白鳥の群舞は、席がかなり前方だったので全体的な揃い方はわかりづらかったのですが、足音も小さく、プロポーションは揃っているし、動きも統率されていて良かったのではないかと思います。1幕でも、男性群舞が貴族のようにきれいな衣装と、美しいダンサーたちで踊られていたので、視覚的に大変楽しめました。
道化のデニス・アキンエーエフは、とにかくよく回りよく跳び、これぞ道化の踊り、という愛嬌で演じきっていて、観ていて思わず笑顔になってしまいました。3幕では、道化の子分たちがたくさん登場して、道化の親玉が一人一人のお尻を蹴るんです。でんぐり返しをしていたり、楽しかった~。

こんなに素晴らしい舞台なのに、年末であわただしい時期の平日ということもあって、客の入りが寂しかったのがあまりにも残念です。年末、お時間がある方はぜひご覧になることをお勧めします。この作品は観ないと後悔します。休憩3回込みで3時間45分という長尺ですが、舞台装置の立派さを見れば、設営にこの長さも必要だと納得できると思います。オーケストラピットからはみ出さんばかりに髪を振り乱し飛び上がる指揮者フェリックス・コロボフの熱演も楽しかったです。

************

ということで、さっと書くつもりが長々としてしまいました。今日発売の雑誌の紹介をざっとしておきます。

「DDD」はインタビューだけでなく、ファッションページにイーゴリ・コルプが登場しています。まるでロックスターのようなコルプのセクシーでやんちゃでカッコいいこと!彼のチョイ悪の部分、そしてパンクなところ、アーティスティックさをよく伝えている写真です。普段の金髪ではなく、黒髪にしているのですが、ガラス玉のように澄んだ青い瞳とのコントラストが見事です。この写真だけで、迷わず購入。表紙は、キエフ・バレエのナタリア・ドムラチェノワ。かわいいです。ピナ・バウシュ、ヤンヤン・タン、首藤康之さんのインタビューもあります。

ダンスマガジンは、恒例のダンサートップ10。巻頭は珍しく新国立劇場の「椿姫」。表紙はザハロワです。それからエレーナ・フィリピエワのインタビューが面白かったです。彼女は非常に賢い人なのですね。将来、本当に芸術監督になるかも。。。付録としてDVDがついており、コジョカル、コルプ、ザハロワ、マトヴィエンコ、フォーゲル、マラーホフのインタビュー映像が納められています。
2008年のバレエ/ダンス予定が掲載されていますが、ラララ・ヒューマンステップスが7月頭に来日する(彩の国さいたま芸術劇場)のが新しい情報かな?今度はぜひ観てみたいと思います。11月には同じ劇場で、ナチョ・ドゥアト率いるスペイン国立ダンスカンパニーがきます。しかも「ロミオとジュリエット」!!必見ですね。
あと、小林紀子バレエシアターは、8月にヨハン・コボー振付の「ラ・シルフィード」(もちろんコボーがゲストコメントで教えていただきましたが、コボーではなくデヴィッド・ホールバーグのようです。デヴィッドにはジェームズは初役?)、10月に「ザ・レイクス・プログレス」の再演をやるということで、相変わらず魅力的なプログラムばかりです。

************
28日の夜出発で、パリとミラノに行ってきます。パリでは「パキータ」「くるみ割り人形」、ミラノではスカラ座バレエのチャイコフスキー・ガラを観てきます。その間更新できないと思います。

本年は皆様には大変お世話になりました。皆様の応援なしではとても続けられなかったと思います。毎度コメントへのお返事等が遅くてご迷惑をおかけしておりますが、めげずに今後もお付き合いいただければと思います。色々な方とここを通して出会うことができて、本当に楽しかったです。2008年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様にとって、2008年が素敵な年になりますように。

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12/24国立モスクワ音楽劇場バレエ『くるみ割り人形』

スタニフラスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念 国立モスクワ音楽劇場バレエ『くるみ割り人形』

マーシャ:ナタリア・レドフスカヤ
王子:ミハイル・プーホフ
ネズミの王様:ニキータ・キリーロフ
人形:アンナ・アルナウートワ
ムーア人:デニス・アキンフェーエフ
道化:アレクサンドル・ダシェフスキー
フリッツ/くるみ割り人形:キーラ・プリニュシナ
少女マーシャ:ヴァレリヤ・ムハーノワ
パ・ド・トロワ:ユルアン・ゴリュノーワ、キーラ・ブリニュシナ、ウラジーミル・ドミートリエフ
スペインの踊り:エカテリーナ・ガラーエワ、ドミトリー・ロマネンコ
東洋の踊り:ダリア・ダリエンコ
ロシアの踊り:インナ・ブルガーコワ、イリーナ・べラヴィナ、デニス・トゥリグーブ
中国の踊り:ガリーナ・イスマカーエワ、イリヤ・ウルーソフ

新国立劇場と同じワイノーネン版の「くるみ」なので、基本的な振付は一緒。大きな違いは、新国立劇場版では4人のキャバリエが登場しての「ローズアダージオ」もどきだったのが、こちらは普通のグラン・パ・ド・ドゥだったということ。こっちのほうがずっといい。

マーシャを踊ったレドフスカヤが素晴らしい~!たおやかで上品で愛らしくて素敵。彼女を見ている間中幸せで、1幕の終わりでもう涙が出てきちゃった。ちゃんと夢見る少女になっていて、軽やかで、ふわふわした夢の感じがよく出ていた。表情がまた可愛いの。レドフスカヤが踊る上演では、雪のシーンの前までが少女マーシャが踊って、雪のところでレドフスカヤに入れ替わることになっていた。ラストはまた少女マーシャのヴァレリア・ムハーノワ。巻き毛の黒髪でなかなか可愛らしく、ラインもきれいなダンサー。ミハイル・プーホフは長身金髪ハンサムなんだけど、背が高い分ちょっと重そうで、着地の時になかなか五番が決まらない。サポート自体は非常に上手なんだけどもったいない。

スタニフラフスキ・メソッドを標榜するバレエ団だけあって、コール・ドにいたるまで演技が達者。1幕は楽しかった~!2階の後方だったけど、このバレエ団だったら演技を楽しむために前の方で観ればよかった。おじいちゃんやおばあちゃんまで登場するところが素敵。フリッツは女性(キーラ・プリニュシナ)なのだけど、イタズラ小僧っぽくて芸が細かい。台詞がいっぱい聞こえてきそう。しかも、くるみ割り人形と、パ・ド・トロワにまで出ていて、本当に芸達者なダンサーだ。あと、切り紙をイメージした舞台美術、好き嫌いは分かれるところだけどとても洒落ていると思った。2幕はバックドロップがないのでちょっと寂しい感じだけど。ネズミ軍団の甲冑のような衣装はすごくカッコいい。雪のシーンの群舞も素敵で、上から見るとなかなか揃っていてきれいだった。このシーンでも、白い切り紙装置が生きていると思った。

キャラクターダンスは、中国の男性が毎回跳躍するたびに身体をエビのように前に曲げて、手と足がバン、っと当たっていてすごいバネと柔軟性って思った。東洋の踊りのダリア・ダリエンコ、美人!振付は新国立のとまったく同じだけど、衣装はこちらの方がセクシーでいいね。キャラクターダンスの衣装は基本的に白にカラフルなボンボンがついたもので、可愛いんだけど、これも好き嫌い分かれるかな。私は、個性的で好きなんだけど。

ラスト、夢から醒めたマーシャがくるみ割り人形をいとおしそうに抱きあげて見つめると、ドロッセルマイヤーがカーテンを閉じながら、「内緒だよ」と指を口に当てる仕草。この演出がすごくいい。じんわりとした余韻を残してくれた。改善点は色々あると思うんだけど、このカンパニーの持つ温かさが好きになった。素敵なクリスマスプレゼントとなったよ。

2007/12/25

ボリショイ・バレエ-美の舞台裏 Peter Blakely 写真展

先日こちらで紹介した写真展「ボリショイ・バレエ-美の舞台裏」、モスクワ音楽劇場バレエを観終わった帰りに観に行ってきました。写真家ピーター・ブレイクリーさんによるものです。

http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2007december/gallery_c_071220.html

コニカミノルタプラザのサイトで何枚か写真を観ていたものの、これほどまでに素晴らしい写真の数々に出会えるとは思いませんでした。

2006年6月のボリショイ・バレエの来日公演の舞台裏の写真が約30点展示されていました。正面から舞台を捉えた作品は一点のみ(「ラ・バヤデール」の影の王国のソリストの写真なのですが、これが、陰影に富んでいて、「ラ・バヤデール」という作品の幽玄な世界観を良く伝えていました)。あとは、舞台裏のダンサーたちを捉えたものです。

カーテンコールが行われている緞帳の裏で、教師とおぼしき人にねぎらわれているダンサーたち、「ファラオの娘」の衣装の早変わりをしている最中のフィーリン、舞台袖でのブロンズアイドルの練習中の写真、シャワー室にいる男性ダンサーたち、メイク中のニコライ・ツィスカリーゼ、舞台が終わり晴れやかな表情のフィーリンとザハロワ、床の上でペタンとストレッチをするバレリーナたち、バーレッスンをするグラチョーワ、ダンスマガジンの表紙の撮影に臨むルンキナ、影の王国のスロープを下る様子を横から撮影したショット。他にも、アレクサンドロワやネポロジニーなども。東京文化会館の舞台袖はこんな風になっているんだ、という発見もあります。舞台から見ているときにはうかがい知れない、ダンサーたちの筋肉の動きやぴりぴりとした緊張感、不安そして安堵。光と影の織り成す絶妙なハーモニー。美というもの、舞台芸術を支える様々な要素を目の前に差し出された思いがします。ゆっくりと写真の世界に浸ることができます。

これだけの美しい写真、写真集にならないかな~って思います。写真のオリジナルプリントを購入することも可能のようです。

12月20日~28日 10時半から19時まで(28日は15時まで)
コニカミノルタプラザ(新宿駅)
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

写真のいくつかは、ピーターさんのサイトで観ることもできます。ピーターさんは本職は報道写真家で、アメリカ人ですがロシアに13年間住んでいて、アフガニスタンやチェチェン、グルジアなどの取材もされてきた方とのことです。ニューズウィーク日本版などで活躍されています。今回、気さくなピーターさんから貴重な話をいろいろとうかがうこともできました。ロシア在住時からバレエはかなりご覧になっていたとのことです。

会場の交通の便も良いですし、素晴らしい時間をすごすことができます。ぜひお勧めします!

2007/12/24

フリオ・ボッカの引退公演@アルゼンチン

http://news.yahoo.com/nphotos/American-Ballet-Theater-Buenos-Aires-Swan-Lake/photo//071221/482/adbfdc78a33d42fd83c088a0bceb388b//s:/ap/20071223/ap_en_ot/argentina_goodbye_bocca;_ylt=Ago_BoOS8zMgpx9pqjevRFhY24cA

ああ、ついにこの日が来てしまいました。言葉もありません。

http://www.euronews.net/index.php?page=info&article=461101&lng=2#
で、この引退公演の動画が少し観られます。まだまだ踊れるのに・・・。

追記:コメントでYuraさんが紹介してくださっている、素晴らしいギャラリーです。とても清清しい表情をしていますね。Yuraさん、ありがとうございました。写真を見る限り、タマラ・ロホ(ドン・キホーテで共演)、ホセ・カレーニョ、アリーナ・コジョカルらが出演をしたようです。ルグリは?
http://lenta.ru/photo/2007/12/24/bocca/

さらに追記:30万人ものファンの前でのパフォーマンスだったとのことです。
http://www.cbc.ca/arts/theatre/story/2007/12/23/bocca-argentina-finale.html

BBC
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/7158146.stm

「白鳥の湖」はアリーナ・コジョカルと踊ったようですね。
http://ap.google.com/article/ALeqM5jG6dgq2MckTAzCp40IqA5w5NrZHAD8TMUS981

Los Angeles Times
http://www.latimes.com/entertainment/la-et-bocca24dec24,0,2061546.story?coll=la-headlines-calendar

New York Times
http://www.nytimes.com/2007/12/24/arts/24arts.html?_r=1&ref=arts&oref=slogin

AFP通信(日本語記事)写真多数。ニーナとの共演も!
http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2329077/2473731

マリインスキー・バレエ「くるみ割り人形」DVD(ゲルギエフ指揮)

改訂:ミハイル・シェミャーキン
改訂振付:キリル・シーモノフ
美術:ミハイル・シェミャーキン
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
収録:2007年1月2日 マリインスキー劇場

シュタールバウム/ねずみの王様:ヴラジーミル・ポノマリョーフ
シュタールバウム夫人/ねずみのお妃:エレーナ・バジェーノワ
マーシャ:イリーナ・ゴールプ
フリッツ/ねずみ軍の指揮官:アントン・ルコーフキン
ドロッセルマイヤー:アントン・アダシンスキー
くるみ割り人形:アレクサンドル・クリコフ
王子になったくるみ割り人形:レオニード・サラファーノフ
昆虫男:エドゥアルド・グーセフ
クリズリュー、ねずみの枢機卿:アンドレイ・ヤーコヴレフ
雪の女王:エカテリーナ・コンダウーロワ
(ディヴェルティスマンの個別クレジットはなし)

ここ数日「くるみ割り人形」マイブームで、明日もモスクワ音楽劇場の「くるみ割り人形」を観るのだけど、入手してから観る暇がなくて寝かせていたマリインスキーの「くるみ」を観ることにした。すでに観た友人たちからは、奇抜だとか、マリインスキーのダンサーの無駄遣いとかさんざん聞かされていたので、相当ひどいものを覚悟していたのだけど、そこまでではなかった。でも、やっぱりマリインスキーのダンサーがもったいなく思えるプロダクションだと思う。

いきなり精肉工場のようなところから始まることからして、ブラックなこの作品。肉がぶら下がっていたり、子供が腸詰で遊んでいたり、赤ちゃんをバケツに入れていたり(!?)と。いつもながらとても艶やかで美しいエレーナ・バジェーノワのお母さん、それからお父さんは二人の子供たちにとっても冷淡。マーシャたちはとても裕福なおうちの子供のはずなのに、マーシャの髪はぼさぼさのお団子だし、まるで「シンデレラ」のような扱いを受けている。ねずみのならず者が台所を仕切っていたりする。そしてとても不気味なドロッセルマイヤー。デヴィッド・リンチの映画に出てくる死神のような感じだ。彼の役割はなんだかよくわからないけど、とにかく不穏な空気を最後まで撒き散らしている。ここの登場人物はとにかくみんな冷淡で、唯一マーシャの味方になりそうなフリッツも、ねずみ軍の指揮官になっちゃうし。そんな中でマーシャのたった一人の理解者が、くるみ割り人形だったってワケ。

セットも衣装もとてもシュール。個人的には、マスクを多用しすぎていて顔が全然わからないことと、せっかくのプロポーションの良いダンサーたちにファットスーツを着せてしまっていること以外は、このダークなセンスはそんなに嫌いじゃない。でも、マスクの人だらけなのは、本当につまらない!

