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2007/10/16

世界のプリマバレリーナたちVol.1 ヴィシニョーワのヴァリエーションレッスン

マリインスキー・バレエのディアナ・ヴィシニョーワが自ら選んだ、4つのヴァリエーションのレッスンと舞台映像で構成。自らお手本を見せながらテクニックや表現方法を語る。恩師であるコワリョーワ先生立ち合いのもと、2007年、ワガノワ・バレエ・アカデミーにて収録。 

[演目]
「白鳥の湖」より オデットのヴァリエーション
「ドン・キホーテ」1幕より キトリのヴァリエーション
「ジゼル」2幕より ジゼルの登場
「眠れる森の美女」1幕より オーロラのアントレとヴァリエーション


「ロパートキナのヴァリエーションレッスン」と同時期に買ったのだけど、時間がなくて今まで観られなかった。Vol.1ということは、この先も期待していいのかしら?

ヴィシニョーワの個性がずいぶん出ている一本になっている。最初と最後は、サンクトペテルブルグの街を案内。お天気は悪そうだけど、運河の多い美しい街で、ヴィシニョーワがこの街、そしてマリインスキー・バレエを心から誇りに思っているのがよくわかる。

今までヴィシニョーワって良くも悪くもディーヴァっぽいイメージが強かった。だけどこのDVDを見て思うのは、彼女はとても気が強く負けん気があるけど、可愛らしい人なんだなということ。自分の思い入れが強い作品を紹介しているからだと思うけど、実に嬉しそうに生き生きと、作品について熱心に語っている。話しているだけではなくてもう少し踊って、って思わないこともないんだけど好きな作品やバレエについて話し始めると止まらないんじゃないかなって。ロパートキナのヴァリエーションレッスンの方は、お手本をきっちりと撮影して語りは完全に別録りだったようだだった。こっちは同録で、お手本を見せながらも踊っているものだから、途中で話すのにも息が切れちゃっているし、お手本も途中までで終了になっている。このあたり、二人の性格の違いがよく出ている。

「白鳥の湖」より オデットのヴァリエーション

「白鳥の湖」のニ幕終盤のオデットのヴァリエーション。両腕をゆっくりと下ろすところから始まる。ヴィシニョーワの腕の動きは独特で、かなりクネクネしているので私はちょっと苦手なのだけど、自分の中に確固としたオデット像を持っていて、そのオデット像自体は去年のマリインスキー・バレエの公演で観たときにかなりのインパクトを受けて新鮮に感じた。ヴィシニョーワはなかなかオデットを踊る機会に恵まれず、初めてオデットを踊ったのがパリ・オペラ座、セルゲイエフ版を初めて踊ったのが新国立劇場で、なかなかマリインスキーでは踊らせてもらえなかったのだ。それだけに、自分なりの役作りの思い入れとともに、オデットというのはある程度踊る人の自由な解釈で踊っていいのよ、と話していたのが印象的。「ここはこういうポーズでもいいし、こんなのでもいいと思います」なんて感じでいろいろポーズを作ってくれたりして。さすがに一つ一つのポーズはとても綺麗だし、重心をすごく前に持っていって、白鳥特有の胸の形を作るところは惚れ惚れするほど色っぽい。背中が柔らかいのでアラベスクもさすがに美しいし。ワガノワ・アカデミーの稽古場の床が堅そうで、ポアントの音もかなりしていたけど踊りにくくないのかなと少しだけ心配になった。

