12/24国立モスクワ音楽劇場バレエ『くるみ割り人形』
スタニフラスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念 国立モスクワ音楽劇場バレエ『くるみ割り人形』
マーシャ:ナタリア・レドフスカヤ
王子:ミハイル・プーホフ
ネズミの王様:ニキータ・キリーロフ
人形:アンナ・アルナウートワ
ムーア人:デニス・アキンフェーエフ
道化:アレクサンドル・ダシェフスキー
フリッツ/くるみ割り人形:キーラ・プリニュシナ
少女マーシャ:ヴァレリヤ・ムハーノワ
パ・ド・トロワ:ユルアン・ゴリュノーワ、キーラ・ブリニュシナ、ウラジーミル・ドミートリエフ
スペインの踊り:エカテリーナ・ガラーエワ、ドミトリー・ロマネンコ
東洋の踊り:ダリア・ダリエンコ
ロシアの踊り:インナ・ブルガーコワ、イリーナ・べラヴィナ、デニス・トゥリグーブ
中国の踊り:ガリーナ・イスマカーエワ、イリヤ・ウルーソフ
新国立劇場と同じワイノーネン版の「くるみ」なので、基本的な振付は一緒。大きな違いは、新国立劇場版では4人のキャバリエが登場しての「ローズアダージオ」もどきだったのが、こちらは普通のグラン・パ・ド・ドゥだったということ。こっちのほうがずっといい。
マーシャを踊ったレドフスカヤが素晴らしい~!たおやかで上品で愛らしくて素敵。彼女を見ている間中幸せで、1幕の終わりでもう涙が出てきちゃった。ちゃんと夢見る少女になっていて、軽やかで、ふわふわした夢の感じがよく出ていた。表情がまた可愛いの。レドフスカヤが踊る上演では、雪のシーンの前までが少女マーシャが踊って、雪のところでレドフスカヤに入れ替わることになっていた。ラストはまた少女マーシャのヴァレリア・ムハーノワ。巻き毛の黒髪でなかなか可愛らしく、ラインもきれいなダンサー。ミハイル・プーホフは長身金髪ハンサムなんだけど、背が高い分ちょっと重そうで、着地の時になかなか五番が決まらない。サポート自体は非常に上手なんだけどもったいない。
スタニフラフスキ・メソッドを標榜するバレエ団だけあって、コール・ドにいたるまで演技が達者。1幕は楽しかった~!2階の後方だったけど、このバレエ団だったら演技を楽しむために前の方で観ればよかった。おじいちゃんやおばあちゃんまで登場するところが素敵。フリッツは女性(キーラ・プリニュシナ)なのだけど、イタズラ小僧っぽくて芸が細かい。台詞がいっぱい聞こえてきそう。しかも、くるみ割り人形と、パ・ド・トロワにまで出ていて、本当に芸達者なダンサーだ。あと、切り紙をイメージした舞台美術、好き嫌いは分かれるところだけどとても洒落ていると思った。2幕はバックドロップがないのでちょっと寂しい感じだけど。ネズミ軍団の甲冑のような衣装はすごくカッコいい。雪のシーンの群舞も素敵で、上から見るとなかなか揃っていてきれいだった。このシーンでも、白い切り紙装置が生きていると思った。
キャラクターダンスは、中国の男性が毎回跳躍するたびに身体をエビのように前に曲げて、手と足がバン、っと当たっていてすごいバネと柔軟性って思った。東洋の踊りのダリア・ダリエンコ、美人!振付は新国立のとまったく同じだけど、衣装はこちらの方がセクシーでいいね。キャラクターダンスの衣装は基本的に白にカラフルなボンボンがついたもので、可愛いんだけど、これも好き嫌い分かれるかな。私は、個性的で好きなんだけど。
ラスト、夢から醒めたマーシャがくるみ割り人形をいとおしそうに抱きあげて見つめると、ドロッセルマイヤーがカーテンを閉じながら、「内緒だよ」と指を口に当てる仕草。この演出がすごくいい。じんわりとした余韻を残してくれた。改善点は色々あると思うんだけど、このカンパニーの持つ温かさが好きになった。素敵なクリスマスプレゼントとなったよ。
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