振付は、中途半端なコンテンポラリー風で、マッツ・エックっぽいところも出てくる。足はフレックスだったり、6番だったり、2番プリエがたくさん出てきたり、床の上でごろごろしたり、でもクラシック的なところもあって中途半端。1幕のマーシャはポアントではなくバレエシューズだし。特にマーシャの振付は上半身を倒したり、すごく複雑で難しそう。そんな振付を、イリーナ・ゴルプは良く踊っていると思う。彼女はクラシックよりコンテ寄りが得意なので、この役は合っているのではないかしら。辛い境遇にめげずに元気いっぱいに生きるマーシャ像だった。

印象的なのは雪のシーン。合唱の子供たちも舞台に上がるのだけど、蝋燭をもって青白いゴスメイクに目もうつろ。がたがたと歩いていて、まるで亡霊のよう。そして雪の精たちの衣装が黒。床に寝転がって足をバタバタさせたり、ひえ~って思ってしまった。雪というよりブリザードの精(もしくはウィリ軍団)で、最初は調子に乗っていて一緒に踊っていたマーシャも、あまりのスピードに危うく死亡。雪の女王のコンダウローワ、すごく威厳があってカッコよくて素敵。

2幕のディヴェルティスマンは、まあそこそこなのと、なんじゃこれは、というのが混じっている。キャストで誰が誰だか載っていないので判別が難しい。スペインの片方がイスロム・バイムラードフさん。彼は相変わらず脚がきれい。中国の男性ソリストは小柄だけどすごく上手い(多分、アンドレイ・イワーノフ)。通常アラブの踊りは「蛇の踊り」といって、壷の中から蛇女が登場するのだけど、この蛇女が、バレエダンサーには珍しいダイナマイトバディで、ものすごくエロティックで妖しく美しく、見ごたえもたっぷり(エカテリーナ・コンダウローワかな?)。でも、トレパック(「ペトルーシュカ」となっている)はこれまた着ぐるみ足先フレックス系で面白くないし、葦笛にいたっては蜂なのだ。

くるみ割り人形に、マーシャがキスすると、マスクが取れて王子サラファーノフがやっと登場。(残り15分のところ!)この「くるみ」、マーシャと王子のキスシーンがやたら多い。そしてパ・ド・ドゥもやたら色っぽい雰囲気。王子のヴァリエーションは比較的普通の振付。サラファーノフの、グランド・ピルエット・ア・ラ・スゴンドは軸も安定しているし、足先もきれいに伸びていてお見事。スポッティングする顔の向きを少しずつ変えていっていて正確この上なし。このときは調子も良さそうで、高さはそんなにないものの、トゥールザンレールもきれいにキマっていて軽やか。ゲルギエフの指揮は、PDDの時はものすごく走っていて、通常考えられないくらいの速さだったけど、サラファーノフも、ゴルプも、音に良くついていっていて、すごい音楽性、と思った。こういう普通の振付を見ると、ほっとする。金平糖のソロは、往時のソロと比較するとやっぱりコンテ色が強い。ゴルプの持ち味と相俟って、お姫様っぽさは全然ないけど、こういうのもありとは思う。このパ・ド・ドゥだけは幸福感があるのだけど、豪華なケーキが画面に現れるラストには、これまた最悪に後味の悪い結末が待っているのだった・・・。

この作品には、冷戦時代のソ連の独裁者による恐怖政治に対する批判とか、子供たちは大人の犠牲者だというメッセージがあるのだそうだけど、ダークな描写に、子供が見たら絶対泣きそう・・・そもそもホフマンの原作はホラー色が強いものだし、こういう作品があってもいいとは思うんだけど。私もゴス的なこういう作品は嫌いじゃない。マリインスキーじゃなくて、どこかコンテンポラリー系のカンパニーが上演すれば、意欲的な作品なんだと思って楽しめるはず。でも、天下のマリインスキーがやるのには向いているとは思えないし、美しいプロポーションと古典の技術を持つダンサーには、合っていないんじゃないかしら・・・。もったいないお化けが出そう。

でも、サラファーノフ、ゴルプ、それからゲルギエフのファンだったらきっと楽しめるんじゃないかと思う。サラファーノフの出番は15分だけど、彼の持てるテクニックは存分に発揮されているから(短すぎて暴れる方もいるかもしれないけど)。ゲルギエフはご満悦のようで、カーテンコールの時の表情も実に楽しそうだった。

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2007/12/23

新国立「くるみ」22日/サンフランシスコ・バレエの「くるみ割り人形」DVD化/NYCB、2,000回目のくるみ

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今日は新国立劇場の「くるみ割り人形」、さいとう美帆さんとマイレン・トレウバエフ主演の回を観てきました。私はマイレンのファンなのですが、ますますマイレン素敵♪とハートマークいっぱいで帰途につけた、楽しい公演でした。マイレンの踊りは派手さはないんだけど本当にエレガントで、サポートも上手で、シンプルに美しい。2幕での衣装から胸毛がちょっとはみ出ていたのが気になったけど(笑)、キャラクターロールで見せる濃い演技を封印しての、優しくて愛情たっぷりな佇まいや表情も良かったです。これからもっともっと、マイレン主演の舞台が観たいなと思いました。

さいとうさんは、途中までは良かったのですが、グラン・パ・ド・ドゥで体力が尽きたのか、失速してしまったのが残念。愛らしくて、少女らしくてマーシャにぴったりなのですが。怪我で降板した寺田亜沙子さんの代役としての出演もあるので、次回は頑張って欲しいところです。雪のシーンでの群舞の揃い方はさらに精度を増し、実に幻想的で、粉雪の冷たさ、ひんやりと澄んだ空気を感じてしまうほど美しかったです。今回は演奏もとても良かったので、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」がどれほど美しく、ちょっと物悲しくて胸の奥をきゅんとさせる音楽なのか、しみじみと実感できました。それだけに、やっぱりパ・ド・ドゥのアダージオの緊張感ありすぎな振付が残念ですよね。

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「くるみ」つながりでこんなニュース。
サンフランシスコ・バレエの「くるみ割り人形」(振付:ヘルジ・トマソン)が収録されて、12月22日より全米とカナダの映画館で上映された後2008年にテレビ局PBSで放映されることは知っていたのですが、OpusArteからDVDも発売されるようです。バレエ「くるみ割り人形」の舞台収録が全米の映画館で公開されるのは初めてとのこと。

http://www.digiscreen.ca/nutcracker/digiscreen.html
に、OpusArteのロゴがあります。このサイトでは、動画も観られます。
キャストは、金平糖の精にヴァネッサ・ザホリアン、ドロッセルマイヤーにダミアン・スミス、雪の女王にヤンヤン・タン、雪の王にPierre-François Vilanoba、グラン・パド・ドゥにマリア・コチェトコヴァ、Davit Karapetyanです。

San Fransisco Cronicleに撮影の様子についての記事があります(写真入)
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2007/12/22/DDO0U1D6C.DTL

なお、ナショナル・バレエ・オブ・カナダの「くるみ割り人形」(ジェームズ・クデルカ振付)もカナダの映画館で上映されるとのことです。こちらは王子を踊るのが、ABTなどにも客演しているギョーム・コテ。
http://www.thestar.com/entertainment/article/287539
映画館で舞台中継が観られる位、「くるみ割り人形」のバレエというのは一般的な人気があるということなのですね。

************

おまけ
New York Timesにて、NYCBにおける2000回目の「くるみ割り人形」の上演とその舞台裏の動画がアップされています。金平糖の精はウェンディ・ウェーラン。子役たちのバックステージでの様子がとっても可愛いです。
http://video.on.nytimes.com/?fr_story=ce632d743627de8221e4f7f06d2c1e7a675a55b7

2007/12/22

パリ・オペラ座昇進コンクール結果(男子)

スジェ男子(プルミエに昇進)
1. Mathias Heymann, promu
2. Stéphane Bullion, promu
------------------------
3. Josua Hoffalt
4. Mallory Gaudion
5. Bruno Bouché
6. Nicolas Paul

コリフェ男子(スジェに昇進)
1. Aurélien Houette, promu
2. Vincent Chaillet, promu
------------------------
3. Alexis Renaud
4. Grégory Gaillard
5. Sébastien Bertaud
6. Daniel Stokes

カドリーユ男子(コリフェに昇進)
1. Fabien Révillon, promu
2. Mathieu Botto, promu
3. Allister Madin, promu
4. Grégory Dominiak, promu
5. Cyril Mitilian, promu
------------------------
6. Julien Cozette

というわけで、こちらは女子よりは下馬評どおりの結果になったのではないでしょうか。とはいっても、「パキータ」の主演などで頑張っていたフロリアン・マニュネは6位にも入りませんでしたが・・・
夏のルグリガラで来日していたゴレゴリー・ドミニヤックもコリフェに昇進ですね。

マチアスとステファンの昇進は本当に嬉しいです♪年末の「パキータ」で二人のリュシアンを観るのが楽しみ!
昇進された皆さん、おめでとうございます。

2007/12/21

パリ・オペラ座昇進コンクール結果(女子)

プルミエールに昇進

1. Eve Grinsztajn 昇進
2. Muriel Zusperreguy 昇進
------------------
3. Aurélia Bellet
4. Laura Hecquet
5. Sarah Kora Dayanova
6. Alice Renavand


スジェに昇進

1. Ludmilla Pagliero 昇進
2. Christelle Granier 昇進
3. Sabrina Mallem 昇進
------------------
4. Charline Giezendanner
5. Laurène Lévy
6. Alexandra Cardinale

コリフェに昇進

1. Caroline Robert 昇進
2. Eleonore Guérineau 昇進
3. Fanny Gorse 昇進
4. Julianne Mathis 昇進
5. Ghyslaine Reichert 昇進
------------------
6. Amandine Albisson

プルミエールは、有力といわれていたローラ・エケ、マチルド・フルステー、アリス・ルナヴァン、サラ・コラ・ダヤノヴァの誰も昇進できなかったので、ホント、結果ってわからないものですね。マチルドが6位までに入らなかったのはファンとしてはちょっとショックです。

「スーパーバレエレッスン」に出演していたエレオノール・ゲリノーの昇進は嬉しいですね。

昇進された皆様、おめでとうございます♪

12/19 新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」

【振付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
【作曲】ピョートル・チャイコフスキー
【改訂振付】ワシリー・ワイノーネン
【演出】ガブリエラ・コームレワ
【監修】牧阿佐美
【舞台美術・衣裳】シモン・ヴィルサラーゼ
【照明】ウラジーミル・ルカセーヴィチ
【舞台監督】大澤 裕(ザ・スタッフ)

【指揮】渡邊一正
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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【マーシャ】ディアナ・ヴィシニョーワ
【王子】アンドリアン・ファジェーエフ
【ドロッセルマイヤー】ゲンナーディ・イリイン
【シュタリバウム】貝川鐵夫
【シュタリバウム夫人】湯川麻美子
【フランツ】大和雅美
【道化】グレゴリー・バリノフ
【人形】高橋有里
【黒人】江本 拓
【ねずみの王様】市川 透
【くるみ割り人形】八幡顕光
【スペイン】西川貴子 市川 透
【東洋】湯川麻美子
【中国】寺島まゆみ 吉本泰久
【トレパック】丸尾孝子 楠元郁子 貝川鐵夫
【パ・ド・トロワ】小野絢子 井倉真未 八幡顕光
【ばらのワルツ】寺島ひろみ 真忠久美子 川村真樹 厚木三杏 
中村 誠 陳 秀介 江本 拓 マイレン・トレウバエフ

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一昨年に新国立劇場で上演された時にはパスしてしまったので、3年ぶりに観るこのプロダクション。パーティの会場に入った時に、こんなにピンクピンクした舞台だっけ?とちょっとビックリ。2幕も見事にピンクの世界だった。

妖艶なイメージの強いヴィシニョーワが果たして少女マーシャを演じることができるのだろうか、とちょっと怖いもの観たさで臨んだ舞台だったけど、ヴィシニョーワ、ちゃんとセクシーオーラを消して、可愛らしい少女になりきっていてお見事な演技力。フリフリのドレスを着ていても浮いていないし、ネズミ軍団におびえている姿もキュート。ところが、王子が登場したとたん、いきなり色っぽくなるのはさすがのディアナちゃんで、ピンクのチュチュをお召しになればもう貫禄もお姫様オーラもたっぷり。

ヴィシニョーワは、おそらく時差ぼけもあったようで、後半はサポートつきピルエットが傾いたり、キャバリエにサポートされる時に不安定なところもあったけど(サポートする側にも問題あり)、アカデミックさを感じさせる、ピカピカに磨き抜かれたテクニックは素晴らしい。多少脚の上げ方が乱暴かな、と思うところもあり、優雅というよりは元気いっぱいではあったけど、ザ・一流バレリーナという素晴らしい踊りを見せて貰って満足。以前はヴィシニョーワのクセの強い踊りにアレルギーがあったのだけど、毒気が抜けてきたようだし、この役だと、クネクネしたところもなく「やっぱりいいものはいいわ」と思った。