「ドン・キホーテ」1幕より キトリのヴァリエーション

ワガノワの生徒としては異例のローザンヌコンクール出場後、初めて全幕の主演をしたのがこの作品とのこと。
通称カスタネットのソロと呼ばれている1幕のスピーディなヴァリエーション。キトリのシグネチャー的な踊りとして大きなインパクトを与えなければならないところ。あとで登場する「眠り」の1幕の登場シーンと同様、ここでの出来が舞台全体の完成度を左右するというからけっこうプレッシャーが大きい。よく「ドン・キホーテ」の舞台写真で使われる、キトリが大きく背中を反らせて跳躍するところは実はあまり難しくないとのことだけど、プリエをあまり深くすると綺麗に跳べないそう。音にぴったりと合わせてリズミカルに踊るのが何よりも難しいとのこと。アクセントをつけるポーズは、踊る人の裁量に任されている部分が多いそう。この場面は三段のティアードスカートで踊るのが一般的なのだけど、「スカートの見せ方も大事です」と言ってさっと作ってくれたポーズが、ラインもキレイにカッコよく決まっている。でも最後のシェネのところはあまりにも速く回りすぎて、マイクが飛んじゃって慌てていたのが可愛い~。
ヴィシニョーワは、どちらかといえばドラマティックな役柄を好んで踊るので、キトリのイメージはあまりないけれども、彼女のキトリも機会があれば観てみたいなと思った。

「ジゼル」2幕より ジゼルの登場

「ジゼル」は、ヴィシニョーワが最も愛する作品のひとつということだそうで。ウィリとなったジゼルが、右腕アロンジェ、アティチュードで高速回転するヴァリエーション。顔のつけ方も、通常の回転とは異なり、スポッティングというよりは、顔は動かさないで回らないといけないのでかなり難しい。腕、アティチュードにした脚も動かさないで、片脚の動きだけでの回転で、しかも音楽とぴったりと合わせて踊らなくちゃいけないものだから。
「でも、難しいのは1幕です」ということで、日常生活の中の表現をしながらも、特にパートナーと息をぴったり合わせなくてはならないところが大変とのこと。作品を愛するあまり、ジゼルとしてデビューする予定を2回も延期して、納得のいくところまで完成させてから出演したそうで。ヴィシニョーワのジゼルは、表現にかなりクセがあるので、好き嫌いが分かれるとは思うけど。


「眠れる森の美女」1幕より オーロラのアントレとヴァリエーション

「この作品を踊るために、バレリーナは血を流します」というほど、厳格な踊り方が決められていて難易度の高い踊り。この登場シーンが上手くいくかどうかで作品の質が決まるわけで、どんな名バレリーナでも、ここを踊るには非常に緊張するとのことで、ヴィシニョーワも、登場の曲が流れ出すと一瞬心臓が止まりそうになるそう。
「白鳥」や「ドン・キホーテ」はある程度、バレリーナが自分流に踊ることが許されているけど、「眠れる森の美女」は、特にペテルブルグ派は厳密な決まりがあって、それを逸脱することは許されなくて、それが本当に難しいとのこと。アントレのところでの細かい前や後ろのアティチュードを音楽に合わせるのが特に大変だそうで。オペラ座(ヌレエフ版)とマリインスキーの違いも、パ・ド・シャを実演して説明。
でも、ヴィシニョーワのお茶目なところは、ヴァリエーションについて表現するところで、「いたずらもしますよ」と後ろにポアントでぴょこぴょこと進み、1回転すると「かわいい」とほめられて喜んでいたりするのだ。ものすごくつらい踊りでも、そのつらさを微塵も見せないで幸福感で満ち満ちた16歳の姫を演じなければならない。だったら、そのつらいところを楽しく見せるための工夫のひとつなんだろうな、って思った。

インタビューでは、これから踊ってみたいのは「愛の伝説」と語っていて、ロパートキナと同じだ、と思ったのだった。来年には、若い振付家とともに、ニューヨーク(とオレンジカウンティ)で自分のプロデュース公演を行うのが楽しみで仕方ないといった風情。舞台で見るヴィシニョーワとはまた違った姿を見られたのがよかった。


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コメント

このDVDには、収録されていませんが、年末には新国立で「くるみ割り人形」を踊りますね。
こういう人柄だと思いながら、舞台をみると、また違ったクララ像が描けるのかもしれません。
「愛の伝説」是非、映像で観てみたいです。

くみさん、こんばんは。
私もヴィシニョーワとファジェーエフのくるみを新国立劇場へ観に行く予定です!私はヴィシニョーワのくるみは初めてなので半分怖いもの見たさ(笑)ですが、実際にはとても可愛らしいところがあるようなので、楽しみですね。
「愛の伝説」は古い映像はあるみたいですね。

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