ABTの新作「CtoC」の動画/ケネス・グレーヴ
ブルームバーグで放映された、ABTの秋の新作「C to C (Close To Chuck)」を紹介する番組が、ABTのサイトを経由して見ることができます。(ダウンロード可能)
http://204.141.36.103/videoclips/MuseNews2007b.mov
フィンランド人振付家のヨルマ・エローによる作品で、音楽はフィリップ・グラス、そしてアーティスト、チャック・クロースの美術がフィーチャーされています。タイトルからもわかるように、クロースへのオマージュというか、友情を表現した作品。フィリップ・グラスの曲名も、「A Musical Portrait of Chuck Close」。フィリップ・グラスの肖像も、背景画の一つとして使われており、逆にダンスによるクロースの肖像画を描いたという作品です。クロースは病気で身体が麻痺をしてしまっていながらも創作活動に取り組んでいるそうで、そのあたりの苦悩も、今回の作品に表現されているとか。クロースの作品も、グラスの音楽も、そしてエローの振付も、小さな断片を集めてひとつの作品にしていくという共通点があります。
ヨルマ・エローといえば昨年の新作「Glow-Stop」が大変不評だったのですが、今回の作品も、映像を観る限りでは、フォーサイスとキリアンを足して2で割ったような感じで、オリジナリティは希薄そうですが、作品全体を観てみないとなんともいえないわけで。スカートのような衣装はとてもファッショナブルでいい感じ。でも、何よりも目の覚めるようなスーパーテクニックを見せてくれるエルマン・コルネホに驚かされます。ほかにマルセロ・ゴメス、ジュリー・ケントらの踊りを観ることができます。
The Wingerで、コール・ドのマシュー・マーフィ君による練習風景の写真なども見られます。
http://thewinger.com/words/2007/inside-890-close-to-chuck-craig-and-jackie-part-one/
http://thewinger.com/words/2007/inside-890-close-to-chuck/
全然話はかわりますが、フィンランドといえば、デンマーク・ロイヤル・バレエのプリンシパル、ケネス・グレーヴがフィンランド国立バレエの次期芸術監督(2008年8月より)に任命されたそうです。2007年シーズンの終わりに、ダンサーは引退されてしまうようです。ゼナイダ・ヤノウフスキーの相手役としてロイヤル・バレエにもたびたび客演していた、長身で素敵なダンサーだったので、40歳になる前の引退は残念です。
« バーミンガム・ロイヤル「コッペリア」追加公演 | トップページ | ドロテ・ジルベール、エトワール任命 »
「ABT(アメリカン・バレエ・シアター)」カテゴリの記事
- アメリカン・バレエ・シアター(ABT)で アラン・ベル、カサンドラ・トレナリー、カルヴィン・ロイヤル3世、トーマス・フォースター、ジュウン・アン、スカイラー・ブラントがプリンシパルに(2020.09.11)
- アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の2019年METシーズン、ボッレのABTフェアウェル(2018.10.27)
- マルセロ・ゴメスがABTを退団(2017.12.22)
- ABTの2018年METシーズン、マクレガーの新作(2017.10.30)
- ABTの昇進発表、サラ・レーン、デヴォン・トゥッシャー、クリスティーン・シェフチェンコがプリンシパルに(2017.07.08)
コメント