王子役のファジェーエフは、夏のガラでソーモワ担当にさせられていた時には、あまりの重労働で疲れて見えて影も薄かったのだけど、今回はキラキラの王子様ぶりを見せてくれた。これだけ絵に描いたような容姿の美しい王子様もいないのではないかと。白いタイツが似合う長く細い美脚。サラサラの金髪ときれいなお顔。そしてこの人はとにかくつま先がきれい!立っているだけで王子とは彼のこと。ところが、1幕終盤のマーシャとのパ・ド・ドゥでフィッシュダイブのときにサポートを失敗してしまった。といっても、リカバリーがうまくてその後何事もなかったかのように踊ってたのだけど。振付自体がとても難しそうだから仕方ないかな、と思った。以降、やや不調な感じになってしまったのが気の毒。それでも、この人の踊りは本当に端正で美しい~。

ワイノーネン版の「くるみ割り人形」の2幕って、グラン・パ・ド・ドゥのアダージオがまるで「眠れる森の美女」のローズ・アダージオのように、4人のキャバリエにサポートされるというもの。このサポートがまた、観ている側が緊張してしまうほど難しいもので、通常の金平糖のPDDの幸福感が足りないのだ。う~んもったいない!ポアントでアラベスクバランスをしているマーシャをキャバリエ二人がサポートしているところもヴィシニョーワがぐらついて、失敗気味だったし、4人でマーシャを高くリフトしているところも、いつ失敗しちゃうのかと緊張してしまった。これはダンサーに非があるのではなく、完全に振付の問題だと思う。ワイノーネン版は、寺島姉妹のサイトによれば今回が最後だということなのだけど、最後にして良かった気がする。技術的な難易度が必要以上に高いため甘い世界にうっとりできないものをやるんだったら、オーソドックスなPDDにすればいいのに。

1幕では、フランツ役の大和さんが可愛かった。ちゃんとやんちゃな男の子の演技になっているんだもの。大和さんはずっとフランツ役を踊っているはずなので、すっかり役になりきっている感じ。人形では、バリノフくんの道化、江本さんの黒人は溌剌としていて良かったんだけど高橋有里さんの人形はポアントが弱かった。男の子役のダンサーたちがみんな金髪ボブヘアのカツラなのはどうもセンスがよろしくない。客人も男性はみんな巻き毛カツラで、ヅラ地獄とはこのこと。マリインスキー(キーロフと読んだ方がしっくりくる)のプロダクションをそのまま持ってきているからそうなっちゃうんだろうけど、眉毛が黒々としている日本人には似合わないよ。(「小鳥のさえずり」のひなどりさんの「陳さんだけは巻き毛カツラが良く似合う」には同意!)

1幕のクライマックスは雪の精のシーン。コール・ドの素晴らしい新国立劇場の本領が発揮されて、思わずうっとりと幸せになってしまうほど。ここの群舞は、マリインスキーやボリショイにもひけを取らないくらいで、よく揃っているし優雅だし、ブラボーだった。ソリストの遠藤さん、西山さんも良かった。

2幕のディヴェルティスマンも、ダンサーは一部を除いて皆本当に素晴らしいのに、悪趣味な衣装で台無しになっていると思った。たとえば東洋の湯川麻美子さんは、この役にものすごく良く合っていて、アダルト&セクシー、しなやかかつ湿度のある踊りが素敵なのだけど、露出度の低いアオザイのような衣装のせいで魅力が半減している。キエフ・バレエでは田北しのぶさんが、まるでゾベイダのようなセクシー系衣装だったけど、湯川さん、そして東洋のコールドのみなさんもそうすればとても素敵だっただろうに、もったいない。

中国の寺島まゆみさんと吉本さんは、踊りもすごく良かったし、衣装も違和感なし。吉本さんは、ものすごく高いジャンプを見せてくれて、怪我からはすっかり回復した様子で嬉しかった。まゆみさんも、とても可愛いし、エシャッペもアントルシャも正確で、観ていて気持ちがいい。スペインに関しては自粛。葦笛のパ・ド・トロワは三期生の二人、小野さんと井倉さんが可愛くて可愛くて。踊りもすごく柔らかくてきれいで。小野さんはちょっと困った感じのお顔が愛らしいし、可憐を絵に描いたような踊り。主役を踊る日も遠くないと思った。八幡さんは、「椿姫」で女装怪人マイレンに襲われそうになっていたときと同じような白いカツラ着用だったので、いつまたマイレンが出てくるのかドキドキしちゃった。踊りはホント、はじけるようで素晴らしいんだけどついつい笑っちゃう。トレパックは、ひさびさに元気いっぱいの姿を見せてくれた貝川さんがいいなって思った。

バラのワルツは、4組のソリスト、プラス群舞。男性はやはりなんと言ってもマイレンが目を引く。白いカツラをかぶってもすぐわかっちゃう濃いマイレン。中村誠さんも相変わらず柔らかくて素敵~。女子も含めて全員ヅラ着用なのが興ざめ、さらに女性陣は奇妙な頭飾りまでつけさせられていてまるでお仕置きされているかのようだったけど、踊りはコールドもきれいで、甘い世界にうっとりしているところへ、マーシャと王子が登場し、そしてなぜかマーシャは王子ではなくキャバリエとバランスをとらされるという例の不思議なシークエンスへと突入するってワケ。

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しかしいくら新国立の女性ソリストが上手だといっても、ヴィシニョーワの女王様オーラに敵う人はいないなと実感。丁寧さで言えば新国立の方が上だと思うのだけど、ヴィシニョーワの上半身やアラベスクのきれいさは別格。その上、コーダで強靭な回転テクニックを魅せてくれた。アンオーにしながらのピケがコンパスのように正確なのだ。ファジェーエフも、決して調子が良さそうではなかったけど、最後のヴァリエーションは完璧。美しく脚を伸ばしてのマネージュ、トゥール・ザン・レールの連発、足先のきれいなカブリオール。きめるところはきっちり決めて、さすがマリインスキーの正統派王子様は違うわ♪とうっとりさせてくれた。

ってわけで、文句はいろいろ言ったかもしれないけど、何しろ新国立のダンサーはごくごく一部の例外は別にして、古典のテクニックが素晴らしいし群舞もハイレベルなので、クラシックバレエを観た!という満足度はめちゃめちゃ高く、幸せな気分で会場を後にすることができた。しかも、終演後にはねずみの王様と、子ネズミちゃんが観客を出迎えていて、写真撮影にも応じていて子供たちが大喜び。ロビーには大きなクリスマスツリー。このあたりの雰囲気作りもうまいな~。次は22日のマイレンの主演。大好きなマイレンの王子が楽しみ!

でもやっぱりワイノーネン版は・・・です。今回が最後で本当に良かった。
2幕のアダージオの、あの果てしなく美しく胸を揺さぶる音楽が眠りのローズアダージオになっているなんて、もー許せない。
衣装と、特にヅラが悪趣味で古臭く最悪だと思ったら、やはり最悪だと思っていた新国立のセルゲイエフ版「眠れる森の美女」と同じ人が衣装&舞台美術だった。納得。
素晴らしい新国立のダンサーと、良いオーケストラと、一流のゲストを迎えて上演するのに、この版ではもったいない・・・。

2007/12/20

写真展「ボリショイ・バレエ-美の舞台裏」

新聞を読んでいたら、バレリーナの写真。よく読むと、ピーター・ブレイクリー「ボリショイ・バレエ-美の舞台裏」という写真展のお知らせが載っていました。

http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2007december/gallery_c_071220.html

本作品はロシアの高級誌アガニョーク(1899年創刊)で、フォトエッセイとして発表されたシリーズの一部です。2006年5月撮影。

ということなので、どうやら、2006年5月にボリショイが来日した時の様子を撮影したもののようです。「クーリエ・ジャパン」という雑誌に、ファンに囲まれるザハロワやツィスカリーゼなど、何枚かこの写真が掲載されていました。サイトに何枚か写真が紹介されているけど、舞台の様子を捉えたもので、通常の舞台の写真とはまた違って、光と影の使い方がドラマティック。カラープリント B0~A2 約30点が展示されるとのことです。

ピーター・ブレイクリー氏は、現在は東京を拠点としているフォトジャーナリスト。あらゆる国際的な主要ニュースをカバーし続けているそうです。

12月20日~28日 10時半から19時まで(28日は15時まで)
コニカミノルタプラザ(新宿駅)
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F
JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分(フルーツの新宿高野4F)

2007/12/18

ロイヤル・バレエの来日公演概要

帰宅したところ、NBSから分厚いDMが来ていました。
中には、来期のバレエの祭典の申込書と、英国ロイヤル・バレエの予約の案内が。来年7月のチケットを、祭典会員はもう手配しなければなりません。

ロイヤル・バレエの来日公演概要
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/2007/12/post.html

「シルヴィア」 全3幕 Sylvia
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:レオ・ドリーブ
美術:ロビン/クリストファー・アイアンサイドの原典版による

2008年7月3日(木)6:30p.m.

シルヴィア:ゼナイダ・ヤノウスキー
アミンタ:デヴィッド・マッカテリ
オリオン:ギャリー・エイヴィス

7月4日(金)6:30p.m.

シルヴィア:マリアネラ・ヌニェス
アミンタ:ルパート・ペネファーザー
オリオン:ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ

7月5日(土)1:00p.m.

シルヴィア:サラ・ラム
アミンタ:フェデリコ・ボネッリ
オリオン:ティアゴ・ソアレス

7月5日(土)6:00p.m.

シルヴィア:ゼナイダ・ヤノウスキー
アミンタ:デヴィッド・マッカテリ
オリオン:ギャリー・エイヴィス

7月6日(日)1:00p.m.

シルヴィア:マリアネラ・ヌニェス
アミンタ:ルパート・ペネファーザー
オリオン:ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ

*****************************

「眠れる森の美女」 プロローグ付き全3幕
The Sleeping Beauty
振付:マリウス・プティパ/モニカ・メイソン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
美術:オリバー・メッセルの原典版による


2008年7月11日(金)6:30p.m.

オーロラ姫:アリーナ・コジョカル
フロリムント王子:ヨハン・コボー
青い鳥のパ・ド・ドゥ:サラ・ラム、佐々木陽平

7月12日(土)1:00p.m.

オーロラ姫:ロベルタ・マルケス
フロリムント王子:イヴァン・プトロフ
青い鳥のパ・ド・ドゥ:ローレン・カスバートソン、蔵 健太

7月12日(土)6:00p.m.

オーロラ姫:タマラ・ロホ
フロリムント王子:フェデリコ・ボネッリ
青い鳥のパ・ド・ドゥ:ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー

7月13日(日)1:00p.m.

オーロラ姫:サラ・ラム
フロリムント王子:ヴァチェスラフ・サモドゥーロフ
青い鳥のパ・ド・ドゥ:崔 由姫、ホセ・マルティン

7月13日(日)6:00p.m.

オーロラ姫:マリアネラ・ヌニェス
フロリムント王子:ティアゴ・ソアレス
青い鳥のパ・ド・ドゥ:ローレン・カスバートソン、佐々木陽平

7月14日(月)6:30p.m.

オーロラ姫:アリーナ・コジョカル
フロリムント王子:ヨハン・コボー
青い鳥のパ・ド・ドゥ:ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー

指揮:「シルヴィア」未定 「眠れる森の美女」ワレリー・オブシャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

○会場:東京文化会館

○入場料(税込)

S=¥22,000 A=¥20,000 B=¥18,000 C=¥15,000 D=¥11,000 E=¥8,000 
エコノミー券=¥6,000(イープラスのみで6月6日(金)より。一人2枚まで)
学生券¥4,000(NBSのみで6月6日(金)より)

<<2演目セット券>>
2008年1月26日(土) 10:00a.m. NBSのみで電話受付開始

※「眠れる森の美女」と「シルヴィア」のS,A,B券を同時に同枚数お買い上げになると、1セット(2枚)につき2000円割引※2つの演目が同枚数であれば、日にちと券種は自由な組み合わせでOK

<<一斉発売>>
2008年2月2日(土)10:00a.m.より

○大阪公演
「ロイヤル・ガラ」
2008年7月8日(火)、9日(水) 会場:大阪厚生年金会館  問い合わせ:フォルテ音楽事務所 TEL06-6375-7431


ガラは大阪だけなんですね。東京でこんなにたくさん同じ演目を上演するくらいなら、ガラを一日くらい入れてもいいのに。ガラでどんな演目がかかるのか、興味しんしんです。
「シルヴィア」5回に「眠り」6回なんて、都さん、ギエム、ダーシー抜きの、今のロイヤルのダンサーの人気を見誤っているような気がします。
フロリナの崔 由姫さん、青い鳥のスティーヴン・マックレーはぜひ観たいですね。

キューバ国立バレエのダンサー3人が亡命

Taras Domitro, Hayna Gutierrez Miguel Angel Blancoという、キューバ国立バレエのプリンシパルが、12月16日(日曜日)に亡命を果たしたとのことです。

http://www.miamiherald.com/news/breaking_news/story/348219.html

カナダでの「くるみ割り人形」合同公演に出演した3人が、カナダ国境を越えてNY州バッファローに入り、月曜日の夜にはマイアミに向かいました。マイアミには、Taras Domitroの母親でやはり元キューバ国立バレエのダンサーであったMagaly Surezが共同芸術監督を務めるCuban Classical Ballet of Miamiという、キューバを亡命したダンサーたちが参加するカンパニーがあるとのことです。

彼ら3人は、2月にCuban Classical Ballet of Miamiが行う「白鳥の湖」の公演に出演すると発表されました。

キューバ出身のスターダンサーはカルロス・アコスタやホセ・カレーニョが有名ですが、この二人は亡命しておらず、キューバでも公演を行っています。。サンフランシスコ・バレエのロレナ・フェイホーは亡命したダンサーの一人です。

亡命により3人を失ってもなお、キューバ国立バレエは人材の宝庫でいくらでも代わりがいる、とは多くの人の認識だそうです。

続報です(写真入)
http://www.miamiherald.com/213/story/348569.html
Taras Domitroは、「ラ・シルフィード」「ドン・キホーテ」「ジゼル」で主役を踊ったことがあるトップダンサー。キューバ国立バレエでトップになっても、外で踊る自由があまりなく、これ以上成長できないというのが亡命の理由だそうです。

2005年に亡命したローランド・サラビア(マイアミ・シティ・バレエ)のコメントも記事の中にありました。キューバ国立バレエの芸術監督、伝説的なバレリーナであるアリシア・アロンソは86歳となり目も見えなくなった今も、鉄のような意志で知られており、自身の娘を含む多くのダンサーたちと衝突してきました。

数日前に、3人のダンサーたちは、カナダの新聞のインタビューで、キューバ国立バレエがいかに素晴らしいカンパニーであるかを語っていたとのことです。

吉田都さんのオフィシャルサイトとファンの集い

いつのまにか、吉田都さんのオフィシャルサイトができていました。都さんからのメッセージも掲載されています。

http://www.yoshida-miyako.net/

サイトの最新情報のところで、公式ウェブサイト開設を記念して2008年2月10日に「ファンの方たちとの集い」を
東京で開催するとのニュースが掲載されています。

日時 : 2008年2月10日(日) 11時30分~13時30分
場所 : ホテル・オークラ

定員 : 50名様限定
会費 : お一人様 25,000円(お食事つき‐着席ブッフェ)
(親子ペア用の会費あります)
内容 : 都さんからのお話(約30分)
皆様へのサイン入りお写真のプレゼント
都さんとのツーショット記念撮影(カメラをご持参ください)

とのことだそうです。

またファンクラブもできるそうで、内容の詳細はお問い合わせくださいということで問い合わせ用のフォームができていました。

今後の出演予定とか、ギャラリーや動画などをアップしてくれるといいな、って思います。また、外国人のファンのために、英語の情報も必要でしょうね。

2007/12/17

New York Timesの興味深い記事(パリ・オペラ座学校etc) (まだ途中)

イギリスのファイナンシャル・タイムズから、NYのNew York Timesに移籍したバレエ批評家のアレイスター・マコーリー氏の記事が何かと面白いです。彼がNew York Timesに移ってからは、NYのみならず、ヨーロッパのダンスについての記事も載るようになりました。(加筆予定)

パリ・オペラ座学校について
http://www.nytimes.com/2007/12/15/arts/dance/15ecol.html?_r=1&oref=slogin

パリ・オペラ座「パキータ」
http://www.nytimes.com/2007/12/13/arts/dance/13paqu.html?ref=dance
けっこう辛口の記事です。コール・ドは技術は高いけど、踊る喜びを感じないで踊っているとのこと。ルグリは音楽への反応がどのオペラ座のダンサーよりも素晴らしいし、驚くべき技術で、堂々として美しいダンススタイルだけど、自然発火のような勢いはもはやない、と。ドロテについても、技術は素晴らしいしエレガントだけど面白みに欠けていて、それは今のパリ・オペラ座のスタイルを象徴するものであると評しています。

ロイヤル・バレエ「ジュエルズ」
http://www.nytimes.com/2007/12/10/arts/dance/10jewe.html?ref=dance
「ダイヤモンド」を踊った期待の若手、ルパート・ペネファーザーが絶賛されています。日本での知名度はほぼゼロの彼ですが、おそらく「シルヴィア」でアミンタを踊るのではないでしょうか。

マコーリー氏による文ではありませんが、バレエの中でのコール・ドの役割についての記事
http://www.nytimes.com/2007/12/16/arts/dance/16sulc.html?ref=dance
交通事故で亡くなったジェニファー・アレクサンダーがABTで果たしていた重要な役割、そして、パリ・オペラ座で、実在の41歳のスジェ、ヴェロニク・ドワノーのために振付けられた「Véronique Doisneau ヴェロニク・ドワノー」について書かれています。

「ヴェロニク・ドワノー」については、
http://www.chacott-jp.com/magazine/around/pari_22.html
で詳しく書かれています。

元NYCBのバレリーナで現在作家のトニ・ベントレー(「サレンダー 服従の恍惚」)による、ヌレエフの伝記NUREYEV The Life.By Julie Kavanaghの長い書評(ログイン必要)
http://www.nytimes.com/2007/12/02/books/review/Bentley-t.html?_r=1&ref=dance&oref=login
話題のこの本、早く邦訳も出して欲しいものです。ベントレーは、上記コール・ド・バレエの記事の中で登場する、バレリーナについての本「Winter Season」も書いています。

追記:パリ・オペラ座とロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」の批評記事の中に、「くるみ割り人形」の美しいスライドショーがあります。
http://www.nytimes.com/packages/html/arts/20071118_NUTCRACKER_FEATURE/index.html
写真の多くはNYCBのものですが、他のヴァージョンもあり。マリインスキー・オペラによるすばらしい演奏も聴けます。


今日はこの下にもエントリがありますので、ご覧ください。

「失われた時を求めて フランスコミック版」

読破することの困難さで有名な大長編小説「失われた時を求めて」(マルセル・プルースト著)が、フランスでコミック版が発売されていて、第4巻まで発売されているとのことです。(第4巻でも、まだ第一篇『スワン家の方へ』の第二部《スワンの恋》の前半まで)

この「失われた時を求めて フランスコミック版」の第一巻が、日本語翻訳されて、このたび発売されました。翻訳者は、映画評論でも有名な中条省平さん。早速買い求めたのですが、大判の、まるで美しい絵本のようで、全ページカラー。原作の抄訳的な内容なのですが、非常にわかりやすくて、細かい描写がなぜなされているのかという理由も、人間関係も、よくわかるようになっています。映画の台詞のような感じ。原文を読む際の手助けにはなるんじゃないかと思います。絵も、ちょっとフレンチなおしゃれなイメージで、コミックが苦手な人にも抵抗のなさそうな感じ。サクサク読めます。ただし、1巻は、第一部の最初の方、 『コンブレー   Combray 第一篇『スワン家の方への』の第一部《コンブレー》より』だけですが。

ちょうどパリ・オペラ座でのローラン・プティ振付の「プルースト 失われた時を求めて」公演のDVD発売が話題となっているという、良いタイミング。亀山郁夫さんによる「カラマーゾフの兄弟」など、古典の新訳がブームになっているし。(「カラマーゾフの兄弟」は今読んでいるんだけど、なかなか時間が取れなくて、進まない)

名作とされている文学をコミック化することについては色々と意見はあると思いますが、このコミック版をきっかけに原作にも取り組もうと思う人がいるでしょうから、とてもいいことだと思うんですよね。かく言う私も、学生時代に読もうとして挫折した一人です。(受験勉強のために源氏物語のコミック版「あさきゆめみし」を愛読していました)

フランス版のサイトです。
http://www.editions-delcourt.fr/catalogue/auteurs/heuet_stephane

ちょっとお値段が高いのと、大長編なので、いったい何冊出るんだろうか、ってことが不安になりますが、面白かったので次の巻もぜひ買い求めて読みたいと思います。1巻が売れないと、続きも翻訳してくれないようですし。

装丁もきれいな本なので、クリスマスプレゼントにも最適なんじゃないかと思います。

失われた時を求めて フランスコミック版 第1巻 コンブレー失われた時を求めて フランスコミック版 第1巻 コンブレー
ステファヌ・ウエ マルセル・プルースト 中条 省平

白夜書房 2007-11-20
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英語版はamazon.comで扱っていて、現在3巻まで出ています。

Remembrance of Things Past: Combray (Remembrance of Things Past)Remembrance of Things Past: Combray (Remembrance of Things Past)
Stephane Heuet Marcel Proust

Nantier Beall Minoustchine Publishing 2001-08
Sales Rank : 394135
Average Review

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でも、この素敵な本を、お風呂の中で読んでいたら間違えて湯船の中に落としちゃったのよね・・・・。

2007/12/16

井上バレエ団「くるみ割り人形」、井上バレエ団にエマニュエル・ティボー再び客演

今日、井上バレエ団の「くるみ割り人形」を観に行ってきました。王子の藤野暢央さんは、白タイツの王子姿がよく似合いますね。背も高くて脚も綺麗、ジャンプもダイナミックで高いし、サポートも上手い。疲労骨折した脚の手術をされた後とのことでしたが、順調な回復ぶりでした。彼にはなんともいえない色気と華やかさがありますね。今後はもっと日本で観る機会が増えそうです。

フリッツ役のアクリ瑠嘉くんが、踊りも演技も素晴らしかったです。マシモ・アクリさんの息子さんで、現在中学1年生。NBAコンクール中学生の部1位など、コンクールで大活躍中なのですね。脚が長く、とても容姿に恵まれているので将来が楽しみです。この版のフリッツは、とにかくすごく踊ります。ジュニアなのにマネージュあり、ピルエットあり。こんなに踊るフリッツは初めて!エレガントで素敵なフリッツだけど、お父さんから受け継いだコミカルな演技力もあって、只者ではないオーラを漂わせていました。

小林紀子バレエシアターの中尾充宏さんが花のワルツに出演されていましたが、王子と同じくらいかそれ以上踊るパートがあって、とっても素敵でした。普段小林紀子バレエシアターではヒラリオンなどキャラクターロールが多いけど、正統派の王子も、足音がしなくて端正なので、今後踊る機会があるといいな。

ピーター・ファーマーの美術がとても素敵で、コーラスもちゃんと少年少女コーラスがありました。休憩時間には、フリッツと、クララのお父さんがホワイエでお菓子を配るサービスもあって、クリスマスの雰囲気を高めてくれました。堀登さん演じるドロッセルマイヤーが大活躍で、マント捌きの上手さに目を瞠りました。カッコよかったです。真夜中、時計の中にドロッセルマイヤーの顔が登場する演出がホラーっぽくて面白かったです。ネズミちゃんたちが丸々とした着ぐるみなのも可愛かった~

さて、パンフレットの裏表紙に印刷されていたのですが、来年7月に井上バレエ団 財団設立25周年、井上バレエ団40周年、井上博文没後20年記念公演が開催されます。

7月12日(土曜、17時)、13日(日曜、3時) 文京シビックホール
ゲストに予定されているのが、パリ・オペラ座のエマニュエル・ティボー、デンマーク・ロイヤル・バレエのトマス・ルン、セバスチャン・クロボーグ。ティボーくんは、おそらく今年の7月にピンチヒッターで出演した「眠れる森の美女」がとても好評だったことから、またお呼びがかかったのでしょうね。演目等は不明ですが、楽しみです。日程はロイヤル・バレエの来日公演にかかっていそうですが。

追記:下記の記事によると、藤野暢央さんはオーストラリア・バレエを退団し、古巣の香港バレエにプリンシパルとして復帰するとのことです。
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,,22920024-16947,00.html

また、世界バレエフェスティバルやオーストラリア・バレエの来日公演で活躍したマシュー・ローレンスも退団し、ヨーロッパに活動の場を移したとのこと。オーストラリア・バレエには現在男性プリンシパルが二人しかいないとのことです。

2007/12/15

大嶋正樹さんアップデート/吉田都さん

東京バレエ団の井脇幸江さんの日記で、大嶋正樹さんにお見舞いに行った様子が詳しく書かれています。

足はまだ、多少術後の腫れがあるものの、ベッドの上で持ち上げることが出来るほどに回復しているそうで、舞台復帰への意欲も満々のようです。とても力強い笑顔を幸江さんに見せてくださったとのことで、人間の強さを感じることができました。なんか涙が出てきちゃったよ・・・。

本当に幸江さん、ありがとう。

幸江さんは20日の大阪まで出演の機会がないので、ちょくちょくお見舞いに行かれるそうです。サイト宛にメッセージを送れば、大嶋さんに届けてくださるそうですよ。

***
怪我といえば、吉田都さん、14日の「くるみ割り人形」には無事出演されたようでよかった!

映画「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」今日15日公開

以前から紹介してきました映画「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」が本日、15日より公開されます。

Poster_2


公式サイトを見たところ、

■シネカノン有楽町2丁目
12/15(土)~12/21(金)まで 9:15~
12/22(土)より 10:00~
» http://www.cqn-cinemas.com/yurakucho/

モーニングショーですが、上映館が増えていました。

メーンの劇場は、
■シネマライズ 12/15(土)~12/21(金)まで
■ライズX(ライズエックス) 12/22(土)~
11:35 / 14:10 / 16:45 / 19:20
» http://www.cinemarise.com

シネマライズでやっているうちに観に行きたいな。(前売り券は購入済み)

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公式サイトでは、首藤康之さん、金森穣さん、荒井祐子さん、有吉京子さんがコメントを寄せています。

また、ギャラリーでは美しい写真の数々を観ることができるので、ぜひご覧ください。昔のバレリーナはみなハリウッド黄金時代の女優のように、美しいだけではなく雰囲気があるのですよね。一部薄井憲二バレエ・コレクションもあると思います。

さらに、プログラムのページでは、映画に登場する作品のタイトルが出てくるだけではなく、当時のプログラムの写真も。

バレエを愛するすべての人に、それからバレエに関心がなくても二つの戦争を乗り越えて今も輝いている人たちの姿を観たい人に、ぜひ観て欲しい素晴らしい映画です。

輸入盤DVDを観たときの感想がありますので、ぜひお読みください。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2006/09/ballets_russes.html

バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓びバレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び
アリシア・マルコワ, アレクサンドラ・ダニロワ, イリナ・バロノワ, フレデリック・フランクリン, ダニエル・ゲラー他

ジェネオン エンタテインメント 2008-06-25
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2007/12/14

レニングラード国立歌劇場「イーゴリ公」

「ダッタン人の踊り」が大好きなので、とても楽しみにしていた公演。チケット代がオペラにしてはお手ごろな上、アニハーノフさんが指揮とあっては見逃せないと思って。実際、とても楽しい公演だった!

12月13日 東京文化会館
レニングラード国立歌劇場オペラ「イーゴリ公」
作曲:ボロディン
指揮:アンドレイ・アニハーノフ

イーゴリ公 : アレクサンドル・ネナドフスキー
ヤロスラーヴナ(イーゴリ公の妻) : オクサーナ・クラマレワ
コンチャク汗 : カレン・アコポフ
ガリツキー公(ヤロスラーヴナの兄) : アレクサンドル・マトヴェーエフ
ウラジーミル(イーゴリ公の息子) : ドミトリー・カルポフ
コンチャコヴナ(コンチャク汗の娘) : ナタリア・ヤルホワ
オブルール(キリスト教徒のボロヴェツ人) : アレクセイ・クリギン
スクーラ(グドーク弾き) : ユーリ・モンチャク
エローシュカ(グドーク弾き) : ヴァレンチン・シェヴェレフ
子守 : タチアナ・チェルカソワ
ダッタン人の女性 : ユリア・シモノワ

マリインスキー・オペラのDVDは持っているものの、あまりちゃんと予習もしないで観に行ったけど、話は比較的単純でわかりやすかった。3幕のポロヴィッツ陣営からの脱出のくだりがまるまる省かれていて、ダッタン人の踊りが2幕最後で終わった後、話が飛んでしまっているけどまあいっか。全部上演したら4時間になってしまうので、平日の上演では無理でしょう。(しかし、これでは、まるでイーゴリ公とコンチャク汗のやおい話?)
全国をまわるツアーの割には、セットもそれなりに豪華でセンスも悪くなく、衣装もなかなか美しかった。メイクがダンサー含めてとんでもないことになっているのは大目に見るとしよう。

イーゴリ公のアレクサンドル・ネナドフスキー、ヤロスラーヴナのオクサーナ・クラマレワとも、声量が豊かで良い歌い手。特にいかにもスラヴ的なヤロスラーヴナの2幕の独唱は素晴らしかったし、二人が一緒に歌うところの音の重なり方も綺麗だった。前半はそれほど声が出ていないけど、しり上がりにどんどん良くなっていって、ラストは震えが来るほどよかった。そんなに頻繁に上演される演目ではないので、アリアは聴いたことがないのが多いのだけど、特にポロヴィッツ人の陣営のところでコンチャコヴナが歌った東洋的な音階が変わっていて面白かったし、演じたナタリア・ヤルホワのアルトの声も良かった。コンチャク汗のカレン・アコポフのバスも、魅力的だった。

合唱は、ラストのところはすごく盛り上がったけど、それまではちょっと迫力に欠けたかな?というのも、アニハーノフの指揮が爆音系でものすごい音量、コーラスを上回っちゃっていたからだけど。1階前方の席だったけど、けっこうアニハーノフの動きが見えて、ものすごい熱演をしているのがわかった。腕を高く振り上げていたり、よく動いている。

で、期待の「ダッタン人の踊り」は野性的が迫力はすごかった。剣の踊りで男性ソリストが剣を落としたのがやや間抜けだったけど、それ以外は、トゥール・ザン・レールの連発などがばっちり決まっていてレベル高い。ここは、振付がフォーキン版ではなくて、以前「ルジマトフのすべて」ガラで、クリギンさんらが踊ったのと同じ振付なのだと思う。ジャンプなどもかなり民族舞踊っぽくて、面白かった。オペラのバレエシーンって舞台が狭いから踊りにくいのだろうと思うけど、ダンサーの数も多くて贅沢。もちろん、女性ダンサーたちはみんな柔らかい美しい動きでプロポーションも抜群で目の保養。一人も顔と名前が一致しなかったのが残念。プログラムに、ソリストはどのダンサーって書いてくれればいいのにね。
いずれにしても、迫力のコーラスと迫力の踊り、そしてもちろんアニハーノフの爆演で、舞台からのアドレナリン放出しまくりで楽しかった。観客として最高の時間を過ごすことができて、観客の反応もここが最高潮。やはり最大の見せ場はバレエなのであった。

カーテンコールの順番を「次は君」とアニハーノフさんが仕切っているのがとても面白かった。指揮だけではなくてこういうところでも活躍するのね。バレエの方も期待しているわ♪

さて、来年のマリインスキー・オペラの「イーゴリ公」はどうなんでしょう?バレエはきっとすごく良いはずだけど。

マリインスキー・オペラのDVD、いつのまにか国内盤も出ていたんですね。

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2007/12/13

エトワールガラ2008

2005年に開催された、パリ・オペラ座を中心とした若手ダンサーたちによる「エトワール・ガラ」が来年も開催されるとのことです。前回の出演者の多くが、エトワールに昇進し、また前回は出演しなかったマチュー・ガニオに加え、ボリショイのスヴェトラーナ・ルンキナも加わり、華やかなガラとなりそうですね。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_08_etoiles.html

公演日程 2008年8月6日(水)~10日(日)(全5回公演)
会 場 Bunkamuraオーチャードホール

出演(予定)
【パリ・オペラ座バレエ/エトワール】
レティシア・プジョル Laëtitia Pujol
マリ=アニエス・ジロ Marie-Agnès Gillot
マチュー・ガニオ Mathieu Ganio
バンジャマン・ペッシュ Benjamin Pech
エルヴェ・モロー Hervé Moreau
ジェレミー・ベランガール Jérémie Bélingard
エレオノラ・アバニャート Eleonora Abbagnato (プルミエール・ダンスーズ)

【ボリショイ・バレエ団/プリンシパル】
スベトラーナ・ルンキナ Svetlana Lunkina 

【ハンブルク・バレエ/プリンシパル】
シルヴィア・アッツォーニ Sylvia Azzoni

【ドレスデン・バレエ団/プリンシパル】
イリ・ブベニチェク Jiří Bubeníček

プログラム
(予定) J.バランシン振付:「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
            「テーマとバリエーションよりアダージョ」
M.フォーキン振付:「瀕死の白鳥」
J.ノイマイヤー振付:「ロミオとジュリエット」「椿姫」
J.ロビンス振付:「アザー・ダンス」
A.プレルジョカージュ振付:
「アン・トレ・デュニオン UN TRAIT D'UNION」 ※日本初演
「受胎告知」
S.L.シェルカウイ振付:新作トリオ ※世界初演
W.マクレガー振付:新作 ※世界初演
C.ウィールドン振付:「マーキュリアル・マニューヴァース MERCURIAL MANOEUVRES」

※2プログラム(Aプロ、Bプロ)を予定。詳細は決定次第Bunkamuraホームページなどで発表。

料金 S ¥14,000 A ¥10,000 B ¥7,000 (税込)
一般発売 2008/3/29(土)

さて、今回は大振付家、ジェレミー・ベランガール様の作品は上演されるのでしょうか?
Bunkamuraはいつも良い企画をやってくださるのですが、オーチャードホールという会場は最悪ですよね。何であんなもの作っちゃったんでしょう・・・。

2007/12/12

キヤノン「EOS」のCMにザハロワ/吉田都さんに大英帝国勲章

何気なくテレビを見ていたら、キヤノンのEOSのCMに、オデットを踊る美しいバレリーナが。このラインの美しさはいったいなんだろう、と調べてみたら、やはり、スヴェトラーナ・ザハロワ(ボリショイ・バレエ)でした。バレリーナと、鳥の白鳥を交互に挟んだ構成は美しいけど、ザハロワの起用とは贅沢ですね。新聞広告もあるようです。

http://web.canon.jp/about/ad/product/d-slr.html

動画はこちら
http://web.canon.jp/about/ad/product/cm/swan_30s.html

なお、キヤノンが提供している番組は、「ニュース23」や「ガイアの夜明け」、土曜ドラマ「ドリーム アゲイン」、「日曜洋画劇場」などです。

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コメントでも教えていただきましたが、吉田都さんが英国政府から「大英帝国勲章」(OBE)が贈られることになったとのことです。たしか、大原永子さんもOBEを受章されていますよね。デヴィッド・ベッカムも受章しているのだそうです。

都さん、おめでとうございます。
「異国の英国で地道な努力が報われ、大変光栄に思う。勲章を励みに今後も踊りを磨きたい」
とのことですが、これからも日本のファンの前で素敵な踊りを見せてくださいね。そして怪我はゆっくり完治してくださいますようお祈りしています。都さんの出演される舞台は一つでも多く観たいですね。


http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20071212i205.htm

大嶋さん怪我ショック・・・(追記あり)/パリ・オペラ座「くるみ」/ロイヤル・バレエの映像・TV放映

今回私はシルヴィ・ギエム・オン・ステージはAプロだけで、Bプロは行かなかったのですが、今日観に行った友達から、東京バレエ団の大嶋正樹さんが怪我をされてしまったということを聞きました。「シンフォニー・インD」の最中のことです。パチンと大きな音がしたそうです。

正式な発表はまだないわけですから、いい加減なことを書くわけには行きませんが、とにかく心配です。かなり重傷のようだとのことで。昨日の「カルメン」の、大嶋さんのホセは素晴らしかったようです。昨日観に行けばよかったのですが、ソールドアウトの公演で当日券もほとんど出なかったようです。シルヴィ・ギエム・オン・ステージのツアーは年内いっぱいまだまだ続くのですが、大嶋さんの早い回復を祈るとともに、他のダンサーの皆様もどうか怪我をされないで続けられますよう、お祈りいたします。

大嶋さんは、東京バレエ団の中でも一番好きなダンサー。Aプロの「ステッピング・ストーンズ」でも際立って滑らかで美しい動きをしていました。また彼の美しい肉体や色香漂う存在感ある姿が舞台に立つところを観たいです。どうか、重傷ではなく、そして復帰できますように。ダンサーさんは身体が資本ですからね。

12/12追記:東京バレエ団より正式な発表がありました。
http://www.nbs.or.jp/blog/TokyoBallet/contents/2007/12/post-8.html
大嶋さんは左脛骨骨折と診断され、現在入院治療中とのことです。15日の神奈川県民ホールでのCプロの「カルメン」は残念ながら降板することになりました(代役は木村さん)。
ゆっくり治療に専念して、また元気な顔を見たいですね。他のダンサーの皆さんも気落ちすることのないよう、がんばって欲しいです。

12/13 追記
井脇幸江さんのサイトで、今回の大嶋さんの怪我についてのコメントがあります。
とても思いやりに溢れた素敵なコメントなので、ぜひお読みください。
>怪我の具合は決して複雑なものではなく、術後の容態も良好なようですので、皆さまどうかご心配なく!
とのことですので、少し安心しました。
http://www.yukie.net/cgi/cmfdiary/cmfdiary.cgi

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フランスで、クリスマスに「くるみ割り人形」のテレビ放送が予定されているTV3とパリ・オペラ座が特別にくるみのサイトを オープンしました。

カレンダーの一つ一つをクリックしていくと、それぞれビデオクリップが見られるというつくりの可愛いサイトです。
収録は本来はレティシア・ピュジョルとジョゼ・マルティネスの予定だったので、 この二人がフューチャーされています。
ダンサーたちのリハーサルやゲネプロ、インタビューなど、盛りだくさんです。
レティシアのクララ、かわいかったのに怪我で降板で結局実際の舞台には立てず、気の毒でした。

http://toowam.france3.fr/test/casse-noisette/

ここでも怪我が影を落としていますね・・・。

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映像といえば、ロイヤルオペラハウスでYouTubeのチャネルを持って、宣伝映像を投稿し始めたようです。舞台映像やインタビューなど、色々と興味深い映像が観られます!バレエもたくさんあります。くるみ割り人形、シルヴィア、眠り、Chroma、ピノッキオなどなど。

http://uk.youtube.com/royaloperahouse

ロイヤル・バレエといえば、11月に収録された「ロミオとジュリエット」(タマラ・ロホ、カルロス・アコスタ主演)が12月25日にBBCで放送され、のちにDVD化されるそうです。マクミラン版のロミオとジュリエットは、フェリのが2枚出ているだけですから嬉しいですね。他にも、ダーシー・バッセルの引退公演の完全放送や、ダーシーがナビゲートする1時間のバレエドキュメンタリーなどが放映されるそうです。羨ましいですね。

放送予定はこちらに詳しく書いてあります。
http://info.royaloperahouse.org/News/Index.cfm?ccs=156&cs=3273

2007/12/11

SWAN MAGAZINE vol10 冬号

10号目を迎えるにあたり、表紙の雰囲気がちょっと変わりました。オペラ座の楽屋のようです。こんな感じにちょっとカラーが入ったほうが、雑誌としても高級感があって良いのではないかしら。

■特集 ようこそ、パリ・オペラ座へ

◇マチュー・ガニオインタビュー
木の陰から顔を出しているマチュー、相変わらず麗しいですね。怪我をする前のインタビューらしく、「パキータ」の話をしているのがちょっと気の毒な感じ。今後の出演予定としては、フォーサイスと「ライモンダ」、「椿姫」だそうで、「椿姫」の全幕は初役。(←間違いで、POB初演ですでに踊っています。shioさんありがとうございます)きっと美しいアルマンでしょうね。

◇ミリアム・ウルド=ブラーム
ポアントをたくさん抱えての登場。「Genus」では珍しくコンテンポラリー作品を踊る予定だったようですが、実際にはストでかなり出演が流れてしまったのですよね。「くるみ」では、当初私もミリアムのクララが観られる予定だったのに、ストや他のダンサーの怪我で、キャスト変更になってしまって残念。(まだどうなるかわかりませんが)でも、ミリアムが出演した回がテレビ収録されたということなので、DVD等で観られる機会があるかもしれません。できれば「ライモンダ」が踊りたいということで代役でも入りたい、とのことでした。その願いがかなえられるといいですね。

インタビュアーの加納雪乃さんは「パリ・オペラ座バレエと街歩き」の筆者ということで、本職は食関係のライター。そういうわけで、二人のお勧めのレストランの紹介がありました。マチューは「ラデュレ」が好きということ。甘いもの好きなんですね。甘いものといえば、お料理が得意というミリアム手作りのチョコムースもいけるそうです。

◇「嵐が丘」「ロメオとジュリエット」/後半の見所は?
レティシアのキャサリン@嵐が丘が可愛いですね。レティシアとジョゼの「くるみ」の写真も素敵なのですが、ストでごたごたしているうちに、二人とも怪我をしてしまって出演できず、本当に残念です。ストのおかげで本当にいろいろな計画が狂ってしまいましたね。ベランガールの評判は、よくないですねえ・・・「くるみ」の収録日を観た方のブログを読みましたが、彼はクラシックを踊るべき人ではないようです。でも、その「くるみ」が映像で残ってしまうのですよね。

◇ラストシーズンをむかえる3人のエトワールをチェック!
ルグリ、ベラルビ、ロモリという3人のエトワールがオペラ座を去ってしまうと、ヌレエフの子供たちといわれた世代がいなくなり、ひとつの時代が終わった感じがします。ルグリはまだまだオペラ座で踊ってくれるようですが。
古典をあまり踊ってこなかったベラルビさんについても紹介してくれているのが嬉しい。

◇デルフィーヌ・ムッサン インタビュー
ゴールデン・バレエ・コースターで来日した時のインタビュー。プティット・ペールがルグリだったのですね。昨年の来日公演でのデルフィーヌのオデットはとても素敵でした。

◇Repettoにオレリーやマチューの作品を見に行こう!
「ダンスマガジン」にも掲載されていた、レペットとユネスコの「生命のダンス」プロジェクト。レペットの社長ジャン・マルク=ゴーシェのインタビューも。イザベル・シアラヴォラがデザインした、羽と薔薇と天使による夢のようにロマンティックで耽美的なシューズにうっとり。

■エトワール達の花束
■ロベルト・ボッレ インタビュー
ロベルトの麗しい写真と舞台写真つき。目の下に少し隈があるのがセクシー。若い頃からカルラ・フラッチやシルヴィ・ギエム、そしてフェリ、ダーシーと大物ダンサーとパートナーになったプレッシャーは大きかったとのこと。「その辛さや努力が僕の成長の糧となったと思います」
しかしロイヤルの来日公演にも出演しないし、なかなかロビーを日本で観る機会はありませんね・・・。

■英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 日本公演
デヴィッド・ビントレーのインタビュー。「美女と野獣」ももちろん楽しみだけど、倒錯的な作品「エドワード2世」が見たい!なお、今日更新されたチャコットのダンスキューブには、新国立劇場に振付けた新作「アラジン」のリハーサルレポートが載っています。

■国立モスクワ音楽劇場バレエ来日公演
プロモーションで来日したチェルノブロフキナとプーホフのインタビュー。ブルメイステル版の白鳥の湖を生で観るのは初めてなので楽しみです。

■大柴拓磨 
巻頭写真&インタビュー
安珠さんによるグラビア撮影。パリ・オペラ座の「イワン雷帝」で契約団員としてオペラ座の舞台に立った唯一の日本人男性。子犬のような目が美しい方ですね。その後シャルル・ジュドのボルドー・オペラ座の団員になって昨年帰国したそうです。今後の予定としては、西島千博さん振付の「GILLE」〜男性版ジゼルに出演されるそうですね。 ブログもお持ちのようです。

今日は下にもエントリがありますので、ぜひご覧ください。

SWAN MAGAZINE Vol.10(2007冬号) (10)SWAN MAGAZINE Vol.10(2007冬号) (10)

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2007/12/10

NBAバレエ団「ドン・キホーテ」にオブラスツォーワ出演

今日、バレエのレッスンに行ったら、教室にNBAバレエ団の「ドン・キホーテ」のチラシが置いてありました。そこには、マリインスキーの新星、エフゲーニャ・オブラスツォーワの写真が。映画「ロシアン・ドールズ」にも出演し、DVD「BALLERINA~マリインスキー・バレエのミューズたち」にフィーチャーされたり、8月末のボリショイ&マリインスキー・ガラの「サタネラ」や「アレキナーダ」で可憐な踊りを見せて注目を集めている若手バレリーナです。オブラスツォーワはどちらかといえば「ロミオとジュリエット」のジュリエットなど、演技力を発揮する作品の印象が強いので、キトリを踊るのはちょっと意外ですが(マリインスキーでのプロフィールを見ると、キトリはレパートリーには入っていない)、注目ですね。

2008年2月23日18時、24日15時 ゆうぽうとホール
NBAバレエ団「ドン・キホーテ」
演出・振付:セルゲイ・ヴィハレフ(プティパ、ゴルスキー版による)
出演:キトリ:エフゲーニャ・オブラスツォーワ(マリインスキー・バレエ ソリスト)
    バジル:ヤロスラフ・サレンコ(23日)、秋元康臣
チケット代:SS席12000円、S席10000円、A席9000円、学生席5000円

チラシには発売日は書いていませんが、NBAバレエ団のサイトを見たところ、先行発売中だそうです。
なお、ヤロスラフ・サレンコは、「マラーホフの贈り物」に出演するヤナ・サレンコ(ベルリン国立バレエプリンシパル)のお兄さんだそうです。また、今回の「ドン・キホーテ」はマリインスキー・バレエの「眠れる森の美女」「ペトルーシュカ」「ラ・バヤデール」などのバレエ復元で活躍中のセルゲイ・ヴィハレフ振付なのも注目ですね。

12/9 シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007

東京バレエ団全国縦断公演
<シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007>
シルヴィ・ギエム、進化する伝説
<Aプロ>
2007年12月9日(日) 2:00 pm 会場:東京文化会館

白鳥の湖 第2幕より
振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ、アレクサンドル・ゴールスキー、イーゴリ・スミルノフ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
オデット: シルヴィ・ギエム
ジークフリート王子: ニコラ・ル・リッシュ
白鳥たち: 森志織‐村上美香‐岸本夏未‐河合眞里
西村真由美‐乾友子‐田中結子 ほか、東京バレエ団

前の日に観ていた友達から「短いよ」って聞いていたのだけど、本当に短い。まさにアダージオとコーダだけ。当初は小さな4羽と大きな3羽も予定されていたらしいのだけど、ギエムがヴァリエーションを踊らないのでカットされたようだ。ギエムの白鳥は、バレエフェスで観た時よりは筋肉がそぎ落とされていて、少しフェミニンな感じ。しかし気になったのが、友達の指摘していたことだけどポアントに立ちきれていないこと(ちょっと腰が引けている感じ)と、そして若干姿勢が悪いこと。サポートつきピルエットも軸が少し揺らぎ、ニコラのサポートがかなり大変そうだった。クラシックを踊っていないんだな~と思ってしまった。腕は、すごく柔らかいわけではないけど自然な動きで、生き物の腕だと思わせていて、そういう表現はギエムらしい個性でいいと思う。さすがにアラベスクは綺麗だしアンドウォールは完璧だし脚は高く上がる。コーダの羽ばたきも孤高の女王らしい、孤独さが痛ましいほどの気品と力強さを感じさせた。ニコラは、ひたすらサポートに徹していて少し気の毒だったけど、ギエムをコントロールする、導くサポートということで、受身ではなく能動的なサポートをしていて、二人のパートナーシップの絶妙さを感じた。彼のサポートあってのギエムの白鳥であると思わせた。以前よりちょっと若々しくかっこよく見えたニコラであった。
コール・ドについては、評価できるほどたくさん踊っていないので評価は保留。大きな白鳥の西村真由美さんが柔らかく優雅かつ大きな踊りでとても素敵だった。いつか真由美さんのオデットが観たい。

ステッピング・ストーンズ
振付:イリ・キリアン  音楽:ジョン・ケージ、アントン・ウェーベルン
佐伯知香‐高木綾‐田中結子‐吉川留衣/大嶋正樹‐松下裕次‐長瀬直義‐横内国弘

私はキリアンは好きなので、なかなか楽しく観ることができたけど、人によっては退屈するかもしれない演目。カーテンコールの時に、周りに拍手をしていない人が結構多くて残念に思った。今日はセカンドキャスト。まず率直に思ったこと。かつては東京バレエ団は男性ダンサーの宝庫で女性はやや弱いといわれていたようだが、今の東京バレエ団は逆に女性は優れている人が多いのに、男性の良いダンサーはみんないなくなってしまっている。普段クラシックバレエを踊っている人がキリアンは難しいと思うのだけど、セカンドキャストの女性ダンサーはみんなとてもよく踊っていて、キリアンらしい表現も身に着けていた。今回は、吉川留衣さんがきれいでありながら、独特の表現力と音楽性を発揮していて良かったと思う。佐伯さんもいつもながら良かった。高木さんのピルエットも鮮やかだった。男性については、躍動感と生命感溢れる大嶋さんが一人突出して素晴らしく良くて、あとはお話にならない。大嶋さんの動きに自然と目が吸い寄せられてしまった。とても面白い演目だと思うので、もっともっと上演してほしい。東京バレエ団のダンサー、特に男性陣にはこういう独特の動きやリズム感のダンスもこなして欲しいと思う。

優しい嘘
振付:イリ・キリアン  音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、カルロ・ジェズアルド、グレゴリオ聖歌
シルヴィ・ギエム  ニコラ・ルリッシュ

ものすごくカッコよくて、ギエムとニコラによる踊りだからこそなし得た表現が観られてしびれたのだけど、いかんせんあまりにも短い。素敵~と思っているうちに終わってしまった。こんなに短かったっけ?流れるような身体の動きの大きさ、研ぎ澄まされた、鋭いムーヴメント、素晴らしい。ニコラはカーテンコールで満面の笑顔。ギエムと共演できて本当に嬉しそう。ギエムは裸足で踊っていたようだ。

Push
振付:ラッセル・マリファント  音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム  ラッセル・マリファント

私はこの作品の良さを理解するほどの完成の持ち主ではないのかもしれない。とても静謐で、穏やかでゆっくりとしていて、斬新さもあるし、音楽はとてもスタイリッシュで素敵なのだけど、これがギエムの行き着いた極北の地なのだろうか、と少し考え込んでしまった。逆さまにリフトされて微動だにしないギエムの造形は美しいし、余分なものをそぎ落とした動きであるのはよくわかるのだが。何回か観れば面白くなってくるのかもしれないけど、私は今回はこの日しか観ないもので。ただ、少し退屈さを感じながらも見ていくうちに、二人のやり取りが崇高なものに思えてくるから不思議だ。ギエムの裸足の、とても甲の高い足に巻かれたテーピングがとても痛々しい。カーテンコールの晴れやかな二人の笑顔は本当に素敵だった。ギエムは日本の観客の前で踊れるのがとても嬉しいみたい。

終演後は、クラブ・アッサンブレのパーティに参加。私はアッサンブレ会員ではないのだけど、アッサンブレ会員の友達に同伴。司会は高橋竜太さんで、プロの司会者以上に達者でびっくり。壇上で一人ひとりのダンサーをフルネームで紹介。斎藤さんと大嶋さん、あと長谷川智佳子さんが参加していないのが気になった。芸術監督の飯田さんが、佐々木忠次団長とベジャールさんの危篤の知らせを聞いて駆けつけた話をされていた。間に合わなかったけど、生きているかのように穏やかな顔をしているベジャールさんに話しかけ、離れがたかったという話を聞いてしんみりとした。そして、その佐々木忠次さんが舞台上に上がらなかったのも、気がかりなことであった。色々なダンサーさんとお話ができて、とても楽しい会だった。しかし色々と気になることがあった・・・。いつまでもベテランばかりが主役を張り、ゲストも多く、中堅の良いダンサーに大きな役が与えられていないことが、大きな問題になってきているのではないかと思ってしまった。

2007/12/08

井上道義指揮:名古屋フィル ショスタコーヴィチ/交響曲第11番、第12番

とても楽しみにしていた、井上道義指揮でショスタコーヴィチの交響曲全曲を日比谷公会堂で演奏するという一大プロジェクト。11月、12月が忙しくて結局この回しかいけなかったのだけど、無理して他の上演も行けばよかったと後悔することしきり。マエストロ井上道義、渾身の指揮には魂が震えるばかり。最終日が9日日曜なんだけど、ギエムなんかさっさと売り払ってこっちにすればよかった。交響曲8番と15番です。新日本フィルだし、きっと名演になることでしょう。

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このショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクトは、井上さんが私財を投じて、ショスタコーヴィチの交響曲の多くが日本初演された由緒ある日比谷公会堂を再生しようというもの。その熱い想いは、
http://kajimotoeplus.eplus2.jp/article/60452877.htmlと、井上さんのサイトで語られています。

ここには井上さんのインタビュー動画もあります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/podcast/20071206/142557/

さて、日比谷公会堂は、日比谷公園の片隅に鎮座する美しくレトロな建物。入り口にはロシアパンやマトリョーシカが売っていて、懐かしい雰囲気のロビーには、今回のプロジェクトのためのカンパの瓶が。大赤字となっているという今回のプロジェクトのために、井上さんの写真やポストカードなども売られている。

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内装はクラシックで美しい。問題は、椅子が非常に狭いこと。私は比較的小柄なので大丈夫なのだけど、同行の家人が身長186cmなのでかなりきつかったようだ。席は1階6列目の真ん中だったけど、舞台が高く客席が低いため、管楽器や打楽器がまったく見えない。目の前には、井上さんのスマートなお尻。そして舞台の上にはぎっしりとした大編成。ずらりと並んだチェロの数も多ければ、ハープが3台というのを見るのも初めて。とにかくすごそうな雰囲気が漂っている。

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【交響曲第11番 ト短調 作品103 「1905年」】
[凍るようなロシアの長編小説]
〈作曲〉1957年

〈初演〉1957年10月30日、ナタン・ラフリン指揮、ソヴィエト国立交響楽団/
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
(同日初演)
〈編成〉木管楽器12、金管楽器11、打楽器8、ハープ2~4、チェレスタ2、弦5部

〈楽章構成、演奏時間〉4楽章、約60分
第1楽章 宮殿前広場 アダージョ- 第2楽章 1月9日 アレグロ-
第3楽章 永遠の記憶 アダージョ- 第4楽章 警鐘 アレグロ・ノン・トロッポ

〈日本初演〉1958年5月30日、上田仁指揮、東京交響楽団(日比谷公会堂)

日比谷公会堂は音響がデッドだと聴いていたけど、楽器本来の音が聴けるという意味では、とても面白い聴き方をすることができた。

ショスタコーヴィチの交響曲11番は凄まじい曲である。不気味な静けさから始まり、厳かなピアニッシモの弦楽器の不穏さが、聴く者にぴりぴりするような緊張感を与える。夜明けの冬宮の前に集結した人々の吐く白い息が感じられそうだ。小さな音量でも、とても重くて、来るべき悲劇を予感させる。少しずつ盛り上がりを見せていって、印象的な旋律が見え隠れする、そのフォルテッシモの大音量にしびれる。そして2幕の怒涛の虐殺シーン!7月にハンブルク・バレエの「ニジンスキー」で、2楽章にこの11番のほぼ全部が使われているために生演奏は聴いたことがあったのだけど、演奏会として聴くのは初めて。弦楽器の人たちの演奏振りは、これがクラシックの曲を弾いているとは思えないくらいの激しさで、首を振りながら、完全に振り切れそうなハイテンション。それをかき消すほどの大音量の打楽器の連打で、人々が次々に斃れていくのが見えるようだ。そして井上さんの指揮!ここまで激しく動く人を見たことがない。上半身のダイナミックな動きに吸い寄せられてしまった。3楽章のレクイエムは美しく、2楽章の激しさと対を成すことで悲しみの大きさを感じさせてくれた。そして再び、4楽章でクライマックスを迎える。金管が少しへろっていたところはあるけど、間近で熱演振りを観るとそれだけでも聴いている方は力が入る。ラストの井上さんのポーズのカッコいいこと!しかし終わったように見えた瞬間にフライング気味の拍手が入ってしまい、そうとう興をそがれた気がした。井上さんも、そこじゃない、って拍手を止めさせた。それにしても、井上さん、踊る指揮者の名のとおり、本当に優雅に舞いながら、時には激しく熱く腕を振る。一つ一つの動きに惚れ惚れしちゃった。立ち姿も美しく、ほっそりした脚や優雅な腕はまさにダンサーのよう!ヴィオラ奏者と一対一で向かい合って指揮するところは、当事者じゃないのにドキドキしてしまう。拍手はいつまでたっても終わらず、最後には、井上さんはコンサートマスターを連れて引っ込んでしまった。

休憩後には、映画監督の篠田正浩氏がゲストで立ったままの短いトークショーが行われた。篠田監督は77歳だというが、立ち姿もすっとしていてなかなかかっこよく、とてもその年齢には見えない。それを言ったら、井上さんも61歳にはとても見えない、若々しく美しい方なのだけど。篠田さんは、松竹の助監督時代によく日比谷公会堂へ音楽を聴きに言ったとのこと。「この11番の演奏の後に12番は無理だよ」みたいな話をしていた。このトークショーのために井上さんは着替えていた。相当汗をかいたようである。そして12番で登場した時には、また着替えていた。

【交響曲第12番 ニ短調 作品112 「1917年」】
[何が起こっても何も変わらない「世界」]
〈作曲〉1961年

〈初演〉1961年10月1日、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団

〈楽章構成、演奏時間〉4楽章、約40分
第1楽章 革命のペトログラード モデラート-アレグロ-
第2楽章 ラズリフ アレグロ-アダージョ-第3楽章 オーロラ号 アレグロ-
第4楽章 人類の夜明けアレグロ-モデラート

〈編成〉木管楽器12、金管楽器11、打楽器6、弦5部

〈日本初演〉1962年4月12日、上田仁指揮、東京交響楽団(日比谷公会堂)

11番と対になっている曲ではあるけども、主題は、レーニンを讃える曲であり、ショスタコーヴィチの交響曲の中では駄作といわれ、演奏される機会も少ないのである。ところが、この曲のコード進行には恐ろしい隠喩が含まれており、ずばりスターリン批判ということだ。ところが、私には、何故この曲が駄曲といわれるのかがちょっとわからなかった。盛り上がるし、旋律も決して悪くないし、目の前のオーケストラの熱演にぐいぐいと引っ張られた。井上さんはさすがに、踊りまくった11番の指揮で疲れていたような雰囲気もあったけど、それでも力技でずしんとくる音楽の波を送り出してくれた。12番では指揮棒なし。ラストには、譜面台の上の譜面に重ねてあった、ショスタコーヴィチのポートレートを指して拍手を求めた。そのポーズのカッコいいこと!マエストロ・ミッチーの、全身全霊を捧げた熱演が終わった時には、万雷の拍手、そしてそれはいつまでたっても終わらなかった。最後にそでにちょこんと出てきた井上さんを観客はスタンディングオベーションで迎えた。

9日には、ついに15の交響曲が全部演奏されるという偉業が完結する。その場にいられないのが本当に残念!当日券もあるようだし、チケット代は全席3000円という破格!しかもショスタコーヴィチの交響曲の中でも名曲である8番と、奇妙なところもあるけど面白い15番。本当に行けないのが悔しい。ショスタコマニアの家人が終演後チケットを買い求めていたので、彼の感想を楽しみにするとしよう。

2007/12/06

パリ・オペラ座、プルースト「失われた時を求めて」DVD発売

ダンソマニさんを見ていたら、パリ・オペラ座、ローラン・プティ振付の「プルースト 失われた時を求めて/Proust où les intermittences du coeur」の発売情報がありました。FNACで出ているということで検索してみたらあった!

1月10日に発売になるそうです。そのうちAmazon.frなどで買えそうですね。

http://www4.fnac.com/Shelf/article.aspx?PRID=2167467&OrderInSession=1&Mn=1&SID=cefd30b6-209f-6591-01d6-30827fd9ac55&TTL=071220070238&Origin=FnacAff&Ra=-3&To=0&Nu=1&UID=0bb9a30e3-b9f9-d10d-e967-76dc3e74f5d3&Fr=0

振付 Roland Petit
出演 Eleonora Abbagnato, Stéphane Bullion, Hervé Moreau, Mathieu Ganio, Manuel Legris
発売元 Bel Air
フォーマット NTSC
上演時間:102分

追記:BelAir Classiquesのサイトを見ていたら、発売予定として、今年の大晦日のミラノ・スカラ座のチャイコフスキー・ガラがDVD化されるっぽいです。(フランス語が怪しいので確信が持てないのですが)

2007/12/05

ジェニファー・アレクサンダー続報

ABTでは、訃報を公式サイトに掲載し、サイトのトップにジェニファーのプロフィール写真を掲げています。

ジェニファー・アレクサンダーの悲劇的な死を悼み、The Wingerで同僚ダンサー、マシュー・マーフィがジェニファーの追悼コーナーを作りました。
http://thewinger.com/words/2007/jennifer-alexander/

先日のシティセンターでのバックステージでの写真、それから「ジゼル」のバチルド役、フリオ・ブラガド=ヤングと一緒に写っている「白鳥の湖」のチャルダッシュの美しい写真が掲載されています。追悼の言葉をどんどん書き込めることになっています。ABTに入団する前に所属していたロイヤル・ウィニペグ・バレエのプリンシパル、タラ・バートウィスルや、ABTのバレエミストレスのスーザン・ジョーンズ、「海賊」「ライモンダ」の改訂振付を行ったアンナ・マリー・ホームズなどが涙を誘う追悼文を書き込んでいます。

マシューによれば、コール・ドのダンサーはよく手入れされた機械にたとえられるとのことです。その中でもABTは最も重要な部品の一つを失ったことになり、もう二度と同じようにはならないということ、それだけの大きな損失だったということです。13年間も在籍していた彼女は、コール・ドでもリーダー的な存在で若手を指導していたとのことです。

Ballet Talkでは、ジェニファーの兄がメッセージを残しています。

なお、New York Postの記事では、新しい情報が入っています。フリオの怪我は足の骨折で、生命には別状がないとのことです。再び踊れるように回復できるよう祈るばかりです。もう一人同乗していたダンサーは、若手のNicole Granieroで、「くるみ割り人形」のゲストで踊っていたのは彼女でした。ジェニファーはフリオの付き添いだったようです。

そして悲報を聞いたダンサーたちは、ブロードウェイ19丁目のABTの本拠地の廊下で声を上げて涙に暮れていたとのことです。ダンサーはカンパニーのメンバーにとっては家族のようなものだったとのことで、計り知れない悲しみであることでしょう。

今月ワシントンDCで上演されるABTの「くるみ割り人形」はジェニファーに捧げられたものになるそうです。

私もコール・ドで踊るジェニファーは何回も観ていますし、コケティッシュな魅力に魅き寄せられていました。特に「ジゼル」の美しく優雅で少し高慢なバチルド役は非常に印象的でした。彼女の出演日は見逃してしまったのですが、昨年のシティセンターで上演されたアニエス・デ・ミル振付の「Rodeo」では、主役のじゃじゃ馬娘を踊っていたとのことです。また今年は「葉は色あせて」にも出演していました。シティセンターの楽屋裏でも、幸せそうな笑顔が印象的でした。来日公演でもう観ることができないと思うと、ちょっと耐えられないくらい悲しいです。若く美しく、そして幸せの絶頂にあった人の死は本当に悲しいことですね。フリオの心と体の傷が癒されますように。

追記:写真家のGene Schiavoneさんのサイトで、ジェニファーを追悼したギャラリーが開設されています。フリオとのリハーサルの写真、「ジゼル」のバチルド、「オテロ」、「ラ・バヤデール」(影の王国)、「白鳥の湖」(白鳥のコール・ドと花嫁候補)、「シンデレラ」(クデルカ版)の美しい写真があります。

さらに追記:New York Timesに事故と、二人についての詳しい記事が載っています。
http://www.nytimes.com/2007/12/05/nyregion/05dancers.html?_r=1&ref=nyregion&oref=slogin

医師とABTのエグゼクティブ・ディレターの話では、フリオは脚の骨折をしたものの、踊れるようにはなるだろうとのこと。ABTにも復帰する予定だそうです。なお、コメントをしたフリオのお父さんはオーケストラの指揮者をしているそうで、今年の春には父の指揮するオーケストラをバックに二人が踊ったこともあったそう。

ジェニファーの出身地、カナダのカルガリーの新聞にも記事が載りました。
http://calsun.canoe.ca/News/Alberta/2007/12/05/4708434-sun.html

12/7追記
ABTの同僚デヴィッド・ホールバーグからの追悼エントリです。どれだけ、ジェニファーが同僚たちに愛されていたかがよくわかります。
http://thewinger.com/words/2007/jenny-alexander/
ここにも、美しい写真が何枚か掲載されています。高い評価を得た「緑のテーブル」を見逃したのが本当に残念です。もう二度と彼女をこの作品で見ることができないわけですから・・・。

12/4キエフ・バレエ「ライモンダ」簡単な感想/産経新聞に岩田守弘さん

今日はオーチャードホールでキエフ・バレエの「ライモンダ」を観て来ました。「ライモンダ」っていい演目だな~ってしみじみ思いました。グラズノフの音楽も美しいし、クラシックとエキゾチズムの絶妙なブレンド。3幕の踊りまくり大会。今回の版は、アブデラフマンの踊りの見せ場もたっぷりあって、見ごたえたっぷり。クラシックバレエのめくるめく魅力にクラクラと幻惑されました。

今日の公演は主役の3人、エレーナ・フィリピエワ、セルギイ・シドルフスキー、イーゴリ・コルプ、3者とも素晴らしい出来。特にコルプのアブレラフマンの妖しさと情熱、吸引力、信じられないほど柔らかい背中には改めて惚れ惚れ。あんなに背中を反らすことのできる男性ダンサーって他にいるのでしょうか、と思うくらい。えびぞりジャンプした時に頭から脚が生えているのですよ。でも基本的に彼はキャラクテールよりは端正な人なんだなって思いました。猫のようなしなやかさには今更ながら驚くばかり。彼が登場すると、その場の温度が変わるのがよくわかります。絶命するまでの、愛を訴える渾身の演技、凄まじかった・・・手下の手を払いのけて堂々と歩いた後倒れ、地を這いながらあの射るような視線でじりじりと近寄り、死ぬ間際にライモンダにキスするの。シドルフスキーは、まっすぐな脚の美しさ、音のしない見事な着地、白が良く似合う絵に描いたような騎士ぶりでめちゃめちゃ素敵でした。しかしライモンダ、完璧にアブデラフマンにのぼせ上がっちゃって、その後でのジャンへ接する態度の冷たいこと。アブデラフマンへと向けられた愛の炎を必死に消そうとする白の貴婦人って実は邪悪な存在だったりして。必死に愛を取り戻そうとするジャンが気の毒でした。フィリピエワの鉄壁のテクニック、バランスのすごさ、見事なアティチュード、キラキラした姫オーラも最強。3幕のポアントに立ったままパドブレするヴァリエーションも安心して見てられました。

ソリスト陣も、ラインがスレンダーで美しい白の貴婦人田北志のぶさんや、クレマンスとアンリエットはじめ、みんなとても良かったです。田北さんの上半身、特に腕の美しさは絶品。彼女のオデットも観たかったですね。ベルナールの菅野英男さんも、踊りまくる役ですが、端正で堂々とした踊りっぷりでした。面白いのは、ラストでは伯爵も伯爵夫人も踊りまくること!伯爵夫人、あんなに脚上げちゃっていいんですか?こんなライモンダ、観たことない!

特筆すべきはオーケストラの素晴らしさ。「ライモンダ」は音楽が真珠の珠や宝石のようにキラキラしているけど、演奏が良いと本当にうっとりできます。このカンパニーで最大の懸念である衣装やセットも、アブデラフマンの衣装以外は今回はきれいだったと思います。アブデラフマンの衣装は、せっかくのコルプの美脚が見えないし、特に2幕では色使いも地味で彼の魅力をちょっと殺してしまっていました。1幕では赤い頭巾でまるで蜘蛛みたいだったし。あとコルプのメイクはやりすぎ。旧ソ連時代風のものすごいライン使いで、せっかくのコルプの青くて澄んだ瞳が生かせていないのが残念でした。

12月と忙しい時期の平日公演につき、客席は正直言ってかなり寂しかったです。「白鳥の湖」では東京国際フォーラムホールA(5000人)を満杯にできていたのに。「ライモンダ」がマイナーな演目っていうのもあるでしょう。しかしながら、コルプの踊るパートは白鳥の倍以上あるし、華やかだし音楽も演奏も最高だし、クラシックバレエが好きな人だったら絶対に気に入ると思うのです。迷っている方はぜひ明日の公演に!私は明日は日比谷公会堂でショスタコーヴィチの11番を聴きに行くので、行けなくて残念です。

またちゃんとした感想は後日。

**************

産経新聞のWebにボリショイ・バレエの岩田守弘さんのインタビューが載っています。紙面では一面に載っていたようです。身長が166cmと小柄でなかなか主役に就けないのは、「つらいが事実です。でも、だからこそ、高く跳べるようになった。人には自分の持ち場がある。どんな小さな役でも一生懸命やれば、喜びは必ず見つけられます」とは本当にプロの鑑となるべき心意気ですね。

ロシア・バレエ界の巨匠で、振付家のミハイル・ラブロフスキー氏はこう評価する。
 「モリは、拝金主義に侵されたロシア人ダンサーが失いつつある精神の力を信じている。その力は、肉体の力とは異なり無限だ。精神の力を重視したサムライの魂を宿した芸術家だ」

最高の賛辞ですね。そんなサムライ岩田さんの舞台がまた観たいです。記事中の写真は、「白鳥の湖」の道化を演じる自身の写真を前にした岩田さん。来年のボリショイ・バレエの来日公演「白鳥の湖」できっと彼の道化が観られることでしょう。楽しみですね。

2007/12/04

ABTのバレリーナ、ジェニファー・アレクサンダーが交通事故死

ニュージャージーの新聞によると、12月2日、ABTのコール・ドのダンサー、ジェニファー・アレクサンダーがゲスト出演した「くるみ割り人形」の公演の帰りに交通事故に遭い、亡くなったとのことです。
http://www.northjersey.com/page.php?qstr=eXJpcnk3ZjczN2Y3dnFlZUVFeXk1MCZmZ2JlbDdmN3ZxZWVFRXl5NzIyOTM3MiZ5cmlyeTdmNzE3Zjd2cWVlRUV5eTM=

もう一つ記事
http://www.nj.com/news/index.ssf/2007/12/american_ballet_dancer_killed.html

現地は寒く道路が凍結しており、事故の詳細は不明ですがスリップした車が何台も巻き込まれた衝突だったとのこと。対向車の乗客も一人亡くなり、また同乗していたやはりABTのコール・ド・バレエのダンサーでジェニファーの夫フリオ・ブラガド=ヤングも重傷を負ったとのこと。他にも、ダンサーが同乗していたようです。

ジェニファー・アレクサンダーは35歳というベテランですが、とても美人でほっそりとスタイルが良いダンサーでした。「ジゼル」のバチルド姫や「ラ・シルフィード」のエフィ、「シンデレラ」の仙女、「海賊」の海賊女のリーダー、「真夏の夜の夢」のハーミアなどソリスト的な役を踊ることも多く、魅力的なバレリーナでした。映画「センターステージ」にも出演しています。よく舞台で見かけたので、悲しくて仕方ありません。かなりショックを受けています。ご冥福を心からお祈りします。

また、フリオ・ブラガド=ヤングは、「真夏の夜の夢」のDVDでボトムを踊って人気を博し(ポアントワークが見事でした)、「ドン・キホーテ」のガマーシュやサンチョ・パンサなどで活躍している、端正ながらも演技力も備えた若手ダンサーです。この二人は、今年の7月に結婚したばかりとのことで、あまりの悲劇に言葉もありません。怪我がキャリアに影響を及ぼすことのないよう、回復を祈っています。

追記:ABTの公式に訃報が出ています。トップにポートレート写真も。

イーサン・スティーフェル、映画「センターステージ」続編撮影中

ABTのイーサン・スティーフェルのほかジュリー・ケント、サシャ・ラデツキーらが出演してバレエファンに話題となった映画「センターステージ」の続編「Center Stage 2」が現在ヴァンクーバーで撮影中と、アメリカのバレエ雑誌Dance Magazineが伝えています。公開は2008年の予定。監督は「ドリームガールズ」の助監督を務めたSteven Jacobson。

イーサン・スティーフェルは「センターステージ」に続き、続編にも同じプレイボーイの役で出演するそうで、ダンサー兼教師として登場するとのこと。ヒロインはRachele Smithという新人で、小さな町からニューヨークのバレエスクール(SABがモデル)に入学し、バレエのほかヒップホップも好きであるためにクラスメートにいじめれる役だとか。そして、イーサンもこの映画でヒップホップも踊るそうです。

「ファンタスティックだったよ!成功しているかどうかはわからないけど、他のダンサーとのコラボレーションは素晴らしかった。このようなまったく新しいことを学べるのは、僕の現時点のキャリアにとっても、チャレンジでありエキサイティングだったと思う」とはイーサンの弁。

「センターステージ」では、イーサンとジュリーの「ロミオとジュリエット」バルコニーシーン、「スターズ・アンド・ストライプス」そしてウィールダンの振付作品などバレエシーンがふんだんに登場しましたが、今回も期待できるかもしれません。他にはどんなダンサーが出演するのか、楽しみです。「センターステージ」のヒロイン、アマンダ・シュルは結局サンフランシスコ・バレエを辞めてしまいましたが、共演したゾーイ・ザルダナはこの作品がきっかけで「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ターミナル」、それから現在のGAPの広告に出演したりして売れっ子になっています。また、サシャ・ラデツキーも現在はABTのソリストとして大活躍中です。

*******
他に話題としては、デンマーク・ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」(ケネス・グレーヴ振付の新作)の12月9日の公演に、パリ・オペラ座のアレッシオ・ガルボーネがゲスト出演するというニュースがありました。アレッシオは他にも、ローマ歌劇場バレエで「ペール・ギュント」(ツァネラ振付)に出演したり、Maggio Fiorentina で「ラ・シルフィード」のジェームズ役を踊ったり、ロベルト・ボッレのガラに出演したりと、オペラ座を休んでいる間も精力的に活動しているようです。貴重なクラシック要員なので戻ってきて欲しいですけどね。

センターステージセンターステージ
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2007/12/03

ロイヤル・バレエ2008年来日日程発表

今日、スターダンサーズ・バレエ団の公演会場で、英国ロイヤル・バレエ団の2008年来日予定の速報チラシが入っていました。写真はコジョカルの「眠れる森の美女」(棘を刺してしまって倒れこむオーロラ)です。なかなか素敵な絵柄です。

演目は、以前から予告が出ていた「眠れる森の美女」と「シルヴィア」、日程としては、7月2日(水)~14日(月)、会場は東京文化会館です。ABTが17日からなので、ちょうど入れ替わる感じですね。

来日予定プリンシパルとしては、アリーナ・コジョカル、サラ・ラム、ロベルタ・マルケス、マリアネラ・ヌニェス、タマラ・ロホ、ゼナイダ・ヤノウスキー、フェデリコ・ボネッリ、ヨハン・コボー、デヴィッド・マッカテリ、イヴァン・プトロフ、エドワード・ワトソン、ルパート・ペネファーザーです。(ペネファーザーはまだプリンシパルじゃないと思いますが)

吉田都さん、カルロス・アコスタ、ロベルト・ボッレといった人気のゲスト・プリンシパルの出演がなくて少々地味な顔ぶれです。特にロベルト・ボッレの出演がないのは残念。また、吉田都さんも、この二つの作品をレパートリーにしていないのですよね。前回は、シルヴィ・ギエム、ダーシー・バッセル、都さん、ボッレ、(結果的には降板してしまいましたが)ジョナサン・コープがいても、半分くらいの公演で得チケが出てしまいましたが、今回はどうでしょう。

海外ではすでに発売されている「シルヴィア」のDVD、それからBBCで放映された「ジゼル」「眠れる森の美女」、そして年末にBBCで放映予定のタマラ・ロホ&カルロス・アコスタの「ロミオとジュリエット」のDVDが発売になって、人気の起爆剤になればいいですね。

このお知らせが祭典会員よりも先にスタダンという、NBSと関係ない公演で先に配布されてしまうのは、ちょっと会員をないがしろにしている感じがします。NBSのサイトにも告知はありません。

******
一方、東京バレエ団のモーリス・ベジャール追悼公演のお知らせはサイトに掲載されていました。

モーリス・ベジャール追悼特別公演
「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」

公演日程
2008年5月10日(土) 3:00p.m.
2008年5月11日(日) 3:00p.m.

会場 東京文化会館
一般発売1月18日(土)

ギリシャの踊り
◇主な配役◇
ソロ: 後藤晴雄(5/10)、中島周(5/11)
二人の若者: 長瀬直義-横内国広(5/10)
高橋竜太-小笠原亮(5/11)
パ・ド・ドゥ: 小出領子-松下裕次(5/10)
吉岡美佳-平野玲(5/11)
ハサピコ: 上野水香-高岸直樹(5/10,11)

火の鳥
◇主な配役◇
火の鳥: 木村和夫(5/10,11)
フェニックス: 高岸直樹(5/10)、後藤晴雄(5/11)

春の祭典
◇主な配役◇
生贄: 吉岡美佳 - 中島周(5/10)
井脇幸江 - 長瀬直義(5/11)

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スターダンサーズ・バレエ団の都さんの降板の件は多分皆様も良くご存知かと思いますので、改めて私から言うことはあまりありません。都さんの怪我がたいしたことがなく、早く舞台に復帰できますように。舞台の上でテューズリーに支えられながら、本当に申し訳なさそうに挨拶する都さんを見て、こちらももらい泣きしました。本当に誠実な方なんだなって思いました。公演の感想は後で書くかも。

******
パリ・オペラ座の「くるみ割り人形」は、2日のマチネは無事上演されたようですね。しかも衣装つきで。このまま、平常どおりに舞台が開催されることを祈るばかりです。
http://www.lemonde.fr/web/depeches/0,14-0,39-33440226@7-54,0.html
ル・モンドの記事(フランス語)

ダンソマニさんによると、予定されていたレティシア・プジョルではなく、ドロテ・ジルベールがクララを踊ったようです。

2007/12/02

世田谷パブリックシアター「失踪者」(カフカ原作、松本修演出)

世田谷パブリックシアター2作品交互上演「審判」「失踪者」
シアタートラム
[原作] フランツ・カフカ 池内紀訳(白水Uブックス「カフカ・コレクション」より/白水社刊)
[構成・演出] 松本修
[振付] 井手茂太
[美術] 伊藤雅子
[照明] 大野道乃
[音響] 市来邦比古
[衣裳] オルガ・カルピンスキー


[出演] 井口千寿瑠/石井ひとみ/伊勢佳世/いせゆみこ/大崎由利子/太田緑ロランス/ともさと衣/西田薫/山田美佳/石母田史朗/泉陽二/笠木誠/粕谷吉洋/小嶋尚樹/斎藤歩/柴田雄平/高田恵篤/中田春介/福士惠二/宮島健    
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/11/post_93.html

一時期自分が演劇をやっていたこともあったので、ストレートプレイも好きなのだけど、バレエをたくさん観るようになってからは足を運ぶことも減ってしまっていた。友人に勧められて観たのが、2001年と2003年に「アメリカ」の題で上演された(読売演劇大賞優秀作品賞、毎日芸術賞・千田是也賞を受賞)カフカ原作の「失踪者」。原作は「アメリカ」という題名の方が有名だけど、カフカは本来「失踪者」という題名をつけるつもりだったとのこと。

シアタートラムに行くのは、ずいぶん昔に野田秀樹の「赤鬼」を観て以来のこと。劇場に入ると、本来とは逆の組み方で、入り口が舞台の上になっており、奥が客席。舞台の奥が高くなっていて、階段で降りたところがメーンの舞台という形になっていて、上下2段の舞台構成をうまく使った上演になっていた。脚本はなく、長期にわたるワークショップにより完成した舞台だという。その成果が存分に発揮され、テンションが高くて充実した作品に仕上がった。しかも、同じキャストでの「審判」との交互上演というから、その大変さは想像を絶するものがある。上演時間は、休憩15分を入れると3時間45分という長丁場、しかしその長さは全然感じない、面白い舞台になっていた(席は大変座りづらくてお尻はちょっとつらかったけど)。

主人公のカール・ロスマン役を4人の役者(そのうち一人はともさと衣と女優)がリレーのように演じているのがユニークな趣向。役者の演技中心を中心に追うというよりは、舞台の流れや演出の妙を感じるのに良い手法だったと思う。出演する19名の俳優たちが、一人7~10もの役を演じるというのもすごい。話そのものも、あっち行ったりこっち行ったりと寄り道ばかり。それでいて散漫にならないということにも感心する。主人公の目線というよりは、周囲が見る主人公像の反映としての主人公という見せ方をしているのかな?そもそもカールは自分の意思が明確に存在しない人間なのだ。周囲の人間に流され、犠牲になる人間。なぜか女たちにはめっぽうモテるのだけど、そのことも彼自身の意思とはまったく関係ないのだ。その流れ流されていく感覚がなぜか心地よい。

19歳のドイツ人青年カールが女中に手篭めにされて妊娠させてしまい、親に追い出されアメリカに行く船の中で、大富豪の伯父に出会ったところから、流れ流れていくお話。登場する人物の大部分が悪意のある、だけど変に魅力的な人間たちで、カール自身の選択もことごとく裏目に出ることから、どんどん悲惨な目に遭っていくのに、暗さがまったく感じられなくて、色々な不条理にくすくす笑ってしまう。途中で挟まれるイデビアン・クルーの井手茂太さん振付による群舞が群集心理をうまく語らせていて、いいスパイスになっていたし、踊りもさまになっていた。音楽も飄々とした世界観に良く合っていた。

(以下ネタばれありにつき、これから観る方はごらんになりませんように)

終わり方の演出だけがちょっと疑問だったかな?最後に舞台上方のスクリーンに「働けば自由になれる(Arbeit macht frei=アウシュビッツ強制収容所の門に掲示されていた文言)」という言葉を映していたのは明確にナチズムを表現していたわけなんだけど、急に深刻なトーンを与えすぎで、今までの世界観を崩してしまっているような気がした。

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